タイトル: | 公開特許公報(A)_口腔内崩壊錠およびその製造方法 |
出願番号: | 2005102861 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 47/10,A61K 9/20,A61K 47/30 |
伊藤 昌代 中村 直子 山田 信夫 JP 2006282551 公開特許公報(A) 20061019 2005102861 20050331 口腔内崩壊錠およびその製造方法 大洋薬品工業株式会社 000208145 小野 信夫 100086324 伊藤 昌代 中村 直子 山田 信夫 A61K 47/10 20060101AFI20060922BHJP A61K 9/20 20060101ALI20060922BHJP A61K 47/30 20060101ALI20060922BHJP JPA61K47/10A61K9/20A61K47/30 10 OL 13 4C076 4C076AA37 4C076BB01 4C076DD27 4C076DD38B 4C076DD41C 4C076EE16A 4C076EE38A 4C076FF05 4C076FF06 4C076GG14 本発明は、口腔内崩壊錠に関し、さらに詳細には、生産、輸送時に損耗がなく、生産効率向上が可能である、口腔内崩壊錠およびその製造方法に関する。 現在、医薬品の剤形として、簡便性や服用容易性の面から、錠剤、カプセル剤、顆粒、粉末等の経口剤が最も汎用されている。しかし、このような経口製剤の多くは、高齢者、小児や嚥下困難な患者にとって服用しづらいという問題があった。 このため、容易に服用を容易とするために、服用に当たって、水に懸濁し、シロップとすることのできるドライシロップ剤等も提供されているが、粉末または顆粒状の形態の場合には、一回服用量毎に包装してあっても、包装内への内容物の残留や、開封時にその一部をこぼしてしまう等の恐れがあり、適正量を服用するには問題があった。 そこで、最近、服用性の問題を解決する目的で、水なしでも服用でき、口腔内で速やかに崩壊する錠剤ないしトローチ剤や、水に溶解して服用する場合にも速やかに水性溶媒に溶ける錠剤ないしトローチ剤の開発が進められている。 例えば、上記のような錠剤ないしトローチ剤の製造方法として、粒子表面が湿潤する程度の水分を含む混合物を打錠する口腔内崩壊錠の製造方法(特許文献1)や、非晶質糖類を主体とし、低圧で圧縮成型した後、加湿下に錠剤を置き湿潤させ、更に乾燥する口腔内崩壊錠の製造方法(特許文献2及び3)が知られている。しかし、これらの技術は、いずれも、水性溶媒中での速やかな崩壊性や、携帯に必要な硬度が一応保たれた製剤が得られるものの、製造工程中における水分の取扱や、高湿度下での放置を必要とするなど、使用する生理活性成分との関係で、安定性に問題を来す可能性があり、また、製造工程管理の点から、必ずしも満足できるものではなかった。その上、従来技術での製剤調製にあたっては、圧縮成型の際の圧力を一定に調製する必要があり、製造条件の設定が複雑となるという問題があった。 これに対し、本発明者らは、先に、糖にメタケイ酸アルミン酸マグネシウムをコーティングした顆粒を用いることにより、製造工程中における水分の取扱や、高湿度下での放置、特殊な製造工程等を必要とせず、通常の製造方法により口腔内崩壊錠が得られることを見出し、特許出願した(特許文献4)。 しかしながら、口腔内崩壊錠を製造するにあたっては、さらに生産性を向上することが求められていた。すなわち、錠剤の一般的な製造方法として、工程を簡略化するため、原材料となる添加剤を混合し、直接打錠する方法(直打法)や、添加する生理活性物質の含有量の均一性を担保するために、一旦顆粒を形成し打錠する方法が用いられるが、直打法の場合には、原材料となる粉体の取扱に困難を伴うことがあり、又、顆粒を形成してから打錠する方法の場合は、一定以下の粒子径の粒が増えることに起因する粉末飛散等によって生産性低下を招くという欠点があった。さらに、口腔内崩壊錠を製造する場合には、杵付着、キャッピング、ラミネーション、ダイフリクション等の打錠障害を抑えるために、通常よりも圧縮成型に時間をかける必要があった。そのため、単位時間あたりの錠剤生産数が通常の錠剤に比べ少ないために生産性に欠けるという問題があった。更に、錠剤の硬度を十分に管理できなかった場合には、生産、輸送時の破損を招き、歩留まりが低下するという問題があった。特開平5−271054号公報特開平11−12162号公報特開平11−349475号公報特開2002−308760号公報 したがって、口腔内崩壊錠の製造において、口腔内での速やかな崩壊性と生産、輸送等に必要な硬度を兼ね備えると同時に、生産性を向上させる技術の提供が求められており、このような技術を提供することが本発明の課題である。 本発明者らは、かかる従来技術の課題を解決すべく検討した結果、担体として全部又は一部がデルタ型結晶であるマンニトールを使用することにより、圧縮成型時間を短縮しても、口腔内での速やかな崩壊性と生産、輸送に耐えうる硬度を有する口腔内崩壊錠が得られ、また、造粒時の微紛の量が減少することにより粉末飛散を抑制でき、さらに、圧縮成型性が向上することにより生産、輸送時における製剤の損傷を減少できることを見出し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、マンニトールを含む口腔内崩壊錠であって、該マンニトールの全部又は一部がデルタ型結晶のマンニトールである口腔内崩壊錠を提供するものである。 また本発明は、マンニトールおよび常温で水に溶解又は膨潤する結合剤を用いて造粒物を調製し、この造粒物を打錠する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該マンニトールの全部又は一部がデルタ型結晶のマンニトールであることを特徴とする口腔内崩壊錠の製造方法を提供するものである。 本発明によれば、杵付着、キャッピング、ダイフリクション等の打錠障害を起こさずに安定して打錠することができ、圧縮成型時間を短縮しても速やかな崩壊性を有する口腔内崩壊錠を得ることができる。また、造粒時の微粉を減少させることにより、粉末飛散を抑制することができる。更に、圧縮成型性が向上することにより、生産、輸送時における製剤の破損を減少させることができる。 このように、本発明により、口腔内崩壊錠の製造において、速やかな崩壊性と適度な硬度を有する錠剤を得るとともに、生産時間の短縮、収率の向上、歩留まりの向上により、生産性を向上させることができる。 本発明に使用するマンニトールは、全部のマンニトールがデルタ型であるか、マンニトールの一部がデルタ型のもので、それ以外は他の結晶型であれば良い。マンニトールは、白色の糖アルコールの一種である。このものは、甘味があり口腔内で清涼感を与えることができ、さらに水に容易に溶解することから今までも様々な製剤、特に口腔内速崩錠、トローチなどで利用されているものである。しかし、従来、マンニトールはその性質上、圧縮成型時の結合性が悪く、杵臼間のきしみも生じやすいとされていた。これを改善するためには多量の結合剤が必要であり、多量の結合剤を使用して打錠性を高めると、反面期待される崩壊性を得ることができないという問題もあった。これらから、使用には何らかの技術が必要であるとされていた。 ところで、マンニトールにはそのX線回折の結果によりアルファー、ベータ、デルタ型の結晶多形が存在することが知られていたが、このうちのデルタ型マンニトールが杵臼間のきしみ等を減らすことについては、全く知られていなかった。 本発明においては、マンニトールのうちの一部若しくは全部をデルタ型マンニトールとすればよいが、この場合の一部とは、圧縮成型製剤が口腔内で速やかに崩壊し、圧縮成型時の打錠障害が解消される程度の量であればよい。この場合の口腔内で速やかに崩壊するとは口腔内での崩壊時間が、好ましくは3分以内、更に好ましくは1分以内であり、より好ましくは30秒以内であることを意味する。 また、通常、打錠を行う粉体が金属付着面との間での摩擦を生じると、錠剤の側面にキズを生じる。この現象(ダイフリクション)が長く続くとキャッピングやラミネーション等の打錠障害を引き起こす。金属付着面の摩擦の評価は様々存在するが、最も簡便で生産時にも可能な方法としては錠剤の側面を観察し、キズが無いことを確認することであり、本発明でもこの方法を採用し、上記の打錠障害が解消される程度の量を判断することができる。 本発明に用いることのできるデルタ型マンニトールの量は、上記のように特段限定されるものではないが、具体的には全体のマンニトールの3質量%(以下、単に「%」で示す)以上、好ましくは5%以上であり、より好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上である。 一方、本発明に使用する常温で水に溶解若しくは膨潤する結合剤(以下、単に「結合剤」ということがある)とは、常温下での水に溶解ないし膨潤し、従来から結合剤として使用されているものであれは特段限定されることなく使用される。この場合の、水に溶解するとは、具体的には常温で精製水1Lあたり1g以上溶解するもの、更に好ましくは10g以上の溶解するものであれば良い。 本発明に使用する結合剤の好ましいものとしては、高分子化合物を挙げることができる。このような高分子化合物としては、セルロースの一部を親水性の置換基に置換させることにより水に溶解できるようにした化合物、デンプン類を加水分解、アルファー化させることにより水に溶解できるようにした化合物またはセルロース、デンプンなどを微生物等により化学変化した物質などが挙げられる。また、合成で得られる化合物も本発明を実施するには有効である。具体的にはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロースナトリウム、α化デンプン、デキストリン、プルラン、ポリビニルアルコール、可溶性ポリビニルピロリドン等が挙げられる。 特に本発明の効果を発揮するために好ましい結合剤としては、常温ですべて若しくは一部が溶解できるデンプン由来の化合物(以下「デンプン類」とする)が挙げられる。このような化合物は、何らかの方法で通常は水に溶解されないデンプンが全部若しくは一部溶解される状態になっているものであり、具体的には、デンプンのアルファー化物や加水分解物が挙げられる。 なお、アルファー化とは水に浸透させたデンプンを加熱することにより結晶構造を維持するための水素結合が切断され、水が結晶構造に入り込む状態を指す。具体的にはデンプンを水に懸濁させ、その懸濁液を加熱することによりアルファー化することができる。また、アルファー化されたデンプンには、少なくともその一部がアルファー化されたデンプン、すなわち、実質的にアルファー化されたデンプンをも含む。 従って、現在はアルファー化された化合物としてアルファー化デンプンが市販されているので、これを利用することもできる。また、実質的にアルファー化されたデンプンとして、部分α化デンプンが市販されているので、これを利用しても良い。 更に、デンプンが加水分解された添加剤も「デンプン類」であり、本発明に十分に利用可能である。このようなデンプン加水分解物の具体例としては、デキストリンが挙げられる。更にまた、黒酵母の一種であるオーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)を培養して得られた、マルトトリオースが規則正しくα-1,6結合した天然多糖類であるプルランについても本特許の効果を十分に発揮する。 本発明の口腔内崩壊錠の製造に当たってのマンニトールと結合剤の割合は、特段限定するものではないが、好ましくはマンニトールに対して結合剤が0.05〜20%、更に好ましくは0.1〜5%であり、より好ましくは0.5〜3%である。 これらの成分は、そのまま混ぜて造粒することも可能であるが、より良い結果を得るためには、まず、結合剤を精製水等の溶媒に溶解若しくは懸濁させ、この懸濁液を用いてデルタ型マンニトールを含有したマンニトールを造粒することが好ましい。 この場合に用いることのできる造粒装置としては、微粉が無い状態で粒状物ができる造粒機であれば特段限定されることはない。しかし、生産性等を考慮すると、好ましくは流動層造粒機、攪拌造粒機、押出造粒機、転動造粒機、ワースター造粒機若しくはこれらを組み合わせた造粒機が挙げられ、最良な造粒機としては流動層造粒機が挙げられる。 また、本発明の効果を更に発揮するために、無機塩を添加することもできる。本発明に使用することのできる無機塩は特段、限定はされないが、圧縮成形性を担保し、更にはダイフリクション等の打錠時の金属付着面との摩擦を軽減するようなものであればよい。 このような条件を満たす無機塩としては、例えば、ケイ酸類、炭酸カルシウムなどが挙げられる。このうち、好ましくはケイ酸類であり、更に好ましくはケイ酸塩である。具体的にはケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、軽質無水ケイ酸が挙げられる。これらのケイ酸塩のうち、更に好ましいケイ酸塩はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムである。 無機塩の添加量は特段限定するものではないが、好ましくはマンニトールに対して0.01〜300%、更に好ましくは0.05〜200%であり、より好ましくは0.1〜100%である。 更に、無機塩の添加方法についても特段限定するものではなく、例えば、マンニトールと共に造粒時に添加する方法、造粒液に添加する方法、造粒後の顆粒に添加する方法などがある。また、マンニトールと常温で水に溶解若しくは膨潤する結合剤との造粒物に無機塩をコーティングする方法を採用しても良い。これらのうち、好ましい方法としては造粒液に添加する方法、造粒後の顆粒にコーティングする方法、造粒後の顆粒に添加する方法であり、最良の方法としてはマンニトールと常温で水に溶解若しくは膨潤する結合剤の造粒物にコーティングする方法若しくは造粒後に添加する方法である。 一方、本発明の口腔内崩壊錠に配合することのできる生理活性成分としては、特に限定されることはなく、例えば、睡眠鎮静剤、抗不安剤、抗てんかん剤、解熱鎮痛剤、抗パーキンソン剤、精神神経用剤、自律神経剤、鎮けい剤、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、高脂血症用剤、鎮咳剤、去たん剤、気管支拡張剤、止瀉剤、消化性潰瘍用剤、健胃消化剤、制酸剤、下剤、ホルモン剤、ビタミン剤、滋養強壮剤、酵素製剤、糖尿病用剤、抗ヒスタミン剤、アレルギー剤、抗生物質製剤、合成抗菌剤酔い止め剤等の有効成分である生理活性成分が利用できる。 このうち、睡眠鎮静剤、抗不安剤の生理活性成分としては、例えばアルプラゾラム、エスタゾラム、クアゼパム、トリアゾラム、ブロチゾラム、アモバルビタール、タンドスピロン等が、抗てんかん剤の生理活性成分としては、フェニトイン、カルバマゼピン、クロナゼパム、フェニトイン等が、解熱鎮痛剤の生理活性成分としては、例えば、アセトアミノフェン、フェナセチン、メフェナム、アスピリン、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、サリチル酸ナトリウム、インドメタシン、ジクロフェナク、チアラミド、アクタリット、アンピロキシカム、イブプロフェン、エトドラク、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ピロキシカム、プラノプロフェン、ロキソプロフェン等が、抗パーキンソン剤の生理活性成分としては、例えば、アマンタジン、ピペリデン、セレギリン、トリヘキシフェニジル、カベルゴリン、ペルゴリド等が、精神神経用剤の生理活性成分としては、例えばクロルプロマジン、ペルフェナジン、トリプロペラジン、イミプラミン、エチゾラム、オランザピン、クアゼパム、スルピリド、ハロペリドール、リスペリドン等が、自律神経剤の生理活性成分としては、例えば、カルプロニウム、ジスチグミン、トラゾリン等が、鎮けい剤の生理活性成分としては、臭化ブチルスコポラミン、パパベリン、エペリゾン、チザニジン、バクロフェン等がそれぞれ挙げられる。 また、強心剤としては、例えばジキトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、アミノフィリン、カフェイン、エチレフリン、ユビデカレノン等が、不整脈用剤としては、例えばプロカインアミド、アテノロール、オクスプレノロール、カルテオロール、プロプラノール、ナドロール、ピンドロール、ビソプロロール、アジマリン、ピルジカイニド、プロパフェノン、メチシレチン、ジソピラミド等が、利尿剤としては、例えばヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン、アセタゾラミド、イソソルビド、トラセミド、フロセミド等が、血圧降下剤としては、例えばヒドララジン、レセルピン、アラセプリル、イミダプリル、キナプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、リシノプリル、メチルドバ、エホニジピン、セリプロロール、ニカルジピン、プラゾシン、ベタキソロール、マニジピン、カルベジロール、メトプロロール、シルニジピン、フェロジピン、ドキサゾシン等が、血管収縮剤としては、例えば、ミドドリン、ジヒドロエルゴタミン等が、血管拡張剤としては、一硝酸イソソルビド、エタフェノン、ジルチアゼム、ベニジピン、ジピリダモール、硝酸イソソルビド、ニコランジル、ニソルジピン、ニトログリセリン、ニフェジピン等が、高脂血症用剤としては、例えば、クロフェブラート、フェノフィブラート、ベザフィブラート、アドルバスタチン、エラスターゼ、ニコモール、プラバスタチン、フルバスタチン、プロブコール、シンバスタチン等がそれぞれ挙げられる。 更に、鎮咳剤としては、例えば、エフェドリン、メチルエフェドリン、ノスカルビン、ベンプロペリン等が、去たん剤としては、カルボシステイン、ブロムヘキシン、アンブロキソール、桜皮、コデイン、ジヒドロコデイン、チペピジン等が、気管支拡張剤としては、例えばテオフィリン、フェノテロール、サルブタモール、クレンブテロール、ツロブテロール、トリメトキノール、プロカテロール、ホルモテロール等が、止瀉剤・整腸剤としては、例えばベルベリン、アルブミン、ビフィズス菌、ラクトミン、ジメチコン、ロペラミド等が、消化性潰瘍剤としては、例えばグルタミン、アズレン、ラニチジン、シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、ロキサチジン、アルジオキサ、ピレンゼピン、オメプラゾール、ゲファルナート、スクラルファート、スルピリド、ソファルコン、テプレノン、トロキシピド、イソグラジン、ラベプラゾール、ランソプラゾール等が、健胃消化剤としては、例えばアミラーゼ、ジアスターゼ、パンクレアチン、ホミカチンキ、カルニチン、ガラクトシダーゼ等が、制酸剤としては、例えば、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム等が、下剤としては、例えばセンナエキス、センノシド、硫酸マグネシウム、ピコスルファート等がそれぞれ挙げられる。 更にまた、ホルモン剤としては、例えばレボチロキシン、リオチロニン、チアマゾール、プロピルリオウラシル、コルチゾン、パラメタゾン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、プレドニゾロン、テストステロン、ホスフェストロール、エストリオール、クロルマジノン、アリルエストレノール、クロミフェン、タナゾール、タムスロシン、フラボキサート、ミドドリン、ガンマーオリザノール等が、ビタミン剤としては、例えば、ビタミンA、カルシトリオール、チアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、パンテチン、パントテン酸、ピリドキシン、葉酸、コバマミド、メコバラミン、アスコルビン酸、トコフェロール、フィトナジオン、メナテトレノン、ビオチン等が、酵素製剤としては、例えば、リゾチーム、セラペプターゼ等が、糖尿病用剤としては、例えば、グリクラジド、グリベンクラミド、グリメピリド、トルブタミド、メトホルミン、アカルボース、ボグリボース等が、抗ヒスタミン剤としては、例えば、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、メキタジン、クロルフェニラミン、クレマスチン等が、アレルギー用剤としては、イブジラスト、アゼラスチン、エピナスチン、セチリジン、スプラタスト、トラニラスト、ケトチフェン、プランルカスト、ペミロラスト、ロラタジン等がそれぞれ挙げられる。 また更に、抗生物質としては、クリンダマイシン、リンコマイシン、バンコマイシン、カナマイシン、アモキシシリン、アンピシリン、セファクロル、セファレキシン、セフィキシム、セフポドキシム、セフジニル、セフテラム、セフポドキシム、ホスホマイシン、ファロペネム、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、ミノサイクリン、サラゾスルファピリジン、シプロフロキサシン、ガチフロキサシン、ノルフロキサシン、アシクロビル、イトラコナゾール、テルビナフィン、フルコナゾール、ミコナゾール等が挙げられる。 本発明の口腔内崩壊錠には、上記成分以外にも本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、従来公知の任意成分、例えば、種々の滑沢剤、可溶化剤、緩衝剤、吸着剤、結合剤、懸濁化剤、抗酸化剤、充填剤、pH調整剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、崩壊補助剤、防湿剤、防腐剤、溶剤、溶解補助剤、流動化剤等を使用することができる。 このうち賦形剤としては、例えば乳糖、精製白糖、結晶セルロース、コーンスターチ、バレイショデンプン、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール、トレハロース、無機塩、デキストラン、デキストリン、ブドウ糖、粉糖等が挙げられる。崩壊剤としては例えば、コーンスターチ、バレイショデンプン等のデンプン類、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、寒天、ハチミツ等が挙げられる。 また滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、タルク、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。また、コーティング剤としてはヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、アミノアクリルメタクリレートコポリマーE、アミノアクリルメタクリレートコポリマーRS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS等が挙げられる。更に、矯味成分としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。発泡剤としては、例えば、重曹などが挙げられる。人口甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。マスキング剤としては、例えば、エチルセルロース等の水不溶性高分子、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジエチルアミノエチル・コポリマー等の胃溶性高分子などが挙げられる。 本発明の口腔崩壊錠の製造は、一般の圧縮成型の方法であれば特に限定されない。例えば、その全部又は一部がデルタ型結晶のマンニトールであるマンニトール、結合剤および生理活性物質と、必要に応じて配合される無機塩類や他の任意成分を混合した粉体もしくはこれから調製される顆粒剤を、通常の打錠機、例えば、ロータリー式打錠機、単発打錠機等で圧縮成型することにより、口腔内崩壊錠を調製することが可能である。また、圧縮成型を行う際の圧力についても口腔内での崩壊時間、テクスチャーが適切で、製造時、運搬時での割れ欠け等がなければ特に限定されることはないく、好ましくは100〜2000kgf、更に好ましくは300〜1500kgfで圧縮成型される。 本発明の効果の一つとして、口腔内崩壊剤の製造時に、造粒物の微粉が発生せず、生産性が向上することが挙げられる。この指標としては様々な方法があるが、200Mesh(75μm)より細かい粉体の割合について、20%以下であれば問題なく生産できる。また、以上説明した本発明の口腔内崩壊錠の生産、輸送時の割れ欠けを確認するための指標の一つとして摩損度試験を使用することができる。この試験は第十四改正日本薬局方に記載されているものであり、通常、100錠の圧縮成形製剤を用い、摩損度試験を4分間実施した結果、摩損度が1%以下であれば生産、輸送時に割れ欠けが生じないとされている。また、別の指標としては硬度を用いることもできる。あまりに硬度が低いと少しの衝撃で錠剤の破損に繋がるため指標としては非常に重要である。本発明の口腔内崩壊錠での硬度は、4kg以上であれば破損無く生産、輸送できるため好ましく、更に好ましくは5kgである。 以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。 実 施 例 1α化デンプン(マツノリンCM:松谷化学製)75gを2500gの精製水に溶解し、造粒液を調製した。デルタ型マンニトール(パーテック デルタM:メルク製/デルタ型マンニトールが90%、残りがベータ型マンニトール)1700g、ベータ型マンニトール(D−マンニット:東和化成(株)製)5160gを流動層造粒機に仕込み、先に調製した造粒液を用い、流動層造粒(FLOWCOATER:フロイント産業(株)製)を実施した。この造粒物5548g用い、これにクロスポピドン(コリドンCL:BASF)300g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2:富士化学工業(株)製)60g、アスパルテーム(PAL SWEET DIET:味の素(株)製)60gおよびステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム:太平化学(株)製)32gを添加し、V型混合機(V形混合機:筒井理化学器機製)を用い、混合して顆粒を得た。この顆粒を1錠150mgになるようにロータリー式打錠機(VIRGO 0506SS2AY-000B00:菊水製作所)を用いて打錠し、口腔内崩壊錠を得た。 実 施 例 2 α化デンプンの代わりに糊化したトウモロコシデンプン(コーンスターチ:日本食品化工(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様にして口腔内崩壊錠を製造した。 比 較 例 1 実施例1のパーテック デルタMをベータ型マンニトールに変更した以外は実施例1と同様にして口腔内崩壊錠を製造した。 比 較 例 2 実施例1のα化デンプンをトウモロコシデンプンに変更した以外は実施例1と同様にして口腔内崩壊錠を製造した。 以上、実施例1、2および比較例1、2の配合を、下記表1にまとめて示す。 試 験 例 1 実施例1、2及び比較例1、2の微粉の状態について確認した。確認方法として、200M(75μm)以下の粒子の割合を測定した。その結果を表2に示す。 上記のようにデルタ型マンニトールと、アルファー化されたデンプンを使用し、造粒することによって微粉の割合を減らすことができた。このことにより、造粒物の飛散等が減り生産効率が上がることが期待できる。 試 験 例 2 実施例1及び比較例1で得た顆粒を、外部滑沢を用いずに打錠圧1000kgf、ターンテーブル回転数20rpmで打錠した。この時の各々の物性は表3の通りである。なお、表3に記載した試験は下記のように実施した。 硬 度 : 硬度計(錠剤破壊強度測定器:富山産業)を用いて測定した。 摩損度試験 : 第十四改正日本薬局方に従って実施した。なお、摩損度試験器(錠剤摩損度試験 機:ミナトメディカル(株))の使用時間は4分間、試験に用いた錠剤数は10 0錠とした。 口腔内での崩壊時間 : 口腔内に錠剤を投入し、錠剤が無くなる時間を測定した。 打錠障害の有無 : 杵付着、ダイフリクション等を目視により確認した。 表3に示すように、デルタ型マンニトールを含んでいないと打錠障害が起きることが示された。この結果によりデルタ型マンニトールは安定に生産するためには非常に有効な添加剤であることが判明した。 試 験 例 3 実施例1及び比較例1で得た顆粒を、外部滑沢(外部滑沢噴霧システム:菊水製作所製)を使用して打錠圧1000kgf、ターンテーブル回転数50rpmで打錠した。この場合の各々の物性は表4の通りである。なお、試験方法は試験例1と同様である。 表4に示すように、打錠機の回転数を上げ、外部滑沢装置を用いて打錠を行う場合、デルタ型マンニトールを含んでいないとダイフリクションを起こすことが判明した。 試 験 例 4 実施例1及び比較例2で得た顆粒を、外部滑沢を使用して打錠圧1000kgf、ターンテーブル回転数50rpmで打錠した。この場合の各々の物性は表5の通りである。なお、試験方法は試験例1と同様である。 表5に示すように、デンプンがアルファー化されていない場合は摩損度が悪く、生産、輸送時の錠剤の破損等が懸念される錠剤であった。結果として、アルファー化されたデンプンを使用することは、口腔内崩壊錠剤の製造に重要であることが判明した。 実 施 例 3 α化デンプン75gおよびメタケイ酸アルミン酸マグネシウム225gを、2500gの精製水に溶解し、造粒液を調製した。デルタ型マンニトール(パーテック デルタM)1650gおよびベータ型マンニトール5060gを流動層造粒機に仕込み、先に調製した造粒液を用い流動層造粒を実施した。 この造粒物5608gを用い、これにクロスポピドン300g、アスパルテーム60gおよびステアリン酸マグネシウム32gを添加し、V型混合機を用い、混合して顆粒を得た。この顆粒を1錠150mgになるようにロータリー式打錠機を用いて打錠し、口腔内崩壊錠を得た。 実 施 例 4 α化デンプン75gを、2500gの精製水に溶解し、造粒液を調製した。デルタ型マンニトール(パーテック デルタM)1650gおよびベータ型マンニトール5060gを流動層造粒機に仕込み、先に調製した造粒液を用い、流動層造粒を実施した。更にこの造粒物に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム225gを精製水1000gに懸濁させた懸濁液を用い、コーティングを行った。 この造粒物5608gを用い、これにクロスポピドン300g、アスパルテーム60gおよびステアリン酸マグネシウム32gを添加し、V型混合機を用い、混合して顆粒を得た。この顆粒を1錠150mgになるようにロータリー式打錠機を用いて打錠し、口腔内崩壊錠を得た。 試 験 例 5 実施例3及び4の顆粒を、外部滑沢を使用し、打錠圧1000kgf、ターンテーブル回転数50rpmで打錠した。この場合の各々の物性は表6の通りである。なお、試験方法は試験例1と同様である。 本発明の口腔内崩壊錠は、口腔内での速やかな崩壊性と生産、輸送等に必要な硬度を兼ね備えるものであり、種々の生理活性物質を経口投与する場合に有利に使用することができるものである。 また、本発明の口腔内崩壊錠の製造方法によれば、杵付着、キャッピング、ダイフリクション等の打錠障害を起こさずに安定して打錠することができ、圧縮成型時間を短縮しても速やかな崩壊性を有する口腔内崩壊錠を得ることができる。また、造粒時の微粉を減少させることにより、粉末飛散を抑制することができる。更に、圧縮成型性が向上することにより、生産、輸送時における製剤の破損を減少させることができる。 従って、本発明方法は、口腔内崩壊錠の製造方法として極めて有利なものである。 以 上 マンニトールを含む口腔内崩壊錠であって、該マンニトールの全部又は一部がデルタ型結晶のマンニトールであることを特徴とする口腔内崩壊錠。 更に、常温で水に溶解又は膨潤する結合剤を含む請求項1記載の口腔内崩壊錠。 常温で水に溶解又は膨潤する結合剤が、高分子化合物である請求項2記載の口腔内崩壊錠。 更に、生理活性成分を含む請求項1〜3のいずれかの項記載の口腔内崩壊錠。 マンニトールおよび結合剤を含む圧縮成型製剤用の造粒物であって、該マンニトールの全部又は一部がデルタ型結晶のマンニトールであることを特徴とする造粒物。 結合剤が、常温で水に溶解又は膨潤する結合剤である請求項5の造粒物。 常温で水に溶解又は膨潤する結合剤が、高分子化合物である請求項6の造粒物。 圧縮成型製剤が口腔内崩壊錠である請求項6又は7記載の造粒物。 生理活性物質を含む請求項5〜8のいずれかの項記載の造粒物。 マンニトールおよび常温で水に溶解又は膨潤する結合剤を用いて造粒物を調製し、この造粒物を打錠する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該マンニトールの全部又は一部がデルタ型結晶のマンニトールであることを特徴とする口腔内崩壊錠の製造方法。 【課題】 口腔内での速やかな崩壊性と生産、輸送等に必要な硬度を兼ね備える口腔内崩壊錠を提供し、同時に、口腔内崩壊錠の生産性を向上させる技術を提供すること。【解決手段】 マンニトールを含む口腔内崩壊錠であって、該マンニトールの全部又は一部がデルタ型結晶のマンニトールであることを特徴とする口腔内崩壊錠並びにマンニトールおよび常温で水に溶解又は膨潤する結合剤を用いて造粒物を調製し、この造粒物を打錠する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該マンニトールの全部又は一部がデルタ型結晶のマンニトールであることを特徴とする口腔内崩壊錠の製造方法。【選択図】 なし