タイトル: | 公開特許公報(A)_高純度尿素水の製造方法 |
出願番号: | 2005123491 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C07C 273/14,B01D 53/94,B01F 1/00,B01D 53/56,C07C 275/00 |
折原 新哉 山本 彰 石田 一成 JP 2006298828 公開特許公報(A) 20061102 2005123491 20050421 高純度尿素水の製造方法 三井化学株式会社 000005887 折原 新哉 山本 彰 石田 一成 C07C 273/14 20060101AFI20061006BHJP B01D 53/94 20060101ALI20061006BHJP B01F 1/00 20060101ALI20061006BHJP B01D 53/56 20060101ALI20061006BHJP C07C 275/00 20060101ALI20061006BHJP JPC07C273/14B01D53/36 101ZB01F1/00 EB01D53/34 129BC07C275/00 1 OL 6 4D002 4D048 4G035 4H006 4D002AA12 4D002BA06 4D002DA57 4D002EA06 4D002GA01 4D002GB08 4D002GB11 4D048AA06 4D048AB02 4D048AC03 4D048CC61 4G035AA19 4H006AA02 4H006AC50 4H006BB31 4H006BC51 本発明は、高純度尿素水に関する。 尿素の製造方法については成書も多く出版され(例えば、化学史研究 VOL20 NO3(1993)、Chemical Economics Handboook−SRI(2001年))、アンモニアと炭酸ガスから高圧法で製造されている。生成した尿素を水に溶解させ尿素水とするにことについても記載されている。例えば特許文献;特開平8−57261号公報等。化学史研究 VOL20 NO3(1993)Chemical Economics Handboook−SRI(2001年)特開平8−57261号公報 近年、尿素水に関しても従前の用途である焼却場の脱硝触媒のアンモニア源としてではなく、さらに高純度が要求される高度な用途に用いられる高純度尿素水の社会的要請が高まっている。特に尿素水の導入配管の詰まりを誘引する物質を含まず、かつ、臭気の原因となるアンモニアの生成が少ない尿素水は内燃機関排気処理用NOx還元触媒においてそのアンモニア源として切望されている(特開2004−290836)。 本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、SCR触媒を用いたスパーク点火やディーゼルエンジンなどの燃焼エンジンにおいて、NOxを浄化する装置に連続的に供給するのに適した尿素水に係るものである。ディーゼルエンジン排気処理用SCR触媒の長期連続運転に不具合を生じさせる可能性をミニマイズするための高純度尿素の製造方法に関わる。 本発明は20重量%〜60重量%、10〜60℃で固体状尿素を電気伝導度が0.3ms/m以下の水に溶解させ、かかる尿素水をろ過する工程及びオイル吸着剤で処理する工程からなることを特徴とする高純度尿素水の製造方法。 本発明により例えば内燃機関排気処理用NOx還元触媒におけるアンモニア源として用いられる高純度の尿素水を製造することができる。 本発明に用いる固体状尿素は周知の方法(例えば、化学史研究 VOL20 NO3(1993)、Chemical Economics Handboook−SRI(2001年))で工業的に生産され市販されているものを特別な制限なく用いることができる。 用いられる形状としては粒条、パウダー状いずれでも特に制限はないが、輸送の便宜や工業スケールでの取り扱いの容易さ等から粒状の尿素を用いることが好ましい。また、水に溶解させる速度を向上させるため適宜好ましい粒子径に調節することが好ましい。尿素水の製造は尿素を水に溶解させることで行われる。一般的には尿素水は尿素濃度20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%である。 溶解後の温度は、好ましくは10ないし60℃、更に好ましくは10ないし50℃である。この濃度範囲の尿素をこの温度範囲で溶解させることで初めて高純度の尿素水が製造され、内燃機関排気処理用NOx還元触媒のアンモニア源として使用可能な尿素水が得られることがわかった。尿素を水に添加すると尿素の溶解熱により温度が低下する。溶解温度が10℃より低い場合には、尿素の溶解速度が小さくなり、極端な場合には尿素水そのものが凍結する危険性がある。溶解時の温度が60℃よりはるかに高い場合には内燃機関排気処理用NOx還元触媒のアンモニア源として用いた場合に臭気の点などで問題となることがわかった。これは、尿素の加水分解が促進されアンモニアの発生量が大きくなるものと推測している。作業環境上の問題から気相部のアンモニア濃度は日本産業衛生学会の許容濃度25ppmを超えない事が望ましい。ここで気相部のアンモニア濃度は一般的な検知管で測定する。 尿素を溶解させる水は、電気伝導度が0.3mS/m以下の純水を用いる。この電気伝導度を有する水を内燃機関排気処理用NOx還元触媒のアンモニア源として用いた場合には、ディーゼルエンジンを連続運転した場合に尿素の供給配管に詰まりが発生しない点において好ましい。ここで、この純水は通常の製造方法、例えばイオン交換樹脂、逆浸透膜等を用いる周知の方法により得ることが出来る。水の電気伝導度が0.3mS/mよりはるかに高くなると無機電解質の増加により尿素の水への溶解度が影響されるため好ましくない。 また、本発明の態様として上記で得られた尿素水をろ過する工程が必須である。これらの固形物は配管等から混入する僅かな異物、或いは上記処理により極微量混入する処理剤等と推定している。内燃機関排気処理用アンモニア還元触媒装置では排気ガス中のNOxを還元する触媒の上流側に尿素水を含む還元剤を供給する還元剤供給装置が含まれている。この還元剤供給装置ではろ過することによりしない場合に比べて、一層、還元剤供給装置に装備されている導入配管の詰まりが軽減される。従って、ろ過した尿素水を用いることにより内燃機関処理用アンモニア還元装置の負荷を軽減することができる。ろ過器としては、ストレーナー等で十分である。ストレーナーとしてはバケット型等を使用でき、異物の大きさによりメッシュ型スクリーン、繊維成型型、不織布プリーツ型等のエレメントを用いる。好ましくはろ過精度0.5〜500μmのエレメント等を用いることができる。 本発明の態様として20重量%〜60重量%、10〜60℃で固体状尿素を電気伝導度が0.3ms/m以下の水に溶解させることで得られた尿素水をオイル吸着剤で処理する工程が必須である。これにより一層、高純度の尿素水を得ることが可能である。オイル吸着剤で処理することにより尿素水の表面に油膜を形成し、長期にわたる貯蔵において貯蔵容器表面での薄膜状の析出を阻止できる。このオイル含量は当該炭化水素系オイルは塩酸酸性下、四塩化炭素に油分を抽出分離した後に赤外吸収を測定することで定量することができる。オイル吸着剤(例えばケイソウ土、活性炭、オイル吸着樹脂)で処理することによりオイル含量は50ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは3ppm以下とするのが好ましい。 ここで気相部のアンモニア濃度は一般的な検知管で測定した。また、尿素水中の異物は尿素水をろ紙でろ過し、ろ紙を水洗後、乾燥させ、顕微鏡により観察することで、その数を確認する事ができる。 32.5%になるように尿素を電気伝導度0.3mS/m未満の水に溶解させた。その時の温度を溶解後で30℃とし、2時間及び5時間同温度で放置した。 温度を50℃とした以外は実施例1と同様に行った。 温度を60℃とした以外は実施例1と同様に行った。 実施例1により調整した尿素水を室温で空間速度 10h−1で活性炭(F−400(東洋カルゴン社製))に通した。 実施例1により調整した尿素水を室温で空間速度 2000h−1で珪藻土を通過させた。 実施例1により調整した尿素水を室温で空間速度 2000h−1でオイル除去フィルター(タフネルオイルブロッター(三井化学製))を通過させた。 実施例3で調整した尿素水を更に、5μmのフィルターを通過させた。[比較例1] 温度を70℃とした以外は実施例1と同様に行った。実施例1〜2及び比較例1〜2での尿素溶解後の気相のアンモニア濃度を測定した結果を示した。尚、アンモニア濃度は室温に冷却後に測定した。 また、実施例1〜2及び4〜7の分析結果を表2に示した。 20重量%〜60重量%、10〜60℃で固体状尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に溶解させ、かかる尿素水をろ過する工程及びオイル吸着剤で処理する工程からなることを特徴とする高純度尿素水の製造法。 【課題】脱硝装置で安定的に使用可能な尿素水の製造法を提供する。【解決手段】脱硝用の尿素水の製造において、尿素水の溶解温度を10ないし60℃とすることを特徴とする脱硝用の尿素水の製造方法であり、必要によりオイル除去工程又は/およびろ過工程を付与することにより脱硝装置で安定的に使用可能な尿素水を製造することが出来る。【選択図】なし