生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_抗酸化飲料水
出願番号:2005090477
年次:2006
IPC分類:A23L 2/52,A23L 1/302,C02F 1/68,A23L 2/00,A61K 31/7048,A61P 39/06


特許情報キャッシュ

倉田 忠男 平 辰 JP 2006271206 公開特許公報(A) 20061012 2005090477 20050328 抗酸化飲料水 倉田 忠男 598095433 平 辰 505111834 小島 高城郎 100095267 河合 典子 100124176 佐藤 卓也 100111604 倉田 忠男 平 辰 A23L 2/52 20060101AFI20060915BHJP A23L 1/302 20060101ALI20060915BHJP C02F 1/68 20060101ALI20060915BHJP A23L 2/00 20060101ALI20060915BHJP A61K 31/7048 20060101ALN20060915BHJP A61P 39/06 20060101ALN20060915BHJP JPA23L2/00 FA23L1/302C02F1/68 510BC02F1/68 520BC02F1/68 520GC02F1/68 520KC02F1/68 530ZC02F1/68 540EA23L2/00 VA61K31/7048A61P39/06 4 OL 6 4B017 4B018 4C086 4B017LC03 4B017LK16 4B018LB08 4B018MD23 4B018MD25 4B018ME06 4C086AA02 4C086EA11 4C086MA17 4C086MA52 4C086ZC28 4C086ZC37 本発明は、アルカリイオン水に抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸-2-グルコシドを添加した抗酸化飲料水、これに水溶性トコフェロールをさらに添加した抗酸化飲料水、またさらにこれらの抗酸化ビタミンの体内での作用を促進させる食品成分を添加した抗酸化飲料水に関する。これらの抗酸化飲料水は調理にも使用可能である。 我々人間をはじめ、地球上の多くの生物は酸素を利用してエネルギーを産生し生命活動の維持に役立てている。例えば、人間の場合にはいわゆる三大栄養素とよばれている糖質、脂質、タンパク質をエネルギー源として利用しているが、特に、典型的な糖質であるグルコースは血糖として常時、血中に一定の濃度で存在し、脳やその他の各種主要臓器に供給され、呼吸により体内に取り込まれた酸素との反応を介して酸化され、水と二酸化炭素と共にエネルギーを産生する。 その際、大部分の酸素分子は最終的には四電子還元により水となるが、一部は不完全な還元反応過程を経て、いわゆる活性酸素種と呼ばれている強い反応性を有する分子種を不可避的に生成する。これらの活性酸素種は生体内における酸化ストレスの主因となり、各種の疾病や炎症などの健康傷害や、さらには老化をもたらすとされている。 一方、抗酸化ビタミンと呼ばれているビタミンC(水溶性ビタミンの一種)やビタミンE(脂溶性ビタミンの一種)は上記の活性酸素種や反応性の大きい各種ラジカル類の消去に役立ち、健康の維持・増進に寄与することが広く知られており、共に、食品添加物として、世界中で各種の加工食品等の製造時に積極的に添加・使用されている。 アスコルビン酸-2-グルコシド(2−O−D−グルコピラノシルL−アスコルビン酸)はビタミンC誘導体の一つであり、熱や光にも強く、水中でも安定に存在することができ、体内の酵素によりビタミンCの活性を示すものである(特許文献1参照)。アスコルビン酸-2-グルコシドは、食品添加物として指定されており、酸化防止剤、栄養強化剤として食品に添加されている。 また、ビタミンEであるトコフェロール類としては8種類の同族体(α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールの他に、いわゆるトコトリエノール類、すなわち、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール)が知られている。それらの生理活性はそれぞれ異なるが、α−トコフェロールの生物活性が最も大きいとされている。ビタミンEの生理活性としては抗酸化作用と生体膜安定化作用が知られているが、その他に、臨床面から血行促進作用(血管保護作用)、ホルモン分泌調整作用、抗血栓作用なども知られている。以下、これらのトコフェロール類のことを便宜上、トコフェロールと略称する(特許文献2参照)。近年、トコフェロールの水に対する可溶化技術が開発され、既に各種水可溶化トコフェロール製品が市販されている。 さらに、水は地球上の多くの生命体にとって必須の物質であり、我々も毎日体外から多量に取り入れ、生命と健康の維持・増進に利用している。いわゆる飲料水としては水道水、井戸水、ミネラルウオーター、などいろいろあるが、近年、アルカリイオン水が健康に役立つ飲用水として多くの人々に利用されている。アルカリイオン水は通常の水を一部、電気分解することにより得られるもので、そのpHは普通の水道水や蒸留水に比較して、かなりのアルカリ性を示す。アルカリイオン水には、通常の水に比べてカルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等人体にとって有用で吸収容易なミネラルが通常の水に比べてより豊富に含まれている。 つまり、通常の水が空気中の二酸化炭素を溶解しているため、微〜弱酸性(pH5〜6程度)を示すのに対し、アルカリイオン水は製造条件にもよるが、通常、製造直後は微〜弱アルカリ性(pH8〜9程度)を示す。しかし、長時間、空気中に放置すると、二酸化炭素が溶け込み、次第にpHは微酸性側に移行する。アルカリイオン水の健康効果については、すでに多くの科学的データにより示されており、実際に、多様な家庭用アルカリイオン水製造装置も製造・販売されており、我が国で広く使用されている(例えば、特許文献3及び4等)。特開平3−135992号公報特公平7−100038号公報特公平8−15600号公報特開平9−271774号公報 毎日、飲用する水、特に、アルカリイオン水にビタミンCを添加して健康に役立てたいところであるが、あいにく、ビタミンC、すなわち、アスコルビン酸は中性〜アルカリ性の水溶液中では容易に酸化分解することが知られている。そのため、アルカリイオン水にビタミンCを添加した飲料水はこれまでに製造・販売されていない。 以上の現状に鑑み、本発明の目的は、アルカリイオン水に対して安定した抗酸化機能を付加することにより、高い抗酸化機能をもつアルカリイオン水を飲料水として提供することである。 上記の目的を達成すべく本発明は、以下の構成を提供する。(1)請求項1に係る抗酸化飲料水は、アルカリイオン水に抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸-2-グルコシドを添加してなることを特徴とする。(2)請求項2に係る抗酸化飲料水は、アルカリイオン水に抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸-2-グルコシドと水可溶化トコフェロールとを添加してなることを特徴とする。(3)請求項3に係る抗酸化飲料水は、請求項1または2において、前記抗酸化ビタミンの体内における活性を促進させる食品成分をさらに添加してなることを特徴とする。(4)請求項4に係る抗酸化飲料水は、請求項1〜3のいずれかにおいて、調理に使用可能であることを特徴とする。 本発明の抗酸化飲料水は、アルカリイオン水に抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸-2-グルコシドを添加したものである。さらに好適には、アルカリイオン水に対しアスコルビン酸-2-グルコシドと共に、同じく抗酸化ビタミンである水可溶化トコフェロールを添加する。さらに好適には、これらの抗酸化ビタミンの他に、これらの抗酸化ビタミンの体内における作用の増強を促進する食品成分を添加する。 アスコルビン酸-2-グルコシドは、ビタミンC誘導体であるが、アスコルビン酸とは異なりアルカリイオン水の中でも酸化分解されず安定に存在し得る。そして、生体内でグルコシダーゼの働きを受けて初めてビタミンCの活性をもつようになり、抗酸化作用を発揮する。また、水可溶化トコフェロールもアルカリイオン水の中で安定に存在し、通常の脂溶性ビタミンEと同程度の抗酸化作用を発揮する。これらの抗酸化ビタミンが体内で発揮する健康効果を増強する食品成分としては、システインやグルタチオンなどの含硫アミノ酸やペプチド類の他に、カテキンやヘスペリジンなどのフラボノイド類を中心とする植物成分があり、これらの成分は抗酸化ビタミンの体内での働きを支援する。 本発明の抗酸化飲料水は、通常のアルカリイオン水に比べて抗酸化機能が強化されておりかつその機能が安定に維持される。加えて、その色、味、香りは通常の飲料水あるいは通常のアルカリイオン水と比較して、それほど大きな差異はない。そして、これを飲用することにより、飲用した人の体内における酸化ストレスを軽減させる。その結果、健康の維持・増進が期待される。 21世紀に入り、世界史上稀な超高齢社会を迎えることになった我が国において、国民の健康志向が益々増大しつつある一方で、医療費の節減が国家的最重要課題となっていることもまた、周知の事実である。このような社会的状況に鑑み、予防医学の観点からも、本抗酸化水の体内酸化ストレス軽減効果による健康の維持・増進が社会福祉に役立ち得ることは明らかである。 本発明による抗酸化飲料水の第1の形態は、アルカリイオン水に抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸-2-グルコシドを添加してなる。アスコルビン酸-2-グルコシドは、(株)林原生物化学研究所より市販されている。アスコルビン酸-2-グルコシドはアスコルビン酸のC2の位置に付いている水酸基にグルコースがグリコシド結合したものであり、体内ではグルコシダーゼの作用によりアスコルビン酸とグルコースに変換されることが知られており、従来から、化粧品への添加・使用が認められていた物質である。 また、アスコルビン酸-2-グルコシドの生体内におけるアスコルビン酸への変換については、すでにモルモットを使用した動物実験などにより確認されており、そのビタミンC効果も科学的に実証されている。 アスコルビン酸-2-グルコシドはアスコルビン酸同様に、酸性を示す物質であるが、空気中の酸素による酸化に対してはかなりの抵抗性があり、事実上、自動酸化を受けない。アスコルビン酸のpK値は約4.3程度であり、解離することで非常に酸化されやすくなるが、C2位の炭素に水酸基を有していないアスコルビン酸-2-グルコシドは中性から微アルカリ性においてもかなり安定である。 本発明による抗酸化飲料水の第2の形態は、アルカリイオン水に抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸-2-グルコシドと水可溶化トコフェロールとを添加してなる。トコフェロールは、細胞膜などの生体膜の酸化防止に役立つビタミンEである。トコフェロールは脂溶性ビタミンで水に不溶であるが、近年、トコフェロールの可溶化技術が進み、すでに、各種水可溶化トコフェロール製品が理研ビタミン(株)などから販売されている。 本発明による抗酸化飲料水の第3の形態は、第1及び第2の形態において、前記の1種又は複数種の抗酸化ビタミンの体内における活性を促進させる食品成分をさらに添加してなる。抗酸化ビタミン類の体内での抗酸化機能を増強するのに役立つシステイン、グルタチオンなどの含硫アミノ酸、ペプチド類は、人体内の常在成分である。さらにカテキンやヘスペリジンなどのフラボノイド類を中心とする植物成分等は、柑橘類などの果実や野菜にも多く含まれている。これらの食品成分は、いずれも日常の食生活で摂取されており、また、それらの中には食品添加物として認可されているものも多い。斯かる食品成分を本発明の抗酸化飲料水に添加すると、さらに好ましい作用効果が得られる。 第1〜第3の形態の抗酸化飲料水は、いずれもほぼ無色・無臭でかつ、ほとんど無味であるので、嗜好性において通常の飲料水とあまり変わらない。 従って、第1〜第3の形態のいずれの抗酸化飲料水も、調理用の水として通常の飲料水の替わりに使用可能である。 以上の通り、本発明の抗酸化飲料水は、アルカリイオン水にアスコルビン酸-2-グルコシドを添加・使用することで、飲用後、体内での消化・吸収過程でアスコルビン酸として体内に移行し、もとのアルカリイオン水そのものよりもその抗酸化性やラジカル消去活性が増強され、活性酸素種の消去能も増大するようにデザインしたものである。さらに、生体膜の酸化防止に有効なビタミンEを水可溶化トコフェロールの形で添加し、消化・吸収過程で元のビタミンEとして体内に移行し、抗酸化活性を発揮するようにデザインしてある。また、体内でこれらの抗酸化ビタミンが抗酸化機能を発揮する際に役立つ食品成分を添加することにより、健康効果が増強されるようにデザインしてある。 本発明の抗酸化飲料水を、例えば毎日500ミリリットル摂取することで、それぞれの抗酸化ビタミンの所要量の10〜100%程度がほぼ確保できるようになっている。 以下に、本発明による抗酸化飲料水の成分配合の実施例を示すが、これらは例示であって成分配合を限定するものではない。(1)第1の形態の抗酸化飲料水の実施例 ・アルカリイオン水:1リットル ・アスコルビン酸-2-グルコシド:0.01〜0.5グラム(2)第2の形態の抗酸化飲料水の実施例 ・アルカリイオン水:1リットル ・アスコルビン酸-2-グルコシド:0.01〜0.5グラム ・水可溶化トコフェロール:0.1〜20ミリグラム アルカリイオン水に抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸-2-グルコシドを添加してなることを特徴とする抗酸化飲料水。 アルカリイオン水に抗酸化ビタミンであるアスコルビン酸-2-グルコシドと水可溶化トコフェロールとを添加してなることを特徴とする抗酸化飲料水。 前記抗酸化ビタミンの体内における活性を促進させる食品成分をさらに添加してなることを特徴とする請求項1または2に記載の抗酸化飲料水。 調理に使用可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗酸化飲料水。 【課題】 アルカリイオン水に対して安定した抗酸化機能を付加することにより、高い抗酸化機能をもつアルカリイオン水を、調理にも使用可能な飲料水として提供する。【解決手段】 抗酸化飲料水が、アルカリイオン水に対して、アルカリ性の水溶液中でも安定なアスコルビン酸-2-グルコシドを添加してなることを特徴とする。さらに好適には、抗酸化飲料水が、アルカリイオン水にアスコルビン酸-2-グルコシドと水可溶化トコフェロールとを添加してなり、またこれらの抗酸化ビタミンの体内における活性を促進させる食品成分を添加することも好適である。【選択図】 なし


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