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タイトル:公開特許公報(A)_試薬吸着量の測定方法、吸着量測定装置及び測定器具
出願番号:2005120689
年次:2006
IPC分類:G01N 30/00


特許情報キャッシュ

重本 直也 川竹 景子 藤田 照夫 JP 2006300627 公開特許公報(A) 20061102 2005120689 20050419 試薬吸着量の測定方法、吸着量測定装置及び測定器具 株式会社四国総合研究所 000144991 四電ビジネス株式会社 593134287 西脇 民雄 100082670 重本 直也 川竹 景子 藤田 照夫 G01N 30/00 20060101AFI20061006BHJP JPG01N30/00 J 8 1 OL 18 本発明は、無機粉体に吸着する比色試薬の吸着量を測定する試薬吸着量の測定方法、及びその測定方法に適した吸着量測定装置及びそれらに用いる測定器具に関する。 石炭灰のメチレンブルー(MB)吸着量は、石炭灰の重要な指標のひとつであり、石炭灰をコンクリートに混入する際の空気連行剤添加量の推定に活用されている。このような石炭灰のメチレンブルー吸着量は、例えば、セメント協会法として広く知られている手分析法により測定されている。 このようなセメント協会法では、容器内に精秤した所定量の石炭灰が投入される。ついで、所定量のMB水溶液が添加された後、振とうされ、遠心分離法により固液分離されたのち、MB溶液の吸光度が測定される。得られた吸光度からMB濃度が計算され、元のMB溶液のMB濃度と通液後のMB濃度の差から、MB吸着量を求めることができる。 しかしながら、このようなメチレンブルー(MB)吸着量の手分析法は煩雑であることから、操作の簡素化、迅速化が望まれている。このような手分析法を自動化して操作の簡素化、迅速化を図ることができるメチレンブルー吸着量測定装置が既に提案され(例えば、特許文献1参照。)、また、そのメチレンブルー吸着量測定装置を利用した粉体の試薬吸着量自動測定装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特開平11−94745号公報(図1,段落0023)特許3,522,223号明細書(図2,段落0034) これらの測定装置では、容器に石炭灰を入れ、MB溶液を添加して攪拌機により攪拌することにより石炭灰とMB溶液の接触を図っている。しかしながら、石炭灰とMB溶液との接触を機械的攪拌操作により行う場合には、攪拌速度や攪拌時間がMB吸着量に大きく影響するため、これらの攪拌条件の設定を厳密に行う必要があった。 また、攪拌装置として、マグネットスターラーを使用して攪拌する場合には、攪拌子の回転がスムースに行えない場合もあった。 そこで、本発明の第一の目的は、機械的な攪拌手段を用いずに無機粉体に吸着する試薬吸着量を測定できる試薬吸着量の測定方法を提供することである。 また、本発明の他の目的は、比色測定方法に適した測定装置並びにそれに用いる測定器具を提供することである。 上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意研究を進めた結果、ガラスろ過器型の容器を用い、フィルター上部に石炭灰層を形成させ、該石炭灰層にMB溶液を通液させて石炭灰とMB溶液を接触させることとすれば、機械的な攪拌手段を用いずに無機粉体に吸着する試薬吸着量を測定できることを見出した。 すなわち本発明は、無機粉体に吸着される比色試薬の吸着量を比色分析法によって測定する方法であって、測定対象としての無機粉体は通過させないが比色試薬液は通過させるろ過部材の上に前記無機粉体の層を形成させ、該無機粉体層及び前記ろ過部材を通過する通液後の比色試薬液の吸光度から試薬吸着量を測定する試薬吸着量の測定方法である。 また、本発明は、上記に記載の試薬吸着量の測定方法に用いる測定装置であって、(i)測定対象としての無機粉体及び該無機粉体に吸着される比色試薬を含む比色試薬液を接触するための筒状の吸着塔本体と該吸着塔本体の下部に配設された前記無機粉体は通過させないが前記比色試薬液は通過させるろ過部材とを含む吸着塔と、(ii)該吸着塔へ前記比色試薬液を供給する試薬供給装置と、(iii)前記無機粉体層を通過した通液後の比色試薬液の吸光度を測定する吸光度測定装置と、(iv)測定された吸光度から前記無機粉体への吸着量を演算する演算部と、(v)演算した結果を出力する出力部と、を少なくとも含む吸着量測定装置である。 また、本発明は、前記測定方法又は前記測定装置を用いて無機粉体層を通過する通液後の比色試薬液の吸光度から試薬吸着量を測定する無機粉体の試薬吸着量を測定するための注射器型のピストンと該ピストンを挿入可能な円筒容器本体とから大略構成され、前記円筒容器本体の下部には、前記無機粉体は通過させないが前記比色試薬液は通過させるろ過部材が配設されていること特徴とする測定補助器具である。 本発明によれば、機械的な攪拌手段を用いずに、無機粉体に吸着する試薬吸着量を比色分析法によって測定する方法、及び該試薬吸着量の測定方法に適した吸着量測定装置並びにそれに用いる測定器具を提供することができる。 これにより、攪拌条件の設定、攪拌がうまく行われない場合があるなどの機械的攪拌手段を伴う測定方法又は測定装置の問題点が解消されるとともに装置機構の簡素化、装置形状の小型化が期待される。 以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。 まず、図1は、本発明に係る試薬吸着量の測定方法の原理を説明するための図であり、符号1は、プラスチック、ガラス、陶器、ステンレスなどの適宜の素材から形成された容器状の吸着塔である。この吸着塔1の形状は特には制限はないが、概ね円筒状である。吸着塔1の下方にろ過部材2が配置され、このろ過部材2は、測定対象としての無機粉体は通過させない(捕捉する)が比色試薬液は通過させる。 このような吸着塔1内には、測定対象としての無機粉体と無機粉体に吸着される比色試薬を含む液(比色試薬液)が投入される。一般に測定対象としての無機粉体は、比色試薬液よりも比重が大きいので無機粉体は自重によりろ過部材2上に沈積して無機粉体層3が形成され、その無機粉体層3の上に余剰の比色試薬液4が滞留される。この状態で、比色試薬液4は、自重により無機粉体層3を流下し、この間に比色試薬は無機粉体と接触して無機粉体に吸着される。通過液5は、ろ過部材2を介して無機粉体と分離されて吸着塔1の下方から排出される。 無機粉体に吸着した試薬量は、通過液5中の比色試薬濃度と通過する前の比色試薬濃度との差である。そこで、無機粉体層3を通過する前後の比色試薬濃度を比色分析法により測定すれば、無機粉体への試薬の吸着量を測定できる。常法に従って演算処理することにより無機粉体に吸着した試薬量を定量することができる。 本発明において用いられる無機粉体としては、比色試薬により吸着する成分を含むものであればよく、特には限定されない。また、本発明において用いられる比色試薬としては測定すべき無機粉体に吸着される比色試薬などの色素を含む定量用の試薬であって水又はその他の溶剤に溶解又は分散できればどのようなものでも用いることができる。 無機粉体としての石炭灰及び比色試薬としてのメチレンブルー(MB)などの色素との組み合わせは、いわゆるメチレンブルー吸着量(mg/g)として、無機粉体中に含まれる炭素分を測定する簡易的分析(現場的分析)手法として産業上の有用性が確立している。これらの組み合わせの他に、例えば、無機粉体としてのカオリンの選択は、石炭灰と同様に比色試薬としてメチレンブルーを用いてカオリン中に含まれる炭素分の分析を行うことができる。 本発明において、通液後の比色試薬液の吸光度は、例えば、(a)1パス均一混合法、(b)1パス破過曲線法、(c)循環法、(d)循環平衡法から選択される一つの手法により測定されることが好ましい。以下、これらの測定法について図2を参照しつつ順次説明する。 (a)1パス均一混合法 1パス均一混合法は、通液後の比色試薬液を均一混合した吸光度を測定して吸着量を求める方法である。この方法は、例えば、図2(a)に示すように、比色試薬液4を吸着塔1の上部から供給する。比色試薬液4は無機粉体層3を通過中に無機粉体と接触し、比色試薬が無機粉体に吸着される。無機粉体層3を通過した通過液5を、試験管、三角フラスコなどの適宜の受け容器6に全量を一端貯留して均一に混合する。その後、比色分析法により試薬濃度を測定する。この方法によれば、吸光度は、通過液全体の平均的吸光度として測定される。 無機粉体層3を通過する前後の比色試薬濃度から無機粉体に吸着した全吸着試薬量(mg)を算出し、充填した無機粉体の質量(g)で除することにより試薬吸着量A(mg/g)が計算される(式1)。。 試薬吸着量A(mg/g)=全吸着試薬量(mg)/無機粉体質量(g)…(式1) 無機粉体層3に充填する無機粉体の量に対して大過剰の比色試薬液を吸着塔1の上部から供給すれば、比色試薬液4に対して平衡に達する全試薬吸着量(mg)を正確に測定することできる。 この方法は、セメント協会法による手分析法において使用される石炭灰単位質量当たりのMB溶液の使用量を用いることにより、セメント協会法による手分析法との相関を図ることができる。 (b)1パス破過曲線法 1パス破過曲線法は、通液後の比色試薬液の吸光度を経時的又は連続的に測定して破過曲線を作成し、得られた破過曲線より吸着量を求める方法である。この方法は、例えば、図2(b)に示すように、無機粉体層3に比色試薬液4を吸着塔1の上部から連続的に供給する。比色試薬液4は無機粉体層3を通過中に無機粉体と接触し、比色試薬が無機粉体に吸着される。無機粉体層3を通過した通過液5の試薬濃度はフローセル7などを利用した比色分析法により経時的又は連続的に測定する。通過液5の試薬濃度が供給する比色試薬液濃度に達した時点(破過時点)で比色試薬液4の供給を停止する。破過までに吸着した全吸着試薬量(mg)を数値積分により算出する。充填した無機粉体の質量(g)で除することにより試薬吸着量A(mg/g)が計算される(上記式1)。 (c)循環法 循環法は、通液後の比色試薬液(測定液)を無機粉体層へ再び循環させ、一定時間経過後の(平衡到達後の)吸光度を測定して吸着量を求める方法である。 この方法は、例えば、図2(c)に示すように、循環ポンプ8aを含む循環ライン8を設け、無機粉体層3を通過した通過液5は、循環ライン8を介して再び吸着塔1へ供給する。通過液5は、循環ライン8を介して無機粉体層3と繰り返し接触することにより、無機粉体への試薬吸着量は平衡に達する。 この時点での通過液5の試薬濃度を比色分析法により測定する。無機粉体層3を通過する前後の比色試薬濃度から無機粉体に吸着した全吸着試薬量(mg)を算出し、充填した無機粉体の質量(g)で除することにより試薬吸着量A(mg/g)が計算される(上記式1)。 無機粉体の量に対して大過剰の比色試薬液4を用いれば、比色試薬液4に対して平衡に達する全試薬吸着量(mg)を正確に測定することできる。 セメント協会法による手分析法との相関を図るためには、石炭灰単位質量当たりのMB溶液の使用量を増量するなどして補正するのが好ましい。 (d)循環平衡法 循環平衡法は、通液後の比色試薬液の吸光度を経時的又は連続的に測定しつつ、吸光度測定後の比色試薬液(測定液)を無機粉体層へ再び循環させ、前記経時的又は連続的に測定される吸光度が一定(平衡)となったところで(平衡)吸着量を求める方法である。 この方法は、例えば、図2(d)に示すように、無機粉体層3を通過した通過液5の試薬濃度をフローセル7などを利用した比色分析法により経時的又は連続的に測定する。測定に供した通過液5は、循環ポンプ9aにより循環ライン9を介して吸着塔1に循環して供給する。通過液5の試薬濃度が一定(平衡)となったところで循環を終了させる。このときの試薬濃度から全吸着試薬量(mg)を算出する。充填した無機粉体の質量(g)で除することにより試薬吸着量A(mg/g)が計算される(上記式1)。 無機粉体の量に対して大過剰の比色試薬液4を用いれば、比色試薬液4に対して平衡に達する全試薬吸着量(mg)を正確に測定することできる。 セメント協会法による手分析法において使用される石炭灰単位質量当たりのMB溶液の使用量を用いることによりセメント協会法による手分析法との相関を図ることもできる。 本発明において、比色試薬液の通液は、自然ろ過により行うこともできるが、測定の迅速化を考慮すれば、加圧装置又は減圧装置を用いる強制ろ過が好ましい。加圧装置を用いる場合には、図3に示すように、比色試薬液4の上部空間10を密封し、上部空間10に加圧気体を供給する。これにより比色試薬液4は押圧されて通液速度(ろ過速度)が加速される。 また、減圧装置を用いる場合は、同様に図3に示すように、ろ過部材2よりも下部1aに密封した下部空間11を形成する。この下部空間11を減圧ポンプ(吸引ポンプ)などにより吸引して減圧とする。これにより、比色試薬液4は、吸引されて通液速度(ろ過速度)が同様に加速される。これらの加圧装置、減圧装置は、どちらか一方あれば加速効果は発現するが、図示のように加圧装置及び減圧装置の双方を備えていてもよい。 また、別の加圧手段としては、図4に示すような注射器型の補助器具14が例示される。この補助器具14では、ピストン12とピストン12との液密を保持した状態で挿入可能な円筒容器本体13とから大略構成される。この円筒容器13の下方には、投入された無機粉体と比色試薬液4との混合物から無機粉体をろ過するろ過部材2を備えている。ろ過部材2よりも下部1aは、円筒容器13と一体であってもよいが、この例では取り外し、取付可能に別体として構成されている。これにより、この図4の補助器具14においては、ろ過部材2よりも上方の円筒容器13は、ろ過部材2への無機粉体の目詰まりを考慮して、使い捨て可能とされている。 このような補助器具14を用いれば、ピストン12を取り外した状態で上部開口15より測定対象としての無機粉体及び比色試薬液4を投入する。その後、ピストン12を円筒容器本体13に挿入し、円筒容器本体13内部の比色試薬液4を押圧する。これにより比色試薬液4を無機粉体層3及びろ過部材2を強制的に通過させ、測定時間を短縮できる。使用後は、ピストン12及び下部1aを切り離せば、ろ過部材2及び円筒容器本体13は内部の測定済みの無機粉体とともに使い捨てることができる。 また、図5に示すように、液移送ポンプ17を用いて比色試薬液4を下方からろ過部材2を通過させて吸着塔1内に供給してもよい。ここで、この図5では、吸着塔1の下部1aに固定された配管は分岐され、一方の配管はバルブ18を介してポンプ17に接続され、そのポンプ17は試薬液貯留タンクに接続されている。また、他方の配管はバルブ19を介して通過液5を受ける受け容器6に接続されている。 このように構成すれば、バルブ18を開放しバルブ19を閉鎖した状態で液移送ポンプ17を作動させると、比色試薬液はろ過部材2を通過して下部1aから供給される。吸着塔1内に粉体試料が投入されていると、粉体試料は下部1aから供給された比色試薬液により拡散されて、比色試薬液4と粉体試料との接触が促進される。 バルブ18を閉鎖すると無機粉体は比重が重いので沈積し、図5に示すように、ろ過部材2の上方に無機粉体層3を形成する。その後、、バルブ19を開放すると、自重により比色試薬液4は無機粉体層3を通過して受け容器6に受け入れられる。 また、図6に示すように、エアーポンプ21を用いて無機粉体層3及び比色試薬液4をバブリングにより攪拌することもできる。ここで、この図6では、吸着塔1の下部1aに固定された配管は分岐され、一方の配管はバルブ19を介して通過液5を受ける受け容器6に接続され、他方の配管はバルブ20を介してエアーポンプ21に接続されている。 このように構成すれば、バルブ19を閉鎖した状態でバルブ20を開放しエアーポンプ21を作動させると、空気は下部1aからろ過部材2を通過して下方から供給される。吸着塔1内に粉体試料及び比色試薬液4が投入されていると、ろ過部材2を通過して供給された空気は、ろ過部材2を通過して細かな気泡となって吸着塔1内に供給される。これにより、無機粉体層3は全面的に押し上げられて(無機粉体層3はバブリングにより攪拌されて)、無機粉体が溶液全体に均一に拡散される。バルブ20を閉鎖すると無機粉体は比重が重いので沈積し、図6に示すように、ろ過部材2の上方に無機粉体層3を形成する。 無機粉体が溶液全体に拡散した状態で吸引ラインLを介して吸引すると吸着塔1内に投入された無機粉体を溶液と共に排出させることができる。 このような装置は、攪拌により無機粉体と比色試薬液との接触を高めたり、偏っている無機粉体層3の平準化に利用できる。また、無機粉体が拡散した状態で比色試薬液とともに排出すれば、測定済みの試料を吸着塔1から排出したり、吸着塔1内を洗浄する手段として用いることもできる。 以下、実施例により本発明の具体的な構成及びそれにより奏される作用効果をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 図7に示すように、底部にろ紙(ろ過部材2)を配設した内径15mmφ、高さ80mmの円筒状カラムを吸着塔1として用意した。この円筒状カラム1に取り外し可能に接続された下部1aから内径3mmφのチューブを介してチューブしごきポンプ(東京理化機械社製のマイクロチューブポンプ)16を接続した。 カラム1内に測定試料としての石炭灰の1.00gを投入したのち、MB溶液(25mg/L)の25mLを添加し、無機粉体層3を形成させた。直ちに、チューブしごきポンプ16を作動させて、流量1.0mL/minの流量で溶液を吸引した。吸引溶液は、2mL毎に試験管に採取し、この溶液の吸光度を測定することにより、MB吸着の破過曲線を作成し、結果を図8に示した。 この図8において、MB濃度=25mg/Lの水平線と破過曲線で囲まれた面積から求めたMB吸着量は0.35mg/gであり、別途にセメント協会法に準じた手分析法で求めたMB吸着量0.36mg/gとよく一致した。 実施例1と同様の装置を用いて、取り外し可能な三つの円筒状カラム1を用意し、それぞれの円筒状カラム1に石炭灰0.50gを投入したのち、MB溶液(25mg/L)の液量を10,15,20mLとそれぞれ変化させて添加して無機粉体層3を形成させた。その後、円筒状カラム1の下部1aから、チューブしごきポンプ16を用いて、1.0mL/minの流量で溶液を吸引した(1パス法と言う)。吸引した全溶液を混合して均一溶液としたのち、この溶液の吸光度を波長620nmで測定し、通液後のMB溶液濃度を求め、元のMB濃度との差から次式によりMB吸着量を求めた。 MB吸着量(mg/g)=[通液前MB濃度(mg/L)−通液後MB濃度(mg/L)]×溶液量(L)/石炭灰量(g) 石炭灰単位質量(g)当たりに添加したMB溶液量(mL/g)に対するMB吸着量の変化を図9に符号○(白丸)で示した。石炭灰単位質量当たりのMB溶液量が増加するに従い、MB吸着量は増加した。 同一試料に対して別途に求めたセメント協会法による手分析法による石炭灰のMB吸着量は0.36mg/gであるが、その際の石炭灰単位質量当たりのMB溶液の使用量は25mL/gである。 図9において、石炭灰単位質量当たりのMB溶液量25mL/gのところで、本実施例に従う通液方式によるMB吸着量と手分析値がよく一致した。 図10に示すように、内径15mmφ、高さ80mmの円筒状容器(吸着塔1)の底部に、ろ紙(ろ過部材2)を設置したものに石炭灰0.50gを入れたのち、MB溶液(25mg/L)の液量を10,15mLと変化させて添加して無機粉体層3を形成させた。その後、円筒状容器1下部から、チューブしごきポンプ(東京理化機械社製のマイクロチューブポンプ)(循環ポンプ8)を用いて、1.0mL/minの流量で溶液を吸引し、吸引した溶液を円筒容器上部に戻すことにより、循環ライン8を介してMB溶液を循環させた。 10分間経過後に、溶液を抜き出し、吸光度を波長620nmで測定し、通液後のMB溶液濃度を求め、元のMB濃度との差からMB吸着量を求めた。 石炭灰単位質量当たりのMB溶液量(mL/g)に対するMB吸着量の変化を図9の符号●(黒丸)で示したが、上記の1パス法の結果と同様に石炭灰単位質量当たりのMB溶液量が増加するに従い、MB吸着量は増加したが、1パス法に比べ、MB吸着量はわずかに低下した。これは、溶液循環に伴い被吸着用MB溶液の濃度が低下し、MB吸着量が低下したためと推定される。本循環法でのMB吸着量測定値は、石炭灰単位質量当たりのMB溶液量30mL/g付近でセメント協会法の手分析値0.36mg/gに一致した。 実施例1と同様の装置を用いて、異なるMB値(mg/g)を有する5種類の石炭灰を用意した。各石炭灰1.00gを入れたのち、MB溶液(25mg/L)25mLを添加し、円筒状容器下部から、チューブしごきポンプ(東京理化機械株式会社 マイクロチューブポンプ)16を用いて、1.0mL/minの流量で溶液を吸引した(1パス法)。吸引した全溶液を混合して均一溶液としたのち、この溶液の吸光度を波長620nmで測定し、通液後のMB溶液濃度を求め、元のMB濃度との差からMB吸着量を求めた。 図11には、各種石炭灰の手分析によるMB吸着量と本1パス法でのMB吸着量の相関関係を示したが、両者は良好な1:1の相関性を示した。このことから、本1パス方式は手分析方法に比べ、遜色のないMB吸着量を与えるものと推定される。 この実施例は図4に示す補助器具14を用いた測定方法の一例を説明する実施例であり、この方法での操作手順はつぎのとおりである。(1)石炭灰の投入 所定量の石炭灰を手動操作により秤量し、それを円筒容器本体13内に投入する。(2)MB溶液の添加 所定量のMB溶液をメスピペット等を用いて手動操作により分取し、上記の石炭灰の入った円筒容器本体13に添加して、石炭灰を層状に沈積させる。(3)MB液の押し出し ピストン12を装着してピストン12を押すことにより、MB溶液をフィルター(ろ過部材2)上に形成された石炭灰層を通過させ、MBの一部を石炭灰に吸着させるとともに通液後のMB溶液を容器6に押し出す。石炭灰はフィルター上に保持され、容器6には移行しない。(4)MB溶液の吸光度の測定およびMB吸着量の計算 容器6内に得られたMB容器の吸光度を、別途校正済の吸光光度計にて測定する。測定した吸光度をMB濃度に換算し、通液前のMB溶液のMB濃度との差から、MB吸着量を求める。用いた石炭灰の質量により除すことにより、単位質量当たりのMB吸着量を求める。 このような補助器具14によれば、ピストン12及びフィルター付きの円筒用基本体13を使い捨て型にすることにより、簡易な補助器具14を用いることによって、機械的攪拌操作を経ることなく、MB吸着量を測定することができる。 図12は、符号1A〜1Dで示す本発明に係る複数の吸着塔1を備えることにより、複数の試料を順次自動的に分析する自動分析装置の概要を説明する説明図である。この図において符号Tは容器を示し、符号T1は純水(W)を貯留する水容器、符号T2は、標準メチレンブルー(MB)溶液を貯留するMB容器である。また、符号V(VA〜V6)は電磁弁などの遠隔操作により開閉可能な誘導弁、符号LPは液移送ポンプ、APはダイヤフラムポンプなどのエアーポンプ、符号7aはフローセル7を通過する溶液の吸光度を連続的に測定する吸光光度計である。添え字により区別された配管ラインL(L1〜L7)により、各部材がそれぞれ接続されている。 各吸着塔1(1A〜1D)には、それぞれ測定対象としての予め秤量された無機粉体3が投入されている。各吸着塔1(1A〜1D)の下部1aは、それぞれコネクタCに交換可能に接続されている。そのコネクタCは、それぞれバルブVA〜VDを介してラインL1により統合されてラインL2に接続されている。ラインL2は、バルブV3を介して受け容器6に接続され、これにより、各吸着塔1(1A〜1D)に供給されたMB溶液が、測定時には、図示のとおり、フィルタ2,ラインL1,ラインL2を通過して受け容器6内に通過液5が貯留される。この通過液5はラインL6,バルブV4を介してフローセル7に接続されている。また、このフローセル7はライン7を介して液移送ポンプLP3に接続されている。 一方、水容器T1は、ラインL5,バルブV6を介してフローセル7に接続されている。MB容器T2はラインL4、バルブV5を介してラインL6に統合されて一方はバルブV4に接続され、他方はフローセル7に接続されている。また、MB容器T2は、ラインL3,液移送ポンプLP1,バルブV1を介してラインL2に統合されている。 また、受け容器6は密閉され、受け容器6内を減圧又は真空とするためにバルブV3を介してダイヤフラムポンプAP2に接続されている。 各ポンプPの駆動及び停止、電磁弁Vの開閉動作及び吸光光度計7aへの測定指示及び測定結果の入力及びそれらの演算・記憶などは、例えば、図14に示すように、入力装置と出力装置とを備えた適宜のパソコン(制御部)などにより制御されている。 この方法での操作手順は以下のとおり。(準備作業) 所定量を秤量した石炭灰を各吸着塔1A〜1Dに投入し、コネクタCに接続して図12の装置構成とする。石炭灰の量が予め設定されていない場合には、秤量した実測値をパソコンなどに入力する。但し、この状態では、受け容器6内は空である。(自動測定)(ステップ1)スタート 自動測定装置のスイッチを入れると、全てのバルブの閉及びポンプの動作停止が確認されて、ゼロ点校正がスタートする。(ステップ2)吸光光度計のゼロ校正 電磁弁V6を開、液移送ポンプLP3を稼働し、水容器T1中の水WをラインL5を介してフローセル7に移送し、その際の吸光度を測定して吸光光度計7aのゼロ点を校正する。校正終了後に電磁弁V6を閉、液移送ポンプLP3を停止する。(ステップ3) 吸光光度計のスパン校正 電磁弁V5を開、液移送ポンプLP3を稼働し、MB容器T2中のMB溶液をフローセル7にラインL4を介して移送し、その際の吸光度を測定して吸光光度計7aのスパン点を校正する。校正終了後に電磁弁V5を閉、液移送ポンプLP3を停止する。(ステップ4) MB溶液の添加 電磁弁V1およびVAを開、液移送ポンプLP1を稼働し、吸着塔1Aへ向けて所定量のMB液を送給する。MB液は、ラインL3,L1を介して下部1aに送給され、フィルター2を通過して吸着塔1A内に噴出される。無機粉体3は、準備操作で投入された図示の片寄りのある状態から全体に懸濁する。各バルブV1,VAを閉鎖し、液移送ポンプLP1を停止すると、全体に懸濁した無機粉体は自重により沈積し図1のような無機粉体層3を形成し、無機粉体層3の上部に比色試薬液4が滞留する。(ステップ5) 吸着及び通過液(ろ液)の採取 電磁弁VA、V2およびV3を開、空気用ダイアフラムポンプAP2を稼働し、受け容器(液混合器)6を減圧にすることにより、吸着塔1A内のMB溶液を吸引する。この工程でMB溶液は石炭灰と接触され、MBの一部を吸着する。石炭灰はフィルター2により、ろ別され、受け容器(液混合器)6には通液後のMB溶液(ろ液:通過液5)が図示のとおり貯留される。(ステップ6) 通過液の吸光度の測定とMB吸着量の計算 電磁弁V4を開、液移送ポンプLP3を稼働し、受け容器(液混合器)6内に貯留されたMB溶液をフローセル7に移送して吸光度を測定する。この吸光度から、MB濃度を自動計算し、通液前のMB溶液のMB濃度との差から、MB吸着量を求め、投入した石炭灰量で除することにより、単位質量当たりのMB吸着量が自動演算され、不図示の記録部に記憶される。余剰の通過液は液移送ポンプLP3により移送され、受け容器6内は空とされる。(ステップ7) 測定の繰り返し 吸着塔1Aの測定が完了すると、吸着塔1Aの測定が終了した旨記録され、例えば、バルブVA〜VDの制御回路及び記録部に1が加算され、バルブVAの操作に換えてバルブVBが操作され、吸着塔1Bの試料測定に移行されるように変更される。 ついで、ステップ1に戻って全てのバルブの閉及びポンプの動作停止が確認され、ステップ1〜ステップ7の操作が繰り返される。 同様な操作が繰り返され、吸着塔1Dの測定操作が終了すると、装置は自動停止する。このとき、測定結果は、投入された石炭灰の量とともに出力される。[変形例] 吸着塔1の数は、4本に限定されずに1乃至任意の複数本を用いて行える。また、ステップ2のゼロ点校正、ステップ3のスパン校正は、適宜省略してもよい。 MB溶液と石炭灰の接触を石炭灰層にMB溶液通液するという方法により達成し、自動操作により石炭灰のMB吸着量を測定する装置の構成の一例を図13に示した。別の自動装置により自動秤量された石炭灰を試料として、繰り返し石炭灰のMB吸着量を自動測定することができる。この場合も、自動操作では、電磁弁の開閉やポンプ等の稼働・停止をコンピューターにより制御して行う。 図13は、一つの吸着塔1を用いて複数の試料を順次自動的に分析する自動分析装置の概要を説明する説明図である。この図において符号Tは容器を示し、符号T1は純水(W)を貯留する水容器、符号T2は、標準メチレンブルー(MB)溶液を貯留するMB容器、符号T3は、測定に供した吸着塔1を洗浄した廃液を貯留する廃液容器、符号T4は粉体試料の所定量を秤量することができる自動サンプリング装置などを搭載して吸着塔1へ所定量の石炭灰を投入するための石炭灰投入容器であり、この石炭灰投入容器T4はゲート弁T4aを備えている。 また、符号Vは電磁弁などの遠隔操作により開閉可能な誘導弁、符号LPは液移送ポンプ、APはダイヤフラムポンプなどのエアーポンプ、符号7aはフローセル7を通過する溶液の吸光度を連続的に測定する吸光光度計である。添え字により区別された配管ラインLにより、各部材がそれぞれ接続されている。 吸着塔1には、石炭灰投入容器T4から測定対象としての無機粉体3の所定量が投入できるように構成されている。吸着塔1の下部1aはラインL1、ラインL2を介して受け容器6に接続されている。これにより、測定時には、図示のとおり、フィルタ2,ラインL1,ラインL2を通過して受け容器6内に通過液5が貯留される。この通過液5はラインL6,バルブV4を介してフローセル7に接続されている。また、このフローセル7はライン7を介して液移送ポンプLP3に接続されている。 一方、水容器T1は、貯留された水Wを移送するためにラインL5,バルブV6を介してフローセル7に接続されるとともに、ラインL14、バルブV8を介して液移送ポンプLP4により吸着塔1内を洗浄するための水Wを吸着塔1内に供給できるように接続されている。MB容器T2はラインL4、バルブV5を介してラインL6に統合されている。そのラインL6の一方はバルブV4に接続され、他方はフローセル7に接続されている。また、MB容器T2は、ラインL13,バルブ9を介してラインL14に接続され、液移送ポンプLP4によりMB容器T2内に貯留されているMB溶液を吸着塔1内に供給できるように接続されている。 また、廃液容器T3は密閉され、L8,バルブV10、L9を介してダイヤフラムポンプAP5に接続され、また、廃液容器T3内から立ち上がってラインL11が設けられ、このラインL11の先端は吸着塔1内に配設されている。また、受け容器6は密閉され、L10,バルブV11、L9を介してダイヤフラムポンプAP5に接続されている。 さらに、ラインL1は途中でラインL12に分岐され、このラインL12はバルブV7、エアーポンプAP6を介して外部の空気を吸入可能に構成されている。 各ポンプPの駆動及び停止、電磁弁Vの開閉動作及び吸光光度計7aへの測定指示及び測定結果の入力及びそれらの演算・記憶などは、例えば、図14に示すように、入力装置と出力装置とを備えた適宜のパソコン(制御部)などにより制御されている。 この方法での操作手順は以下のとおり。(準備作業) 測定すべき石炭灰を石炭灰投入容器T4にセットし、秤量すべきサンプル数などをパソコンなどに入力する。但し、この状態では、受け容器6内は空である。(ステップ1)スタート 自動測定装置のスイッチを入れると、全てのバルブの閉及びポンプの動作停止が確認されてゼロ点校正がスタートする。(ステップ2)サンプルの秤量 自動サンプリング装置等により、所定量を秤量した石炭灰の入った石炭灰投入容器T4中の石炭灰試料をゲート弁T4aを開くことにより、下方の吸着塔1に投入する。(ステップ3)吸光光度計のゼロ校正 電磁弁V6を開、液移送ポンプLP3を稼働し、水容器T1中の水WをラインL5を介してフローセル7に移送し、その際の吸光度を測定して吸光光度計7aのゼロ点を校正する。校正終了後に電磁弁V6を閉、液移送ポンプLP3を停止する。(ステップ4) 吸光光度計のスパン校正 電磁弁V5を開、液移送ポンプLP3を稼働し、MB容器T2中のMB溶液をフローセル7にラインL4を介して移送し、その際の吸光度を測定して吸光光度計7aのスパン点を校正する。校正終了後に電磁弁V5を閉、液移送ポンプLP3を停止する。(ステップ5) MB溶液の添加 電磁弁V9を開、液移送ポンプLP4を稼働し、MB溶液容器2中のMB溶液の所定量を吸着塔1の上部から添加する。バルブV9を閉鎖し、液移送ポンプLP4を停止すると、全体に懸濁した無機粉体は自重により沈積し図1のような無機粉体層3を形成し、無機粉体層3の上部に比色試薬液4が滞留する。(ステップ6)通液とろ液(通過液)の採取 電磁弁V11を開、空気用ダイアフラムポンプAP5を稼働し、受け容器(液混合器)6を減圧にすることにより、吸着塔1内のMB溶液を吸引する。この工程でMB溶液は石炭灰と接触され、MBの一部を吸着する。石炭灰はフィルター2により、ろ別され、受け容器(液混合器)6には通液後のMB溶液のろ液(通過液5)が図示のとおり貯留される。(ステップ7) 通過液の吸光度の測定とMB吸着量の計算 電磁弁V4を開、液移送ポンプLP3を稼働し、受け容器(液混合器)6に貯留されたMB溶液をフローセル7に移送し、吸光度を測定する。この吸光度から、MB濃度を計算し、通液前のMB溶液のMB濃度との差から、MB吸着量を求める。投入した石炭灰量で除することにより、単位質量当たりのMB吸着量を求める。余剰の通過液は液移送ポンプLP3により移送され、受け容器6内は空とされる。(ステップ8) 測定済石炭灰の廃棄 電磁弁V8を開、液移送ポンプLP4を稼働し、水容器T1中の水を吸着塔1に移送する。電磁弁V7を開、空気用ダイヤフラムポンプAP6を稼働し、吸着塔1下部のフィルター2下方より、空気を通気することにより、フィルター2上に堆積した石炭灰を浮遊させ、吸着塔1中の水に分散、懸濁させる(S81)。 次に、電磁弁V10を開、空気用ダイアフラムポンプAP5を稼働し、廃液容器T3内を減圧にすることにより、吸着塔1内の石炭灰懸濁液をラインL11を介して吸引し、廃液容器T3に移行させる(S82)。 上記のS81,S82の吸着塔1への水添加、空気通気、石炭灰懸濁液移送を何回か繰り返し、吸着塔1内の石炭灰を排除する。(ステップ9) 測定の繰り返し 測定が完了すると、第1回の測定が終了した旨記録され、次の試料の測定に入る。ステップ1に戻って全てのバルブの閉及びポンプの動作停止が確認され、ステップ1〜ステップ8の操作が繰り返される。 同様な操作が繰り返され、全ての測定操作が終了すると、装置は自動停止する。このとき、測定結果は、投入された石炭灰の量とともに出力される。 石炭灰のMB吸着量は石炭灰有効利用に係る重要な指標のひとつであり、その測定の迅速化、省力化が期待される。 本発明の方法を活用すれば、自動的に石炭灰を採取する容器に直接、MB溶液を通液することにより、石炭灰とMB溶液の接触が達成され、別の容器に石炭灰を移し、MB溶液を添加、攪拌するという操作ならびにその実施に必要な装置が不要となり、装置の簡素化、小型化が期待される。本発明に係る試薬吸着量の測定方法の原理を説明するための説明図である。図2(a)〜(d)は、本発明に係る試薬吸着量を測定する測定法の一例を説明する説明図である。本発明の実施例に係る強制ろ過の原理を説明する説明図である。本発明の実施例に係る補助器具を説明する図である。本発明の実施例に係る比色試薬液の供給装置を説明する図である。本発明の実施例に係る吸着塔内を攪拌する攪拌装置を説明する図である。本発明の実施例に係る測定方法を説明する図である。図7の測定方法により求められたMB吸着時の破過曲線を示す図である。本発明の実施例に係る測定方法により得られたMB通液量とMB吸着量との関係を示す図である。本発明の実施例に係る測定方法を説明する図である。本発明の実施例に係る測定方法により得られた結果と、セメント協会法に基づく手分析法により得られた結果との相関関係を確認するための図である。本発明の実施例に係る自動測定装置を説明する配管図である。本発明の実施例に係る自動測定装置を説明する配管図である。本発明の実施例に係る自動測定装置の概要を説明する構成図である。符号の説明 1:吸着塔1a:下部 2:ろ過部材(フィルタ) 3:無機粉体層 4:比色試薬液 5:通過液 6:受け容器(試験管:液混合器) 7:フローセル7a:吸光光度計 8:循環ライン8a:循環ポンプ 9:循環ライン8a:循環ポンプ10:上部空間11:下部空間12:ピストン13:円筒容器本体14:補助器具15:上部開口16:チューブしごきポンプ17:液移送ポンプ18〜20:バルブ21:エアーポンプ C:コネクタ L:配管ライン(ライン) T:容器 V:バルブ(電磁弁) W:水AP:エアーポンプ(空気用ダイヤフラムポンプ)LP:液移送ポンプMB:メチレンブルー溶液 無機粉体に吸着される比色試薬の吸着量を比色分析法によって測定する方法であって、 測定対象としての無機粉体は通過させないが比色試薬液は通過させるろ過部材の上に前記無機粉体の層を形成させ、該無機粉体層及び前記ろ過部材を通過する通液後の比色試薬液の吸光度から試薬吸着量を測定する試薬吸着量の測定方法。 前記通液後の比色試薬液の吸光度は、通過液全体の平均的な吸光度として測定する方法、破過曲線より求める方法、通液後の比色試薬液4を無機粉体層3へ循環させ一定時間経過後の吸光度を測定する方法、または通液後の比色試薬液4の吸光度を経時的又は連続的に測定しつつ、吸光度測定後の比色試薬液4を無機粉体層3へ再び循環させ、吸光度が一定となる平衡吸着量を求める方法から選択される一つの方法を含むことを特徴とする請求項1記載の試薬吸着量の測定方法。 前記無機粉体は、石炭灰又はカオリンであり、前記比色試薬はメチレンブルー水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の試薬吸着量の測定方法。 請求項1記載の試薬吸着量の測定方法に用いる測定装置であって、(i)測定対象としての無機粉体及び該無機粉体に吸着される比色試薬を含む比色試薬液を接触するための筒状の吸着塔本体と該吸着塔本体の下部に配設された前記無機粉体は通過させないが前記比色試薬液は通過させるろ過部材とを含む吸着塔と、(ii)該吸着塔へ前記比色試薬液を供給する試薬供給装置と、(iii)前記無機粉体層を通過した通液後の比色試薬液の吸光度を測定する吸光度測定装置と、(iv)測定された吸光度から前記無機粉体への吸着量を演算する演算部と、(v)演算した結果を出力する出力部と、を少なくとも含む吸着量測定装置。 前記ろ過部材は前記吸着塔本体の下部全面に配設され、 前記試薬供給装置は、前記ろ過部材を通過させて前記吸着塔本体に供給されることを特徴とする請求項4記載の吸着量測定装置。 前記ろ過部材は前記吸着塔本体の下部全面に配設され、 前記吸着塔は、前記ろ過部材を通過させて空気を前記吸着塔本体内に供給する空気供給手段を備えていることを特徴とする請求項4記載の吸着量測定装置。 前記吸着量測定装置は、さらに前記吸着塔本体に供給された前記比色試薬液を強制的に前記無機粉体層を通液させるための加圧装置又は吸引装置を含むことを特徴とする請求項4記載の吸着量測定装置。 請求項1に記載の測定方法又は請求項4に記載の測定装置を用いて無機粉体層を通過する通液後の比色試薬液の吸光度から試薬吸着量を測定する無機粉体の試薬吸着量を測定するための注射器型のピストンと該ピストンを挿入可能な円筒容器本体とから大略構成され、 前記円筒容器本体の下部には、前記無機粉体は通過させないが前記比色試薬液は通過させるろ過部材が配設されていること特徴とする測定補助器具。 【課題】機械的な攪拌手段を用いずに無機粉体に吸着する試薬吸着量を測定できる試薬吸着量の測定方法を提供すること。【解決手段】無機粉体に吸着される比色試薬の吸着量を測定する方法である。測定対象としての無機粉体を無機粉体は通過させないが比色試薬液は通過させるろ過部材の上に層状に形成させ、無機粉体層3を通過する通液後の比色試薬液5の吸光度から試薬吸着量を測定する試薬吸着量の測定方法である。通液後の比色試薬液5の吸光度は、例えば、通過液全体の平均的な吸光度として測定する方法、破過曲線より求める方法、通液後の比色試薬液4を無機粉体層3へ循環させ一定時間経過後の吸光度を測定する方法、通液後の比色試薬液4の吸光度を経時的又は連続的に測定しつつ、吸光度測定後の比色試薬液4を無機粉体層3へ再び循環させ、吸光度が一定となる平衡吸着量を求める方法が採用できる。【選択図】 図1


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