タイトル: | 特許公報(B2)_静脈血値を動脈血値に変換するための方法、システムおよデバイス |
出願番号: | 2004523744 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | G01N 33/49,A61B 5/145 |
レース,ステフェン エドワード アンドレッセン,ステーン JP 4541887 特許公報(B2) 20100702 2004523744 20030725 静脈血値を動脈血値に変換するための方法、システムおよデバイス オーベーイー アンパーツゼルスカブ 505031819 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 古賀 哲次 100087413 吉井 一男 100089901 西山 雅也 100082898 レース,ステフェン エドワード アンドレッセン,ステーン DK PA200201144 20020726 20100908 G01N 33/49 20060101AFI20100819BHJP A61B 5/145 20060101ALI20100819BHJP JPG01N33/49 YG01N33/49 WA61B5/14 310 G01N 33/48-98 CAplus(STN) BIGELEISEN P. E. ,MODELS OF VENOUS ADMIXTURE,ADVANCES IN PHYSIOLOGY EDUCATION,2001年,Vol.25, No.3,P.159-166 16 DK2003000512 20030725 WO2004010861 20040205 2005534018 20051110 16 20060712 海野 佳子 本発明は、静脈血値を動脈血値に変換する方法に関する。本発明は同様に該方法を実施するための器具および該方法を実施する場合の該器具の使用にも関する。 急性疾患を患う患者のアセスメントは、患者の数多くの生理系、例えば肺、代謝、腎臓および循環器系の評価が関与する複雑なプロセスである。この評価に必要な情報の多くは患者の血液の分析から来るものである。血液サンプルは、動脈および静脈の両方から採取できる。動脈血は、患者の体内に動脈カテーテルまたはカニューレを設置することによってかまたは針で動脈穿刺を行なうことによってサンプル採取できる。静脈血は、末梢における静脈穿刺またはカニューレから(末梢静脈血);上部大静脈内に設置されたカテーテルから(中心静脈血);または肺動脈内に設置されたカテーテルから(混合静脈血)、サンプル採取可能である。 静脈および動脈カテーテルの設置は、観血的処置であり、一般に集中治療部門に制限されている。更に、静脈に代って動脈へのカテーテル挿入、カニューレ挿入または穿刺は、感染、出血、放血、血栓症、塞栓、神経障害、擬似動脈瘤形成といったような合併症のリスクを増大させる。動脈穿刺による動脈血のサンプル採取は一般に、静脈穿刺を通した静脈血のサンプル採取よりも更に難しい処置であるとみなされている。その結果、動脈血の日常的サンプル採取は一般に、集中治療環境に制限される。換言すれば、患者が急性的にやむを得ざる状態になる例えば心臓病、開腹手術、胸部手術および一般医療の病棟においても、末梢静脈血の日常的サンプル採取が最も一般的である。 血液から取られ、患者の状態をアセスメントするのに用いられる測定の多くは、静脈および動脈血のサンプルにおいて類似している。これらには、電解質、および例えばナトリウム(Na)、カリウム(K)、ヘモグロビン濃度(Hb)およびヘモグロビンの異常形態の濃度(例えばカルボキシヘモグロビン(COHb)、メチルヘモグロビン(MetHb))が含まれていた。しかしながら、動脈および静脈血の酸/塩基状態は、サンプル採取部位とは無関係に異なっている。酸/塩基状態というのは一般に、血液中の以下の測定値を意味する。すなわち、pH、酸素圧力(pO2)、二酸化炭素圧力(pCO2)、重炭酸塩濃度(HCO3)、基準条件よりも高い塩基濃度(塩基余剰(BE))、基準pCO2における重炭酸塩濃度(標準的重炭酸塩SBC)、酸素圧力(pO2)および酸素でのヘモグロビン飽和度(SO2)、なお、pO2およびSO2は往々にして血液の酸素化状態と呼ばれる。動脈および静脈血の間の酸/塩基状態の変動は、組織における代謝に起因する二酸化炭素の添加および血液からの酸素除去に起因している。更に、循環異常または代謝異常を有する患者においては、嫌気性代謝に起因する組織における強酸の産生も同様に、酸/塩基状態を修正する可能性がある。 動脈血の酸/塩基状態は、患者の呼吸および代謝状態をアセスメントするために使用される。患者の酸/塩基状態および呼吸状態をアセスメントするために静脈血サンプルが適切でないということはすでに議論されており(Adrogue et al.,1989a,1989b;Brandi et al.,1995;Radiometer1997)、かなりの程度まで受入れられてきている。このことは、「患者の全身的状態についてほとんどまたは全く情報を提供しないことから、血液ガス分析のために推奨されていない」末梢静脈サンプルについて、特に言えることであると考えられている(Radiometer1997)。 集中治療室では、動脈カテーテルの設置は、日常的実践方法であり、酸/塩基状態のアセスメントを動脈血から得ることができる。一部のその他の病院部門、例えば肺医療または肝臓科においては、動脈血ガスが同様に測定される。しかしながら、急性疾患患者を受入れるその他の病棟、例えば心臓病科、開腹手術、胸部手術および一般医療などにおいては、動脈サンプルは通常採取されない。通常、末梢静脈サンプルが採取され、中央検査室で分析される。サンプルは通常、好気的に採取される。すなわち、サンプル処置の間pO2およびpCO2が確実に恒常にとどまるようにするための試みは全くなされない。患者の酸/塩基状態に関する少量の情報、すなわち、標準重炭酸塩、SBCおよびヘモグロビンHbV、のみが、このサンプル中で測定される。その他の酸塩基パラメータpHv、二酸化炭素圧力(pCO2V)、塩基余剰(BEV)、酸素飽和(SO2V)および酸素圧力(PO2V)は測定されず、測定された場合でも、恐らく、サンプルの好気性から見て、このサンプル部位における静脈血の真の値を反映していない。 US6,334,065号では、患者の多数の部位で同時にかつ非観血的な酸素状態を提供するパルス酸素測定デバイスについて記述されている。記述されたパルス酸素測定デバイスは、患者のいずれかの特定的組織部位における動脈および静脈の両方の酸素飽和度を測定する。動脈マイナス静脈酸素飽和度の対応する計算が、酸素療法患者にとって有利であるということが言及されている。しかしながら、同じく言及されているように、パルス酸素測定デバイスは、その機能方法において純粋に非観血的であり、導出され得る値を制限している。 US3,874,850号は、血液サンプルの単数または複数の未知のデータまたはパラメータを自動的に測定するための自動血液サンプル分析デバイスである器具について記述している。測定される値について、器具は、血液サンプルの酸/塩基状態を含めたその他の一定数のパラメータを計算する手段を含んでいる。分析デバイスは同様に、血液サンプルのヘモグロビン含有率を光度測定により測定するための手段をも含むことができる。静脈血サンプルに基づいた動脈血値の計算は全く存在しない。 本発明の目的は、方法を適用するためのシステムを含め、嫌気性静脈血サンプルを採取するためのサンプル採取管の設計を内含する、静脈血値の動脈値への変換を実施するための方法を提供することにある。 この目的は、− a)動脈酸素化を測定する段階、− b)嫌気的に採取した静脈血サンプルの静脈血酸/塩基状態および酸素化状態の値を測定および/または推定する段階、− c)血液酸/塩基状態および酸素化状態を導出するための数学モデルを適用することにより静脈血値を推定動脈血値へと変換する段階、を含む方法によって得ることができる。 該目的は、または、− a)動脈酸素化を推定する段階、− b)嫌気的に採取された静脈血サンプルの静脈血酸/塩基状態および酸素化状態の値を測定し推定する段階、− c)血液酸/塩基状態および酸素化状態を導出するための数学モデルを適用することにより静脈血値を推定動脈血値に変換する段階、を含む方法によっても得ることができる。 該目的は同様に、− b)嫌気的に採取された静脈血サンプルの静脈血酸/塩基状態および酸素化状態の値を測定し推定する段階、− a)動脈酸素化を測定する段階、− c)血液酸/塩基状態および酸素化状態を導出するための数学モデルを適用することにより静脈血値を推定動脈血値に変換する段階、を含む方法によっても得ることができる。 該目的は同様に、− b)嫌気的に採取された静脈血サンプルの静脈血酸/塩基状態および酸素化状態の値を測定し推定する段階、− a)動脈酸素化を推定する段階、− c)血液酸/塩基状態および酸素化状態を導出するための数学モデルを適用することにより静脈血値を推定動脈血値に変換する段階、を含む方法によっても得ることができる。 上述の4つの方法の間の唯一の差異は、異なる段階が実施される順序および、動脈酸素化が測定され得るかまたは推定され得るという点にある。更に、測定および推定の両方を行なうこともできる。 体の酸/塩基状態のための数学的モデルを用いて、酸/塩基状態および酸素状態の静脈血サンプル値と共にパルス酸素測定を用いて、静脈血値を対応する動脈値に変換することができる。血液酸/塩基状態および酸素化状態から推定動脈血値を導出することは、推定、または計算またはそれらの組合せのいずれかによって実施可能である。 我々は、静脈酸−塩基化学を描写するパラメータを測定すべきであると論じており、対応する動脈値(SBCa、pHa、pCO2a、BEa、pO2a、およびSO2ap)の予測値(SBCap−pHap、pCO2ap、BEap、pO2ap、およびSO2ap)を計算するためにパルス酸素測定デバイスでの動脈酸素飽和度の決定と静脈値を組合せることのできる方法について記述している。このことはすなわち、動脈血サンプルを採取することなく酸/塩基および呼吸状態をアセスメントすることができるということを意味している。これを行なうためには、静脈血の嫌気性サンプル採取が必要であり、本特許は、同様に、この目的でのサンプル採取瓶の設計についても記述している。この方法は、特に動脈サンプルが従来まれにしか採取されない部門で、動脈サンプルを採取することのコスト、リスクおよび不便さ無く、多数の患者において、酸/塩基および呼吸状態を入手可能なものにする。酸/塩基および呼吸状態が入手可能になることにより、異なるタイプの呼吸および代謝アシドーシスまたはアルカローシスを診断することが更に容易になる。 モデルの仮定には、引抜かれた動脈血と静脈血の間にいかなる酸も添加されないこと、すなわち、中間器官または組織内でいかなる嫌気性代謝も起こらないことが含まれる。これは、血流力学的に不安定な患者および重症の慢性疾患を患う患者についてあてはまらないことが判明している。 考えられる第1の改良型方法においては、 前記測定および分析段階には、− d)嫌気性静脈血サンプルを引抜く段階、− e)静脈血サンプルの酸/塩基状態を評価するため前記嫌気性静脈血サンプルを分析する段階、− f)静脈血サンプルの酸素化状態を評価するため前記嫌気性静脈血サンプルを分析する段階、が更に含まれている。 他の考えられる改良型方法においては、前記測定および分析段階には、− d)嫌気性静脈血サンプルを引抜く段階、− f)静脈血サンプルの酸素化状態を評価するため嫌気性静脈血サンプルを分析する段階、− e)静脈血サンプルの酸/塩基状態を評価するため前記嫌気性静脈血サンプルを分析する段階、が更に含まれている。 上述の2つの改良型方法の間の唯一の差異は、段階d)と比べて、その他の2つの段階すなわち段階e)および段階f)が実施される順序にある。 考えられる更なる改良型方法においては、前記方法は、− g1)測定または推定のための任意の適切な手段を適用することによって酸素飽和、圧力または濃度といった動脈酸素化を測定する更なる段階、を含み、前記更なる段階は請求項1〜3の段階のいずれかとの関係において任意の時点で実施される。 他の更なる改良型方法においては、前記方法は、− g2)測定または推定のための任意の適切な手段を適用することによって酸素飽和、圧力または濃度といった動脈酸素化を測定する更なる段階、を含み、前記更なる段階は請求項1〜3の段階のいずれかとの関係において任意の時点で実施される。 上述の2つの更なる改良型方法の間の差異は、動脈酸化が、測定されるかまたは推定されるかという点にある。更に、測定および推定の両方を実施すること、すなわち段階g2)を段階g1)に加えて実施することも可能である。 更に他の改良型方法においては、前記方法は、− h)数学的モデリングを用いることによって動脈血サンプルの血液酸/塩基状態および酸素化状態をシミュレートする更に他の段階、を含む。これに加えて該方法は、− i)呼吸商によって決定される比率での、静脈血サンプル値へのシミュレートされた酸素O2の添加および二酸化炭素CO2の除去を含む、数学的モデリング段階、− j)シミュレートされた酸素レベルが、測定または推定された動脈酸素化レベルに等しくなるまで前記数学的モデリングを実施する段階、および− k1)前記モデリングの結果を適用することにより動脈血の酸/塩基状態および酸素化を計算する段階、という更に一層の段階を含む、前記方法、そしてこれとは代替的にまたはこれに加えて、− i)呼吸商によって決定される比率での、静脈血サンプル値へのシミュレートされた酸素O2の添加および二酸化炭素CO2の除去を含む、数学的モデリング段階、− j)シミュレートされた酸素レベルが、測定または推定された動脈酸素化レベルに等しくなるまで前記数学的モデリングを実施する段階、および− k2)前記モデリングの結果を適用することにより動脈血の酸/塩基状態および酸素化を推定する段階、という更に一層の段階を含む、前記方法によって更に一層改良することが可能である。 上述の2つの更なる改良型方法の間の唯一の差異は、酸/塩基状態および動脈酸素化が、測定されるかまたは推定されるかのいずれかであるという点にある。更に測定と推定の両方を実施すること、すなわち段階k1)加えて段階k2を実施することも可能である。 更なる考えられる改良型方法においては、前記方法は、− l1)測定または推定のための任意の適切な手段を適用することによって二酸化炭素圧力、合計濃度または重炭酸塩濃度といったような動脈二酸化炭素レベルを測定する更なる段階を含み、前記更なる段階は請求項1〜6の段階のいずれかとの関係において任意の時点で実施される。 他の付加的改良型方法においては、前記方法は、− l2)測定または推定のための任意の適切な手段を適用することによって二酸化炭素圧力、合計濃度または重炭酸塩濃度といったような動脈二酸化炭素レベルを推定する更なる段階を含み、前記更なる段階は請求項1〜6の段階のいずれかとの関係において任意の時点で実施される。 上述の2つの更なる改良型方法の間の唯一の差異は、動脈二酸化炭素レベルを測定するかまたは推定することができるという点にある。付加的には、測定および推定の両方を実施することすなわち段階l1)に加えて段階l2)を実施することが可能である。 考えられる更なる改良型方法においては、前記方法は、− m)モデリングを用いることによって動脈血サンプルの血液酸/塩基状態および酸素化状態をシミュレートする更に他の段階、を含む。これに加えて、該方法は更に、− n)呼吸商によって決定される比率での、静脈血サンプル値へのシミュレートされた酸素O2の添加および二酸化炭素CO2の除去を含む、数学的モデリング段階、− o)シミュレートされた二酸化炭素レベルが、測定または推定された動脈二酸化炭素レベルに等しくなるまで前記モデリングを実施する段階、および− p1)前記モデリングの結果を適用することにより動脈血の酸/塩基状態および酸素化を計算する段階、という更に一層の段階を含む。 そしてこれとは代替的に、またはこれに加えて、− n)呼吸商によって決定される比率での、静脈血サンプル値へのシミュレートされた酸素O2の添加および二酸化炭素CO2の除去を含む、数学的モデリング段階、− o)シミュレートされた二酸化炭素レベルが、測定または推定された動脈二酸化炭素レベルに等しくなるまで前記モデリングを実施する段階、および− p2)前記モデリングの結果を適用することにより動脈血の酸/塩基状態および酸素化を推定する段階、という更に一層の段階を含む、前記方法によって更に一層改良することができる。 上述の2つの更なる改良型方法の間の唯一の差異は、動脈酸素化を測定するかまたは推定することができるという点にある。付加的には、測定および推定の両方を実施することすなわち段階p1)に加えて段階p2)を実施することが可能である。 種々の病院部門において実際に罹病している患者の状態をアセスメントするために静脈血サンプルを使用することに関する可能性は、1999年のデンマークのAalborg病院での異なる患者グループにおける急性血液サンプルをグラフで示す図1の中で例示されている。明るい棒は、動脈血サンプルを表わし、暗い棒は静脈血サンプルを表わしている。急性疾患患者を治療する部門の内部で、3つの異なるタイプの部門を識別することができる。第1のグループでは、動脈血サンプルが頻繁に採取され(デンマーク、Aalborg病院で一年に7万人)(ちなみにAalborgの人口は約160,000人である)、往々にして治療地点で分析されている。このグループには、集中治療室、麻酔部門および外傷治療単位が含まれている。第3のグループでは、時々動脈血サンプルが採取される。このグループには例えば、心臓病学、開腹手術、胸部手術および薬剤の部門が含まれる。 グループ2および3の部門では、動脈サンプルよりもはるかに頻繁に静脈サンプルが採取される。実際、合計すると、急性疾患患者で採取された静脈血サンプルの数は、実際、動脈血サンプルの数を上回っている(図1)。全血液ガス分析無しで、標準二酸化炭素(SBC)、合計ヘモグロビン(Hb)およびその他の血液値の測定が行なわれる中央実験室で静脈サンプルが通常分析されるのは、これらの部門においてである。 従って、モデルの強度および有効性をテストするためには、変動する血流力学条件ひいては組織内の異なるO2およびCO2変換をもつ患者の異なるグループについてモデルをテストすることが必要である。 数学モデルのための入力は、静脈値と、例としてはパルス酸素測定デバイスを用いて測定されるような動脈酸素化の情報である。 静脈血サンプル値を動脈値に変換するためのモデルの有効性を確認するためには、導出された対応する動脈値を、静脈血サンプルの抜き取りと同時に引抜かれた動脈血サンプルと比較することができる。 この節は、4つの部分に分けて記述する。第1部では、静脈血サンプルから動脈値を予測するための方法を概略的に示す添付図2を参照しながら、本発明について記述する。 第2部では、静脈血の嫌気性サンプル採取のために使用され得るサンプル採取瓶の設計について記述されている。ステップ1に記述された方法には、嫌気性静脈サンプルが必要とされる(第1部参照)。 第3部では、共に該方法の潜在的使用を例示する2人の患者の症例について記述する。第1の患者は、カリウム欠乏症に起因する代謝性アルカローシスを有する。この患者においては、動脈値に変換された静脈血サンプルが、クリーゼへと発展する前にこの疾患を顕示することになるだろう。第2の例は、動脈サンプルが実際に利用可能であった術後患者である。この症例は、動脈値に変換された静脈サンプルから導出可能な情報が、動脈サンプルから導出された情報と等価であることを示すために含み入れられている。この症例は同様に、静脈血値から動脈値への変換が必要であることをも示している。すなわち、計算された動脈値は、高い静脈値にも関わらず動脈pCO2が正常であることを示した。 第4部では、静脈値を動脈値に変換する方法から計算された動脈値が、病気が非常に重篤な患者の一部のカテゴリを含む69人の患者の症例における測定された動脈値と充分比較できるものであることが示されている。変換された静脈値の精度は、動脈サンプルから得られるものと一致しないが、臨床的判断を行なうには明らかに充分なものである。最低限、動脈血化方法は、動脈サンプルを採取しなければならないときを表わすきわめて精確なスクリーニング方法を考えることができる。 第1部: 静脈血値の動脈血への変換 本発明について、嫌気的にサンプル採取された静脈血サンプルからの動脈血酸/塩基状態値の予測を実施するための方法を概略的に示す添付図面2を参考にしながら記述する。 動脈血ガスは、一例として、以下の4段階で与えられる通りに推定される。 段階1: 静脈血の酸/塩基状態の状況を提供するため(SBCV、pHV、pCO2V、BEV、pO2V、およびSO2V)、標準的血液ガス分析技術(例えばRadiometer、1994)を用いて、嫌気性静脈血サンプルを抜き取り、分析する。 段階2: 可能な場合パルス酸素測定により、動脈酸素飽和度を非観血的に推定または測定する。 段階3: 動脈から静脈内に組織を通って移行する血液サンプルについて、呼吸商(RQ=VCO2/VO2)として、好気性代謝に起因する、添加されたCO2(すなわちCO2産生速度(VCO2))と除去されたO2(すなわちO2利用速度(VO2))の量の比が定義される。RQは、往々にして、以下の等式を用いて、吸気酸素(FiO2)と二酸化炭素(FiCO2)の分圧および酸素(Fe′O2)および二酸化炭素(Fe′CO2)の呼吸終期分圧かまたは酸素(FeO2)と二酸化炭素(FeCO2)の混合呼気分圧のいずれかの測定を通して、口で取られた吸気および呼気ガスの測定により近似される: この方法によるRQの近似は往々にして、実質的に変動し得る値を提供する。しかしながら、組織におけるRQの真の値は、脂肪の好気性代謝では0.7、炭水化物の好気性代謝では1.0といったように、0.7〜1.0の間でのみ変動し得る。この段階においては、血液酸/塩基および酸素化状態の数学的モデル(例:Rees et al, 1996,1997)を用いてシミュレーションが行なわれ、ここで生理学的に可能な範囲0.7〜1.0内に入るように設定された一定の呼吸商によって決定される比率で、O2が添加され静脈血からCO2が除去される。このシミュレーションは、シミュレートされた酸素飽和度が段階2で推定または測定されたものすなわち動脈血中のものに等しくなるまで行なわれる。 段階4: 次に、血液酸/塩基および酸素化状態のモデルを用いて、動脈血の酸/塩基状態および酸素化の状況を計算する(SBCap、pHap、pCO2ap、BEap、pO2apおよびSO2ap)。これは、固定されたRQでの静脈血からのCO2およびO2のシミュレートされた除去によって、シミュレートされた動脈酸素化が測定されたものと一致する場合にはその他の動脈酸−塩基変数のシミュレートされた値も又測定値と一致すべきであることが保証されることを理由として、可能である。 静脈から動脈への変換方法をテストする目的で、該方法から得られた動脈酸塩基状態の予測値(SBCap、pHap、pCO2ap、BEap、pO2apおよびSO2ap)を、測定値(SBCa、pHa、pCO2a、BEa、pO2aおよびSO2a)(その例は第3節および4節で与えられている)に対し比較することができる。 この方法に含まれる基本的仮定は、静脈血サンプルが採取される組織を横断してほとんどまたは全く嫌気性代謝が発生しないということである。嫌気性代謝が存在したとすると、この結果2つの効果がもたらされることになり、動脈および静脈血中の塩基余剰は異なるものとなり、このプロセスにより産生される強酸(H+)は血中二酸化炭素(HCO3-)と結合して以下の可逆反応においてCO2を形成することになる。 この反応におけるCO2産生の増大は、VO2の増大なく見かけのVCO2が増大することになることを意味し、これは、恒常なRQを用いた静脈値から動脈値への変換が不正になることを意味する。嫌気性代謝の度合は、患者の循環および代謝状態によって左右される。正常な充分に灌流された末梢四肢においては、嫌気性代謝が発生する確率は低い。四肢の灌流の質は、触診、正常な毛細血管応答および四肢の正常な色および体温により決定される明らかに認識可能な動脈パルスの存在によって臨床的にアセスメントされ得る。中心または混合静脈血は、複数の部位からの血液の混合物であり、従って、嫌気性代謝を伴う身体の一部域からの血液を含有し得る。従って、サンプル部位の選択は重要である。第3節では、静脈サンプルの抜き取りと同時に引抜かれた動脈血サンプルから得られたものと該方法を用いて導出された動脈値を比較することにより、臨床的に考慮された充分に灌流された腕からサンプル採取された末梢静脈血について、該方法の有効性がテストされる。 第2部: 静脈血の嫌気性サンプル採取のために用いることのできるサンプル採取瓶の設計 血液の酸/塩基状態を描写する静脈値を動脈値に変換する方法は、静脈血サンプルが嫌気的に採取された場合、すなわち、サンプル中のO2とCO2の圧力がサンプル採取処置の間もその後も一定にとどまっていることが保証されている場合にのみ適用される。 現在、動脈サンプルのみを嫌気的に採取するのが通常の実践法である。これらは通常、図3に例示されているような、動脈カテーテル、カニューレまたは針のサンプル採取部位において、サンプル採取用コネクタ(A)からサンプル採取用注射器を介して採取される。動脈サンプル採取用注射器は、サンプルの凝固を防止するためヘパリン添加される。血液をサンプル採取した後、注射器は通常、開放端部(B)(図3)を最上にした状態で垂直位置に置かれ、撹拌され、プランジャ(C)を用いて封入空気が追い出される。これは、注射器が環境に対し開放しており、封入空気を追い出した後に初めて注射器の上にフタが置かれることのみを理由として、可能となっている。 原則として、動脈サンプル採取用注射器を用いてサンプル採取された静脈血を、ここで記述されている静脈値から動脈値への変換方法において使用することは可能である。しかしながら、開放注射器の使用は、血液をとり扱う人の感染の危険性を増大させる。救急患者の状態をアセスメントするために静脈血を日常的に採取する部門においては、通常静脈血サンプルは、開放注射器を用いて採取されない。その代り、静脈血サンプルは、図4に例示されているサンプル採取方法を用いて採取される。静脈サンプル採取用コネクタ(A)が静脈サンプル採取部位に取付けられる。このコネクタには、針を露呈させるべくゴムに圧力が加えられた場合を除いて血液漏洩を防止するよう、ゴムでカバーされた針(D)が内含されている。静脈サンプル採取瓶は、密封用膜(E)で封止されている。瓶がサンプル採取用コネクタ上に押しつけられるまで、血液が瓶に流入したりそこから流出したりすることはできない。この時点で、針は露呈され、密封膜に穴をあけ、血液サンプルを採取することができる。異なるサンプル採取瓶には往々にして、例えば電解質、凝固などといった測定されるべきパラメータに応じた血液の特定の保存または分析のための化学物質が収納されている。しかしながら、これらのサンプル採取瓶は同様に、酸素および/又は二酸化炭素(標準的には空気)をも収納しており、これらは、血液中に拡散してその酸塩基状態を改変する可能性がある。更に、サンプル瓶は閉鎖されているため、サンプル採取処置中に瓶の中に入り得る空気を追い出す手段は全く無い。 図5は、クレーム17〜20に従った本発明の一例、すなわち、静脈血の嫌気性サンプル採取のために適したサンプル瓶の設計を例示している。 設計例は、2つのヘパリン添加されたチャンバB1およびB2を伴うサンプル瓶(B)を示している。最初、2つのチャンバは、図5(i)に例示されるように接合される。その後、完成した瓶は、サンプル採取用コネクタ(A)および血液、そして場合によっては空気を両方の区画中に引抜くのに用いられるプランジャの上に押しつけられる。その後、サンプル瓶は、図5(ii)bに例示されているようにサンプル採取用コネクタから離脱され、プランジャが最上を向いている状態で垂直方向に置かれる。瓶を撹拌し、プランジャを更に撤去することにより、チャンバB1内のあらゆる空気がチャンバB2内に引抜かれる。2つのチャンバB1およびB2はこのとき分離される。サンプル採取用針(C)上のゴムシールと密封膜(D)が、血液を全く漏出させない。チャンバB1は、その分析を次に動脈変換アルゴリズムにおいて使用することができる嫌気性静脈血のみを収納している。チャンバB2は、空気と血液を収納しており、廃棄され得る。 チャンバ内の空気の量は、サンプル採取に先立ちサンプル瓶内部に部分真空または完全真空を適用することによって、更に低減させることができる。更に、サンプル採取瓶内の初期ガスが不活性ガスおよび/又は標準静脈値に調整された圧力をもつO2およびCO2を含有する場合には、サンプル採取瓶内のあらゆる残留ガスの効果は、最小限におさえられる。 第3部: 静脈から動脈への変換方法の潜在的使用を例示する臨床症例 本節では、2人の患者症例について記述され、最初の症例はカリウム欠乏症に起因する代謝性アルカローシスを有する患者である。この患者においては、動脈値に変換された静脈血サンプルが、クリーゼへと発展する前に該疾患を顕示することになるだろう。第2例は、動脈サンプルが実際に利用可能であった術後患者である。この症例は、動脈値に変換された静脈サンプルから導出可能な情報が、動脈サンプルから導出された情報と等価であることを示すために含み入れられている。この症例は同様に、静脈血値から動脈値への変換が必要であることをも示している。すなわち変換された静脈値は、高い静脈値にも関わらず動脈pCO2が正常であることを示している。 症例1−カリウム欠乏症に起因する代謝性アルカローシス 60才男性患者が腹痛を訴え、一週間前からずっと嘔吐をくり返したため、外科部門に緊急入院した。末梢静脈サンプルを採取し、血液ガス分析無しでいつもの通り分析したところ、標準重炭酸塩が高く(SBCV=38mmol/l)、ヘモグロビンはわずかに低く(Hbv=70mmol/l)、カリウム値は、正常値の下限にあった(KV=3.6mmol/l)。嘔吐に起因する酸とカリウムの喪失によってひき起こされた高いSBCは3日間気づかれないままで、その時点で患者の呼吸欲動および心臓機能は、肺水腫に至るまで劣化し、動脈血ガスを採取した。動脈血ガス値(pH0=7.60、BEa=18mmol/l、pCO2,a=6.0kPa、SO2,a=0.92)は、きわめて重症の代謝性アルカローシスを示した。その後、患者は、集中治療室に移され、ここで代謝性アルカローシスの治療が約2週間続けられた。 この患者については、入院時の末梢血ガスの分析が重症アルカローシスを強調していた可能性がある。末梢静脈血ガスの現行の臨床的実践分析は、一般に受け入れられていない(Radiometer, 1997)。ここに内含されている方法を用いた静脈血ガス値から動脈値への変換はこのとき両方共、患者が危険な状態に達する前に重症アルカローシスを強調し、患者の臨床的に受容可能な状況を与えていた可能性がある。 症例2−術後の冠動脈バイパス患者 60才男性患者が、冠動脈バイパス手術の後、術後集中治療室内にいた。術後期間中、患者は、血流力学的に安定していた。この患者の体内には動脈カテーテルが入っており、動脈および末梢静脈血の同時サンプルが採取され、血液ガスについて分析された。静脈血値はSBCV,=23.7mmol/l、HV,=7,29、pCO2,V=7.2kPa、BEV=−0.3mmol/lおよびSO2,V=0.36であった。直接解釈された場合、これらの値は、患者が呼吸異常を示し高いpCO2Vをひき起こしたことを示唆することになったであろう。しかしながら、動脈血ガス値を計算するために静脈−動脈変換方法を使用した場合、比較的正常なパターンがSBCap.=22.9mmol/l、pHap,=7.35pCO2,ap,=5.8kPa、BEap=−1.8mmol/lおよびSO2,ap,=0.98を呈し、患者が呼吸異常を有していないことを示唆していた。これらの変換された静脈値は、同じく正常範囲内にあった比較用に測定した動脈値(SBa,=23.6mmol/l、pHa=7.37、pCO2,a,=5.5kPa、BEa=−1.1mmol/l、およびSO2,a=0.98)と同じ臨床的状況を与えた。従って変換された静脈サンプルから導出された情報は、動脈サンプルから導出された情報と臨床的に等価であった。この場合、変換値は高い静脈値にも関わらず動脈PCO2が正常であることを示していたため、動脈値への変換無く静脈血から患者の状態の解釈を行なうことはできなかった。この患者がこの病棟に動脈カテーテル無しでやってきたならば、正しい臨床的解釈を得るために静脈血から動脈値への変換が必要であったであろう。 第4部.69の臨床例における静脈血値から動脈血値への変換 本節では、静脈から動脈値への変換方法の結果について記述する。69の症例において末梢静脈血サンプルを採取し、SBCV、pHV、pCO2、V、BEV、pO2V、およびSO2,Vを測定するためにこれを使用した。このとき、動脈血値SBCap、pHap、pCO2,ap、BEap、pO2,vapおよびSO2apを予測するために該方法を使用した。その後、静脈サンプルと同時に採取された動脈血の測定値SBCa、pHa、pCO2、a、BEaおよびSO2,aとこれらの予測を比較した。第4.1節では、代謝および呼吸障害の重症度を含めて、この研究に内含された患者のグループについて記述する。この節では、予測された変数(SBCap、pHap、pCO2,ap、BEapおよびSO2,ap)が今度は、測定された動脈値に比較され、予測の正確さおよび精度が定量化された。図6〜9は、測定上および予測上の動脈値の間の差異に対しプロットされた測定上および予測上の動脈値の平均を示すBland-Altmanプロットを例示している。測定上および予測上の動脈値の間の平均差および標準偏差の値も同じく、グラフ6〜9および以下の本文中で示されている。 4.1.研究母集団 a)血流力学的に安定および不安定の両方の術後冠動脈バイパス患者; b)血流力学的に安定および不安定の両方の敗血症患者; およびd)機械的酸素吸入および自然呼吸の両方の慢性閉塞性肺疾患患者、というグループに帰属する患者を研究した。これらのグループは、代謝および呼吸異常を含めた酸塩基状態範囲を代表するように選択され、pHa=7.40、7.24〜7.54;BEa=0.6mmol/l、−6.9〜19.7mmol/l;SBCa=25.0mmol/l、18.8〜44.3mmol/l;pCO2,a=5.68kPa、4.0〜10.8kPaという値(中央範囲)を示した。患者は同様に、広い動脈−静脈酸素飽和度差範囲(中央、範囲)、0.15、0.00〜0.74をも示した。臨床的に充分な灌流を受けている腕とみなされるものから末梢サンプルが採取されるのと同時に、動脈および末梢静脈血サンプルを採取した。これらのグループの結果は、ここにプールされた形で提示されている。 4.2 結果 本節では、静脈−動脈変換方法を用いた予測された動脈値(SBCap、pHap、pCO2,ap、BEapおよびSO2,ap)と測定された動脈値(SBCa、pHa、pCO2,a、BEaおよびSO2,a)の比較が示されている。 pCO2,aとpCO2,apの関係 図6は、測定された動脈二酸化炭素圧pCO2(pCO2,a)と静脈−動脈変換方法を用いて予測したもの(pCO2,ap)の関係のBland-Altmanプロットを例示している。pCO2apの予測は、正確かつ精度の高いものと見ることができる(pCO2,a−pCO2,ap=0.01∀0.32kPa)。更に、pCO2,apの予測内の誤差は、動脈−静脈pCO2差であるpCO2,a-pCO2,v=−0.64∀0.63kPaの規模と比べたとき、臨床的に重要なものではない。 SBCaとSBCapの関係 図7は、測定された動脈、標準重炭酸塩SBC(SBCa)と静脈−動脈変換方法を用いて予測したもの(SBCap)の関係のBland-Altmanプロットを例示している。SBCapの予測は、正確かつ精度の高いものと見ることができる(SBCa−SBCap=0.17∀0.5mmol/l)。SBCは酸の添加に伴って変化することから、0.17mmol/lの小さい偏向は、血液が組織を通って流れるにつれて塩基余剰が約0.2mmol/lだけ変化するという発見事実と等価にある。 ABEaとABEapの関係 静脈−動脈変換方法における主たる仮定は、動脈および静脈血サンプルが横断して採取される組織の中を血液が通過するにつれて、血液に対し有意な量の強酸が全く添加されない、ということにある。これを確認するため、図8は、動脈−静脈変換方法からの予測されたもの(BEap)に対する測定された動脈塩基余剰BE(BEa)のBland-Altmanプロットを例示している。BEa−BEap=0.2∀0.5mmol l。これは、血液が組織内を通過している時に0.2∀0.5mmol lの酸、すなわち有意でない量の酸が添加されることを暗に意味している。 pHaとpHapの関係 図9は、測定された動脈、pH(pHa)と静脈−動脈変換方法を用いて予測したもの(pHap)の関係のBland-Altmanプロットを例示している。pHapの予測は、正確かつ精度の高いものと見ることができる(pHa−pHap=0.008∀0.013)。 発明に適した考えられる患者グループ 第4節で提示された患者グループは、該方法により計算されたものとの比較のために動脈の同時サンプル採取が必要である方法のテストを反映している。該方法を適用する場合、動脈サンプルは採取されない。従って該方法は、通常パルス酸素測定デバイスを用いて実施される動脈酸素化の測定と組合せて静脈サンプルが採取される、正常な対象、患者または動物全てにおいて、適用することができる。該方法はここでは末梢静脈血のサンプル採取のためにテストされているが、中心または混合静脈血のサンプル採取にも同様に適用可能である。 参考文献一覧1.Rees SE,Andreassen S., Hovorka R, Summers R, Carson ER:血液の酸−塩基化学−一般的モデル。Comput Methods Programs Biomed. 1996;51:107−192.Rees S.E., S. Andreassen, R HovorkaおよびE.R.Carson:血液中の二酸化炭素の動的モデル。D.LinkensおよびE.R.Carson(Eds). 生化学系におけるモデリングおよび制御に関する第3回国際自動制御連盟(IFAC)シンポジウム議事録。Elsevier, 1997年12月、pp63−68.3.Adrogue HJ, Rashad MN, Gorin AB, Yacoub J, Madias NE:循環器障害における酸/塩基状態のアセスメント、動脈および中心静脈血の間の差異。N.Engl.J.Med.1989;320:1312−64.Brandl LS, Glunta F, Pieri M, Sironi AM, Mazzantl T:急患術後患者における静脈血−動脈PCO2およびpH勾配。Anestesiol.1995;61:345−505.Radiometer Medical A/S:血液ガス便覧、1997,pp14−156.Radiometer Medical A/S:血液ガス、酸素測定および電解質システム。参考マニュアル、1994.(原文に記載なし) 静脈血値を動脈血値に変換する方法において、− a)動脈酸素化状態の値を提供する段階、− b)末梢静脈血から得た血液サンプル内の酸/塩基状態および酸素化状態の値を測定および/または推定する段階、− c)血液酸/塩基状態および酸素化状態を導出するための数学モデルを適用することにより静脈血値を推定動脈血値へと変換する段階、を含む方法。 前記測定および推定する段階が、− d)末梢静脈血から得た嫌気性静脈血サンプルを提供する段階、− e)静脈血サンプルの酸/塩基状態を評価するため前記嫌気性静脈血サンプルを分析する段階、− f)静脈血サンプルの酸素化状態を評価するため前記嫌気性静脈血サンプルを分析する段階、を更に含む、請求項1に記載の方法。 − g)酸素飽和度、圧力または濃度といった動脈酸素化を提供する更なる段階、を含み、前記更なる段階が段階a)−c)のいずれかとの関係において任意の時点で実施される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。 − h)数学的モデリングを用いることによって動脈血サンプルの血液酸/塩基状態および酸素化状態をシミュレートする更に他の段階、を含む、請求項3に記載の方法。 − i)呼吸商によって決定される比率での、静脈血サンプル値へのシミュレートされた酸素O2の添加および静脈血サンプル値からの二酸化炭素CO2の除去を含む、数学的モデリング段階、− j)シミュレートされた酸素レベルが、測定または推定された動脈酸素化レベルに等しくなるまで前記数学的モデリングを実施する段階、および− k1)前記モデリングの結果を適用することにより動脈血の酸/塩基状態および酸素化を計算する段階、という更に一層の段階を含む、請求項4に記載の方法。 − i)呼吸商によって決定される比率での、静脈血サンプル値へのシミュレートされた酸素O2の添加および二酸化炭素CO2の除去を含む、数学的モデリング段階、− j)シミュレートされた酸素レベルが、測定または推定された動脈酸素化レベルに等しくなるまで前記数学的モデリングを実施する段階、および− k2)前記モデリングの結果を適用することにより動脈血の酸/塩基状態および酸素化を推定する段階、という更に一層の段階を含む、請求項4に記載の方法。 − l)二酸化炭素圧力、合計濃度または重炭酸塩濃度といったような動脈二酸化炭素レベルを提供する更なる段階を含み、前記更なる段階が段階a)−c)のいずれかとの関係において任意の時点で実施される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 − m)モデリングを用いることによって動脈血サンプルの血液酸/塩基状態および酸素化状態をシミュレートする更に他の段階、を含む、請求項7に記載の方法。 − n)呼吸商によって決定される比率での、静脈血サンプル値へのシミュレートされた酸素O2の添加および静脈血サンプル値からの二酸化炭素CO2の除去を含む、数学的モデリング段階、− o)シミュレートされた二酸化炭素レベルが、測定または推定された動脈二酸化炭素レベルに等しくなるまで前記モデリングを実施する段階、および− p1)前記モデリングの結果を適用することにより動脈血の酸/塩基状態および酸素化を計算する段階、という更に一層の段階を含む、請求項8に記載の方法。 − n)呼吸商によって決定される比率での、静脈血サンプル値へのシミュレートされた酸素O2の添加および静脈血サンプル値からの二酸化炭素CO2の除去を含む、数学的モデリング段階、− o)シミュレートされた二酸化炭素レベルが、測定または推定された動脈二酸化炭素レベルに等しくなるまで前記モデリングを実施する段階、および− p2)前記モデリングの結果を適用することにより動脈血の酸/塩基状態および酸素化を推定する段階、という更に一層の段階を含む、請求項8に記載の方法。 動脈酸素飽和度の測定または推定がパルス酸素測定により行なわれる、請求項5〜10のいずれか1項に記載の方法。 末梢静脈血から得た静脈血サンプルを分析するためのシステムにおいて、− ・動脈酸素化状態の値を提供するため、および ・静脈血サンプル内の酸/塩基状態および酸素化状態の値を測定および/または推定するための血液ガス分析デバイスおよび− 動脈酸素化状態の値および静脈血サンプル内の酸/塩基状態および酸素化状態の値に対して数学的モデルを適用するための手段、を含むシステムであって、静脈血酸/塩基状態および酸素化状態が動脈血値に変換されることを特徴とするシステム。 動脈血酸/塩基状態および酸素化状態が計算されるかまたは推定される請求項12に記載のシステム。 動脈酸素化飽和度を測定するための手段を含み、該手段が好ましくはパルス酸素測定デバイスである、請求項12または13に記載のシステム。 静脈血サンプルを引抜くことによる嫌気性サンプル採取用デバイスを含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載のシステム。 静脈血酸/塩基状態および酸素化状態を動脈血値に変換するための手段を伴うコンピュータまたは医療デバイスを更に含む、請求項12〜15に記載のシステム。