タイトル: | 公開特許公報(A)_フッ素化エーテルの製造法 |
出願番号: | 2005125736 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C07C 41/06,B01J 23/04,B01J 27/12,C07C 43/12,C07B 61/00 |
日比野 泰雄 玉井 良一 岡本 覚 JP 2006306726 公開特許公報(A) 20061109 2005125736 20050422 フッ素化エーテルの製造法 セントラル硝子株式会社 000002200 花田 吉秋 100123401 日比野 泰雄 玉井 良一 岡本 覚 JP 2004127614 20040423 JP 2005104478 20050331 C07C 41/06 20060101AFI20061013BHJP B01J 23/04 20060101ALI20061013BHJP B01J 27/12 20060101ALI20061013BHJP C07C 43/12 20060101ALI20061013BHJP C07B 61/00 20060101ALN20061013BHJP JPC07C41/06B01J23/04 ZB01J27/12 ZC07C43/12C07B61/00 300 4 OL 9 4G169 4H006 4H039 4G169AA03 4G169BA01A 4G169BA01B 4G169BB05A 4G169BB05B 4G169BB08A 4G169BB08B 4G169BC03A 4G169BC03B 4G169BD15A 4G169BD15B 4G169BE45A 4G169BE45B 4G169CB08 4G169CB71 4G169EB18Y 4G169EC03Y 4G169FB14 4H006AA02 4H006AC43 4H006BA02 4H006BA09 4H006BA29 4H006BA30 4H006BA37 4H006GN21 4H006GP01 4H006GP20 4H039CA61 4H039CF10 本発明は、洗浄剤、溶媒、冷媒、エアロゾル噴射剤、プラスチック発泡剤、伝熱媒体、粒子除去剤等機能性材料として有用な含フッ素エーテルの製造方法に関する。 従来、洗浄剤、溶媒、冷媒、エアロゾル噴射剤、プラスチック発泡剤、伝熱媒体、粒子除去剤等にはクロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)またはパーフルオロカーボン(PFC)等が使用されてきた。 しかしながら、これらのCFC、HCFC、HFCまたはPFCは地球環境に放出されると成層圏オゾン層の破壊、地球温暖化等地球環境に対し悪影響を及ぼすことが知られ、これらに代わる環境負荷の小さい物質の探索が進められている。ヒドロフルオロエーテル(HFE)は成層圏オゾン層の破壊、地球温暖化能がCFC、HCFC、HFCまたはPFCに比べ相対的に小さく、これらの代替品として有望とされる。 本発明に係わる1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(以下、HFE−254pcと略する)は、分子中に水素、フッ素及び酸素を有し、HFEに属する化合物であり、以下の製造方法が知られている。非特許文献1〜非特許文献3には、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと略する)にメタノール及びナトリウムメトキシドを反応させるHFE−254pcの製造方法が、特許文献1〜5にはアルカリ触媒存在下TFEとメタノールとを反応させるHFE−254pcの製造方法が開示されている。HFEに属する化合物である1−エトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンの製法として、エタノール溶媒中、ナトリウムエトキシドとTFEとの反応(特許文献6)あるいは1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンとエタノールとをKOH触媒存在下反応させる方法(特許文献7)が報告されている。 固体触媒に関して、例えばKF/Al2O3は、炭化水素系化合物において分子内Michael型の付加反応を行い、エーテル結合を生成することが知られている(非特許文献4)。また、非特許文献5には、アセトニトリル溶媒中、KF/Al2O3存在下、ジオールとジトシレートとの反応でクラウンエーテルが得られることが報告されている。しかしながら、KF/Al2O3存在下、カルボニル基を含まないフッ素化オレフィンとアルコールとの反応によりフッ素化エーテルを合成する方法は知られていない。J.Amer,Chem.Soc.,70,431(1947)J.Gen.Chem.USSR,37,797(1965)J.Chem.Soc.C,2,395(1967)P.Laszlo“Preparative Chemistry Using Supported Reagents”Academic Press INC(1987)p.287参照J.Yamawakiら,Chem.Lett.533(1980)米国特許 第3663715号 明細書米国特許 第3609196号 明細書米国特許 第3769434号 明細書米国特許 第3862241号 明細書特開平8−92162号公報米国特許 第2409274号 明細書特公昭42−21323号公報 これまでフッ素化オレフィンに、アルコールを付加反応することによりフッ素化エーテルを得る方法は、液相にて水酸化カリウム、金属アルコキシド等の塩基触媒存在下反応が行われてきた。しかしながら、これらの方法では反応速度が小さく、また反応生成物と触媒は均一になるため煩雑な分離操作が必要となるため、工業的に適応する方法としては必ずしも適していなかった。このため、反応速度が大きく、且つ、反応生成物と触媒との分離が容易な触媒を用いる工業的に有用なフッ素化エーテルの製造方法が求められていた。本発明の課題は、工業的規模で入手できるかもしくは工業的規模で入手できる原料から比較的容易に製造可能な物質を原料とする工業的有用なフッ素化エーテルの製造方法を提供することである。 本発明者らは上記課題を解決するため、フッ素化オレフィンに、アルコールを付加反応することによりフッ素化エーテルを得るにあたって、反応生成物と触媒との分離が容易な触媒として、原料および反応生成物とは不均一な触媒である固体触媒に着目し鋭意検討した結果、固体触媒として活性アルミナにアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を担持した触媒、特に活性アルミナにフッ化アルカリあるいは水酸化アルカリを担持した触媒を用いる反応系において好適であることを見いだし、本発明に到達した。 すなわち本発明は、少なくとも1フッ素原子を含む炭素数2以上のフッ素化オレフィンと炭素数1以上のアルコールとを固体触媒存在下、反応させることを特徴とするフッ素化エーテルの製造方法である。 また、本発明は、固体触媒が、活性アルミナにアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を担持した触媒である上記のフッ素化エーテルの製造方法である。 また、本発明は、固体触媒が、活性アルミナにフッ化カリウム、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを担持したフッ化カリウム/活性アルミナ、水酸化カリウム/活性アルミナまたは水酸化ナトリウム/活性アルミナであることを特徴とする上記のフッ素化エーテルの製造方法である。 さらに本発明は、フッ素化オレフィンがテトラフルオロエチレンであり、アルコールがメタノールであり、フッ素化エーテルが1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンである上記の製造方法である。 本発明の不均一系固体触媒による方法を用いると、液相均一系の反応に比べ、反応速度が格段に増加すること、また生成物と触媒との分離が容易となることから、製造に係わるエネルギー並びに環境負荷の軽減できる。 すなわち、本発明によれば、工業的規模で入手できるかもしくは工業的規模で入手できる原料から比較的容易に製造可能な物質を原料としてフッ素化エーテルを製造できる。 本発明の出発原料として用いるフッ素化オレフィンは、分子中に1原子以上のフッ素を有する炭素数2以上のオレフィンであればよいが、炭素数2〜8程度の化合物が好ましい。原料オレフィンの炭素数が多くなりすぎると反応系の粘度が高まり、触媒反応に支障がでるおそれがあるためである。具体的にはテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、フルオロエチレン、クロロフルオロエチレン、ブロモフルオロエチレン、ヨードフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン、3−フルオロ−1−プロペン、1−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン、ヘキサフルオロブタジエン、2−クロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,1,2,2−テトラフルオロエチルアリルエーテル、パーフルオロヘプテン−1、ヘキサフルオロシクロブテン等が挙げられ、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペンが特に好ましい。 また、アルコールとしては、炭素数1以上のアルコールであればよく、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、ペンタフルオロプロパノール、フェノール、アニソール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。 本発明で用いる固体触媒は、活性アルミナにアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を担持した触媒が好ましい。以下、アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物化合物(例:フッ化物、水酸化物、炭酸塩)を単に金属化合物(金属フッ化物、金属水酸化物、金属炭酸塩)と省略することもある。担持する金属化合物の陽イオン部分としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属類またはマグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類等が挙げられ、これらのなかでカリウム、ナトリウムが好ましい。 担持する金属化合物の陰イオン部分としては、フッ素、塩素、沃素、臭素等のハロゲン、水酸基の他に硫酸基、アミド基、アルコキシル基、リン酸基、炭酸基、ニトリル基等が挙げられる。 その中でも活性アルミナに金属フッ化物または金属水酸化物または金属炭酸塩を担持した触媒が好ましい。 触媒の調製方法は、特に限定されず、水、アルコール、ケトン、ニトリル等の溶媒に金属フッ化物、金属水酸化物または金属炭酸塩等の上記アルカリ金属またはアルカリ土類金属を溶解した溶液中に活性アルミナを浸漬させ、その後加温しながらエバポレータ等により減圧下溶媒を除去、乾燥することにより得られる。 触媒調製に用いる金属フッ化物、金属水酸化物または金属炭酸塩は、具体的にはフッ化リチウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等のフッ化物が挙げられ、水酸化物としては水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。また炭酸塩としては炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。さらに、ナトリウム、カリウム等の金属アルカリあるいはカリウムアミド等を添加しても良い。 触媒調製に用いる金属フッ化物、金属水酸化物または金属炭酸塩の担持量は、アルミナ100重量部に対して、1〜200重量部で、好ましくは5〜100重量部である。また二種類以上の金属フッ化物、金属水酸化物またはアルカリ炭酸塩を担持することもでき、触媒活性の調節が可能である。 本発明の活性アルミナ担体は、細孔容積が大きく、比表面積が大きいγ−アルミナが適している。活性アルミナの比表面積としては、100〜400m2/gが好ましい。 本発明の製造方法は「液体状のアルコールにフッ素化オレフィンを連続的に吹き込む方法」、「両者を反応器に仕込みバッチ式で行う方法」等、任意の方法で行うことができる。「液状または気体状のアルコール及びフッ素化オレフィンをともに導入し、生成物を連続的に抜き出す方法」を用いることも可能である。例えば、メタノールとTFEとの反応においては、耐圧反応器に所定量のメタノール及び固体触媒を仕込み、TFEを一定量仕込んだ後反応に供する方法を用いることができる。この場合、反応の進行とともに圧力が低下するので、圧力低下分のTFEを再度仕込むことを行うことにより反応を継続することができる。 さらに、KFを活性アルミナに担持した固体触媒を用い、メタノールおよびTFEを気化し、気相不均一反応を行い、生成物を連続的に取り出すこともできる。この場合、調製した固体触媒を充填した反応管を電気炉で適切な温度に調整し、そこに原料を導入して反応を進行させる。原料のフッ素化オレフィンとアルコールは、予め気化器にて加熱して気体として反応管に導入する。反応生成物は、反応器出口に氷水浴トラップ、ドライアイス−アセトン浴トラップ等の冷却トラップにて捕捉回収できる。 本発明の製造方法において、反応はフッ素化オレフィン1モルにつきアルコールは1モル反応するが、アルコール量を多く仕込んでコスト的に高いフッ素化オレフィンの消費量が多くなるように調整するのが工業的に有利である。フッ素化オレフィン/アルコールのモル比は、(1/1)〜(1/200)が用いられ、好ましくは(1/1)〜(1/100)、さらに好ましくは(1/1)〜(1/20)で、反応の進行と共にフッ素化オレフィンを追加することができる。 本発明の方法において、触媒濃度は反応が進行する限りいかなる濃度もとりうるが、バッチ式の場合、アルコールに対しアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物の濃度として0.1〜100モル%、好ましくは1〜50モル%である。 本発明の方法では溶媒を用いることもできる。溶媒は反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されないが、液相不均一反応の場合、反応基質の溶解を促進するような溶媒、ジメチルスルホキシド、グライム、ジグライム、テトラグライム、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルミアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ペンタン、ジブチルエーテル、トリメトキシメタン等が挙げられる。 反応器および反応管は、耐熱性と原料及び生成物に耐食性を有する材質であれば良く、ガラス、ステンレス鋼,ハステロイ、モネル、白金などが好ましい。また、これらでライニングされた材料で作成することもできる。 本発明の製造法で用いられる反応温度は、20℃〜200℃で、好ましくは50〜100℃である。反応温度20℃よりも低い温度では、反応速度はきわめて小さく実用的でない。また、反応温度が200℃を越えると反応の進行に支障があるほか、ビニルエーテル等の副生物が生成するので好ましくない。反応を気相で行う場合の反応温度は、用いるフッ素化オレフィン及びアルコールによって異なるが、上記の温度範囲内で且つフッ素化オレフィンおよびアルコールが気体になる温度で行う。 反応圧力は、安全性、取扱い、装置及びその他の実際的な配慮の機能として基本的に選択され、約0.01〜2.0Mpaで行うことができ、0.1〜1.0MPaが好ましい。 本発明を気相にて行う場合、反応の接触時間は、通常0.1〜300秒をとりうるが、生産性の面から1〜60秒が好ましい。接触時間が短すぎると反応が十分に進行せず、長すぎると反応器のサイズが過大になることおよび副反応を伴うことがあり好ましくない。 本発明の方法により処理されて反応器より流出するフッ素化エーテルを含む粗生成物は、公知の方法で精製される。バッチ式で行った場合は、簡単なろ過を施すことにより反応生成物と固体触媒が容易に分離できるのでろ過後に精製工程に、気相法で行った場合は冷却トラップで捕捉回収した反応生成物を精製工程に付すことができる。 精製方法は限定されないが、例えばメタノールとHFE−254pcの混合物では共沸組成が形成されるので最初に共沸蒸留後、共沸組成物を水で洗浄してアルコールを除去し,乾燥した後さらに精密蒸留に付して有機不純物を除き精製することができる。 以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、これらの実施例によって本発明が限定されるものではない。[触媒調製例1] 活性アルミナ(住化アルケム製NKH3−24: 粒径2〜4mm、比表面積340m2/g)30gを計り取り、表面に付着した粉を水洗した。フッ化カリウム20gを水20gに溶解し、50%水溶液を調製した。50%水溶液に洗浄した活性アルミナを浸漬し、一晩静置した。ろ過後、エバポレータにて80℃で2時間減圧乾燥した。乾燥した活性アルミナを取り出し、触媒として用いた。[触媒調製例2] フッ化カリウムの代わりに水酸化カリウムを用いる以外は調製例1と同様にして触媒調製を行った。〔実施例1〕 圧力計及びガス導入口を有する100ml SUS316L製耐圧反応器を用い、触媒として調製例1で示したKF/Al2O3を用いて反応を行った。反応器にKF/Al2O3 2.5g、メタノール10gを投入し、ドライアイスーアセトン浴で冷却して反応器内を脱気後、TFEをガス導入口から2.3g導入した。反応温度を80℃に設定したところ、圧力は0.46MPaを示した。反応開始3時間後には圧力が0.19MPaになったので、反応器を氷浴に入れ冷却し、内容物を取り出した。回収有機物は11.7g(回収率95.1%)であった。 回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TFEを基準としたHFE−254pc収率は71.3%であった。〔実施例2〕 触媒として調製例2で示したKOH/Al2O3を用いて実施例1と同様にして反応を行った。反応器にKF/Al2O35.0g、メタノール20gを投入し、ドライアイス−アセトン浴で冷却して反応器内を脱気後、TFEをガス導入口から2.8g導入した。反応温度を80℃に設定したところ、圧力は0.45MPaを示した。反応開始6時間後には圧力が0.20MPaになったので、反応器を氷浴に入れ冷却し、内容物を取り出した。回収有機物は21.0g(回収率92.1%)であった。 回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TFEを基準としたHFE−254pc収率は61.2%であった。〔実施例3〕 触媒として調製例1で示したKF/Al2O3を用いて実施例1と同様にして反応を行った。反応器にKF/Al2O32.5g、メタノール10gを投入し、ドライアイス−アセトン浴で冷却して反応器内を脱気後、TFEをガス導入口から1.4g導入した。反応温度を50℃に設定したところ、圧力は0.21MPaを示した。反応開始4h後には圧力が0.10MPaになったので、反応器を氷浴に入れ冷却し、さらにTFE1.4gを反応器に導入し反応を継続した。反応温度50℃において、圧力0.32MPaとなった。反応再開後3時間後には圧力が0.20MPaになったので、反応器を氷浴に入れ冷却し、内容物を取り出した。回収有機物は11.3g(回収率88.3%)であった。 回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TFEを基準としたHFE−254pc収率は52.5%であった。〔比較例1〕 触媒としてAl2O3を用いて実施例1と同様にして反応を行った。 反応器にAl2O35.0g、メタノール20gを投入し、ドライアイス−アセトン浴で冷却して反応器内を脱気後、TFEをガス導入口から2.8g導入した。反応温度を80℃に設定したところ、圧力は0.45MPaを示した。反応開始3時間後にも圧力が0.45MPaであった。反応器を氷浴に入れ冷却し、内容物を取り出したところ、回収有機物は18.4g(回収率80.7%)であった。 回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TFEを基準としたHFE−254pc収率は0%であった。〔比較例2〕 触媒としてKFを用いて実施例1と同様にして反応を行った。 反応器にKF2.5g、メタノール10gを投入し、ドライアイスーアセトン浴で冷却して反応器内を脱気後、TFEをガス導入口から2.5g導入した。反応温度を80℃に設定したところ、圧力は0.46MPaを示した。反応開始7h後には圧力が0.37MPaであった。反応器を氷浴に入れ冷却し、内容物を取り出したところ、回収有機物は9.5g(回収率76.0%)であった。 回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TFEを基準としたHFE−254pc収率は18.2%であった。〔実施例4〕 触媒調製例1の方法を2回繰り返し、フッ化カリウム担持量47wt%のKF/Al2O3を調製した。100mlの47wt%KF/Al2O3をSUS304製の反応管(21mmφ×300mm)に充填し、反応管を電気炉で80℃に加熱した。TFEとメタノールを80℃に加熱した気化器を通して、接触時間80秒、TFE/メタノール(モル比 1/10)で反応器に常圧下導入した。反応生成物は、反応器出口に氷水浴トラップ、ドライアイス−アセトン浴トラップを設置し、回収した。反応を30時間以上継続し、回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した。25〜30時間後のHFE−254pc収率および回収率は、TFEを基準として、それぞれ88.5%および93.6%であった。〔実施例5〕 活性アルミナNKH3−24の代わりにNKHO−24(住化アルケム学製:粒径2〜4mm、比表面積160m2/g)を用いる以外は触媒調製例2と同様の方法を2回繰り返し、水酸化カリウム担持量32wt%のKOH/Al2O3を調製した。100mlの32wt%KOH/Al2O3をSUS304製の反応管(21mmφ×300mm))に充填し、反応管を電気炉で80℃に加熱した。TFEとメタノールを80℃に加熱した気化器を通して、接触時間40秒、TFE/メタノール(モル比 1/5)で反応器に常圧下導入した。反応生成物は、反応器出口に氷水浴トラップ、ドライアイス−アセトン浴トラップを設置し、回収した。反応を10時間以上継続し、回収した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した。5〜11時間後のHFE−254pc収率および回収率は、TFEを基準として、それぞれ78.3%および94.6%であった。少なくとも1フッ素原子を含む炭素数2以上のフッ素化オレフィンと炭素数1以上のアルコールとを固体触媒存在下、反応させることを特徴とするフッ素化エーテルの製造方法。固体触媒が、活性アルミナにアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物を担持した触媒である請求項1に記載のフッ素化エーテルの製造方法。固体触媒が、活性アルミナにフッ化カリウム、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを担持したフッ化カリウム/活性アルミナ、水酸化カリウム/活性アルミナまたは水酸化ナトリウム/活性アルミナであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフッ素化エーテルの製造方法。フッ素化オレフィンがテトラフルオロエチレンであり、アルコールがメタノールであり、フッ素化エーテルが1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンである請求項1乃至請求項3に記載の製造方法。 【課題】 成層圏オゾン層の破壊、地球温暖化能がCFC、HCFC、HFCまたはPFCに比べ相対的に小さい為これらの代替品として有望とされるヒドロフルオロカーボン(HFE)を、工業的規模で入手できるかもしくは工業的規模で入手できる原料から比較的容易に製造可能な物質を原料とする製造方法を提供する。【解決手段】 活性アルミナにフッ化カリウム、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを担持したフッ化カリウム/活性アルミナ、水酸化カリウム/活性アルミナまたは水酸化ナトリウム/活性アルミナ系固体触媒存在下、少なくとも1フッ素原子を含む炭素数2以上のフッ素化オレフィンと炭素数1以上のアルコールとを反応させることを特徴とする方法。【選択図】 なし