タイトル: | 特許公報(B2)_含フッ素ポリマーおよび含フッ素化合物の製造方法 |
出願番号: | 2005137844 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C08F 8/00,C08F 14/18,C07C 21/18 |
鈴木 敦 森川 達也 高 明天 JP 4852879 特許公報(B2) 20111104 2005137844 20050510 含フッ素ポリマーおよび含フッ素化合物の製造方法 ダイキン工業株式会社 000002853 特許業務法人 安富国際特許事務所 110000914 鈴木 敦 森川 達也 高 明天 20120111 C08F 8/00 20060101AFI20111215BHJP C08F 14/18 20060101ALI20111215BHJP C07C 21/18 20060101ALI20111215BHJP JPC08F8/00C08F14/18C07C21/18 C08F 6/00−246/00;301/00 C07C 17/00− 25/28 特開2002−079108(JP,A) 特開平11−080570(JP,A) 特開昭50−017384(JP,A) 特開2000−128924(JP,A) 特開2001−181346(JP,A) 特開平05−085986(JP,A) 8 2006316113 20061124 37 20080424 岩田 行剛 本発明は、主鎖末端および/または側鎖末端に特定の構造を有する基を含む含フッ素ポリマーの製造方法に関する。また、該含フッ素ポリマーからなる硬化性組成物、該硬化性組成物を架橋して得られる成形品に関する。さらに、本発明は、特定の構造を有する基を含む含フッ素化合物の製造方法に関する。 含フッ素ポリマーは、優れた耐薬品性、耐溶剤性および耐熱性を示すことから、自動車工業、半導体工業、化学工業などにおいて広く使用されている。 しかし、技術の進歩に伴い要求される特性はさらに厳しくなり、航空宇宙分野や半導体製造装置分野、化学プラント分野、自動車工業などの様々な分野において、より優れた耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、加工性が求められている。 これらの種々の特性を強化するために、含フッ素ポリマーの末端に架橋性官能基などが導入された含フッ素ポリマーが開発されており、架橋性官能基を簡単に効率良く導入する方法が望まれている。 例えば、主鎖末端エステル基含有フッ素オリゴマーと不飽和基含有アミンをアミド化させて得られる主鎖両末端不飽和基含有フッ素オリゴマーを含む硬化性組成物(例えば、特許文献1参照)や、含フッ素エラストマーの両末端に、−Si(R1)(R2)CH=CH2がアミド結合を介して結合している含フッ素アミド化合物と含フッ素オルガノシロキサンからなる組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、該含フッ素オリゴマー、エラストマーの不飽和基は、アミド結合を介して主鎖に導入されているため、アルカリに弱いという問題を有していた。 さらに、両末端に水酸基を有する含フッ素エラストマーとイソシアネート基とビニル基を有する化合物を反応させて得られる、両末端にアリル基を有する含フッ素エラストマーからなる硬化性組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、該含フッ素エラストマーは、不飽和基をウレタン結合を介して主鎖に導入しているため、耐熱性が劣るという問題を有していた。 このように、架橋性官能基を導入する方法としては、一般的にアミド結合などの結合を介して導入する方法が多く知られている。しかし、これらの結合部分は、耐熱性が低かったり、酸・アルカリに弱いという問題があった。 また、低分子化合物においても、官能基を導入する方法が種々検討されている。例えば、遷移金属触媒存在下、有機スズ化合物とハロゲン化物を反応させる含フッ素アセチレン化合物の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、スズ化合物は毒性があるため、取り扱いが困難であるという問題があった。特開2001−81131号公報特開平9−95615号公報国際公開第2004/050758号パンフレット特開平11−246448号公報 本発明は、主鎖末端および/または側鎖末端に特定の構造を有する基を含む含フッ素ポリマーの製造方法を提供する。また、該含フッ素ポリマーからなる硬化性組成物、該硬化性組成物を架橋して得られる成形品を提供する。さらに、本発明は、特定の構造を有する基を含む含フッ素化合物の製造方法を提供する。 すなわち、本発明は、主鎖末端および/または側鎖末端に−Y末端(Y:ハロゲン原子)を有する含フッ素ポリマーに、触媒の存在下、一般式(1):(式中、M1は、Mg、Zn、B、Cu、Zr、Li、Al、SiまたはHgであり、R1は、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、R2は同じかまたは異なり、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヨウ素原子、臭素原子および塩素原子からなる群から選ばれる1種以上であり、nは0〜3の整数である)で示される化合物を反応させて、−Y末端を−R1末端に変換する工程を含む含フッ素ポリマーの製造方法に関する。 反応温度が100℃以下であることが好ましい。 触媒が、4〜11族遷移金属を含む化合物からなることが好ましい。 一般式(1)中のM1が、Mg、Zn、CuまたはBであることが好ましい。 含フッ素ポリマーが、含フッ素エラストマーであることが好ましい。 含フッ素エラストマーが、フッ化ビニリデン単位を含む重合体であることが好ましい。 一般式(1)中のR1が、架橋性官能基を含む脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であることが好ましい。 また、本発明は、前記製造方法で得られる含フッ素ポリマーからなる硬化性組成物および該硬化性組成物を架橋して得られる成形品に関する。 さらに、本発明は、一般式(2):(式中、Yはハロゲン原子、R3は炭素数1〜50のm価の炭化水素基であり、mは1以上の整数である)で示される含フッ素化合物に、触媒の存在下、一般式(3):(式中、M2は、Zn、B、Cu、Zr、Li、Al、SiまたはHgであり、R4はハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、R5は同じかまたは異なり、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヨウ素原子、臭素原子および塩素原子からなる群から選ばれる1種以上であり、nは0〜3の整数である)で示される化合物を反応させて、−Y末端を−R4末端に変換する工程を含む含フッ素化合物の製造方法に関する。 反応温度が100℃以下であることが好ましい。 触媒が、4〜10族遷移金属を含む化合物からなることが好ましい。 触媒の配位子が、塩素原子およびトリフェニルホスフィンからなることが好ましい。 本発明の製造方法では、含フッ素ポリマーの主鎖および/または側鎖の特定の部位、特に主鎖末端に特定の構造を有する基を導入することができるものである。この方法は、反応条件が穏やかであるため、特定の構造を有する基の導入部位の制御が容易であり、さらに変換効率が高いものである。また、得られた含フッ素ポリマーは、主鎖末端および/または側鎖末端に特定の基を有するため、該含フッ素ポリマーからなる硬化性組成物を架橋することで、耐熱性が優れ、圧縮永久歪(CS)が小さい成形品を得ることができる。さらに、本発明の製造方法では、含フッ素化合物に特定の構造を有する基を導入することができるものである。 本発明は、主鎖末端および/または側鎖末端に−Y末端(Y:ハロゲン原子)を有する含フッ素ポリマーに、触媒の存在下、一般式(1):(式中、M1は、Mg、Zn、B、Cu、Zr、Li、Al、SiまたはHgであり、R1は、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、R2は同じかまたは異なり、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヨウ素原子、臭素原子および塩素原子からなる群から選ばれる1種以上であり、nは0〜3の整数である)で示される化合物を反応させて、−Y末端を−R1末端に変換する工程を含む含フッ素ポリマーの製造方法に関する。 本発明で用いる含フッ素ポリマーとしては、主鎖末端および/または側鎖末端に−Y末端(Y:ハロゲン原子)を有する含フッ素ポリマーであれば特に限定されるものではなく、含フッ素エラストマー、含フッ素樹脂、含フッ素ポリエーテルなどを用いることができるが、弾性硬化体を合成することが可能である点から、含フッ素エラストマーであることが好ましく、製造コストが低いことから、フッ化ビニリデン(VdF)単位を含む重合体であることがより好ましい。 また、弾性硬化体を合成することが可能である点から含フッ素ポリエーテルが好ましく、弾性硬化体の耐熱性、耐薬品性に優れる点からパーフルオロポリエーテルがより好ましい。 Yはハロゲン原子であるが、導入しやすく末端変換の反応性に富む点から、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子であることが好ましく、ヨウ素原子、臭素原子であることがより好ましく、ヨウ素原子であることが特に好ましい。 含フッ素ポリマーの主鎖末端および/または側鎖末端に−Y末端を導入する方法としては、含フッ素ポリマーの重合時に−Y末端を有する単量体を共重合する方法や、後述するようなヨウ素移動重合により重合する方法、ヨウ素移動重合法などで得られる含フッ素エラストマーのヨウ素末端に単量体を付加させる方法、他の末端基から−Y末端への変換反応による方法があげられる。 含フッ素エラストマーとしては、フッ素ゴム(a)、熱可塑性フッ素ゴム(b)、およびこれらのフッ素ゴムからなるゴム組成物などがあげられるが、これらの中でも、フッ素ゴム(a)が好ましい。 フッ素ゴム(a)としては、非パーフルオロフッ素ゴム(a−1)およびパーフルオロフッ素ゴム(a−2)があげられる。なお、パーフルオロフッ素ゴムとは、その構成単位のうち、90モル%以上がパーフルオロモノマーからなるものをいう。 非パーフルオロフッ素ゴム(a−1)としては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組合わせて用いることができるが、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴムを用いることが好ましい。 ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴムとしては、下記一般式(4)で表されるものが好ましい。−(A1)−(A2)−(B1)− (4)(式中、構造単位A1はビニリデンフルオライド(a1)由来の構造単位であり、構造単位A2は含フッ素エチレン性単量体(a2)由来の構造単位であり、構造単位B1は単量体(a1)および単量体(a2)と共重合可能な単量体(b1)由来の繰り返し単位である) 一般式(4)で示されるビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴムの中でも、構造単位A1を45〜85モル%、構造単位A2を55〜15モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位A1を50〜80モル%、構造単位A2を50〜20モル%である。構造単位B1は、構造単位A1と構造単位A2の合計量に対して、0〜10モル%であることが好ましい。 含フッ素エチレン性単量体(a2)としては、1種または2種以上の単量体が利用でき、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体があげられるが、これらのなかでも、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が好ましい。 単量体(b1)としては、単量体(a1)および単量体(a2)と共重合可能なものであれば、いかなるものでもよいが、例えばエチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどがあげられる。 また、単量体(b1)としては、架橋部位を与える単量体が好ましい。 このような架橋部位を与える単量体としては、一般式(5):CY12=CY1−Rf1CHR6X1 (5)(式中、Y1は、水素原子、フッ素原子または−CH3、Rf1は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、R6は、水素原子または−CH3、X1は、ヨウ素原子または臭素原子)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式(6):CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2)n−X2 (6)(式中、mは、0〜5の整数、nは、1〜3の整数、X2は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、臭素原子、ヨウ素原子)で表される単量体、一般式(7):CH2=CH(CF2)nI (7)(式中、nは1〜10の整数)で表される単量体などがあげられ、例えば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有単量体、特開平4−505341号公報に記載されている臭素含有単量体、特開平4−505345号公報、特開平5−500070号公報に記載されているようなシアノ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられる。これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。 このヨウ素原子、臭素原子が存在することで、クロスカップリング反応により末端にビニル基、Si−H結合を有する基を導入することが可能になる。また、ビニル基、ヨウ素原子、臭素原子、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が、架橋点として機能することができる。 このようなビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴムとして、具体的には、VdF−HFP系ゴム、VdF−HFP−TFE系ゴム、VdF−CTFE系ゴム、VdF−CTFE−TFE系ゴムなどが好ましくあげられる。 テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴムとしては、下記一般式(8)で表されるものが好ましい。−(A3)−(A4)−(B2)− (8)(式中、構造単位A3はテトラフルオロエチレン(a3)由来の構造単位であり、構造単位A4はプロピレン(a4)由来の構造単位であり、構造単位B2は単量体(a3)および単量体(a4)と共重合可能な単量体(b2)由来の繰り返し単位である) 一般式(8)で示されるテトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴムの中でも、構造単位A3を40〜70モル%、構造単位A4を60〜30モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位A3を50〜60モル%、構造単位A4を50〜40モル%含むものである。構造単位B2は、構造単位A3と構造単位A4の合計量に対して、0〜40モル%であることが好ましい。 単量体(b2)としては、単量体(a3)および単量体(a4)と共重合可能なものであればいかなるものでもよいが、架橋部位を与える単量体であることが好ましい。例えば、ビニリデンフルオライド、エチレンなどがあげられる。 パーフルオロフッ素ゴム(a−2)としては、下記一般式(9)で表されるものが好ましい。−(A5)−(A6)−(B3)− (9)(式中、構造単位A5はテトラフルオロエチレン(a5)由来の構造単位であり、構造単位A6はパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(a6)由来の構造単位であり、構造単位B3は単量体(a5)および単量体(a6)と共重合可能な単量体(b3)由来の繰り返し単位である) 一般式(9)で示されるパーフルオロフッ素ゴム(a−2)の中でも、構造単位A5を50〜90モル%、構造単位A6を10〜50モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位A5を50〜80モル%、構造単位A6を20〜50モル%含むものであり、さらに好ましくは構造単位A5を55〜70モル%、構造単位A6を30〜45モル%含むものである。構造単位B3は、構造単位A5と構造単位A6の合計量に対して、0〜5モル%であることが好ましく、0〜2モル%であることがより好ましい。これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。 パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(a6)としては、例えばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。 また、単量体(b3)としては、単量体(a5)および単量体(a6)と共重合可能なものであればいかなるものでもよいが、架橋部位を与える単量体が好ましい。 このような架橋部位を与える単量体としては、例えばビニリデンフルオライド、一般式(5)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式(6)で表される単量体、一般式(7)で表される単量体などがあげられ、例えば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有単量体、特開平4−505341号公報に記載されている臭素含有単量体、特開平4−505345号公報、特開平5−500070号公報に記載されているようなシアノ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられる。これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。 このヨウ素原子、臭素原子が存在することで、クロスカップリング反応により末端にビニル基、Si−H結合を有する基を導入することが可能になる。また、ビニル基、ヨウ素原子、臭素原子、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が、架橋点として機能することができる。 かかるパーフルオロフッ素ゴム(a−2)の具体例としては、国際公開第97/24381号パンフレット、特公昭61−57324号公報、特公平4−81608号公報、特公平5−13961号公報などに記載されているフッ素ゴムなどがあげられる。 また、フッ素ゴム(a)は数平均分子量1000〜500000のものが好ましく用いられる。 一方、フッ素ゴム(a)は、常温で流動性を有するものであると、複雑な形状の成形品を容易に得ることができ、また、現場施工型の成形が可能となる点で好ましい。上記「常温」とは、0〜50℃を意味する。 具体的には、常温で流動性を有するフッ素ゴム(a)とは、常温における粘度が0.1〜2000Pa・sであることが好ましく、1〜1000Pa・sであることがより好ましい。粘度が、0.1Pa・s未満であると、ポリマー鎖が短すぎて架橋しにくい傾向があり、2000Pa・sを超えると、常温で流動性を有しない場合があり、複雑な形状の成形品を得ることが困難になる傾向がある。 さらに、常温で流動性を有するフッ素ゴム(a)は、常温におけるムーニー粘度が5〜100であるものが好ましく、50〜75であることがより好ましい。ムーニー粘度が、5未満であると、ポリマー鎖が短すぎて架橋しにくい傾向があり、100を超えると、常温で流動性を有しない場合があり、複雑な形状の成形品を得ることが困難になる傾向がある。前記ムーニー粘度は、JIS K 6300(1994年)に準拠して、ムーニー粘度計MV2000(モンサント社製)を用いて測定して得られる値である。 そして、常温で流動性を有するフッ素ゴム(a)は、数平均分子量が500〜20000であることが好ましく、900〜10000であることがより好ましい。数平均分子量が500未満であると、架橋による3次元網目構造の形成が困難となる傾向があり、20000を超えると、常温で流動性を有しない場合があり、複雑な形状の成形品を得ることが困難になる傾向がある。数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(東ソー(株)製 HLC−8020、ポリスチレン標準)により求めた値である。 以上説明した非パーフルオロフッ素ゴム(a−1)およびパーフルオロフッ素ゴム(a−2)は、常法により製造することができるが、得られる重合体は分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点、末端にヨウ素原子を導入することができる点から、フッ素ゴムの製造法として公知のヨウ素移動重合法が好ましい。例えば、実質的に無酸素下で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下に、前記の含フッ素エラストマーを構成する単量体と、要すれば架橋部位を与える単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存在下、水媒体中での乳化重合あるいは溶液重合を行なう方法があげられる。使用するヨウ素化合物の代表例としては、例えば、一般式(10):R7IxBry (10)(式中、xおよびyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R7は炭素数1〜16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で示される化合物などをあげることができる。このようなヨウ素化合物を用いて得られる含フッ素エラストマーの末端には、ヨウ素原子または臭素原子が導入される。 一般式(10)で表される化合物としては、例えば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CF2Br2、BrCF2CF2Br、CF3CFBrCF2Br、CFClBr2、BrCF2CFClBr、CFBrClCFClBr、BrCF2CF2CF2Br、BrCF2CFBrOCF3、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨード置換体、ならびに(2−ヨードエチル)および(2−ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合せて使用することもできる。 これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、ジヨードメタンなどが好ましい。 本発明で使用するラジカル重合開始剤は、従来から含フッ素エラストマーの重合に使用されているものと同じものであってよい。これらの開始剤には有機および無機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エステル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤と組み合わせて使用することもできる。 乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖、またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加された水の約0.05〜2重量%が好ましく、とくに0.2〜1.5重量%が好ましい。 本発明で使用するモノマー混合ガスは、カルブ(G.H.Kalb)ら、アドヴァンシーズ・イン・ケミストリー・シリーズ(Advances in Chemistry Series.),129,13(1973)に記載されるように、爆発性を有するので、重合装置には着火源となるスパークなどが発生しないように工夫する必要がある。 重合圧力は、広い範囲で変化させることができる。一般には、0.5〜7MPaの範囲である。重合圧力は、高い程重合速度が大きくなるため、生産性の向上の観点から、0.8MPa以上であることが好ましい。 前記一般式(10)で表される化合物の添加量としては、得られる含フッ素ポリマーの全重量の0.0001〜15重量%であればよい。 さらに、本発明においては、前述のようなフッ素ゴムからなる組成物を用いることもできる。 含フッ素樹脂としては、少なくとも1種の含フッ素エチレン性重合体からなるフッ素樹脂などをあげることができる。 含フッ素エチレン性重合体としては、たとえば、テトラフルオロエチレン、一般式(11):CF2=CF−Rf2 (11)(式中、Rf2は、−CF3または−ORf3であり、Rf3は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物などのパーフルオロオレフィン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、ビニリデンフルオライド、フッ化ビニル、一般式(12):CH2=CX3(CF2)nX4 (12)(式中、X3は、水素原子またはフッ素原子であり、X4は、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、nは、1〜10の整数である)などのフルオロオレフィンなどをあげることができる。 そして、含フッ素エチレン性重合体は、上記含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の構造単位を有してもよく、このような単量体としては、上記フルオロオレフィン、パーフルオロオレフィン以外の非フッ素エチレン性単量体をあげることができる。非フッ素エチレン性単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、またはアルキルビニルエーテル類などをあげることができる。ここで、アルキルビニルエーテルは、炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルをいう。 含フッ素樹脂としては、例えば、(1)テトラフルオロエチレンとエチレンからなるエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、(2)テトラフルオロエチレンと一般式(11)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなるテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、(3)テトラフルオロエチレン、エチレンおよび一般式(11)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなるエチレン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(Et−TFE−PAVE共重合体)またはエチレン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(Et−TFE−HFP共重合体)、(4)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などをあげることができる。 また、含フッ素ポリエーテルとしては、一般式(13):−(R8−O)n− (13)で示される繰り返し単位を含むものがあげられる。 式中、R8は炭素原子数1〜6、好ましくは、炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基であり、nは1〜500、好ましくは2〜400、より好ましくは10〜200の整数である。 一般式(13)で示される繰り返し単位(R8−O)としては、例えば、−CF2O−、−CF2CF2O−、−CF2CF2CF2O−、−CF(CF3)CF2O−、−CF2CF2CF2CF2O−、−C(CF3)2O−、−CH2CF2CF2O−、−CHFCF2CF2O−、−CH2CF2O−、−CHFCF2O−、−CH2CHFO−、−CHFCHFO−などをあげることができる。耐熱性に優れることから、パーフルオロポリエーテルが好ましく、繰り返し単位(R8−O)としては、−CF2O−、−CF2CF2O−、−CF2CF2CF2O−、−CF(CF3)CF2O−、−CF2CF2CF2CF2O−、−C(CF3)2O−が好ましい。また、前記含フッ素アルキルエーテル構造は、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていても良いし、2種以上の組み合わせであっても良い。 また、含フッ素アルキルエーテル構造としては、一般式(14):(式中、X5は、フッ素原子または−CF3であり、p、q、rはそれぞれ、p≧1、q≧1、2≦p+q≦200、特に2≦p+q≦110、0≦r≦6の整数である)で示される構造、一般式(15):(式中、r、s、tはそれぞれ、0≦r≦6、s≧0、t≧0、0≦s+t≦200、特に2≦s+t≦110の整数である)で示される構造、一般式(16):(式中、X6は、フッ素原子または−CF3であり、u、vはそれぞれ、1≦u≦100、1≦v≦50の整数である)で示される構造、または一般式(17):(式中、wは、1≦w≦100の整数である)で示される構造があげられる。 本発明の含フッ素ポリマーの製造方法においては、一般式(1):で示される化合物を、触媒の存在下、前記−Y末端を有する含フッ素ポリマーに反応させることで、クロスカップリング反応により、含フッ素ポリマーの−Y末端を−R1末端に変換することができるものである。 一般式(1)中のM1は、Mg、Zn、B、Cu、Zr、Li、Al、SiまたはHgであり、合成が容易であること、安価であること、毒性が少ないことから、Mg、Zn、Cuが好ましく、塩基性が低く、VdF含有含フッ素ポリマーの脱HFを起こしにくいことから、Cu、Zn、Bであることが好ましく、合成が容易であること、安価であること、毒性が少ないこと、塩基性が低いことからZnであることがより好ましい。また、R1は、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、末端変換後の含フッ素ポリマーが、硬化性組成物を構成することが可能である点から、架橋性官能基を含む脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であることが好ましい。架橋性官能基としては、−OH、−SH、−COOY2(Y2は水素原子、アルカリ金属、炭素数1〜10の1価の炭化水素基)、−COY3(Y3はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、または−N(R9)2であり、R9は、同じかまたは異なり、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基)、−NCO、−Si(Y4)3(Y4は、同じかまたは異なり、−R10、−OR10、塩素原子、または水素原子から選ばれ、少なくとも1つは−OR10、塩素原子、水素原子であり、R10は炭素数1〜10の炭化水素基)、−N(R11)2(R11は、同じかまたは異なり、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基)、−SO3Y5(Y5は水素原子、またはアルカリ金属)、−SO2Y6(Y6はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、または−OR12であり、R12は炭素数1〜10の炭化水素基)、−CN、または不飽和結合を少なくとも1つ有する炭素数2〜10の炭化水素基などがあげられる。これらの中でも硬化反応として過酸化化合物を用いるものやヒドロシリル化反応を利用できる点から、不飽和結合を少なくとも1つ有する炭素数2〜10の炭化水素基や−Si(Y4)3(Y4は、同じかまたは異なり、−R10、−OR10、塩素原子、または水素原子から選ばれ、少なくとも1つは水素原子、または不飽和結合を含む炭素数1〜10の炭化水素基であり、R10は炭素数1〜10の炭化水素基)が好ましく、空気中などの湿気を用いた硬化反応が可能となることから−Si(Y4)3であることが好ましい。 R1としては、具体的に、CH2=CHCH2−、CH2=CH(CH3)2SiC6H4−、CH2=CHC6H4−、H(CH3)2SiC6H4−などをあげることができる。 R2としては、同じかまたは異なり、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヨウ素原子、臭素原子および塩素原子からなる群から選ばれる1種以上であり、安価で合成が容易である点から、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。nは、0〜3の整数であり、M1がMg、Zn、Cu、Hgのときはn=1が好ましく、Liのときはn=0が好ましく、B、Alのときは、n=2が好ましく、Si、Zrのときは、n=3が好ましい。 一般式(1)で示される化合物としては、具体的には、CH2=CHCH2ZnBr、(CH2=CHCH2)2Zn、CH2=CHZnBr、(CH2=CH)2Zn、CH2=CHC6H4ZnBr、(CH2=CHC6H4)2Zn、CH2=CH(CH3)2SiC6H4ZnBr、(CH2=CH(CH3)2SiC6H4)2Zn、H(CH3)2SiC6H4ZnBr、(H(CH3)2SiC6H4)2Zn、CH2=CHCH2ZnCl、CH2=CHZnCl、CH2=CHC6H4ZnCl、CH2=CH(CH3)2SiC6H4ZnCl、H(CH3)2SiC6H4ZnCl、CH2=CHCH2ZnI、CH2=CHZnI、CH2=CHC6H4ZnI、CH2=CH(CH3)2SiC6H4ZnI、H(CH3)2SiC6H4ZnI、CH2=CHCH2MgBr、(CH2=CHCH2)2Mg、CH2=CHMgBr、(CH2=CH)2Mg、CH2=CHC6H4MgBr、(CH2=CHC6H4)2Mg、CH2=CH(CH3)2SiC6H4MgBr、(CH2=CH(CH3)2SiC6H4)2Mg、H(CH3)2SiC6H4MgBr、(H(CH3)2SiC6H4)2Mg、CH2=CHCH2MgCl、CH2=CHMgCl、CH2=CHC6H4MgCl、CH2=CH(CH3)2SiC6H4MgCl、H(CH3)2SiC6H4MgCl、CH2=CHCH2MgI、CH2=CHMgI、CH2=CHC6H4MgI、CH2=CH(CH3)2SiC6H4MgI、H(CH3)2SiC6H4MgIなどをあげることができるが、これらの中でも、安価で合成が容易である点から、CH2=CHCH2ZnBr、(CH2=CHCH2)2Znが好ましく、末端変換反応後の含フッ素ポリマーを用いて硬化体の物性が優れる点から、CH2=CH(CH3)2SiC6H4ZnBr、(CH2=CH(CH3)2SiC6H4)2Znが好ましい。 一般式(1)で示される化合物の添加量としては、含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して、1.2〜100当量であることが好ましく、2〜50当量であることがより好ましい。一般式(1)で示される化合物の添加量が、1.2当量未満であると、未反応で残る末端や目的とするクロスカップリング反応以外の反応による副生物の生成割合が増える傾向があり、100当量をこえても、コストが増大するだけでメリットはない傾向がある。 本発明で用いられる触媒としては、反応速度が速く、副生物の生成が抑えることができることができる点から、4〜11族遷移金属を含む化合物であることが好ましく、4〜10族遷移金属を含む化合物であることがより好ましく、10族遷移金属を含む化合物であることがより好ましく、パラジウム(Pd)を含む化合物であることがさらに好ましい。遷移金属の配位子としては、特に限定されるものではないが、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子、トリフェニルホスフィン(P(C6H5)3、PPh3)、アセトネート(CH3COO-、OAc)、ジベンジリデンアセトン((C6H5CH=CH)2CO、dba)、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン(dppe)、アセチルアセトナト(CH3COCH2COCH3、acac)、カルボニル(CO)、シュウ酸、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,5−シクロオクタジエン、エチレン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ジフェニルメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’ビナフチル、トリフェニルアルシンなどがあげられ、これらの配位子は単独で配位してもよいし、2種以上が配位していてもよい。これらの中でも、安価で入手が容易である点からトリフェニルホスフィン、アセトネート、塩素原子が好ましく、クロスカップリング反応の反応性が高い点から、トリフェニルホスフィンと塩素原子が配位している触媒が好ましい。 触媒としては、具体的に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4)、ジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)、ジクロロビストリフェニルホスフィンニッケル(NiCl2(PPh3)2)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(PdCl2(PPh3)2)、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(Pd(dba)2)、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン)ニッケル(NiCl2(dppe))、アセチルアセトナトニッケル(Ni(acac))、鉄カルボニル、ニッケルカルボニル、コバルトカルボニル、ルテニウムカルボニル、ロジウムカルボニル、オスミウムカルボニル、イリジウムカルボニル、塩化鉄、塩化コバルト、ヨウ化コバルト、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、塩化ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、塩化ロジウム、ヨウ化ロジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、塩化オスミウム、塩化イリジウム、塩化白金、臭化白金、ヨウ化白金、コバルトアセチルアセトナート、シュウ酸コバルト、ニッケルアセチルアセトナート、ルテニウムアセチルアセトナート、ビス(酢酸ロジウム)、ロジウムアセチルアセトナート、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、白金アセチルアセトナート、シクロヘキサジエン鉄トリカルボニル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕ニッケル、ジクロロ〔1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕ニッケル、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、アセチルアセトナートビス(エチレン)ロジウム、ビス〔クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム〕、ビス(クロロジカルボニルロジウム)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕パラジウム、ジクロロ〔1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕パラジウム、ジクロロ〔1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン〕パラジウム、ジクロロ〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕パラジウム、ジクロロビス(ジフェニルメチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ〔2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル〕パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルアルシン)パラジウム、trans−ベンジル(クロロ)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジアセテートビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、クロロトリカルボニルイリジウム、ジカルボニルアセチルアセトナートイリジウム、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金をあげることができ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、クロスカップリング反応の反応性が高い点からPd(PPh3)4、Pd(OAc)2、PdCl2(PPh3)2好ましい。また、上記触媒とともに、好適な配位性化合物をさらに添加して反応を実施しても良い。用いることができる配位性化合物として、トリフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ジフェニルメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル,1−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルアルシノエタン等の3級ホスフィン類、トリオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の3級ホスファイト類、トリフェニルアルシン、トリメチルアルシン、トリエチルアルシン等の3級アルシン類、シクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン等のシクロペンタジエン類、ブタジエン、ノルボナジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、シクロオクタテトラエン等のオレフィン類等をあげることができる。これらの中でも、クロスカップリングの反応性を向上させることができる点から、トリフェニルホスフィン(PPh3)を用いることが好ましい。配位性化合物の混合量としては、前記遷移金属触媒1モルに対して、0.1〜20モルであることが好ましく、0.1〜10モルであることがより好ましい。 反応には、ヨウ化1族金属化合物を添加することも好ましい。ヨウ化1族金属化合物としては、例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化セシウムなどがあげられる。 触媒の添加量としては、含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して、0.001〜1当量であることが好ましく、0.005〜0.5当量であることがより好ましい。触媒の添加量が、0.001当量未満であると、反応が充分進行しない傾向があり、1当量をこえると、触媒コストが増大するだけで、メリットはない。 本発明の製造方法においては、主鎖末端および/または側鎖末端に−Y末端(Y:ハロゲン原子)を有する含フッ素ポリマーに、触媒の存在下、一般式(1)で示される化合物を反応させて、−Y末端を−R1末端に変換できるものである。この方法は、反応条件が穏やかであるため、−R1末端の導入部位の制御が容易であり、さらに変換効率が高いという優れた方法である。 反応条件としては、特に限定されるものではないが、100℃以下で反応することが好ましく、70℃以下であることがより好ましく、50℃以下であることがさらに好ましく、30℃以下がさらに好ましい。反応温度が、100℃をこえると副反応の割合が増大する傾向がある。 反応時間は、特に限定されるものではないが、1〜100時間であることが好ましく、2〜50時間であることがより好ましい。また、VdF含有含フッ素ポリマーのような、塩基により分解を生じるポリマーの分解を抑制する点から、反応系中に塩基が存在しないことが好ましい。 次に、本発明の硬化性組成物について説明する。 本発明の硬化性組成物は、主鎖末端および/または側鎖末端に、−R1末端を有する含フッ素ポリマーと架橋反応可能な化合物を含むことが、充分に架橋された硬化体を得る点から好ましい。 架橋反応可能な化合物としては、含フッ素ポリマーと反応しうる官能基を分子中に複数有する多官能化合物が好ましくあげられる。多官能化合物としては、架橋を充分に行う点から、1分子あたりの官能基の保有数が少なくとも2以上、必要に応じて3以上である多官能化合物を用いることが好ましい。 また、硬化性組成物が充分に架橋するためには、前記含フッ素ポリマーが有する架橋部位に応じた多官能化合物を用いることが好ましい。以下、該多官能化合物の具体例をあげるが、該多官能化合物は1種または2種以上を用いてもよい。 架橋性官能基が不飽和結合を少なくとも1つ有する炭素数2〜10の炭化水素基である場合、多官能化合物としては、−SiH基を有する化合物、不飽和基を複数個持つ化合物が好ましい。不飽和基を複数個持つ化合物の場合、有機過酸化物あるいは光開始剤を併用することが好ましい。 架橋性官能基が−COOY2基の場合、多官能性化合物としては、ポリアミン化合物、ポリイソシアナート化合物、ポリエポキシ化合物などが好ましくあげられる。 架橋性官能基が−N(R8)2の場合、ポリカルボン酸化合物、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアナート化合物などが好ましくあげられる。 架橋性官能基が−OHの場合、酸無水物、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアナート化合物などが好ましくあげられる。 架橋性官能基が−SHの場合、ポリカルボン酸化合物などが好ましくあげられる。 架橋性官能基が−NCOの場合、ポリカルボン酸化合物、ポリオール化合物などが好ましくあげられる。 架橋性官能基が−COY3の場合、ポリカルボン酸化合物、ポリアミン化合物などが好ましくあげられる。 架橋性官能基が−Si(Y4)3で、Y4の少なくとも1つがHである場合、ポリオレフィン化合物などが好ましくあげられ、Y4の少なくとも1つがClである場合、ポリオール化合物などが好ましくあげられる。 架橋性官能基が−SO3Y5または−SO2Y6の場合、ポリアミン化合物などが好ましくあげられる。 架橋性官能基が−CNの場合、ポリアミノフェノール化合物、ポリアミノチオフェノール化合物、ポリアミン化合物などが好ましくあげられる。 ポリアミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、トリエチレンジアミンなどのポリアミン;ポリアミン塩とグアニジン誘導体の併用などがあげられる。ポリイソシアナート化合物としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートなどがあげられる。上記ポリイソシアナート化合物は、プレポリマーや架橋温度を選択することができるブロック型であってもよい。ポリエポキシ化合物としては、ノボラック型、ビスフェノールA型、ビスフェノールAF型などがあげられる。ポリカルボン酸化合物としては、フタル酸、ピロメリット酸などがあげられる。上記ポリエポキシ化合物および上記ポリカルボン酸化合物は、プレポリマーであってもよい。酸無水物としては、ピロメリット酸無水物、テトラヒドロフラン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などがあげられる。ポリオール化合物としては、1,2,3−プロパントリオールなどがあげられる。ポリオレフィン化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレートなどがあげられる。ポリアミノフェノール化合物、ポリアミノチオフェノール化合物、ポリアミン化合物としては、一般式(18):(式中、X7は−OH、−SH、−NH2、R13は炭素数1〜10の炭化水素基、nは2〜5の整数である)で示される化合物があげられる。 架橋性官能基が−OHの場合、含フッ素ポリマーがビニリデンフルオライド系フッ素ゴムのときに、ポリオール架橋により、自由末端鎖が低減され良好な硬化特性を期待することができる。 また、不飽和結合を少なくとも1つ有する炭素数2〜10の炭化水素基の場合、不飽和結合がヒドロシリル化反応により3次元網目構造に寄与することができる点から、多官能性化合物としては、特に2個以上のSi−H基を有する化合物であることが好ましい。 上記2個以上の−SiH基を有する化合物としては、通常、一般式(19):R14bHcSiO(4-b-c)/2 (19)(式中、R14は、脂肪族不飽和結合を除く、炭素数1〜10、とくに1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基である)で示される化合物があげられる。このような1価炭化水素基としては、例えば、トリフルオロプロピル基などのハロゲンで置換されたアルキル基、アルキル基、フェニル基などがあげられる。これらのなかでも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、とくにメチル基、フェニル基が好ましい。 一般式(19)において、bは、0≦b<3であることが好ましく、0.6<b<2.2であることがより好ましく、1.5≦b≦2であることがさらに好ましく、cは、0<c≦3であることが好ましく、0.002≦c<2であることがより好ましく、0.01≦c≦1であることがさらに好ましい。また、b+cは、0<b+c≦3であることが好ましく、1.5<b+c≦2.7であることがより好ましい。 上記2個以上の−SiH基を有する化合物は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、より好ましくは2〜300個、さらに好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのシロキサンオリゴマー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R142(H)SiO1/2 単位とSiO4/2 単位とからなり、任意にR143SiO1/2 単位、R142SiO2/2 単位、R14(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2またはR14SiO3/2単位を含むシリコーン樹脂などをあげることができる。 分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば一般式(20)で表される化合物、一般式(20)においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などで置換した化合物などがあげられる。(式中、dは、2以上の整数を表す。) 分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、一般式(21)で表される化合物、一般式(21)においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などで置換した化合物などがあげられる。(式中、eは、1以上の整数を表し、fは、2以上の整数を表す。) 分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下記式で表される化合物、下記式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などで置換した化合物などがあげられる。 分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば一般式(22)で表される化合物、一般式(22)においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などで置換した化合物などがあげられる。(式中、eは、1以上の整数を表し、fは、2以上の整数を表す。) 分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、例えば一般式(23)で表される化合物、一般式(23)においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などで置換した化合物などがあげられる。(式中、eは、1以上の整数を表す。) 分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば一般式(24)で表される化合物、一般式(24)においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などで置換した化合物などがあげられる。(式中、eは、1以上の整数を表す。) 分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば一般式(25)で表される化合物、一般式(25)においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基などで置換した化合物などがあげられる。(式中、gおよびhは、それぞれ、1以上の整数を表す。) このような化合物は、公知の方法により製造することができ、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/もしくはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るトリオルガノシリル基またはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸などの触媒の存在下、−10〜40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。上記トリオルガノシリル基を含む化合物としては、例えばヘキサメチルジシロキサンなどがあげられ、上記ジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物としては、例えば1,3−ジハイドロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどがあげられる。 上記1分子中に2個以上のSi−H基を有する化合物は、本発明の含フッ素ポリマーとの相溶性、分散性および架橋後の均一性を考慮すると、また、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロオキシアルキル基、1価のパーフルオロアルキル基、2価のパーフルオロオキシアルキレン基または2価のパーフルオロアルキレン基を有し、かつ、2個以上、好ましくは3個以上のSi−H基を有するものが好ましい。このパーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキレン基、パーフルオロアルキレン基としては、特に下記一般式で表されるものをあげることができる。 1価のパーフルオロアルキル基としては、一般式(26):CkF2k+1− (26)(式中、kは、1〜20、好ましくは2〜10の整数を表す。)であり、2価のパーフルオロアルキレン基としては、一般式(27):−CkF2k− (27)(式中、kは1〜20、好ましくは2〜10の整数を表す。)であり、1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、一般式(28)または(29):(式中、nは、1〜5の整数を表す。) 2価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、一般式(30):(式中、mは、1〜50の整数を表し、nは、1〜50の整数を表す。m+nは、2〜100を満足する。)、または一般式(31):−(CF2O)m−(CF2CF2O)n−CF2− (31)(式中、mおよびnは、それぞれ、1〜50の整数を表す。) 上記パーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基またはパーフルオロオキシアルキレン基とケイ素原子とをつなぐ2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基、これらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合などを介在させた基などであってよく、例えば、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2OCH2−、−CH2CH2CH2−NH−CO−、−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(式中、Phは、フェニル基を表す。)、−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、−CH2CH2CH2−O−CO−などの炭素数2〜12のものがあげられる。 また、上記1分子中に2個以上の−SiH基を有する化合物における1価または2価の含フッ素置換基、すなわち、パーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基またはパーフルオロオキシアルキレン基を含有する1価の有機基以外のケイ素原子に結合した1価の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基;これらの基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子、シアノ基などで置換された、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基などの炭素数1〜20の非置換または置換の炭化水素基があげられる。 上記1分子中に2個以上の−SiH基を有する化合物としては、環状、鎖状、三次元網状またはそれらの組み合わせの何れでもよい。上記1分子中に2個以上の−SiH基を有する化合物のケイ素原子数は、特に制限されるものではないが、通常2〜60、好ましくは3〜60、より好ましくは3〜30である。 上記1分子中に2個以上の−SiH基を有する化合物としては、例えば下記の化合物があげられる。下記式でMeはメチル基、Phはフェニル基を表す。なお、これらの化合物は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。(式中、mは、1〜20、平均10の整数を表し、nは、1〜10、平均6の整数を表す。)(式中、Sは、を表し、nは、1〜30の整数を表し、mは、1〜30の整数を表す。n+mは、2〜60、平均2〜50を満足する。)(式中、Sは、を表し、nは、1〜30の整数を表し、mは、1〜30の整数を表す。n+mは、2〜60、平均2〜50を満足する。)(式中、nは、2〜60、平均3〜50の整数を表す。)(式中、nは、2〜60、平均3〜50の整数を表す。)(式中、nは、2〜60、平均3〜50の整数を表す。) また、架橋部位が、不飽和結合を少なくとも1つ有する炭素数2〜10の炭化水素基である含フッ素ポリマーと1分子中に2個以上のSi−H基を有する化合物からなる硬化性組成物の場合、ヒドロシリル化反応の反応性の点から、ヒドロシリル化反応触媒を加えることが好ましい。 ヒドロシリル化反応触媒としては、含フッ素ポリマーと1分子中に2個以上のSi−H基を有する化合物との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものであれば特に限定されず、例えば白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族元素よりなる付加反応触媒(周期律表8族金属、8族金属錯体、8族金属化合物などの8族金属系触媒)をあげることができ、なかでも、比較的入手しやすい点で、白金系触媒が好ましい。 白金系触媒は、通常、付加硬化型の硬化に使用される公知のものでよく、例えば米国特許第2,970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号明細書および米国特許第159,662号明細書に記載の白金と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書および米国特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニルシロキサンとの錯化合物などがあげられる。より具体的には、白金の単体(白金黒);塩化白金酸;塩化白金酸とエチレンなどのオレフィンとの錯体;塩化白金酸とアルコールまたはビニルシロキサンとの錯体;シリカ、アルミナ、カーボンなどの担体上に担持された白金などがあげられる。 上記パラジウム系触媒は、パラジウム、パラジウム化合物、塩化パラジウム酸などからなり、また、上記ロジウム系触媒は、ロジウム、ロジウム化合物、塩化ロジウム酸などからなり、例えば、RhCl(PPh3)3、RhCl(CO)(PPh3)2、RhCl(C2H4)2、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh3)2、Pd(PPh3)4(Phは、フェニル基を表す。)などがあげられる。 上記ヒドロシリル化反応触媒としては、また、ルイス酸、コバルトカルボニルなどであってもよい。 また、反応抑制剤を用いることが好ましい。反応抑制剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール;アクリロニトリル;N,N−ジアリルアセトアミド、N,N−ジアリルベンズアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−o−フタル酸ジアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−m−フタル酸ジアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−p−フタル酸ジアミドなどのアミド化合物;イオウ;リン;窒素;アミン化合物;イオウ化合物;リン化合物;スズ;スズ化合物;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン;ハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物などがあげられる。 上記反応抑制剤としては、例えば、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコール、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、米国特許第3,445,420号明細書において配合物(4)として例示される化合物、特公昭54−3774号公報において成分(ニ)として例示される化合物などのアセチレン化合物などであってもよい。 本発明の含フッ素ポリマーの架橋部位と架橋反応可能な化合物の添加量は、含フッ素ポリマー100重量部に対して、0.05〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。0.05重量部未満であると、充分に架橋を行うことができない傾向があり、10重量部を超えると、添加量に見合った程度にしか架橋反応が進行しない傾向がある。 本発明の硬化性組成物は、反応を促進するため、受酸剤を予め添加することも可能である。受酸剤としては、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化鉛等の金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物;合成ハイドロタルサイト等を用いることができる。受酸剤の使用量は、含フッ素ポリマー100重量部に対し1〜30重量部であることが好ましい。 また、本発明の硬化性組成物は、加工助剤としての機能も期待できる点から、先述した本発明の製造方法により得られる含フッ素ポリマーに含まれないその他の含フッ素ポリマーを含んでいてもよい。 そして、本発明の硬化性組成物は、必要に応じて含フッ素ポリマーからなる硬化性組成物に配合される通常の添加物、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、酸化防止剤、老化防止剤、オゾン劣化剤、紫外線吸収剤などを配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋助剤を1種またはそれ以上配合してもよく、各成分を、通常のポリマー用加工機械、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。このほか、密閉式混合機を用いる方法やエマルジョン混合から共凝析する方法によっても調製することができる。このようにして得られた硬化性組成物は常法に従って架橋、成形される。すなわち、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形または溶剤に溶かしてディップ成形、コーティング等により成形される。 架橋条件は、成形方法や成形品の形状により異なるが、おおむね、100〜300℃で数秒〜5時間の範囲である。また、架橋物の物性を安定化させるために二次架橋を行ってもよい。二次架橋条件としては、150〜300℃で30分〜48時間程度である。 また、本発明の製造方法により得られた含フッ素ポリマーが低分子量であり、常温で流動性を有する場合、プラネタリーミキサーや卓上のミキサーで混合すればよい。この時、反応の促進のため、温度を50℃以上に加温してもよい。さらに、硬化性組成物は50℃以上の温度で3時間以上反応させておくことが好ましい。 常温で流動性を有する硬化性組成物は、通常、200℃以下の温度でホットメルトガン等の押出しガンによる加工、LIMS(Liquid Injection Molding System)成形機による射出成形や押出し成形、室温〜200℃で型に流し込んで行う成形等を行うことができる。 硬化性組成物を架橋させる方法としては、架橋部位の種類によっては、上記以外の方法を用いることができる。 また、本発明は、一般式(2):(式中、Yはハロゲン原子、R3は炭素数1〜50のm価の炭化水素基であり、mは1以上の整数である)で示される含フッ素化合物に、触媒の存在下、一般式(3):(式中、M2は、Zn、B、Cu、Zr、Li、Al、SiまたはHgであり、R4はハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、R5は同じかまたは異なり、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヨウ素原子、臭素原子および塩素原子からなる群から選ばれる1種以上であり、nは0〜3の整数である)で示される化合物を反応させて、−Y末端を−R4末端に変換する工程を含む含フッ素化合物の製造方法に関する。 一般式(2)中のYはハロゲン原子であるが、末端変換の反応性に富む点から、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子であることが好ましく、ヨウ素原子、臭素原子であることがより好ましく、ヨウ素原子であることが特に好ましい。 R3は、炭素数1〜50のm価の炭化水素基である。炭素数1〜50のm価の炭化水素基としては、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素炭化水素基、含フッ素芳香族炭化水素基、一般式(32):−(CX82)nR15 (32)(式中、X8は同じでも異なっていてもよく、フッ素原子、水素原子、−CF3、−CH3、−COOH、−CH2OH、炭素数1〜30のアルキル基、パーフルオロアルキル基であり、R15は、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、nは1〜3の整数である)で示される基などがあげられる。 一般式(2)で示される含フッ素化合物としては、具体的には、F(CF2)nI、F(CF2)nCH2CH2I(n=3〜10)、I(CF2)nI、I(CF2)nCH2CH2I、ICH2CH2(CF2)nCH2CH2I、CH2=CH(CF2)nCH2CH2I(n=1〜8)、(CF3)2CF(CF2CF2)nCH2CHICH2OH(nは0〜4の整数)、FC(CF3)2I、CF3CBrFCBrF2、CHF2CF2CH2I、H(CF2)4CH2I、ICH2CF2COFなどをあげることができる。 一般式(3)中のM2としては、Zn、B、Cu、Zr、Li、Al、SiまたはHgであるが、これらの中でも合成が容易であること、安価であること、毒性が少ないことから、Mg、Zn、Cuが好ましく、塩基性が低く、耐塩基性の低い化合物とも反応が可能であることから、Cu、Zn、Bであることが好ましく、合成が容易であること、安価であること、毒性が少ないこと、塩基性が低いことからZnであることがより好ましい。R4はハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、具体的にはCH2=CHCH2−、CH2=CH(CH3)2SiC6H4−、CH2=CHC6H4−、H(CH3)2SiC6H4−などをあげることができる。R5は同じかまたは異なり、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヨウ素原子、臭素原子および塩素原子からなる群から選ばれる1種以上であり、具体的には、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子などをあげることができる。nは0〜3の整数であり、M2がMg、Zn、Cu、Hgのときはn=1が好ましく、Liのときはn=0が好ましく、B、Alのときは、n=2が好ましく、Si、Zrのときは、n=3が好ましい。 一般式(3)で示される化合物としては、具体的には、前記一般式(1)で示される化合物の具体例と同じものをあげることができる。 一般式(3)で示される化合物の添加量としては、含フッ素化合物のY末端に対して、1.2〜100当量であることが好ましく、2〜50当量であることがより好ましい。一般式(3)で示される化合物の添加量が、1.2当量未満であると、未反応で残る末端や目的とするクロスカップリング反応以外の反応による副生物の生成割合が増える傾向があり、100当量をこえても、コストが増大するだけでメリットはない。 触媒としては、反応速度が速く、副生物の生成が抑えることができる点から、4〜10族遷移金属を含む化合物であることが好ましく、10族遷移金属を含む化合物であることがより好ましく、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)を含む化合物であることがさらに好ましい。遷移金属の配位子としては、特に限定されるものではなく、前記したものと同じものをあげることができ、これらの配位子は単独で配位してもよいし、2種以上が配位していてもよい。これらの中でも、安価で入手が容易である点からトリフェニルホスフィン、アセトネート、塩素原子が好ましく、クロスカップリング反応の反応性が高い点から、トリフェニルホスフィンと塩素が配位している触媒が好ましい。 触媒としては、前記したものと同じものをあげることができ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、クロスカップリング反応の反応性が高い点からPd(PPh3)4、Pd(OAc)2、PdCl2(PPh3)2が好ましい。また、上記触媒とともに、好適な配位性化合物をさらに添加して反応を実施しても良い。用いることができる配位性化合物としては、前記したものと同じものをあげることができ、トリフェニルホスフィン(PPh3)を用いることが好ましい。配位性化合物の混合量としては、前記遷移金属触媒1モルに対して、0.1〜20モルであることが好ましく、0.1〜10モルであることがより好ましい。 触媒の添加量としては、一般式(3)で示される化合物のY末端に対して、0.001〜1当量であることが好ましく、0.005〜0.5当量であることがより好ましい。触媒の添加量が、0.001当量未満であると、反応が充分進行しない傾向があり、1当量をこえると、触媒コストが増大するだけで、メリットはない。また、反応には、前記のヨウ化1族金属化合物を添加することも好ましい。 反応条件については、前記と同様の条件でおこなうことができる。 本発明の含フッ素ポリマーからなる硬化性組成物を架橋して得られる成形品は、以下に示す分野で好適に用いることができる。 半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)リング、パッキン、シール材、チューブ、ロール、コーティング、ライニング、ガスケット、ダイアフラム、ホース等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置、薬液配管、ガス配管に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのOリング、シール材として、クォーツウィンドウのOリング、シール材として、チャンバーのOリング、シール材として、ゲートのOリング、シール材として、ベルジャーのOリング、シール材として、カップリングのOリング、シール材として、ポンプのOリング、シール材、ダイアフラムとして、半導体用ガス制御装置のOリング、シール材として、レジスト現像液、剥離液用のOリング、シール材として、ウェハー洗浄液用のホース、チューブとして、ウェハー搬送用のロールとして、レジスト現像液槽、剥離液槽のライニング、コーティングとして、ウェハー洗浄液槽のライニング、コーティングとしてまたはウェットエッチング槽のライニング、コーティングとして用いることができる。さらに、封止材・シーリング剤、光ファイバーの石英の被覆材、絶縁、防振、防水、防湿を目的とした電子部品、回路基盤のポッティング、コーティング、接着シール、磁気記憶装置用ガスケット、エポキシ等の封止材料の変性材、クリーンルーム・クリーン設備用シーラント等として用いられる。 自動車分野では、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材およびホースはエンジンならびに周辺装置に用いることができ、ホースおよびシール材はAT装置に用いることができ、O(角)リング、チューブ、パッキン、バルブ芯材、ホース、シール材およびダイアフラムは燃料系統ならびに周辺装置に用いることができる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、オイルホース、酸素センサー用シール、ATFホース、インジェクターOリング、インジェクターパッキン、燃料ポンプOリング、ダイアフラム、燃料ホース、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のO−リング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、EGRチューブ、ツインキャブチューブ、キャブレターのセンサー用ダイアフラム、防振ゴム(エンジンマウント、排気部等)、再燃焼装置用ホース、酸素センサーブッシュ等として用いることができる。 航空機分野、ロケット分野および船舶分野では、ダイアフラム、O(角)リング、バルブ、チューブ、パッキン、ホース、シール材等があげられ、これらは燃料系統に用いることができる。具体的には、航空機分野では、ジェットエンジンバルブステルシール、燃料供給用ホース、ガスケットおよびO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール等に用いられ、船舶分野では、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ弁の軸シール等に用いられる。 プラント等の化学品分野では、ライニング、バルブ、パッキン、ロール、ホース、ダイアフラム、O(角)リング、チューブ、シール材、耐薬品用コーティング等があげられ、これらは医薬、農薬、塗料、樹脂等化学品製造工程に用いることができる。具体的には、化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池のシール、風洞のジョイントシール、耐トリクレン用ロール(繊維染色用)、耐酸ホース(濃硫酸用)、ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン、塩素ガス移送ホース、ベンゼン、トルエン貯槽の雨水ドレンホース、分析機器、理化学機器のシール、チューブ、ダイアフラム、弁部品等として用いることができる。 医薬品等の薬品分野では、薬栓等として用いることができる。 現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野および塗装設備等の塗装分野では、ロール等があげられ、それぞれフィルム現像機・X線フィルム現像機、印刷ロールおよび塗装ロールに用いることができる。具体的には、フィルム現像機・X線フィルム現像機の現像ロールとして、印刷ロールのグラビアロール、ガイドロールとして、塗装ロールの磁気テープ製造塗工ラインのグラビアロール、磁気テープ製造塗工ラインのガイドロール、各種コーティングロール等として用いることができる。さらに、乾式複写機のシール、印刷設備の印刷ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品、塗布、塗装設備の塗布ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品、プリンターのインキチューブ、ロール、ベルト、乾式複写機のベルト、ロール、印刷機のロール、ベルト等として用いることができる。 またチューブを分析・理化学機分野に用いることができる。 食品プラント機器分野では、ライニング、バルブ、パッキン、ロール、ホース、ダイアフラム、O(角)リング、チューブ、シール材、ベルト等があげられ、食品製造工程に用いることができる。具体的には、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール等として用いることができる。 原子力プラント機器分野では、パッキン、Oリング、ホース、シール材、ダイアフラム、バルブ、ロール、チューブ等があげられる。 鉄板加工設備等の鉄鋼分野では、ロール等があげられ、鉄板加工ロール等に用いることができる。 一般工業分野では、パッキング、Oリング、ホース、シール材、ダイアフラム、バルブ、ロール、チューブ、ライニング、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウェザーストリップ、PPC複写機のロール、ロールブレード、ベルト等があげられる。具体的には、油圧、潤滑機械のシール、ベアリングシール、ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、六フッ化ウランの濃縮装置のシール、サイクロトロンのシール(真空)バルブ、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公害測定器)、印刷機のロール、ベルト、酸洗い用絞りロール等に用いられる。 電気分野では、具体的には、新幹線の絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール、油井ケーブルのジャケット等として用いられる。 燃料電池分野では、具体的には、電極、セパレーター間のシール材や水素・酸素・生成水配管のシール等として用いられる。 電子部品分野では、具体的には、放熱材原料、電磁波シールド材原料、エポキシ等のプリント配線板プリプレグ樹脂の変性材、電球等の飛散防止材、コンピューターのハードディスクドライブのガスケット等に用いられる。 現場施工型の成形に用いることが可能なものとしては特に限定されず、例えば、自動車エンジン用メタルガスケットのコーティング剤、エンジンのオイルパンのガスケット、複写機・プリンター用のロール、建築用シーリング剤、磁気記録装置用のガスケット、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤、プリント基盤のコーティング剤、電気・電子部品の固定剤、電気機器リード線端子の絶縁防湿処理、電気炉等のオーブンのシール、シーズヒーターの末端処理、電子レンジの窓枠シール、CRTウェッジおよびネックの接着、自動車電装部品の接着、厨房、浴室、洗面所等の目地シール等があげられる。 本発明の硬化用組成物は、クリーン性を活かし、磁気記録装置(ハードディスクドライブ)用のガスケット、半導体製造装置やウェハー等のデバイス保管庫等のシーリング材等のクリーン設備用シール材に特に好適に用いられる。 本発明の硬化用組成物は、耐薬品性、ガス低透過性、難燃性等の特性を活かし、燃料電池セル電極間やその周辺配管等に用いられるパッキン等の燃料電池用のシール材等にも特に好適に用いられる。 つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。製造例1(アリル臭化亜鉛化合物の合成) 窒素雰囲気下、還流冷却器を備えた50mLの枝付きフラスコに、予め塩酸で処理した亜鉛1177mg(18mmol)とテトラヒドロフラン6.0mL(74mmol)を仕込み、攪拌開始後、これにアリルブロミド0.78mL(9mmol)を室温下で15分かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌した。静置後、上澄み液をとり、アリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液とした。製造例2(含フッ素エラストマーの重合) 磁力誘導攪拌装置を有する内容積3.0リットルの重合槽に、純水1.47L、10重量%のパーフルオロオクタン酸アンモニウム水溶液30gを供給した。系内を窒素ガスで充分置換したのち減圧状態にした後、内温を80℃にし、HFPを内圧が0.73MPaまで、さらにVdFを1.5MPaまで仕込んだ。攪拌下に、過硫酸アンモニウム塩(APS)0.114gを水8.1gに溶解して仕込み、重合を開始した。重合圧力を1.5MPaとし、重合時の圧力低下を補うため、VdF/HFP混合モノマー(78/22(モル%))を連続的に供給し、重合終了までに、300gのモノマーを槽内に供給した。途中、VdF/HFP混合モノマーを7g供給した時点で、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン22.7g、重合開始後、3時間、6時間でそれぞれ、APS0.114gを水8.1gに溶解させた水溶液を追加で仕込んだ。反応時間は10時間1分であった。得られた乳濁液の重量は1851g、ポリマー濃度が17.7重量%であった。 この乳濁液を硫酸アルミ水溶液で凝析した後、温水により洗浄し、粘稠な含フッ素エラストマーを得た。得られた含フッ素エラストマーの共重合組成比は19F−NMRで測定によりVdF/HFP=77.5/22.5(モル%)であった。GPC測定でのポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量が10760、数平均分子量が8600であった。また、重アセトン溶媒での1H−NMRの分析において、末端構造−CF2CH2Iに由来する3.97、3.91、3.85、3.78ppmのピークが観察された。このピークの強度と含フッ素エラストマーの主鎖−CH2−に由来するピークの強度の比率は1:34であった。実施例1 窒素雰囲気下、50mL試験管にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム11.6mg(0.010mmol)とテトラヒドロフラン2.0mL(28mmol)を仕込み、攪拌開始後、これに製造例1で調整したアリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液3.00mL(約4.0mmol)、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアイオダイド0.17mL(1.0mmol)を順に室温下で滴下し、さらに同温度にて15時間攪拌した。反応終了後、ヘキサフルオロベンゼン0.077mL(0.67mmol)を内部標準として加え、19F−NMR測定により5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの定量を行った。その結果、収率81%であった。実施例2 窒素雰囲気下、50mL試験管にジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム7.0mg(0.010mmol)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)とテトラヒドロフラン2.0mL(28mmol)を仕込み、室温下で30分間攪拌した。これに製造例1で調整したアリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液3.00mL(約4.0mmol)、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアイオダイド0.17mL(1.0mmol)を順に室温下で滴下し、さらに同温度にて15時間攪拌した。反応終了後、ヘキサフルオロベンゼン0.077mL(0.67mmol)を内部標準として加え、19F−NMR測定により5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの定量を行った。その結果、収率71%であった。実施例3 実施例2のクロスカップリング反応において、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム7.0mg(0.010mmol)に変えてジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)2.2mg(0.010mmol)としたこと以外は、実施例2と同様に5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの合成を行った。結果は収率78%であった。実施例4 実施例2のクロスカップリング反応において、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム7.0mg(0.010mmol)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)に変えてジクロロビストリフェニルホスフィンニッケル26.3mg(0.05mmol)、トリフェニルホスフィン28.8mg(0.11mmol)としたこと以外は、実施例2と同様に5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの合成を行った。結果は収率67%であった。結果を表1にあわせて示す。実施例5 実施例2のクロスカップリング反応において、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム7.0mg(0.010mmol)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)に変えてジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム3.5mg(0.0050mmol)、トリフェニルホスフィン2.9mg(0.011mmol)としたこと以外は、実施例2と同様に5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの合成を行った。結果は収率81%であった。結果を表1にあわせて示す。実施例6 実施例2のクロスカップリング反応において、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム7.0mg(0.010mmol)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)に変えてジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)1.1mg(0.0050mmol)、トリフェニルホスフィン2.9mg(0.011mmol)としたこと以外は、実施例2と同様に5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの合成を行った。結果は収率82%であった。実施例7 実施例2のクロスカップリング反応において、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム7.0mg(0.010mmol)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)に変えてビスジベンジリデンアセトンパラジウム(Pd(dba)2)28.8mg(0.050mmol)、トリシクロヘキシルホスフィンの0.48mmol/mLトルエン溶液0.23mL(0.11mmol)としたこと以外は、実施例2と同様に5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの合成を行った。結果は収率39%であった。実施例8 窒素雰囲気下、50mL試験管にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム11.6mg(0.010mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して0.05当量)とテトラヒドロフラン2.0mL(28mmol)、製造例2で得られた含フッ素エラストマー695mg(0.10mmol)を仕込み、攪拌開始後、これに製造例1で調整したアリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液0.53mL(約0.80mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して4当量)を室温下で滴下し、さらに同温度にて43時間攪拌した。反応終了後減圧下でテトラヒドロフランを留去し、アセトン0.5mLに溶解させた。純水で再沈殿させた後、紛体状の含フッ素エラストマーに10重量%の塩酸水溶液を滴下し凝集させた。純水で洗浄後、再度アセトンに溶解させた。ヘキサンで再沈殿し、得られた含フッ素エラストマーを減圧加熱乾燥(90℃、12時間)し、1H−NMR測定により末端構造−CF2CH2Iの34%が−CF2CH2CH2CH=CH2に変換されたことを確認した。実施例9 窒素雰囲気下、50mL試験管にジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)2.2mg(0.010mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して0.05当量)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)とテトラヒドロフラン2.0mL(28mmol)、製造例2で得られた含フッ素エラストマー695mg(0.10mmol)を仕込み、攪拌開始後、これに製造例1で調整したアリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液1.5mL(約2.0mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して10当量)を室温下で滴下し、さらに同温度にて48時間攪拌した。反応終了後減圧下でテトラヒドロフランを留去し、アセトン0.5mLに溶解させた。純水で再沈殿させた後、紛体状の含フッ素エラストマーに10重量%の塩酸水溶液を滴下し凝集させた。純水で洗浄後、再度アセトンに溶解させた。ヘキサンで再沈殿し、得られた含フッ素エラストマーを減圧加熱乾燥(90℃、12時間)し、1H−NMR測定により末端構造−CF2CH2Iの60%が−CF2CH2CH2CH=CH2に変換されたことを確認した。実施例10 窒素雰囲気下、50mL試験管にジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)2.2mg(0.010mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して0.05当量)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)と製造例2で得られた含フッ素エラストマー695mg(0.10mmol)を仕込み、攪拌開始後、これに製造例1で調整したアリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液3.0mL(約4.0mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して20当量を室温下で滴下し、さらに同温度にて48時間攪拌した。反応終了後減圧下でテトラヒドロフランを留去し、アセトン0.5mLに溶解させた。純水で再沈殿させた後、紛体状の含フッ素エラストマーに10重量%の塩酸水溶液を滴下し凝集させた。純水で洗浄後、再度アセトンに溶解させた。ヘキサンで再沈殿し、得られた含フッ素エラストマーを減圧加熱乾燥(90℃、12時間)し、1H−NMR測定により末端構造−CF2CH2Iの72%が−CF2CH2CH2CH=CH2に変換されたことを確認した。実施例11 実施例10のクロスカップリング反応において、ジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)2.2mg(0.010mmol)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)に変えてジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)1.4mg(0.0060mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して0.03当量)、トリフェニルホスフィン3.4mg(0.013mmol)としたこと以外は、実施例10と同様に反応を行った。結果は1H−NMR測定により末端構造−CF2CH2Iの76%が−CF2CH2CH2CH=CH2に変換されたことを確認した。実施例12 実施例10のクロスカップリング反応において、ジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)2.2mg(0.010mmol)に変えてジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム7.0mg(0.010mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して0.05当量)としたこと以外は、実施例10と同様に反応を行った。結果は1H−NMR測定により末端構造−CF2CH2Iの70%が−CF2CH2CH2CH=CH2に変換されたことを確認した。実施例13 実施例10のクロスカップリング反応において、ジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)2.2mg(0.010mmol)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.022mmol)に変えてジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム4.2mg(0.006mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して0.03当量)、トリフェニルホスフィン3.4mg(0.013mmol)としたこと以外は、実施例10と同様に反応を行った。結果は1H−NMR測定により末端構造−CF2CH2Iの79%が−CF2CH2CH2CH=CH2に変換されたことを確認した。実施例14 実施例10のクロスカップリング反応において、ジアセトナトパラジウム(Pd(OAc)2)2.2mg(0.010mmol)、トリフェニルホスフィン5.8mg(0.02mmol)に変えてジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム2.8mg(0.0040mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して0.02当量)、トリフェニルホスフィン2.3mg(0.0080mmol)としたこと以外は、実施例10と同様に反応を行った。結果は1H−NMR測定により末端構造−CF2CH2Iの67%が−CF2CH2CH2CH=CH2に変換されたことを確認した。比較例1 窒素雰囲気下、50mL試験管にテトラヒドロフラン2.0mL(25mmol)、製造例1で調整したアリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液3.00mL(約4.0mmol)、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアイオダイド0.17mL(1.0mmol)を順に室温下で滴下し、さらに同温度にて15時間攪拌した。反応終了後、ヘキサフルオロベンゼン0.077mL(0.67mmol)を内部標準として加え、19F−NMR測定により5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの定量を行った。その結果、収率3%であった。比較例2 窒素雰囲気下、還流冷却器を備えた50mLの枝付きフラスコにテトラヒドロフラン2.0mL(25mmol)、製造例1で調整したアリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液3.00mL(約4.0mmol)、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアイオダイド0.17mL(1.0mmol)を順に室温下で滴下し、さらに還流温度にて6時間攪拌した。反応終了後、ヘキサフルオロベンゼン0.077mL(0.67mmol)を内部標準として加え、19F−NMR測定により5,5,6,6,7,7,8,8−オクタフルオロ−1−オクテンの定量を行った。その結果、収率36%であった。比較例3 窒素雰囲気下、50mL試験管に製造例2で得られた含フッ素エラストマー695mg(0.10mmol)を仕込み、製造例1で調整したアリル臭化亜鉛の約1.3mmol/mLテトラヒドロフラン溶液3.00mL(約4.0mmol 含フッ素ポリマーの1つの末端基に対して20当量)を室温下で滴下し、さらに同温度にて48時間攪拌した。反応終了後減圧下でテトラヒドロフランを留去し、アセトン0.5mLに溶解させた。純水で再沈殿させた後、紛体状の含フッ素エラストマーに10重量%の塩酸水溶液を滴下し凝集させた。純水で洗浄後、再度アセトンに溶解させた。ヘキサンで再沈殿し、得られた含フッ素エラストマーを減圧加熱乾燥(90℃、12時間)し、1H−NMR測定により末端構造−CF2CH2Iの10%が−CF2CH2CH2CH=CH2に変換されたことを確認した。主鎖末端および/または側鎖末端に−Y末端(Y:ヨウ素原子、臭素原子、又は、塩素原子)を有する含フッ素エラストマーに、パラジウムまたはニッケルを含む化合物からなる触媒の存在下、一般式(1):(式中、M1は、Znであり、R1は、不飽和結合を少なくとも1つ有する炭素数2〜10の炭化水素基、または、−Si(Y4)3(Y4は、同じかまたは異なり、−R10、−OR10、塩素原子、または水素原子から選ばれ、少なくとも1つは水素原子、または不飽和結合を含む炭素数1〜10の炭化水素基であり、R10は炭素数1〜10の炭化水素基)であり、R2は同じかまたは異なり、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヨウ素原子、臭素原子および塩素原子からなる群から選ばれる1種以上であり、nは0〜3の整数である)で示される化合物を反応させて、−Y末端を−R1末端に変換する工程を含む含フッ素エラストマーの製造方法。反応温度が100℃以下である請求項1記載の含フッ素エラストマーの製造方法。含フッ素エラストマーが、フッ化ビニリデン単位を含む重合体である請求項1記載の含フッ素エラストマーの製造方法。請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られる含フッ素エラストマーからなる硬化性組成物。請求項4記載の硬化性組成物を架橋して得られる成形品。F(CF2)nI、F(CF2)nCH2CH2I(n=3〜10)、I(CF2)nI、I(CF2)nCH2CH2I、ICH2CH2(CF2)nCH2CH2I、CH2=CH(CF2)nCH2CH2I(n=1〜8)、(CF3)2CF(CF2CF2)nCH2CHICH2OH(nは0〜4の整数)、FC(CF3)2I、CF3CBrFCBrF2、CHF2CF2CH2I、H(CF2)4CH2I、または、ICH2CF2COFで示される含フッ素化合物に、パラジウムまたはニッケルを含む化合物からなる触媒の存在下、一般式(3):(式中、M2は、Znであり、R4はCH2=CHCH2−、CH2=CH(CH3)2SiC6H4−、CH2=CHC6H4−、または、H(CH3)2SiC6H4−であり、R5は同じかまたは異なり、ハロゲン原子、酸素原子、珪素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヨウ素原子、臭素原子および塩素原子からなる群から選ばれる1種以上であり、nは0〜3の整数である)で示される化合物を反応させて、−Y末端を−R4末端に変換する工程を含む含フッ素化合物の製造方法。反応温度が100℃以下である請求項6記載の含フッ素化合物の製造方法。触媒の配位子が、塩素原子およびトリフェニルホスフィンからなる請求項6または7記載の含フッ素化合物の製造方法。