タイトル: | 公開特許公報(A)_免疫診断薬用ポリマー粒子 |
出願番号: | 2005087719 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | G01N 33/545,C08F 212/36 |
笠井 澄 范 可君 JP 2006266970 公開特許公報(A) 20061005 2005087719 20050325 免疫診断薬用ポリマー粒子 JSR株式会社 000004178 笠井 澄 范 可君 G01N 33/545 20060101AFI20060908BHJP C08F 212/36 20060101ALI20060908BHJP JPG01N33/545C08F212/36 4 OL 8 4J100 4J100AB02Q 4J100AB03Q 4J100AB07Q 4J100AB08Q 4J100AB16P 4J100AJ02R 4J100AJ08R 4J100AL03R 4J100AL04R 4J100AL08R 4J100AL10R 4J100AN03R 4J100BA03R 4J100BA08R 4J100BA29R 4J100BA31R 4J100BA56Q 4J100CA01 4J100CA04 4J100CA05 4J100FA19 4J100JA53本発明は、粒子表層部が凹凸することにより平滑表面粒子よりも多くの比表面積を有する診断用ポリマー粒子に関する。ポリスチレン等からなるラテックスに抗原、抗体等の免疫 活性基を担持させ、ラテックスの凝集度で検体中の抗体、抗原等の濃度を測定する方法はラテックスイムノアッセイ法と呼ばれる。日本工業規格(JIS)によると、濁度の光学的測定は、1)視覚濁度、2)透過光濁度、3)散乱光濁度、4)積分球濁度の4つの方法に分類されている。このうち、積分球濁度法では、前方散乱光と同時に平行透過光を測定し、その比率を求めて、抗原抗体反応本来の変化量以外の干渉因子に対する補償措置としている。これらの測定はその原理、操作が簡単で、測定時間が短く、低コストのラテックス、および自動測定ができるため、広く使用されている。ラテックスイムノアッセイの簡便性から、高感度測定、および広い測定レンジの確保が常に解決すべき課題として努力されていた。通常のスチレンを主成分とし、乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合で調製されたポリマー粒子が平滑表面をもつものである。しかし、より高感度、広レンジの対象物を測定するために、粒子1個当たりにより多くの抗体が感作できることは必要である。これはつまり、粒子単位重量あたりにより多くの抗体が感作できることを意味する。通常、抗体の分子サイズから、単位面積に感作できる抗体量が計算できるが、抗体が粒子表面に一層のみ感作することを想定する場合に、通常の平滑表面をもつポリスチレン粒子の抗体感作量がその幾何学計算された表面積以上の抗体量を感作することができない。抗体のアフィニティおよび粒子のコロイド性能、粒子の抗体吸着能が一定と仮定すれば、検出できる抗原量が感作抗体量に比例し、感作抗体量がまだ粒子表面積に依存する。つまり、高感度用ラテックス粒子の比表面積が大きいほど、感作抗体量の増大においては有利である。一方、表面が凹凸である粒子であれば、同じ粒子の比表面積が平滑表面より増えるので、その分、抗体感作量アップが期待できる。このような比表面積を大きくしようとする努力がクロマトグラフ用担体の分野でなされてきた。例えば、特開平11−271294号や特開2003−93801号に記載の粒子などを挙げることができる。しかし、これらの文献が低分子物質の分離を主な目的としたため、いずれのケースにおいても、粒子表面に一定サイズの細孔を必要とし、担体粒子も実質的に多孔質であることが必須である。特開平11−271294号公報特開2003−93801号公報 本発明の目的は、粒子表面の比表面積を増やしてより多くの抗体が感作できる粒子およびその製造方法を提供する。本発明は、ジビニルベンゼンの含有量が30重量%を超える重合性不飽和化合物を重合した粒子であって、粒子径が0.02〜2μm、粒径変動係数が20%以下、かつ窒素吸着法で求められる粒子の比表面積が平均粒子径から計算される比表面積の1.3倍以上であることを特徴とする免疫診断薬用ポリマー粒子を提供するものである。本発明診断薬用ポリマー粒子は、重合性不飽和化合物を、水系媒体での乳化重合あるいはソープフリー重合により重合して得られるものであるが、この際重合性不飽和化合物中のジビニルベンゼン含有量は30重量%を超え、好ましくは50重量%以上である。重合性不飽和化合物中のジビニルベンゼンの含有量が30重量%以下になると、調製できた粒子表面の凹凸が浅くて所定の表面積アップに効果が少ないので好ましくない。また、形成されるポリマー粒子の屈折率が低くなるため、光学濁度が低下して、診断薬粒子としての感度が悪化するので好ましくない。さらに、シード粒子の存在下に重合性不飽和化合物を添加して重合するシード重合法が粒子表面の凸凹を形成するために特に好ましい。なお、本発明で平均粒子径とは表面積加重の算術平均径を言う。具体的には電子顕微鏡写真で少なくとも100個の粒子を計測し、各粒子の粒径値Xi、存在分率Niから次式で計算される。 平均粒子径=(Σ Ni Xi3)/(Σ Ni Xi2)また、粒径の変動係数は、粒子の粒径の標準偏差値を平均粒子径で割った値であり、パーセントで表す。重合性不飽和化合物はジビニルベンゼンのみからなってもよいが、ジビニルベンゼン以外の重合性不飽和化合物として、スチレン、クロルスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウムなどの芳香族モノビニル化合物も含むことが好ましい。これらの芳香族モノビニル化合物は一種単独で、または二種以上を組合せて使用できる。また、これら芳香族ビニル化合物のほかに粒子表面への官能基を付与するために、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有重合性不飽和化合物、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有重合性不飽和化合物、ビニルベンジルアミン、アリルアミン、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有重合性不飽和化合物等を組み合わせることもできる。また、メチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等の官能基を持たないアクリレートまたはメタクリレートも組み合わせることができる。しかし、これらの非芳香族の不飽和化合物は使用する不飽和化合物のなかの30重量%以下である。本発明において、ポリマー粒子の重合方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、ソープフリー重合法で粒子を調製することが出来る。さらにこれら粒子にシード重合法、モノマー後添加法で表面層を導入することができる。これらの重合方法は、公知の方法に従って行うことができ、例えば重合性不飽和化合物成分全量を反応系に一括して仕込んで重合する方法、重合性不飽和化合物成分の一部を仕込んで反応させた後、残りの重合性不飽和化合物成分を連続または分割して添加して重合する方法、重合性不飽和化合物成分全量を連続して仕込んで重合する方法などによって行うことができる。これらの重合方法において、ラジカル重合開始剤の添加方法も任意に選択でき、全量を一括して仕込む方法、連続的または分割して添加する方法などが採用できる。またソープフリー重合法以外の方法で重合するとき、重合性不飽和化合物の重合時に乳化剤として、アニオン系、ノニオン系およびカチオン系の乳化剤などを使用することもできる。本発明の重合に使用するラジカル重合開始剤としては、水溶性または油溶性のいずれのラジカル重合開始剤でも使用できる。粒子表面にアニオン碁を導入する目的で、水溶性開始剤が好ましい。上記水溶性のラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩や過酸化水素などがあげられる。開始剤の使用量は重合性不飽和化合物に対して0.01−10重量%であることが好ましい。 また、油溶性ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、クメンヒドロ過酸化物などがあげられる。これらの油溶性のラジカル重合開始剤は、重合性不飽和化合物に溶解して、または水系媒体に分散して使用する。ラジカル重合開始剤の使用量は、重合性不飽和化合物成分に対して0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%とするのが望ましい。水系媒体としては、水を単独で使用することもできるし、水に有機溶媒を混合した有機溶媒混合水を使用することもできる。このような有機溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の水混和性有機溶媒などが使用できる。有機溶媒の添加量は、水に対して30重量%以下とすることが好ましい。本発明品の免疫診断用ポリマー粒子を重合するとき、重合性不飽和化合物とともに不活性有機溶剤を加えて重合することができる。不活性有機溶剤として、例えば、シクロヘキサノール、ヘキサデカノール、トルエン、ヘキサン、イソオクタンなどの水溶性の低い有機溶剤が挙げられる。これら不活性有機溶剤の添加濃度によって得られる免疫診断薬用ポリマー粒子の表面凹凸の幅と深さを制御することができる。水系媒体中の重合性不飽和化合物の濃度は、通常0.2〜40重量%、好ましくは1〜30重量%であり、重合正不飽和化合物の重合温度および重合時間は、ラジカル重合開始剤の種類等の合成条件により異なるが、通常5〜20時間、30〜100℃である。 本発明において、抗体または抗原を化学結合で固定するためにポリマー粒子に官能基を導入してもよい。これらの官能基としては、カルボン酸基、アミノ基、チオール基、エポキシ基、トシル基、水酸基等が挙げられる。カルボン酸基は、例えばα,β−不飽和カルボン酸を前記重合性不飽和化合物と共重合することによりポリマー粒子表面にカルボン酸基を導入することができる。α,β−不飽和カルボン酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸などが上げられる。アミノ基、エポキシ基、チオール基、トシル基もこれら官能基有する化合物と重合性不飽和化合物との共重合で導入することができる。これらの官能基は、前記ポリマー粒子の重合と同時に、または重合後に官能基を有する重合性化合物を反応系に添加することにより、ポリマー粒子表面に導入することができる。本発明において、重合反応が終了した後にポリマー粒子を有機溶剤と接触させ、ポリマー粒子表面の前記有機溶媒への可溶成分や低分子量成分を有機溶剤で除去することが好ましい。具体的な有機溶媒として、例えば、アセトン、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。またこれら有機溶剤の添加濃度、分散時間、分散温度によって表面凹凸のサイズと深さを制御することができる。本発明の診断薬用ポリマー粒子の粒径は0.02μm〜2μmであり、0.05μm〜0.8μmであることがより好ましい。0.02μm未満になると、免疫反応に基づく僅かな粒子凝集を検出できなくなる恐れがあり、結果的に低感度となるため、好ましくない。2μmを超えると、粒子凝集に基づく吸光度変化があまりにも大きく、わずかの凝集でも、大きい吸光度変化をもたらし、結果的に測定レンジが狭くなるため好ましくない。本発明の診断薬用ポリマー粒子の粒径の変動係数(CV値)は20%以下であり、10%以下であることがより好ましい。CV値が20%を超えると粒径分布の広さによる吸光度変化の不安定性が無視できなくなり、調製できた試薬の再現性に悪影響を与えるので好ましくない。本発明の診断薬用ポリマー粒子の比表面積は、窒素吸着法で測定して得られる値が平均粒径で算出する値よりも1.3倍大きく、好ましくは1.5倍以上大きい。診断薬用ポリマー粒子の窒素吸着法で測定して得られる比表面積が平均粒径で算出する比表面積の1.3倍未満になると、粒度分布を考慮した比表面積との差が小さくなり、実質的な表面積アップに繋がらなくなり、診断薬粒子としての性能向上が期待できない。本発明の診断薬用ポリマー粒子の表面凹凸は、通常のスキャン式電子顕微鏡で観察することができる。この凹凸の平均サイズは、通常の抗体のサイズを考慮すれば、実質的に3〜70nmであることが好ましい。この凹凸が3nm未満になると抗体または、感作すべき抗原、ペプチドとサイズ的な差がつかなくなるので好ましく、また、70nmを超えると、粒子の形状異常となり診断薬粒子としての性能向上が期待できない。また、本発明品の診断薬用ポリマー粒子は、クロマトグラフ分離用担体のような低分子物質も通過できる微小細孔を含む必要性がなく、多孔質である必要もない。これは低分子物質の分離精製に使うクロマト担体と基本的な相違点である。本発明品の診断薬用ポリマー粒子の表面への抗体結合量は、感作する抗体のサイズ、測定すべき抗原サイズ、または粒子表面の凹凸サイズによる。例えば、診断薬用ポリマー粒子表面の凹部に結合する抗体が抗原と反応してからの分子サイズが相手側粒子の抗体と立体的に反応できる構造であれば、抗原の消費速度と粒子凝集速度の均衡が保たれるので、本発明品の粒子が凝集反応の高感度に寄与し、好適である。一方、もし、本発明の表面凹凸粒子の凹部に結合された抗体が抗原を捕獲しても、相手側粒子の抗体と反応できるスペーサーがなければ、抗原の消費速度が粒子同士の凝集速度より速いので、広いレンジの測定に好適である。本発明品の診断用ポリマー粒子がラテックス凝集反応を原理とする全ての免疫反応に適合できる。そのときの測定時間、波長等が実際の粒子サイズ、反応速度に合わせて設定することができる。診断できる項目も特に限定されるものではなく、免疫反応によって粒子が凝集し、その変化が吸光度として取られるものであれば、すべて本発明の範疇にある。具体的に、たとえば、C-反応蛋白(CRP)、リュウマチ因子(RF)、IgM,抗ストレプトリジンO抗体、ヘモグロビン、βー2マイクログロブリン、α−フェトプロティン(AFP)、IgE、梅毒トレポネーマ抗体、HBS抗体、HBS抗原、HBc抗体、又はHBe抗体などが挙げられる。これら抗原を検出するために、例えば、抗体量が粒子重量の1〜30重量%を添加し、物理吸着、または、粒子表面の官能基を利用して化学結合で固定させる方法が挙げられる。この場合、過剰に添加した抗体を固液分離で除去すれば、実際の診断反応に影響を与えない。本発明の診断薬用ポリマー粒子は、表面を凹凸形状に設計することで、単位面積あたりに多くの抗体を結合することが可能となった。ラテックス凝集反応の高感度、広レンジ測定に好適である。以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施例において、部および%は重量換算である。実施例粒径測定粒径測定は透過型電子顕微鏡で写真を撮影し、写真上で少なくとも100個の粒子を計測して、平均粒子径と粒子径の変動係数を求めた。表面積測定本発明で調製された粒子の比表面積がAUTOSORB−1(アサユ(株))を用いて窒素ガス吸着法を使った。BETプロット解析より表面積を求めた。表面荷電測定本発明で調製された粒子の表面COOH量は、MetroHm社製伝導度測定装置を用いて、酸・アルカリ滴定より求めた。ラテックス凝集測定 本発明で調製された粒子のラテックス凝集試験は、日立分光光度計U2100を用いて測定した。反応温度は37℃に設定した。実施例1撹拌装置つきガラス製フラスコに、窒素置換した後、イオン交換水600部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部、過硫酸カリウム0.5部、スチレン50部、ジビニルベンゼン50部を入れ、85℃で4時間の重合を行なった。4時間目で少量のラテックスをサンプリングしたところ、重合転化率99%であった。ここで得られた粒子を粒子−1とする。実施例2実施例1で85℃で4時間の加熱を終わった後に、加熱を中止せず、85℃のまま、さらに水20部、過硫酸カリウム0.2部、シクロヘキシルメタクリレート19部、メタクリル酸1部を入れ、さらに85℃で4時間の重合を行なった。重合後、室温に冷却したところ、重合転化率99%、の粒子が得られた。この粒子を粒子―2とする。実施例3実施例1で得られた粒子を遠心管に入れ、10,000Gx2時間で遠心分離した。透明になった上澄を除去し、同容量のアセトンを添加し、粒子を分散した。粒子分散液をそのまま室温で一晩静置した。その後、同じ遠心条件で3回蒸留水に置換した。この粒子を粒子―3とする。実施例4実施例3のアセトンの代わりに、THFを用いた以外は実施例3と全く同様な方法で実施した。得られた粒子を粒子―4とした。実施例5実施例2で得られた粒子を遠心管に入れ、10,000Gx2時間で遠心分離した。透明になった上澄を除去し、同容量のアセトンを添加し、粒子を分散した。粒子分散液をそのまま室温で一晩静置した。その後、同じ遠心条件で3回蒸留水に置換した。この粒子を粒子―5とする。実施例6実施例5のアセトンの代わりに、THFを用いた以外は実施例3と全く同様な方法で実施した。得られた粒子を粒子―6とした。実施例7 撹拌装置つきガラス製フラスコに、窒素置換した後、シード粒子として別途に乳化重合して得た0.1μmのポリスチレン粒子の水分散体500部(固形分で100部)、イオン交換水300部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部を入れ、80℃に昇温した後、過硫酸カリウム0.5部を入れ、 スチレン50部、ジビニルベンゼン50部およびイソオクタン10部の混合物を 2時間かけて連続的に添加し、さらに80℃で2時間の重合を行なった。4時間目で少量のラテックスをサンプリングしたところ、重合転化率99%であった。ここで得られた粒子を粒子−7とする。比較例1撹拌装置つきガラス製フラスコに、窒素置換した後、イオン交換水600部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部、過硫酸カリウム0.5部、スチレン100部、85℃で4時間の重合を行なった。4時間目で少量のラテックスをサンプリングしたところ、重合転化率99%、であった。ここで得られた粒子を粒子−R1とする。比較例2比較例1で85℃で4時間の加熱を終わった後に、加熱を中止せず、85℃のまま、さらに水20部、過硫酸カリウム0.2部、シクロヘキシルメタクリレート19部、メタクリル酸1部を入れ、さらに85℃で4時間の重合を行なった。重合後、室温に冷却したところ、重合転化率99%、の粒子が得られた。この粒子を粒子−R2とする。試験例(表面積測定)上記実施例および比較例で得られた粒子を遠心分離し、上澄を除去してから、ペレットを回収した。ペレットを振動で分散させ、40℃の恒温槽で1週間静置し、時々振動をかけて、乾燥粒子の均一な粉末を得た。上記粒子粉末を窒素ガス吸着法で表面積を測定した。(IgG物理吸着量)上記実施例1,3,4および比較例1で得られた粒子分散液を固形分10重量%に調整し、100μlを1.5ml遠心チューブにいれる。30mMリン酸緩衝液で2回洗浄した後に、固形分5%ラテックス分散液に、ウサギ抗CRP抗体(日本バイオテスト(株))150μg/mg−Latex の割合で添加した。粒子分散液をそのまま室温で2時間ゆっくり攪拌し、抗体の物理吸着を行なった。その後、15000gで10分遠心し、上澄液を280nmで測定し、吸光度より吸着したIgGを算出した。コントロールとして抗体を加えなくて粒子分散液のみ、および粒子を加えなくて、抗体を加えた各1点とした。(IgGの化学結合量)上記実施例2,5,6および比較例2で得られた粒子分散液を固形分10重量%に調整し、100μlを1.5ml遠心チューブにいれる。30mMリン酸緩衝液で2回洗浄した後に、固形分5%ラテックス分散液に、水溶性カルボジイミド(同仁化学10μg/mg の割合で添加し、室温で1時間ゆっくり転倒攪拌した。続いて15000gx10分で遠心分離し、上澄除去してから、ウサギ抗CRP抗体(日本バイオテスト(株))150μg/mg−Latexの割合で加えて、一晩ゆっくり転倒攪拌した。その後、15000gで10分遠心し、上澄液を280nmで測定し、吸光度より吸着したIgGを算出した。コントロールとして抗体を加えなくて粒子分散液のみ、および粒子を加えなくて、抗体を加えた各1点とした。(ラテックスイムノアッセイ)実施例8,9で感作したCRP抗体感作粒子をPBS/0.1%BSAで3回洗浄し、最終的に20mMリン酸緩衝液に分散させた。粒子固形分を0.1%とした。続いて間接超音波で10分間照射し、粒径が感作前の1.05倍以内にした。この粒子分散液250μlにPBS/0.05%BSA/5mMCaCl2溶液125μl、CRP抗原(0-2mg/ml)を含む血清10μlを加えて、室温で5分間反応させた。CRP抗原50μg/ml で0分と5分の600nmの吸光度変化値を測定し、吸光度変化とした。また、測定レンジは、キャリブレーションカーブで吸光度変化の増大が見られなくなったときの抗原濃度とした。上記測定値の結果を表1にまとめた。ジビニルベンゼンの含有量が30重量%を超える重合性不飽和化合物を重合した粒子であって、粒子径が0.02〜2μm、粒径の変動係数が20%以下、かつ窒素吸着法で求められる粒子の比表面積が平均粒子径から計算される比表面積の1.3倍以上であることを特徴とする免疫診断薬用ポリマー粒子。 重合性不飽和化合物が芳香族モノビニル化合物を含む請求項1記載の免疫診断薬用ポリマー粒子。ジビニルベンゼンの含有量が30重量%を超える重合性不飽和化合物を水系媒体中で重合して粒子を形成し、次いで得られた前記粒子と有機溶剤とを接触させる工程を有することを特徴とする請求項1記載の免疫診断薬用ポリマー粒子の製造方法。ジビニルベンゼンの含有量が30重量%を超える重合性不飽和化合物を、前記重合性不飽和化合物を不活性有機溶剤の存在下、水系媒体中で重合して粒子を形成し、次いで得られた前記粒子と有機溶剤とを接触させる工程を有することを特徴とする請求項1記載の免疫診断薬用ポリマー粒子の製造方法。 【課題】 粒子表層部が凹凸することにより平滑表面粒子よりも多くの比表面積を有し、単位面積あたりに多くの抗体を結合することが可能な粒子であって、ラテックス凝集反応の高感度、広レンジ測定に好適な粒子を得る。【解決手段】 ジビニルベンゼンの含有量が30重量%を超える重合性不飽和化合物を重合した粒子であって、粒子径が0.02〜2μm、粒径の変動係数が20%以下、かつ窒素吸着法で求められる粒子の比表面積が平均粒子径から計算される比表面積の1.3倍以上であることを特徴とする免疫診断薬用ポリマー粒子。【選択図】 なし