タイトル: | 特許公報(B2)_新規なレチノール誘導体及びそれを含む化粧料組成物 |
出願番号: | 2004560657 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07D 307/62,A61K 8/63,A61Q 19/00,A61Q 19/02 |
リ、クンス ジョン、ジホン リ、スンジ リ、ゾンノ ゾ、ビョンキ JP 4260113 特許公報(B2) 20090220 2004560657 20021218 新規なレチノール誘導体及びそれを含む化粧料組成物 コリアナ・コスメティック・カンパニー・リミテッド 504312896 鈴江 武彦 100058479 河野 哲 100091351 中村 誠 100088683 蔵田 昌俊 100108855 峰 隆司 100075672 福原 淑弘 100109830 村松 貞男 100084618 橋本 良郎 100092196 リ、クンス ジョン、ジホン リ、スンジ リ、ゾンノ ゾ、ビョンキ 20090430 C07D 307/62 20060101AFI20090409BHJP A61K 8/63 20060101ALI20090409BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20090409BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20090409BHJP JPC07D307/62A61K8/63A61Q19/00A61Q19/02 C07D 307/00-307/94 A61K 8/00- 8/99 A61Q 1/00- 99/00 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 米国特許第05516793(US,A) 国際公開第99/053904(WO,A1) 特開平06−279439(JP,A) 国際公開第01/004114(WO,A1) 特開昭59−219295(JP,A) 特開平05−331166(JP,A) 特開平11−001486(JP,A) 特開2002−284705(JP,A) 特開2003−081982(JP,A) 6 KR2002002383 20021218 WO2004054992 20040701 2006511548 20060406 14 20041018 荒木 英則 本発明は、新規なレチノール誘導体及びそれを含む化粧料組成物に関するものであって、さらに詳細には、L−アスコルビン酸及びレチノールの有する効能を同時に奏しながらも、皮膚刺激、剤形の不安定性のような問題点を解決した、レチノール誘導体及びそれを含む化粧料組成物に関するものである。 ヒトの肌に、シミ、雀斑などの肌のトラブルが生じる原因はいろいろあるが、主な要因の一つは、紫外線である。肌が紫外線に露出されると、皮膚細胞の一種のメラノサイト内でメラニンが合成され放出されて、それが皮膚表皮に沈着するとシミ、雀斑になる。メラノサイト内でメラニンが合成される過程は、細胞内のチロシン(Tyrosine)を基質としてチロシナーゼ(Tyrosinase)という酵素が作用しドパキノンを生成させて、ドパキノンから自発的な酸化反応と酵素反応を経て、共重合体黒色色素であるメラニンが生成される。従って、肌をきれいに維持するためには、色素細胞内のメラニン生成を阻害するか、メラニンの皮膚沈着を防止するなどの努力が必要である。 L−アスコルビン酸(ビタミンC)は、抗酸化力に優れており且つ色素細胞内のメラニン生成を阻害する能力と繊維芽細胞のコラーゲン合成能力に優れているため、美白やシワ関連の機能性化粧品の原料として使用されている。しかしながら、純粋なビタミンCは、剤形上安定性が劣り化粧品に利用するには限界があって、最近は、AA-2P(L-ascorbic acid 2-phosphate)、AA-2S(L-ascorbic acid 2-sulfate)、AA-6G(6-O-α-D-glucopyranosyl-L-ascorbic acid)、AA-2G(2-O-α-D-glucopyranosyl-L-ascorbic acid)などのような誘導体が開発され、化粧料として利用されている。 肌の老化現象の中には、生理的老化(Intrinsic aging)と光老化(Photo aging)現象がある。特に、光老化が肌の老化の最も大きな原因である。光老化現象は、年を取るにつれて日光(紫外線)により皮膚組織がだんだん変化し、シワ、肌の厚化、肌の垂れ、皮膚弾力の喪失、肌の荒れ、肌の乾燥、くすみなどが発生し、このようなトラブルが溜まって生じた結果である。このような肌の光老化により表皮と真皮組織が変化して、シワができ、肌は厚くなり、ハリとツヤがだんだんなくなる。 皮膚老化を解決するための化粧料の中でよく知られているものとしては、レチノイド(ビタミンA)がある(米国特許公報4603146及び4877805)。皮膚保護化粧料に使用されるレチノイドは、レチノール(Retinol:Vitamin A alcohol)、レチナール(Retinal:Vitamin A aldehyde)、レチニールエステルの一種である酢酸レチノール(Retinyl acetate)、プロピオン酸レチノール(Retinyl propionate)、リノール酸レチノール(Retinyl linoleate)、パルミチン酸レチノール(Retinyl palmitate)などがある。この中で、レチノールは、人体に存在するものであって、上皮組織の分化と成長に必須的であり、且つ他のレチノイドに比べ高い安全性を有しており、化粧料として広く使われている。しかし、このようなレチノールは、シワの改善及び防止、ニキビ治療効果に非常に優れているにも拘わらず、(a)製品に処方した時、変色、変臭が起こると共に閾値が減少し、効果が低減されて;(b)少量使用しても皮膚刺激を誘発するという問題点があり、化粧料への使用が厳しく制限されてきた。 本発明者らは、従来化粧料として利用されているL−アスコルビン酸C及びレチノールが有する問題点を解決して、L−アスコルビン酸C及びレチノール効能の上昇的な効果を示す新規な化合物を開発するために鋭意研究した結果、美白効果及び皮膚シワ改善効果がL−アスコルビン酸及びレチノールより優秀で、化粧料剤形で安定性に優れており、皮膚刺激が減少された新規な化合物を開発した。 従って、本発明の目的は、新規なレチノール誘導体を提供することにある。 本発明の他の目的は、新規なレチノール誘導体を有効成分とする化粧料組成物を提供することにある。 本発明の他の目的及び利点は、下記の発明の詳細な説明及び図面を通じてより明確に説明される。 本発明の一様態によると、本発明は、下記の化学式(I)で表される新規なレチノール誘導体を提供する: L−アスコルビン酸(ビタミンC)は、抗酸化、メラニン生成抑制(美白作用)及びコラーゲン合成促進(シワ改善作用)などのような効果を奏すると知られているが、剤形上で安定性が劣り化粧品に適用するに限界がある。また、レチノールは、上皮組織の分化と成長を促進し、シワの改善及び防止などに効果があると知られているが、皮膚刺激を誘発する問題点があり、化粧品において変色、変臭、及び閾値が減少する問題点がある。 本発明者らは、従来の化粧品組成物から、有効成分として利用されるL−アスコルビン酸及びレチノールが有する問題点を解決すると共に、本来L−アスコルビン酸及びレチノールが有する効能よりも優れた効果を奏する新規な化合物を開発するために鋭意研究した。 本発明の新規なレチノール誘導体は、レチノールの15番炭素にL−アスコルビン酸が結合された構造を有して、このような結合は、直接的な結合ではなく中間にジエステル結合を介してなる。本発明の新規な誘導体の構造的特徴は、L−アスコルビン酸の3番炭素に結合されたヒドロキシ基がこのような結合に関与するということである。L−アスコルビン酸には、3番炭素以外に他の炭素にも活性を有するヒドロキシがあるが、本発明では、3番炭素のヒドロキシ基が利用される。このように、L−アスコルビン酸の3番炭素のヒドロキシ基を利用した理由は、反応性に最も優れており、2番炭素のヒドロキシ基は、L−アスコルビン酸の活性に非常に重要な部分であるからである。 本発明の誘導体は、(a)レチノールのエステル化反応;及び(b)エステル化されたレチノールとL−アスコルビン酸との反応により製造される。本発明の誘導体の製造方法の一具現例は、次のようである: (1)レチノールとブロモアセト酸(bromo acetic acid)とのエステル化反応 (2)エステル化されたレチノールとL−アスコルビン酸の反応 本発明の新規な誘導体は、L−アスコルビン酸の効能(例えば、コラーゲン合成促進、メラニン生成抑制、抗酸化など)及びレチノールの効能(例えば、コラーゲン合成促進など)を同時に奏しながらも、前記化合物より優れた効能を発揮して、前記化合物が有する短所(例えば、剤形上での不安定性、皮膚刺激誘発など)を解決する。 従って、本発明の新規な誘導体は、皮膚美白及び/またはシワの改善(例えば、シワの治療及び改善)のための改善された活性を有する機能性化粧品の原料として利用できる。 本発明の他の様態によると、本発明は、(a)下記の化学式(I)で表される化粧品学的に有効な容量のレチノール誘導体;及び(b)これの化粧品学的に許容可能な担体を有効成分として含む化粧料組成物を提供する:本発明の化粧料組成物は、前述の化学式(I)の化合物を有効成分として含むため、重複される事項は、本明細書の過度な複雑性を避けるためにその記載を省略する。 本発明の化粧料組成物は、前記化学式(I)の化合物を有効成分として含む。従って、本発明の化粧料組成物は、コラーゲン合成促進、抗酸化、チロシナーゼ活性阻害、美白及び皮膚シワの改善効果などの効果を奏する。このような効果は、L‐アスコルビン酸及びレチノールが奏する効果より改善された程度で表れる。 本発明の化粧料組成物において、前記レチノール誘導体の含量は、化粧料組成物の総重量に対し、好ましくは0.0001〜10.0重量%である。含量が0.0001重量%未満であると、前述した本発明の効果が非常に微弱であり、10重量%を超えると、含有量の増加によるあらたかな効果の増加が現れなく、却って皮膚刺激誘発、剤形の不安定性のような問題点が生じる。本発明の化粧料組成物において、前記レチノール誘導体の含量は、化粧料組成物の総重量に対し、好ましくは0.0005〜10.0重量%、より好ましくは0.05〜10.0重量%、最も好ましくは1.0〜3.0重量%である。最も好ましい含量のレチノール誘導体を含む本発明の組成物は、L−アスコルビン酸及びレチノールより遥かに優れた効果を奏して、通常的な剤形の短所を解決する。 本発明の美白用組成物は、当業界で通常的に製造されるいかなる剤形としても製造できて、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション及びスプレーなどに剤形化できるが、これに限定されるものではない。 本発明の化粧品組成物に含有される化粧品学的に許容可能な担体は、剤形によって様々である。例えば、本発明の剤形が軟膏、ペースト、クリームまたはゲルである場合は、担体成分として、動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク、酸化亜鉛、またはこれらの混合物が利用できる。本発明の剤形がパウダーまたはスプレーである場合は、担体成分として、ラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダー、またはこれらの混合物が利用できて、特に、スプレーの場合は、クロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進体をさらに含むことができる。 本発明の剤形が溶液または乳濁液である場合は、担体成分として、溶媒、溶解化剤及び乳濁化剤が利用されて、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイルがあり、特に、綿種油、ピーナッツオイル、とうもろこし胚種油、オリーブオイル、蓖麻子油及びごま油、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタン脂肪酸エステルがある。本発明の剤形が懸濁液である場合は、担体成分として、水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天またはトラガカントなどが利用できる。 本発明の剤形が石鹸である場合は、担体成分として、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸ヘミエステル塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イセチオネート、ラノリン誘導体、脂肪族アルコール、植物性油、グリセロール、糖などが利用できる。 さらに、本発明の化粧品組成物は、担体の他に、補助剤を使用することもできる。例えば、保存剤、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料、香料及びこれらの混合物を使用することができるが、これに限定されるものではない。 本発明の化粧料組成物は、前記化学式(I)の誘導体により表れる効能により、美白化粧料、シワ改善化粧料(シワの治療及び予防)などに利用できる。 以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。これら実施例は本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されないことは本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとっては自明なことであろう。 実施例:レチノール誘導体の合成 反応容器内でレチノール(Sigma-Aldrich)をクロロホルムに溶解した後、ブロモアセト酸(bromo acetic acid)及び1,3‐ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を添加して、4‐ジメチルアミノピリジン(DMAP)を触媒量入れて攪拌した。反応を終結した後、混合液を濾過しクロロホルムで抽出した後、無水マグネシウムサルフェートで乾燥して、濾過及び濃縮して黄色いオイル状のブロモアセト酸レチノールエステルを得た。 次いで、L‐アスコルビン酸(Sigma-Aldrich)をDMSOに溶解した後、重炭酸カリウム(potassium bicarbonate)を添加し攪拌した後、前記得られたエステル形態の化合物を添加し攪拌した。反応を終結した後、混合液をエチルアセテートで抽出した後、無水マグネシウムサルフェートで乾燥して濾過及び濃縮し、薄い褐色オイル状の誘導体を合成した:成分分析結果 C28H38O8(502.60): C 66.91; H 7.62; O 25.47: found C 67.12; H 7.54; O 25.34 剤形例 下記のような実験を実施するために、次の表1のような処方により混合物を製造した。 実験例1:コラーゲン合成増進効果の確認 ヒト正常繊維芽細胞(韓国細胞株銀行)をFBSの含有されたDMEM培地がある96-ウェルマイクロプレートに接種させて(2×104細胞/ウェル)、37℃で24時間培養した。培養後、培地を血清の含有されていないDMEM培地に交替した。この際、下記表2に記載された量の本発明の誘導体、レチノールまたはアスコルビン酸を培地と共に入れて48時間培養した。表2で、対照群は、本発明の誘導体、レチノール及びアスコルビン酸を添加せずに培養したものである。培養後、各ウェルを洗浄して、血清の含有されていないDMEM培地に交替した後、さらに24時間培養した。培養後、各ウェルの上清液を集めて、キット(Takara)を利用しプロコラーゲン(procollagen)タイプC−ペプチド(PICP)量を新しく合成されたコラーゲン量として測定し、そのPICP量は、ng/2×104細胞に換算した。その結果を表2に示した。 表2から分かるように、本発明の誘導体は、ヒト正常繊維芽細胞においてコラーゲンの合成効果を示し、レチノールやアスコルビン酸よりその効果が優秀であることが分かる。また、本発明の誘導体は、濃度依存的にコラーゲンの合成を増加させた。 実験例2:自由ラジカル消去効果の測定 自由ラジカル消去効果の測定は、DPPH(1,1-diphenyl-2-picryl-hydrazyl, Sigma-Aldrich)を使用して測定した。それぞれの実験物質をエタノールに適当な濃度で希釈して、96-ウェルプレートに100μlずつ入れた後、これに400μMに製造されたDPPH溶液を100μl加えてよく攪拌した後、常温で30分間反応させた。次いで、分光光度計(spectrophotometer)により室温で波長520nmでの吸光度を測定した。対照群は、試料液の代りにエタノールを100μl入れたものである。自由ラジカル消去効果は、次の計算式により算出された。 自由ラジカル消去効果(%)=100−{(試料液の吸光度/対照群の吸光度)×100} 実験結果を次の表3に示した。 表3から分かるように、本発明の誘導体の自由ラジカル消去効果は、アスコルビン酸より優秀である。 実験例3:誘導体のチロシナーゼ活性阻害効果の確認 チロシナーゼは、キノコから分離及び精製されたものであって、シグマ社から購入して使用した。基質であるチロシンは、0.05Mのリン酸ナトリウム緩衝溶液(pH 6.8)に溶かし0.1mg/ml溶液を作って使用した。 まず、チロシン溶液0.5mlを試験管に入れて、これに本発明の誘導体試料液0.5mlを加えて37℃の恒温器で10分間放置した。次いで、200U/mlチロシナーゼ0.5mlを入れて37℃で10分間反応させた後、反応液が入っている試験管を氷上に載せて急冷し反応を中止させて、分光光度計により波長475nmでの吸光度を測定した。各濃度でのチロシナーゼ活性阻害効果は、下記の計算式により求めた。 チロシナーゼ活性阻害率(%)=100−{(試料の吸光度/対照群の吸光度)×100} 実験結果を次の表4に示した。 前記表4から分かるように、本発明の誘導体は、アスコルビン酸よりチロシナーゼ活性阻害率に優れており、これにより、メラニン生成抑制効果もアスコルビン酸より大きい。 実験例4:美白効果測定 19〜40歳の韓国女性支援者30名を対象に実施した。特に、支援者の中で黒い肌の女性を対象にした。測定装備としては、Minolta CR 300を使用して、2週間隔で8週間測定した。測定部位は、腕に5ヵ所を横縦1cmずつ表示し表1に記載のそれぞれ異なる剤形(剤形例A-E)を毎日塗って、一つは比較のために対照群とした。実験結果は、図1に示した。 図1から分かるように、8週後の剤形A、D及びEが、対照群に比べ非常に高い値を示し、剤形A及びEは、L−アスコルビン酸より高いΔL値を示した。従って、本発明の誘導体は、優れた美白効果を奏するということが分かり、L−アスコルビン酸よりさらに改善された美白効果を示すということが分かる。 実験例5:皮膚刺激性実験 前記剤形例により製造された製品の皮膚刺激性を調べるために、健康な成人男女50名を対象に両腕下膊部に5×20cm部位に表1の各剤形を一定量(約0.1g)24時間貼布した後、除去して1時間、24時間経過後、目視で皮膚状態変化を判読し、その結果を表5に示した。下記表5で、判定基準は次のようである:“−”:紅斑や特異な現象無し;“+−”:周囲より多少赤くなる;“+”:周囲より著しく赤くなる;及び“++”:周囲より激しく赤くなり、腫れる。 表5で、刺激度は、次の計算式により計算された。 刺激率={[(+−)数×1+(+)数×2+(++)数×3]/[被試験者数×3]}×100 表5から分かるように、本発明の誘導体が含まれた剤形Aは、他の剤形に比べ比較的低い刺激度を示し、特にレチノールが含有された剤形Bより非常に低い刺激度を示した。 実験例6:皮膚シワ改善効果の確認 30歳以上の女性45名(平均年齢33.7歳)を3グループに分けて、Aグループには剤形Aを、Bグループには剤形Bを、Cグループには剤形Dを、それぞれ前記剤形例により剤形しシワのある目尻を中心に12週間塗布した後、熟練者の客観的な評価と被検者の主観的な評価を行った。皮膚シワ改善評価は、激しく悪化されたものを−3に、非常に改善されたものを3に、7等級に分類して行った。結果は、表6と表7に示した。 表6及び7から分かるように、本発明の誘導体を含む剤形Aの場合、熟練者の客観的評価と被検者の主観的評価がそれぞれ2.67、2.73であって、シワの改善効果に優れていることが分かる。 実験例7:剤形の安定性試験 前記表1の剤形A、B、C、D及びEを、温度が一定に維持される恒温条件で、不透明容器に入れて12週間保管した後、分離程度及び変色程度を比較測定した。この際、製品分離及び変色程度を次の6等級に分類して評価した:0:変化無し;1:ごく少し変色(分離);2:少し変色(分離);3:多少酷く変色(分離);4:酷く変色(分離);及び5:ごく酷く変色(分離)。 表8から分かるように、レチノールを含むB剤形より本発明の誘導体を含有しているAの剤形がさらに安定しており、本発明の誘導体含量が10%程度になると、多少の変色を示し、安定性に問題があることが分かる。 以上、本発明の好ましい具現例について詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な技術はただ具現例具現例に過ぎなく、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は添付の請求項とその等価物により定義されると言える。本発明のレチノール誘導体の改善された美白効果を示すグラフである。X軸にあるアルファベットは、表1の剤形を示す。 下記の化学式(I)で表されるレチノール誘導体: (a)下記の化学式(I)で表される化粧品学的に有効な容量のレチノール誘導体;及び (b)これの化粧品学的に許容可能な担体を有効成分として含む化粧料組成物: 前記化粧料組成物は、コラーゲン合成促進、抗酸化、チロシナーゼ活性阻害、美白、皮膚シワの改善効果及びそれらの組合からなる群から選択される効果を奏することを特徴とする、請求項2に記載の化粧料組成物。 前記レチノール誘導体の含量は、0.0001〜10.0重量%であることを特徴とする、請求項2に記載の化粧料組成物。 前記レチノール誘導体の含量は、1.0〜3.0重量%であることを特徴とする、請求項4に記載の化粧料組成物。 前記化粧料組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション及びスプレーからなる群から選択される剤形を有することを特徴とする、請求項2に記載の化粧料組成物。