生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_3−アミノイソオキサゾールの硫酸塩及びその製法
出願番号:2005138198
年次:2006
IPC分類:C07D 261/14,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

奥 正吉 生野 謙 有光 健二 細見 卓 JP 2006315972 公開特許公報(A) 20061124 2005138198 20050511 3−アミノイソオキサゾールの硫酸塩及びその製法 宇部興産株式会社 000000206 奥 正吉 生野 謙 有光 健二 細見 卓 C07D 261/14 20060101AFI20061027BHJP C07B 61/00 20060101ALN20061027BHJP JPC07D261/14C07B61/00 300 4 OL 7 4C056 4H039 4C056AA01 4C056AB01 4C056AC01 4C056AD01 4C056AE03 4C056FB10 4C056FC01 4H039CA42 4H039CH10 本発明は、3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩及びその製法に関する。3-アミノイソオキサゾールやその酸塩は、医薬・農薬等の合成中間体や原料として有用な化合物である。 従来、医薬等の合成中間体や原料として、3-アミノイソオキサゾールや3-アミノイソオキサゾールの塩酸塩、及びそれらの製法が開示されている(例えば、特許文献1及び2、非特許文献1参照)。しかしながら、3-アミノイソオキサゾールは、分解発熱量が2639.0J/gと高く、又、3-アミノイソオキサゾールの塩酸塩は、発熱開始温度が81.8℃と低い上に、分解発熱量が3164.0J/gと高く、工業的製造における合成中間体や原料としては問題があった。特公平3-865号公報特公平3-5389号公報Heterocycles,57,791(2002) なお、本発明の3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩は、新規な化合物であり、その存在や製法は、全く知られていなかった。 本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、簡便な方法によって、3-アミノイソオキサゾールや3-アミノイソオキサゾール塩酸塩に比べて危険性が極めて少ない3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩及びその製法を提供することにある。 前記課題に鑑み、以下に示す簡便な方法によって、3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩を高収率で製造出来る方法を見出し、本発明を完成させた。 即ち、本発明の課題は、一般式(1)(式中、nは、1又は2である。)で示される3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩によって解決される。 本発明の課題は、又、塩基の存在下、一般式(2)(式中、Rは、アルキル基を示す。)で示される3-アルコキシアクリロニトリルとヒドロキシルアミン(又はその酸塩)とを反応させて3-アミノイソオキサゾールを生成させた後、次いで、硫酸を反応させることを特徴とする、3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩の製法によっても解決される。 本発明により、簡便な方法によって、3-アミノイソオキサゾールや3-アミノイソオキサゾール塩酸塩に比べて危険性が極めて少ない3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩を高収率で製造することが可能であり、且つ、工業的に好適な3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩及びその製法を提供することが出来る。 本発明の新規な化合物である3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、nは、1又は2であるが、好ましくは1である。なお、nが1の場合は、3-アミノイソオキサゾール硫酸水素塩であり、nが2の場合は、3-アミノイソオキサゾール硫酸塩となる。 本発明の新規な化合物である3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩は、塩基の存在下、3-アルコキシアクリロニトリルとヒドロキシルアミン(又はその酸塩)とを反応させて3-アミノイソオキサゾールを生成させた後、次いで、硫酸を反応させることによって得られる。 本発明の反応において使用する3-アルコキシアクリロニトリルは、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、Rは、アルキル基であるが、特に炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基等が挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基である。 本発明の反応において使用する塩基は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアリカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属水酸化物、更に好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。 前記塩基の使用量は、3-アルコキシアクリロニトリル1モルに対して、好ましくは0.05〜2.5モル、更に好ましくは0.1〜1.7モルである。 本発明の反応において使用するヒドロキシルアミンは、遊離のヒドロキシルアミン(水和物も含む)だけでなく、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の酸性塩としても使用出来、又、その水溶液として使用しても良い。 前記ヒドロキシルアミンの使用量は、3-アルコキシアクリロニトリル1モルに対して、好ましくは1.0〜2.0モル、更に好ましくは1.1〜1.3モルである。 本発明の3-アルコキシアクリロニトリルとヒドロキシルアミン(又はその酸塩)との反応は、溶媒の存在下で行うのが望ましく、使用する溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくは水、アルコール類、エーテル類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、反応液は、均一又不均一のいずれの形態でも構わない。 前記溶媒の使用量は、3-アルコキシアクリロニトリル1gに対して、好ましくは3.0〜10g、更に好ましくは4.5〜5.5gである。 本発明の反応において使用する硫酸は、好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95〜98質量%である。 前記硫酸の使用量は、3-アルコキシアクリロニトリル1モルに対して、好ましくは0.5〜1.5モル、更に好ましくは0.8〜1.0モルである。 本発明の3-アミノイソオキサゾールと硫酸との反応は、溶媒の存在下で行うのが望ましく、使用する溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類が挙げられるが、好ましくは水、アルコール類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、反応液は、均一又不均一のいずれの形態でも構わない。 前記溶媒の使用量は、3-アルコキシアクリロニトリル1gに対して、好ましくは5.0〜15g、更に好ましくは8.0〜11gである。 本発明の反応は、例えば、3-アルコキシアクリロニトリル、ヒドロキシルアミン(又はその酸塩)、塩基及び溶媒を混合し、攪拌しながら、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは5〜45℃において反応させた後、好適には生成した3-アミノイソオキサゾールを単離・精製することなく、次いで、3-アミノイソオキサゾールと硫酸とを、好ましくは0〜50℃、更に好ましくは25〜35℃において溶媒中で反応させる等の方法によって行われる。なお、その際の反応圧力は、特に制限されない。 なお、反応系内において遊離するヒドロキシルアミンを安定化させるために、反応液中にチオ硫酸アルカリ金属塩(例えば、チオ硫酸ナトリウム等)を存在させても良く、又、反応性を高めるために、相間移動触媒(例えば、臭化テトラn-ブチルアンモニウム等)を存在させても良い。 本発明の反応によって3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩が得られるが、これは、反応終了後、例えば、濾過、抽出、濃縮、再結晶、晶析、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって単離・精製される。 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。実施例1([n=1];3-アミノイソオキサゾール硫酸水素塩の合成) 攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積300mlの四つ口丸口フラスコに、水90.0g、ヒドロキシルアミン硫酸塩23.7g(0.29mol)、チオ硫酸ナトリウム0.14g(0.90mmol)及び臭化テトラn-ブチルアンモニウム0.43g(1.3mmol)を加え、液温を10℃に保ち、攪拌しながら、3-メトキシアクリロニトリル20.0g(0.24mol)をゆるやかに加えた。次いで、液温を5〜15℃に保ちながら、48質量%水酸化ナトリウム水溶液25.1g(0.30mol)を加え、攪拌しながら同温度で4時間反応させた。その後、液温を40℃まで加熱し、液温を35〜45℃に保ちながら、48質量%水酸化ナトリウム水溶液7.0g(0.08mol)を加え、攪拌しながら42℃で4時間反応させた。反応終了後、反応液を30℃まで冷却した後、液温を25〜35℃に保ちながら、濃硫酸4.7g(0.05mol)をゆるやかに加え、反応液のpHを6〜8に調整した。該反応液を酢酸エチル40gで3回抽出し、抽出液を合わせて、減圧下で濃縮した。得られた濃縮液に、酢酸エチル150g及びイソプロピルアルコール12.5g及び濃硫酸20g(0.20mol)を加え、液温を2℃まで冷却して結晶を析出させた。該結晶を濾過し、減圧下で乾燥させ、黄色結晶として、3-アミノイソオキサゾール硫酸水素塩32.9gを得た(単離収率;75%)。 なお、3-アミノイソオキサゾール硫酸水素塩は、以下の物性値で示される新規な化合物である。DSC分析;発熱開始温度:158℃、分解発熱量:2052J/g融点;70〜73℃1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));5.94(1H,d,J=1.7Hz)、8.35(1H,d,J=1.7Hz)、8.82(4H,brs)IR(cm-1);3327、3140、2889、2603、1662、1557、1455、1324、1286、1177、1070、1053、1009、882、852、793、668、615、577、456EI-MS(m/e);84、55CI-MS(m/e);85(M+1)、56(M+1)元素分析(C3H6N2O5S);炭素:19.78%、水素:3.32%、窒素:15.38%、硫黄:17.60%(理論値;炭素:19.47%、水素:3.27%、窒素:15.27%、硫黄:17.22%)実施例2([n=2];3-アミノイソオキサゾール硫酸塩の合成) 攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mlの四つ口丸口フラスコに、水45.0g、ヒドロキシルアミン硫酸塩11.9g(0.014mol)、チオ硫酸ナトリウム0.07g(0.44mmol)及び臭化テトラn-ブチルアンモニウム0.22g(0.67mmol)を加え、液温を10℃に保ち、攪拌しながら、3-メトキシアクリロニトリル10.0g(0.12mol)をゆるやかに加えた。次いで、液温を5〜15℃に保ちながら、48質量%水酸化ナトリウム水溶液12.5g(0.15mol)を加え、攪拌しながら同温度で4時間反応させた。その後、液温を40℃まで加熱し、液温を35〜45℃に保ちながら、48質量%水酸化ナトリウム水溶液3.5g(0.04mol)を加え、攪拌しながら42℃で4時間反応させた。反応終了後、反応液を30℃まで冷却した後、液温を25〜35℃に保ちながら、濃硫酸2.98g(0.03mol)をゆるやかに加え、反応液のpHを6〜8に調整した。該反応液を酢酸エチル20gで3回抽出し、抽出液を合わせて、減圧下で濃縮した。得られた濃縮液に、酢酸エチル100g及び濃硫酸5.9g(0.06mol)を加え、液温を2℃まで冷却して、2層に分離した液の下層を取得した。減圧下で濃縮し、褐色油状物として、3-アミノイソオキサゾール硫酸塩12.6gを得た(単離収率;79%)。 なお、3-アミノイソオキサゾール硫酸塩は、以下の物性値で示される新規な化合物である。1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));5.95(2H,d,J=1.7Hz)、7.70(6H,brs)、8.36(2H,d,J=1.7Hz) 本発明は、3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩及びその製法に関する。3-アミノイソオキサゾールやその酸塩は、医薬・農薬等の合成中間体や原料として有用な化合物である。 一般式(1)(式中、nは、1又は2である。)で示される3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩。 塩基の存在下、一般式(2)(式中、Rは、アルキル基を示す。)で示される3-アルコキシアクリロニトリルとヒドロキシルアミン(又はその酸塩)とを反応させて3-アミノイソオキサゾールを生成させた後、次いで、硫酸を反応させることを特徴とする、3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩の製法。 塩基の存在下、3-アルコキシアクリロニトリルとヒドロキシルアミン(又はその酸塩)とを反応させて3-アミノイソオキサゾールを生成させた後、3-アミノイソオキサゾールを単離・精製することなく、次いで、硫酸を反応させる請求項2記載の3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩の製法。 nが1である請求項1記載の3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩。 【課題】 本発明の課題は、簡便な方法によって、3-アミノイソオキサゾールや3-アミノイソオキサゾール塩酸塩に比べて危険性が極めて少ない3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩及びその製法を提供することにある。【解決手段】 本発明の課題は、一般式(1) 【化1】(式中、nは、1又は2である。)で示される3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩によって解決される。 本発明の課題は、又、塩基の存在下、一般式(2) 【化2】(式中、Rは、アルキル基を示す。)で示される3-アルコキシアクリロニトリルとヒドロキシルアミン(又はその酸塩)とを反応させて3-アミノイソオキサゾールを生成させた後、次いで、硫酸を反応させることを特徴とする、3-アミノイソオキサゾールの硫酸塩の製法によっても解決される。【選択図】 なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る