生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_L−トリプトファン製造法
出願番号:2005080616
年次:2006
IPC分類:C12P 13/22,C12N 9/64


特許情報キャッシュ

岸村 栄毅 林 賢治 JP 2006254876 公開特許公報(A) 20060928 2005080616 20050318 L−トリプトファン製造法 国立大学法人 北海道大学 504173471 特許業務法人原謙三国際特許事務所 110000338 岸村 栄毅 林 賢治 C12P 13/22 20060101AFI20060901BHJP C12N 9/64 20060101ALI20060901BHJP JPC12P13/22 AC12N9/64 Z 14 OL 9 4B050 4B064 4B050CC01 4B050DD11 4B050FF01C 4B050FF11C 4B050FF12C 4B050LL01 4B050LL02 4B050LL05 4B064AE34 4B064CA10 4B064CA21 4B064CD20 4B064DA01 4B064DA10 4B064DA16 本発明は、L−トリプトファンを製造する方法に関するものである。詳細には、本発明にかかるL−トリプトファン製造法は、カゼインを非哺乳動物(例えば、ヒトデ)由来のカルボキシペプチダーゼAと反応させてL−トリプトファンを遊離させる工程を包含する。 L−トリプトファン(トリプトファン)は、必須アミノ酸の1つであり、少量でタンパク質の利用率を向上させることができる。トリプトファンは、生体内では合成することができない必須アミノ酸の1つであり、牛乳から発見された。トリプトファンは、種々の食品のタンパク質に含まれているが、その量は少ない。トリプトファンは、タンパク質生合成の材料となる以外に、肝臓、腎臓にて分解されてエネルギー源となる。 また、トリプトファンは、脳に運ばれ、脳内の興奮を鎮める神経伝達物質のセロトニンまたは体内時計(サーカディアンリズム)を安定させるメラトニンの生合成素材として機能する。トリプトファン欠乏によって生じる症状として、セロトニンが関与するものが多数知られており、よって、トリプトファンの効果としては、セロトニンを介して鎮痛、催眠、精神安定などの作用が挙げられる。このようなトリプトファンは、精神的または肉体的な苦痛の緩和を効果的にもたらす物質として期待されている。このような効能の観点から、トリプトファンは15年以上にわたって抑鬱症、肥満、不眠症、アルコール依存症などの多くの疾患の治療、栄養補助食品または乳児用流動食として使用されている。 トリプトファンは、臨床栄養分野では、アミノ酸輸液、経口・経腸栄養剤などの成分として利用されており、最近では、精神安定、不眠解消を目的とした栄養補助食品にも利用されている。また、トリプトファンは、家畜飼料の分野では、ニワトリ・ブタなどの栄養強化の目的で大量に消費されている。 トリプトファンの製造法は、微生物を利用する製造法および化学合成法に大別される。微生物を利用した製造法の一例としては、L−トリプトファン生成能を有する特定の微生物に生成させたトリプトファンを採取する製造法(例えば、特許文献1を参照のこと)、改変したトリプトファンシンターゼを発現する遺伝子組換え菌に産生させたトリプトファンを抽出・精製する方法(例えば、特許文献2を参照のこと)が挙げられる。 一方、化学合成法としては、乳酸を酵素的に酸化してピルビン酸を生成する反応、および、生成したピルビン酸をトリプトファナーゼの触媒作用によってインドール、アンモニウムイオンと反応させ、トリプトファンを生成する反応からなる製造法(例えば、特許文献3を参照のこと)、あるいは、トリプトファンシンターゼもしくはトリプトファナーゼを含有する微生物、またはその処理物の存在下においてインドールおよびL−セリンを含有する水溶液中で酵素反応させて、トリプトファンを生成させる製造法が挙げられる(例えば、特許文献4を参照のこと)。特開平9−9983号公報(平成9年1月14日公開)特開平8−103284号公報(平成9年1月14日公開)特開2000−342294公報(平成12年12月12日公開)特開平9−28391号公報(平成9年2月4日公開)日水誌,69(4),646−648(2003) しかし、特許文献1などに記載される微生物を利用する方法に従ってトリプトファンを製造した場合、精製画分中に種々の不純物が含まれる。 また、特許文献3などに記載される化学合成法は製造工程が複雑であり、該合成法に従ってトリプトファンを製造した場合、乳酸、ピルビン酸、インドール、アンモニウムイオンなどの化学薬品の未反応物が残留し得る。 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、不利益の少ない天然トリプトファンを安価かつ高純度で提供することにある。 本発明に係るトリプトファンの製造法は、食品であるカゼインから高純度の天然トリプトファンの分離・精製を行う方法であり、従来の遺伝子組換え技術を用いた微生物発酵法または化学合成法とは大きく異なる。 具体的には、本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法は、カゼインをカルボキシペプチダーゼAと反応させる工程を包含することを特徴としている。 本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法において、上記カゼインは牛乳由来であることが好ましい。 本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法において、上記カゼインはカゼインκサブユニットであることが好ましい。 本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法において、上記カルボキシペプチダーゼAは非哺乳動物由来であることが好ましい。 本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法において、上記カルボキシペプチダーゼAはヒトデ由来であることが好ましい。 本発明はさらに、カルボキシペプチダーゼAを精製する方法を提供する。 具体的には、本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法は、 生物組織または細胞のアセトン粉末から粗抽出液を抽出する工程; 該抽出液をさらに精製する工程を包含することを特徴としている。 本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法において、上記粗抽出液は、生物組織または細胞のアセトン粉末から抽出されることが好ましい。 本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法において、上記粗抽出液は、硫安分画によってさらに精製されることが好ましい。 本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法において、上記粗抽出液は、ゲル濾過によってさらに精製されることが好ましい。 本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法において、上記粗抽出液は、イオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製されることが好ましい。 本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法において、ゲル濾過後のサンプルがさらにイオン交換クロマトグラフィーに供されることが好ましい。 本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法において、上記生物組織または細胞は非哺乳動物由来であることが好ましい。 本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法において、上記生物組織または細胞はヒトデ由来であることが好ましい。 本発明に係るカルボキシペプチダーゼAを精製する方法において、上記イオン交換クロマトグラフィーは陰イオン交換クロマトグラフィーであることが好ましい。 本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法を用いれば、不利益の少ない天然トリプトファンを容易に、安価かつ高純度で製造することができる。 本発明は、トリプトファンの製造法を提供する。 具体的には、本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法は、カゼインをカルボキシペプチダーゼAと反応させる工程を包含することを特徴としている。本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法において、上記カルボキシペプチダーゼAは、生物組織または細胞の抽出液を用いて分離/精製されることが好ましい。 生物組織または細胞から酵素を抽出する工程としては、当該分野において公知の抽出法を用いればよい。生物組織または細胞のアセトン粉末から粗抽出液を抽出する工程を用いることが好ましいが、一般的な細胞の破砕、濾過、遠心分離、酸抽出などを用いてもよい。 「アセトン粉末」は、アセトン乾燥標品とも呼ばれ、微生物菌体または細胞を多量の冷アセトンに浸すことにより細胞内を乾燥状態とし、濾過した後にアセトンを乾燥させて得られる。細胞から酵素を精製する際に用いられ、アセトン粉末を緩衝液中で攪拌した後に遠心分離することによって、酵素粗抽出液が得られる。 粗抽出液からカルボキシペプチダーゼAを分離/精製するために使用される方法としては、硫安(硫酸アンモニウム)沈殿、エタノール沈殿、ゲルろ過、クロマトグラフィーなどの当該分野において公知の種々の方法が挙げられ、このような方法は単独かまたは組み合わせて使用されることが好ましい。 本発明の一実施形態として、上述の粗抽出液は硫安沈殿、すなわち、硫安分画されることが好ましい。硫安分画は、安価でありかつタンパク質を変性させる危険性も少ない。通常、多くのタンパク質は30〜70%飽和硫安によって沈殿し、20%以下の飽和硫安で沈殿するタンパク質は少なく、100%飽和硫安ではほとんどのタンパク質が沈殿する。 また、硫安分画において、同一のタンパク質であっても、pH、温度、タンパク質濃度などによって沈殿のしやすさは異なる。本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法に用いるカルボキシペプチダーゼAは、非哺乳動物由来であることが好ましく、より好ましくは、ヒトデ由来であり得る。このようなカルボキシペプチダーゼAを精製する際に硫安分画を用いる場合、pHは6.5〜9.0の範囲であることが好ましく、7.0〜8.0の範囲であることがより好ましい。また、同様に、好ましい温度範囲は0〜10℃、より好ましい温度範囲は2〜4℃である。粗抽出液をこのような条件に設定した場合に、上記カルボキシペプチダーゼAは、好ましくは10〜80%飽和、より好ましくは45〜75%飽和の硫安を用いて沈殿される。硫安分画はサンプルを濃縮させるためにも有効である。 粗抽出液からカルボキシペプチダーゼAを分離/精製する際には、ゲル濾過および/またはクロマトグラフィーを単独でかまたは硫安分画と組み合わせて使用することが好ましい。好ましいクロマトグラフィーとしては、イオン交換クロマトグラフィー(陰イオン交換または陽イオン交換)、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が挙げられるが、上述のカルボキシペプチダーゼAを精製する際には、陰イオン交換クロマトグラフィーが好ましい。 本発明の一実施形態として、上述の粗抽出液は、硫安分画された後にゲル濾過および/または陰イオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製されることが好ましい。具体的には、本実施形態に係る本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法に適用するためのカルボキシペプチダーゼAは、生物組織または細胞のアセトン粉末から粗抽出液を抽出する工程;該粗抽出液をゲル濾過に供する工程;および、ゲル濾過後のサンプルをさらに陰イオン交換クロマトグラフィーに供する工程、を包含する方法によって精製されることが好ましい。 本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法において、上記カゼインは牛乳由来であることが好ましく、より好ましくは、上記カゼインはカゼインκサブユニットであり得る。 カゼインは、乳タンパク質の主体をなすリンタンパク質であり、電気泳動的にはα、β、κの3つのサブユニットからなる。Ca2+沈殿性を有さないカゼインκサブユニットのC末端にはトリプトファンが結合しており、このトリプトファンは、酵素(カルボキシペプチダーゼA)によって遊離され得る。 本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法において、上記カルボキシペプチダーゼAは非哺乳動物由来であることが好ましく、より好ましくは、上記カルボキシペプチダーゼAはヒトデ由来であり得る。 カルボキシペプチダーゼAは、タンパク質またはペプチドのC末端から芳香族アミノ酸を遊離させる酵素である。市販のカルボキシペプチダーゼAはウシ、マウスまたはヒト由来であるが、最近問題視されている牛海綿脳症(BSE)の影響によって、哺乳動物臓器由来の成分を使用することは避けられている。 また、カルボキシペプチダーゼAを精製する際に使用されるイオン交換クロマトグラフィーは陰イオン交換クロマトグラフィーであることが好ましい。 本発明者らは、以前に、ヒトデ幽門盲のうのアセトン粉末より調製した粗酵素液からDEAE−セルロースカラムおよびセファデックスG−50カラムを用いて、ヒトデAsterias amurensisの幽門盲のうのカルボキシペプチダーゼBを電気泳動的にほぼ単一に精製した(非特許文献1を参照のこと)。しかし、この方法を用いてもカルボキシペプチダーゼAを首尾よく精製することができなかったので、さらなる改良を重ねて本発明を完成するに至った。 このように本発明は、非特許文献1に記載されている方法をさらに改良して、夾雑物が混入することなく上記ヒトデ由来カルボキシペプチダーゼを精製することによって完成されたものである。本発明に係る方法は、容易に分離・精製することができるヒトデ幽門盲のう由来のカルボキシペプチダーゼAを高純度で利用するので、BSEの心配はない。 本発明に係るL−トリプトファンを製造する方法の一実施形態が、以下の実施例によってさらに詳細に説明されるが、以下の実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、当業者は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲内で変更して実施することができる。本実施形態に係るL−トリプトファンを製造する方法は、中性のリン酸緩衝液に溶解したカゼインに対して、ヒトデの幽門盲のう由来のカルボキシペプチダーゼAを添加して25℃で保持し、この反応液に塩酸を添加した後に遠心分離して得た上清を水酸化ナトリウムで中和し、次いで凍結乾燥によって濃縮してトリプトファンを得る方法である。 また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。 〔実施例1:ヒトデ幽門盲のう由来のアセトン粉末の調製〕 ヒトデA.amurensisを函館沖で採取し、使用時まで−20℃で凍結保存した。ヒトデ幽門盲のう由来のアセトン粉末を以下のように調製した。 ヒトデ腕部より取り出した幽門盲のうの組織に対して重量の3倍容の冷アセトン(−5℃)を添加した後、ワーリングブレンダーによって1分間ホモジナイズした。続いて30分間穏やかに攪拌した後、ホモジネートを、ブフナー漏斗を用いて吸引濾過した。さらに、2倍容の冷アセトンおよび2倍容のヘキサンを添加して同様の処理を2回行った。得られた残渣を風乾して粉末化した。 〔実施例2:ヒトデA.amurensisのカルボキシペプチダーゼA粗酵素液の調製〕 アセトン粉末に50倍容の50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)を添加して、酵素を4℃にて一晩抽出した。この抽出液を10,000×gで30分間遠心分離して得た上清のうち、40〜75%飽和硫酸アンモニウムにて沈殿する画分を回収した。沈殿物を、少量の50mM Tris−HCl(pH8.0)に溶解した後、同緩衝液に対して透析して粗酵素液を得た。 〔実施例3:ヒトデA.amurensisのカルボキシペプチダーゼAの精製〕 カルボキシペプチダーゼAを精製する際に、ベンゾイル−グリシル−L−フェニルアラニンを基質として25℃で5分間の酵素反応を行い、254nmでの吸光度を用いて酵素活性を測定した。活性単位を、1分間で254nmでの吸光度を1増加させる活性を1ユニットとした。 実施例2で得た粗酵素液を、ゲル濾過(Sephacryl S−200)に供した結果を図1に示す。図1に示したように、カルボキシペプチダーゼAは2つの画分(P1画分およびP2画分)に分画され、このうち、P2画分に主要な活性が検出された。そこで、P2画分について、さらに以下の実験を行った。 P2画分を、2.5mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)に対して透析し、次いで、透析乾燥によって濃縮した。濃縮したP2画分を、0.1M NaClを含む10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に対して透析し、透析後のサンプルを、予め同緩衝液によって平衡化したDEAE−セルロース(Whatman DE−52)カラム(1.2×18cm)にアプライした。非吸着画分を、0.1M NaClを含む10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)によって溶出した後、同緩衝液にて0.1〜0.3M NaClの直線濃度勾配を用いて目的の酵素を溶出した(図2)。 図2に示したように、カルボキシペプチダーゼAは0.18〜0.23M NaClにて溶出された。このフラクションをP2a画分およびP2b画分に分画して、両画分を凍結乾燥して濃縮した。濃縮サンプルの一部をSDS−PAGEに供し、いずれの画分においても1本のバンドを確認した(図2)。さらに、SDSを含まないPAGEを行った結果、P2a画分において1本のバンドを検出したが、P2b画分では酵素とはわずかに電荷の異なる不純物が検出された(図2)。以上の結果に基づいて、P2a画分を精製画分とした。 ヒトデA.amurensisのカルボキシペプチダーゼAについての各精製段階における純度および活性に基づく回収率を表1に示す。幽門盲のうから調製した粗酵素液に対して、精製酵素の比活性は34倍であり、活性に基づく回収率は19%であった。(表1:A.amurensisからのカルボキシペプチダーゼAの精製)P2:図1中のP2フラクションP2a:図2中のP2aフラクション活性単位をΔA247nm/分で示す。 〔実施例4:ヒトデA.amurensisのカルボキシペプチダーゼAによるカゼインの加水分解〕 カゼイン(casein nach HAMMARSTEIN, MERK社製)2.6gに蒸留水を加え、マグネティックスターラーで撹拌しながら、NaOHでpH8.0に調整して可溶化する。この溶液を100mlにメスアップして、カゼイン基質溶液を調製した(2.6%溶液)。 1%カゼインと50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)とを含む基質溶液2.0mlに数μlの酵素液を添加し、25℃で30分間反応させた後、5.0%過塩素酸2.0mlを混合して反応を停止させた。次いで、反応混合液を10,000×gで10分間遠心分離した後、その上清を回収した。その上清の紫外吸収スペクトルを測定した結果、典型的なトリプトファンの紫外吸収スペクトルが観察された(図3)。 本発明は、水産化学・水産利用学、医学、薬学という種々の分野において利用可能であり、医薬品、栄養補助食品、飼料、生化学試薬の開発に大いに寄与することができる。図1は、ヒトデA.amurensisからの粗酵素液をゲル濾過によって分画したカルボキシペプチダーゼA活性についてのピーク(P1およびP2)を示すグラフである。図2は、図1に示したP2をさらに陰イオン交換クロマトグラフィーによって分画したカルボキシペプチダーゼA活性についてのピーク(P2aおよびP2b)を示すグラフ、および該ピーク画分をSDS−PAGEに供した後にCBB染色したゲルの写真である。図3は、図2に示したP2a画分をカゼインと反応させた後に得られるサンプルの紫外吸収スペクトルを測定した結果を示すグラフである。 カゼインをカルボキシペプチダーゼAと反応させる工程を包含する、L−トリプトファンを製造する方法。 前記カゼインが牛乳由来である、請求項1に記載の方法。 前記カゼインがカゼインκサブユニットである、請求項1に記載の方法。 前記カルボキシペプチダーゼAが非哺乳動物由来である、請求項1に記載の方法。 前記カルボキシペプチダーゼAがヒトデ由来である、請求項1に記載の方法。 カルボキシペプチダーゼAを精製する方法であって、 生物組織または細胞の粗抽出液を抽出する工程;および 該抽出液をさらに精製する工程を包含する、方法。 前記粗抽出液が生物組織または細胞のアセトン粉末から抽出される、請求項6に記載の方法。 前記粗抽出液が、硫酸分画によってさらに精製される、請求項6に記載の方法。 前記抽出液がゲル濾過によってさらに精製される、請求項6に記載の方法。 前記抽出液がイオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製される、請求項6に記載の方法。 ゲル濾過後のサンプルがさらにイオン交換クロマトグラフィーに供される、請求項9に記載の方法。 前記生物組織または細胞が非哺乳動物由来である、請求項6に記載の方法。 前記生物組織または細胞がヒトデ由来である、請求項6に記載の方法。 前記イオン交換クロマトグラフィーが陰イオン交換クロマトグラフィーである、請求項10または11に記載の方法。 【課題】 不利益の少ない天然トリプトファンを安価かつ高純度で提供する。【解決手段】 従来の遺伝子組換え技術を用いた微生物発酵法または化学合成法とは異なる新規なトリプトファン製造方法を用いる。より詳細には、非哺乳動物由来の酵素カルボキシペプチダーゼAを精製し、該酵素とカゼインκサブユニットとを反応させることによって、カゼインκサブユニットC末端に結合しているトリプトファンを遊離させる。【選択図】 なし


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