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タイトル:公開特許公報(A)_固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法
出願番号:2005050898
年次:2006
IPC分類:C07D 301/14,C07D 303/04,C07B 61/00


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田中 峰夫 大前 俊一 篠原 浩二 JP 2006232753 公開特許公報(A) 20060907 2005050898 20050225 固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法 住友化学株式会社 000002093 久保山 隆 100093285 中山 亨 100113000 榎本 雅之 100119471 田中 峰夫 大前 俊一 篠原 浩二 C07D 301/14 20060101AFI20060811BHJP C07D 303/04 20060101ALI20060811BHJP C07B 61/00 20060101ALN20060811BHJP JPC07D301/14C07D303/04C07B61/00 300 2 1 OL 8 4C048 4H039 4C048AA01 4C048BB02 4C048BC01 4C048CC01 4C048XX02 4H039CA42 4H039CC40 本発明は、固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するに際し、運転中の固体触媒層の圧力損失の上昇を抑制する方法であって、圧力損失の上昇による触媒の破壊、生産量の低減を余儀なくされるといった事態を回避することができるという優れた効果を有する固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法に関するものである。 たとえばチタン含有珪素酸化物などの固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造する方法は公知である(たとえば特許文献1参照。)。 ところが、連続的に運転するに伴い、固体触媒層の圧力損失が上昇し、触媒の圧壊強度を超えて触媒が破壊してしまうといった問題点や、触媒の破壊を回避するために原料の供給流量を抑えて生産量を低減させなければならないといった問題点があった。特開平2−42072号公報 かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するに際し、運転中の固体触媒層の圧力損失の上昇を抑制する方法であって、圧力損失の上昇による触媒の破壊、生産量の低減を余儀なくされるといった事態を回避することができるという優れた効果を有する固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法を提供する点にある。 すなわち、本発明は、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するに際し、該製造に伴って上昇した固体触媒層の圧力損失の上昇を抑制する方法であって、エポキシ化反応器に供給する原料プロピレン又は原料プロピレンと有機過酸化物との混合原料の加熱器へ供給する加熱媒体の流量を一時的に増減させ、原料流体に物理的な状態変化を与える固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法に係るものである。 本発明により、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するに際し、運転中の固体触媒層の圧力損失の上昇を抑制する方法であって、圧力損失の上昇による触媒の破壊、生産量の低減を余儀なくされるといった事態を回避することができるという優れた効果を有する固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法を提供することができる。 本発明においては、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造する。 固体触媒としては、目的物を高収率に得る観点から、チタン含有珪素酸化物触媒が用いられる。これらの触媒は、珪素酸化物と化学的に結合したチタンを含有する、いわゆるチタン−シリカ触媒が好ましい。たとえば、チタン化合物をシリカ担体に担持したもの、共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合したもの、あるいはチタンを含むゼオライト化合物などをあげることができる。 有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、エチルベンゼンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等をあげることができる。 本発明の具体例としては、チタン含有珪素酸化物触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造する方法をあげることができる。反応は、溶媒を用いて液相中で実施される。溶媒は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用される有機過酸化物溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえば、クメンハイドロパーオキサイドがその原料であるクメンとからなる混合物である場合や、エチルベンゼンハイドロパーオキサイドがその原料であるエチルベンゼンとからなる混合物である場合や、tert−ブチルハイドロパーオキサイドがその原料であるイソブタンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。 エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。一般に圧力は0.1〜10MPaであることが有利である。 エポキシ化反応器へ供給されるプロピレン/有機過酸化物のモル比は2/1〜50/1であることが好ましい。該比が過小であると反応速度が低下して効率が悪く、一方該比が過大であると過剰量の未反応プロピレンをリサイクルするためにエポキシ化反応溶液中から分離・回収する工程において多大なエネルギーを必要とする。 エポキシ化反応後の混合溶液中に含まれる未反応のプロピレンは分離・回収されてエポキシ化反応器へリサイクルされる。未反応のプロピレンを分離・回収する方法として蒸留を用いることができる。蒸留は通常反応液の中からプロピレンが気化しやすい条件を用いる。蒸留の条件としては、蒸留工程に供給される反応液の温度や組成によっても変化するが、通常、圧力はゲージ圧で0〜5MPa、好ましくは0〜3MPa、塔頂温度−50〜150℃、塔底温度50〜200℃、好ましくは80〜200℃をあげることができる。また、複数の蒸留塔を用いて段階的にプロピレンを蒸留する方法を用いてもよい。 この様にして回収された未反応のプロピレンは、新たに供給されるプロピレンと混合されてエポキシ化反応器へ供給することができる。 本発明の固定床連続法における反応混合物の液線速は、混合物の組成や固体触媒の粒子サイズによって適切な値は変わるが、一般に0.1〜3cm/secであることが好ましい。 エポキシ化反応器に供給される有機過酸化物は、対応する炭化水素化合物の酸化により合成される。該酸化反応の過程において発生する有機酸はエポキシ化触媒の触媒毒としても働く。そこで、エポキシ化反応器に供給される有機過酸化物は、含有する有機酸を除去する観点から該酸化反応中又は該酸化反応後においてアルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触されることが好ましい。アルカリ金属を含有する化合物としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等を例示でき、これら化合物のいずれか又はこれらの混合水溶液を用いることができる。水溶液中のアルカリ金属の濃度としては0.05〜10重量%であることが好ましい。該濃度が過小であると有機酸の除去効果が不十分となる場合があり、一方該濃度が過大であると生成した有機過酸化物の分解反応が促進されて収率が低下する場合がある。アルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触後は、通常油相/水相に分離され、油相中に残存するアルカリ金属を含有する化合物を除去するために水と接触され、更に油相/水相に分離される。必要であればこの操作は繰り返される。 水相と分離した後の油相には微量の水が含有されていることが多い。この水はエポキシ化触媒の収率を低下させるとともに触媒毒としても働くので、できる限り取り除いておくことが好ましい。水を取り除く方法としては、コアレッサ−等の分離膜を用いて除去する方法、反応により消費して除去する方法、蒸留により除去する方法等を挙げることができるが、工業的観点から蒸留を用いて除去することが好ましい。この様にして得られた有機過酸化物を含有する溶液はエポキシ化反応器に供給される。 ところが、エポキシ化反応器に供給される有機過酸化物がアルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触したものである場合、エポキシ化反応器の固体触媒層の圧力損失が増加するという問題が発生する。また、エポキシ化反応器に供給されるプロピレンがエポキシ化反応後の未反応プロピレンを含有したものである場合にも、エポキシ化反応器の固体触媒層の圧力損失が増加するという問題が発生する。さらにエポキシ化反応器に供給される有機過酸化物がアルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触したものであって、またエポキシ化反応器に供給されるプロピレンがエポキシ化反応後の未反応プロピレンを含有したものである場合、エポキシ化反応器の固体触媒層の圧力損失の増加が特に著しいという問題が発生する。 本発明は、エポキシ化反応器に供給する原料プロピレン又は原料プロピレンと有機過酸化物との混合原料の加熱器へ供給する加熱媒体の流量を一時的に増減させ、原料流体に物理的な状態変化を与えることにより、固体触媒層の圧力損失の上昇を抑制する。 加熱器としては、多管式の熱交換器等を用いることができる。 加熱媒体としては、水蒸気や加熱することが可能な熱量を持ったプロセス流体等を用いることができる。 加熱器へ供給する加熱媒体の流量を一時的に増減させるとは、具体的には次の操作を指す。加熱器への過熱媒体投入経路中に設置した弁の開度を増加させる場合や、またその逆に減少させる場合、あるいは、一度増加させた後に続けて減少させる場合や、増加と減少を繰り返すといった操作である。 本発明においては、加熱媒体の流量を通常時の0〜200%の間で増減させることが好ましい。 増加させる場合について、増加率及び増加して維持する時間は、システムに依存するので、若干の試行錯誤によりシステム毎の最適値を定めればよい。通常は、加熱媒体の流量を通常時の100〜200%に増加し、その後0%へ減少させ、100%へ戻すといった操作をすることが多い。 加熱媒体の流量を一時的に増減させ、原料流体に物理的な状態変化を与える。ここで「物理的な状態変化」とは、反応器へ供給される原料流体の温度、圧力、流量などの状態の変化を指す。また、原料流体に物理的な状態変化が発生していることは、原料供給経路中および反応器自体に設置した計器の指示変化を監視することにより計測・判断する。 実施例1 図1に示すフローを用いた。 チタン含有珪素酸化物触媒を充填したエポキシ化反応器にクメンハイドロパーオキサイドとプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造した。溶媒としてはクメンを用いた。エポキシ化反応温度は約70℃とし、圧力は約6.5MPaとした。エポキシ化反応器へ供給されるプロピレン/有機過酸化物のモル比は、8/1とした。 エポキシ化反応後の混合溶液中に含まれる未反応のプロピレンは分離・回収されてエポキシ化反応器へリサイクルした。回収された未反応のプロピレンは、新たに供給されるプロピレンと混合しエポキシ化反応器へ供給した。 反応混合物の液線速は1.0cm/secとした。 本発明に従い、エポキシ化反応器に供給する原料プロピレンの加熱器へ供給する加熱媒体の流量を一時的に増減させ、原料流体に物理的な状態変化を与えることにより、固体触媒層の圧力損失の上昇を抑制した。加熱器としては多管式熱交換器を用いた。加熱媒体としては、水蒸気を用いた。加熱器への加熱媒体投入経路に設置した調節弁の開度を増減することにより加熱器へ供給する加熱媒体の流量を一時的に増減させた。 過熱媒体供給経路中に設置した調節弁の開度を速やかに増加し、数分間保持した後、速やかに開度をゼロとし、その後、元の開度状態へ戻した。本操作により、反応器への供給混合原料の温度、圧力、および流量が変化し、その結果、40〜50KPaの反応器触媒層の圧力損失低減効果を得た。 原料流体に物理的な状態変化を与えたことは、原料供給経路中および反応器自体に設置した計器の指示変化を監視することにより計測・判断した。 結果を図2に示した。 比較例1 該圧力損失上昇の抑制操作を実施しなかった場合の結果を図3に示した。圧力損失の顕著な上昇が観測される。 実施例2 比較例1に引き続き、圧力損失上昇の抑制操作を実施した。その結果、圧力損失の上昇が抑制された。結果を。図4に示した。実施例1のフローの概略を示す図である。実施例1の結果を示す図である。比較例1の結果を示す図である。実施例2の結果を示す図である。固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するに際し、該製造に伴って上昇した固体触媒層の圧力損失の上昇を抑制する方法であって、エポキシ化反応器に供給する原料プロピレン又は原料プロピレンと有機過酸化物との混合原料の加熱器へ供給する加熱媒体の流量を一時的に増減させ、原料流体に物理的な状態変化を与える固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法。加熱媒体の流量を通常時の0〜200%の間で増減させる請求項1記載の方法。 【課題】 固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するに際し、運転中の固体触媒層の圧力損失の上昇を抑制する方法であって、圧力損失の上昇による触媒の破壊、生産量の低減を余儀なくされるといった事態を回避することができるという優れた効果を有する固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法を提供する。【解決手段】 エポキシ化反応器に供給する原料プロピレン又は原料プロピレンと有機過酸化物との混合原料の加熱器へ供給する加熱媒体の流量を一時的に増減させ、原料流体に物理的な状態変化を与える固体触媒層の圧力損失の上昇の抑制方法。【選択図】 図1


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