タイトル: | 特許公報(B2)_放出制御用医薬組成物およびその製造方法 |
出願番号: | 2004569118 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 47/34,A61K 9/22,A61K 33/26,A61K 47/38 |
杉原 昭夫 迫 和博 澤田 豊博 JP 3755532 特許公報(B2) 20060106 2004569118 20031224 放出制御用医薬組成物およびその製造方法 アステラス製薬株式会社 000006677 森田 拓 100098501 矢野 恵美子 100109357 鈴木 ▲頼▼子 100117846 杉原 昭夫 迫 和博 澤田 豊博 US 60/453,046 20030306 20060315 A61K 47/34 20060101AFI20060223BHJP A61K 9/22 20060101ALI20060223BHJP A61K 33/26 20060101ALI20060223BHJP A61K 47/38 20060101ALI20060223BHJP JPA61K47/34A61K9/22A61K33/26A61K47/38 A61K 47/34 A61K 9/22 A61K 33/26 A61K 47/38 国際公開第01/089483(WO,A1) 国際公開第01/010466(WO,A1) 特開昭62−114952(JP,A) 32 JP2003016581 20031224 WO2004078212 20040916 20 20050328 渕野 留香 技術分野本発明は、薬物、分子量200万以上のポリエチレンオキサイド、および特定の前記ポリエチレンオキサイドの整粒剤を含有し、前記ポリエチレンオキサイドに対し、前記薬物および前記特定の整粒剤が均一に分散されてなる放出制御用医薬組成物に関する。また、本発明は、該放出制御用医薬組成物並びに該粒体を含有してなる放出制御製剤の製造方法に関するものである。背景技術徐放性製剤は、投与回数の減少に伴うコンプライアンスの向上あるいは血中濃度の変動幅(Peak/Trough)を小さくすることにより副作用を防止し、安定した治療効果を期待する目的で開発が行われており、近年種々の製剤が開発されている。本出願人によっても種々の徐放性製剤が創製されてきたが、なかでも親水性基剤(以下、ゲル化促進剤(gelation enhancer)と言うこともある)およびハイドロゲル形成性ポリマーからなるハイドロゲル徐放性製剤は、組成成分がシンプルなため製造しやすく、またかかる徐放性製剤は、胃および小腸を含む消化管上部のみならず、結腸を含む消化管下部においても、薬物を放出することができるので、換言すれば消化管全体を吸収部位として利用できるので、ヒトにおける薬物吸収において個体差の少ない製剤として実用性が高く極めて有用である(例えば、特許文献1参照:国際公開第94/06414号パンフレット)。前記徐放性製剤に関する発明の発明者らは、ハイドロゲル形成性ポリマーとして各種高分子物質を提案しているが、なかでもポリエチレンオキサイドが特に良好な徐放性を製剤に付与することができることから、ハイドロゲル形成性ポリマーの第一候補としてポリエチレンオキサイドが選択される。しかしながら、ポリエチレンオキサイドは、エチレンオキサイドを重合して得られる分子量が数十万から数百万に達する白色粉末ないし顆粒状の水溶性熱可塑性樹脂であり、分子量200万以上のポリエチレンオキサイドでは湿潤により強い粘着性を有することから、ポリエチレンオキサイドに対し水が添加されたり、あるいは湿度の高い環境下でポリエチレンオキサイドが取扱われる場合には、ポリエチレンオキサイドは非常に高い粘性を示すため、粉砕、造粒、あるいは打錠などの各工程において、特に造粒工程において、取扱いの難しい物質と言うことができる。このため、ポリエチレンオキサイドを用いた徐放性製剤において、特にポリエチレンオキサイドを放出制御基剤として含有するマトリックス型放出制御製剤において、高粘度のポリエチレンオキサイドを高含量に含有する場合には、従来では例えばジクロロメタン、四塩化炭素などの塩化系溶媒、あるいはメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒がこれら単独であるいは水と混合して使用される湿式造粒法や直接打錠法、あるいは乾式造粒法等の方法が提案されてきた(例えば、特許文献1:国際公開第94/06414号パンフレット、特許文献2:国際公開第01/10466号パンフレット、特許文献3:米国特許第5273758号明細書参照)。また、分子量10万のポリエチレンオキサイドを含む錠剤原料について、ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液により噴霧造粒する製剤化方法もある(特許文献4:米国特許第4662880号明細書、特許文献5:米国特許第4810502号明細書(対応日本特許出願公開−特開平7−215869号公報)。湿式造粒の条件等について当業者が実施できる程度に記載されていないが、分子量200万以上のポリエチレンオキサイドは粘度が2000mPa・s以上(ミリパスカル秒:2%W/V水溶液、25℃)であり、分子量10万のポリエチレンオキサイドの粘度が30−50mPa・s以上(5%W/V水溶液、25℃)であるのに比し、その粘性の度合いが急激に高まるので、同様の湿式造粒法を採用した場合、造粒が進みすぎたり、曳き糸状の粉体が製造され流動性の悪い粉粒体となる等、打錠に適した粉体を製造することはできないことが考えられる。さらに、低用量薬物を含有した放出制御製剤が製造される場合、活性成分は製剤一単位当たり均一に含有されるよう製造されなければならないのは言うに及ばない。しかしながら、直接打錠法や乾式造粒法では、薬物が飛散して薬物の含量値が低下したり、あるいは薬物含量均一性が低下したり、さらに造粒/粉砕の工程を繰り返すため生産性が劣る等、課題も指摘されている。なお、有機溶媒を使用した湿式造粒方法では、環境汚染、製造時安全性(爆発等の危険)、製造設備への投資(防爆装置、有機溶媒使用並びに回収設備)等の各種課題が指摘されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献1:国際公開第94/06414号パンフレット特許文献2:国際公開第01/10466号パンフレット特許文献3:米国特許第5273758号明細書特許文献4:米国特許第4662880号明細書特許文献5:米国特許第4810502号明細書(対応日本特許出願公開:特開平7−215869号公報)したがって、分子量200万以上のポリエチレンオキサイドを含有し、薬物含量均一性の良好な放出制御用医薬組成物を製造するための打錠に適した粉体の提供、該粉体を含有する放出制御用医薬組成物の提供、並びに該粉体あるいは該粉体を含有した放出制御用医薬組成物の製造方法の提供は、今なお要望されている。発明の開示本発明者らは、ポリエチレンオキサイド粒子を使用し、水系により放出制御用粉体を製造するに際し、従来の結合剤を用いた湿式造粒方法を採用した場合、問題が多く、現実的に製造困難であることを知った。すなわち、例えばPVPなど結合力はあるが可塑性の乏しい結合剤を用いた場合には、造粒が進みすぎて比容積が高く流動性の劣る粉粒体となったり、例えばソルビトール等造粘作用や結合力はあるが噴霧乾燥時に糸曳性のある糖類、あるいはポリソルベート等など可塑性はあるが結合力に乏しい界面活性剤を用いた場合には、粒度的に小さな粉体(粒子がさらに微細粒子に解離した状態)となり飛散性が高い粉体となってしまうため、打錠障害が生じる等、問題は多種多様にわたり、打錠に適した粉体は製造することができなかった。そこで、本発明者らは、前記ハイドロゲル形成徐放性製剤の組成成分の、ゲル化促進剤(親水性基剤)で使用するポリエチレングリコール(以下、PEGということもある)の一部を、薬物の懸濁液に添加し、該懸濁液をポリエチレンオキサイドに対し噴霧したところ、高粘性を有するポリエチレンオキサイドが曳き糸状の形状を示さず、さらに打錠に適した特性(比容積等)を示す粉体に整粒できることを知見した。本発明者らは、さらに驚くべきことに、低用量薬物の懸濁液を噴霧したにも拘わらず、該噴霧乾燥物からなる放出制御製剤は含量均一性に優れた製剤となることを知った。本発明者らは、ポリエチレンオキサイドに着目しさらに鋭意検討を行った結果、流動層に高粘性のポリエチレンオキサイドと共に固体状態のPEGをとり、これに薬物水溶液を噴霧したところ、上記使用方法と同様、打錠に適した特性を示すポリエチレンオキサイド整粒物とすることができること、また該整粒物を打錠した放出制御製剤が優れた含量均一性を示すことを知見した。さらにまた、本発明者らは、特定粘度グレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCと略称することもある)やヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPCと略称することもある)、あるいはメチルセルロース(以下、MCと略称することもある)を使用しても、PEG同様に、打錠に適したポリエチレンオキサイド特性を示す粉粒体、および該ポリエチレンオキサイド粉粒体を打錠した放出制御製剤が優れた含量均一性を示すことを知った。なお、本機構については未だ詳細には解明されていないが、ポリエチレンオキサイド製品自体が、微小粒子の集合体である粉末であるので、水を使用することによって小さな粒子に解体してしまうか、あるいは逆に著しく造粒が進んでしまうが、適度な可塑性と結合力を有する特定物質を選択・使用することによって、ポリエチレンオキサイド粒子の粒同士を、打錠に適した特性を示すポリエチレンオキサイド粉粒体へと再結合させた上で整粒するものと推察される。以下、本発明のポリエチレンオキサイド粉粒体をポリエチレンオキサイド整粒物、あるいは単に整粒物と言うこともある。本発明は、これら一連の知見に基づいてなされたものであり、1.(a)薬物、(b)粘度平均分子量200万以上のポリエチレンオキサイド、および(c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤を含有し、該三成分のうち(b)のポリエチレンオキサイドに対し、少なくとも(c)の整粒剤が均一に分散してなる整粒物を含有する放出制御用医薬組成物、2.(c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤が、常温で固形のポリエチレングリコール、2〜15mPa・s(2%W/V)のヒドロキシプロピルメチルセルロース、2〜10mPa・s(2%W/V)のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および2〜15mPa・s(2%W/V)のメチルセルロースからなる群より選択された1種または2種以上である上記1記載の放出制御用医薬組成物、3.(c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤の量が、(b)のポリエチレンオキサイドに対し0.5〜60重量%である上記1記載の放出制御用医薬組成物、4.(c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤としてポリエチレングリコールが選択されるとき、その量は、製剤単位当たり0.5〜60重量%含まれる上記1記載の放出制御用医薬組成物、5.(b)のポリエチレンオキサイドの量が、製剤単位当たり10〜95重量%である上記1記載の放出制御用医薬組成物、6.(b)のポリエチレンオキサイドの配合量が、製剤単位当たり70mg以上である上記1記載の放出制御用医薬組成物、7.(b)のポリエチレンオキサイドが、粘度平均分子量500万以上である上記1記載の放出制御用医薬組成物、8.さらに親水性基剤が含まれる上記1記載の放出制御用医薬組成物、9.親水性基剤が、該基剤1gが溶解するために必要な水の量が5ml以下(20±5℃)である上記8記載の放出制御用医薬組成物、10.親水性基剤が、ポリエチレングリコール、白糖、またはポリビニルピロリドンである上記9記載の放出制御用医薬組成物、11.親水性基剤の量が、製剤単位当たり5〜80重量%である上記8記載の放出制御用医薬組成物、12.さらに黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄が含まれる上記1または8記載の放出制御用医薬組成物、13.黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄の量が、ポリエチレンオキサイドに対し0.3〜20重量%である上記12記載の放出制御用医薬組成物、14.薬物の量が、製剤単位当たり85重量%以下である上記1記載の放出制御用医薬組成物、15.薬物の量が、製剤単位当たり10重量%以下である上記14記載の放出制御用医薬組成物、16.薬物が、塩酸タムスロシンである上記1〜15のいずれか1項に記載の放出制御用医薬組成物、17.実質的に有機溶媒を含まない上記1記載の放出制御用医薬組成物、18.(b)粘度平均分子量200万以上のポリエチレンオキサイド、および(c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤を含有し、(b)のポリエチレンオキサイドに対し、少なくとも(c)の整粒剤が均一に分散してなる、放出制御用医薬組成物用ポリエチレンオキサイド含有整粒物、19.(c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤が、常温で固形のポリエチレングリコール、2〜15mPa・s(2%W/V)のヒドロキシプロピルメチルセルロース、2〜10mPa・s(2%W/V)のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および2〜15mPa・s(2%W/V)のメチルセルロースからなる群より選択された1種または2種以上である上記18記載の整粒物、20.(c)の整粒剤の量が、(b)のポリエチレンオキサイドに対し0.5〜60重量%である上記18記載の整粒物、21.(c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤としてポリエチレングリコールが選択されるとき、その量は、製剤単位当たり0.5〜60重量%含まれる上記18記載の整粒物、22.(b)のポリエチレンオキサイドの量が、製剤単位当たり10〜95重量%である上記18記載の整粒物、23.(b)のポリエチレンオキサイドの配合量が、製剤単位当たり70mg以上である上記18記載の整粒物、24.(b)のポリエチレンオキサイドが、粘度平均分子量500万以上である上記18記載の整粒物、25.さらに親水性基剤が含まる上記18記載の整粒物、26.親水性基剤が、該基剤1gが溶解するために必要な水の量が5ml以下(20±5℃)である上記25記載の整粒物、27.親水性基剤が、ポリエチレングリコール、白糖、またはポリビニルピロリドンである上記26記載の整粒物、28.親水性基剤の量が、製剤単位当たり5〜80重量%である上記25記載の整粒物、29.さらに黄色三二酸化および/または赤色三二酸化鉄が含まれる上記18〜25のいずれか1項に記載の整粒物、30.黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄の量が、ポリエチレンオキサイドに対し0.3〜20重量%である上記29記載の整粒物、31.さらに薬物を含有してなる上記18記載の整粒物、32.薬物の量が、製剤単位当たり85重量%以下である上記18または31記載の整粒物、33.薬物の量が、製剤単位当たり10重量%以下である上記32記載の整粒物、34.薬物が、塩酸タムスロシンである上記18〜33のいずれか1項に記載の整粒物、35.実質的に有機溶媒を含まない上記18記載の整粒物、36.上記18〜35のいずれか1項に記載の整粒物の放出制御用医薬組成物の基剤としての使用、を提供するものである。なお、国際公開第92/10169号パンフレット(対応日本特許第3239319号公報)には、ゲル形成成分が種々のグレードの粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であり、湿潤顆粒化が顆粒化工程の間HPMCのゲル化を阻害するがヒトなどの哺乳動物に経口的に投与されたときにゲルの生成を可能にする多価アルコールおよびポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上の溶質を20〜50%含有する水溶液を使用して行われる、親水性マトリックスゲル成分をベースとする経口用徐放性投与形態の製造法に関する発明が記載されている。該文献には、HPMCの顆粒化方法として、造粒後の顆粒が粉砕できるようにするため、造粒を用いた湿潤顆粒化方法は記載されている。しかしながら、本願発明は湿潤顆粒化法に関する技術ではなく、曳糸性が高く、水の噴霧により解体したポリエチレンオキサイドの微小粒子を再結合させる整粒化方法を開示するものである。本明細書において「整粒」は、当該技術分野において当業者が通常行う「造粒」なる単位操作とは相違し、また篩過操作等による一定サイズの部分を抽出する工程とも相違する。本明細書において「造粒」とは、微粉末のものの付着性や飛散性を改善するため、粒子同士を結合することにより流動性のよい造粒物を製造する一連の単位操作を意味する。特に低用量薬物において、含量均一性の良好な製剤を製造する場合、薬物を単独で粉砕したり、添加剤の一部と混合粉砕し、粒子の微粉化により含量均一性の確保を図り、その後通常流動層造粒機が用いられて造粒操作が行われる。したがって、「造粒」では、粒子の成長が促進されるため、粒子径の大きな、また比容積の大きな粉体が製造される。これに対し、「整粒(sizing)」とは、本発明に用いられる高粘度のポリエチレンオキサイド(単にPEOとも云う)粉末(市販品)に対し、水を噴霧することによって、特定粒度および特定比容積を示す粉粒体(整粒物)を製造する一連の単位操作を言う。詳細には、「ポリエチレンオキサイド整粒物(単にPEO整粒物とも云う)」には、例えば本発明に用いられるPEO粉末(市販品)に対し水を噴霧するとき、その一部乃至全体が微小粒子に解体し、乾燥後に不定形に結合された粉粒体となるのに対し、本発明に用いられるポリエチレンオキサイドの整粒剤によって、PEO粉末が微小粒子へ解体することを抑制する結果、および/または乾燥時に球状に再結合する結果、特定粒度および特定比容積を示す粉粒体に整粒されたものなどが含まれる。すなわち、本明細書において「整粒」とは、PEO粒子を成長させるのではなく、水の噴霧によって解体したPEOの微小粒子を乾燥時に再結合させ、打錠に適した大きさおよび比容積の粉体に再形成させる一連の単一操作を意味するものである。本明細書において「粒度」は、粉体の累積50%平均粒径を意味する平均粒径(μm)および75μm以下の微粉量(%)によって表される。比容積は、粉体の単位重量あたりの容積(mL/g)によって表される。本明細書において「実質的に有機溶媒を含まない」あるいは「実質的に有機溶媒を使用しない」とは、完全に水のみを溶媒として使用することの他、製薬学的に許容される範囲内の残留および/または使用か、あるいは環境基準の範囲内の残留および/または使用を意味する。したがって、該範囲には、製薬学的に許容される範囲または環境基準値を超えない範囲内で有機溶媒を含むものを排除するものではない。本発明の放出制御用医薬組成物並びに整粒物について、以下詳記する。本発明に用いられる薬物としては、治療上または予防上有効な活性成分であれば、特に制限されない。かかる薬物として、例えば、インドメタシン、ジクロフェナック、ジクロフェナックナトリウム、コデイン、イブプロフェン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、メピリゾール、アスピリン、エテンザミド、アセトアミノフェン、アミノピリン、フェナセチン、臭化ブチルスコポラミン、モルヒネ、エトミドリン、ペンタゾシン、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセン、セレコキシブ、バルデコキシブ、トラマドール等の消炎、解熱、鎮けいまたは鎮痛薬、エトドラック等の抗リューマチ薬、イソニアジド、塩酸エタンブトール等の抗結核薬、硝酸イソソルビド、ニトログリセリン、ニフェジピン、塩酸バルニジピン、塩酸ニカルジピン、ジピリダモール、アムリノン、塩酸インデノロール、塩酸ヒドララジン、メチルドーパ、フロセミド、スピロノラクトン、硝酸グアネチジン、レセルピン、塩酸アモスラロール、リシノプリル、メトプロロール、ピロカルピン、タルサルタン等の循環器官用薬、塩酸クロルプロマジン、塩酸アミトリプチリン、ネモナプリド、ハロペリドール、塩酸モペロン、ペルフェナジン、ジアゼパム、ロラゼパム、クロルジアゼポキシド、アジナゾラム、アルプラゾラム、メチルフェニデート、ミルナシプラン、ペルオキセチン、リスペリドン、バルプロ酸ナトリウム等の抗精神薬、メトクロプラミド、塩酸ラモセトロン、塩酸グラニセトロン、塩酸オンダンセトロン、塩酸アザセトロン等の制吐剤、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン薬、硝酸チアミン、酢酸トコフェノール、シコチアミン、リン酸ピリドキサール、コバマミド、アスコルビン酸、ニコチン酸アミド等のビタミン薬、アロプリノール、コルヒチン、プロベネシド等の痛風薬、レボドパ、セレギリン等のパーキンソン病薬、アモバルビタール、ブロムワレリル尿素、ミダゾラム、抱水クロラール等の催眠鎮静薬、フルオロウラシル、カルモフール、塩酸アクラルビシン、シクロホスファミド、チオテパ等の抗悪性腫瘍薬、プソイドエフェドリン、テルフェナジン等の抗アレルギー薬、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン類等の抗うつ血薬、アセトヘキサミド、インシュリン、トルブタミド、デスモプレッシン、グリピジド等の糖尿病薬、ヒドロクロロチアジド、ポリチアジド、トリアムテレン等の利尿薬、アミノフィリン、フマル酸ホルモテロール、テオフィリン等の気管支拡張薬、リン酸コデイン、ノスカピン、リン酸ジメモルファン、デキストロメトルファン等の鎮咳薬、硝酸キニジン、ジキトキシン、塩酸プロパフェノン、プロカインアミド等の抗不整脈薬、アミノ安息香酸エチル、リドカイン、塩酸ジブカイン等の表面麻酔薬、フェニトイン、エトスクシミド、プリミドン等の抗てんかん薬、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン等の合成副腎皮質ステロイド類、ファモチジン、塩酸ラニチジン、シメチジン、スクラルファート、スルピリド、テプレノン、プラウノトール、5−アミノサリチル酸、スルファサラジン、オメプラゾール、ランソプラゾール等の消化管用薬、インデロキサジン、イデベノン、塩酸チアプリド、塩酸ビフェメラン、ホパテン酸カルシウム等の中枢神経系用薬、プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン等の高脂血症治療剤、塩酸アンピシリンフタリジル、セフォテタン、ジョサマイシン等の抗生物質、タムスロシン、メシル酸ドキサゾシン、塩酸テラゾシン等のBPH治療剤、プランルカスト、ザフィルカスト、アルブテロール、アンブロキソール、ブデソニド、レベルブテロール等の抗喘息剤、ベラプロストナトリウム等プロスタグランジンI誘導体の末梢循環改善剤、抗血栓剤、降圧剤、心不全治療剤、糖尿病の各種合併症の治療剤、消化性潰瘍治療剤、皮膚潰瘍治療剤、高脂血症治療剤、抗喘息剤等が挙げられる。薬物は、フリー体または製薬的に許容され得る塩のいずれをも用いることができる。また、薬物は、1種または2種以上組合せて用いることもできる。なお、薬物として、極めて微量の投与量で治療上または予防上有効な活性成分、または低用量で有効であり、かつ難水溶性の薬物を本発明に適用した場合、本発明の所望の効果をより一層享受することができる。薬物としては、上記例示のなかでも、特にタムスロシンが好適である。タムスロシンは、(R)(−)−5−[2−[[2−(o−エトキシフェノキシ)エチル]アミノ]プロピル]−2−メトキシベンゼンスルホンアミドと称し、以下の構造式で表される。該化合物は、その製薬学的に許容される塩と共に、特開昭56-110665号において最初に開示された。タムスロシン又はその塩はアドレナリンα1A受容体遮断作用を有することが知られており、とりわけその塩酸塩(塩酸タムスロシン)は尿道及び前立腺部のα1受容体遮断作用を有し、尿道内圧曲線の前立腺部圧を低下させて前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する薬剤として汎用されている。また、塩酸タムスロシンは、下部尿路症の治療に有効であることが臨床において確認されているなど、臨床学的に極めて有用な薬物である。タムスロシン及びその製薬学的に許容される塩は、特開昭56−110665号公報及び特開昭62−114952号公報に記載された製法により、或いはそれに準じて製造することにより容易に入手可能である。タムスロシンは広範囲の無機及び有機の酸あるいは塩基との製薬学的に許容しうる酸及び塩基付加塩を形成しうる。このような塩も、本発明の一部をなす。例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸との塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩等が挙げられる。本発明において最も好ましくは、塩酸塩である。これらの塩は常法により製造できる。薬物の配合量は、通常薬物の種類あるいは医薬用途(適応症)によって適宜選択適宜使用されるものであり、治療上または予防上有効な量であれば特に制限されない。本発明において、薬物は、極めて微量で有効なもの(低用量薬物)が本発明の所望の効果を一層享受できる観点から特に好ましいが、高用量で有効なもの(高用量薬物)であっても、含量均一性が達成できることは容易に予想できることから、薬物の配合量には特に制限がない。かかる配合量としては、後記ハイドロゲル徐放性製剤の観点から例示するものであるが、好適には製剤全体の85重量%以下であり、さらに好適には80重量%以下であり、より好適には50重量%以下であり、更により好適には10重量%以下である。薬物が塩酸タムスロシンの場合、1重量%以下である。タムスロシンまたはその製薬学的に許容される塩の投与量は、投与ルート、疾患の症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。塩酸タムスロシンでは、通常経口投与の場合成人一人当たり有効成分約0.1mg乃至1.6mg/日であり、これを1日1回経口投与される。本発明に用いられるポリエチレンオキサイド(以下、PEOとも云う)としては、放出制御基剤としてPEOを含む放出制御用医薬組成物からの薬物の放出を制御し得るものであれば特に制限されない。かかるPEOとしては、例えばPOLYOX▲R▼WSR-303(粘度平均分子量:700万、粘度:7500−10000mPa・s(ミリパスカル秒:1%W/V水溶液、25℃))、POLYOX▲R▼WSR Coagulant(粘度平均分子量:500万、粘度:5500−7500mPa・s(1%W/V水溶液、25℃))、POLYOX▲R▼WSR-301(粘度平均分子量400万:粘度:1650−5500mPa・s(1%W/V水溶液、25℃))、POLYOX▲R▼WSR N-60K(粘度平均分子量:200万、粘度:2000−4000mPa・s(2%W/V水溶液、25℃)(いずれもDow Chemical社製)、ALKOX▲R▼E-75(粘度平均分子量:200万〜250万、粘度:40−70mPa・s(0.5%W/V水溶液、25℃))、ALKOX▲R▼E-100(粘度平均分子量:250万〜300万、粘度:90−110mPa・s(0.5%W/V水溶液、25℃))、ALKOX▲R▼E-130(粘度平均分子量:300万〜350万、粘度:130−140mPa・s(0.5%W/V水溶液、25℃))、ALKOX▲R▼E-160(粘度平均分子量:360万〜400万、粘度:150−160mPa・s(0.5%W/V水溶液、25℃))、ALKOX▲R▼E-240(粘度平均分子量:400万〜500万、粘度:200−240mPa・s(0.5%W/V水溶液、25℃))(いずれも明成化学工業社製)、PEO-8(粘度平均分子量:170万〜220万、粘度:20−70mPa・s(0.5%W/V水溶液、25℃))、PEO-15(粘度平均分子量:330万〜380万、粘度:130−250mPa・s(0.5%W/V水溶液、25℃))、PEO-18(粘度平均分子量:430万〜480万、粘度:250−480mPa・s(0.5%W/V水溶液、25℃))(いずれも住友精化社製)等が挙げられる。なかでもPEOは、ゲル化時の粘度が高いもの、あるいは粘度平均分子量が大きいものが好ましい。かかるPEOとしては、例えば2%水溶液(25℃)で2000mPa・s以上の粘度を示すもの、あるいは粘度平均分子量が200万以上1000万以下のものが好ましい。更に好適には、粘度平均分子量が400万以上1000万以下のものであり、更により好適には、粘度平均分子量が500万以上1000万以下のものであり、最適には粘度平均分子量が700万のもの(例えば、商品名POLYOX WSR-303)である。PEOは、分子量、グレード等の異なるものを1種または2種以上組合せて用いることもできる。ポリエチレンオキサイドの配合量は、通常ハイドロゲル徐放性製剤からの薬物の放出を制御し得る量であれば特に制限されないが、好適には製剤全体に対して10〜95重量%であり、更に好適には製剤全体に対して15〜90重量%である。また、PEOの添加量は、好適には製剤1単位あたり70mg以上であり、更に好適には100mg以上、より好適には150mg以上である。薬物が塩酸タムスロシンの場合においても、PEOの配合量は好適には100mg〜300mgであり、更に好適には150mg〜250mgであり、更により好適には200mgである。なかでも粘度平均分子量が700万のもの(例えば、商品名POLYOX WSR-303)が当該配合量を用いて製造される放出制御製剤(錠剤)が、放出制御製剤としての効果が顕著に発揮される。本発明に用いられるポリエチレンオキサイドの整粒剤としては、水系で高粘度のPEOを打錠に適した粉粒体とするものであれば特に制限されない。かかる整粒剤は、適度な可塑性および結合作用を有する物質である。かかる整粒剤としては、固体状のポリエチレングリコール(以下、PEG)、いずれも低粘度グレードの、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPC)、あるいはメチルセルロース(以下、MC)などが挙げられる。かかる整粒剤は、水に溶解および/または懸濁させて用いることができる。また、PEGでは、噴霧された水が水溶解性の高い固体状態のPEGの一部を溶解することによって上記作用を示すことができることから、固体状態で添加しても本発明のPEO整粒剤として用いることができる。PEGとしては、常温で固形のPEG(PEG4000、PEG6000、PEG8000)が好適である。具体的には、マクロゴール4000(日局、分子量2600〜3800、商品名:マクロゴール4000/三洋化成工業、日本油脂、ライオン等)、マクロゴール6000(日局、分子量7300〜9300、商品名:マクロゴール6000/三洋化成工業、日本油脂、ライオン等)、マクロゴール20000(日局、分子量15000〜25000、商品名:マクロゴール20000/三洋化成工業、日本油脂、ライオン等)、ポリエチレングリコール8000(USP/NF、分子量7000〜9000、商品名:Polyethylene glycol 8000/Dow Chemical等)などが挙げられる。HPMCとしては、低粘度グレード(粘度2〜15mPa・s、2%W/V水溶液、20℃)のものが好適である。具体的には、商品名TC-5E(粘度3mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、信越化学工業)、商品名TC-5R(粘度6mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、信越化学工業)、商品名TC-5S(粘度15mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、信越化学工業)、あるいは商品名メトセルE3(粘度3mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、Dow Chemical)、商品名メトセルE5(粘度5mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、Dow Chemical)、商品名メトセルE15(粘度15mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、Dow Chemical)、などが挙げられる。HPCとしては、低粘度グレード(粘度2〜10mPa・s、2%W/V水溶液、20℃)のものが好適である。具体的には、商品名HPC-SSL(粘度3.0〜5.9mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、日本曹達)、商品名HPC-SL(粘度2.0〜2.9mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、日本曹達)、商品名HPC-L(粘度6.0〜10.0mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、日本曹達)などが挙げられる。MCとしては、低粘度グレード(粘度2〜15mPa・s、2%W/V水溶液、20℃)のものが好適である。具体例には、商品名メトセルA15-LV(粘度15mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、Dow Chemical社)、メトローズSM4(粘度4mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、信越化学工業)、あるいはメトローズSM15(粘度15mPa・s、2%W/V水溶液、20℃、信越化学工業)などが挙げられる。ポリエチレンオキサイドの整粒剤としては、更に好適にはPEGおよび/またはHPMCであり、最適には粉末状態での添加でも本発明の整粒剤となるPEGである。本発明の整粒剤は、1種または2種以上組合せて用いることができる。使用形態としては、物理混合後に水または結合剤を含む水溶液を噴霧する方法、あるいは整粒剤を含む水溶液として噴霧する方法などが挙げられる。ポリエチレンオキサイドの整粒剤の使用量としては、PEOを水系で整粒できる量であれば特に制限されないが、通常製剤単位当たり0.5〜60重量%である。本発明の整粒剤としてPEGが水溶液として噴霧される場合、好適には製剤単位当たり0.5〜3重量%であり、更に好適には1〜2重量%である。本発明の整粒剤としてPEG以外の物質が水溶液として噴霧される場合、好適には製剤単位当たり0.5〜3重量%であり、更に好適には1〜2重量%である。またPEGが固体整粒剤として使用される場合、好適には5〜60重量%であり、更に好適には10〜30重量%である。整粒剤としてPEG以外の物質が水溶液として用いられる量は、通常の結合剤としての使用量(3〜5重量%)に比べ少ない。0.5重量%より少ない場合、所望の整粒が行われず微粉末が多くなったり、あるいは薬物含量均一性が低下したり、さらに流動性の悪い粉体になる等の問題がある。3重量%より多い場合、造粒が進み過ぎ、その結果粉体の流動性が低下したり、また粉体が大きくなり過ぎ、乾燥後に再度粉砕が必要になる等、結果として薬物含量均一性に問題が残ることが懸念される。本発明の放出制御用医薬組成物としては、薬物の放出を制御した医薬組成物、特に製剤であれば特に制限されない。かかる放出制御用医薬組成物(特に、放出制御用製剤)としては、例えば国際公開第94/06414号パンフレットに記載されたハイドロゲル徐放性製剤が挙げられる。前記ハイドロゲル徐放性製剤は、基本構成成分として、薬物、特定溶解性を示すゲル化促進剤(親水性基剤)、および特定重量分子量のPEOからなるものである。また、放出制御製剤としてPEOが使用される場合、国際公開第01/10466号パンフレットに記載された通り、PEOの安定化剤として黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄が添加される。いずれの製剤においても、薬物放出機構は、国際公開第94/06414号パンフレットに記載された通りである。すなわち、放出制御製剤は、消化管上部滞留中に水分を吸収し、ほぼ完全にゲル化(70%以上、好ましくは80%以上)し、製剤表面が浸蝕を受けながら消化管下部へ移行し、さらに侵蝕により薬物を放出し続けるため、水分の少ない結腸においても、良好かつ持続的な薬物の放出・吸収が行われるものである。放出制御用医薬組成物またはハイドロゲル徐放性製剤には、所望により更に医薬賦形剤が含まれてもよい。本発明の放出制御用医薬組成物において、さらに親水性基剤を含有させた医薬組成物とした場合、本発明に用いられる親水性基剤(ゲル化促進剤)としては、本発明に用いられるPEOがゲル化するより前に溶解し得るものであれば特に制限されない。かかる親水性基剤は、好ましくは該基剤1gが溶解するために必要な水の量が5ml以下(20±5℃)のものであり、さらに好ましくは同4ml以下(同温度)のものである。かかる親水性基剤として、例えばポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000(いずれも日本油脂社製))、ポリビニルピロリドン(例えば、PVP▲R▼K30(BASF社製)等の水溶性高分子、D−ソルビトール、キシリトート等の糖アルコール、白糖、マルトース、ラクチュロース、D−フルクトース、デキストラン(例えばデキストラン40)、ブドウ糖等の糖類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(例えば、Cremophor▲R▼RH40(BASF社製)、HCO-40、HCO-60q(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(例えばプルロニック▲R▼F68(旭電化社製)等)またはポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル(例えばTween80(関東化学社製)等)等の界面活性剤、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等の塩類、クエン酸、酒石酸等の有機酸、グリシン、β−アラニン、塩酸リジン等のアミノ酸類、メグルミン等のアミノ糖類等が挙げられる。好ましくは、ポリエチレングリコール、白糖、ポリビニルピロリドンであり、さらに好ましくは、ポリエチレングリコール(特にマクロゴール6000、マクロゴール8000)である。本発明に用いられる親水性基剤は、1種または2種以上組合せて用いることもできる。親水性基剤(ゲル化促進剤)の配合量は、好ましくは製剤全体に対し5〜80重量%であり、さらに好ましくは製剤全体に対し5〜60重量%である。なお、ゲル化促進剤が本発明でいう整粒剤を兼ねる場合、ゲル化促進剤の配合量は合算した量として計算される。本発明の放出制御用医薬組成物には、PEOの安定化剤として、黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄が配合されることが好ましい(USPSN09/629,405)(対応国際公開第01/10466号パンフレット参照)。該安定化剤の量として、マトリックス中での物理混合では、好適には製剤全量に対し1〜20重量%であり、更に好適には3〜15重量%である。例えば赤色三二酸化鉄では、好適には製剤全量に対し5〜20重量%であり、更に好適には10〜15重量%である。黄色三二酸化鉄では、好適には1〜20重量%であり、更に好適には3〜10重量%である。フィルムコートにより配合される場合、錠剤重量に対し0.3〜2%が好ましく、0.5〜1.5%がさらに好ましい。またこのとき、黄色三二酸化鉄あるいは赤色三二酸化鉄がフィルム中に存する濃度としては5〜50%が好ましく、10〜20%がさらに好ましい。ここでいう「マトリックス中での物理混合」とは、例えば薬物、ポリエチレンオキサイドおよび前記三二酸化鉄を均一に分散し、放出制御製剤の主たる基剤となるPEO中に薬物および前記三二酸化鉄が均一に分散される手段を意味する。また「フィルムコート」とは、例えば前記三二酸化鉄をヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子溶液に溶解あるいは懸濁し、別途調製した錠剤に薄膜で被覆することを意味する。本発明の黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄は、通常製剤中どこに存在してもよい。例えば、フィルムコート等のフィルム中、造粒等の造粒物中、あるいはマトリックス中(例えば、ポリエチレンオキサイドの近傍)等が挙げられる。本発明の放出制御用医薬組成物には、さらに各種医薬賦形剤が適宜使用され、製剤化される。かかる医薬賦形剤としては、製薬的に許容され、かつ薬理的に許容されるものであれば特に制限されない。例えば、結合剤、崩壊剤、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤などが使用される。例えば結合剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、アラビアゴムなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えばコーンスターチ、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。酸味料としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。発泡剤としては、例えば重曹などが挙げられる。人工甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。香料としては、例えばレモン、レモンライム、オレンジ、メントールなどが挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエステルグリコール、タルク、ステアリン酸などが挙げられる。着色剤としては、例えば黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、食用黄色4号、5号、食用赤色3号、102号、食用青色3号などが挙げられる。特に塩酸タムスロシンを配合した放出制御製剤において、黄色三二酸化鉄や赤色三二酸化鉄を使用するときには、顕著な塩酸タムスロシンの光安定化効果を奏することが確認されており、これらの着色剤は光安定化剤としても挙動する。着色剤の量は通常極微量(極微量〜0.1重量%)であるが、安定化剤として添加される場合、通常光安定化剤として安定化効果を奏する量であれば特に制限されないが、通常0.1〜2重量%であり、好適には0.5〜1重量%である。緩衝剤としては、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸またはその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニンまたはその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸またはその塩類などが挙げられる。抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルなどが挙げられる。医薬賦形剤としては、1種または2種以上組合せて適宜適量添加することができる。以下、本発明の放出制御用医薬組成物並びに整粒物の製造方法について、詳記する。本発明の放出制御用医薬組成物の製造工程は、実質的に次の工程からなる。:(1)成分の粉砕・混合工程(2)PEO整粒剤の懸濁および/または溶解工程(整粒剤溶液の調製工程)(3)分子量200万以上の高粘度のPEOに対し上記(2)の工程で調製された整粒剤溶液を噴霧する整粒・乾燥工程(PEO整粒物(粉粒体)の調製工程)(4)上記(3)の工程で得られたPEO整粒物と製薬学的に許容される医薬賦形剤とを均一に配合する工程(5)成形工程(1)成分の粉砕・混合工程該工程は、通常製薬学的に粉砕できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。粉砕に連続した各成分の混合工程は、通常製薬学的に各成分を均一に混合できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。粉砕装置としては、例えばハンマーミル、ボールミル、ジェット粉砕機、コロイドミルなどが挙げられる。粉砕条件は適宜選択されれば特に制限されない。例えばハンマーミルの場合、スクリーンのパンチ径は通常0.5〜5mmであり、好適には0.8〜2mmである。粉体供給速度は通常50〜500g/minであり、好適には100〜200g/minである。混合装置としては、例えばV型混合機、リボン型混合機、コンテナミキサー、高速攪拌混合機などが挙げられる。混合条件は適宜選択されれば特に制限されない。例えば20L容量のコンテナミキサーの場合、通常回転速度は10〜40rpmであり、好適には20〜30rpmである。各成分の混合前処理には、例えば42mesh(目開き355μm)などの篩いを用いて各成分を予め分級することが望ましい。(2)PEO整粒剤の懸濁および/または溶解工程(整粒剤溶液の調製工程)該工程は、整粒剤を均一に溶解および/または懸濁できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。懸濁(溶解)装置としては、例えばマグネットスターラー、プロペラミキサーなどが挙げられる。整粒剤溶液の調製条件は適宜選択されれば特に制限されない。整粒剤溶液の濃度としては、流動層造粒で噴霧される整粒剤の濃度であれば特に制限されない。該濃度は、通常1〜50%W/Wであり、好適には2〜30%W/Wである。PEGでは、1〜50%W/Wであり、好適には5〜30%W/Wである。HPMCでは、1〜20%W/Wであり、好適には2〜10%W/Wである。HPCでは、1〜20%W/Wであり、好適には2〜10%W/Wである。MCでは、1〜20%W/Wであり、好適には2〜10%W/Wである。(3)分子量200万以上の高粘度のPEOに対し上記(2)の工程で調製された整粒剤溶液を噴霧する整粒・乾燥工程(PEO整粒物(粉粒体)の調製工程)該工程としては、PEO整粒剤の水溶液を用いて高粘度のPEOを湿式整粒できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。噴霧装置(方法)としては、例えば、高速攪拌造粒法、解砕(粉砕)造粒法、流動層造粒法、押し出し造粒法、転動造粒法、噴霧造粒法あるいはそれらの方法により用いられる装置などが挙げられる。好適には流動層造粒法・装置であり、更に好適には、低用量薬物と親水性基剤とを高粘度のPEOに均一に配合することが可能な容易転動流動層造粒法・装置である。整粒装置としては、例えば流動層造粒機(例えばフローコーター、フロイント産業社製、GPCG、Glatt社製)、平滑な接粉部を有する水平回転円盤を備えた造粒コーティング装置(例えば、遠心流動造粒装置(例えばCFグラニュレーター、フロイント産業社製))、通気部を有し、かつ表面が平滑な回転円盤を流動層の下部に設けた造粒コーティング装置(例えばスパイラフロー、ローターコンテナー付フローコーター、いずれもフロイント産業社製)などが挙げられる。整粒時の水量としては、整粒剤(好適にはさらに薬物)を均一に溶解および/または懸濁(分散)できる量であれば特に制限されない。PEGが固体状態で使用される場合、PEOを整粒できる量であれば特に制限されない。液体状態として使用する場合、PEOに対し通常10重量%以下であり、好適には8重量%以下であり、更に好適には5重量%以下である。整粒時の水添加方法としては、通常粉状の凝集塊と未処理状態の粉末からなる不均一なものにならない方法であれば特に制限されない。例えば、連続添加する連続噴霧法、造粒工程の途中で乾燥工程や更にシェーキング工程を設ける間歇噴霧法などが挙げられる。整粒時の水添加速度としては、通常粉状の凝集塊と未処理状態の粉末からなる不均一なものにならない速度であれば特に制限されない。例えば流動層造粒の場合、PEOに対し通常0.1〜1重量%/minであり、好適には0.2〜0.8重量%/minであり、更に好適には0.4〜0.6重量%/minである。整粒時の粉体の温度としては、PEOの熱変性を誘起しない温度であれば特に制限されない。例えば20℃乃至PEOの融点(62〜67℃)以下、好適には20℃〜50℃であり、更に好適には20℃〜35℃であり、最適には25℃〜30℃である。乾燥工程としては、整粒物が乾燥される方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。乾燥装置としては、例えば、流動層造粒機(例えばフロ−コーター、フロイント産業社製、GPCG、Glatt社製)、平滑な接粉部を有する水平回転円盤を備えた造粒コーティング装置(例えば、遠心流動造粒装置(例えばCFグラニュレーター、フロイント産業社製))、通気部を有し、かつ表面が平滑な回転円盤を流動層の下部に設けた造粒コーティング装置(例えばスパイラフロー、ローターコンテナー付フローコーター、いずれもフロイント産業社製)などが挙げられる。乾燥条件は通常整粒品が流動層内で乾燥される条件であれば特に制限されない。例えば乾燥吸気温度を50℃とし整粒品温度が40℃になるまで乾燥を行うと、整粒品の乾燥はほぼ終了する。乾燥方法には通風乾燥法、減圧乾燥法も適用することができる。かくして得られる粉粒体(整粒物)は、以下の方法によって評価することができる。「平均粒子径」:累積50%平均粒径を意味する。平均粒子径は、例えば自動粒度分布測定装置(製品名ロボットシフター、セイシン企業製)等によって測定することができる。通常約50〜500μmであり、好適には約60〜300μm程度であり、更に好適には80〜200μmである。「微粉量」:75μm以下の粒子量を意味する。粒度は、例えば自動粒度分布測定装置(製品名ロボットシフター、セイシン企業製)等によって測定することができる。該評価基準として、好適には75μm以下の粒子量が20%以下であり、更に好適には15%以下である。「比容積」:粉体特性測定器(パウダーテスターPT-D、ホソカワミクロン社製)を用い、所定量の試料を20メッシュの篩い上に入れた後、振動により漏斗を通して内容積100mlの受器に連続的に自然落下させる。受器から盛り上がった試料を平らな金属板ですり落とした後、試料の入った受器の質量を量り比容積を算出する。好適には1.5〜3.5mL/gであり、更に好適には2.0〜3.0mL/gである。「安息角」:粉体特性測定器(パウダーテスター PT-D、ホソカワミクロン社製)を用い、所定量の試料を振動により円盤状の測定用テーブルに落とし、テーブルの周囲から試料がこぼれはじめるまで継続し、円錐状の堆積を形成させ、その傾斜角を分度器で読みとる。該評価基準として、好適には45°以下であり、更に好適には42°以下である。「流動性」(圧縮度):粉体特性測定器(パウダーテスターPT-D、ホソカワミクロン社製)を用い、所定量の試料を20メッシュの篩い上に入れた後、振動により漏斗を通して内容積100mlの受器に連続的に自然落下させる。受器から盛り上がった試料を平らな金属板ですり落とした後、試料の入った受器の質量を量りゆるみかさ密度を算出する。さらに上部容器を取り付け、余分に粉体を加えて、バイブレーターで加振し、上部容器を外して受器から盛り上がった試料を平らな金属板ですり落とした後、試料の入った受器の質量を量り固めかさ密度を測定する。ゆるみかさ密度と固めかさ密度の値から以下の式により粉体の圧縮度を算出する。好適には15%以下であり、更に好適には10%以下である。圧縮度(%)=(T−M)/T×100T;Tapped densityM;Minimum density(4)上記(3)の工程で得られたPEO整粒物と製薬学的に許容される医薬賦形剤とを均一に配合する工程該工程としては、前記(3)の工程で得られたPEO整粒物と製薬学的に許容される医薬賦形剤とが均一に配合される方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。例えば、(1)の噴霧液に溶解および/または懸濁する工程、(2)粉粒体を調製する工程、および(3)製薬学的に許容される医薬賦形剤と共に均一に配合する工程、からなる群より選択された1または2の工程において配合される方法が挙げられる。(5)成形工程該工程としては、通常製薬学的に圧縮成型物(好適には錠剤)が製造される方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。打錠装置としては、例えばロータリー打錠機(例えばHT P-22、畑鉄工所製)、単発打錠機(例えばKM-2、岡田精工製)などが挙げられる。打錠条件としては、例えばターンテーブルの回転数が20〜30rpmであり、打錠圧が200〜600kgf/杵である。医薬組成物(製剤)としては、整粒物それ自体、あるいは自体公知の方法により製した錠剤、細粒剤、顆粒剤、あるいは整粒物を例えばゼラチンハードカプセルに充填したカプセル剤などが挙げられる。本発明の放出制御用医薬組成物またはその医薬製剤の製造方法としては、上記記載の方法あるいは自体公知の方法を適宜組合せて、所望の医薬製剤を製造する方法であれば特に制限されない。発明を実施するための最良の形態以下、比較例、実施例および試験例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定解釈されるものではない。なお、本発明実施例には薬物を含まない実施例も含まれているが、該実施例は、本発明製剤に極めて用量の小さな薬物、すなわち本発明製剤にPEO整粒体の特性に影響を及ぼさない程度の極めて微量の薬物量(疾病の治療または予防に有効な極めて微量)が適用されたものを意味する。[実施例1]マクロゴール6000 4部を水36部にマグネチックスターラーを用いて攪拌溶解して噴霧液(濃度10%W/V)を調製した。つぎに、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)400部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度30℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライ/シェーキングのサイクルを20秒/30秒/10秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。造粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。[実施例2]マクロゴール6000を2部、水38部として実施例1に記載された方法により本発明の整粒物を得た。[実施例3]結合剤としてPEGをHPMC(6mPa・s)に代え、実施例1と同様の製造方法により、本発明の整粒物を得た。[参考例1、比較例1〜4]PEO市販品(整粒しないものの粉体特性:参考例)の粉体特性を参考例1とする。水(比較例1)、PVP(比較例2)、ソルビトール(比較例3)、あるいはTween80(比較例4)を整粒剤として、実施例1と同様の方法により、本発明の比較例整粒物を得た。該整粒物の特性値を表1に示した。<結果および考察>PEOの水系整粒における各種整粒化剤の影響について検討した。PEOの市販品を電子顕微鏡で観察したところ10μm程度の微細粒子が凝集し、50〜200μm程度の凝集した粒子であった。粉体特性を測定したところ、比容積は2.3mL/g、75μm以下の微粉は約21%、流動性の指標である圧縮度は11.4%であった。PEOに対し、整粒剤を全く使用しないで水のみで噴霧・整粒した場合、造粒が進み75μm以下の微粉は約3%と減少した。しかし、嵩高く(比容積3.4ml/g)、圧縮度は20.2%と流動性も悪かった。電顕写真では、微細粒子にほぐれてまとまりない状態で結合した粒子であることが観察された(電顕写真は添付省略)。整粒剤としてPVPを使用した場合には、水のみよりも粒子が成長(造粒が進行)した結果、75μm以下の微粉量は約0%であり、比容積3.2ml/g、圧縮度は15.2%と流動性も悪かった。電顕写真では、ほぐれた粒子がまとまりの無い状態の大きな造粒物であることが観察された(電顕写真は添付省略)。ソルビトール、ポリソルベートの水溶液は75μm以下の微粉量が各38%、27%と増加した。電顕写真では、ほぐれた状態の微粒子であることが観察された(電顕写真は添付省略)。PEG、HPMCの水溶液では、平均粒子径が大きくならずに75μm以下の微粉量が各13%、15%と適当な大きさの微粉が造粒された。圧縮度も各7.7%、10.6%と元のPEO粒子よりも更に流動性が改善された。電顕写真では、微粒子が減って100〜200μm程度の表面の滑らかな粒子が形成であることが観察された(電顕写真は添付省略)。<評価>通常、造粒とは、打錠時の杵付着、飛散の問題を回避するため、粒子の成長を促し微粉を少なくする一連の単位操作を意味する。PEO整粒剤としてソルビトール、ポリソルベートを使用した場合には、微粉量を多くするため、該物質は適当ではない。PEO整粒剤としてソルビトールやポリソルベートを使用した場合には、該物質は可塑性は高いが結合力が小さいので、水溶液の噴霧によってほぐれたPEO粒子が乾燥時にまとまらず、整粒できないと考えられる。PEO整粒剤としてPVPを使用した場合、PVPでは微粉量を減少させるが比容積が高く、流動性の劣る粉体となり、上記同様打錠障害および重量均一性の問題となるので好ましくない。PEO整粒剤としてPVPを使用した場合、可塑性が低く結合力が高いので、微細なPEO粒子がほぐれた状態で乾燥し、更に大きな粒子へと造粒が進行すると考えられる。PEO整粒剤としてPEGやHPMCを使用した場合には、微粉量を減らし、かつ流動性が良好な整粒物が得られた。PEO整粒剤としてPEGやHPMCを使用する場合、適度な可塑性と結合力を持っているので、ほぐれた微細なPEO粒子を再結合させ、かつ流動性のよい表面が滑らかな状態で乾燥させることが可能と考えられる。[実施例4]マクロゴール6000 4.8部を水14.4部にマグネチックスターラーを用いて攪拌溶解した。マグネチックスターラーで攪拌下、この液に、予めハンマーミル(サンプルミルAP-S、1mmスクリーン使用、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕した塩酸タムスロシン 0.8部を懸濁(一部溶解)させて、噴霧液を調製した。つぎに、マクロゴール6000 75.2部、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)400部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度25℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライのサイクルを20秒/40秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。整粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。整粒物は、平均粒径:94μm、比容積:2.27mL/g、安息角:39゜であった。整粒物中の薬物の混合均一性は、薬物含量97.3%、標準偏差1.2%と良好であった。この乾燥した整粒物480.8部にステアリン酸マグネシウム2.4部を添加し混合した後、この混合物をロータリー打錠機(HT P-22、畑鉄工所製)を用い、9mmφの杵により打錠圧400kgf/杵、錠剤重量241.6mgで打錠し、本発明の放出制御製剤(錠剤)を得た。得られた錠剤は重量の標準偏差が0.2%とバラツキがすくなかった。[実施例5]マクロゴール6000 4.8部を水14.2部にマグネチックスターラーを用いて攪拌溶解した。マグネチックスターラーで攪拌下、この液に、予めハンマーミル(サンプルミルAP-S、1mmスクリーン使用、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕した塩酸タムスロシン 1.0部を懸濁(一部溶解)させて、噴霧液を調製した。つぎに、マクロゴール6000 70.2部、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)375部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度25℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライのサイクルを20秒/40秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。整粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。整粒物は、平均粒径:93μm、比容積:2.22mL/g、安息角:39゜であった。整粒物中の薬物の混合均一性は、薬物含量97.7%、標準偏差0.7%と良好であった。この乾燥した整粒物451部にステアリン酸マグネシウム2.25部を添加し混合した後、この混合物をロータリー打錠機(HT P-22、畑鉄工所製)を用い、7.5mmφの杵により打錠圧400kgf/杵、錠剤重量181.3mgで打錠し、本発明の放出制御製剤(錠剤)を得た。得られた錠剤は重量の標準偏差が0.4%とバラツキがすくなかった。[実施例6]マクロゴール6000 3.84部を水9.76部にマグネチックスターラーを用いて攪拌溶解した。マグネチックスターラーで攪拌下、この液に、予めハンマーミル(サンプルミルAP-S、1mmスクリーン使用、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕した塩酸タムスロシン 2.4部を懸濁させて、噴霧液を調製した。マクロゴール6000 76.16部、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)400部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度25℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライのサイクルを20秒/40秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。整粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。整粒物は、平均粒径:100μm、比容積:2.38mL/g、安息角:38゜であった。この乾燥した整粒物482.4部にステアリン酸マグネシウム2.4部を添加し混合した後、この混合物をロータリー打錠機(HT P-22、畑鉄工所製)を用い、9mmφの杵により打錠圧400kgf/杵、錠剤重量242.4mgで打錠し、本発明の放出制御製剤(錠剤)を得た。得られた錠剤は重量の標準偏差が0.6%とバラツキがすくなく、含量均一性も標準偏差1.0%と良好であった。[実施例7]マクロゴール6000 4.8部を水14.4部にマグネチックスターラーを用いて攪拌溶解した。マグネチックスターラーで攪拌下、この液に、予めハンマーミル(サンプルミルAP-S、1mmスクリーン使用、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕した塩酸タムスロシン 0.8部を懸濁させて、噴霧液を調製した。つぎに、マクロゴール6000 75.2部、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)400部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度30℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライのサイクルを20秒/40秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。整粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。整粒物は、平均粒径:106μm、比容積:2.33mL/g、安息角:36゜であった。この乾燥した整粒物480.8部にステアリン酸マグネシウム2.4部を添加し混合した後、この混合物をロータリー打錠機(HT P-22、畑鉄工所製)を用い、9mmφの杵により打錠圧400kgf/杵、錠剤重量241.6mgで打錠した。得られた錠剤は重量の標準偏差が0.5%とバラツキがすくなかった。さらに錠剤をヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC-5R、信越化学社製)5.04部、マクロゴール6000 0.95部、黄色三二酸化鉄1.26部を溶解/分散させた液で通気式コーティング機(ハイコーターHCTー30、フロイント産業社製)を用いて、吸気温度60℃、パン回転数13rpm、コーティング液供給速度5g/minでコーティング成分が錠剤重量の3%になるまでスプレーコーティングし、本発明の放出制御製剤(フィルムコート錠)を得た。得られたフィルムコート錠を顕微鏡観察したところ、色素が均一に分布しており、表面が滑らかでPEOのゲル化は認められなかった。[実施例8]塩酸タムスロシン1.2部を水148.8部に溶解し、噴霧液を調製した。つぎに、マクロゴール6000 60部、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)300部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度30℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライのサイクルを20秒/40秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。整粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。整粒物は、平均粒径:108μm、比容積:2.66mL/g、安息角:40゜であった。この乾燥した整粒物にステアリン酸マグネシウム1.8部を添加し混合した後、ロータリー打錠機(HT P-22、畑鉄工所製)を用い、7.0mmφの杵により打錠圧400kgf/杵、錠剤重量121mgで打錠し、本発明の放出制御製剤(錠剤)を得た。得られた錠剤は重量の標準偏差が0.6%とバラツキがすくなかった。また錠剤の含量が97.8%、含量均一性が標準偏差1.4%と良好であった。[実施例9]ヒドロキシプロピルメチルセルロース(6mPa・s)2.0部を水18.0部にマグネチックスターラーを用いて攪拌溶解した。マグネチックスターラーで攪拌下、この液に、予めハンマーミル(サンプルミルAP-S、1mmスクリーン使用、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕した塩酸タムスロシン 0.8部を懸濁(一部溶解)させて、噴霧液を調製した。マクロゴール6000 78.0部、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)400部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度30℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライのサイクルを20秒/40秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。整粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。整粒物は、平均粒径:95μm、比容積:2.53mL/g、安息角:36゜であった。整粒物中の薬物の混合均一性は、薬物含量101.6%、標準偏差1.4%と良好であった。[実施例10]マクロゴール6000 3.84部を水10.56部にマグネチックスターラーを用いて攪拌溶解した。マグネチックスターラーで攪拌下、この液に、予めハンマーミル(サンプルミルAP-S、1mmスクリーン使用、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕した塩酸タムスロシン 1.6部を懸濁させて、噴霧液を調製した。マクロゴール6000 76.16部、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)400部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度25℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライのサイクルを20秒/40秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。整粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。整粒物は、平均粒径:96μm、比容積:2.27mL/g、安息角:37゜であった。この乾燥した整粒物481.6部にステアリン酸マグネシウム2.4部を添加し混合した後、この混合物をロータリー打錠機(HT P-22、畑鉄工所製)を用い、9mmφの杵により打錠圧400kgf/杵、錠剤重量242mgで打錠し、本発明の放出制御製剤(錠剤)を得た。得られた錠剤は重量の標準偏差が0.6%とバラツキがすくなく、含量均一性も標準偏差1.8%と良好であった。[比較例5]塩酸タムスロシン10部およびマクロゴール6000 190部をポリ袋で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルAP-S、1mmスクリーン使用、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕した。混合粉砕品16部にマクロゴール6000 84.8部およびPEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)500部を添加しダブルコーン型混合機(5Lタイプ、徳寿工作所製)にて25rpmで10分間混合した。さらにステアリン酸マグネシウム3.0部を添加し混合し、本発明の比較例製剤を得た。得られた混合品において薬物の混合均一性を確認したところ、含量91.5%、標準偏差1.4%と薬物含量の低下が認められた。[比較例6]ソルビトール3.84部を水11.36部にマグネチックスターラーを用いて攪拌溶解した。マグネチックスターラーで攪拌下、この液に、予めハンマーミル(サンプルミルAP-S、1mmスクリーン使用、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕した塩酸タムスロシン 0.8部を懸濁させて、噴霧液を調製した。ソルビトール76.16部、PEO(POLYOX▲R▼WSR-303、Dow Chemical)400部を流動層造粒機(FLOW COATER、フロイント社製)に仕込み、吸気温度30℃、噴霧速度5g/min、スプレー/ドライのサイクルを20秒/40秒で、前記噴霧液を噴霧することにより整粒した。整粒後、この整粒物を吸気温度40℃で30分間乾燥し、本発明の整粒物を得た。整粒物は、平均粒径:110μm、比容積:2.04mL/g、安息角:38゜であった。整粒物中の薬物の混合均一性は、薬物含量98.2%、標準偏差5.4%と含量均一性の低下が認められた。産業上の利用可能性本発明は、薬物、高粘度のポリエチレンオキサイド、および特定のPEO整粒剤を含有し、該三成分のうち該ポリエチレンオキサイドに対し少なくとも該整粒剤が均一に分散してなる整粒物を含有する放出制御用医薬組成物を提供するものである。本発明によれば、特に低用量薬物について、含量均一性が良好な経口放出制御用医薬組成物を提供することができることから、特に高粘度のポリエチレンオキサイドを放出制御基剤として含む放出制御用医薬組成物にとって、汎用性の高い有用な製剤技術として利用することができる。 (a)薬物、(b)粘度平均分子量200万以上のポリエチレンオキサイド、および(c)常温で固形の分子量2600〜25000、あるいはマクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、またはポリエチレングリコール8000のポリエチレングリコール、2〜15 mPa・s(2%W/V)のヒドロキシプロピルメチルセルロース、2〜10mPa・s(2%W/V)のヒドロキシプロピルセルロース、および2〜15mPa・s(2%W/V)のメチルセルロースからなる群より選択された1種または2種以上の(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤を含有し、製剤単位当たり0.5〜3重量%の量の該整粒剤を水溶液として噴霧することにより、該三成分のうち(b)のポリエチレンオキサイドに対し、少なくとも(c)の整粒剤が均一に分散してなる、平均粒子径が60μm〜300μmである整粒物を含有する放出制御用医薬組成物。 (c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤がポリエチレングリコールである請求項1記載の放出制御用医薬組成物。 (b)のポリエチレンオキサイドの量が、製剤単位当たり10〜95重量%である請求項1記載の放出制御用医薬組成物。 (b)のポリエチレンオキサイドの配合量が、製剤単位当たり70mg以上である請求項1記載の放出制御用医薬組成物。 (b)のポリエチレンオキサイドが、粘度平均分子量500万以上である請求項1記載の放出制御用医薬組成物。 さらに親水性基剤が含まれる請求項1記載の放出制御用医薬組成物。 親水性基剤が、該基剤1gが溶解するために必要な水の量が5ml以下(20±5℃)である請求項6記載の放出制御用医薬組成物。 親水性基剤が、ポリエチレングリコール、白糖、またはポリビニルピロリドンである請求項7記載の放出制御用医薬組成物。 親水性基剤の量が、製剤単位当たり5〜80重量%である請求項6記載の放出制御用医薬組成物。 さらに黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄が含まれる請求項1または6記載の放出制御用医薬組成物。 黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄の量が、ポリエチレンオキサイドに対し0.3〜20重量%である請求項10記載の放出制御用医薬組成物。 薬物の量が、製剤単位当たり85重量%以下である請求項1記載の放出制御用医薬組成物。 薬物の量が、製剤単位当たり10重量%以下である請求項12記載の放出制御用医薬組成物。 薬物が、塩酸タムスロシンである請求項1〜13のいずれか1項に記載の放出制御用医薬組成物。 実質的に有機溶媒を含まない請求項1記載の放出制御用医薬組成物。 (b)粘度平均分子量200万以上のポリエチレンオキサイド、および(c)常温で固形の分子量2600〜25000、あるいはマクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、またはポリエチレングリコール8000のポリエチレングリコール、2〜15 mPa・s(2%W/V)のヒドロキシプロピルメチルセルロース、2〜10mPa・s(2%W/V)のヒドロキシプロピルセルロース、および2〜15mPa・s(2%W/V)のメチルセルロースからなる群より選択された1種または2種以上の(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤を含有し、製剤単位当たり0.5〜3重量%の量の該整粒剤を水溶液として噴霧することにより、(b)のポリエチレンオキサイドに対し、少なくとも(c)の整粒剤が均一に分散してなる、平均粒子径が60μm〜300μmである放出制御用医薬組成物用ポリエチレンオキサイド含有整粒物。 (c)(b)のポリエチレンオキサイドの整粒剤がポリエチレングリコールである請求項16記載の整粒物。 (b)のポリエチレンオキサイドの量が、製剤単位当たり10〜95重量%である請求項16記載の整粒物。 (b)のポリエチレンオキサイドの配合量が、製剤単位当たり70mg以上である請求項16記載の整粒物。 (b)のポリエチレンオキサイドが、粘度平均分子量500万以上である請求項16記載の整粒物。 さらに親水性基剤が含まれる請求項16記載の整粒物。 親水性基剤が、該基剤1gが溶解するために必要な水の量が5ml以下(20±5℃)である請求項21記載の整粒物。 親水性基剤が、ポリエチレングリコール、白糖、またはポリビニルピロリドンである請求項22記載の整粒物。 親水性基剤の量が、製剤単位当たり5〜80重量%である請求項21記載の整粒物。 さらに黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄が含まれる請求項16〜21のいずれか1項に記載の整粒物。 黄色三二酸化鉄および/または赤色三二酸化鉄の量が、ポリエチレンオキサイドに対し0.3〜20重量%である請求項25記載の整粒物。 さらに薬物を含有してなる請求項16記載の整粒物。 薬物の量が、製剤単位当たり85重量%以下である請求項16または27記載の整粒物。 薬物の量が、製剤単位当たり10重量%以下である請求項28記載の整粒物。 薬物が、塩酸タムスロシンである請求項16〜29のいずれか1項に記載の整粒物。 実質的に有機溶媒を含まない請求項16記載の整粒物。 請求項16〜31のいずれか1項に記載の整粒物の放出制御用医薬組成物の基剤としての使用。