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タイトル:特許公報(B2)_高濃度かつ高溶解性のイソフラボン含有組成物及びその製造法
出願番号:2004562892
年次:2010
IPC分類:A23L 1/30,A23L 1/20,A23L 2/70,A61K 31/352,A61K 31/7084,A61K 36/48,A61P 15/12,A61P 19/10,A61P 43/00,C07H 17/07


特許情報キャッシュ

和根崎 智 荒木 秀雄 JP 4442422 特許公報(B2) 20100122 2004562892 20031222 高濃度かつ高溶解性のイソフラボン含有組成物及びその製造法 不二製油株式会社 000236768 和根崎 智 荒木 秀雄 JP 2002372581 20021224 20100331 A23L 1/30 20060101AFI20100311BHJP A23L 1/20 20060101ALI20100311BHJP A23L 2/70 20060101ALI20100311BHJP A61K 31/352 20060101ALI20100311BHJP A61K 31/7084 20060101ALI20100311BHJP A61K 36/48 20060101ALI20100311BHJP A61P 15/12 20060101ALI20100311BHJP A61P 19/10 20060101ALI20100311BHJP A61P 43/00 20060101ALI20100311BHJP C07H 17/07 20060101ALI20100311BHJP JPA23L1/30 BA23L1/20 DA23L2/00 KA61K31/352A61K31/7084A61K35/78 JA61P15/12A61P19/10A61P43/00 111C07H17/07 A23L 1/30 A23L 1/20 A23L 2/00 - 2/62 A61K 31/352 C07H 17/07 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平04−266898(JP,A) 特開2002−080474(JP,A) 特開2000−050839(JP,A) 8 JP2003016508 20031222 WO2004057983 20040715 15 20061017 小金井 悟 本発明は高純度であるのに水への溶解性に極めて優れたイソフラボン含有組成物及びその製造法に関する。 大豆にはイソフラボンが存在し、その中には遊離のイソフラボン配糖体であるダイジン、ゲニスチン、グリシチン、マロニルイソフラボン配糖体である6″−O−マロニルダイジン、6″−O−マロニルゲニスチン、6″−O−マロニルグリシチン、アセチルイソフラボン配糖体である6″−O−アセチルダイジン、6″−O−アセチルゲニスチン、6″−O−アセチルグリシチン、及びイソフラボンアグリコンであるダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインが主に含まれる。 イソフラボンは骨粗鬆症や更年期障害の緩和など様々な作用が認められている大豆中の有効な成分であり、健康食品等にも添加されるなど、広く利用されている。そのため、イソフラボンを有効に摂取するために様々な抽出法や精製法が考案されている。 特許文献1には、大豆の煮汁や大豆を含水有機溶媒にて還流抽出して得られた抽出液を、スチレン−ジビニルベンゼン重合樹脂等の合成吸着樹脂に接触させ、これに含水有機溶媒(例えばエタノールや70%メタノール)を通過させて、イソフラボンを溶出する方法が開示されている。抽出時の含水有機溶媒の濃度について詳細な記載はないが、実施例2には80%エタノール水溶液を用いることのみが記載されている。しかし、この方法はイソフラボンを安価かつ大量に得ることを目的としているだけで、もとより得られた組成物の水への溶解性については何ら考慮されていない。 特許文献2には、大豆を水で抽出して得られた抽出液を合成吸着樹脂に接触させ、これに例えば20〜50%エタノール水溶液を通過させて、マロニルイソフラボン配糖体を精製する方法が開示されている。抽出時の温度としては45〜65℃が適当であることが記載されている。この方法は比較的親水性の高いマロニルイソフラボン配糖体を精製することを目的としたものの、水で抽出するため、抽出率が低く、高濃度のイソフラボン含有組成物が得られない。そして得られた該組成物の水への溶解性に関しては何ら明らかにされていない。 しかも、これら特許文献1及び2に記載の方法で得られた組成物はいずれもイソフラボン含量が低く、水への溶解性も満足のいくものではなかった。 特許文献3には、大豆胚軸を室温〜80℃において含水低級アルコール(例えば70%エタノール)にて抽出して得られた抽出液を、均一粒径の陰イオン交換樹脂に接触させ、これを水洗浄後、例えば70%エタノール水溶液を通過させて、遊離のイソフラボン配糖体画分を得る方法が開示されている。しかし、陰イオン交換樹脂で精製して得られた組成物は、イソフラボン含量が60%以上と高純度であるが、溶解度の低い遊離のイソフラボン配糖体を精製したものであるため、水への溶解性が悪く、水溶液での安定性が悪いという問題がある。 したがって、特許文献1〜3の方法によっては、飲料への添加も可能な高溶解性かつ高濃度のイソフラボン含有組成物を得ることができなかった。 それは本来、イソフラボン自体の溶解度が極めて低いことが原因であり、例えばダイジンの溶解度は3.3mg/100ml程度しかないためである。かかるイソフラボンの水への溶解性の改善方法として、特許文献4には、大豆胚軸を70〜90%アルコール水溶液にて70℃程度で還流抽出して得られた抽出液を、合成吸着樹脂に接触させ、これを30〜80%含水アルコールを通過させて得られたイソフラボン含有組成物をサイクロデキストリンで包接する方法について開示されている。しかしながら本方法はイソフラボン抽出物に対して等量以上のサイクロデキストリンの添加が必要であるため、最終的にはイソフラボン含量が極度に低下してしまい、さらには溶解度がサイクロデキストリン自身の溶解度に依存してしまうため、使用時に加熱溶解工程が必要であり、さらに高濃度では溶解させることができない。 また、特許文献5ではα−グルコシル糖化合物の存在下で糖転移化酵素を作用させてα−グルコシルイソフラボンとすることにより溶解性が向上させる方法が開示されている。しかしながら、等モル以上の糖化合物の添加が必要であるため、本方法についてもイソフラボン含量が低下してしまう問題がある。 以上のように、サイクロデキストリンのような可溶化剤や糖化合物などの添加物を使用しなくても、天然の組成物の状態でも高純度であってかつ水へも高濃度に安定的に溶解し、飲料などの用途にも利用しやすいイソフラボン含有組成物が望まれていた。[参考文献] (特許文献1)特開昭62−126186号公報 (特許文献2)特開平8−283283号公報 (特許文献3)特開2002−80474号公報 (特許文献4)特開平10−298175号公報 (特許文献5)特開2000−327692公報 本発明は、可溶化剤の添加や化学修飾等を施さなくとも、天然の状態で高純度であるにも関わらず、水への溶解性にも極めて優れた新規のイソフラボン含有組成物とその製造法を提供するものである。 本発明者等は鋭意研究の結果、大豆胚軸からマロニルイソフラボン配糖体、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボン、及びサポニンが特定範囲の組成を有するイソフラボン含有組成物を調製すると、該組成物が驚くべきことに高濃度であっても極めて高度の溶解性を発揮することを見出した。そして特に好ましい製法として、大豆胚軸を含水アルコールを用いて特定温度域にて抽出し、これを非極性合成吸着樹脂に吸着させ、特定濃度の含水アルコールにて溶出することにより、上記イソフラボン含有組成物を得られることを見出した。 即ち、本発明は以下の発明を開示するものである。(1)イソフラボン含有組成物であって、該組成物中におけるイソフラボンとサポニンの総量を100重量%とした場合に、マロニルイソフラボン配糖体が15〜95重量%、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボンが0〜50重量%、及びサポニンが5〜60重量%含まれることを特徴とするイソフラボン含有組成物。(2)原料が大豆胚軸である上記(1)記載のイソフラボン含有組成物。(3)該組成物中におけるサポニンの総量を100重量%とした場合に、グループAサポニンの組成が55重量%以上である上記(1)記載のイソフラボン含有組成物。(4)25℃における水への溶解度がイソフラボン量として20mg/100ml以上である上記(1)記載のイソフラボン含有組成物。(5)大豆胚軸を15〜95容量%エタノール水溶液を用いて10〜50℃で抽出する工程を経ることを特徴とする上記(2)記載のイソフラボン含有組成物の製造法。(6)下記(A)〜(C)の工程を経ることを特徴とする上記(2)記載のイソフラボン含有組成物の製造法。(A)大豆胚軸を15〜95容量%エタノール水溶液を用いて10〜50℃で抽出して抽出物を得る工程、(B)上記(A)で得られた抽出物の水溶液を非極性吸着樹脂に接触させて、イソフラボンを吸着させる工程、(C)15〜40容量%エタノール水溶液を用いて該吸着樹脂からイソフラボンを溶出させる工程。(7)上記(1)記載のイソフラボン含有組成物を含有してなる可食性組成物。(8)大豆胚軸を15〜95容量%エタノール水溶液を用いて10〜50℃で抽出して得られた抽出物の水溶液を、非極性吸着樹脂に接触させ、次に15〜40容量%エタノール水溶液を用いて該吸着樹脂からイソフラボン含有画分を溶出させ、次に65〜90容量%エタノール水溶液を用いて該吸着樹脂からサポニン含有画分を溶出させることを特徴とするイソフラボン及びサポニンの分画方法。 本願発明により、可溶化剤の添加や化学修飾等を施さなくとも天然の状態で高濃度であり、なおかつ従来の水易溶性といわれたイソフラボン組成物に比べて極めて水への溶解性に優れた高溶解性のイソフラボン組成物を提供することが可能となった。 本発明のイソフラボン含有組成物は、イソフラボンが好ましくは固形分重量あたり25〜95重量%、より好ましくは25〜60重量%、さらに好ましくは30〜60重量%、特に好ましくは40〜60重量%含まれるものである。 そして本発明の特徴は、該組成物中におけるイソフラボンとサポニンの総量を100%とした場合に、以下の3点が特徴である。1.マロニルイソフラボン配糖体が15〜95重量%、より好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは25〜85重量%、最も好ましくは30〜80重量%含まれる点、2.マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボン(すなわち、イソフラボン配糖体、アセチルイソフラボン配糖体、イソフラボンアグリコン等であり、総イソフラボン量からマロニルイソフラボン配糖体量を除いたもの)が0〜50重量%、より好ましくは0〜45重量%、さらに好ましくは0〜40重量%、最も好ましくは0〜30重量%含まれる点、3.サポニンが5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜45重量%、最も好ましくは20〜40重量%含まれる点。 かかる範囲内の組成を有するイソフラボン含有組成物を調製することにより、該組成物はイソフラボンが高濃度に含まれていながら、極めて優れた水への溶解性を示し、溶解後の冷蔵下における保存安定性にも優れるものである。 上記範囲内であれば特に限定されないが、より具体的には本発明のイソフラボン含有組成物中には、イソフラボンとサポニン以外に固形分換算で蛋白質が8〜20重量%、その他糖質を含有する。さらにサポニン含有量がイソフラボン含有量の1/4〜3/4重量倍であることがより好ましい。 さらに、大豆サポニンにはグループAサポニン、グループBサポニン、グループEサポニン等が存在するが、該組成物中におけるサポニンの総量を100重量%とした場合、グループAサポニンの組成が55重量%以上、より好ましくは60重量%以上であることが適当である。 本発明のイソフラボン含有組成物の25℃におけるイソフラボンの水に対する溶解度は20mg/100ml以上、好ましくは50〜1200mg/100ml、より好ましくは100〜1200mg/100ml、さらに好ましくは500〜1200mg/100mlである。さらに溶解性が高いだけでなく、上記高濃度溶液の状態で冷蔵温度(10℃以下)に長期保存しても、沈殿やくすみが生じることはないものである。なお、本発明において溶解度とは25℃において水100mlに対して溶解する溶質の最大量(g)中をいい、数値はイソフラボン量(mg)として示す。 さらに、本発明のイソフラボン含有組成物は、不溶性物質を可溶化するサイクロデキストリン、オクタニルコハク酸澱粉等の可溶化剤を含有させたり、また糖化合物を含有させて糖転移酵素等によってイソフラボンに親水性の糖化合物を結合させておくことも可能であるが、これらは必須ではなく、むしろ含有しないことが好ましい。いずれもこれらを含有することによりかえって固形分重量当たりのイソフラボン含量が低下してしまうし、サイクロデキストリンを用いた場合にはそれ自身の常温における溶解度が低いため、一旦加熱しなければ溶解しにくくなるからである。したがって可溶化剤を添加するならば、イソフラボン含有組成物中のイソフラボン量未満の添加量とするのが好ましい。 以上に説明した本発明のイソフラボン含有組成物は、高溶解性かつ高濃度のイソフラボン含有組成物であり、しかも可溶化剤や化学修飾を施す必要のない従来にない新規な天然素材である。本来水には極めて難溶解性であるイソフラボンが高濃度に含有するにも関わらず、本発明のイソフラボン含有組成物がなぜ高溶解性であるのか、その溶解機構については明らかにされていないが、大豆胚軸中に共に含有するサポニンやイソフラボン以外の成分が特定量共存することによって、何らかの相互作用によりイソフラボンが高度に溶解するのではないかと考えられる。 以下に本発明のイソフラボン含有組成物の製造方法の態様を示す。(抽出原料)本発明のイソフラボン含有組成物を抽出する原料は限定されず、丸大豆、脱脂大豆、分離大豆蛋白やおからなども用いることが、特に大豆胚軸を用いることが好ましい。大豆胚軸は固形分中のイソフラボン含量が1〜2重量%と大豆種子に対して10倍以上であり、高純度のイソフラボン含有組成物を得るには好適な原料であり、より溶解性の高いイソフラボン含有組成物を得るためにも重要である。 溶解性との関連は不明であるが、大豆胚軸は大豆の子葉部と比較するとサポニンの組成(グループA:グループB比)が異なっており、全サポニン中にグループAサポニンが60重量%以上含まれ、グループBサポニンの含量が低い。 大豆胚軸は特に限定されないが、例えば大豆を剥皮して粗割すれば容易に分離して得ることができ、さらに篩過して胚軸純度を高めたものを使用すればなお好適である。また、一般に「大豆胚軸」や「大豆胚芽」として市販されているものを利用することができる。そして大豆胚軸は風味改善等の目的で加熱処理等の前処理を施してもよいが、加熱によりマロニルイソフラボン配糖体が遊離の配糖体に変換してしまうと、サポニン等のイソフラボン以外の成分との分離が困難となるため生大豆胚軸を用いるか、軽度の加熱に留めたものを用いることが好ましい。 なお全脂大豆や脱脂大豆等を使用することも可能であるが、イソフラボンの含量が低く、所望のイソフラボン純度にするためには手間、コストがかかるため、大豆胚軸の方が好適である。(抽出溶媒) 大豆胚軸からイソフラボンを抽出する溶媒としては、エタノール、メタノールやプロパノール等の含水アルコール系有機溶媒を用いるが、特に食品に使用する点からエタノールが好ましい。抽出溶媒のアルコール濃度は15〜95容量%とするのが好ましく、より好ましくは30〜90容量%、さらに好ましくは40〜85容量%、最も好ましくは60〜80容量%とするのが好適である。 アルコール濃度が低すぎるとイソフラボンを抽出しにくくなり、イソフラボン回収率が悪くなるばかりではなく、抽出中に元来大豆胚軸中に含まれているβ−グルコシダーゼの影響によりダイジンやゲニスチン等のイソフラボン配糖体やマロニルイソフラボン配糖体がダイゼインやゲニステイン等のイソフラボンアグリコンに変換される傾向が強くなり、溶解性の高いイソフラボン組成物を得難くなる。またアルコールの純度が高すぎてもイソフラボン回収率が低下するばかりではなく、生産コストも上昇するため不適である。(抽出温度) 本発明において、抽出温度は10℃〜50℃にて行うことが重要であり、より好ましくは20℃〜40℃にて抽出するのが好適である。もちろん上記の温度域であれば室温抽出を用いてもよい。抽出温度が低すぎると抽出効率が低下してしまう。逆に抽出温度が高すぎると、マロニルイソフラボン配糖体が熱分解し、遊離のイソフラボン配糖体に変換されてしまうため、25℃で溶解性に優れたイソフラボン含有組成物を得ることが困難となる。 抽出条件により異なるが上記特定の溶媒濃度及び特定の抽出温度において抽出することにより、イソフラボンを高度に溶解させる状態で、原料胚軸から8割以上の高収率でイソフラボンが回収できる。よりイソフラボンの回収率を上げるには、上記抽出操作を複数回行うことが好ましい。(吸着剤処理) 次に、上記抽出工程により得られたイソフラボン粗抽出物から、高溶解性かつ高濃度のイソフラボン含有組成物に精製する。 精製工程は第1に、粗抽出物を必要に応じ水に溶解させ、非極性吸着樹脂に接触させる。なお上記工程により得られた抽出液はアルコールを含有するため、必要によりアルコール除去し、さらに濃縮等を行っておくとよい。またアルコール濃度が高い場合は原料中の脂質が抽出される場合があるため、抽出原料の段階ないし抽出液の段階において脱脂することができる。用いる非極性吸着樹脂としては例えば、多孔性スチレン・ジビニルベンゼン型樹脂であるHP−20(三菱化学(株)製)、SP−825(三菱化学(株)製)、アンバーライトXAD−2、XAD−4(ローム・アンド・ハース(株)製)、デュオライトS−861、S−862(住友化学工業(株)製)等の非極性の合成吸着樹脂を使用することが好ましい。極性を持つ陽イオン交換樹脂であるデュオライトC26A(住友化学工業(株)製)や陰イオン交換樹脂であるWA−30(三菱化学(株)製)等はイソフラボンを吸着しなかったり、得られたイソフラボン素材の溶解性が低くなり不適である。 この操作はタンクに該吸着樹脂を投入してバッチ式で行っても良いし、カラムに該吸着樹脂を充填して行うことも可能であるが、製造効率や生産性を考えると樹脂を充填した樹脂筒に粗抽出物の水溶液を通過させることが好ましい。(イソフラボン含有組成物の溶出) 次に、該吸着樹脂に吸着させた画分から含水アルコール系有機溶媒により選択的に特定のイソフラボンを溶出させ、回収する。含水アルコール系有機溶媒としては、含水エタノールが好ましい。本発明において重要なことは、溶媒のエタノール濃度を15〜40容量%とする点にあり、より好ましくは20〜35容量%とする。 エタノール濃度が低すぎるとイソフラボン含有組成物を回収するために多量の溶媒が必要になり、イソフラボンも溶出されにくいため、組成物中のイソフラボンの濃度が低下してしまう。また、エタノール濃度が高すぎるとサポニンなどイソフラボン以外の不純物が多量に溶出してしまい、イソフラボン純度が低下してしまうだけではなく、イソフラボンアグリコンのような水に難溶性の非極性物質も溶出させてしまい、溶解性の高いイソフラボン含有画分が得られない。(イソフラボン含有組成物の加工) 以上の製造方法により得られたイソフラボン含有組成物は加熱、減圧により有機溶剤を除去した後、さらに濃縮後、そのまま「イソフラボンエキス」として使用することもでき、あるいはスプレー乾燥や凍結乾燥により粉末化することもできる。 かくして得られるイソフラボン含有組成物はイソフラボン含量が固形分重量あたり25〜95重量%の高濃度であり、しかも25℃における水への溶解度がイソフラボン量として20mg/100ml以上である極めて高溶解性の従来にはない新規なイソフラボン含有組成物である。(酸沈処理) 以上の方法にて得られたイソフラボン含有組成物はイソフラボン量として20mg/100mlといった通常の使用濃度域ではそのまま使用できるが、酸性域の飲食品に高濃度に添加して使用する場合には溶液の透明性を高めるため、酸性域にpH調整して生ずる不溶物(例えば蛋白質など)の除去工程をさらに行ってもよい。 pHを調整するための酸は食品用の無機酸、有機酸のいずれでも良く、例えば塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、リンゴ酸、クエン酸およびアスコルビン酸などが挙げられる。pHは添加する飲食品のpH以下に調整すればよいが、通常4以下、好ましくは3.5以下に調整し、一定時間保持すればよい。保持する際の温度は室温以下、好ましくは10℃以下が適当である。 通常、大豆胚軸等からの抽出液には蛋白質が含有しており、これが酸性下で沈殿する際にイソフラボンがともに沈殿(共沈)しやすい傾向にある。しかしながら本発明ではアルコールにより抽出を行い、吸着樹脂によって精製しており、蛋白質の含有量を低下させているため共沈を防止することができる。不溶物とイソフラボンとの分離はろ過、遠心分離など通常、用いられる固液分離処理を行えばよい。(サポニン含有画分の溶出) なお本願発明において、非極性吸着樹脂からイソフラボン含有画分を15〜40容量%エタノールで溶出した後には、サポニンを主体とする画分が依然として吸着されている。そこで、この画分はより高濃度のアルコール、好ましくは60〜95容量%、より好ましくは65〜90容量%エタノールで溶出させることによって、固形分重量あたり40重量%以上のサポニンを含有するサポニン含有組成物を得ることができる。 このように特定温度によって抽出した抽出物を非極性吸着樹脂に吸着させ、異なる濃度のアルコール水溶液で溶出することにより、高濃度かつ高溶解性のイソフラボン含有画分と、高濃度のサポニン含有画分を効率良く分画することが可能となり、高濃度のサポニン素材として提供することができる。(食品等への利用性) 得られたイソフラボン含有組成物は高濃度であるためあらゆる可食性組成物、例えば医薬品、食品、飲料に少量添加するだけで多量のイソフラボンを摂取することができる。また同時にサポニンも含まれるので、両成分を有効に摂取できる。そして該組成物は高溶解性を有するため、液状の医薬品や食品、飲料において特に効果を発揮する。該組成物は錠剤、顆粒などの固形物として提供でき、また高溶解性を利用して、濃縮液としてポーションなどの形態としても提供できるので、ジャムやソースなどの調味料原料としても利用可能である。 なお、本発明においてイソフラボンの測定は(財)日本健康・栄養食品協会の大豆イソフラボン食品規格基準分析法に従い、またサポニンは薄層クロマトグラフィー法により以下のように定量し、蛋白質はケルダール法により定量した。(イソフラボンの定量法) イソフラボンとして1〜10mgに対応する試料を正確に秤量し、これに70%(v/v)エタノールを25mL加えた。30分間室温で撹拌抽出した後、遠心分離して抽出液を得た。残渣は同様の抽出操作を更に2回行った。計3回分の抽出液を70%(v/v)エタノールで100mLに定容し、0.45μmPVDFフィルターにて濾過したものを試験溶液とした。 イソフラボンの確認試験は標準品12種類、すなわちダイジン、ゲニスチン、グリシチン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、マロニルダイジン、マロニルゲニスチン、マロニルグリシチン、アセチルダイジン、アセチルゲニスチン、アセチルグリシチン(和光純薬工業株式会社)を用い、ほぼ同じリテンションタイムのピークを確認した。定量試験はダイジン標準品を用いて12種類のイソフラボン濃度(ダイジン換算値)を定量し、下記の定量係数を乗じることにより真のイソフラボン濃度を算出した。イソフラボンの定量係数:ダイジン(1.000)、ゲニスチン(0.814)、グリシチン(1.090)、マロニルダイジン(1.444)、マロニルゲニスチン(1.095)、マロニルグリシチン(1.351)、アセチルダイジン(1.094)、アセチルゲニスチン(1.064)、アセチルグリシチン(1.197)、ダイゼイン(0.583)、ゲニステイン(0.528)、グリシテイン(0.740) そして各種イソフラボン濃度の総和からイソフラボン量を求めた。なお、試験溶液及び標準溶液のHPLC条件は表1のように行った。(表1) HPLC条件(サポニンの定量)試料を正確に秤量し、これにメタノールを加え1時間攪拌抽出した後、遠心分離して抽出液を得た。これを再度繰り返し、得られた抽出液を一定量に定容した。これを薄層クロマトグラフィー(TLC)に負荷した後、サポニンの標品とRf値を比較し、サポニンのスポットを確認した。あらかじめサポニン標品にて作製しておいた標準直線を用いて、スポットの面積積分値を求め、サポニン量を算出した。表2に薄層クロマトグラフィーの条件を示す。(表2) TLC条件 以下、この発明の実施例を示すが、本発明がこれらによってその技術的範囲が限定されるものではない。[実施例1] 大豆生胚軸500gに70容量%の含水エタノール2.0Lを加え、30℃にて8時間攪拌抽出を行った。抽出液をろ過により分離した後、再度70容量%の含水エタノール2.0Lを加え、同様に抽出を行い、2回の抽出液を混合した。 該抽出液を減圧下、40℃にて濃縮を行い、有機溶剤を完全に除去した。このようにして得られた粗抽出物を水に溶解し、非極性合成吸着樹脂ダイアイオンHP−20(三菱化学(株)製)を充填したカラム(100mL)にSV2にて負荷した。次に30容量%の含水エタノールで溶出させることでイソフラボン画分を得た。これを減圧下、40℃にて濃縮を行い、乾燥粉末化してイソフラボン含有組成物15gを得た。得られたイソフラボン含有組成物のイソフラボン濃度は固形分重量あたり48.0%であった。またサポニンは23.8%、蛋白質は14.1%含有していた。[実験例1]抽出溶媒のエタノール濃度の検討 実施例1と同様の方法で抽出溶媒のエタノール濃度を表3のように変化させた場合に、大豆胚軸から抽出された抽出液中のイソフラボン組成と大豆胚軸からのイソフラボン収率がどのように変化するかを調べた。結果を表3に示す。(表3) エタノール抽出液中のイソフラボン組成と収率 抽出溶媒のエタノール濃度が10容量%になるとイソフラボン収率が低くなり、またイソフラボンアグリコンの含量が上昇してマロニルイソフラボン配糖体の含量が急激に低下した。この原因は恐らくエタノール濃度が低かったために大豆胚軸中のβ−グルコシダーゼがマロニルイソフラボン配糖体に作用し、アグリコンに分解したためと考えられる。 また、エタノール濃度が100容量%の場合もイソフラボン収率が急激に低くなり、イソフラボン配糖体の含量が上昇してマロニルイソフラボン配糖体の含量が急激に低下した。 したがって、抽出溶媒のエタノール濃度は少なくとも15〜95容量%とすることが適当であり、30〜90容量%がより好ましく、40〜85容量%がさらに好ましく、60〜80容量%が最も好ましいと考えられる。[比較例1]高温下におけるエタノール抽出 大豆生胚軸500gに70容量%の含水エタノール1.5Lを加え、70℃にて8時間加熱還流抽出を行った。抽出液をろ過により分離した後、再度70容量%の含水エタノール1.5Lを加え、同様に還流抽出を行い、2回の抽出液を混合した。 該抽出液を減圧下、60℃にて濃縮を行い、有機溶剤を完全に除去した。このようにして得られた抽出物を水に溶解し、非極性吸着樹脂ダイアイオンHP−20(三菱化学(株)製)を充填したカラム(100mL)にSV2にて負荷した。次に30容量%の含水エタノールで溶出させることによりイソフラボン画分を得た。これを減圧下、60℃にて濃縮を行い、乾燥粉末化してイソフラボン含有組成物20gを得た。得られたイソフラボン含有組成物のイソフラボン濃度は固形分重量あたり38%であった。またサポニンの濃度は固形分重量あたり18重量%であった。[比較例2]高濃度エタノールによる溶出 実施例1と同じ方法にて抽出を行い、カラムより溶出するエタノール濃度を70容量%の含水エタノールに変更して行い、イソフラボン画分を得た。これを減圧下、60℃にて濃縮を行い、乾燥粉末化してイソフラボン含有組成物30gを得た。得られたイソフラボン含有組成物のイソフラボン濃度は固形分重量あたり20.7重量%であった。またサポニンの濃度は固形分重量あたり33重量%であった。[比較例3]高温抽出・陰イオン樹脂・高濃度エタノール溶出 大豆生胚軸500gに70容量%の含水エタノール1.5Lを加え、70℃にて8時間加熱還流抽出を行った。抽出液をろ過により分離した後、再度70容量%の含水エタノール1.5Lを加え、同様に還流抽出を行い、2回の抽出液を混合した。 該抽出液を減圧下、60℃にて濃縮を行い、有機溶剤を完全に除去した。このようにして得られた抽出物を水に溶解し、陰イオン交換樹脂WA−30(三菱化学(株)製)を充填したカラム(100mL)にSV2にて負荷した。次に70容量%の含水エタノールで溶出させることでイソフラボン画分を得た。これを減圧下、60℃にて濃縮を行い、乾燥粉末化してイソフラボン含有組成物6gを得た。得られたイソフラボン含有組成物のイソフラボン濃度は固形分重量あたり75%であった。またサポニンの濃度は固形分重量あたり0.5重量%であった。 実施例1及び比較例1〜3にて得られたイソフラボン含有組成物の組成表を表4に示した。実施例1で得られたイソフラボン組成物は比較例1〜3に比べマロニルイソフラボン配糖体の割合が極めて高く、イソフラボン配糖体やイソフラボンアグリコンの割合が低い特徴を有していた。比較例1において、マロニルイソフラボン配糖体の割合が低下したのは、抽出温度を70℃と高くしたことによってマロニルイソフラボン配糖体が分解してイソフラボン配糖体となったためと考えられる。比較例2において、マロニルイソフラボン配糖体の割合が低下したのは、エタノール溶出濃度を高くしたことによって、マロニルイソフラボン配糖体以外の成分が多量に溶出したためと考えられる。(表4)[比較例4]サイクロデキストリンによるイソフラボン可溶物の製法 比較例1の方法(高濃度エタノール抽出)にて得られたイソフラボン含有組成物5gにβ−サイクロデキストリン(日本食品化工製)25gを80℃の50%含水エタノール500mlに溶解させ、80℃にて3時間撹拌した。その後、室温にて一晩静置し、上清側を減圧乾燥した後に粉体10gを得た。このようにして得られたイソフラボン含有組成物のイソフラボン濃度は固形分あたり8.4%であった。またサポニンの濃度は固形分重量あたり1.8重量%であった。[実験例2] 実施例1および比較例1〜4により得られたイソフラボン含有組成物をイソフラボン量として20mg/100mlとなるように、25℃pH7.0の水に撹拌溶解させ、撹拌後の溶解性を確認した。また2週間4℃にて保存し冷蔵安定性についても確認した。この結果を表5に示す。(表5) 表5の結果より実施例1の場合では固形分中のイソフラボン含量が48%と高純度であるのに加え、さらに25℃での溶解性にも極めて優れていた。さらに、2週間後の冷蔵安定性においても極めて優れていたことから、実施例1の製造条件で得られたものは、高濃度でかつ水溶解性に極めて優れたイソフラボン含有組成物を得ることが可能である。ちなみに、実施例1において得られたイソフラボン含有組成物が25℃の水に溶解する最大量(溶解度)を調べたところ、驚くべきことに水100mlに対してイソフラボン換算で1000mg以上溶解することが可能であった。 比較例1ではイソフラボン含量は38%と高くなったものの、25℃における溶解性、冷蔵安定性とも劣っていた。この原因は高温(70℃)で加熱還流抽出を行ったことにより、本来的に水に難溶性であるイソフラボンアグリコンやイソフラボン配糖体や色素などの物質まで抽出してしまったためと考えられる。 比較例2ではイソフラボン含量が20%と低く、25℃における溶解性においても劣っていた。この原因は高濃度のエタノールによってイソフラボン画分を溶出したことにより、吸着樹脂から水に難溶性の非極性物質が多量に溶出されてしまったためと考えられる。 比較例3ではイソフラボン含量は75%と高いものが得られていた。しかし25℃において水に全く不溶であった。この原因は本来イソフラボン自体の溶解度が5mg/L程度であり、高度の精製によって溶解度が向上しなかったためと考えられる。 比較例4ではサイクロデキストリンにイソフラボンを包接させたため、固形分中の糖含量が上昇し、イソフラボン含量は8.4%と低かった。また、25℃においてはまったく溶解しなかった。この原因はサイクロデキストリンの溶解度に依存するため、25℃では溶解しなかったことによると考えられる。なお、溶解させるためには80℃にて10分以上の加熱溶解が必要であった。 以上の結果より、実施例1の場合、すなわち特定のエタノール濃度による抽出と溶出、及び特定の温度による抽出を組み合せて行った場合にのみ、高純度かつ高溶解性、冷蔵安定性に優れたイソフラボン含有組成物が得られていた。かかる優れた性質を示すための組成物の成分組成を検討するに、第1にイソフラボン濃度が固形分重量あたり25重量%以上の高純度である点、第2にイソフラボンとサポニンの総量を100重量%とした場合に、マロニルイソフラボン配糖体の含量が15〜95重量%、より好ましくは30〜90重量%、さらに好ましくは35〜85重量%、最も好ましくは35〜80重量%であること、第3にイソフラボンとサポニンの総量を100重量%とした場合に、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボンが0〜50重量%、より好ましくは0〜45重量%、さらに好ましくは0〜40重量%、最も好ましくは0〜35重量%であること、第4にイソフラボンとサポニンの総量を100重量%とした場合に、サポニン含量が5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜45重量%、最も好ましくは20〜40重量%であることが重要であると考えられる。[実施例2] 実施例1にて得られたイソフラボン含有組成物5gを100mlの水に溶解させ、クエン酸にてpH3.0に調製した。一晩室温にて放置した後、3000g×10分、遠心分離した後上清側を回収した。これを炭酸水素ナトリウムにてpH6.5に調製したものを乾燥、粉末化し粉末4gを得た。得られたイソフラボン含有組成物のイソフラボン濃度は固形分あたり37重量%であった。このようにして得られたイソフラボン含有組成物は中性域(pH7.0)、さらには酸性域(pH3.0)において、イソフラボン量として100mg/100ml以上の濃度域においても溶解性に大変優れており、2週間、冷蔵後においてもくすみ、沈殿が見られず溶解性、冷蔵安定性に優れたイソフラボン含有組成物が得られていた。[実施例3]イソフラボン含有飲料実施例1にて得られたイソフラボン含有組成物を表6に示す配合により調合し、UHT殺菌を行い、飲料を作製した。(表6) 本飲料は溶解性にも優れていて外観、風味とも良好であった。なお、本飲料を50mL摂取することによりイソフラボンを40mg摂取することが可能である。[実施例4]イソフラボン含有ポーション飲料の製造 実施例2にて得られたイソフラボン含有組成物を表7に示す配合により調合し、殺菌後、無菌充填を行いポーション(10g×15個)を作製した。 このようにして得られたポーションは外観上も良好であり、水100mlに希釈して飲んだところ、風味的にも良好であった。このポーションを1個摂取することによりイソフラボン40mgを摂取することが可能であり、また携帯性にも優れたものである。 本願発明により低温下でも水易溶性であることが要求される飲料を含めた食品全般あるいは医薬品、化粧品におけるイソフラボンの使用用途が飛躍的に拡大される。特にイソフラボンが有する種々の生理機能を利用した健康食品に関連する産業に大きく貢献しうるものである。 イソフラボン含有組成物であって、該組成物中におけるイソフラボンとサポニンの総量を100重量%とした場合に、マロニルイソフラボン配糖体が15〜95重量%、マロニルイソフラボン配糖体以外のイソフラボンが0〜50重量%、及びサポニンが5〜60重量%含まれることを特徴とするイソフラボン含有組成物。 原料が大豆胚軸である請求項1記載のイソフラボン含有組成物。 該組成物中におけるサポニンの総量を100重量%とした場合に、グループAサポニンの組成が55重量%以上である請求項1又は2記載のイソフラボン含有組成物。 25℃における水への溶解度がイソフラボン量として20mg/100ml以上である請求項1〜3の何れか記載のイソフラボン含有組成物。 大豆胚軸を15〜95容量%エタノール水溶液を用いて10〜50℃で抽出する工程を経ることを特徴とする請求項2記載のイソフラボン含有組成物の製造法。 下記(A)〜(C)の工程を経ることを特徴とする請求項2記載のイソフラボン含有組成物の製造法。(A)大豆胚軸を15〜95容量%エタノール水溶液を用いて10〜50℃で抽出して抽出物を得る工程、(B)上記(A)で得られた抽出物の水溶液を非極性吸着樹脂に接触させて、イソフラボンを吸着させる工程、(C)15〜40容量%エタノール水溶液を用いて該吸着樹脂からイソフラボンを溶出させる工程。 請求項1記載のイソフラボン含有組成物を含有してなる可食性組成物。 大豆胚軸を15〜95容量%エタノール水溶液を用いて10〜50℃で抽出して得られた抽出物の水溶液を、非極性吸着樹脂に接触させ、次に15〜40容量%エタノール水溶液を用いて該吸着樹脂からイソフラボン含有画分を溶出させ、次に65〜90容量%エタノール水溶液を用いて該吸着樹脂からサポニン含有画分を溶出させることを特徴とするイソフラボン含有画分及びサポニン含有画分の分画方法。


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