生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_細胞・組織の凍結障害防止液及び凍結保存法
出願番号:2005134670
年次:2006
IPC分類:A01N 1/02,A61L 27/00,C12N 1/04,C12N 5/06


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岩永 康裕 松村 和明 金 宗潤 須賀井 一 北住 典明 玄 丞烋 JP 2006306821 公開特許公報(A) 20061109 2005134670 20050502 細胞・組織の凍結障害防止液及び凍結保存法 独立行政法人科学技術振興機構 503360115 国立大学法人京都大学 504132272 玄 丞烋 503247229 蔦田 璋子 100059225 蔦田 正人 100076314 中村 哲士 100112612 富田 克幸 100112623 夫 世進 100124707 岩永 康裕 松村 和明 金 宗潤 須賀井 一 北住 典明 玄 丞烋 A01N 1/02 20060101AFI20061013BHJP A61L 27/00 20060101ALI20061013BHJP C12N 1/04 20060101ALI20061013BHJP C12N 5/06 20060101ALI20061013BHJP JPA01N1/02A61L27/00 CA61L27/00 GA61L27/00 QA61L27/00 ZC12N1/04C12N5/00 E 8 OL 6 特許法第30条第1項適用申請有り 2005年4月15日 国際膵臓・膵島学会の第10回ジュネーブ大会のホームページ(http://www.ipita2005.org/)において(www.ipita2005.org/abstracts_on−line.htm)にて発表 4B065 4C081 4H011 4B065AA90X 4B065AC03 4B065BD09 4B065BD12 4B065BD26 4B065CA44 4C081AB02 4C081AB11 4C081AB13 4C081AB17 4C081BA12 4C081CD34 4H011BB03 4H011CA01 4H011CB04 4H011CB08 本発明は、膵島細胞などの凍結解凍障害を軽減可能な凍結障害防止液及び凍結保存方法に関する。皮膚、角膜、心臓弁など他の生体組織移植分野及びES細胞などを用いる再生医療分野においてもこの技術の需要は高まると予測される。 細胞や生体組織の凍結保存技術は、5〜15%DMSO(ジメチルスルホキシド)を含む培養液に細胞を懸濁しクライオチューブに詰めて冷却し、最終的に-196℃の極低温で凍結保存するのが一般的である。そして細胞や生体組織が必要な時は、これらの凍結細胞や生体組織を急速解凍して得る。特表2000−507547特開2003−225084 しかし、上記の従来の凍結保存法では、例えば、凍結解凍後の膵島細胞生存率はとても低くさらに機能も低下することが問題である。 その原因は凍結解凍時に細胞が障害を受けることによるもので、例え解凍直後は生存していたとしてもひどく障害された細胞は生存能力(viability)が低く、移植あるいは培養の後、死んでいくことになる。細胞の凍結解凍障害にはMMP(matrix metalloproteinase:マトリックス分解酵素)、あるいはフリーラジカル等の関与が知られている。 この発明は上記の問題を解決するものであり、その目的とするところは、酵素活性を阻害したり、フリーラジカルを制御することで凍結解凍障害を軽減する方法を開発することである。 ポリフェノールには抗菌・抗ウイルス作用、抗癌作用、抗酸化作用などの生理活性作用があること知られているが、ラジカルスカベンジャー能も報告されている。またポリフェノールがこのMMP(matrix metalloproteinase)を阻害するという知見も散見される。 上記の目的を達成するため、この発明の凍結保存法には、典型的には緑茶ポリフェノール、特にはその主要成分であるエピガロカテキンガレート(EGCg)を用いる。例えば、具体的には、エピガロカテキンガレート(EGCg)を添加した通常の細胞培養用培地で凍結前に膵島細胞を培養する。すなわち、EGCgを膵島に付着させることで凍結保存および解凍時の細胞障害を軽減させる。 保存細胞や保存生体組織の生存率及び質を高く維持することができ、良質な移植用または実験用の細胞や生体組織を必要時に必要量提供することを可能にする。 例えば、膵島移植は細胞移植医療の代表的な例で、レシピエントにとって侵襲が少なく安全性が高い。この発明で凍結保存後解凍された膵島でも生存率及び質が高く維持できることによって、膵島バンキングシステムがより現実的なものとなり、良質な膵島を必要時に必要量提供することを可能にする。 糖尿病という疾患が国民病と呼ばれること、また膵島細胞はその機能を簡便に評価できることから動物の膵島細胞を用いた研究は頻繁に行なわれている。しかし膵島は培養が難しく凍結保存後では質が悪いので実験に用いる場合、その都度膵島分離を行い新鮮な状態で使用しなければならない。この発明によって凍結保存後でも充分に実験に用いられる量と質の膵島を得ることができれば、煩雑で手間がかかる膵島分離作業を省略できる。 本発明の細胞保存法は、人または動物の組織から単離した膵島細胞の保存に、特に効果的である。しかし、血管、軟骨その他の骨、神経、心臓弁その他の弁、羊膜などの生体組織、特には移植用生体組織に使用可能である。 ポリフェノールは、植物ポリフェノールであり、特には緑茶に含まれる植物ポリフェノール成分である。緑茶ポリフェノールは、実質上カテキン類であり、少量の他の植物ポリフェノールを不純物として含んでも良い。緑茶ポリフェノールは、カテキン類の中でも、エピガロカテキンガレート((-)-エピガロカテキン-3-O-ガレート;EGCg)を主要成分とするのが好ましい。ここで、EGCgの含量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上である。EGCgの細胞用培地における添加濃度は、例えば10〜300μg/ml(ppm)であり、好ましくは30〜120μg/ml(ppm)である。添加濃度が、300μg/ml(ppm)を越えると、凍結障害防止の効果が見られなくなってしまう。 付着とは、EGCgが細胞表面に、比較的強い分子間相互作用によって吸着されることをいう。したがって、膵島細胞をEGCg含有細胞培地にて培養するかまたは一定時間浸漬した後、EGCgを含まない培地に移して保存してもほぼ同様の効果が得られる。凍結保存前の、EGCg含有細胞培地中での培養は、例えば0.5〜3時間行う。 本発明の凍結障害防止液は、細胞・生体組織用の培養液と、凍結防御剤とからなる従来の凍結保存液に、緑茶ポリフェノールを添加したものである。緑茶ポリフェノールの添加濃度は、EGCgを例にとり上記に説明したとおりである。凍結防御剤としては、5〜15%のDMSOを添加するのが一般に好ましいが、グリセリン、エチレングリコール、PVP(ポリビニルピロリドン)などを、適宜用いることができる。本発明の凍結保存液は、市販の凍結保存液、例えば日本全薬工業(株)製の「セルバンカー(cell banker)」にEGCgなどを添加して得ることもでき、また、市販の細胞・生体組織用の培養液に、EGCgなどと、上記の凍結保存液とを添加して得ることもできる。 以下、この発明の実施例及び比較例を示す。<試験方法> ブタの膵臓から膵島を分離し、分離された膵島細胞を以下の4群に分けた。EGCgとしては、純度約98重量%のもの(Roche社)を用いた。 グループ1:EGCg無添加培地で培養(従来法) グループ2:EGCg 30μg/ml添加培地で培養 グループ3:EGCg 60μg/ml添加培地で培養 グループ4:EGCg 120μg/ml添加培地で培養 各群とも培地は、10%ウシ胎児血清含有CMRL細胞培養用培地に、凍結防御剤としてDMSOを10%となるように添加したものを使用し、その後プログラムフリーザーを用いて凍結した。最終的に液体窒素中(-196℃)に保存し、4週間後に急速解凍した。そして、解凍直後、及び、解凍後に48時間培養した後の膵島細胞の生存率(生存率=凍結解凍後の膵島数 / 凍結前の膵島数)を比較検討した。また、解凍直後のバイアビリティー及び膵島機能を比較検討した。<結果> 解凍直後の膵島細胞の生存率は、従来法(グループ1)では約50%と低かったが、EGCg添加群(グループ2〜4)では60〜80%と著明な改善が認められた(図1)。また48時間培養後でも生存率は従来法(グループ1)では約25%と低いのに対し、EGCg添加群(グループ2〜4)では45〜70%と有意に高かった(図1)。バイアビリティーにおいても従来法(グループ1)では約70%だったのに対し、EGCg添加群(グループ2〜4)では80〜85%と高かった(図2)。解凍直後の膵島機能をグルコース負荷試験によるインスリン分泌反応(Static Incubation)で検討したところ、EGCg添加群では無添加群に比べ良好な傾向にあった(図3)。凍結解凍後(直後、48時間培養後)のブタ膵島生存率のグラフである。解凍直後のブタ膵島のバイアビリティーを示すグラフである。凍結解凍直後の膵島機能(Stimulation Index)を示すグラフである。 移植用の生体組織を凍結保存前または凍結保存時に浸漬することにより、該生体組織が凍結保存時または解凍時に障害されるのを防止するための凍結障害防止液であって、細胞・組織培養用培地に、30〜120ppmのポリフェノールを添加したものであることを特徴とする移植用生体組織の凍結障害防止液。 前記ポリフェノールが純度90重量%以上のエピガロカテキンガレートである請求項1記載の凍結障害防止液。 請求項1または2記載の凍結障害防止液中に、凍結保存前または凍結保存時に浸漬したことを特徴とする凍結保存中または解凍後の移植用の生体組織。 膵島、血管、皮膚、軟骨その他の骨、神経、心臓弁その他の弁、または羊膜である請求項3記載の移植用の生体組織。 凍結保存前または凍結保存時に、10〜300ppmのポリフェノールを含む細胞・組織培養用培地に移植用の細胞または生体組織を浸漬することを特徴とする細胞または生体組織の凍結保存方法。 ポリフェノールが純度90重量%以上のエピガロカテキンガレートである請求項5記載の凍結保存方法。 細胞が、人または動物の膵臓から単離した細胞である請求項5記載の凍結保存方法。 移植用の生体組織が、膵島、血管、皮膚、軟骨その他の骨、神経、心臓弁その他の弁、または羊膜である請求項5記載の凍結保存方法。 【課題】例えば、糖尿病に対する根治療法である膵島細胞移植では凍結保存された膵島を解凍して使用することがある。膵島細胞などの凍結保存において、凍結解凍障害を軽減し解凍後も高い生存率と機能を維持できる細胞凍結保存法を提供する。【解決手段】緑茶ポリフェノールの主成分であるエピガロカテキンガレートを凍結保存前の膵島細胞に付着させる。具体的には、エピガロカテキンガレート(EGCg)を、例えば30〜120ppm(μg/ml)添加した通常の細胞培養用培地(例えば10%ウシ胎児血清含有CMRL培地)で凍結前に膵島細胞を培養する。


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特許公報(B2)_細胞・組織の凍結障害防止液及び凍結保存法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_細胞・組織の凍結障害防止液及び凍結保存法
出願番号:2005134670
年次:2012
IPC分類:A01N 1/02,A61L 27/00,C12N 1/04


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岩永 康裕 松村 和明 金 宗潤 須賀井 一 北住 典明 玄 丞烋 JP 4931035 特許公報(B2) 20120224 2005134670 20050502 細胞・組織の凍結障害防止液及び凍結保存法 玄 丞烋 503247229 蔦田 璋子 100059225 蔦田 正人 100076314 中村 哲士 100112612 富田 克幸 100112623 夫 世進 100124707 岩永 康裕 松村 和明 金 宗潤 須賀井 一 北住 典明 玄 丞烋 20120516 A01N 1/02 20060101AFI20120419BHJP A61L 27/00 20060101ALI20120419BHJP C12N 1/04 20060101ALI20120419BHJP JPA01N1/02A61L27/00 CA61L27/00 GA61L27/00 QA61L27/00 ZC12N1/04 A01N 1/02 JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 再公表特許第2002/001952(JP,A1) 特開2003−267801(JP,A) 特表2007−519712(JP,A) 3 2006306821 20061109 5 20080416 特許法第30条第1項適用 2005年4月15日 国際膵臓・膵島学会の第10回ジュネーブ大会のホームページ(http://www.ipita2005.org/)において(www.ipita2005.org/abstracts_on−line.htm)にて発表 太田 千香子 本発明は、膵島細胞などの凍結解凍障害を軽減可能な凍結障害防止液及び凍結保存方法に関する。皮膚、角膜、心臓弁など他の生体組織移植分野及びES細胞などを用いる再生医療分野においてもこの技術の需要は高まると予測される。 細胞や生体組織の凍結保存技術は、5〜15%DMSO(ジメチルスルホキシド)を含む培養液に細胞を懸濁しクライオチューブに詰めて冷却し、最終的に-196℃の極低温で凍結保存するのが一般的である。そして細胞や生体組織が必要な時は、これらの凍結細胞や生体組織を急速解凍して得る。特表2000−507547特開2003−225084 しかし、上記の従来の凍結保存法では、例えば、凍結解凍後の膵島細胞生存率はとても低くさらに機能も低下することが問題である。 その原因は凍結解凍時に細胞が障害を受けることによるもので、例え解凍直後は生存していたとしてもひどく障害された細胞は生存能力(viability)が低く、移植あるいは培養の後、死んでいくことになる。細胞の凍結解凍障害にはMMP(matrix metalloproteinase:マトリックス分解酵素)、あるいはフリーラジカル等の関与が知られている。 この発明は上記の問題を解決するものであり、その目的とするところは、酵素活性を阻害したり、フリーラジカルを制御することで凍結解凍障害を軽減する方法を開発することである。 ポリフェノールには抗菌・抗ウイルス作用、抗癌作用、抗酸化作用などの生理活性作用があること知られているが、ラジカルスカベンジャー能も報告されている。またポリフェノールがこのMMP(matrix metalloproteinase)を阻害するという知見も散見される。 上記の目的を達成するため、この発明の凍結保存法には、典型的には緑茶ポリフェノール、特にはその主要成分であるエピガロカテキンガレート(EGCg)を用いる。例えば、具体的には、エピガロカテキンガレート(EGCg)を添加した通常の細胞培養用培地で凍結前に膵島細胞を培養する。すなわち、EGCgを膵島に付着させることで凍結保存および解凍時の細胞障害を軽減させる。 保存細胞や保存生体組織の生存率及び質を高く維持することができ、良質な移植用または実験用の細胞や生体組織を必要時に必要量提供することを可能にする。 例えば、膵島移植は細胞移植医療の代表的な例で、レシピエントにとって侵襲が少なく安全性が高い。この発明で凍結保存後解凍された膵島でも生存率及び質が高く維持できることによって、膵島バンキングシステムがより現実的なものとなり、良質な膵島を必要時に必要量提供することを可能にする。 糖尿病という疾患が国民病と呼ばれること、また膵島細胞はその機能を簡便に評価できることから動物の膵島細胞を用いた研究は頻繁に行なわれている。しかし膵島は培養が難しく凍結保存後では質が悪いので実験に用いる場合、その都度膵島分離を行い新鮮な状態で使用しなければならない。この発明によって凍結保存後でも充分に実験に用いられる量と質の膵島を得ることができれば、煩雑で手間がかかる膵島分離作業を省略できる。 本発明の細胞保存法は、人または動物の組織から単離した膵島細胞の保存に、特に効果的である。しかし、血管、軟骨その他の骨、神経、心臓弁その他の弁、羊膜などの生体組織、特には移植用生体組織に使用可能である。 ポリフェノールは、植物ポリフェノールであり、特には緑茶に含まれる植物ポリフェノール成分である。緑茶ポリフェノールは、実質上カテキン類であり、少量の他の植物ポリフェノールを不純物として含んでも良い。緑茶ポリフェノールは、カテキン類の中でも、エピガロカテキンガレート((-)-エピガロカテキン-3-O-ガレート;EGCg)を主要成分とするのが好ましい。ここで、EGCgの含量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上である。EGCgの細胞用培地における添加濃度は、例えば10〜300μg/ml(ppm)であり、好ましくは30〜120μg/ml(ppm)である。添加濃度が、300μg/ml(ppm)を越えると、凍結障害防止の効果が見られなくなってしまう。 付着とは、EGCgが細胞表面に、比較的強い分子間相互作用によって吸着されることをいう。したがって、膵島細胞をEGCg含有細胞培地にて培養するかまたは一定時間浸漬した後、EGCgを含まない培地に移して保存してもほぼ同様の効果が得られる。凍結保存前の、EGCg含有細胞培地中での培養は、例えば0.5〜3時間行う。 本発明の凍結障害防止液は、細胞・生体組織用の培養液と、凍結防御剤とからなる従来の凍結保存液に、緑茶ポリフェノールを添加したものである。緑茶ポリフェノールの添加濃度は、EGCgを例にとり上記に説明したとおりである。凍結防御剤としては、5〜15%のDMSOを添加するのが一般に好ましいが、グリセリン、エチレングリコール、PVP(ポリビニルピロリドン)などを、適宜用いることができる。本発明の凍結保存液は、市販の凍結保存液、例えば日本全薬工業(株)製の「セルバンカー(cell banker)」にEGCgなどを添加して得ることもでき、また、市販の細胞・生体組織用の培養液に、EGCgなどと、上記の凍結保存液とを添加して得ることもできる。 以下、この発明の実施例及び比較例を示す。<試験方法> ブタの膵臓から膵島を分離し、分離された膵島細胞を以下の4群に分けた。EGCgとしては、純度約98重量%のもの(Roche社)を用いた。 グループ1:EGCg無添加培地で培養(従来法) グループ2:EGCg 30μg/ml添加培地で培養 グループ3:EGCg 60μg/ml添加培地で培養 グループ4:EGCg 120μg/ml添加培地で培養 各群とも培地は、10%ウシ胎児血清含有CMRL細胞培養用培地に、凍結防御剤としてDMSOを10%となるように添加したものを使用し、その後プログラムフリーザーを用いて凍結した。最終的に液体窒素中(-196℃)に保存し、4週間後に急速解凍した。そして、解凍直後、及び、解凍後に48時間培養した後の膵島細胞の生存率(生存率=凍結解凍後の膵島数 / 凍結前の膵島数)を比較検討した。また、解凍直後のバイアビリティー及び膵島機能を比較検討した。<結果> 解凍直後の膵島細胞の生存率は、従来法(グループ1)では約50%と低かったが、EGCg添加群(グループ2〜4)では60〜80%と著明な改善が認められた(図1)。また48時間培養後でも生存率は従来法(グループ1)では約25%と低いのに対し、EGCg添加群(グループ2〜4)では45〜70%と有意に高かった(図1)。バイアビリティーにおいても従来法(グループ1)では約70%だったのに対し、EGCg添加群(グループ2〜4)では80〜85%と高かった(図2)。解凍直後の膵島機能をグルコース負荷試験によるインスリン分泌反応(Static Incubation)で検討したところ、EGCg添加群では無添加群に比べ良好な傾向にあった(図3)。凍結解凍後(直後、48時間培養後)のブタ膵島生存率のグラフである。解凍直後のブタ膵島のバイアビリティーを示すグラフである。凍結解凍直後の膵島機能(Stimulation Index)を示すグラフである。 移植用の膵島を凍結保存前に浸漬して培養を行うとともに、該膵島が凍結保存時または解凍時に障害されるのを防止するための凍結障害防止液であって、細胞・組織培養用培地に、純度90重量%以上のエピガロカテキンガレートを添加し、30〜120ppmのエピガロカテキンガレート溶液としたものであることを特徴とする移植用膵島の凍結障害防止液。 純度98重量%以上のエピガロカテキンガレートを添加したものである請求項1記載の凍結障害防止液。 請求項1〜2のいずれかに記載の凍結障害防止液中に、凍結保存前に浸漬して培養を行ったことを特徴とする凍結保存中または解凍後の移植用の膵島。


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