タイトル: | 公開特許公報(A)_液状クレンジング剤組成物 |
出願番号: | 2005131359 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 8/00,A61Q 1/14,C11D 3/18,C11D 1/72,C11D 17/08,C11D 17/04 |
津田 ひろ子 後藤 祐子 JP 2006306780 公開特許公報(A) 20061109 2005131359 20050428 液状クレンジング剤組成物 花王株式会社 000000918 大谷 保 100078732 東平 正道 100081765 片岡 誠 100089185 平澤 賢一 100119666 津田 ひろ子 後藤 祐子 A61K 8/00 20060101AFI20061013BHJP A61Q 1/14 20060101ALI20061013BHJP C11D 3/18 20060101ALI20061013BHJP C11D 1/72 20060101ALI20061013BHJP C11D 17/08 20060101ALI20061013BHJP C11D 17/04 20060101ALI20061013BHJP JPA61K7/02 AC11D3/18C11D1/72C11D17/08C11D17/04 6 OL 15 4C083 4H003 4C083AA122 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC172 4C083AC262 4C083AC302 4C083AC352 4C083AC372 4C083AC402 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC472 4C083AD042 4C083AD152 4C083AD172 4C083AD202 4C083AD492 4C083BB04 4C083BB13 4C083CC23 4C083DD12 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD28 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE11 4C083FF05 4H003AC03 4H003AC05 4H003AC10 4H003AC12 4H003BA12 4H003BA22 4H003DA02 4H003DB02 4H003EB02 4H003EB07 4H003EB08 4H003EB09 4H003EB37 4H003EB43 4H003ED02 4H003FA24 4H003FA30 本発明は、高粘度油剤と低粘度油剤とを併用した液状クレンジング剤組成物及びこの組成物をシート基材に含浸してなるクレンジングシートに関する。 近年、メイクアップ化粧品の分野において、メイク方法は、ファンデーションや口紅を中心としたナチュラルメイクから、マスカラやアイシャドウを多用した目元を強調したメイクに重点が移ってきた。中でもマスカラには耐水性を高めた化粧効果の持続性が求められるため、まつ毛上で固い皮膜を形成する製品が多く出回っている。しかし、それらは化粧持続効果が高い反面、通常のメイク落としでは効率よく除去できない問題があった。 このような背景を受けて、メイク落とし市場ではクレンジングオイルと呼ばれる低粘度の油性製剤が主流になってきた。 クレンジングオイルは、従来メイク落としの主流であったジェルタイプのメイク落としとは異なって、油性成分が製剤の大半を占め、かつ粘度も低いことから、マスカラなどの油性メイクの除去において高い性能を発揮する。しかしながら、既存のクレンジングオイルは、その油性成分の性質を反映して使用感が軽く、皮膚に対する上滑り感が強いので、ジェルタイプのメイク落としにあったような、メイク落ちを実感できるマッサージ感やコク感において十分に満足し得るものではない。 マッサージ性や使用感の向上を目的とした油性クレンジング剤としては、油性の増粘剤を配合して増粘させたものがある。例えば、粘土鉱物を用いて油剤を増粘させることによりマッサージ性を高めたゲル状組成物(特許文献1参照)、油増粘剤としてデキストリン脂肪酸エステルを用いたクレンジング用組成物(特許文献2参照)、油性増粘剤としてジアルキルリン酸塩を用いたクレンジング用組成物(特許文献3参照)が開示されている。 しかしながら、これらの組成物では、油相全体が増粘されるために、皮膚の細かい部分への油剤の浸透やなじみが悪く、メイク落としに際してメイクの浮きが悪くなるという問題があった。 また、特定の油剤を配合して洗浄力を向上させた油性液状クレンジング剤が提案されている。例えば、特定の油剤として、紅花油(特許文献4参照)、特定のエステル油(特許文献5参照)、コメヌカ油とシリコーン油(特許文献6参照)及びN−アシルグルタミン酸ジエステル(特許文献7参照)などが開示されているが、いずれの油性液状クレンジング剤においてもマッサージ感を高める工夫はなされていない。 さらに、油剤として比較的高粘度の油剤を用いることによって、油性液状クレンジング剤組成物の粘度を上げてマッサージ感を得る試みもなされたが、通常、メイクへのなじみやすさは、クレンジング剤の粘度に大きく支配されるため、高粘度の油剤の使用は、結果的に洗浄力の低下につながる傾向があった。 このように、油性液状クレンジング剤においては、マッサージ感と洗浄力とは両立していないのが現状である。特開2004−18451号公報特開2003−252726号公報特開平9−175935号公報特開2004−196790号公報特開2003−160436号公報特開2002−241223号公報特開2000−136114号公報 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、良好なマッサージ感とメイクアップ化粧品に対する高い洗浄力をともに満足する液状クレンジング剤組成物、及びこのクレンジング組成物をシート基材に含浸してなるクレンジングシートを提供することを目的とする。 本発明者らは、粘度が特定の範囲にある高粘度油剤と、粘度が特定値以下の低粘度油剤とを特定の比率で組み合わせて配合した液状クレンジング剤組成物により上記目的が達成されることを見出した。 すなわち、本発明は、油性成分として(A)25℃における粘度が1000〜50000mPa・sの油剤と、(B)25℃における粘度が20mPa・s以下の油剤とを含有し、全油性成分中における(A)成分と(B)成分の含有量が合計で30質量%以上であり、その質量比が(B)/(A)=1〜5である液状クレンジング剤組成物を提供するものである。 本発明によれば、良好なマッサージ感とメイクアップ化粧品に対する高い洗浄力とが両立した液状クレンジング剤組成物を得ることができる。 本発明でいう液状クレンジング剤組成物の「液状」とは、25℃における粘度が200mPa・s以下のものをいう。なお、本発明における液状組成物の粘度は、25℃においてB型粘度計でローターNo.2を用い、6rpm(1000mPa・s以上)、12rpm(500mPa・s以上1000mPa・s未満)、60rpm(500mPa・s未満)により測定した値である。 本発明の液状クレンジング剤組成物で用いる(A)成分の粘度1000〜50000mPa・sの油剤は、液状クレンジング剤組成物を使用する際に適度な厚み感を出し、かつマッサージ感を向上させる役割を果たす。マッサージ時に、適度な抵抗感とコクのあるマッサージ感を与えるために、1000mPa・s以上の油剤を用いることが好ましい。また、この高粘度油剤の粘度が50000mPa・s以下であることにより、液状クレンジング剤組成物中への良好な溶解性を保ちながら、肌に負担感のない適度なマッサージ感を与えることができ、また、使用時にべたつきがないという利点がある。 (A)成分の油剤としては、マッサージ感が高まり、コク感も得られるという点から、特に粘度1500〜45000mPa・s、更には3000〜40000mPa・sの油剤が好適に用いられる。粘度3000mPa・s以上の油剤は、(A)成分のうちの60質量%以上を占めることが好ましい。 (A)成分の油剤としては、常温(25℃)で外観が均一透明であるものが好ましく、具体的には重質流動イソパラフィン、リンゴ酸ジイソステアリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、イソステアリン酸、トリイソステアリン及びジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。 一方、(B)成分の粘度20mPa・s以下の油剤は、本発明の液状クレンジング剤組成物において、メイクアップ化粧品、特に落としにくい油性マスカラなどの油性メイクアップ化粧品に対する洗浄力を向上させる役割を果たす。粘度が20mPa・s以下の油剤を配合することにより、油性メイクへの浸透性や溶解性が高くなるため、早いメイク浮きや、高い洗浄力を得ることができる。特に、粘度10mPa・s以下の油剤が好適に用いられる。 (B)の油剤としては、流動イソパラフィン類、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル等のエステル油、メチルシクロポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油、アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテル等のエーテル油及びイソドデカンなどが挙げられる。 特に、粘度10mPa・s以下の油剤としてはデカメチルシクロペンタシロキサンやオクタメチルシクロテトラシロキサン等のメチルシクロポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン等の直鎖ジメチルポリシロキサン、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられる。粘度10mPa・s以下の油剤は(B)の油剤のうちの50質量%以上を占めることが好ましい。 本発明の液状クレンジング剤組成物は、油性成分を主体とする油性クレンジング剤組成物であるが、これを使用する際のマッサージ感と高い洗浄力を両立させるために、油性成分として(A)成分の高粘度油剤と(B)成分の低粘度油剤とを組み合わせて用いることが重要である。(A)成分の油剤の含有量は、液状クレンジング剤組成物中5〜50質量%であることが好ましい。(B)成分の油剤の含有量は、液状クレンジング剤組成物中15〜85質量%であることが好ましい。また、(A)成分の油剤と(B)成分の油剤の合計量は全油性成分のうちの30質量%以上、特に30〜70質量%を占めるのが好ましい。 (A)成分はマッサージ感を出す反面、多量に配合すると系全体の粘度を上げて、メイク浮きの速さに影響する。一方、(B)成分はメイクとなじみやすく、メイクの浮きや洗浄力を高める反面、多量に配合すると系全体の粘度を下げて、マッサージ感を低下させる。従って、マッサージ感と洗浄力のバランスが良好なクレンジング組成物を得るためには、(A)成分と(B)成分の合計量とともに、(A)成分と(B)成分との比率が重要である。即ち、(B)/(A)が質量比で1〜5になるように調整することが好ましい。この比が1以上であると、(A)成分の油剤により組成物の粘度が上がり過ぎてメイク浮きが阻害されたり、マッサージ感が重くなることがない。また、この比を5以下とすることにより、組成物の粘度が下がり過ぎてマッサージの際に肌を上滑りすることがない。さらに、メイク浮きや洗浄力を高める観点から、(B)/(A)が2以上であることが好ましい。 また、(A)成分、(B)成分の組み合わせとして、(A)成分が、粘度3000mPa・s以上、好ましくは3000〜40000mPa・sの油剤を60質量%以上含む油剤であり、(B)成分が、粘度10mPa・s以下の油剤を50質量%以上含む油剤である組み合わせとすることは特に有効であり、十分なマッサージ感と早いメイク浮き、高い洗浄力が得られる。 本発明のクレンジング剤組成物においては、油性成分として、上記(A)成分、(B)成分以外の油剤(即ち、25℃における粘度が20mPa・sを超え、1000mPa・s未満の油剤)を配合することができる。かかる他の油剤としては、例えば流動パラフィン、ポリイソブテン、スクワラン等の炭化水素油;ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のモノエステル油;トリ(2−エチルヘキサン酸)グリセリン、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン等のトリエステル油;オリーブ油、ホホバ油、マカダミアナッツ油等の植物性油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油などを用いることができる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。 本発明の液状クレンジング剤組成物においては、これを使用する際に、油性成分を肌から完全に除去して肌にさっぱり感を与えるために、(C)ノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。 (C)成分のノニオン界面活性剤は、油性メイクが溶解した油剤を乳化又は一部可溶化して洗い流す役割を果たす。(C)成分の含有量は、組成物全量基準で3〜30質量%が好ましい。(C)成分の含有量が3質量%以上であると、油性成分が十分に洗い流されるので肌に残らず、また、30質量%以下であると、すすぎ時にぬるつかず、さっぱりと洗い流せる。油性感を残さずに、さっぱりと洗い流すために、ノニオン界面活性剤は、組成物全量基準で5〜25質量%配合されるのがより好ましい。 (C)成分のノニオン界面活性剤は、IOBが0.2〜2.0のノニオン界面活性剤の中から選ばれるのが好ましく、単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上のノニオン界面活性剤を組み合わせる場合、それらの混合IOBが0.2〜2.0であるのが好ましい。 洗い流し時に油剤を肌に残さないためには、良好なO/W乳化物を与えることが好ましい。そのためには、IOBは0.8〜1.2に調整されることが好ましく、界面活性剤は単独の場合でも、組合せの場合でもIOBが0.8〜1.2となるように選択されるのが好ましい。 IOBとは、有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域 Vol.11,No.10(1957) 719-725)に基づき求められる無機性値及び有機性値の比(Inorganic Organic Balance)を表すもので、次式により求められる。また、混合IOBは以下の式で計算される。 (C)成分のノニオン界面活性剤としては、ジグリセリンジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、モノアルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(以下、POEと略記する)モノ脂肪酸エステル、POEジ脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POE−POP(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテル、脂肪酸POEグリセリル(POE鎖を付加したグリセリンと脂肪酸のエステル)、モノ脂肪酸POEグリセリン(モノ脂肪酸グリセリンにPOE鎖を付加した構造)及びアルキルグルコシド等が挙げられる。 これらのノニオン界面活性剤の選択においては、特に低温での安定性を確保するために、炭素数12〜14の直鎖アルキル基、イソステアリル基、オレイル基を持つものが好適に用いられる。また、油剤を乳化して洗い流す目的のほかに、ノニオン界面活性剤自身が水に溶解してメイクアップ化粧品に対する洗浄力を発揮するようなものを組み合わせることが好ましい。そのようなノニオン界面活性剤として、POE(12)モノラウリン酸エステル、ヤシ油脂肪酸POE(7)グリセリル、モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリルグルコシドなどが挙げられる。 本発明の液状クレンジング剤組成物の粘度(25℃)は、200mPa・s以下、更には20〜100mPa・sとなるように調整されることが好ましい。 本発明の液状クレンジング剤組成物には、さらに、(C)成分のノニオン界面活性剤の分離を抑えるなど、本発明の液状クレンジング剤組成物における安定化を図るために、組成物全量基準で12質量%以下の水分を含有させることができる。水の含有量が12質量%以下であれば相分離が起こりにくく、油性組成物として安定であり、特に組成物全量基準で7質量%以下であるのがより好ましい。 また、本発明の液状クレンジング剤組成物には、例えば(C)成分であるノニオン界面活性剤の溶解性の調整や液状クレンジング剤組成物の使用感向上を目的として、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;エチルカルビトール等のグリコールエーテル類;エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類を、必要に応じて含有させることができる。 さらに、本発明の液状クレンジング剤組成物には、無機塩類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、高分子ポリマー、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、香料、色素、エキス類、薬効剤も含有できる。また、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、塩酸、リン酸などの有機酸、無機酸をpH調整剤として使用することができる。この場合、すすぎ時に、洗浄水とクレンジング剤組成物とが混合して弱酸性となるようにすれば、すすぎ時の肌に対する刺激が低く好ましい。 本発明の液状クレンジング剤組成物は、これを調製する際の各成分を混合する順序は特に限定されるものではなく、常温で固体の原料については加温して溶融または溶解した後に、全成分を均一に混合することにより、容易に製造することができる。 本発明の液状クレンジング剤組成物は、手にとって顔に塗布し、マッサージしてメイク汚れをなじませた後、水で洗い流すという方法で使用されるが、例えば、マスカラは重ね付けなどによりまつ毛にしっかりと密着しており、手でなじませただけでは十分に落としきれないことがある。このような場合には、本発明の液状クレンジング剤組成物は、シート基材に含浸させて使用することができる。クレンジングシートの形態にすることにより、マッサージのムラをなくし、落ちにくいメイクにもしっかりと油性成分を作用させることができる。 本発明の液状クレンジング剤組成物をシート基材に含浸した場合、シートの擦れ感をなくし、良好な拭き取り(マッサージ)感触と高い洗浄力を実現することができる。 本発明の液状クレンジング剤組成物を含浸させるシート基材の種類は特に限定されるものでないが、油性成分を含浸させるという点から、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの疎水性の繊維が混紡された不織布を使用することが好ましい。特にPPの分割繊維を混紡したシートは、肌当たりが柔らかく細かい部分のかきとり性に優れていて好ましい。 これらのシート基材の坪量は30〜100g/m2が好ましい。特にシート基材としての使い勝手としなやかさの両立という点から50〜80g/m2が好ましい。本発明のクレンジング剤組成物は、シート基材100質量部に対し、200〜600質量部、特に300〜500質量部含浸させるのが好ましい。実施例1〜11及び比較例1〜6 配合成分としては下記のものを用いた。なお、第3表において、(C)成分のラウリルグルコシドの配合量は、ラウリルグルコシド純分に換算した値である。(A)成分(1) 重質流動イソパラフィン:パールリーム18(日本油脂(株)製)(2) リンゴ酸ジイソステアリル:コスモール222(日清オイリオ(株)製)(3) N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル):エルデュウPS203(味の素(株)製)(4) イソステアリン酸:イソステアリン酸(日産化学(株)製)(B)成分(1) メチルシクロポリシロキサン:SH245(トーレ・シリコーン(株)製)(2) イソドデカン:マルカゾールR(丸善石油化学(株)製)(3) 2−エチルヘキサン酸セチル:エキセパールHO(花王(株)製)(4) 流動イソパラフィン:パールリームEX(日本油脂(株)製)(5) パルミチン酸イソプロピル:エキセパールIPP(花王(株)製)(6) セチル−1,3−ジメチルブチルエーテル:ASE166K(花王(株)製)(7) イソノナン酸イソノニル:サラコス99(日清オイリオ(株)製)(8) ミリスチン酸イソプロピル:エキセパールIPM(花王(株)製)(A)、(B)成分以外の油剤(1) 流動パラフィン(K−230):ハイコールK−230(金田油化(株)製)(2) 流動パラフィン(K−350):ハイコールK−350(金田油化(株)製)(3) オリーブ油:クロピュアOL(クローダジャパン(株)製)(4) スクワラン:ニッコールスクワラン(日光ケミカルズ(株)製)(5) トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン:ココナードMT(花王(株)製)(C)成分(1) テトラオレイン酸POE(30)ソルビット:レオドール430(花王(株)製)(2) トリオレイン酸POE(20)ソルビタン:レオドールTW−O320V(花王(株)製)(3) ラウリン酸POE(20):エマーノン1112(花王(株)製)(4) ラウリルグルコシド:AG−10LK(花王(株)製、40質量%水溶液)(5) イソステアリン酸ジグリセリル:コスモール41(日清オイリオ(株)製)(6) トリイソステアリン酸POE(20)グリセリル:エマレックスGWIS320(日本エマルジョン(株)製) 第1表〜第3表に示す組成の液状クレンジング剤組成物を常法により製造し、下記の評価方法により評価した。結果を第1表〜第3表に示す。1.洗浄力 洗浄力の評価には、一般的なメイクアップ化粧品のうちで最も強固な汚れとなる油性マスカラを用いた。油性マスカラとしては、(株)コーセー製のスポーツビューティ ファシオ パワーステイマスカラ(カールロング)BK001(商品名)を用いた。 このマスカラ0.0045gをスライドガラス上に直径1.2cmの円状に均一に塗布して、12時間放置して乾燥させた。各例で得られた液状クレンジング剤組成物2滴(約0.3g)を、上記の乾燥させたマスカラの上に滴下し、1秒間に2回の速度で円形に指でマッサージを行い、クレンジング剤組成物に黒い汚れが分散し始めるまでの回数を数え、下記の基準でマスカラの浮きの早さを評価した。さらに、マッサージを継続し、プレートの上のマスカラが完全に溶解するまでのマッサージの回数を数え、下記の基準でメイク落ちの早さを評価した。<油性マスカラに対する洗浄力の評価基準>(1)メイク浮き◎;10回以下○;11〜20回△;21〜30回×;31回以上(2)メイク落ち◎;35回以下○;36〜45回△;46〜55回×;56回以上2.マッサージ感 マッサージ感の評価は、専門パネラー10人に、各例で得られたクレンジング剤組成物で顔をマッサージしてもらい、マッサージ感の有無を評価した。◎;10人中8人以上がマッサージ感があると評価した。○;10人中6人〜7人がマッサージ感があると評価した。△;マッサージ感があると評価したのは10人中5人以下であった。 上記の表における実施例1及び2と比較例1〜3との対比から以下のことがわかる。 比較例1のクレンジング液には(A)成分及び(B)成分が含まれていないが、クレンジング剤組成物全体の粘度は実施例1とほぼ同じである。しかし、比較例1のクレンジング剤組成物は、(A)成分も(B)成分も含まれていないためマッサージ感に劣り、洗浄力も乏しい。 比較例2のクレンジング剤組成物には(A)成分が含まれるが(B)成分が含まれていないので、マッサージ感はある程度得られるが、洗浄力に劣る。 比較例3のクレンジング剤組成物には(B)成分が含まれるが(A)成分が含まれていないので、メイクの浮きや洗浄力についてかなり向上するが、(A)成分が含まれない上、全体的な粘度も低いので、マッサージ感に劣るものとなる。 実施例3〜5のクレンジング剤組成物は、配合成分が同じで(B)/(A)の比を変えたものであり、上記評価結果から、(B)/(A)が2以上である実施例5のクレンジング剤組成物では、(B)成分である低粘度油剤が持つ洗浄力が優位に働いて、メイクの浮きや落ちが向上することがわかる。 実施例6のクレンジング剤組成物は、(B)成分の油剤として、粘度が10mPa・s以下の油剤が(B)成分のうち50質量%以上を占める油剤を用いたものであり、このような(B)成分を用いるとメイクの浮きや落ちが良くなる。 実施例7のクレンジング剤組成物は、(A)成分の油剤として、粘度が3000mPa・s以上の油剤が(A)成分のうち60質量%以上を占める油剤を用いたものであり、良好なマッサージ感が得られる。 実施例8のクレンジング剤組成物は、(A)成分として粘度が3000mPa・s以上の油剤が(A)成分のうち60質量%以上のものと、(B)成分として粘度が10mPa・s以下の油剤が(B)成分のうち50質量%以上のものとを用いたものであり、(A)成分と(B)成分のこのような組み合わせにより、マッサージ感と洗浄力の両立が効果的に行われる。 実施例9のクレンジング剤組成物は、(A)成分と(B)成分の合計量が油性成分全体の50質量%のものであり、この合計量が50質量%程度であると、マッサージ感と洗浄力のバランスが良い。 比較例4のクレンジング剤組成物は、組成物に占める(A)成分と(B)成分の合計の配合率が低いため、洗浄力もマッサージ感も劣る。 比較例5のクレンジング剤組成物は、(B)/(A)が1未満のものであり、(A)成分の割合が大きすぎると、洗浄力が得られず、また、マッサージ感も重すぎてしまう。 比較例6のクレンジング剤組成物は、(B)/(A)が5を超えるものであり、(B)成分の割合が大きいと、メイク浮きとメイク落ちが著しく向上するが、軽すぎるためマッサージ感を得ることができない。 実施例10及び11のクレンジング剤組成物は、(B)/(A)も好ましい範囲にあり、ノニオン界面活性剤として好ましいとされるラウリルグルコシドやPOE(20)モノラウリン酸エステルを配合した耐水性のあるクレンジング剤組成物である。実施例12 実施例7のクレンジング剤組成物を、下記シート100質量部に400質量部含浸してクレンジングシートを調製した。<シート>レーヨン/PP分割繊維 70/30(質量比)坪量 60g/m2大きさ 75mm×200mm 調製したクレンジングシートについて専門パネラーが評価したところ、クレンジングシートがなめらかに滑り、擦れ感が全く気にならないと評価された。このクレンジングシートでメイクを拭き取った後、顔を水で洗い流し、その後、シートタイプのメイク落とし(ビオレ しっかりアイメイク落とし(商品名)、花王(株)製)で再び拭き取ってメイクの残りを評価したところ、このシートには汚れが全く付着せず、上記クレンジングシートによりメイクが完全に除去されたことが確認された。 本発明の液状クレンジング剤組成物は、良好なマッサージ感とメイクアップ化粧品に対する高い洗浄力とが両立したものである。 油性成分として(A)25℃における粘度が1000〜50000mPa・sの油剤と、(B)25℃における粘度が20mPa・s以下の油剤とを含有し、全油性成分中における(A)成分と(B)成分の含有量が合計で30質量%以上であり、その質量比が(B)/(A)=1〜5である液状クレンジング剤組成物。 油性成分として(A)25℃における粘度が1000〜50000mPa・sの油剤と、(B)25℃における粘度が20mPa・s以下の油剤とを配合してなり、全油性成分中における(A)成分と(B)成分の配合量が合計で30質量%以上であり、その質量比が(B)/(A)=1〜5である液状クレンジング剤組成物。 25℃における粘度が3000mPa・s以上の油剤が(A)成分中の60質量%以上である請求項1又は2に記載の液状クレンジング剤組成物。 25℃における粘度が10mPa・s以下の油剤が(B)成分中の50質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の液状クレンジング剤組成物。 (C)ノニオン界面活性剤を3〜30質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の液状クレンジング剤組成物。 請求項1〜5のいずれかに記載の液状クレンジング剤組成物を、シート基材100質量部に対して200〜600質量部含浸してなるクレンジングシート。 【課題】 良好なマッサージ感とメイクアップ化粧品に対する高い洗浄力とが両立した液状クレンジング剤組成物、及びこのクレンジング剤組成物を含浸してなるクレンジングシートを提供すること。【解決手段】 油性成分として(A)25℃における粘度が1000〜50000mPa・sの油剤と、(B)25℃における粘度が20mPa・s以下の油剤とを含有し、全油性成分中における(A)成分と(B)成分の含有量が合計で30質量%以上であり、その質量比が(B)/(A)=1〜5である液状クレンジング剤組成物、及びこの液状クレンジング剤組成物を含浸してなるクレンジングシートである。【選択図】 なし