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タイトル:公開特許公報(A)_オキシジフタル酸無水物の製造方法
出願番号:2005028190
年次:2006
IPC分類:C07D 307/89


特許情報キャッシュ

長山 和弘 横山 壽治 JP 2006213646 公開特許公報(A) 20060817 2005028190 20050203 オキシジフタル酸無水物の製造方法 三菱化学株式会社 000005968 長谷川 曉司 100103997 長山 和弘 横山 壽治 C07D 307/89 20060101AFI20060721BHJP JPC07D307/89 Z 3 OL 13 4C037 4C037RA11 本発明は、オキシジフタル酸無水物の製造方法に関する。詳しくは、精製工程において、オキシジフタル酸無水物の分解によるヒドロキシフタル酸類の副生を極限まで低減させることができ、且つ精製時における目的物の分解を抑制して高収率でオキシジフタル酸無水物を製造することができる方法に関するものである。 オキシジフタル酸無水物は、ポリイミド樹脂に透明性・溶剤可溶性・熱可塑性を付与する原料モノマーとして、成型用途あるいは電子材料用途に広く用いられている。 オキシジフタル酸無水物の工業的に有利な製造方法としては、芳香環上の水素原子がハロゲン原子あるいはニトロ基で置換された無水フタル酸二分子を、化学量論量の炭酸塩によりカップリングすることにより製造する方法(特許文献1〜3参照)、あるいは、上述の置換無水フタル酸と、化学量論量の置換フタル酸二アルカリ金属塩を原料として製造する方法(特許文献4参照)が開示されている。以上の製造法においては、炭酸塩あるいは置換フタル酸塩が反応溶媒に不溶であるため、これらを可溶化して所期の反応を進行させる目的で、臭化テトラフェニルホスホニウムあるいはヨウ化トリエチルスルホニウムのような耐熱性を有するリンやイオウのオニウム塩が相間移動触媒として好んで添加される。 ところで、これらの反応により回収される未精製のオキシジフタル酸無水物には、未反応の反応原料、オルト−ジクロロベンゼンあるいはトリクロロベンゼンのような高沸点の反応溶媒、相間移動触媒を含むイオン性物質や未同定の反応副生成物あるいは着色物質が不純物として含まれている。さらに、反応原料として用いる置換フタル酸類の純度が低い場合には、これに由来する不純物、たとえば無置換のフタル酸類(無水物やカルボン酸塩を含む)、置換位置の異なるモノ置換フタル酸類、多置換のフタル酸類およびこれらの反応副生物、さらには、製造工程で発生または混入する異物が含まれることになる。これら不純物の存在は、オキシジフタル酸無水物をポリイミドに変換する際に重合反応を阻害するばかりでなく、得られるポリイミドに期待される性質である透明性、機械的あるいは電気的特性を著しく損なう。このため、これら不純物は予め可能な限り除去され、オキシジフタル酸無水物を高純度化することが必須である。特に、ポリイミドが電子材料用途に供される場合には、その電気的特性である絶縁性、耐腐蝕性を長期にわたり保証することが要求されるため、原料モノマー中に含まれるイオン性不純物は、ハロゲン化物イオン、アルカリ金属カチオンの他、相間移動触媒であるテトラフェニルホスホニウム塩などに由来するリンまたはイオウ濃度でさえも、極限まで低減させる必要がある。このうち、テトラフェニルホスホニウム塩は水、有機溶剤双方に親和性があるので特に分離が困難である。しかし、上述の文献には、反応後のオキシジフタル酸無水物の精製方法として、酢酸で洗浄するとしか開示されておらず、この方法によってはこれら不純物の残留を抑制するのに十分ではない。 オキシジフタル酸とその無水物を含むテトラカルボン酸の精製方法に関しては、活性炭やイオン交換樹脂などの吸着剤を使用して脱色・精製する方法がある。これらは高価であること、および吸着剤を再使用あるいは廃棄するために特別の処理が必要となり効率が悪い。 そこで、オキシジフタル酸無水物の精製法として、上述の公知方法により得られた不純なオキシジフタル酸無水物を、プロピオン酸あるいは酪酸水溶液を用いて加水分解してテトラカルボン酸としたのち、加熱することにより閉環し再び酸二無水物とすることによって精製する方法が開示されている。(特許文献5) この方法によると、例えばリンを約45ppm含む粗オキシジフタル酸無水物を精製することにより、リンの濃度を検出限界である8.5ppm以下にすることができるとされている。しかし、粗オキシジフタル酸無水物を、例えば特許文献1記載の方法により4−クロロフタル酸無水物から短時間かつ高収率で効率良く製造するためには、比較的多量の相間移動触媒あるいは助触媒を添加しなければならず、ホスホニウム塩触媒を使用した場合には、必然的に粗オキシジフタル酸無水物中のリン濃度は数十ないし数千ppmにまで増大することになる。このとき、同一の実験操作でリン濃度を8.5ppm以下とするには、洗浄回数および/又は洗浄溶媒の量を増やす必要が生じるために、結果としてオキシジフタル酸無水物の回収率が低下するか、あるいは処理すべき洗浄廃液量が増加することになる。加えて、本特許で開示されているリン濃度の検出限界が8.5ppm以下では電子材料として用いるための信頼性としては不十分であること、さらに、加水分解−再脱水工程を経るため多工程を要していること、プロピオン酸及び酪酸は悪臭物質であること、などを考慮すると、この方法は工業上有利な手法とは言えない。特許第2697886号公報特許第3056539号公報特許第3204641号公報国際公開98/27047号パンフレット特公平7−98774号公報 本発明の目的は、工業的に有利且つ平易な方法によりオキシジフタル酸無水物を高純度に精製可能であり、且つ精製時の目的物の分解を抑制して高収率でオキシジフタル酸無水物を回収することのできる方法を提供することにある。 本発明者らは、粗オキシジフタル酸無水物中に含まれるイオン性物質の含有量を低減させる方法について検討した結果、昇華精製によりリン原子、イオウ原子または窒素原子等を含むオニウム塩の含有量を効率的に低減させることができることに知見したが、同時に該精製工程においてオキシジフタル酸無水物の分解反応が併発し、収率を低下させることを見出した。これは、目的物の一部が分解して、凝結回収物中に分解生成物であるヒドロキシフタル酸類が含まれてしまうことによることが指摘される。この現象により、オキシジフタル酸無水物の回収率が低下するだけでなく、釜残物の粘度及び着色が著しく増大して、オキシジフタル酸無水物の気化効率を低下させる。さらに、場合により気化時のミストが凝結物に付着して着色をもたらすことがある。 このため、このような分解反応を抑制するための方法につき鋭意検討した結果、粗原料中に含まれる塩基性化合物が本分解反応の原因物質のひとつであることを突き止めた。そこで、粗オキシジフタル酸無水物を昇華精製する工程に先立ち、酸性物質と接触させて中和することにより、気化工程におけるオキシジフタル酸無水物の分解を抑制することができ、その結果、精製オキシジフタル酸無水物の収率を大きく改善することができることを見出し、本発明を完成した。 即ち本発明の要旨は、下記式(1)で表される置換フタル酸無水物と下記式(2)で表される置換フタル酸塩および/または炭酸塩との反応により得られる粗オキシジフタル酸無水物を酸と接触させた後、該接触処理後の粗オキシジフタル酸無水物を蒸発揮発させ、次いでその揮発した蒸気を凝結して回収することを特徴とする精製オキシジフタル酸無水物の製造方法、に存する。(式(1)中、Yはハロゲン原子またはニトロ基を表す。)(式(2)中、Yはハロゲン原子またはニトロ基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属原子を表す。) 本発明の製造方法によれば、工業的に有利な方法でオキシジフタル酸無水物中に存在する着色成分や異物等の不純物、特にリン原子の量を極限まで低減させることができ、且つ目的物を高収率で得ることができる。この方法により得られる高純度オキシジフタル酸無水物を原料とするポリイミドは着色が少なく、電気的特性及び機械的特性に優れたものとなる。 <粗オキシジフタル酸無水物の調製> 本発明で使用される粗オキシジフタル酸無水物は、下記式(1)で表される置換フタル酸無水物と、下記式(2)で表される置換フタル酸塩及び/または炭酸塩とを反応させることにより製造できる。(式(1)中、Yはハロゲン原子またはニトロ基を表す。)(式(2)中、Yはハロゲン原子またはニトロ基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属原子を表す。) <置換フタル酸無水物> 用いられる置換フタル酸無水物は、上記式(1)で表されるものである。ここで、YはF,Cl,Br,I等のハロゲン原子またはニトロ基のいずれかを表し、複数種を併用してもよい。好ましいYは、反応性が十分に高いことと、製造が容易である点で、ClまたはBrである。 <置換フタル酸塩> 用いられる置換フタル酸塩は、式(2)で表されるものである。ここで、YはF,Cl,Br,I等のハロゲン原子またはニトロ基のいずれかを表し、MはLi,Na,K,Cs,Rb,Mg,Caのいずれかを表し、これらは複数種を併用してもよい。好ましいYは、反応性が十分に高いことと、製造が容易である点で、ClまたはBrであり、好ましいMは反応性と入手の容易さからKまたはNaである。これらの置換フタル酸塩は一般的に吸湿性を有し、これに含まれる微量の水分が反応に影響するため、事前に充分乾燥することが必要である。反応に供する置換フタル酸塩に含まれる水分量は0.2重量%以下であることが好ましい。置換フタル酸塩は固体であるので、反応を効率よく実施するためには良く粉砕して用いることが必要である。好ましくは、孔眼寸法1mm以下のふるいを通過する粉体として使用する。本反応に用いられる置換フタル酸塩の量は、置換フタル酸無水物に対して物質量比(モル比)で下限が通常0.1当量以上、好ましくは0.5当量以上、より好ましくは0.8当量以上であり、上限が通常5当量以下、好ましくは2当量以下、より好ましくは1.2当量以下である。 <炭酸塩> 本反応において用いられる炭酸塩は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムであり、反応性と入手容易性の観点から、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウムがより好ましい。 炭酸塩の使用量は置換フタル酸無水物に対して物質量比(モル比)で下限が通常0.05当量以上、好ましくは0.25当量以上、より好ましくは0.4当量以上、上限が通常2.5当量以下、好ましくは1当量以下、より好ましくは0.6当量以下である。 <反応触媒> 本反応では触媒を使用することが好ましい。触媒としては相関移動触媒として知られるホスホニウム塩、ピリジニウム塩を含むアンモニウム塩あるいはスルホニウム塩が好適に用いられる。オニウム塩としては、ホスホニウム塩あるいはアンモニウム塩の場合には、 R1R2R3R4QZ (3)(式(3)中、Qは窒素原子またはリン原子を表す。)で表され、スルホニウム塩の場合は、 R1R2R3SZ (4)で表される。 式(3)及び(4)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、クロチル基、フェニルエテニル基等のアルケニル基、エチニル基等のアルキニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ピリジル基、フリル基等の複素環基であり、R1、R2、R3およびR4の各炭素数は通常20以下、好ましくは、10以下である。これらは置換基を有していてもよく、具体的な置換基としては、メチル基、エチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基が挙げられる。 R1、R2、R3およびR4は同一でも異なっていてもよく、またそのうちの1個ないし3個が水素原子でもよい。 ZはF、Cl、Br、I等のハロゲン原子を表し、なかでもClまたはBrが好ましい。 これらのうちではホスホニウム塩が触媒の熱安定性から好ましく、具体的には臭化テトラフェニルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウムがより好ましく用いられる。 触媒の使用量は原料の置換フタル酸無水物の重量に対して下限が通常0.01%以上、好ましくは0.1%以上であり、上限が通常20%以下、好ましくは15%以下の範囲で使用する。 <反応溶媒> 本反応は無溶媒条件下でも実施可能である。しかし、反応混合物の粘度を下げ、充分な撹拌効率で安定に反応を実施するには、溶媒の使用が好ましい。用いられる溶媒の種類は、反応条件下で本質的に不活性であり、かつ充分に高沸点を有するものでなければならない。溶媒の沸点は常圧下で120℃以上、好ましくは150℃以上である必要がある。これに合致する溶媒としては、ジクロロベンゼン類、トリクロロベンゼン類、ジクロロトルエン類などの塩化芳香族化合物の他、ベンゾニトリル、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどがあげられる。好ましい溶媒はジクロロベンゼン類、ジクロロトルエン類またはトリクロロベンゼン類である。溶媒の使用量は置換フタル酸無水物に対し、下限が通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、上限が通常500重量%以下、好ましくは200重量%以下の比率で用いられる。 <反応方法> 反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下の範囲で実施される。反応は通常大気圧下で実施されるが、減圧、あるいは加圧条件下に実施してもよい。 反応は空気雰囲気下でも実施可能であるが、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気で実施されることがより好ましい。反応時間は好ましくは0.5時間以上24時間以下である。より長時間の反応ではヒドロキシフタル酸類や置換安息香酸類などの副生物が生成する傾向がある。反応は、通常、反応原料を適切に撹拌しながら所定の反応温度に加熱することにより開始される。反応終了後は公知の方法に従い、反応混合物を熱時ろ過して不溶成分を除去した後冷却することにより粗オキシジフタル酸無水物を析出させて回収する。熱時ろ過時に反応混合物の粘度が高い場合には、反応で使用した溶媒で希釈した後に熱時ろ過を実施することもできる。 <オキシジフタル酸無水物の異性体> オキシジフタル酸無水物はエーテル結合の位置の違いにより、3,3’−体、3,4’−体、4,4’−体の3種類の異性体が存在する。これらは反応原料として用いる置換フタル酸類の置換基位置に由来するため、目的とする位置異性体を生成するような置換位置の置換フタル酸原料を使用して粗オキシジフタル酸無水物は調製されるべきである。しかし、本願特許における精製技術はこれらの異性体が純粋に単一な組成の場合あるいは複数の異性体の混合物の場合のいずれについても適用できる。 <粗オキシジフタル酸無水物と酸との接触処理> 粗オキシジフタル酸無水物には、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンのような反応溶媒、あるいは置換フタル酸無水物のような昇華性を有する不純物の他、後段の気化工程でオキシジフタル酸無水物の分解を引き起こす塩基性化合物が含まれる。反応溶媒あるいは昇華性不純物は、オキシジフタル酸無水物が揮発しない圧力と温度下で蒸発あるいは昇華させることにより除去されるか、あるいは、粗オキシジフタル酸無水物を他の低沸点有機溶媒を用いて洗浄することによっても除去は可能である。 一方、塩基性化合物に対しては、これを除去あるいは中和することにより、後述する昇華精製における気化工程でのオキシジフタル酸の分解を抑止することができる。本発明においては、前記の反応により得られる粗オキシジフタル酸無水物を酸と接触させることにより中和する。 粗オキシジフタル酸無水物中に含まれる塩基性化合物は、オキシジフタル酸無水物製造時に原料として用いている置換フタル酸類のカルボン酸塩として含有されていると考えられる。これらは反応途中で容易に他の酸無水物と交換反応を起こすことができるために、フタル酸塩類の形態としては、オキシジフタル酸一無水物二カルボン酸塩、フタル酸二カルボン酸塩、クロロフタル酸二カルボン酸塩、ヒドロキシフタル酸二カルボン酸塩などの多種にわたる。しかし、これら複数種の塩基性不純物を正確に定量することは難しい。そこで、粗オキシジフタル酸無水物中に同時に含まれている対イオンである陽イオン種、並びに、塩化物イオンあるいは臭化物イオンの如きフタル酸塩類以外の陰イオン種を定量し、それらの差を計算することにより、フタル酸塩類の濃度を求めることができる。このとき、陽イオン種は、オキシジフタル酸無水物製造時に使用される、テトラフェニルホスホニウム塩のような相間移動触媒と炭酸塩及び/又は置換フタル酸塩の対陽イオンであるカリウム、ナトリウムイオンが主であり、他の陽イオン物質はこれらに比べて微量であるために無視しうる。以上の手法により計算される粗オキシジフタル酸無水物中のフタル酸塩類の含量は、十分少なければ本酸処理を必要とせず、また十分多ければ、酸処理以外の分離方法を検討すべきである。そこで、フタル酸塩類の含量は、カルボキシル陰イオン基(COO、式量44.01)の重量ppmとして表現された場合において、下限は通常50ppm以上、好ましくは100ppm以上、より好ましくは300ppm以上、更に好ましくは500ppm以上であり、上限は通常50000ppm以下、好ましくは20000ppm以下、より好ましくは10000ppm以下である。 添加される酸は、フタル酸塩を中和するために十分な強い酸性度を有する酸である必要があるのが好ましい。ただし、中和反応は平衡反応であるため、より弱い酸であっても大過剰用いることにより所期の中和を達成できる。すなわち、酸の強さの指標である水中、25℃におけるpKaの値が5以下の酸が好ましい。このうちpKa値が5〜3.5の範囲にある酸については、粗オキシジフタル酸無水物中に含まれるフタル酸塩類のカルボキシル陰イオン基のモル数に対して、下限が好ましくは1当量以上より好ましくは10当量以上使用される。上限はとくに定めないが、好ましくは処理される粗オキシジフタル酸無水物の重量の10倍量以下使用する。 また、pKa値が3.5以下である酸については、その使用量が粗オキシジフタル酸無水物中に含まれるフタル酸塩類のカルボキシル陰イオン基のモル数に対して、下限が好ましくは0.5当量以上、より好ましくは1当量以上使用され、上限が1000当量以下である。これらの酸が示す水中における標準条件でのpKaの値は、化学便覧などの公知文献により容易に知ることができる。酸の種類は無機酸あるいは有機酸いずれであっても良く、これらを組み合わせて使用しても良い。無機酸の例としては、塩酸(塩化水素酸)、臭化水素酸、硝酸、亜硝酸、過塩素酸、などの一塩基酸類、硫酸、亜硫酸、リン酸水素ジナトリウムなどの二塩基酸類、リン酸、ポリリン酸などの多塩基酸類の他、硫酸アンモニウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウムなどの酸性塩類、ゼオライト類、タングステン酸などのポリ酸あるいはヘテロポリ酸類等の固体酸類やナフィオンの如きイオン交換樹脂類などがあげられる。多塩基酸は一部の酸残基を有機基と結合させて、モノアルキルリン酸塩のごときエステルとしたものも使用できる。これらの中でも、酸性度がより高いものであり、かつ、精製物を汚染するハロゲンを含まず、後段の減圧加熱処理工程において気化あるいは分解しにくい酸である硝酸、二塩基酸類、酸性塩類あるいは酸性のイオン交換樹脂が好ましく、硝酸、硫酸、リン酸、硫酸水素塩が経済性の観点から最も好ましい。 有機酸の例としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、オクタン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸などの炭素数1〜30の脂肪族カルボン酸類、安息香酸、クロロ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、ニコチン酸などの炭素数1〜40の芳香族カルボン酸類、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの炭素数1〜30の有機基で置換された有機スルホン酸類などが挙げられる。以上すべての有機基には、炭素−炭素不飽和結合などが含まれていても良く、炭素骨格の一部が酸素、窒素、イオウ、リンなどのヘテロ原子により置換されていても良い。さらに、これら有機基は適当な置換基により置換されても良い。 これらの中でも、酸性度が高いものであり、かつ、後段の減圧加熱処理工程において気化しにくいか、あるいは、気化しても沸点が低く、容易に除去できる酸が好ましい。これらを満たす有機酸としては炭素数1〜15の脂肪族カルボン酸、炭素数1〜20の芳香族カルボン酸類、炭素数1〜20の有機スルホン酸類が挙げられる。さらに、これらの中でも、処理条件下で液体とすることができ、溶媒としても扱うことのできる脂肪族カルボン酸類と、酸性度がより高い有機スルホン酸類がより好ましく、具体的には、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、およびメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸が経済性の観点から最も好ましい。 酸の添加方法としては、酸が液体である場合には、粗オキシジフタル酸無水物に対して液体のままあるいは溶液として添加できるが、常温において固体あるいは気体の酸の場合には、適切な有機溶媒に溶解または分散して添加されるべきである。この場合に用いる有機溶媒は、処理温度で酸と共存しても安定な種類であることが好ましい。特に、トルエン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機エステル類の他、酢酸、ジブチルエーテルなどが好適に用いられる。粗オキシジフタル酸無水物は全量溶解させる必要はなく、懸濁状態でも実施できる。 酸との接触処理は室温ないし使用する酸あるいは溶液の還流温度で実施しうるが、処理効率を高めるためには還流温度において0.5〜3時間加熱撹拌することが好ましい。使用する溶媒に対するオキシジフタル酸無水物の溶解性が低い場合には、室温以下の温度まで冷却した後、ろ過することにより残留溶媒が除去された粗オキシジフタル酸無水物を回収できる。また、酸及び/又は溶媒を減圧除去して酸処理された粗オキシジフタル酸無水物を固体で回収してもよい。 なお、酸との接触処理は、反応工程から粗オキシジフタル酸無水物を回収する際に、ジクロロベンゼン等の反応に用いた溶媒の熱時ろ過後に酸を添加することによっても実施し得る。 <減圧加熱処理> 本発明の対象とする粗オキシジフタル酸無水物は、不純物として、主にオルト−ジクロロベンゼンあるいはトリクロロベンゼンのような高沸点の反応溶媒を0.1〜25重量%程度含有する他、未反応の原料であるモノ置換フタル酸類(無水物やモノ/ジカルボン酸塩を含む)、反応中間体であるヒドロキシフタル酸類、ホスホニウム塩のような相間移動触媒を含むイオン性物質や未同定の反応副生成物あるいは着色物質を合わせて0.1〜25重量%程度不純物として含む。さらに、反応原料として用いる置換フタル酸類の純度が低い場合には、これに由来する不純物、たとえば無置換のフタル酸類(無水物やモノ/ジカルボン酸塩を含む)、置換位置の異なるモノ置換フタル酸類、多置換のフタル酸類およびこれらの反応副生物等を含有する。 この処理に供される粗オキシジフタル酸無水物の純度は高いほど好ましいが、より好ましくは98重量%以下であり、下限は通常50重量%以上、好ましくは75重量%以上である。 本願特許におけるオキシジフタル酸無水物の純度は、オキシジフタル酸無水物と、主要な不純物であるヒドロキシフタル酸無水物、フタル酸無水物、クロロフタル酸無水物および残留溶媒の各重量から算出される。 不純物の中でも最も分離が難しい相間移動触媒であるオニウム塩由来のリン、窒素、イオウの如きヘテロ原子も粗オキシジフタル酸無水物に含まれ、たとえばリン原子は、通常10ppm以上5000ppm以下の範囲で含有される。好ましい含有量は10ppm以上2000ppm以下である。 この粗オキシジフタル酸無水物を4000Pa以下の減圧下、150℃以上300℃以下の温度に加温して揮発させ、続いて揮発した蒸気を適当な温度に冷却して揮発物質を凝縮固化して回収する。本工程により不揮発性のイオン性不純物および着色性の高沸点反応副生物が分離され、回収物質中のイオン性物質は少なくとも5ppm以下、好ましくは3ppm以下まで除去される。 減圧及び/または加熱温度が不十分の場合にはオキシジフタル酸無水物の揮発が効率よく行われなくなる。しかし温度が高すぎる場合には不純物の影響などによるオキシジフタル酸無水物の分解が起こるため、減圧度が3000Pa以下、加熱温度が175℃以上250℃以下で実施するのが好ましい。なお、オキシジフタル酸無水物の揮発が固体または溶融液から起こるかは、用いるオキシジフタル酸無水物の異性体や不純物の含有状況によっても異なる。例えば、4,4’−オキシジフタル酸無水物の融点は220℃前後であるため、加熱温度がこれよりも低い場合には固体から昇華して揮発することになるし、これよりも高い場合には溶融液から揮発することになる。揮発物質の冷却温度は通常100℃以下、好ましくは50℃以下である。冷却方法はさまざまな方法を用いることができるが、通常は、オキシジフタル酸無水物を減圧加熱して揮発させる装置内の気相部の適当な空間に設置された冷却部分に析出固化させる。 <後洗浄処理> 先の工程において精製されたオキシジフタル酸無水物中には、原料である粗オキシジフタル酸無水物中に含まれる揮発性のフタル酸無水物類が微量含まれることがある。さらに、不純物の種類や含有量、減圧加熱の条件によりオキシジフタル酸無水物が揮発時に一部分解してヒドロキシフタル酸無水物類が含まれる場合がある。これらは、フタル酸無水物類のみが揮発し、オキシジフタル酸無水物は揮発しないような条件で、昇華あるいは蒸留分離することが可能であるし、有機溶媒を用いる洗浄による除去も可能である。後者の場合に使用される有機溶媒は、その沸点が好ましくは常圧下で200℃以下、より好ましくは150℃以下であり、フタル酸類をよく溶解するが、オキシジフタル酸無水物の溶解性は乏しい種類のものが使用される。好ましい種類の溶媒としては、酢酸、ギ酸、プロピオン酸などの有機カルボン酸、ギ酸エチル、酢酸エチル、炭酸ジメチルなどのエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどのエーテル類などが挙げられるが、より好ましくは酢酸、酢酸エチルである。有機溶媒の使用量は回収されたオキシジフタル酸無水物の重量に対して下限が通常0.1倍以上、好ましくは0.5倍以上、上限が通常20倍以下、好ましくは10倍以下の範囲で使用される。オキシジフタル酸無水物は全量溶解させる必要はなく、懸濁状態で実施される。洗浄は室温ないし使用溶媒の還流温度で実施しうるが、洗浄効率を高めるためには還流温度において0.5−3時間加熱撹拌することが好ましい。室温以下の温度まで冷却後、ろ過することにより不純物が除去されたオキシジフタル酸無水物を回収できる。 <精製後のオキシジフタル酸無水物> 以上の処理により、気化工程におけるオキシジフタル酸無水物の分解を抑制し、結果としてオキシジフタル酸無水物の回収率が向上する。さらに、本法により得られるオキシジフタル酸無水物は重合したときの着色成分が極めて少なく、光透過性に優れたものである。 本発明の製造方法により得られるオキシジフタル酸無水物は、より短い工程で効率よく精製され、これを原料としたポリイミドは着色が少ないだけでなく、耐熱性、絶縁性、機械特性あるいは接着性に優れるために、半導体素子表面の保護膜や高密度実装基板用絶縁膜などの電子材料用途に好適に用いられる。 以下に実施例により本発明につきさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。 <純度の決定方法> 実施例におけるオキシジフタル酸無水物の純度は以下の手法により求めることができる。 残留溶媒の量は通常の1H−NMR分析法における積分値により決定する。オキシジフタル酸と、主要な不純物であるヒドロキシフタル酸、フタル酸、クロロフタル酸との存在比の分析は、常法の逆相クロマトグラフ法に従い、アセトニトリル水溶液に緩衝剤を加えた溶液を移動相として、254nmのUV検出器を用いて検量線法で存在比を決定した。液体クロマトグラフ分析システムは島津製作所製(SCL−10A/LC−10A/DGU−4/CTO−6A/SPD−10AV)を用いた。 カリウム、ナトリウムは公知の手法に従い、試料を湿式分解した後、原子吸光分析装置(Varian社製SpectraAA 220)あるいは誘導結合プラズマ発光分析装置(JovinYvon製JY38S)で定量した。塩化物イオン、臭化物イオンは、試料を酢酸エチルに溶解させた後水で液液抽出を行い、水層をイオンクロマトグラフ装置(DIONEX社製DX500、カラムAS12A)で定量した。リン分析は公知の手法に従い、ケルダールフラスコを用いた湿式分解法で分解し、測定溶液を得た後、誘導結合プラズマ発光分析装置(JovinYvon製JY38S)を用いて、検量線法で定量した。 合成例1(粗オキシジフタル酸無水物の合成) 純度88.3mol%の4−クロロフタル酸無水物(不純物として、フタル酸無水物9.3mol%、4,5−ジクロロフタル酸2.4mol%を含む)16.01g、純度88.3%の4−クロロフタル酸二カリウム(不純物として、フタル酸無水物9.3mol%、4,5−ジクロロフタル酸2.4mol%を含む)20.58g、臭化テトラフェニルホスホニウム(東京化成社製)1.0g(2.4mmol)、オルト−ジクロロベンゼン(関東化学製)18.0gを、還流器と機械式かきまぜ機が接続された内容積約200mlのガラス製反応器に室温で入れ、内部を窒素ガスでパージした。次に反応器内を激しく撹拌しつつ内部温度を約198℃になるまで加温した後10時間反応した。この後室温で静置した後、再び約198℃に加温してさらに8時間撹拌した。さらにこの0後室温で静置した後、再び約198℃に加温してさらに6時間撹拌した。その後反応液に150℃に加温したオルトジクロロベンゼン80ccを加え、150℃で熱時ろ過した。ろ物をオルトジクロロベンゼン50ccで2回洗浄した。ろ液と洗浄液をあわせて室温まで冷却した。析出した固体を室温でろ取した後、15mmHg、120℃の真空乾燥機で3時間乾燥した。14.74gの粗4,4’−オキシジフタル酸無水物が薄赤色粉末として得られた。 この粗4,4’−オキシジフタル酸無水物の分析結果は以下の通りであった。 フタル酸類物質量比 ODPA:4OHPA:PA:4CPA=1:0.0176:0 .0250:0.0066 イオン性物質含量 Na 1.5ppm(0.0001mmol/g)、K 142ppm(0.00363mmol/g)、P 770ppm(0.0249mmol/g)、塩化物イオン 6ppm(0.0002mmol/g)、臭化物イオン 1ppm以下。 以上より、本粗オキシジフタル酸無水物中に含まれるフタル酸塩類のカルボキシル陰イオン基の重量ppmは1250ppmであり、これをモル濃度に換算すると、0.0284mmol/gであった。 なお、1H−NMRより、オルト−ジクロロベンゼンを全フタル酸類に対して5.5重量%含んでいることがわかった。以上より、得られた粗4,4’−オキシジフタル酸無水物の純度は、92.5重量%であった。(略号)OHPA:オキシジフタル酸、4OHPA:4−ヒドロキシフタル酸、4CPA:4−クロロフタル酸、PA:フタル酸。 実施例1(酸:p−トルエンスルホン酸一水和物,溶媒:酢酸エチルを用いた接触処理) 合成例1で得られた粗4,4’−オキシジフタル酸無水物1.05gを100ccのなすフラスコに入れ、酢酸エチル(国産化学製、特級)30cc、p−トルエンスルホン酸一水和物(和光純薬)52mg(0.273mmol、粗オキシジフタル酸無水物中に含まれるフタル酸塩類のカルボキシル陰イオン基に対して10.9当量)を加えて2時間加熱還流した。その後溶媒を減圧下に除去して、薄赤色粉末1.08gを得た。次に、この粉末195.8mgを、内部に20℃の冷却水が循環する捕集用の内管を備えた内容積約40ccのガラス製昇華管に入れ、220℃に加温されたオイルバス中に浸して0.4mmHgの減圧下で2時間揮発させた。捕集管からは166.9mgの白色固体が回収された。(重量収率85.2%)。 この精製4,4’−オキシジフタル酸無水物の分析結果は以下の通りであった。 フタル酸類物質量比 ODPA:4OHPA:PA:4CPA=1:0.0019:0 .0250:0.0082 以上より、得られた粗4,4’−オキシジフタル酸無水物の純度は、97.4重量%であり、オキシジフタル酸無水物の回収率は89.3%であった。 比較例1(酸との接触処理なし) 合成例1で得られた粗4,4’−オキシジフタル酸無水物191.5mgを、内部に20℃の冷却水が循環する捕集用の内管を備えた内容積約40ccのガラス製昇華管に入れ、220℃に加温されたオイルバス中に浸して0.4mmHgの減圧下で2時間揮発させた。捕集管からは154.2mgの白色固体が回収された。(重量収率80.5%)。 この精製4,4’−オキシジフタル酸無水物の分析結果は以下の通りであった。 フタル酸類物質量比 ODPA:4OHPA:PA:4CPA=1:0.1196:0 .0159:0.0084 以上より、得られた粗4,4’−オキシジフタル酸無水物の純度は、93.0重量%であり、オキシジフタル酸無水物の回収率は81.0%であった。 比較例2(溶媒:酢酸エチルを用いた接触処理(酸なし)) 合成例1で得られた粗4,4’−オキシジフタル酸無水物1.01gを100ccのなすフラスコに入れ、酢酸エチル(国産化学製、特級)30ccを加えて2時間加熱還流した。その後溶媒を減圧下に除去して、薄赤色粉末1.01gを得た。次に、この粉末200.8mgを、内部に20℃の冷却水が循環する捕集用の内管を備えた内容積約40ccのガラス製昇華管に入れ、220℃に加温されたオイルバス中に浸して0.3〜0.4mmHgの減圧下で2時間揮発させた。捕集管からは157.1mgの白色固体が回収された。(重量収率78.2%)。 この精製4,4’−オキシジフタル酸無水物の分析結果は以下の通りであった。 フタル酸類物質量比 ODPA:4OHPA:PA:4CPA=1:0.0555:0 .0154:0.0071 以上より、得られた粗4,4’−オキシジフタル酸無水物の純度は、96.1重量%であり、オキシジフタル酸無水物の回収率は81.3%であった。 本発明の精製方法により、簡易な方法で高純度のオキシジフタル酸無水物を収率良く製造することができる。 これを原料としたポリイミドは、着色が少ないばかりでなく、耐熱性、絶縁性、機械特性あるいは接着性に優れるために、半導体素子表面の保護膜や高密度実装基板用絶縁膜などの電子材料用途に用いられる。 下記式(1)で表される置換フタル酸無水物と下記式(2)で表される置換フタル酸塩および/または炭酸塩との反応により得られる粗オキシジフタル酸無水物を酸と接触させた後、該接触処理後の粗オキシジフタル酸無水物を蒸発揮発させ、次いでその揮発した蒸気を凝結して回収することを特徴とする精製オキシジフタル酸無水物の製造方法。(式(1)中、Yはハロゲン原子またはニトロ基を表す。)(式(2)中、Yはハロゲン原子またはニトロ基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属原子を表す。) 酸が、水溶液中で示すpKa値が5以下のものである、請求項1に記載の精製オキシジフタル酸無水物の製造方法。 酸との接触処理に供される粗オキシジフタル酸無水物に含まれるカルボキシル陰イオン基の濃度が50ppm以上10000ppm以下である請求項1または2に記載の精製オキシジフタル酸無水物の製造方法。 【課題】 オキシジフタル酸無水物を高純度且つ高収率で製造する方法を提供する。【解決手段】 下記式(1)で表される置換フタル酸無水物と下記式(2)で表される置換フタル酸塩および/または炭酸塩との反応により得られる粗オキシジフタル酸無水物を酸と接触させた後、該接触処理後の粗オキシジフタル酸無水物を蒸発揮発させ、次いでその揮発した蒸気を凝結して回収することを特徴とする精製オキシジフタル酸無水物の製造方法。(式(1)中、Yはハロゲン原子またはニトロ基を表す。)(式(2)中、Yはハロゲン原子またはニトロ基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属原子を表す。)【選択図】 なし


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