生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_還流液流路の閉塞防止方法
出願番号:2005079007
年次:2006
IPC分類:C07D 301/14,C07D 303/04


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大前 俊一 白石 重則 田中 峰夫 JP 2006257043 公開特許公報(A) 20060928 2005079007 20050318 還流液流路の閉塞防止方法 住友化学株式会社 000002093 久保山 隆 100093285 中山 亨 100113000 榎本 雅之 100119471 大前 俊一 白石 重則 田中 峰夫 C07D 301/14 20060101AFI20060901BHJP C07D 303/04 20060101ALI20060901BHJP JPC07D301/14C07D303/04 5 1 OL 6 4C048 4C048AA01 4C048BB02 4C048CC01 4C048XX02 本発明は、蒸留塔の還流液流路の閉塞防止方法に関するものである。更に詳しくは、プロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスにおいて、プロピレンオキサイドおよび副生物を含む反応液の精製工程における軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流液流路の閉塞防止方法に関するものである。 化学プラント等においては、各種容器内に不要のポリマーが発生し、これが容器や配管内で固着することにより、連続的な運転の妨げになることがある。このようなこのような汚れの除去方法として、酸、アルカリあるいは界面活性剤等を主成分とする洗浄液等を用いて、固形物を洗浄除去する方法や、高圧水によるジェット洗浄により剥離する方法等が知られている(例えば、特許文献1参照)。 プロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスにおいては、プロピレンオキサイドおよび副生物を含む反応液の精製工程における軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流ドラムや周辺の配管に付着し、配管を閉塞する等の問題があった。しかしこの場合、前記のような洗浄液を用いたり高圧水ジェット洗浄を行うには、固形物の発生箇所をプラント等から切り離す必要が生じ、プラント等の運転に支障が生じることや、固形物の除去後に洗浄液等の後処理を必要とし、後処理に伴うコストが発生して不経済であるという問題があることから、さらに簡便な改良方法が望まれていた。特開2004−074032号公報(第1頁〜第4頁) かかる状況において、本発明は、プロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスの軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流液流路における固形物の生成を抑制し、固形物の洗浄に伴うプラントの停止等を行うことなく、安定的に運転を継続することができ、かつ、経済性にも優れた蒸留塔の還流液流路における閉塞の防止方法を提供することを目的とする。 すなわち、本発明は、プロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスにおいて、プロピレンオキサイドおよび副生物を含む反応液の精製工程における軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流ドラムの温度を30℃以上、かつ、該還流ドラムの圧力で定まるプロピレンオキサイドの沸点以下で制御し、還流液流路における軽沸点化合物に由来するポリマーの生成を抑制することを特徴とする還流液流路の閉塞防止方法に係るものである。前記蒸留塔の還流ドラムの温度を40℃以上で制御する場合、前記ポリマーがホルムアルデヒドの重合により得られる重合物である場合、前記蒸留塔の還流ドラムの温度制御を、還流ドラムの上流にある冷却用の熱交換器に通過させる冷媒の流量を制御することにより行う場合、さらに、前記冷媒が冷却水であるばあいは、より好ましい本発明の形態である。 本発明により、プロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスの軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流液流路における固形物の生成を抑制し、固形物の洗浄に伴うプラントの停止等を行うことなく、安定的に運転を継続することができ、かつ、経済性にも優れた蒸留塔の還流液流路における閉塞の防止方法を提供することが可能になった。 本発明のプロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスにおいては、プロピレンオキサイドおよび副生物を含む反応液の精製工程における軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流液流路すなわち還流ドラムおよびその周辺の配管において軽沸点化合物に由来するポリマーが生成し、固形物として付着配管等を閉塞することがある。 反応液中に含まれる軽沸点成分には,カーボン数3〜5の炭化水素類やホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類がある。かかる軽沸点化合物に由来するポリマーとしては、アルデヒド類、特にホルムアルデヒドの重合物が固形分として還流液の流路に付着し、流路を閉塞することを挙げることができる。 このような重合物の生成を抑制するには、還流ドラムの温度を30℃以上、好ましくは40℃以上であって、かつ、該還流ドラムの圧力によって定まるプロピレンオキサイドの沸点以下に制御することが好ましい。還流ドラムの温度制御の方法としては、還流ドラム上流にある還流流体の冷却に用いられる熱交換器に通過させる冷媒の流量を制御する方法が一例としてあげられる、その冷媒としては、海水、水等を挙げることができる。 本発明の実施態様の一例を示す流れ図(図1)に基づいて、さらに詳しく説明する。軽沸点化合物を除去する工程は、主として蒸留塔100、凝縮器200、還流ドラム300、温度計400および還流ポンプ500より構成されている。反応液1を蒸留塔100に供給して蒸留すると、塔頂より軽沸点化合物を含む塔頂ガス2、塔底よりプロピレンオキサイドを含む塔底液5が留出する。塔頂ガス2は凝縮器200で冷却液4と熱交換されて冷却して凝縮する。凝縮液は還流ドラム300を経由し、還流ポンプ500を介して一定量が抜き出され、残りは再び蒸留塔100へ還流される。還流液の温度は、凝縮器200に通す冷却液の流量を、還流ドラム300に取り付けられた温度計400の指示が一定になるよう調整して制御する。 以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、もとより本発明は、この実施例に限定されるものではない。 実施例1および比較例1 前記の本発明の実施態様の一例を示す流れ図(図1)に示す軽沸点化合物を除去する蒸留塔還流システムにおいて、還流液温度の制御の効果の確認実験を実施した。蒸留塔の還流は、蒸留塔100の塔頂部より抜き出されるガスを凝縮器200で冷却液4として用いた海水と熱交換させることにより、冷却して凝縮させ、凝縮液を貯める還流ドラム300を経由し、ポンプ500を通して一定量を再び蒸留塔100へ還流した。冷却液4としては海水を用い、凝縮器200に通す海水の流量を、還流ドラム300に取り付けられた温度計400の指示が一定になるよう調整することにより、還流ドラムの温度を制御した。比較例として温度制御を行わなかった場合を示した。各々の場合について、還流ポンプ500における析出物の析出状態を、温度制御を行わなかった場合を100として、フィルターの詰まり度合いの相対値で示した。尚、運転中の還流ドラムの圧力は、80〜100kPa(ゲージ圧力)であり、その圧力におけるプロピレンオキサイドの沸点は52〜55℃であった。 上記の結果から次のことが分かる。本発明による還流液を30℃以上になるように温度制御を行った実施例は、還流液中の固形物が少ない。一方、従来の技術である還流液の温度制御を行わなかった比較例は、還流液中の固形物が多い。本発明の実施態様の一例を示す流れ図である。符号の説明1…反応液、2…塔頂ガス、3…還流液、4…冷却液、5…塔底液、100…蒸留塔、200…凝縮器、300…還流ドラム、400…温度計、500…還流ポンププロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスにおいて、プロピレンオキサイドおよび副生物を含む反応液の精製工程における軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流ドラムの温度を30℃以上、かつ、該還流ドラムの圧力によって定まるプロピレンオキサイドの沸点以下で制御し、還流液流路における軽沸点化合物に由来する固形物の生成を抑制することを特徴とする還流液流路の閉塞防止方法。前記蒸留塔の還流ドラムの温度を40℃以上で制御する請求項1記載の還流液流路の閉塞防止方法。前記固形物がホルムアルデヒドの重合により得られる重合物である請求項1または2に記載の還流液流路の閉塞防止方法。前記蒸留塔の還流ドラムの温度制御を、還流ドラムの上流にある冷却用の熱交換器に通過させる冷媒の流量を制御することにより行う請求項1〜3のいずれかに記載の還流液流路の閉塞防止方法。前記冷媒が冷却水である請求項1〜4のいずれかに記載の還流液流路の閉塞防止方法。 【課題】 プロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスの軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流液流路における固形物の生成を抑制し、固形物の洗浄に伴うプラントの停止等を行うことなく、安定的に運転を継続することができ、かつ、経済性にも優れた蒸留塔の還流液流路における閉塞の防止方法を提供する。【解決手段】 プロピレンと有機過酸化物を触媒の存在下に反応させてプロピレンオキサイドを製造するプロセスにおいて、プロピレンオキサイドおよび副生物を含む反応液の精製工程における軽沸点化合物を分離除去する蒸留塔の還流ドラムの温度を30℃以上、かつ、該還流ドラムの圧力で定まるプロピレンオキサイドの沸点以下で制御し、還流液流路における軽沸点化合物に由来するポリマーの生成を抑制することを特徴とする還流液流路の閉塞防止方法。【選択図】 図1


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