生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_スルファミン酸ハロゲン化物の製造方法
出願番号:2004505322
年次:2009
IPC分類:C07C 303/40,C07C 303/38,C07C 307/00,C07C 307/06,C07C 307/08,C07C 307/10,C07D 239/54


特許情報キャッシュ

ハンプレヒト,ゲルハルド プール,ミヒャエル レインハルド,ロベルト サガセア,インゴ シュミット,トーマス ゲッツ,ノルベルト ツィエルケ,トーマス JP 4384028 特許公報(B2) 20091002 2004505322 20030515 スルファミン酸ハロゲン化物の製造方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 ハンプレヒト,ゲルハルド プール,ミヒャエル レインハルド,ロベルト サガセア,インゴ シュミット,トーマス ゲッツ,ノルベルト ツィエルケ,トーマス DE 102 21 910.9 20020516 20091216 C07C 303/40 20060101AFI20091126BHJP C07C 303/38 20060101ALI20091126BHJP C07C 307/00 20060101ALI20091126BHJP C07C 307/06 20060101ALI20091126BHJP C07C 307/08 20060101ALI20091126BHJP C07C 307/10 20060101ALI20091126BHJP C07D 239/54 20060101ALI20091126BHJP JPC07C303/40C07C303/38C07C307/00C07C307/06C07C307/08C07C307/10C07D239/55 C07C 303/00 C07C 307/00 C07D 239/00 CA/REGISTRY(STN) 特開昭61−056162(JP,A) 特開昭55−085559(JP,A) 国際公開第01/083459(WO,A1) 特開昭60−105659(JP,A) 14 EP2003005126 20030515 WO2003097589 20031127 2005530794 20051013 27 20060510 前田 憲彦 本発明は、スルファモイルハライド、特に1級アミド、または特に2級アミドのスルファモイルクロライドの製造方法に関する。 1級または2級アミンのスルファモイルハライドは、スルホンアミドまたは硫酸ジアミド構造単位を有する有効成分の製造における興味深い中間体である。アルキルスルファモイルクロライド、それらの製造およびそれらの使用についての概説がハンプレヒトらの報告にある(G. Hamprecht et al. Angew. Chem. 93, (1981), p. 151-163)。 概してスルファモイルクロライド類は、下記で塩化スルフリルとも称されるスルホニルクロライドとモノアルキルアンモニウムクロライドを反応させることで製造することができる(Acta Chem. Scand. 19, (1963), p. 2141およびDE-A1242627)。この方法の欠点は、反応時間が長いことである。さらに、スルホニルクロライドを使用することで複数の副反応が生じる。長鎖アミンの場合、例えばスルホニルクロライドの塩素化作用が支配的となることから、そのようなアミンのスルファミルクロライドはその経路によっては得られない。 この方法はまた、N-メトキシエチル-N-メチルスルファモイルクロライド、N-シアノエチル-N-メチルスルファモイルクロライド、N-アリル-N-メチル-スルファモイルクロライドおよびビス-N-アリルスルファモイルクロライドの製造にWO 98/28280、WO 00/18770、WO 01/64808および他の文献(Bull. Soc. Chim. Belg. 93, 1984, p. 920)でも利用されている。認められている収率は総じて低い。 DE-A2164176およびEP-A11794には、式R-NH-SO2X(式中Rは脂肪族または脂環式の基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるスルファモイルハライドを、一般式R-NH-SO3H(Rは上記で定義の通りである)で表されるスルファミン酸とリンの酸ハライドとを反応させることによって製造する方法が開示されている。原料として使用されるスルファミン酸は、イソシアネートR-N=C=Oを硫酸と反応させることで、あるいはジ置換尿素を発煙硫酸と反応させることで製造される。これらの方法の一つの欠点は、それらが、製造が高コストで容易ではない比較的高価な原料品を原料とするという点である。さらに、スルファミン酸の製造に必要な反応条件(硫酸または発煙硫酸)のため、この方法は窒素上に比較的不活性な炭化水素基を有するスルファモイルハライドの製造にのみ好適である。この方法は、反応性基、例えばオレフィン系二重結合もしくは三重結合、シアノアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルデヒドカルボニル基を有するスルファモイルハライドの製造には適さない。 ヴェグラーらの報告(R. Wegler et al., J. Liebigs Ann. Chem. (1959), 624, p. 25-29)には、最初に2級アミンまたはそれの塩酸塩を塩素で処理してN-クロロアミンに変換し、それを次に塩素存在下に二酸化硫黄との反応によってスルファモイルクロライドに変換することによるN,N-ジアルキルスルファモイルクロライドの製造が記載されている。記載されている別法は、ジアルキルアミンを四塩化炭素中で二酸化硫黄と反応させ、次に得られたチオアミド酸と塩素とを反応させてスルファモイルクロライドを得るというものである。これら両方の方法の欠点は原子状塩素を使用することであり、そのためにその方法は、塩素に対して反応性である基を持たないアミンに限定される。さらに、第1の変法で発生する中間体は非常に不安定なN-クロロアミンであり、それは取り扱い上非常に大きい問題を有する。 ドイツ特許第946710号には、カルバモイルクロライドを三酸化硫黄と反応させることによるスルファモイルクロライドの製造が記載されている。 オルソンらの報告(R.E. Olson et al., J. Med. Chem. (1999), 42, p. 1189)には、最初にイソブチルアミンをクロロスルホン酸と反応させ、得られたイソブチルスルファミン酸のイソブチルアンモニウム塩を五塩化リン反応させることにるイソブチルアミンからのイソブチルスルファモイルクロライドの製造が記載されている。しかしながら、得られる収率は満足できるものではない。 先行技術から複数のスルファモイルクロライド製造方法が知られているが、上記の反応性基を全く持たない不活性アミンのスルファモイルクロライドの製造に限定されず、そのアミンを直接原料として使用可能な、効率の良いスルファモイルクロライドの製造方法は得られていない。 そこで本発明の目的は、そのような方法を提供することにある。 本発明者らは、驚くべきことにその目的が、最初に少なくとも当モル量の三酸化硫黄もしくは三酸化硫黄源と1級または2級アミンを、少なくとも等モル量の3級アミンA2の存在下に反応させ、得られたスルファミン酸アンモニウムを少なくとも化学量論的に必要な量のハロゲン化リンと反応させる方法によって達成されることを見出した。 従って本発明は、1級または2級アミンのスルファモイルハライドを製造する方法であって、 i)1級または2級アミンA1を、各場合において前記アミンA1に基づいて、少なくとも等モル量の3級アミンA2の存在下に、少なくとも等モル量のSO3またはSO3源と反応させる段階;および ii)段階i)で得られた反応混合物と、少なくとも化学量論的に必要な量のハロゲン化リンとを反応させる段階を含むことを特徴とする方法に関する。 本発明による方法は、図式1に示した反応式によって最も良好に説明される。 図式1 図式1において、R1R2-NHは1級または2級アミンA1を表し;A2は3級アミンを表し;Halはハロゲン化リンから転移してきたハロゲン原子を表す。 好適な1級または2級アミンの例は、下記式IAおよびIBのものである。 式中、 R1およびR2はそれぞれ独立に、C1〜C20-アルキル、C2〜C20-アルケニルまたはC2〜C20-アルキニル[それらはそれぞれ、無置換であるか、CN、NO2、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、ホルミル、C1〜C4-アルキルカルボニル、C1〜C4-アルコキシカルボニル、C1〜C4-アルキルアミノカルボニル、C1〜C4-ジアルキルアミノカルボニル、C1〜C4-アルキルスルフィニル、C1〜C4-アルキルスルホニル、C3〜C10-シクロアルキル、フェニル(それ自体が、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルキルオキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、ホルミル、ニトロもしくはシアノから選択される1、2、3または4個の置換基を有していても良い)によって置換されていても良い]、 C1〜C20-ハロアルキル、C2〜C20-ハロアルケニル、C2〜C20-ハロアルキニル、C3〜C10-シクロアルキル、C5〜C10-シクロアルケニル、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、フェニルまたはナフチル(ここで、ヘテロシクリル、フェニルまたはナフチルはそれ自体、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルキルオキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、ホルミル、ニトロもしくはシアノから選択される1、2、3または4個の置換基を有していても良い)であり; R1とR2とが一緒になって、飽和または部分不飽和の5〜8員の窒素複素環を形成していても良く、その複素環自体がC1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシおよび/またはC1〜C4-ハロアルキルによって置換されていても良く、1個もしくは2個のカルボニル基もしくはチオカルボニル基および/または環原子としてO、SおよびNから選択される1個もしくは2個のさらなるヘテロ原子を有していても良い。 置換基についてあるいはフェニル基および複素環基としてここでおよび下記で具体的に記載された有機分子部分は、個々の群の構成員を個別に列記するのに代わる総称を表し、Cn〜Cmという表現はその分子部分において可能な炭素原子数を示すものである。全ての炭化水素鎖、すなわち全てのアルキル、アルケニルおよびアルキニル部分は、直鎖または分岐であることができる。別段の断りがない限り、ハロゲン化置換基は好ましくは、1〜6個の同一または異なるハロゲン原子を有する。各場合でのハロゲンの定義は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。 具体的な定義の例には、 −C1〜C4-アルキル:例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピルまたは1,1-ジメチルエチル; −C1〜C20-アルキル:1〜20個の炭素原子を有する、特には1〜10個の炭素原子を有する(C1〜C10-アルキル)飽和脂肪族炭化水素基;例えば上記で記載のC1〜C4-アルキル、さらには例えば、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-3-メチルプロピル、n-ヘプチル、n-ノニル、n-デシル、1-メチルヘキシル、1-エチルヘキシル、1-メチルヘプチル、1-メチルオクチル、1-メチルノニル、n-ウンデシル、1-エチルノニル、2-エチルノニル、1,2-ジメチルノニル、n-ドデシル、1-メチルウンデシル、1-エチルデシル、n-トリデシル、1-メチルドデシル、1-エチルウンデシル、n-テトラデシル、1-メチルトリデシル、1-エチルドデシル、n-ペンタデシル、1-メチルテトラデシル、1-エチルトリデシル、n-ヘキサデシル、1-メチルペンタデシル、1-エチルテトラデシル、n-ヘプタデシル、1-メチルヘキサデシル、1-エチルペンタデシル、n-オクタデシル、1-メチルヘプタデシル、1-エチルヘキサデシル、n-ノナデシル、1-メチルオクタデシル、n-エイコシル、1-メチルノナデシル; −C2〜C20-アルケニル:2〜20個の炭素原子、好ましくは2〜10個、特には3〜6個の炭素原子(C2〜C10-アルケニルおよびC3〜C6-アルケニル)を有するモノ不飽和オレフィン系炭化水素基、例えばエテニル、プロパ-2-エン-1-イル(=アリル)、プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-4-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-3-エン-1-イル、1-メチルプロパ-2-エン-1-イル、2-メチルプロパ-2-エン-1-イル、1-ペンテン-3-イル、1-ペンテン-4-イル、2-ペンテン-4-イル、1-メチルブタ-2-エン-1-イル、2-メチルブタ-2-エン-1-イル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、1-メチルブタ-3-エン-1-イル、2-メチルブタ-3-エン-1-イル、3-メチルブタ-3-エン-1-イル、1,1-ジメチルプロパ-2-エン-1-イル、1,2-ジメチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチルプロパ-1-エン-2-イル、n-ヘキサ-1-エン-1-イル、n-ヘキサ-2-エン-1-イル、ヘキサ-3-エン-1-イル、ヘキサ-4-エン-1-イル、ヘキサ-5-エン-1-イル、1-メチルペンタ-1-エン-1-イル、2-メチルペンタ-1-エン-1-イル、3-メチルペンタ-1-エン-1-イル、4-メチルペンタ-1-エン-1-イル、1-メチルペンタ-2-エン-1-イル、2-メチルペンタ-2-エン-1-イル、3-メチルペンタ-2-エン-1-イル、4-メチルペンタ-2-エン-1-イル、1-メチルペンタ-3-エン-1-イル、2-メチルペンタ-3-エン-1-イル、3-メチルペンタ-3-エン-1-イル、4-メチルペンタ-3-エン-1-イル、1-メチルペンタ-4-エン-1-イル、2-メチルペンタ-4-エン-1-イル、3-メチルペンタ-4-エン-1-イル、4-メチルペンタ-4-エン-1-イル、1,1-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,1-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、1,2-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,2-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、1,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,3-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、2,2-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、2,3-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、3,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1-エチルブタ-2-エン-1-イル、1-エチルブタ-3-エン-1-イル、2-エチルブタ-2-エン-1-イル、2-エチルブタ-3-エン-1-イル、1,1,2-トリメチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチル-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチル-2-メチルプロパ-2-エン-1-イル、ヘプタ-2-エン-1-イル、オクタ-2-エン-1-イル、ノナ-2-エン-1-イル、デカ-2-エン-1-イル、ウンデカ-2-エン-1-イル、ドデカ-2-エン-1-イル、トリデカ-2-エン-1-イル、テトラデカ-2-エン-1-イル、ペンタデカ-2-エン-1-イル、ヘキサデカ-2-エン-1-イル、ヘプタデカ-2-エン-1-イル、オクタデカ-2-エン-1-イル、ノナデカ-2-エン-1-イル、エイコサ-2-エン-1-イル; −C2〜C20-アルキニル:2〜20個の炭素原子、好ましくは2〜10個、特には3〜6個の炭素原子および三重結合を有する炭化水素基(C2〜C10-アルキニルおよびC3〜C6-アルキニル)、例えば、エチニル、プロパ-2-イン-1-イル (=プロパルギル)、プロパ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-1-イン-4-イル、ブタ-2-イン-1-イル、ペンタ-1-イン-1-イル、ペンタ-1-イン-3-イル、ペンタ-1-イン-4-イル、ペンタ-1-イン-5-イル、ペンタ-2-イン-1-イル、ペンタ-2-イン-4-イル、ペンタ-2-イン-5-イル、3-メチルブタ-1-イン-3-イル、3-メチルブタ-1-イン-4-イル、ヘキサ-1-イン-3-イル、ヘキサ-1-イン-4-イル、ヘキサ-1-イン-5-イル、ヘキサ-1-イン-6-イル、ヘキサ-2-イン-1-イル、ヘキサ-2-イン-4-イル、ヘキサ-2-イン-5-イル、ヘキサ-2-イン-6-イル、ヘキサ-3-イン-1-イル、ヘキサ-3-イン-2-イル、3-メチルペンタ-1-イン-3-イル、3-メチルペンタ-1-イン-4-イル、3-メチルペンタ-1-イン-5-イル、4-メチルペンタ-2-イン-4-イル、4-メチルペンタ-2-イン-5-イル、ヘプタ-2-イン-1-イル、オクタ-2-イン-1-イル、ノナ-2-イン-1-イル、デカ-2-イン-1-イル、ウンデカ-2-イン-1-イル、ドデカ-2-イン-1-イル、トリデカ-2-イン-1-イル、テトラデカ-2-イン-1-イル、ペンタデカ-2-イン-1-イル、ヘキサデカ-2-イン-1-イル、ヘプタデカ-2-イン-1-イル、オクタデカ-2-イン-1-イル、ノナデカ-2-イン-1-イル、エイコサ-2-イン-1-イル; −C1〜C4-ハロアルキル:フッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素によって部分置換または完全置換された上記で記載のC1〜C4-アルキル基、すなわち例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、2-ブロモエチル、2-ヨードエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、2-フルオロプロピル、3-フルオロプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、2,3-ジフルオロプロピル、2-クロロプロピル、3-クロロプロピル、2,3-ジクロロプロピル、2-ブロモプロピル、3-ブロモプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,3-トリクロロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエチル、1-(クロロメチル)-2-クロロエチル、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエチル、4-フルオロブチル、4-クロロブチル、4-ブロモブチルまたはノナフルオロブチル; −C1〜C20-ハロアルキル:一部または全て、特には1〜6個の水素原子がハロゲン原子によって、好ましくはフッ素および/または塩素によって置換された上記で記載のC1〜C20-アルキル、特にはC1〜C10-アルキル、例えば上記で記載のC1〜C4-ハロアルキル、さらには5-フルオロペンチル、5-クロロペンチル、5-ブロモペンチル、5-ヨードペンチル、ウンデカフルオロペンチル、6-フルオロヘキシル、6-クロロヘキシル、6-ブロモヘキシル、6-ヨードヘキシルまたはドデカフルオロヘキシル; −C2〜C20-ハロアルケニル:一部または全て、特には1〜6個の水素原子がハロゲン原子によって、好ましくはフッ素および/または塩素によって置換された上記で記載のC2〜C20-アルケニル、特にはC2〜C10-アルケニル; −C2〜C20-ハロアルキニル:一部または全て、特には1〜6個の水素原子がハロゲン原子によって、好ましくはフッ素および/または塩素によって置換された上記で記載のC2〜C20-アルキニル、特にはC2〜C10-アルキニル; −C3〜C10-シクロアルキル:3〜10個の炭素原子を有する脂環式基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロデシル; −C5〜C10-シクロアルケニル:5〜10個の炭素原子、好ましくは5〜8個の炭素原子および1個の二重結合を有する脂環式基、例えばシクロペンテン-1-イル、シクロヘキセン-1-イル、シクロヘプテン-1-イル、シクロオクテン-1-イル、シクロノネン-1-イル、シクロデセン-1-イル、シクロペンタ-2-エン-1-イル、シクロヘキサ-2-エン-1-イル、シクロヘプタ-2-エン-1-イル、シクロオクタ-2-エン-1-イル、シクロノナ-2-エン-1-イル、シクロデカ-2-エン-1-イル、シクロヘキサ-3-エン-1-イル、シクロヘプタ-3-エン-1-イル、シクロオクタ-3-エン-1-イル、シクロオクタ-4-エン-1-イル、シクロノナ-3-エン-1-イル、シクロノナ-4-エン-1-イル、シクロデカ-4-エン-1-イルまたはシクロデカ-3-エン-1-イル; −C1〜C10-シアノアルキル:CN基によって置換されたC1〜C10-アルキル、例えばシアノメチル、1-シアノエチル、2-シアノエチル、1-シアノプロピル、2-シアノプロピル、3-シアノプロピル、1-シアノプロパ-2-イル、2-シアノプロパ-2-イル、1-シアノブチル、2-シアノブチル、3-シアノブチル、4-シアノブチル、1-シアノブタ-2-イル、2-シアノブタ-2-イル、1-シアノブタ-3-イル、2-シアノブタ-3-イル、1-シアノ-2-メチルプロパ-3-イル、2-シアノ-2-メチルプロパ-3-イル、3-シアノ-2-メチルプロパ-3-イル、3-シアノ-2,2-ジメチルプロピル、6-シアノヘキサ-1-イル、7-シアノヘプタ-1-イル、8-シアノオクタ-1-イル、9-シアノノナ-1-イル、10-シアノデカ-1-イル; −C1〜C4-アルキルカルボニル:1〜4個の炭素原子を有し、カルボニル基を介して結合されるアルキル基、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリルまたはイソブチリル; −(C1〜C4-アルキルアミノ)カルボニル:例えばメチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、1-メチルエチルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル、1-メチルプロピルアミノカルボニル、2-メチルプロピルアミノカルボニルまたは1,1-ジメチルエチルアミノカルボニル; −ジ(C1〜C4-アルキル)アミノカルボニル:例えば N,N-ジメチルアミノカルボニル、N,N-ジエチルアミノカルボニル、N,N-ジ(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N,N-ジプロピルアミノカルボニル、N,N-ジブチルアミノカルボニル、N,N-ジ(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N,N-ジ(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N,N-ジ(1,1-ジメチルエチル)アミノカルボニル、N-エチル-N-メチルアミノカルボニル、N-メチル-N-プロピルアミノカルボニル、N-メチル-N-(1-メチルエチル)-アミノカルボニル、N-ブチル-N-メチルアミノカルボニル、N-メチル-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-メチル-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-メチルアミノカルボニル、N-エチル-N-プロピルアミノカルボニル、N-エチル-N-(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-エチルアミノカルボニル、N-エチル-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-エチル-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-エチル-N-(1,1-ジメチルエチル)アミノカルボニル、N-(1-メチルエチル)-N-プロピルアミノカルボニル、N-ブチル-N-プロピルアミノカルボニル、N-(1-メチルプロピル)-N-プロピルアミノカルボニル、N-(2-メチルプロピル)-N-プロピルアミノカルボニル、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-プロピルアミノカルボニル、N-ブチル-N-(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N-(1-メチルエチル)-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-(1-メチルエチル)-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-(1-メチルエチル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-ブチル-N-(1,1-ジメチルエチル)アミノカルボニル、N-(1-メチルプロピル)-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-(1-メチルプロピル)アミノカルボニルまたはN-(1,1-ジメチルエチル)-N-(2-メチルプロピル)アミノカルボニル; −C1〜C4-アルコキシ:1〜4個の炭素原子を有し、酸素原子を介して結合されるアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブタキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシまたは1,1-ジメチルエトキシ; −C1〜C4-アルキルチオ(C1〜C4-アルキルスルファニル:C1〜C4-アルキル-S-):1〜4個の炭素原子を有し、硫黄原子を介して結合されるアルキル基、例えば メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1-メチルエチルチオ、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ、2-メチルプロピルチオまたは1,1-ジメチルエチルチオ; −C1〜C4-アルキルスルフィニル(C1〜C4-アルキル-S(=O)-):例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、1-メチルエチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、1-メチルプロピルスルフィニル、2-メチルプロピルスルフィニルまたは1,1-ジメチルエチルスルフィニル; −C1〜C4-アルキルスルホニル(C1〜C4-アルキル-S(=O)2-):例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、1-メチルエチルスルホニル、ブチルスルホニル、1-メチルプロピルスルホニル、2-メチルプロピルスルホニルまたは1,1-ジメチルエチルスルホニルなどがある。 ヘテロシクリルという用語は、飽和、部分不飽和および芳香族の複素環基を包含するものである。 芳香族ヘテロシクリルの例には、2-および3-チエニル、2-および3-フリル、2-および3-ピロリル、1-、3-または4-ピラゾリル、2-、3-または4-ピリジニル、2-または4-オキサゾリルなどがある。 1個もしくは2個のカルボニル基、チオカルボニル基および/または環構成員としてO、SおよびNから選択される1個もしくは2個の別のヘテロ原子を有することができる飽和および部分不飽和5〜8員の複素環窒素基の例には、ピロリジン-1-イル、1,3-オキサゾリジン-3-イル、1,2-オキサゾリジン-2-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-1-イル、テトラヒドロピラゾール-1-イル、ピペリジン-1-イル、モルホリン-4-イル、2-メチルモルホリン-4-イル、3-メチルモルホリン-4-イル、2,6-ジメチルモルホリン-4-イル、ヘキサヒドロピリダジン-1-イル、ヘキサヒドロピリミジン-1-イル、ヘキサヒドロピペラジン-1-イル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン-1-イル、ヘキサヒドロアゼピン-1-イル、ヘキサヒドロ-1,3-ジアゼピン-1-イル、ヘキサヒドロ-1,4-ジアゼピン-1-イルなどがある。 好ましいアミンは2級アミンである。すなわちR1およびR2がそれぞれ水素とは異なるものである。アミンA1は好ましくは、1個の1級アミノ基または1個の2級アミノ基のみを有する。アミンA1は好ましくは、アルコール性水酸基を持たない。 好ましい置換基R1およびR2はそれぞれ独立に、C1〜C10-アルキル、C3〜C10-アルケニルおよびC3〜C10-アルキニルから選択され、窒素原子が結合している炭素原子には二重結合も三重結合も直接結合していない。別の好ましいものには、C1〜C4-アルコキシアルキル、C1〜C4-アルキルチオ−C1〜C4-アルキル、シアノ−C1〜C4-アルキル、C5〜C8-シクロアルキル、C5〜C8-シクロアルキニルおよびフェニルがあり、それらは上記のように置換されていても良く、特にはハロゲンまたはC1〜C4-アルコキシによって置換されていても良い。好ましくは基R1およびR2が両方とも、置換されていても良いフェニル、ナフチルまたはヘテロシクリルであることはない。 好ましい実施形態では、R1およびR2はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、上記のように置換されていても良い飽和もしくは部分不飽和の5員または6員の窒素複素環であり、特には2,5-ジヒドロピロール-1-イル、2,3-ジヒドロピロール-1-イル、1-ピロリジニル、1-ピペリジニル、4-モルホリニル、2-メチルモルホリン-4-イル、2,6-ジメチルモルホリン-4-イル、1-メチルピペラジン-4-イルである。 好適なアミンA1の例には、下記の表に示した式NR1R2のアミンがあり、式中で基R1およびR2はそれぞれ、表1の一つの列で定義された通りである。表1 3級アミンA2に関しては、概して制限はない。好適なアミンA2には、トリアルキルアミン類、好ましくはC1〜C4-アルキル基を有するトリアルキルアミン類[例:トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチル-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、ジメチル-n-ブチルアミン]、好ましくはC1〜C4-アルキル基およびC6〜C8-シクロアルキル基を有するN,N-ジアルキル-N-シクロアルキルアミン類[例:N,N-ジメチル-N-シクロヘキシルアミン]および好ましくはC1〜C4-アルキル基を有するN,N-ジアルキルアニリン類[特にはN,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N-メチル-N-エチルアニリン]、N-アルキルモルホリン類、N-アルキルイミダゾール類およびN-アルキルピペリジン類などの複素環3級アミン類[例:N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、N-エチルイミダゾールおよびN-メチルイミダゾール]、そしてsp2窒素原子を有する3級アミン類[以下において、ピリジン型の3級アミン類とも称される]などがある。ピリジン自体に加えて、α-、β-およびγ-ピコリン、ピリミジン、ピリダジン、2,4-ルチジン、2,6-ルチジン、キノリン、キナルジンおよびN-アルキルイミダゾール類(例:N-メチルイミダゾールおよびN-エチルイミダゾール)などもある。好ましい3級アミン類はピリジン型のもの、特にはピリジンおよびα-、β-およびγ-ピコリン、より好ましくはα-ピコリンである。 三酸化硫黄自体は別として、有用な三酸化硫黄源には、クロロスルホン酸類および三酸化硫黄と上記3級アミンとの付加物などもある。三酸化硫黄と3級アミンの付加物の中でも、好ましいものはピコリン、ピリジン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチル-N-シクロヘキシルアミンとの付加物である。これらの付加物は、三酸化硫黄またはクロロスルホン酸を3級アミンの適当な溶媒(好ましくは反応の溶媒)中の溶液に加えることで製造することができる。その添加は好ましくは、-20〜+50℃の範囲で、特には-10〜+30℃の範囲で行う。 さらに別の有用な三酸化硫黄源には、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジ-n-プロピルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N-メチルアセトアニリド、N-メチルピロリドンおよびN-エチルピロリドンなどの2級アミドと三酸化硫黄との付加物、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラブチル尿素およびジメチルプロピレン尿素などのテトラアルキル尿素化合物との付加物、さらにはテトラヒドロフランもしくはピランなどの電子リッチエーテルとの付加物、あるいはアセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリルとの付加物などがある。これらの付加物は、三酸化硫黄と3級アミンとの付加物と同様にして製造される。段階i)では、三酸化硫黄あるいは三酸化硫黄とピリジン型のアミンとの付加物、より好ましくは三酸化硫黄とα-ピコリンとの付加物が好ましい。 本発明によれば、段階i)での1級または2級アミンA1の反応において、1モルのアミンA1当たり少なくとも等モル量、好ましくは少なくとも1.1モル、特には少なくとも1.2モルのSO3またはSO3付加物(SO3として計算したもの)を用いる。有利には、1モルのアミンA1当たり2.5モル以下、特には2モル以下の三酸化硫黄または三酸化硫黄付加物を用いる。 段階i)で使用される3級アミンA2の量は、1モルのアミンA1当たり好ましくは少なくとも2モル、特には少なくとも2.5モルである。有利には、3級アミンA2の量は、1モルのアミンA1当たり6モル以下、特には5モル以下である。使用されるSO3源がSO3と3級アミンの付加物である場合、このようにして導入される3級アミンA2の量も、上記のモル比において考慮する。すなわち、前記のモル量データは、各場合で段階i)での3級アミンの総量に関連している。 通常、段階i)の反応は、-20℃〜+100℃の範囲、好ましくは-10〜+60℃の範囲の温度で行う。手順は一般的には、最初に三酸化硫黄または三酸化硫黄源を適当な溶媒または希釈剤に入れ、次に3級アミンA2を加えるというものである。その添加は、一般的には-20〜+100℃の範囲、好ましくは-10〜+50℃の範囲、特には-10〜+20℃の範囲で行う。この反応は非常に多くの場合で発熱的であり、通常は好適な内部および/または外部冷却手段によって所望の温度範囲内に維持する。使用するSO3源がSO3と3級アミンの付加物である場合、アミンのSO3源への添加はあまり発熱性が高くないのが一般的である。次に、アミンA1を得られた溶液または懸濁液に加える。アミンA1は、未希釈で加えることができるか、あるいはそれに好適な溶媒または希釈剤中に溶解もしくは懸濁した形で加えることができる。それによって、図式1に示したスルファミン酸アンモニウムが形成される。アミンA1は好ましくは、-10〜+60℃の範囲の温度で加える。非常に多くの場合、得られた反応混合物は添加からしばらくの期間、例えば+10〜+80℃の範囲、特には+20〜+60℃の範囲で反応継続させる。 本発明の別の実施形態では段階i)は、1級または2級アミンA1ならびに3級アミンA2を最初に適当な溶媒または希釈剤に入れ、SO3またはSO3源をそれに加えるという形態で行う。SO3またはSO3源は同じように適当な溶媒または希釈剤に加える。反応温度については、上記のものと同じものを適用する。好ましいのは、-20〜+80℃の範囲、特には-10〜+60℃の範囲で添加を行うというものである。添加後、反応混合物をしばらくの期間反応継続させる。その際に反応温度は、通常は+10〜+80℃、好ましくは+20〜+60℃である。 段階i)での反応に必要な時間は、通常は少なくとも15分間であり、好ましくは10時間を超えず、特には5時間以内である。 第1の実施形態で3級アミンをSO3またはSO3源に加える速度は、反応の結果に対してはあまり重要ではなく、添加は通常、冷却による温度制御が可能なように行う。バッチの大きさに応じて、アミンA2の添加期間は数分から1時間の範囲とする。このようにして得られる反応混合物へのアミンA1の添加の速度もやはりあまり重要ではなく、非常に多くの場合で数分から1時間以内の範囲である。反応を完結させるため、反応は通常、数分〜数時間、例えば5分〜3時間にわたって継続させる。しかしながら1時間を超える反応時間は必要ない場合が非常に多い。概して、段階i)で得られたスルファミン酸アンモニウムを単離し、それを段階ii)で少なくとも化学量論的に必要な量のハロゲン化リンと反応させることが可能である。しかしながら、段階i)で得られた反応混合物からスルファミン酸アンモニウムを事前に単離することなく段階ii)での反応を行うことが好ましい。すなわち、ハロゲン化リンを段階i)で得られた反応混合物に直接加える。 好適なハロゲン化リンは、通常の市販されているハロゲン化リン類、特には塩化物および臭化物、より好ましくは塩化物である。好適なハロゲン化リンの例には、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、三臭化リンおよび五臭化リンなどがある。好ましいものは、三塩化リン、五塩化リン、特にはオキシ塩化リン(=塩化ホスホリル)である。 ハロゲン化リンは、未希釈で加えることができるか、あるいは不活性溶媒もしくは希釈剤中で加えることができる。塩化ホスホリルなどの液体のハロゲン化リンの場合、溶解や希釈は必要ないのが一般的である。 必要な最小量のハロゲン化リンは、それ自体が公知のように、反応の化学量論によって決まるものであり、五塩化リンの場合は1モルのアミンA1当たり少なくとも0.5モルであり、三塩化リン、三臭化リンおよびオキシ塩化リンの場合には1モルのアミンA1当たり少なくとも1モルである。有利にはハロゲン化リンの量は、1モルのアミンA1当たり3モルを超えず、好ましくは1モルのアミンA1当たり2.2モルを超えない。三塩化リン、三臭化リンまたはオキシ塩化リンを用いる場合、ハロゲン化リンの量は、1モルのアミンA1当たり好ましくは1〜3モル、特には1.1〜2.2モルである。五塩化リンまたは五臭化リンを用いる場合、その量は1モルのアミンA1当たり好ましくは0.5〜1モル、特には0.6〜0.9モルである。 段階ii)で必要な反応時間は、通常は0.5〜8時間の範囲である。 段階ii)で必要な反応温度は、通常は0〜100℃の範囲、好ましくは10〜80℃の範囲、特には20〜80℃の範囲である。 段階i)およびii)での好適な溶媒または希釈剤は、反応条件下で不活性、すなわちSO3およびハロゲン化リンに対して不活性であるものである。そのような溶媒は当業者には公知であり、環状または開環型のエーテル類、ハロ炭化水素類、ニトロ炭化水素類、芳香族、脂肪族および脂環式の炭化水素類、テトラアルキル尿素類、N-アルキルラクタム類、N,N-ジアルキルアミド類およびそれらの混合物などの極性および非極性の両方の非プロトン系化合物などがある。エーテルの例には、ジエチルエーテル、ジ-n-プロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテルおよびエチレングリコールジメチルエーテルなどがある。ニトロメタン以外に、ニトロ炭化水素の例にはニトロベンゼン、o-、m-もしくはp-クロロニトロベンゼン、およびo-、p-ニトロトルエンなどがある。炭化水素の例には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびシクロヘキサンなどがある。テトラアルキル尿素の例にはテトラメチル尿素がある。N,N-ジアルキルアミドの例には、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどがある。N-アルキルラクタムの例には、N-メチルピロリドンがある。ハロ炭化水素の例には、塩化メチレン、1,1-および1,2-ジクロロエタン、シス-1,2-ジクロロエテン、1,1-、1,2-および1,3-ジクロロプロパン、1,4-ジクロロブタン、テトラクロロエタン、1,1,1-および1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ペンタクロロエタン、トリクロロフルオロメタンなどの脂肪族ハロ炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン類、クロロトルエン類、ジクロロトルエン類、トリクロロベンゼンおよびそれらの混合物などがある。好ましい溶媒には、ハロ炭化水素類、特にはジクロロエタン、塩化メチレンおよびクロロベンゼン、ならびにそれらの混合物などがある。上記の3級アミンは概して、有用な希釈剤でもある。 希釈剤の量は、反応混合物が反応中流動可能な状態に維持されるように選択され、それに関して十分な量は、1モルのアミンA1当たり少なくとも溶媒500ml、好ましくは少なくとも1リットルである。これらのデータは、反応段階i)およびii)での溶媒の総量に関するものである。コスト上の理由から、最少量の溶媒を用いることは明らかであろう。従って通常では、溶媒の量は1モルのアミンA1当たり5リットルを超えない。 工程段階i)およびii)は、バッチ式で、あるいは好適な反応容器中で連続的に操作することができる。バッチ式の方法では、通常は撹拌槽および撹拌リアクタを用いる。それらには通常、反応熱を除去するための好適な熱交換器または冷却ジャケットが取り付けられている。反応段階i)およびii)の連続実施もやはり、それに対して一般的なリアクタ、例えば撹拌槽、撹拌槽器具および管状リアクタ中で行う。ただし、逆混合の少ないリアクタが好ましい。 段階ii)で得られた反応混合物を、それ自体公知の方法で後処理する。非常に多くの場合、過剰のハロゲン化リンを分解するため、段階ii)で得られた反応混合物を水に投入することで加水分解し、希酸、特には希無機酸を加えた後に、過剰のアミンA1またはA2を過剰の水非混和性有機溶媒で抽出除去する。ハロゲン化リンおよび溶媒そして過剰の3級アミンA2を留去し、残留物について分別蒸留を行うことも可能である。揮発性の構成成分を留去した後に、得られた残留物を、3級アミンの塩の溶解度が限られた中等度に極性もしくは非極性の有機溶媒と混合することも可能である。好適な溶媒は、開環型エーテル類、特にはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびメチルtert-ブチルエーテルである。このようにして、スルファモイルハライドの溶液が得られる。 溶媒留去後、スルファモイルハライドが、通常はそれ以上の精製段階を必要とせずに、作物保護薬の製造に直接使用可能なだけの純度で得られる。蒸留を行わずに得られる純度は、非常に多くの場合ほぼ90%であり、特にはほぼ95%以上である。そのため、本発明による方法では蒸留を行わずに済むという利点がある場合がある。しかしながら、大概は蒸留が可能であることは明らかであろう。 本発明による方法によって、スルファモイルハライドが、アミンA1に基づいて、通常は少なくとも80%、非常に多くの場合で少なくとも90%という非常に高収率で得られる。 さらに本発明による方法は、カルバミン酸やイソシアネートを介した迂回経路を必要とせず、しかも問題の多い塩素の使用およびクロロアミン類の製造を回避するものである。 本発明による方法によって、1級または2級アミンから誘導される所望のスルファモイルハライドを製造することが基本的に可能となる。比較的反応性の高い官能基、特にはC=C二重結合、C≡C三重結合、アルデヒドまたはケトカルボニル基、エーテル基、エステル基、アミド基などを有するアミンを用いることも可能である。そのようなスルファモイルハライドは新規であり、やはり本発明の主題の一部を形成するものである。詳細には本発明は、下記式IIのスルファモイルハライドに関するものである。 Cl-SO2-NR1'R2' (II) 式中、 R1’は、C2〜C20-アルケニル;C2〜C20-アルキニル;C2〜C20-ハロアルケニル;C2〜C20-ハロアルキニル;CN、C1〜C4-アルコキシ、C2〜C20-ハロアルケニル、C2〜C20-ハロアルキニル、C5〜C10-シクロアルケニル、C1〜C4-アルキルカルボニル、C1〜C4-アルコキシカルボニル、C1〜C4-アルキルアミノカルボニル、C1〜C4-ジアルキルアミノカルボニルもしくはホルミルによって置換されたC2〜C20-アルキルであり;あるいはC5〜C10-シクロアルケニルであり; R2’は、C2〜C20-アルキル、C2〜C20-アルケニルまたはC2〜C20-アルキニルであり、それらはそれぞれ無置換であるか、またはCN、NO2、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、ホルミル、C1〜C4-アルキルカルボニル、C1〜C4-アルコキシカルボニル、C1〜C4-アルキルアミノカルボニル、C1〜C4-ジアルキルアミノカルボニル、C1〜C4-アルキルスルフィニル、C1〜C4-アルキルスルホニル、C3〜C10-シクロアルキル、フェニル(これ自体が、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルキルオキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、ホルミル、ニトロまたはシアノから選択される1、2、3もしくは4個の置換基を有していても良い)によって置換されていても良く;あるいは C1〜C20-ハロアルキル、C2〜C20-ハロアルケニル、C2〜C20-ハロアルキニル、C3〜C10-シクロアルキル、C5〜C10-シクロアルケニル、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、フェニルまたはナフチルであり、ここで、ヘテロシクリル、フェニルまたはナフチルはそれ自体がハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルキルオキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、ホルミル、ニトロもしくはシアノから選択される1、2、3または4個の置換基を有することができ;特別にはC1〜C4-アルキル、アリル、プロパルギルまたは無置換であるかハロゲン、メトキシもしくはメチルによって置換されたフェニルであり; R1’とR2’とが一緒になって、部分不飽和5〜8員の窒素複素環を形成していても良く、その複素環自体がC1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシおよび/またはC1〜C4-ハロアルキルによって置換されていても良く、1個もしくは2個のカルボニル基もしくはチオカルボニル基および/または環原子としてO、SおよびNから選択される1個もしくは2個のさらなるヘテロ原子を有していても良く; R2’は、R1’がC2〜C20-アルキニル、C2〜C20-ハロアルケニル、C2〜C20-アルキル(これはC2〜C20-ハロアルケニル、C2〜C20-ハロアルキニル、C5〜C10-シクロアルケニルもしくはホルミルで置換されている)であるか、またはC5〜C10-シクロアルケニルである場合には、メチルであっても良く; ただし、R1’およびR2’がそれぞれアリルである一般式IIの化合物は除く。 本発明の好ましい実施形態は、R1’およびR2’がそれぞれ独立に、好ましくは組合せで、下記で定義の通りである一般式IIのスルファモイルクロライドに関するものである。 すなわち、 R1’は特には、C1〜C4-アルコキシ-C2〜C4-アルキル、シアノ-C2〜C4-アルキル、C3〜C10-アルケニル、C3〜C10-アルキニルもしくはC3〜C10-ハロアルケニル、特に2-メトキシエチル、2-シアノエチル、アリル、プロパルギルもしくは2-クロロアリルであり; R2’は、C2〜C4-アルキル、アリル、プロパルギルまたはフェニル(無置換であるか、またはハロゲン、メトキシもしくはメチルによって置換されている)であり;あるいは R1’およびR2’とがそれらが結合している窒素原子と一緒になって、2,5-ジヒドロピロール-1-イル、2,3-ジヒドロピロール-1-イルまたは1,2,3,4-もしくは1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-イルであり、それらの複素環は1、2もしくは3個のメチル基を有していても良い。 本発明の別の実施形態は、 R1’がフェニルまたはナフチルであり;それらはそれぞれ、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルキルオキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、ホルミル、ニトロもしくはシアノから選択される1、2、3または4個の置換基を有していても良く; R2’がC1〜C10-アルキルまたはC3〜C10-シクロアルキルである一般式IIのスルファモイルクロライドに関するものである。 本発明による方法によって得られたスルファモイルハライドは、アンモニアとの反応によって、既存の方法と同様にして相当するスルファモイルアミド(=硫酸ジアミド)に変換することができる。その反応によって、高収率でその化合物が得られる。そのようなスルファモイルアミドは以前においては、クロロスルホニルイソシアネートを部分的に加水分解してクロロスルホンアミドCl-SO2-NH2とし、次にそのクロロスルホンアミドを1級または2級アミンと反応させることで製造されてきた(例えば、WO 00/83459参照)。しかしながら、その経路の場合、スルファモイルアミドはほぼ<50%というごく中程度の収率で得られる。さらにこの方法では、非常に反応性が高く、非常に水分感受性の高い、高価なクロロスルホニルイソシアネートを用いる必要がある。 本発明によれば、前記硫酸ジアミドは、 i)1級または2級アミンA1を、各場合においてアミンA1に基づいて、少なくとも等モル量の3級アミンA2の存在下に、少なくとも等モル量のSO3またはSO3源と反応させ; ii)段階i)で得られた反応混合物を、少なくとも化学量論的に必要な量のハロゲン化リンと反応させ; iii)段階ii)で得られたスルファモイルハライドをアンモニアと反応させることで製造される。本発明による硫酸ジアミドの製造方法によって、非常に高収率で適切な硫酸ジアミドが得られることから、それもやはり本発明の主題の一部を形成するものである。この方法では、クロロスルホニルイソシアネートを用いる必要はない。 この経路によって得ることができる硫酸ジアミド、特には下記一般式III: NH2-SO2-NR1R2 (III)(式中、R1およびR2は上記で定義の通りである)で表される化合物は、WO 01/83459に記載の下記一般式IV: で表される化合物を製造する上で好適である。式IVにおいて、nは0または1であり;Hetは置換されていても良い5員もしくは6員の複素環であり、それは環員として1、2または3個の窒素原子を有することができ、場合によっては酸素および硫黄から選択される1個のさらなるヘテロ原子を有していても良く、場合によっては1個もしくは2個のカルボニルまたはチオカルボニル基を有していても良い。Raは水素、フッ素または塩素であり;Rbは塩素またはシアノであり;Aは1級または2級アミンA1から誘導される基であり、特にはNHR3またはNR1R2であり、R1およびR2はそれぞれ前記で定義の通りであり、R3はR1と同じ定義を有する。 従って本発明は、一般式IIで表される化合物の製造方法に関するものでもある。この方法は、 i)1級または2級アミンA1を、各場合においてアミンA1に基づいて、少なくとも等モル量の3級アミンA2の存在下に、少なくとも等モル量のSO3またはSO3源と反応させて、スルファミン酸アンモニウムを得る段階; ii)そのスルファミン酸アンモニウムを、少なくとも化学量論的に必要な量のハロゲン化リンと反応させて、アミンA1のスルファモイルハライドを得る段階; iii)段階ii)で得られたスルファモイルハライドをアンモニアと反応させてスルファモイルアミドを得る段階;そして iv)段階iii)からの反応生成物を下記一般式V:(式中、Het、n、RaおよびRbはそれぞれ式IVについて定義の通りであり、YはOH、アルコキシまたはハロゲン原子である。)で表される化合物と反応させる段階を含む。 好適な複素環の例には、WO 01/83459(これは参照によって本明細書に組み込まれるものとする)に開示の式Q1〜Q40の基がある。Het(=N)n-は好ましくは、WO 01/83459に開示の式Q5、Q7、Q12、Q13、Q21、Q22、Q27、Q32、Q36、Q38、Q39およびQ40の基を表し、例えば4-トリフルオロメチルピリミジン-2,6-ジオン-1-イル、3-メチル-4-トリフルオロメチルピリミジン-2,6-ジオン-1-イルまたは3-アミノ-4-トリフルオロメチルピリミジン-2,6-ジオン-1-イルなどの置換されていても良いピリミジン-2,6-ジオン-1-イル;3-メチル-4-ジフルオロメチル-1,2,4-トリアゾール-5-オン-1-イルなどの置換されていても良い1,2,4-トリアゾール-5-オン-1-イル;1,3-ジメチル-2-チオ-1,3,5-トリアジン-4,6-ジオン-5-イルまたは3,5-ジメチル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン-1-イルなどの置換されていても良い1,3,5-トリアジン-4,6-ジオン-5-イル;2,4-ジメチル-3-チオ-1,2,4-トリアジン-5-オン-6-イルなどの置換されていても良い1,2,4-トリアジン-6-イル;5-トリフルオロメチルピラジン-3-オン-2-イル、4-メチル-5-トリフルオロメチルピラジン-3-オン-2-イルまたは4-アミノ-5-メチルスルホニルピラジン-3-オン-2-イルなどの置換されていても良いピラジン-3-オン-2-イル;4-クロロ-1-メチル-5-ジフルオロメトキシピラゾール-3-イル、4-ブロモ-1-メチル-5-ジフルオロメトキシピラゾール-3-イル、4-クロロ-1-メチル-5-トリフルオロメチルピラゾール-3-イルまたは4-ブロモ-1-メチル-5-トリフルオロメチルピラゾール-3-イルなどの置換されていても良いピラゾール;3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル、3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミジルなどの置換されていても良いピリジニル;下記式の基:(式中、X1、X2およびZはそれぞれ独立に、酸素または硫黄である。)、特にはn=0の場合には下記一般式の基:である。 段階i)およびii)に関しては、前記のものと同様のことが当てはまる。段階iii)は通常、スルファモイルハライド、好ましくはクロライドを好適な溶媒または希釈剤中、NH3またはアンモニア水溶液と反応させることで行う。上記の溶媒以外に、好適な溶媒または希釈剤は、特には水および水混和性溶媒および希釈剤である。好ましくは、アンモニア水中、特には5〜35重量%アンモニア水中で反応を行う。 好ましくはこの手順は、適宜に不活性溶媒で希釈したスルファモイルハライドを、溶媒中のNH3溶液に、好ましくはアンモニア水溶液に加えるというものである。スルファモイルハライドも、好ましくは溶媒もしくは希釈剤中に最初に入れることができ、NH3ガスまたはNH3の溶媒溶液、特にはアンモニア水をそれに加えることができることは明らかであろう。好ましくは、反応の化学量論に基づいてNH3を過剰に用いる。特に、スルファモイルハライド1モル当たり、少なくとも2.5モルのNH3、例えば2.5〜50モルのNH3、特には3〜20モルのNH3を用いる。 この反応に必要な温度は、一般的に-20〜100℃の範囲、好ましくは-10〜30℃の範囲である。反応時間は、一般的には10分〜5時間の範囲、好ましくは0.5時間〜3時間の範囲である。この反応で得られるスルファモイルアミドは、それ自体公知の方法で、例えば溶媒を除去し、反応において形成された塩から分離することで後処理する。 次に、段階iv)を、それ自体公知の方法で、例えばWO 01/83459、31〜35頁に記載の方法に従って、相当するスルファモイルクロライドから段階iii)で得られた化学量論的に必要な量のスルファモイルアミドと式Vの化合物を反応させることで行う。 YがOHである場合、反応は、例えばN,N′-カルボニルジイミダゾールまたはジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水剤の存在下、不活性有機溶媒中で行い、その反応は適宜に、3級アミンまたはDBU(1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]ウンデカ-7-エン)またはDBN(1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)などのアミジン塩基の存在下で行って反応を促進する。別法として、Y=OHである化合物Vも、それの酸ハロゲン化物に変換し、次にスルファモイルアミドと反応させることができる。そのような反応は、例えば文献(Houben Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Vol. E5 (1985), section I, p. 587 ff. and Vol. E5 (1985), section II, p. 934 ff)から当業者には公知である。詳細については、現時点ではWO 01/83459も参照する。 下記の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。 I.スルファモイルハライドの製造 (実施例1) N-(2-クロロ-2-プロペン-1-イル)-N-(n-プロピル)スルファモイルクロライド 1,2-ジクロロエタン中57.4%溶液としての三酸化硫黄35.7g(0.256mol)を、撹拌下に0〜5℃で15分以内に、α-ピコリン43.7g(0.469mol)の1,2-ジクロロエタン(200ml)溶液に加え、その後1,2-ジクロロエタン40mlで洗浄し、温度が20℃に上昇するまで15分間撹拌した。90%純度のN-(2-クロロ-2-プロペン-1-イル)-N-プロピルアミン28.5g(0.192mol)を、撹拌および外部冷却を行いながら20〜30℃で15分以内に加え、その後1,2-ジクロロエタン40mlで洗浄し、50℃で15分間撹拌した。冷却して23℃とした後、オキシ塩化リン39.3g(0.256mol)を撹拌下に15分以内で加え、1,2-ジクロロエタン120mlで洗浄し、加熱して70℃とした。1時間撹拌後、反応混合物を冷却し、減圧下に濃縮し、得られた残留物をそれぞれメチルtert-ブチルエーテル100mlとともに撹拌した。メチルtert-ブチルエーテル相を傾斜法で取り、濃縮した。残留物を蒸留した。沸点67〜71℃/0.4ミリバールの標題化合物42.5g(理論量の90.5%)が得られた。 (実施例2) N-メチル-N-[1-メチルエチル]スルファモイルクロライド 1,2-ジクロロエタン中52%溶液としての三酸化硫黄63.2g(0.41mol)を、撹拌下に0〜5℃で15分以内に、α-ピコリン70.0g(0.752mol)の1,2-ジクロロエタン(250ml)溶液に加え、その後1,2-ジクロロエタン50mlで洗浄し、温度が25℃に上昇するまで15分間撹拌した。95%純度のN-メチル-N-[1-メチルエチル]アミン26.3g(0.342mol)を、撹拌しながら20〜35℃で15分以内に加え、その後1,2-ジクロロエタン50mlで洗浄し、55℃で15分間撹拌した。冷却して20℃とした後、五塩化リン42.7g(0.205mol)を撹拌下に外部冷却しながら20〜32℃で15分以内で加え、1,2-ジクロロエタン150mlで洗浄した。70℃で2時間撹拌後、反応混合物を減圧下に濃縮し、10cmカラムを有するノルマグ(Normag)カラムヘッドを用いて蒸留した。沸点110〜115℃/30ミリバールの標題化合物35g(理論量の59.6%)が得られた。屈折率nD23=1.4620。 (実施例3) N-イソプロピル-N-(n-プロピル)スルファモイルクロライド 1,2-ジクロロエタン中60%溶液としての三酸化硫黄52.6g(0.356mol)を、撹拌下に0〜5℃で25分以内に、α-ピコリン60.75g(0.652mol)の1,2-ジクロロエタン(400ml)溶液に加え、その後1,2-ジクロロエタン80mlで洗浄し、温度が22℃に上昇するまで15分間撹拌した。N-イソプロピル-N-(n-プロピル)アミン30g(0.296mol)を、撹拌および外部冷却しながら20〜30℃で20分以内に加え、その後1,2-ジクロロエタン80mlで洗浄し、50℃で15分間撹拌した。冷却して25℃とした後、オキシ塩化リン54.6g(0.356mol)を撹拌および冷却下に25〜30℃で15分以内で加え、1,2-ジクロロエタン200mlで洗浄し、加熱して75℃とした。その温度で1時間撹拌した後、反応混合物を冷却し、減圧下に濃縮し、得られた残留物を各回200mlのメチルtert-ブチルエーテルとともに3回撹拌した。メチルtert-ブチルエーテル相を傾斜法で取り、希塩酸で2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、乾燥剤を濾去し、有機相を濃縮した。屈折率nD23=1.4605を有する標題化合物55.1g(理論量の91.3%)が得られた。ガスクロマトグラフィー分析(カラム:マシェリー・アンド・ナゲル(Macherey and Nagel)25mオプティマ(Optima)17GC9;圧力14.5psi;ヘリウム;カラム流量0.6ml/分;分割30ml/分;インジェクター280℃、検出器320℃)は、純度96%を示していた(保持時間=11.87分)。 (実施例13) N-アリル-N-(2-シアノエチル)スルファモイルクロライド 三酸化硫黄64.8g(0.641mol)を、57%の1,2-ジクロロエタン溶液として0〜5℃で撹拌しながら15分以内に、2,6-ルチジン90.6g(0.846mol)の1,2-ジクロロエタン(200ml)溶液に加え、次に1,2-ジクロロエタン40mlで洗浄し、温度が22℃に上昇するまで15分間撹拌した。次に、N-アリル-N-(2-シアノエチル)アミン42.4g(0.385mol)を20〜30℃で撹拌しながら15分以内に加え、次に1,2-ジクロロエタン40mlで洗浄し、50℃で15分間撹拌した。冷却して22℃とした後、オキシ塩化リン70.8g(0.61mol)を撹拌しながら20〜30℃で15分以内に加え、1,2-ジクロロエタン120mlを加え、加熱して70℃とした。その温度で1時間撹拌後、反応混合物を放冷して25℃とし、減圧下に濃縮し、10cmカラムを有するノルマグ(Normag)カラムヘッドを用いて蒸留した。沸点110〜116℃/0.4ミリバールの標題化合物32.3g(理論量の40%)を得た。屈折率:nD23=1.4948。 表2に示した実施例4〜24のスルファモイルクロライドR1R2N-SO2-Clを、実施例1と同様にして製造した。表2では、沸点[b.p.:単位℃]、屈折率[nD23またはnD25]、GC分析(下記参照)の場合にはGC保持時間RT(単位:分)および純度、そして収率を報告している。 表2 II.スルファモイルアミドの製造 (実施例49):N-メチル-N-イソプロピルスルファモイルアミド 実施例2からのN-メチル-N-イソプロピルスルファモイルクロライド15g(0.083mol)を撹拌しながら0〜5℃で5分以内に、25%アンモニア水49ml(0.654mol)に加え、5〜10℃でさらに45分間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮後、残留物を塩化メチレン中で撹拌し、不溶性沈殿から除去し、洗浄し、再度減圧下に濃縮した。融点51〜53℃の標題化合物11.3gを得た。95%というNMRスペクトラムで測定された純度に基づいて、収率は理論量の84.9%であった。 同様にして、下記式(III): NH2-SO2-NR1R2 (III)で表される表3に示したスルファモイルアミドを製造した(実施例50〜63)。 表3 (実施例64) 3-(5-(N-メチル-N-フェニル)スルファモイルカルボキサミド-4-クロロ-2-フルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-メチル-6-トリフルオロメチルピリミジン-2,4-ジオン 2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)ベンゾイルクロライド1.2g(3.116mmol)を、0℃で、N-メチル-N-フェニル硫酸ジアミド0.64g(3.428mmol)、トリエチルアミン0.69g(6.885mmol)およびスパーテルの先端量の触媒としてのp-ジメチルアミノピリジンの塩化メチレン(40ml)中混合物に加えた。混合物を22℃で1時間撹拌し、反応溶液を1N塩酸で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水した後、有機相を減圧下に濃縮した。得られた残留物をエーテルとともに撹拌して、融点188〜192℃の標題化合物1.3g(理論量の78%)を得た。 この製造は、WO 01/83459の31頁に記載の方法Aと同様にして行った。 実施例64と同様にして、下記式の表4に示した化合物を製造した(実施例65〜71)。 表4 1級または2級アミンのスルファモイルハライドを製造する方法であって、 i)1級または2級アミンA1を、各場合において前記アミンA1に基づいて、少なくとも等モル量の3級アミンA2の存在下に、少なくとも等モル量のSO3またはSO3源と反応させる段階;および ii)段階i)で得られた反応混合物と、少なくとも化学量論的に必要な量のハロゲン化リンとを反応させる段階を含むことを特徴とする方法。 1モルのアミンA1当たり、少なくとも2モルの3級アミンA2を用いる請求項1に記載の方法。 1モルのアミンA1当たり、1.1モルのSO3またはSO3源を用いる請求項1または2に記載の方法。 段階i)で使用される前記SO3源が、SO3、または3級アミンA2とSO3との付加物である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 前記3級アミンがピリジン化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 前記ハロゲン化リンが三塩化リンおよびオキシ塩化リンから選択される請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 ハロゲン化リンの量が、1モルのアミンA1当たり1〜3モルである請求項6に記載の方法。 前記ハロゲン化リンが五塩化リンから選択される請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 リン化合物の量が、1モルのアミンA2当たり0.5〜1モルである請求項8に記載の方法。 段階i)で得られた反応混合物に前記ハロゲン化リンを加えることにより、段階ii)をスルファミン酸アンモニウムを単離することなく行う請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 前記2級アミンが下記式IBを有する請求項1〜10のいずれかに記載の方法。 H-NR1R2 (IB) [式中、 R1およびR2は、それぞれ独立に、C1〜C20-アルキル、C2〜C20-アルケニルまたはC2〜C20-アルキニル(ここで、それらはそれぞれ、無置換であるか、またはC1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、CN、NO2、ホルミル、C1〜C4-アルキルカルボニル、C1〜C4-アルコキシカルボニル、C1〜C4-アルキルアミノカルボニル、C1〜C4-ジアルキルアミノカルボニル、C1〜C4-アルキルスルフィニル、C1〜C4-アルキルスルホニル、C3〜C10-シクロアルキル、フェニル(それ自体が、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルキルオキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、ホルミル、ニトロもしくはシアノから選択される1、2、3もしくは4個の置換基を有していても良い)によって置換されていても良い)、あるいは C1〜C20-ハロアルキル、C2〜C20-ハロアルケニル、C2〜C20-ハロアルキニル、C3〜C10-シクロアルキル、C5〜C10-シクロアルケニル、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、フェニルまたはナフチル(ここで、ヘテロシクリル、フェニルまたはナフチルはそれ自体、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルキルオキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、ホルミル、ニトロもしくはシアノから選択される1、2、3もしくは4個の置換基を有していても良い)であり; R1とR2とが一緒になって、飽和または部分不飽和の5〜8員の窒素複素環を形成していても良く、その複素環自体がC1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシおよび/またはC1〜C4-ハロアルキルによって置換されていても良く、1個もしくは2個のカルボニル基もしくはチオカルボニル基、および/または環原子としてO、SおよびNから選択される1個もしくは2個のさらなるヘテロ原子を有していても良い。] 1級または2級アミンのスルファモイルハライドをアンモニアと反応させることで硫酸ジアミドを製造する方法であって、 i)1級または2級アミンA1を、各場合においてアミンA1に基づいて、少なくとも等モル量の3級アミンA2の存在下に、少なくとも等モル量のSO3またはSO3源と反応させる段階; ii)段階i)で得られた反応混合物を、少なくとも化学量論的に必要な量のハロゲン化リンと反応させる段階; iii)段階ii)で得られたスルファモイルハライドをアンモニアと反応させる段階を含むことを特徴とする方法。 下記一般式IV:[式中、nは0または1であり;Hetは置換されていても良い5員もしくは6員の複素環であり、この複素環は環員として1、2または3個の窒素原子を有することができ、場合によって酸素および硫黄から選択される1個のさらなるヘテロ原子を有していてもよく、場合によって1個もしくは2個のカルボニル基もしくはチオカルボニル基を有していてもよく;Raは水素、フッ素または塩素であり;Rbは塩素またはシアノであり;Aは1級または2級アミンA1から誘導される基である。]で表される化合物を製造する方法であって、 i)1級または2級アミンA1を、各場合においてアミンA1に基づいて、少なくとも等モル量の3級アミンA2の存在下に、少なくとも等モル量のSO3またはSO3源と反応させて、スルファミン酸アンモニウムを得る段階; ii)そのスルファミン酸アンモニウムを、少なくとも化学量論的に必要な量のハロゲン化リンと反応させて、アミンA1のスルファモイルハライドを得る段階; iii)段階ii)で得られたスルファモイルハライドをアンモニアと反応させてスルファモイルアミドを得る段階;そして iv)段階iii)で得られた反応生成物を下記一般式V:(式中、Het、n、RaおよびRbはそれぞれ式IVについて定義の通りであり、YはOH、アルコキシまたはハロゲン原子である。)で表される化合物と反応させる段階を含むことを特徴とする方法。 n=0であり;Hetが下記式の基である請求項13に記載の方法。


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