タイトル: | 公開特許公報(A)_溶出試験器 |
出願番号: | 2005144172 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | G01N 33/15 |
関澤 和俊 山崎 眞雄 JP 2006322744 公開特許公報(A) 20061130 2005144172 20050517 溶出試験器 日本分光株式会社 000232689 岩橋 祐司 100092901 関澤 和俊 山崎 眞雄 G01N 33/15 20060101AFI20061102BHJP JPG01N33/15 A 4 1 OL 10 本発明は溶出試験器、特に溶出試験の安定化機構の改良に関する。 従来より、例えば製剤等の試料の品質を一定に確保するため、試料からの目的成分の溶出を試験する溶出試験が行われている。 溶出試験を行うための溶出試験器としては、種々のものが開発されている。従来は、例えば特許文献1に記載の溶出試験器がある。 溶出試験器は、一般に、ベッセルと、パドル(又は回転バスケット)と、回転軸と、電動機と、恒温水槽と、を備える。 溶出試験では通常、以下に示されるような溶出試験器の操作を行う。すなわち、一定量の試験液をベッセルにとり、ベッセル内の試験液の温度を37±5℃に保つ。そして、試料をベッセル内底の中心部に沈めた後、規定の位置でパドルを回転させる。規定された時間でベッセルから試験液を採取し、これを試料溶液とする。試料溶液中の目的成分は、規定する方法により定量され、表示量に対する溶出率が求められる。特開2000−283977号公報 ところで、溶出試験器には、溶出試験の安定化が要求されている。 しかしながら、前記従来方式の溶出試験器にあっても、溶出試験の更なる安定化は困難であった。 また従来は、溶出試験の更なる安定化を妨げる原因も不明であった。 本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、溶出試験をより安定して行うことのできる溶出試験器を提供することにある。<原因の解明> 本発明者らが前記課題について鋭意検討を重ねた結果、溶出試験の更なる安定化のためには、一の溶出試験器にセットされている複数のベッセル間で、溶出時間を同一とすることが非常に重要である点を発見した。 しかしながら、本発明者らは、実際には、複数のベッセル間で、溶出時間の同一化を図るのは非常に困難であり、以下の現象を確認した。 すなわち、投薬は通常、手作業で、一のベッセル毎に一の薬剤を順次、投薬していくが、このためベッセル間で投薬時間にずれが生じ、一方、吸引ノズルによる試験液の吸引は、各ベッセル間で同時に行われる。 このため、一の溶出試験器でも複数のベッセル間で、投薬から吸引までの溶出時間に差が生じる。これにより各ベッセル間で溶出率の差が生じるので、溶出試験を安定して行えないことがある点を本発明者らが発見したのである。 このような原因の解明に基づき課題解決手段について鋭意検討を進めたところ、投薬を容易に行うためだけに大掛かりな専用投薬機構を設けたのでは、コストがかかり、またこのような専用投薬機構を設けること自体が溶出試験を安定して行えない新たな要因ともなり得るので、本発明において特徴的な課題の解決手段として採用するには至らなかった。 これに対し、本実施形態においては、コストをかけず簡単な構成でも、複数のベッセル間への一斉投薬を行うためには、溶出試験器の標準装備を積極的に利用し、以下の自動一斉投薬機構を構成することが非常に重要であることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、前記目的を達成するために本発明にかかる溶出試験器は、恒温水槽と、ベッセルと、ベッセル蓋と、ノズルホルダと、吸引ノズルと、投薬機構と、を備える。前記投薬機構は、投薬口と、試料受けと、操作棒と、を備えることを特徴とする。 ここで、前記恒温水槽は、恒温水が入れられる。 また前記ベッセルは、溶出試験を行うための試験液を入れる上端開口を持つ有底の本体を含み、該本体の所望部分が前記恒温水槽内の恒温水中に沈められる。 前記ベッセル蓋は、前記ベッセルの上端開口に設けられ、試験液の吸引口を持つ。 前記ノズルホルダは、前記ベッセル蓋の上方で上下動する。 前記吸引ノズルは、前記ノズルホルダより垂下し該ノズルホルダと共に上下動自在に設けられ、前記ベッセル蓋の吸引口に挿通された状態で前記ベッセル内の試験液を吸引する。 前記投薬機構は、所定タイミングで、試料を前記ベッセル内に自動的に投薬するためのものとする。 前記投薬口は、前記ベッセル蓋に設けられ、溶出試験を行う試料の前記ベッセル内への投入のためのものとする。 前記試料受けは、前記ベッセル蓋に投薬口を開閉自在に設けられ、該投薬口を閉の状態で試料を前記ベッセル蓋に保持し、該投薬口を開の状態で試料を該投薬口を介して前記ベッセル内に投薬するためのものとする。 前記操作棒は、前記ノズルホルダに設けられ、投薬の際は前記試料受けと当接し前記投薬口を開の状態とする。 そして、該溶出試験器は、投薬の際、前記操作棒を前記ノズルホルダと共に下降させ、該試料受けに該操作棒を当接させて該操作棒で前記試料受けを下方に押し開くことで該投薬口を開の状態とし、該試料受けに予めセットしていた試料を該投薬口を介して前記ベッセル内に落下させる。<試料受け> なお、本発明において、前記試料受けは、開閉扉部と、棒当接部と、扉支持部と、を備えることが好適である。 ここで、前記開閉扉部は、前記ベッセル蓋の投薬口において蝶番のように回動自在に設けられ、試料が載置される。 また前記棒当接部は、前記開閉扉部に設けられ、前記操作棒と当接し、前記開閉扉部と共に回動する。 前記扉支持部は、前記ベッセル蓋に対し前記開閉扉部を蝶番のように回動自在となるように支持する。 そして、投薬の際は、前記操作棒で前記棒当接部を下方に押すと、前記開閉扉部を該棒当接部と共に回動させ前記投薬口を開の状態とし、該開閉扉部に予めセットしておいた試料を該投薬口を介して前記ベッセル内に落下させる。<操作棒> また本発明において、前記操作棒は前記ノズルホルダからの長さが吸引ノズルに比較し短い。これは、投薬の際に前記操作棒は前記試料受けと当接し前記投薬口を開の状態とし、かつ前記吸引ノズルは前記ベッセル内底と接触しない上下方向位置にあり、また試験液の吸引の際、該操作棒は該試料受けと当接せず該投薬口を閉の状態とし、かつ該吸引ノズルは該ベッセル内の試験液を吸引可能な上下方向位置にあるような、該操作棒の長さであることが好適である。<籠> 本発明において、籠を備えることが好適である。 ここで、前記籠は、試料が入れられた状態で前記試料受けにセットされる。 投薬の際は、試料を籠毎、前記投薬口を介して前記ベッセル内に落下させることが好適である。 本発明にかかる溶出試験器によれば、前記投薬機構を備えることとしたので、簡単な構成で投薬を所定タイミングで確実に行えることから、簡単な構成で溶出試験を安定して行うことができる。 また本発明においては、前記試料受けが、開閉扉部と、ばねとを備えることにより、前記投薬をより確実に行うことができるので、前記溶出試験を、より安定して行うことができる。 本発明においては、操作棒のノズルホルダからの長さを規定することにより、前記投薬をより確実に行うことができるので、前記溶出試験を、より安定して行うことができる。 本発明においては、前記籠を備えることにより、簡単な構成で前記投薬をより確実に行うことができるので、前記溶出試験を、より安定して行うことができる。 以下、図面に基づき本発明の好適な一実施形態について説明する。 図1には本発明の一実施形態にかかる溶出試験器を側方より見た図が示されている。 図2には本実施形態にかかる溶出試験器をベッセル蓋の上方より見た図が示されている。 本実施形態において、溶出試験器10は、恒温水槽12と、ベッセル14と、ベッセル蓋16と、ノズルホルダ18と、吸引ノズル20と、自動一斉投薬機構(投薬機構)22と、を備える。 ここで、前記恒温水槽12は、横断面が円形のものであり、恒温水24が入れられる。 また前記ベッセル14は、横断面が円形のものであり、試料26及び試験液28を入れられ、所望部分が恒温水槽12内の恒温水24中に沈められる。 前記ベッセル蓋16は、横断面が円形のものであり、ベッセル14の上端開口に設けられ、試験液28の吸引口29を持つ。このベッセル蓋16は、その下端面の外径が上端面の外径よりも小さいテーパ部を持つ。 前記ノズルホルダ18は、ベッセル蓋16の上方で上下動する。 前記吸引ノズル20は、ノズルホルダ18より垂下してノズルホルダ18と共に上下動自在に設けられ、ベッセル蓋16の吸引口29に挿通された状態で、ベッセル14内の試験液28を吸引する。 本実施形態において特徴的な自動一斉投薬機構22は、投薬口30と、試料受け32と、操作棒34と、を備える。自動一斉投薬機構22は、所定タイミングで、試料26をベッセル14内に自動的に投薬するためのものとする。 ここで、前記投薬口30は、ベッセル蓋16に設けられ、試料26のベッセル14内への投入のためのものとする。 また前記試料受け32は、ベッセル蓋16に投薬口30を開閉自在に設けられ、投薬口30を閉の状態で試料26をベッセル蓋16に保持し、投薬口30を開の状態で試料26を投薬口30を介してベッセル14内に投薬するためのものとする。 前記操作棒34は、ノズルホルダ18に設けられ、投薬の際は試料受け32と当接し、投薬口30を開の状態とする。 そして、本実施形態において、投薬の際は、操作棒34をノズルホルダ18と共に下降させ、試料受け32に操作棒34を当接させて操作棒34で試料受け32を下方に押し開き投薬口30を開の状態とし、試料受け32に予めセットしていた試料26を投薬口30を介してベッセル14内に自動的に落下させる。<溶出試験器> なお、本実施形態においては、さらに、ヘッド40と、支持手段42と、水槽蓋44と、蓋移動軸46と、を備える。 前記ヘッド40は、恒温水槽12の上方に配置され、ベース47に対し上下動する。ノズルホルダ18は特定の上下方向位置までヘッド40と共に下降し、該位置から下方ではヘッド40に対しノズルホルダ18が独立して上下動する。 前記支持手段42は、ベース46に対しヘッド40を片持ちの状態で上下動自在に支持する。 前記水槽蓋44は、恒温水槽12の上端開口に設けられ、ベッセル14の本体外径よりも若干大きく、かつベッセル14のフランジ外径よりも若干小さい内径を有する保持穴が設けられ、保持穴にベッセル14の外向きフランジかけることで、恒温水槽12内の恒温水中に対しベッセル14の所望部分を沈めて保持する。 前記蓋移動軸46は、ヘッド下部より垂下してベッセル蓋16の中心に位置決め固定され、ヘッドと共に上下動する。蓋移動軸46は、筒体48と、回転軸49と、を備える。また回転軸の下部にパドル50を備える。 また恒温水槽12には、円形の恒温水槽12の内底に同心円状に円形ヒータ51と、円形の恒温水槽12の内底の中心にパドル等の恒温水攪拌手段52と、を設けている。 このようにして溶出試験器10を構成することにより、溶出試験を安定して行うことができる。 ところで、本発明者らは、溶出試験を安定して行うためには、簡単な構成で、コストをかけず複数のベッセル14への試料の投入を一斉に行うことが非常に重要である点を発見した。 ここで、従来においても投薬を行っており、通常はこれを手作業で行っていた。 しかしながら、このような手作業は面倒であり、また複数のベッセル14間で投入する時間に差が生じる。このため複数のベッセル14間で、溶出時間のばらつきが生じるので、精度の高い溶出試験が行えないことがある。 一方、投薬を容易に行うため、大掛かりな専用機構を設けたのでは、コストがかかり、また大掛かりな専用機構を設けること自体が、溶出試験を不安定にする新たな要因ともなり得る。 これに対し、本実施形態にかかる溶出試験器10では、簡単な構成で、コストをかけず複数のベッセル14への試料26の投入を一斉に行うため、溶出試験器10の標準装備の一部を積極的に利用し、自動一斉投薬機構を構成することが非常に重要である。 すなわち、本実施形態では、溶出試験器10の吸引ノズル20の上下機構に、操作棒を設けている。 また溶出試験器10には、試験液28の蒸発防止のためベッセル蓋16を設けているが、このベッセル蓋16に試料受け32を設けている。 このようにして本実施形態においては、溶出試験器10の標準装備を積極的に利用して自動一斉投薬機構を構成することにより、自動一斉投薬のための構成を簡略化し、またコストも抑えている。 以下に、本実施形態の自動一斉投薬機構について、より具体的に説明する。 図3には本実施形態の自動一斉投薬機構の要部が拡大させて示されている。同図(A)は自動一斉投薬機構の近傍を上方より見た図、同図(B)は、同様の自動一斉投薬機構の近傍を側方より見た図である。<試料受け> 本実施形態において、前記試料受け32は、開閉扉部54と、棒当接部56と、扉支持部58と、を備える。 ここで、前記開閉扉部54は、試料26が載置された状態で、扉支持部58を軸に蝶番のように回動自在に設けられる。 また前記棒当接部56は、開閉扉部54に設けられ操作棒34と当接し、開閉扉部54と共に回動する。 前記扉支持部58は、例えばバネ等を含み、ベッセル蓋16に対し開閉扉部を蝶番のように回動自在となるように支持する。 そして、投薬の際は、操作棒34で棒当接部56を下方に押して開閉扉部54を開き投薬口30を開の状態とし、開閉扉部54の上に予めセットしておいた試料26が自動的に、投薬口30からベッセル14内に落下する。<操作棒> また本実施形態において、前記操作棒34はノズルホルダ18からの長さが吸引ノズル20に比較し短い。つまり、本実施形態においては、投薬の際に操作棒34は試料受け32と当接し投薬口30を開の状態とし、かつ吸引ノズル20はベッセル14内底と接触しない上下方向位置にあり、また試験液28の吸引の際、操作棒34は試料受け32と当接せず投薬口30を閉の状態とし、かつ吸引ノズル20はベッセル14内の所望深さで試験液28を吸引可能な上下方向位置にあるように、ノズルホルダ18からの操作棒34の長さが決められていることが好適である。 このような自動一斉投薬機構により、図4に示されるような投薬を行う。なお、同図(A)は溶出試験の開始前の状態、同図(B)は試料26の投薬時(溶出試験の開始時)の状態、同図(C)は試験液28の吸引時の状態である。<試験開始前> すなわち、同図(A)に示されるような、溶出試験の開始前の状態では、吸引ノズル20及び操作棒34は、ベッセル14上方に離隔している。試料26は予め開閉扉部54の上にセットされている。<試験開始時> 同図(B)に示されるような投薬時は、吸引ノズル20を通常の吸引位置よりも低い投薬位置まで下げる。操作棒34が棒当接部56に当接し、開閉扉部54を開くと、投薬口30が開口するので、試料26が開閉扉部54から投薬口30を介してベッセル14内に落下する。投薬と同時に溶出試験を開始する。 また試料26の落下後、操作棒34を吸引ノズル20と共に上昇させると、操作棒34が棒当接部56から離隔するので、開閉扉部54がバネ等の扉支持部58の力で閉まり、投薬口30を閉口する。このため、ベッセル14内の試験液28の蒸発を確実に防ぐこともできる。<試験液吸引時> そして、溶出試験の開始から規定の時間後、試験液の吸引時は、同図(C)に示されるような吸引ノズル20を通常の吸引位置まで下げる。吸引ノズル20でベッセル14内の試験液28を吸引する。 このような投薬後は、吸引時は勿論、溶出試験中は、操作棒34がベッセル蓋16の試料受け32に届かず、試料受け32を押し下げていないので、投薬口30は閉口したままである。このためベッセル14内の試験液28の蒸発を確実に防ぐこともできる。 このようにして吸引された試験液28を標準溶液とし、後段で溶出率が求められる。 このように本実施形態にかかる溶出試験器10によれば、自動一斉投薬機構を、溶出試験器10の標準装備をうまく利用して構成することで、コストをあまりかけることなく、簡単な構成でも、自動的に試料26の複数のベッセル14への一斉投入を同時に行うことができる。 したがって、本実施形態においては、簡単な構成で、溶出試験を安定して行うことができる。<投薬タイミングの認識> また本実施形態は、以下の点からも、簡単な構成で、溶出試験を安定して行うことができる。 すなわち、試料26を一斉に投入しても、投入タイミングを正確に認識できなければ、規定の溶出時間を管理するのが困難である。 このため本実施形態においては、投入タイミングの正確な認識も非常に重要である。 すなわち、手動で専用投薬機構を操作していたのでは、コンピュータ(PC)または溶出試験器(DT)による試料26の投入タイミングの認識が困難である。このため従来は試料投入時からの溶出時間の管理が困難であったので、規定の溶出時間で、溶出試験を安定して行うのが困難であった。 これに対し、本実施形態は、吸引ノズル20を投下位置まで下げる命令を、コンピュータ(PC)または溶出試験器(DT)により行うことにより、錠剤の投下タイミングを測定プログラムのスタート時と自動的に認識することができる。このため本実施形態は、このような錠剤の投下タイミングに基づく試料投入時からの溶出時間の管理が非常に正確に行えるので、規定の溶出時間で、溶出試験を安定して行うことができる。<籠> また本実施形態においては、前記投薬を、より確実に行うため、以下のものを用いることも好ましい。 すなわち、本実施形態において、図5に示されるようなメッシュ状の円筒の籠60を備える。 ここで、前記籠60は、予め試料26が入れられた状態で、試料受け32にセットされる。 そして、試料受け32が開くと、各ベッセル14間で同様にして、試料26が籠60毎、ベッセル14内に落下する。 この結果、本実施形態においては、試料26をそのまま投薬するものに比較し、各ベッセル14間での投薬タイミングをより同一とすることができるので、前記溶出試験を、複数のベッセル14間で、より安定して行うことができる。<剤形> 前記構成では、試料26の剤形として、錠剤に適用した例について説明したが、そのほか、カプセル、顆粒、粉末等に好適に適用することができる。本発明の一実施形態にかかる溶出試験器の概略構成の説明図である。本実施形態にかかる溶出試験器のベッセル蓋を上方より見た図である。図1に示した溶出試験器において特徴的な自動一斉投薬機構の概略構成の説明図である。図3に示した自動一斉投薬機構の作用の説明図である。図3に示した自動一斉投薬機構で好適に用いられる籠の説明図である。符号の説明10 溶出試験器 12 恒温水槽14 ベッセル16 ベッセル蓋18 ノズルホルダ20 吸引ノズル22 自動一斉投薬機構(投薬機構) 恒温水が入れられる恒温水槽と、 溶出試験を行うための試験液を入れるための上端開口を持つ有底の本体を含み、該本体の所望部分が前記恒温水槽内の恒温水中に沈められるベッセルと、 前記ベッセルの上端開口に設けられ、試験液の吸引口を持つベッセル蓋と、 前記ベッセル蓋の上方で上下動するノズルホルダと、 前記ノズルホルダより垂下して該ノズルホルダと共に上下動自在に設けられ、前記ベッセル蓋の吸引口に挿通された状態で前記ベッセル内の試験液を吸引する吸引ノズルと、 所定タイミングで、溶出試験を行う試料を前記ベッセル内に自動的に投薬するための投薬機構と、 を備え、 前記投薬機構は、前記ベッセル蓋に設けられ、試料の前記ベッセル内への投入のための投薬口と、 前記ベッセル蓋に投薬口を開閉自在に設けられ、前記投薬口を閉の状態で試料を該ベッセル蓋に保持し、該投薬口を開の状態で試料を該投薬口を介して前記ベッセル内に投薬するための試料受けと、 前記ノズルホルダに設けられ、投薬の際は、前記試料受けと当接し、前記投薬口を開の状態とする操作棒と、 を備え、前記投薬の際は、前記操作棒を前記ノズルホルダと共に下降させ、該試料受けに該操作棒を当接させて該該操作棒で該試料受けを下方に押し開くことで前記投薬口を開の状態とし、該試料受けに予めセットしていた試料を該投薬口を介して前記ベッセル内に落させることを特徴とする溶出試験器。 請求項1記載の溶出試験器において、 前記試料受けは、前記ベッセル蓋の投薬口において蝶番のように回動自在に設けられ、試料が載置される開閉扉部と、 前記操作棒と当接し、前記開閉扉部と共に回動する棒当接部と 前記ベッセル蓋に対し前記開閉扉部を蝶番のように回動自在となるように支持する支持部と、 を備え、前記操作棒で前記棒当接部を下方に押すと、該棒当接部と共に前記開閉扉部が回動し前記投薬口を開の状態とし、該開閉扉部に予めセットされていた試料を該投薬口を介して前記ベッセル内に落下させることを特徴とする溶出試験器。 請求項1又は2記載の溶出試験器において、 前記操作棒は前記ノズルホルダからの長さが前記吸引ノズルに比較し短く、これは、投薬の際、前記操作棒は前記試料受けと当接し前記投薬口を開の状態とし、かつ該吸引ノズルは前記ベッセル内底と接触しない上下方向位置にあり、また試験液の吸引の際、該操作棒は該試料受けと当接せず該投薬口を閉の状態とし、かつ該吸引ノズルは該ベッセル内の試験液を吸引可能な上下方向位置にあるような、該操作棒の長さであることを特徴とする溶出試験器。 請求項1〜3のいずれかに記載の溶出試験器において、 試料が入れられた状態で前記試料受けにセットされる籠を備え、 投薬の際は、試料を前記籠毎、前記投薬口を介して前記ベッセル内に落下させることを特徴とする溶出試験器。 【課題】本発明の目的は、溶出試験を安定して行うことのできる溶出試験器を提供することにある。【解決手段】恒温水槽12と、試験液28を入れるベッセル14と、試験液28の吸引口29を持つベッセル蓋16と、ノズルホルダ18と共に上下動自在に設けられた試験液28の吸引ノズル20と、試料26を該ベッセル14内に投薬するための投薬機構22と、を備え、該投薬機構22は、該ベッセル蓋16に設けられた投薬口30と、該ベッセル蓋16に投薬口30を開閉自在に設けられ、該投薬口30を閉の状態で試料26を該ベッセル蓋16に保持する試料受け32と、該ノズルホルダ18と共に上下動自在に設けられ、投薬の際は該試料受け32と当接し該投薬口30を開の状態とし該試料受け32の試料26を該投薬口30を介して該ベッセル14内に落下させるための操作棒34と、を備えたことを特徴とする溶出試験器10。【選択図】 図1