生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_下痢の予防および/または治療薬
出願番号:2005100475
年次:2006
IPC分類:A61K 31/16,A61K 31/164,A61P 1/00


特許情報キャッシュ

只野 武 塙 雅明 JP 2006282507 公開特許公報(A) 20061019 2005100475 20050331 下痢の予防および/または治療薬 第一三共ヘルスケア株式会社 306014736 矢口 敏昭 100115750 只野 武 塙 雅明 A61K 31/16 20060101AFI20060922BHJP A61K 31/164 20060101ALI20060922BHJP A61P 1/00 20060101ALI20060922BHJP JPA61K31/16A61K31/164A61P1/00 10 OL 8 1.Macintosh 4C206 4C206AA01 4C206AA02 4C206JA60 4C206JA63 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA66 本発明は下痢、とりわけ過敏性腸症候群に伴う下痢および下痢に関連する腹痛、腹部不快感、腹鳴などの諸症状の予防および/または治療薬に関する。 下痢とは、便の水分量が80%以上に増加した状態である。その臨床経過から急性下痢と慢性下痢に分類される。慢性下痢の原因は多岐にわたるが、感染性下痢は少なく、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病をはじめとする炎症性腸疾患、大腸悪性腫瘍、吸収不良症候群などである(例えば、非特許文献1参照)。下痢の治療方針としては原因疾患の除去が優先されるが、原因が明らかでない下痢に対しては、食事療法、輸液療法、薬物療法が行われる。薬物療法としては、止痢薬、整腸薬、殺菌薬、消化管運動調整薬などが一般的に用いられている。 下痢の原因の1つである過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:以下IBSと称す)は、腹痛と便通異常が相互に関連しながら慢性に持続するが、その原因となる器質的疾患が通常検査では認められない機能性障害である(例えば、非特許文献2参照)。IBSは心理的ストレスにより発症もしくは増悪することが多く、脳機能と消化管機能が相互に関連する病態が重視され、特に消化管知覚閾値の低下、消化管運動の異常、心理的異常の3つが重要である。診断はローマII基準で行われ、その症状から下痢型、便秘型、これらが交互に起こる交代型などに分類される。 IBSの治療は、生活指導および薬物療法に行われる。薬物治療は高分子ポリマー、消化管運動調整薬、さらには抗うつ薬などが用いられる。総合臨牀 Vol.53 p981−982 2004今日の治療指針2004(医学書院)p340−341 一般的に下痢に対する治療は、その原因、症状の程度等によって異なる。薬物治療としては、消化管運動調整薬や、収斂薬、吸着薬、殺菌薬、整腸薬などが用いられる。 また、IBSおよびIBSに伴う下痢症状に対する治療法としては、まずは精神心理的な治療や、食事療法などの全般的な日常生活の改善指導が行われる。下痢の症状が重症化する症例に対しては、必要に応じて薬物治療が行われ、高分子ポリマーや消化管運動調整薬、抗コリン薬などが用いられている。 また、患者に強いストレス状態が確認され、抑うつ・不安の症状があるときは、抗うつ薬、抗不安薬が使用されることもある。 ただしこれらの薬剤の使用により、高分子ポリマーであるポリカルボフィルカルシウムでは嘔気、嘔吐など、消化管運動調整薬であるマレイン酸トリメブチンにおいては発疹、口渇など、また抗コリン薬においては口渇や排尿障害などの副作用の発現するケースがある。さらに、これらの薬剤の薬効が不十分であったり、または逆に過度に発現し便秘の原因になることもあるなど、従来の薬剤では不十分な場合があり、新しい薬剤の登場が望まれていた。 本発明者らは、鋭意研究の結果、意外にもビタミンの一種であるパンテチンが消化管運動の亢進を抑制する作用があることを見出した。さらに、消化管運動が亢進していない状況では、パンテチンは消化管運動に影響を与えず、消化管運動の亢進に伴う下痢全般に対して効果があること、便秘を伴う病態においても悪影響を及ぼさないという特性を見出し、本発明を完成させた。 従来、パンテチンは細胞内での糖質や脂肪の燃焼に関与する成分であり、医薬としては補酵素Aの前駆物質として、消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、パントテン酸欠乏または代謝障害が関与すると推定される高脂血症ならびに弛緩性便秘、ストレプトマイシンならびにカナマイシンによる副作用の予防および治療、急・慢性湿疹、血液疾患の血小板数ならびに出血傾向の改善等に利用されている。しかしながら、パンテチンの下痢に対する改善効果を示した報告はなく、今回、発明者らによって初めて見出された。 すなわち本発明は、以下のものに関する(1)パンテチン類を有効成分とする下痢の予防および/または治療薬、(2)パンテチン類を有効成分とする過敏性腸症候群に伴う下痢の予防および/または治療薬、(3)パンテチン類を有効成分とする下痢型過敏性腸症候群の予防および/または治療薬、(4)パンテチン類を有効成分とする下痢便秘交代型過敏性腸症候群の予防および/または治療薬、(5)パンテチン類を有効成分とする消化管運動抑制薬、(6)パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする下痢の予防および/または治療薬、(7)パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする過敏性腸症候群に伴う下痢の予防および/または治療薬、(8)パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする下痢型過敏性腸症候群の予防および/または治療薬、(9)パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする下痢便秘交代型過敏性腸症候群の予防および/または治療薬、(10)パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする消化管運動抑制薬である。 なお、パンテチンは、2分子のパンテテイン(N−D−パントテノイル−β−アミノエタンチオール)がジスルフィド結合することで生成される化合物であるが、このパンテテインはパントテン酸が酵素的活性化を受けることにより生成され、さらにパントテン酸はパンテノールから生成される。これらの反応は何れも生体内で進行するものであり、従って、本発明においては、パンテチン類は、例えばパンテチン、パントテン酸、パンテテイン、パンテノール、およびパンテチン、パントテン酸の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属などを挙げることができる。 本発明において対象となる下痢は、特にその原因を問わないが、本発明は、下痢の中でも消化管運動の異常亢進による下痢に対して特に効果を期待できる。 また、パントテン酸は、ストレス時においてその消費量が増加することから、本発明は、パントテン酸が不足している状態での下痢、もしくはストレス時における下痢に対する効果を期待できる。 さらには、IBSがストレスを主因とすることから、IBSに伴う下痢に対して特に効果を期待できる。 このIBSに伴う下痢は、いわゆる下痢型IBSに限定されない。便秘を主訴とするIBSにおいても、一過性の下痢症状を呈することがあり(下痢便秘交代型など)、下痢を伴っていれば、その症状の予防および/または治療を目的としてIBSに対する有効性を期待できる。 本発明に係るパンテチンの下痢の予防および/または治療効果は、断眠負荷ストレスを受けたマウスを用いて実証される。 適当な深さの水で周囲を囲んだ円柱上に摂食自由の状態で1日の大部分(例えば20時間)おいた後に、ゲージに戻して休息させるという方法(プラットフォーム法)により、マウスに負荷(以下、断眠負荷とする)を与え、マウスを置く円柱の面積を狭くすることによって、マウスに断続的にストレスを与えることにより消化管運動を亢進させ、下痢を発症させることができる。 例えば、水深4cmの中に置いた直径2cmの円柱上で、マウスに対して断眠負荷を与え(Narrow Plat法、以下、NP法とする)、消化管運動に対する影響を観察すると、1日目においては大きな変化を認めないが、連続3日間負荷をかけると、消化管内移動率がコントロール群(個別飼育で負荷が与えられていないマウス群)に比べて、有意に増加していることが認められた(図1)。言うまでもなく、ストレスに起因する消化管内移動の著明な増加は、消化管運動の著明な増加を意味し、下痢の発症につながる。以下、このようなマウスを下痢モデルマウスと称する。 従ってかかる下痢モデルマウスに対して、あるいは断眠負荷を受けているマウスに対して、投与されることにより消化管内移動の増加を抑制することのできる物質は、下痢の予防および/または治療薬、特にIBSに伴う下痢の予防および/または治療薬として利用可能な薬物であると評価することができる。 下痢モデルマウスに対して30〜100mg/kg体重のパンテチンを投与すると、同負荷により生じる消化管内移動率の増加を抑制した(図2)。 一方、断眠負荷を与えていないマウスに対し、上記と同様に30〜100mg/kg体重のパンテチンを投与しても、消化管内移動率に影響を与えなかった(図2)。このことは、ストレスにより惹起された消化管運動の亢進が起きていない状況では、それ以上に消化管運動を抑制しないことを示しており、過度に消化管運動を抑制して便秘を引き起こす可能性が極めて少ないことを示唆する。従ってパンテチンは、便秘を起こしにくい消化管運動抑制薬として利用できる。 さらに、かかるパンテチンの投与量では、パンテチンがその他の何らかの不都合な副作用を与えるとの報告はなされていない。 以上のように、パンテチンは下痢に対して有効で、特にIBSに伴う下痢に対して優れた有効性を示した。また便秘という副作用を起こしにくいなど、パンテチンは安全性の高い下痢の予防および/または治療薬、IBSに伴う下痢の予防および/または治療薬として利用可能である。 本発明にかかるパンテチン類は、副作用の少ない下痢の予防および/または治療薬である。 また、パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールは医薬品または試薬として精製品が広く製造販売され、容易に入手可能な化合物であり、いずれも薬剤として利用することができる。 本発明の下痢、IBSに伴う下痢の予防および/または治療薬として、パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールのいずれか1以上を用いる際には、化合物自体を直接投与しても、あるいは錠剤、顆粒剤、徐放剤、液剤等の任意の剤形に加工して投与しても、あるいは経口投与でも静脈注射投与等でもいずれでもよい。すなわち、本発明においては、患者に投与する際の剤形、投与方法、その他に格別の制限はなく、必要に応じて適当な賦形剤や希釈剤、その他の配合物、さらには他の生理活性物質を適宜加え、所望の各剤形に加工し、利用すればよい。本発明においては、経口的に投与する方法および経口投与製剤が好ましい。 本発明に係るパンテチンの投与量は概ね1〜2000mg/日、好ましくは、5〜1000mg/日であるが、患者の性別、年齢、症状やその程度に応じて調整すればよい。 さらに、下痢の症状やその程度に応じて、他の消化管運動調整薬、抗コリン薬、高分子ポリマー、殺菌薬、止痢薬などと併用することもできる。 以下、本発明の下痢、IBSに伴う下痢の予防および/または治療薬の有効性について、実施例を挙げて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるべきものではない。(実施例1) 断眠負荷マウスに対するパンテチンおよび塩酸ロペラミドの消化管運動抑制作用 実験動物ならびに断眠負荷 実験開始時の体重が19〜21gのddY系雄性マウスを使用し、実験に供するまで室温22±2℃、湿度55±10%、明暗12時間サイクル(8:00〜20:00)の一定条件下で、固形飼料および水道水を自由に摂取させた。 NP法は、透明なプラスチックゲージ(縦17.3cm×横24.3cm×高さ12.7cm)に円柱(直径2cm、高さ4.8cm)を固定し、4cmの高さまで水を満たし、個別にマウスを20時間その円柱上に乗せた後、個々の飼育時のゲージに4時間戻すという断眠負荷を与えた。この20時間の断眠および4時間の休憩で1日負荷(1セット)とした。また、ケージのまま飼育したマウスをコントロールとして用意した。なお、NP法、コントロールの何れも、マウスには摂食及び摂飲を自由に行わせた。 使用薬物 パンテチン(第一製薬社製)を蒸留水に溶解し、0.1mL/10mgの割合で経口投与した。また、塩酸ロペラミド(シグマ社製)は蒸留水に溶解し、0.1mL/10mgの割合で経口投与した。(3)評価方法1)マウスの消化管運動の測定 チャコールミールとして5%炭末を10%アラビアゴム液に懸濁した。チャコールミールを0.1mL/10gの割合で、断眠負荷を与えたマウスおよびコントロールマウスにそれぞれ経口投与し、20分後、頚椎脱臼によりマウスを殺した。十二指腸開始部から盲腸までを注意深く取り出し、取り出した腸の全長に対する輸送された炭末の先端までの長さを移動率とした。 なお、マウスはチャコールミール投与の20時間前から絶食及び自由飲水とした。2)統計処理 実験結果は平均値と標準誤差で示した。有意差検定はMann−Whirney U−testを用い、危険率5%以下を有意差有りと判定した。なお、この検定には、Stat view−J 5.0 for Macintoshを用いた。(4)結果1)マウス消化管運動に対する断眠ストレス負荷の影響(図1) NP法により断眠負荷を1セット与えたマウスおよび3セット与えたマウスを、断眠負荷解除後に、それぞれ消化管内移動率を測定しコントロールマウスと比較した。NP法により断眠負荷を1セット与えたマウスは、コントロールマウスと比較して消化管内移動率に差は無かったが、断眠負荷を3セット与えたマウスは、コントロールマウスと比較して消化管内移動率が有意に増加した。 以上の結果から、3日以上断眠負荷を与えたマウスは、消化管内移動率の増加が見られ、このことから消化管運動が亢進し、下痢を起こしやすい状況になることが示唆された。2)パンテチンの消化管運動抑制作用(図2) パンテチンの投与による消化管運動抑制効果について検討した。断眠負荷を3セット与えたマウスに対し、チャコールミール投与の30分前、すなわち最終断眠負荷の解除の直後に、それぞれパンテチンを0mg/kg、30mg/kg、100mg/kgを投与したところ、断眠負荷を与えたマウスでは、パンテチンを与えなかったマウス(0mg/kg)に比べ、パンテチンを30mg/kg、100mg/kg与えたマウスでは、有意に消化管内移動率の増加を抑制した。一方、断眠負荷を与えていないコントロールマウスに対してそれぞれパンテチンを0mg/kg、30mg/kg、100mg/kgを投与したところ、いずれの投与量においても、パンテチンを投与しなかったマウス(0mg/kg)と比較して、パンテチンを投与したマウスの消化管内移動率に差が認められなかった。 以上の結果から、パンテチンは、断眠負荷によるストレスを起因とする消化管運動の亢進を抑制した。また、消化管運動が亢進していない状況下においては、消化管運動を抑制しなかった。3)塩酸ロペラミドの消化管運動抑制作用(図3) 塩酸ロペラミドの投与による消化管運動抑制効果について検討した。断眠負荷を3セット与えたマウスに対し、チャコールミール投与の30分前、すなわち最終断眠負荷の解除の直後に、それぞれ塩酸ロペラミドを0mg/kg、3mg/kg、10mg/kgを投与したところ、断眠負荷を与えたマウスでは、塩酸ロペラミドを与えなかったマウス(0mg/kg)に比べ、塩酸ロペラミド3mg/kg、10mg/kgを与えたマウスでは、有意に消化管内移動率の増加を抑制した。一方、断眠負荷を与えていないコントロールマウスに対してそれぞれ塩酸ロペラミドを0mg/kg、3mg/kg、10mg/kgを投与したところ、塩酸ロペラミド10mg/kgを投与したマウスは、塩酸ロペラミドを投与しなかったマウス(0mg/kg)と比較して、有意に消化管内移動率を抑制した。 以上の結果から、塩酸ロペラミドは断眠負荷によるストレスを起因とする消化管運動の亢進を抑制した。また、消化管運動が亢進していない状況下においても、消化管運動をさらに抑制した。 塩酸ロペラミドは、消化管運動の亢進の有無に関わらず、強力な消化管運動抑制作用が認められた。 一方、パンテチンは、断眠負荷のようなストレスを起因とする消化管運動の亢進を抑制するとともに、消化管運動が亢進していない状況下では、消化管運動を抑制しなかった。従って、パンテチンは、下痢や、IBSに伴う下痢の予防または/もしくは治療薬として優れた効果を持つことが認められた。 前記実施例から明らかなように、本発明にかかるパンテチン類、特にパンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールは、下痢、特に過敏性腸症候群に伴う下痢の予防及び/または治療薬として利用することができる。本発明は、副作用が少なく、特に過度の便秘が起こりにくいため、下痢、特に過敏性腸症候群に伴う下痢の予防及び/または治療薬として優れている。マウス消化管運動に対する断眠負荷ストレスの影響を示す。パンテチンの消化管運動抑制作用を示す。塩酸ロペラミドの消化管運動抑制作用を示す。パンテチン類を有効成分とする下痢の予防および/または治療薬。パンテチン類を有効成分とする過敏性腸症候群に伴う下痢の予防および/または治療薬。パンテチン類を有効成分とする下痢型過敏性腸症候群の予防および/または治療薬。パンテチン類を有効成分とする下痢便秘交代型過敏性腸症候群の予防および/または治療薬。パンテチン類を有効成分とする消化管運動抑制薬。パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする下痢の予防および/または治療薬。パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする過敏性腸症候群に伴う下痢の予防および/または治療薬。パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする下痢型過敏性腸症候群の予防および/または治療薬。パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする下痢便秘交代型過敏性腸症候群の予防および/または治療薬。パンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする消化管運動抑制薬。 【課題】 新規の有効かつ安全性の高い下痢の予防および/または治療薬を提供する【解決手段】 ビタミンの1種であるパンテチン類、特にパンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上のものが、亢進した消化管運動を抑制することにより下痢、特に過敏性腸症候群に伴う下痢に対して優れた有効性を示し、かつ便秘を誘発しないなど安全性も高いことを見出した。本発明においては、パンテチン類、特にパンテチン、パントテン酸およびこれらの塩、パンテテイン、パンテノールよりなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有する有効成分とする下痢、特に過敏性腸症候群に伴う下痢に対する予防および/または治療薬として提供することができる。


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