タイトル: | 公開特許公報(A)_ジェル状の皮膚保護用シート |
出願番号: | 2005138748 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 9/70,A61L 15/58,A61K 47/32,A61M 35/00,A61F 13/00 |
大浦 武彦 譲原 和夫 村松 宏 JP 2006315980 公開特許公報(A) 20061124 2005138748 20050511 ジェル状の皮膚保護用シート 大浦 武彦 505172352 原沢製薬工業株式会社 500379912 高橋 剛 100096758 高橋 雅和 100114845 大浦 武彦 譲原 和夫 村松 宏 A61K 9/70 20060101AFI20061027BHJP A61L 15/58 20060101ALI20061027BHJP A61K 47/32 20060101ALI20061027BHJP A61M 35/00 20060101ALI20061027BHJP A61F 13/00 20060101ALI20061027BHJP JPA61K9/70 401A61L15/06A61K47/32A61M35/00 ZA61F13/00 301C 1 OL 5 4C076 4C081 4C167 4C076AA72 4C076AA76 4C076BB31 4C076CC04 4C076CC18 4C076CC19 4C076EE03A 4C076FF17 4C076FF35 4C076FF56 4C076FF57 4C076GG23 4C081AA03 4C081AA12 4C081BB04 4C081BB05 4C081BC01 4C081CA021 4C081CA031 4C081CB011 4C081CC01 4C081CE07 4C081CE10 4C081DA02 4C081DA12 4C081EA03 4C167AA72 4C167BB23 4C167CC01 4C167GG02 4C167GG06 4C167GG42 4C167GG45 4C167HH08 4C167HH14 本発明は、褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等の皮膚治療、及び鬱血等により生じる褥瘡の予防に用いるジェル状の皮膚保護用シートに関する。 従来より、褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等の皮膚治療にはシリコンジェルシートが使用されてきた。 シリコンジェルシートが鬱血等により生じる褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等の皮膚治療になぜ効果があるのか、そのメカニズムは未だに解明されていないが、そのメカニズムとして、水分供給、皮膚表面からの水分蒸発を防ぐが、半透性のため酸素分圧を変えないこと、接着による圧迫、ケロイド中に増加する肥満細胞に対し、シリコンとシリコンジェルシートにインチ毎に数百ボルト流れる静電気がコラーゲン生成物中の肥満細胞に影響を及ぼし、肥満細胞数を現象させること、が考えられ推論されている。 又、シリコンジェルシートの他に、プラスチックフィルムからなる基材と、この基材の片面に設けられた弾性ポリマーを主成分とする疎水性粘着剤と、この疎水性粘着剤の上に設けられた親水性粘着剤と、この親水性粘着剤の上に貼着されかつ粘着面をカバーするように設けられた離型紙とを含む創傷保護用絆創膏等がある(例えば、特許文献1参照。)。 しかし、シリコンジェルシートは医療現場、特に老人介護施設等で使用するには値段が高いことが指摘され、値段が高いことで採用出来ない、ということがしばしばあった。 又、シリコンジェルシートはもろく切れやすい性質をもっていることも指摘されていた。 さらに、創傷保護用絆創膏は創傷部位、即ち傷口に使用する絆創膏であり、鬱血等により生じる褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等に当てて(貼付し)皮膚の治療及び鬱血等により生じる褥瘡の予防に用いるものではない。 そこで、本出願人の一人である原沢製薬工業株式会社は比較的低価格の「シリコーン・ジェルシート」を開発した(例えば、非特許文献1参照。)。特開2003−339762号公報([0006])小川令、赤石諭史、百束比古「ケロイド・肥厚性瘢痕に」対するシリコーン・ジェルシートの使用経験第1報」、臨床医薬、第20巻、第4号、別冊、平成16年4月、P459(79)−464(84) しかし、前記原沢製薬工業株式会社が開発したシリコーン・ジェルシートは従来のものより比較的安いものであったが、それでも医療現場、老人介護施設等で使用するには、なお比較的高いものであった。 そこで、本発明は、創傷部位、即ち傷口に当てるのではなく鬱血等により生じる褥瘡、ケロイド、肥厚性瘢痕等の部位に当て皮膚治療及び鬱血等により生じる褥瘡の予防に用いる非常に低価格で丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを提供することを目的とする。 本発明者等はシリコーンでなくてもシリコーンのもっている性質、即ち保湿性、接着による圧迫等と同様の性質をもっている物質であれば、従来のシリコーン・ジェルシートよりも安くて、丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを作ることが出来るのではないかと考え、鋭意研究の結果、従来のシリコーン・ジェルシートよりも安く(原沢製薬工業株式会社のシリコーン・ジェルシートの約1/2の値段である。)、丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを作ることに成功した。 そこで、本発明のジェル状の皮膚保護用シートは、ポリエチレンとポリスチレンを共重合したことからなる。 本発明のジェル状の皮膚保護用シートは丈夫で、水洗いして何度も使用することが出来る。したがって、購入時に安い料金で購入することが出来ると、同時に、さらに、何回も使用することが出来るので値段的にさらに安くつくものである。 本発明のジェル状の皮膚保護用シートはポリエチレンとポリスチレンの共重合体に可塑剤(パラフィン系プロセスオイル等)、添加剤(パラフィン系油ゲル化剤)、及び水素添加炭化水素樹脂を混合したことにより製造される。 鬱血等により生じる褥瘡は、ベッド(特に病院のベッド)、椅子(特に車椅子)等に長時間皮膚を当てていると生じるものであるが、本発明のジェル状の皮膚保護用シートを当該皮膚に当てておくと褥瘡が生ぜず、当該褥瘡の発生を予防することも出来るものである。本発明のジェル状の皮膚保護用シートはコストが非常に安く、丈夫で水洗いすることにより何回も使用することが出来るので、このことからも褥瘡の発生の予防に使用することができるものである。 本発明は、以上の構成を有するので、非常に丈夫で、低コストのジェル状の皮膚保護用シートを提供することが出来、したがって、医療現場、老人介護施設等に限らず、鬱血等による褥瘡、ケロイド、肥厚性瘢痕等の治療を必要とする患者にあまねく使用することが出来、かつ、鬱血により生じる褥瘡の発生を予防することも出来るものである。 下記に本発明の実験例を示す。 実験例1(治療効果) 2歳8ヶ月の女児、胸部に熱湯をかぶり、熱湯受傷後、徐々に肥厚性瘢痕を生じた。本発明のジェル状の皮膚保護用シート(6cm×12cm×1.5mm)を貼付し、10週間経過観察していたところ、発赤は消退し、毛細血管の拡張も認められなくなった。 実験例2(治療効果) 32歳の女性で、左肩にできたケロイドを一旦切除した後に、1年後に発赤、痒みがみられたということで、本発明のジェル状の皮膚保護用シートを貼付し、8週間経過観察していたところ、痒みはおさまり、発赤は軽快傾向を示した。 実験例3(褥瘡の予防効果) 男性が4例、女性が6例、平均年齢は38.7歳(1〜77歳)であり、手術部位は背部2例、肩1例、下腹部1例、下腿6例で、8〜15時間の手術の患者さんにベッドに寝る部位に本発明のジェル状の皮膚保護用シート(25cm×30cm×3mm)を貼付した結果、褥瘡が出来なかった。 ポリエチレンとポリスチレンを共重合したことを特徴とするジェル状の皮膚保護用シート。 【課題】 創傷部位、即ち傷口に当てるのではなく鬱血等により生じる褥瘡、ケロイド、肥厚性瘢痕等の部位に当て皮膚治療及び鬱血等により生じる褥瘡の予防に用いる非常に低価格で丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを提供すること。【解決手段】 シリコーンでなくてもシリコーンのもっている性質、即ち保湿性、接着による圧迫等と同様の性質をもっている物質であれば、従来のシリコーン・ジェルシートよりも安くて、丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを作ることが出来るのではないかと考え、鋭意研究の結果、従来のシリコーン・ジェルシートよりも安く、丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを作ることに成功した。そこで、ジェル状の皮膚保護用シートは、ポリエチレンとポリスチレンを共重合したことからなる。【選択図】 なし