タイトル: | 公開特許公報(A)_露光光学系光学部品の検査方法及び検査装置 |
出願番号: | 2005021051 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | G01N 21/33,G03F 1/08,H01L 21/027 |
坂田 陽 JP 2006208210 公開特許公報(A) 20060810 2005021051 20050128 露光光学系光学部品の検査方法及び検査装置 凸版印刷株式会社 000003193 坂田 陽 G01N 21/33 20060101AFI20060714BHJP G03F 1/08 20060101ALI20060714BHJP H01L 21/027 20060101ALI20060714BHJP JPG01N21/33G03F1/08 SH01L21/30 503G 2 2 OL 5 2G059 2H095 5F046 2G059AA05 2G059BB08 2G059BB15 2G059CC01 2G059EE02 2G059EE12 2G059GG01 2G059HH03 2G059HH06 2G059MM05 2H095BD02 2H095BD13 5F046AA17 5F046AA22 5F046CB02 5F046CB12 5F046CB17 本発明は電子製品などの製造に用いられる、フォトマスクなどの露光光学系光学部品の表面の汚染物質である硫酸アンモニウム汚染を検出する検査方法及び検査装置に関する。多くの電子製品、例えば、半導体、フラットパネルディスプレイなどは微細パターンの加工手段としてリソグラフィ技術を用いている。リソグラフィ技術はフォトマスクまたはレチクルと呼ばれる原版をシリコンウエハなどの基板に光学的に投影転写する方法である。リソグラフィ技術による半導体などの製造工程では、その多くはクリーンルームで実施されている。近年、気体中の浮遊分子汚染物質または気相分子汚染物質(Air bone Molecular Contamination:AMC、以下AMCと表記)が材料表面に化学的相互作用によって付着し、表面分子汚染(Surface Molecular Contamination:SMC,以下SMCと表記)として性能劣化や不良の要因となる問題が発生している。このようなSMCは半導体プロセスでは、例えばレジストのT―トッピング、不完全なエピタキシャル成長、不均質な酸化物成長、腐蝕工程の不均一反応、配線材料の密着性不良などを引き起こし、電子製品として正常な電気的特性が得られなくなる原因となる。 有害なSMCを引き起こす種々のAMCはクリーンルームではその存在が当該分野では公知であり、例えば半導体分野では米国ではSEMI規格F21−95クラスA,B,C,Dにグループ分類されている。 また、最近ではAMC,SMC物質単体ではなく、リソグラフィの露光工程で用いられるレーザーなどの光源による光エネルギー照射を受けたAMC,SMC物質が光化学反応(CVD)により新たな生成物を発生させる問題が生じている。 これらの生成物は露光光学系で用いられているレンズなどの光学部品やフォトマスク表面上で発生し、析出型パーティクル欠陥として出現し、フォトマスクにおいては回路パターンの形状不良として判定される。このような生成物の一例として硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)(結晶)が挙げられる。半導体製造工場のクリーンルーム空気内には微量ながら二酸化硫黄(SO2)やアンモニア(NH4)などの物質が存在する。これらの物質が露光エネルギーにより空気中の酸素(O2)および水蒸気(H2O)と結びつき、硫酸アンモニウムが生成されると考えられている。半導体露光装置内の露光光学系部品においてはレンズなどの透過率、反射ミラーにおいてはその反射率が低下して照明効率が低下する不都合があった。このため、半導体露光装置においては硫酸アンモニムの発生監視方法や(特許文献1)、シリコンウエハ上に形成された半導体回路パターンの検査光学系におけるくもりの発生を抑制する検査装置(特許文献2)が考案されている。 以下に公知の文献を示す。特開2003−142366「投影露光装置および該装置に用いるガス状監視方法」特開2001−235430「光学式検査装置および光学式表面検査装置」 しかしながら特許文献1では光学部品表面に発生した硫酸アンモニウムの監視は不可であり、特許文献2では検査を行うための光学部品への硫酸アンモニウム付着防止であって、検査対象物の硫酸アンモニウムの検出を目的としない。従って、フォトマスクに付着した硫酸アンモニウム(結晶)を検出する方法は知られていない。 硫酸アンモニム(結晶)は前記の通りフォトマスクにおいてはパーティクル欠陥となるため、被露光物へのパターン転写品質に影響を及ぼす。硫酸アンモニウム(結晶)は露光機での光源エネルギーとの反応による析出型のためフォトマスクの製造時点では事前検査が不可能である。 フォトマスクはその製造工程で用いられるレジストなどの有機物除去に硫酸を用いた化学洗浄が行われている。この洗浄で残った硫酸残渣とクリーンルーム気相環境中に存在するアンモニアが硫酸アンモニウムの材料源となる。硫酸の洗浄残渣については微細パターンの遮光層や位相シフト層であるCrやCrO,CrON,MoSi,MoSiON合金などの金属や金属酸化膜の膜質との関係が挙げられる。これらの膜は一般にスパッタリング工程により形成するが、堆積形成の原理上、膜中で原子レベルで最密にはならず空孔が発生する。この空孔中に浸透したイオン性硫酸がリンスで除去困難なのが残渣の原因と考えられている。 本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、フォトマスクなど露光光学系光学部品上に析出した結晶の硫酸アンモニウムを検出する露光光学系光学部品の検査方法及び検査装置を提供することを課題とする。 本発明は係る課題を解決するものであり、本発明の請求項1の発明は、光学的透過性を有する露光光学系光学部品の表面の硫酸アンモニウム(結晶)を、分光反射スペクトルを用いて検出することを特徴とする露光光学系光学部品の検査方法としてものである。 本発明の請求項2の発明は、光学的透過性を有する露光光学系光学部品の表面の硫酸アンモニウム(結晶)を、分光反射スペクトルを用いて検出する検出手段を有することを特徴とする露光光学系光学部品の検査装置としたものである。 本発明は該検査対象物の光学的反射スペクトルから硫酸アンモニウム(結晶)を検出する方法及び装置を提供する。 本発明は以上のような構成であるから、フォトマスクなど露光光学系光学部品のパーティクル検査など、形態検査手段で検出された欠陥のうち、部品表面上堆積した結晶の硫酸アンモニウムの物質判定を可能とする露光光学系光学部品の検査方法及び検査装置とすることができる。 以下、本発明の検査方法の工程の一例を図1に示す。まず、フォトマスクなど露光光学系光学部品の反射スペクトルを分光光度計にて波長150から300nm、少なくとも露光光源として用いられているエキシマレーザーの波長である、波長248nm (KrFレーザー)、193nm(ArFレーザー)、157nm(F2レーザー)のいずれかを包含して測定する(S1)。スペクトル差異の有無を、事前に測定した硫酸アンモニウムの発生が無い基準反射スペクトルと比較判定する(S2)。差異の有無で硫酸アンモニウムの有無を判定する(S3、S4)。すなわち、本発明の方法では、測定した反射スペクトルと、基準となる反射スペクトルとを比較することで、硫酸アンモニウムの有無を検出する。尚、フォトマスクでの測定箇所は、ハーフトーン型位相シフトマスクでは、ハーフトーン部あるいはガラス基板のどちらかが表面に一様に露出している部分が好ましい。また、通常のバイナリーマスクやレベンソン型位相シフトマスクなどの場合は、ガラス基板が一様に露出している箇所が好ましく、その大きさは、測定光のスポットサイズとなる。 つぎに、図1の工程で実測した測定結果の一例を説明する。本実施例では、くもりが未発生の基準フォトマスク(a),と発生したフォトマスク(b)2種類を用いる。また、フォトマスク(a),(b)はArF(波長193nm)用途の6インチサイズの位相シフトマスクであり、片側面にモリブデンとシリコンの合金膜(MoSi)を製膜した石英硝子基板(Qz)を用いた。ブランクにパターンを形成した後、くもりの発生したフォトマスクは、露光機に設定し上記レーザー光を照射して作成した。 図2にくもり未発生の基準フォトマスク(a)とくもりが発生したフォトマスク(b)の反射スペクトルを示す。横軸は露光光の波長(単位nm)、縦軸は反射率(単位%)を表す。基板への入射角度は15度とし、波長領域は150から300nmとした。未発生の反射スペクトルAは上記の基準反射スペクトルである。これに対し、発生した反射スペクトルBは図示した波長領域150から300nm全域に亘って概ね3%減少しており、表1に示した通り、ArFレーザー波長の193.2nmでは3%の低下が認められた。 また硫酸アンモニウム有無の検証は、イオンクロマトグラムで分析して実施した。分析方法は基板上に純水を滴下・捕集し、液中に溶解した成分を調べる方法とした。分析はフォトマスクの位相シフト膜側であるモリブデンシリコン合金膜面(MoSi)と反対面のガラス(Qz)面を片側づつ実施し、表2に結果を示す。硫酸アンモニウムの成分である硫酸イオン(SO4−)とアンモニアイオン(NH3+)が、くもりが発生したフォトマスク(b)では多量検出されることが確認された。 なお、スペクトルの測定データからその差分を算出し、所定の値以上であれば低下したと判断することもでき、これを検出手段とすることも出来る。 図2及び、表1、表2の結果から、硫酸アンモニウムの検査が反射スペクトルで可能なことが示された。 表1 反射率 表2 イオンクロマトグラフ分析結果本発明の実施例のフローを示す図である。本発明の実施例の反射スペクトルを示す図である。 光学的透過性を有する露光光学系光学部品の表面の硫酸アンモニウム(結晶)を、分光反射スペクトルを用いて検出することを特徴とする露光光学系光学部品の検査方法。 光学的透過性を有する露光光学系光学部品の表面の硫酸アンモニウム(結晶)を、分光反射スペクトルを用いて検出する検出手段を有することを特徴とする露光光学系光学部品の検査装置。 【課題】フォトマスクなど露光光学系光学部品上に析出した結晶の硫酸アンモニウムを検出する、露光光学系光学部品の検査方法及び検査装置を提供する。【解決手段】光学的透過性を有する露光光学系光学部品の表面の硫酸アンモニウム(結晶)を、波長領域150から300nmを含む入射角15度による分光反射スペクトルを用いて測定した反射スペクトルBと、基準となる反射スペクトルAとを比較することで、検出することを特徴とする。【選択図】図2