タイトル: | 特許公報(B2)_スポロポレニンを含む可溶性組成物並びにその用途 |
出願番号: | 2004503025 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 36/18,A23L 2/38,A23L 2/52,A61K 8/97,A61K 9/06,A61K 9/10,A61K 9/107,A61K 9/127,A61K 9/16,A61K 9/48,A61K 47/10,A61K 47/14,A61K 47/34,A61K 47/42,A61P 3/02,A61P 31/04,A61P 39/02,A61Q 19/08,B01J 45/00,C02F 1/42 |
マーク アンドレアス JP 4485940 特許公報(B2) 20100402 2004503025 20030419 スポロポレニンを含む可溶性組成物並びにその用途 有限会社健利行 510013312 北村 周彦 100111202 マーク アンドレアス DE 102 21 212.0 20020513 20100623 A61K 36/18 20060101AFI20100603BHJP A23L 2/38 20060101ALI20100603BHJP A23L 2/52 20060101ALI20100603BHJP A61K 8/97 20060101ALI20100603BHJP A61K 9/06 20060101ALI20100603BHJP A61K 9/10 20060101ALI20100603BHJP A61K 9/107 20060101ALI20100603BHJP A61K 9/127 20060101ALI20100603BHJP A61K 9/16 20060101ALI20100603BHJP A61K 9/48 20060101ALI20100603BHJP A61K 47/10 20060101ALI20100603BHJP A61K 47/14 20060101ALI20100603BHJP A61K 47/34 20060101ALI20100603BHJP A61K 47/42 20060101ALI20100603BHJP A61P 3/02 20060101ALI20100603BHJP A61P 31/04 20060101ALI20100603BHJP A61P 39/02 20060101ALI20100603BHJP A61Q 19/08 20060101ALI20100603BHJP B01J 45/00 20060101ALI20100603BHJP C02F 1/42 20060101ALI20100603BHJP JPA61K35/78 CA23L2/38 CA23L2/38 ZA23L2/00 FA61K8/97A61K9/06A61K9/10A61K9/107A61K9/127A61K9/16A61K9/48A61K47/10A61K47/14A61K47/34A61K47/42A61P3/02A61P31/04A61P39/02A61Q19/08B01J45/00 RC02F1/42 G A61K 36/18 A23L 2/38 A23L 2/52 A61K 8/97 A61K 9/06 A61K 9/10 A61K 9/107 A61K 9/127 A61K 9/16 A61K 9/48 A61K 47/10 A61K 47/14 A61K 47/34 A61K 47/42 A61K 47/14 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 韓国登録特許第10−8903692(KR,B1) Ersoz, M.et al,Ion exchange equilibria of heavy metals in aqueous solution on new chelating resins of sporopollenin,Reactive Polymers ,1995年,Vol.24,No.3,pp.195-202 Jungfermann,Christa et al,Solution of sporopollenin and reaggregation of a sporopollenin-like material. A new approach in the sporopollenin research,Journal of Plant Physiology ,1987年,Vol.151,No.5,pp.513-519 3 EP2003004111 20030419 WO2003094942 20031120 2005529914 20051006 13 20060322 鶴見 秀紀 本発明は、以下で論及されるスポロポレニンを含有する組成物並びにその用途に関する。 スポロポレニンという名称は、例えばRoempp-Lexikon Naturstoffe〔Roempp専門辞典自然生産物〕、1997、604ページに、見出し語スポロポレニンで「酸化重合によりカロチノイド及びそのエステルから生じると思われる花粉中に存在するポリテルペン」と記載されている。 この化合物は、ただしポリテルペンとして例えばβ-カロチンのような対応するカロチン単量体と何ら共通点を有さない。 スポロポレニンはまた例えばシダ、ギカゲノカズラ、花粉などの植物の胞子や花粉の中にごく少量存在しているが、特殊な藻類の成分でもある。マイクロカプセルの形でのスポロポレニンの製造は、特許文献1に記載されるが、その使用・応用は物質や細胞のカプセル化のための機械的な補助相としてであり、その際スポロポレニンは、カプセル内で分散粒子として存在し、溶液として存在していない。 R.Wiermann著、光化学50巻(1999)におけるTypha AubustifoliaからのスポロポレニンのH-NMR分析は、極めて微量に製造され得るスポロポレニンの不溶性に関する分析部分で報告している。著者は、スポロポレニンをアミノエタノールのような極性の高い溶媒中に5mlあたり5mgだけ溶解できることを報告する。ドイツ特許出願第19902724号公開公報 本発明の基礎をなす課題は、単独か生物学的に活性な物質との組み合わせとのいずれかにおいて溶解させられ得るスポロポレニン含有組成物を調製・製造することである。 この課題は、スポロポレニンを特定量の少なくとも一種類の乳化剤並びに特定量の少なくとも一種類の親水性溶剤と接触させ、それにより周知のように室温、即ち、10〜25℃以上に加熱することより溶解することにより解決される。 本発明は、そのため先ずスポロポレニンを含有する組成物が溶液として存在し、溶液が0.01〜12重量パーセント、好適には0.1〜5重量パーセントのスプロポレニンの他に、少なくとも一種類の乳化剤を0.01〜17重量パーセント、好適には0.1〜10重量パーセント並びに少なくとも一種類の親水性溶剤を71.00〜99.98重量パーセント、好適には85〜99.80重量パーセント含むことを特徴とするスポロポレニン含有組成物に関する。 本発明において用いられる用語「溶液」は、たいてい濃度に応じて多かれ少なかれ明るい色から淡い黄色まで変色する透明な液体で、主として溶媒自体の粘性に由来して多かれ少なかれ高い粘性を備えている。 本発明の好適な実施の形態では、この組成物は、乳化剤として加水分解可能なエーテル化合物、親水性のグリコシド、加水分解可能なカルボン酸無水物または加水分解可能なカルボン酸アミドを有する。 加水分解可能な化合物がエステル化合物である場合、それは一種類のアルコール成分を含む乳化剤か、複数の異なるアルコール成分を含む乳化剤のいずれかである。 乳化剤の好適な実施の形態が、一種類のアルコール成分を含む乳化剤である場合、このアルコールは一価ないし多価で、場合によってさらに別の官能基を備えていることができる。 例えば一価アルコール成分を含む乳化剤では、脂肪族アルコールから誘導されたもので、例えば2-エチルヘキサノール、ドデカノール、オクタデカノールから誘導された一価アルコールである。それには、例えばジオクチルスルホコハク酸ジエステル(ナトリウム塩)、ラウリル硫酸のナトリウム塩、ステアリル-フマル酸のナトリウム塩、ステアリル酒石酸塩及びステアリルクエン酸塩が挙げられる。 さらに例えば加水分解可能なエステル化合物の例では、二価アルコール成分又はその縮合物を含む乳化剤があり、例えばグリコールをベースにしたポリグリコール、1,2-プロパンジオール、ポリ-1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール並びにグリコール-1,2-プロパンジオール-混合縮合物である。それらの例として、グリコール-モノエステル及びグリコール-ジエステル、ポリオキシエチレン-脂肪酸エステルで、商標「MYRJ」ないしプロピレングリコール-脂肪酸エステルとして販売されている。 さらに三価アルコール及びそれらの縮合物の加水分解可能なエステル化合物の例では、グリセリンをベースにしたものがあり、唯一の酸成分として食用脂肪酸からなるものがあり、つまり脂肪酸モノグリセリド又は脂肪酸ジグリセリドで、単独ないし食用脂肪酸を含む改質脂肪酸、熱的に酸化された大豆脂肪酸、又は酸成分として、脂肪酸の他に、リン酸、リン脂質酸、レシチン、酢酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、0,0-ジアセチル酒石酸、クエン酸、スルフォ酢酸のようなその他の酸がある。この種の製品は、Emulgator-yn、Emphos(ナトリウム塩)、大豆レシチン、卵レシチン、分留レシチン、アセト(モノ)グリセリド、アセチル化モノグリセリド/ジグリセリド、酢酸モノグリセリド、ラクトグリセリド、ラクチル化モノグリセリド/ジグリセリド、乳酸モノグリセリド、サクシノグリセリド、サクシノ化モノグリセリド、酒石酸グリセリド、酒石酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、シトログリセリド、クエン酸(モノ)グリセリドエステル並びにエトキシル化モノグリセリド/ジグリセリドの名称で、例えば「ポリグリセラート」の名称で販売されている。 さらに三価アルコールやそれらの縮合物の例では、ポリグリセリンの誘導体があり、ポリグリセリン-脂肪酸エステルの形で、唯一のカルボン酸成分として食用脂肪酸があり、及びポリグリセリン-ポリリシノール酸塩のような改質脂肪酸、二量重合化大豆油-脂肪酸のポリグリセリンエステル並びに酸成分として脂肪酸の他に、例えば酒石酸-ポリグリセリドのようなその他の酸がある。 さらにアルコール成分を含む加水分解可能なエステルには、例えばペンタエリスリットのような四価アルコール、五価アルコール、ソルビット(ソルビトール)、ソルビタン脂肪酸エステルのような-モノ-及びジ-無水物のような六価アルコールで、それらは「Span」の名称で販売され、さらにポリオキシエチレン-ソルビタン脂肪酸エステルのようなポリオキシエチレン-ソルビタンで、それらは「Polysorbat」又は「Tween」の名称で販売されている。 さらに加水分解可能なエステル化合物には、サッカロースであれ、又はサッカロース-脂肪酸エステルであれ、アルコール成分として炭水化物を含むものがある。 さらに加水分解可能なエステル化合物には、アルコール成分としてヒドロキシカルボン酸があり、ラクチル脂肪酸エステル又はステアロイル-2-ラクチル乳酸のような乳酸及びその縮合物、さらにアルコール成分として1,2-プロパンジオール-グリコシド-脂肪酸エステル及びグリセリン-グリコシド-脂肪酸エステルの形状でのポリオール-グリコシドである。 最後に加水分解されたエステル群にはさらに複数の異なるアルコール成分が存在し、そこでは同じ反応混合物中の異なるアルコール成分は、同じエステル分子中の唯一のアルコール成分である可能性があり、例えばカルボン酸成分として、脂肪酸のポリグリコール-/グリセリエステル、脂肪酸の1,2-プロパンジオール-/グリセリンエステル、脂肪酸のソルビタン-/グリセリンエステル、脂肪酸のポリオキシエチレン-ソルビタン-/グリセリンエステル、脂肪酸のサッカロース-/グリセリンエステルような脂肪酸は、しかしながらさらに上記の脂肪酸を含む他に、さらに例えば脂肪酸と乳酸の1,2-プロパンジオール-/グリセリン混合エステルのような、別のカルボン酸成分を含むこともある。 加水分解可能なエステル群の代わりに、当然のことながら乳化剤として加水分解可能なエステル群も使用されることができる。その例はポリグリコール脂肪族アルコールエーテルであり、同様にそれらはポリオキシエチレンラウリルエーテルBrij35のように「Brij」の名称で販売されている。 加水分解可能なエーテル群の代わりに、対応するサポニン又はヒドロキシル脂肪酸-乳化剤のグルコシドを含んだ加水分解可能なグルコシド群もまた使用することができる。 加水分解可能な無水カルボン酸-乳化剤の例では、ソルボイルパルミチン酸(Sorboylpalmitat)又は胆汁酸アミド及び脂肪酸-モノ-及び-ジアルカノールアミドをベースにした加水分解可能なカルボン酸アミドがある。 さらに好適な実施の形態によると、乳化剤は親水性の非イオン性乳化剤で、それは代替的に乳化剤のHLB値、即ち、親水-親脂肪性のバランス(hydrophilic-lipophilic balance)の値で規定されることも可能である。ここでは極性基および非極性基の相対的な強さ並びにそれにより決められた乳化剤の水に対する親和力が重要である。驚くべきことに、本発明によればHLB値8〜18、とりわけ10〜17の範囲にあるこの種の非イオン性乳化剤が使用可能であることが発見された。 他の成分として、水又は親水性の有機溶媒である親水性溶媒が使用される。これは、先ず1〜22個の炭素原子を有するアルカノールであろう。これは同様に一価アルコールであり、その際、エタノール、n-プロパノール及びイソ-プロパノールが好適である。 さらにここではまた多価アルコールも重要で、言い換えれば分子内に少なくとも二個のアルコールヒドロキシル基を有するアルコールであろう。この例では、ジオール、グリコール、グリセリン、並びに糖アルコールや、ポリエチレングリコール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールのようなポリアルキレングリコールである。 さらにここでは2〜33個の炭素原子を有するエステルも重要で、その際1〜8個の炭素を有するカルボン酸から誘導された対応エステルが好適である。 本発明の別の対象/主題は、スポロポレニンを含む組成物を調製することで、その際にスポロポレニンが固体として使用され、単独であるいは適当な化粧・製薬作用物質と組み合わせて使用される。特に有利なのは、このスポロポレニンを含む固体を単独で又は別の作用物質とともに、微生物、とりわけ細菌性の疾患の治療に、中毒の治療に及び皮膚の、とりわけ年齢による及び/又は太陽によるしわ形成に対する顔の皮膚の美容治療に利用することが明らかになっている。また他にスポロポレニンを含む固体を食品-又は飼料として脊椎動物、特に哺乳類、その上人間にも与えることも可能である。 本発明のもう一つの対象/主題は、上述のスポロポレニン溶液を通常用いられる補助剤や添加剤とともに含む生物学的組成物を調製することである。 これらは先ずこの種のスポロポレニン溶液を油、軟膏、クリーム、ゲルの形状でリポゾーム(人工リン脂質小胞)に埋め込んで、あるいは硬い棒状体として含有する適当な化粧組成物である。 他の好適な実施の形態によると、組成物は親水性の軟膏として存在することができる。表面軟膏としての使用に、親水性の軟膏の場合、軟膏のベースとしてマクロゲルが、つまりポリエチレングリコールやポリオキシエチレン重合体が考慮される。これに関して例えばSchoeffling女史の個別論文(モノグラフ)「Arzneimittelformlehre(薬剤形式)」、ドイツ国シュトゥットガルト、1998、310〜319ページ及び328〜337ページ並びにそこに記載の物質及び製造方法並びにBauer著Pharmazeutische Technologie(薬学テクノロジー)、ドイツ国シュトゥットガルト、1986、312〜323ページ及び330〜331ページを指摘する。 他の好適な実施の形態によると、当該組成物が親水性の(O/Wオイルインクレーム)クリームとして存在することができる。再び例えばSchoeffling女史の上述の個別論文(モノグラフ)320〜324ページ並びにBauer、323〜328ページ及び331〜332ページを指摘する。 他の好適な実施の形態によると、上記組成物はゲルとして存在することができる。親水性ゲルには、ポリアクリル酸塩及びアクリル酸をベースにした並びにセルロースエーテルをベースにしたハイドロゲルがある。これに対して例示的にSchoeffling女史の上述の個別論文(モノグラフ)324〜327ページ及びBauer、329〜330ページを指摘する。 他の好適な実施の形態によると、上記組成物は鉱物油又は脂肪油の少なくとも一種類の脂肪酸エステルをベースにした油として存在することができる。この種の物質は、通常スキンオイルと称される。例えばG.A.Nowakの概要「Die kosmetischen Praeparate(化粧調合剤)」第二版657ページ以降を指摘する。 所謂当業者に周知なように、上述のすべての製薬又は化粧のガレノス式適用様式は、それ自体周知のやり方で対応する水性の及び/又は脂肪相から、スポロポレニン溶液との混合並びに場合によって均質化により得ることができる。 他の好適な実施の形態によると、本発明に係る組成物には、また上述のスポロポレニン溶液を油、クリーム又は場合によりカプセルで含む薬剤組成物もある。 油やクリームのガレノス式様式に関して、上述のSchoeffling及びBauerの文献箇所を指摘する。その上、薬剤組成物もカプセルに覆われた形で使用することができる。ここで本発明に係るスポロポレニン溶液が使用されるならば、適当なソフトゼラチンカプセルが使用されなければならない。その限りでSchoefflingによるガレノス式薬剤調合に関する適当な文献、164〜179ページを指摘する。 他にもスポロポロニン含有組成物を固体状でも、例えばハードゼラチンカプセルに収めることによっても使用できる。その点に関してSchoefflingでのこれに対応する168〜178ページを指摘する。 本発明の対象/手段は、それゆえまた上記タイプのスポロポレニン含有溶液をヒトや動物での局所、経口及び非経口適用のため、微生物、とりわけ細菌性病気の治療のためにも使用することである。 さらに好適な実施の形態によると、上述タイプのスポロポレニン含有溶液を皮膚、とりわけ年齢による及び/又は太陽によるしわ形成に対する顔の皮膚の美容治療に使用することができる。スポロポレニンはまた中毒治療のためにも溶液又は固体として使用されることができる。 さらに好適な実施の形態によると、上述のスポロポレニン含有溶液はキレート剤として、とりわけイオン交換体の成分として又は下水浄化に使用されることができる。ここでは実施例により、例えば重金属イオンが水性溶液から僅かな作用時間(数時間)において既にスポロポレニンにより60%以上、部分的に99%以上除去され得ることが明らかにされた。 さらに好適な実施の形態によると、上述のスポロポレニン含有溶液は、栄養補給剤として脊椎動物、とりわけ哺乳類、ペット(家庭動物)及びヒトにも使用されることができる。 このために特定の実施の形態によると、以上のように使用されたスポロポレニンが、溶液としてばかりでなく、固体としても使用され得ることである。 さらに溶液又は固体としてのスポロポレニンは、必要ならば通常の補助剤及び添加剤が添加される飲料成分として使用されることができる。 本発明を、以下において製造例並びに実施例によってより詳細に説明する。個々で記載されている比率は常に重量比で書かれている。製造例1: グリセリン、無水Ph.Eur89.7gを、乳化剤ポリオキシ-エチレン-ソルビタン-モノ-オレイン酸塩(E 433)12.0g及びスポロポレニン0.1g(ドイツ国エッペルハイムPolysciences Europe GmbHに作られたカタログNo.16867、又はドイツ国ノルドセールRTC GmbHから入手可能)とともに、強く撹拌し、40℃〜50℃の温度で約30分間反応させることによって、スポロポレニン溶液が製造された。その溶液は室温に冷却後、溶液状態であった。この混合物は、6週間後でも成分の凝離は見られなかった。製造例2: 製造例1と同様であるが、ただし溶剤としてプロピレングリコール、Ph.Eur91.6g、及び乳化剤としてポリオキシ-エチレン-ソルビタン-モノ-オレイン酸塩(E 433)7.9g,及びスポロポレニン0.5gが使用された。冷却後相応した淡黄色溶液が得られ、それは2週間後に凝離した。製造例3: 製造例1と同様であるが、ただし溶剤として水91.9gが使用され,及び乳化剤としてBrij 35 Pポリオキシ-エチレン-ラウリル-エーテル(Laureth-23)8.0gが添加され、及びスポロポレニン0.1gが加えられた。冷却後相応した淡黄色溶液が得られ、それは6週間後も凝離が見られなかった。製造例4: 撹拌、約40℃への加熱、及び引き続いての冷却により、90%のエタノール88.0gと乳化剤としてのMyrj 45(ポリオキシエチレン-8-ステアリン酸塩)11.9gの混合物とともに、スポロポレニン0.1gの混合物が得られた。その溶液は6週間後も凝離が見られなかった。製造例5: 0.12重量%に相当するスポロポレニン5mg、11.77重量%に相当する乳化剤ポリオキシ-エチレン-ソルビタン-モノ-オレイン酸塩(E 433)483mg及び88.11重量%に相当するMiglyol 812中性油(分留されたココナッツ油脂肪酸C8〜C10の混酸基トリグリセリド、Degussa AG,トロイスドルフ工場から入手可能)3617mgから、撹拌、加熱により溶液が得られ、それは少なくとも2日間凝離しなかった。製造例6: 0.48重量%に相当するスポロポレニン4mg、17.40重量%に相当する乳化剤ポリオキシ-エチレン-ソルビタン-モノ-オレイン酸塩(E 433)146mg及び82.12重量%に相当する蒸留水689mgから、撹拌、加熱により溶液が得られ、それは底部にスポロポレニンの沈積物ができる形で約2日後一部凝離が見られたが、新たに加熱と撹拌をすることにより再び溶解した。製造例7: 1.29重量%に相当するスポロポレニン4mg、13.87重量%に相当する乳化剤ポリオキシ-エチレン-ソルビタン-モノ-オレイン酸塩(E 433)43mg及び84.84重量%に相当する70%のイソポロパノール263mgから、撹拌、加熱により溶液が得られ、それは約2日後一部凝離が見られたが、新たに加熱と撹拌をすることにより再び溶解した。製造例8: 0.62重量%に相当するスポロポレニン8mg、10.54重量%に相当する乳化剤ポリオキシ-エチレン-ソルビタン-モノ-オレイン酸塩(E 433)137mg及び88.84重量%に相当するグリセリンDAB1155mgから、撹拌、加熱により溶液が得られ、それは3日後一部凝離が見られたが、スポロポレニン全ては乳化剤中に分散している形状であった。製造例9: 0.62重量%に相当するスポロポレニン6mg、10.54重量%に相当する乳化剤ポリオキシ-エチレン-ソルビタン-モノ-オレイン酸塩(E 433)66mg及び88.64重量%に相当するプロピレングリコールDAB394mgから、撹拌、加熱により溶液が得られ、それは約3日後一部のスポロポレニンが乳化剤中に溶解して一部凝離が見られたが、溶解していないスポロポレニンの沈積物が形成されたためであった。製造例10: 0.74重量%に相当するスポロポレニン3mg、11.30重量%に相当する乳化剤Brij 35 P (Laureth-23)46mg及び90%エタノール358mgから、撹拌、加熱により溶液が得られ、それは約2日後一部凝離が見られたが、底部のスポロポレニンの沈積物は新たに加熱と攪拌をすることにより再び溶解した。製造例11: 1.08重量%に相当するスポロポレニン7mg、7.11重量%に相当する乳化剤Brij 35 P (Laureth-23)46mg及び91.81重量%に相当する70%イソプロパノール594mgから、撹拌、加熱により溶液が得られ、それは約2日後一部凝離がみられたが、底部のスポロポレニンの沈積物は新たに加熱と攪拌をすることにより再び溶解した。製造例12: 0.34重量%に相当するスポロポレニン3mg、8.99重量%に相当する乳化剤Brij 35 P (Laureth-23)78mg及び91.81重量%に相当する蒸留水787mgから、撹拌、加熱により溶液が得られ、それは約2日後一部凝離がみられたが、底部のスポロポレニンの沈積物は新たに加熱と攪拌をすることにより再び溶解した。製造例13: 0.63重量%に相当するスポロポレニン3mg、16.04重量%に相当する乳化剤Brij 35 P (Laureth-23)77mg及び83.33重量%に相当するプロピレングリコール400mgから、撹拌、加熱によりねっとりと粘性のある溶液が得られた。製造例14: 0.61重量%に相当するスポロポレニン3mg、13.85重量%に相当する乳化剤Myrj 45(ポリオキシエチレン-8-ステアリン酸塩)68mg及び85.54重量%に相当する90%エタノール420mgから、撹拌、加熱により溶液が得られた。製造例15: 0.38重量%に相当するスポロポレニン5mg、13.49重量%に相当する乳化剤Myrj 45(ポリオキシエチレン-8-ステアリン酸塩)180mg及び86.13重量%に相当する蒸留水1149mgから、撹拌、加熱により溶液が得られた。製造例16: 0.65重量%に相当するスポロポレニン9mg、4.67重量%に相当する乳化剤Myrj 45(ポリオキシエチレン-8-ステアリン酸塩)65mg及び94.68重量%に相当する蒸留水1318mgから、撹拌、加熱により黄色く粘性のある溶液が得られた。製造例17: 0.58重量%に相当するスポロポレニン2mg、5.80重量%に相当する乳化剤Myrj 45(ポリオキシエチレン-8-ステアリン酸塩)20mg及び93.62重量%に相当するプロピレングリコール323mgから、撹拌、加熱により黄色く粘性のある溶液が得られた。ガレノス例1(オイル): 製造例1に従って製造された本発明に係るスポロポレニン溶液5gをMiglyol 812-中性油75g及びパラフィン油20gと混合することにより、オイルが製造され、それは例えば局所的に化粧目的にも薬剤目的にも使用可能であった。要望に応じて、香料や香水が加えられ得、その際、相応してパラフィン油の量は減らされる。ガレノス例2(スポロポレニン溶液入りクリーム): スポロポレニン溶液6g(組成:グリセリン、無水、Ph.Eur.92.25%、ポリオキシ-エチレン-ソルビタン-モノ-オレイン酸塩7.60%、スポロポレニン0.15%)並びにベースクリームDAC493g(組成については前掲書Schoeffling、321ページを参照)。約50℃の温かい溶液は、撹拌しながらベースクリームDABに加えられる。撹拌しながら室温に冷却後、この溶液を所望の安定状態が得られるまで蒸発させ、その後に改めて均質化する。淡黄色のクリームが得られる。ガレノス例3(固体スポロポレニン入りクリーム):スポロポレニン並びにリポイドSLM 2005 ベース0.56重量%に相当するスポロポレニン2mg、58.61重量%に相当する90%エタノール211mg及び40.83重量%に相当するリポイド SLM 2005(レシチン/グリセリンベースからなるスキンケアクリーム、ドイツ国ルートヴィヒスハーフェンLipoid GmbHの製品)147mg。 スポロポレニンは50℃でエタノール中に懸濁化され、この懸濁液を撹拌しながらLipoid SLMに加える。室温に冷却後、この溶液を所望の安定状態が得られるまで蒸発させる。淡黄色のクリームが得られ(170mg、スポロポレニンの濃度1.18%)、それはエタノールの匂いがする。任意に、粘性に影響を与えるべく、さらに粘ちゅう剤(例えばキサンタン)も加えられる。ガレノス例4(クリーム)スポロポレニン溶液及びベースクリーム DAC0.61重量%に相当するスポロポレニン5mg、50.73重量%に相当する90%エタノール417mg並びに48.66重量%に相当するベースクリームDAC400mg。 スポロポレニンは50℃でエタノール中に懸濁化され、この懸濁液を撹拌しながらベースクリーム DACに加える。撹拌しながら室温に冷却後、この溶液を所望の安定状態が得られるまで蒸発させ、再び均質化する。淡黄色のクリームが得られ、それは僅かにエタノールの匂いがする。適用例1: 製造例1に従って製造されたスポロポレニン溶液を、皮膚への適合性に関して検査した。そこではGLP基準並びにCOLIPA研究グループの推奨(Walker A.P.等:Test Guidelines for Assessment of Skin Compatibility of Cosmetic Finished Products(ヒト、食べ物及び化学毒性に関する化粧既製品の皮膚適合性の評価のための試験ガイドライン)34、1996、651〜660ページ)に従って行われた。 調査は被験者50人で、内訳は年齢18歳から65歳で、皮膚の健康な人21人、アトピーの人11人、アレルギーの人2人並びに皮膚の敏感な人16人である。 製造例1に従う製品が希釈せず、48時間隔離された正方形のプラスチック製の部屋において被験者の背中に塗布された。陽性対照(positive control)として、有害物質のモデルである濃度1%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液が使われた。陰性対照(negative control)として水だけであった。 試験反応は、修正ドレイズ(Draize)テストに従って48時間及び72時間後に評価された。試験条件の下で被験者の14人において1%のSDS溶液が陽性反応を示すことがテスト結果で明らかになった。陰性対照は、期待通り,どの被験者にも反応が見られなかった。テスト結果及び選択された試験条件に基づき、本発明に係る溶液は、皮膚を刺激する可能性のある作用があるか否かに関して、安全であると分類された。適用例2:光学3D生体内皮膚測定システム法「PRIMOS」を用いて顔にあるしわの深さの測定。しわの深さの測定 測定は、光学3D生体内皮膚測定システム「PRIMOS」(Phaseshift-Rapid In-vivo Measurement Of Skin、製造者:GFMesstechnik GmbH、ドイツ国テルトゥー/ベルリン14513)を用いて行われる。光学3D生体内皮膚測定システムは、いわゆる縞模様プロジェクト技術に基づいている。この縞模様プロジェクト技術では、投影レンズを介して平行な縞模様パターンが皮膚表面に投影され、撮像レンズを介してCCDマトリックスカメラのチップ上に画像形成される。皮膚上の微小な高さの違いによって平行な縞模様がゆがめられる。そのゆがんだ大きさは、それぞれの高さ輪郭に対し質的にもまた量的にもその測定値を表す。投影レンズとカメラシステムの間の固定した関連角度により、輪郭高さが、簡単な三角測量式により定められる。可能な輪郭高さの解像は、測定されるべき高さの差により、使用される有効波長λeffに基づいて定められる。 しわの深さを表すのに、パラメーターRmax(DIN 4768/1)が選択される。Rmaxは最大の皮膚の荒い深さで、つまり測定間隔内にある隆起部のラインと凹みのラインとの間の間隔である。試験の実施 被験者は、この研究の範囲・影響や重要性について説明された。引き続き同意書にサインさせられた。次の基準によりより分けられた:採用基準: −18歳以上の女性 −臨床的に健康であること −目の周りにはっきりと目で認識できるしわがあること。不採用基準: −皮膚疾患 −妊婦 被験者は、いつでも理由を挙げることなくこの研究を辞することができた。処置に際して、被験者全員に詳細な指示説明がなされた。 被験者は、試験開始前の3日前及び全試験期間、他の外用薬を顔に塗布しないように指示された。製品の使用期間には、試験領域を洗浄するのに、水又はマイルドな合成洗剤せっけん(Eubos〔登録商標〕液体-青色;製造者:Dr.Hobein、ドイツ国D-53340メッケンハイム・メール)だけが使用を許された。 製品を最初に塗布する前に、顔の正確に限定された箇所(目の周り:目じりのしわ)において測定がなされた。日々の適用に従い製品を8〜12時間、1週間及び2週間使用した後、さらに測定がなされた(新環境への順応時間:30分、室温:20±1℃、相対湿度:50±10%)。製品は被験者により日に一度(夕方、顔に)、消費者による試験製品の使用にできる限り近いやり方で適用された。顔の左半分は、試験製品で手当てされ、右半分は何もなされず、対照として扱われた。生物測定法 測定データは、詳細な納得のいくチェック及び質保証の後、中枢にコンピューターへ取り込まれる。データは、ソフトフェアWinSTAT〔登録商標〕Add-in for Excel(ドイツ国R.K. Fitch)を使って評価がなされる。統計分析には、Wilcoxon matched pairs signed rank testが選ばれた。p<0.05が、統計的な差異のための指標とみなされる。結果 しわの深さの減少試験製品を規則的に使用すると、二週間後顔(目の周りのしわ)にコントロールと比較して、統計的に著しいしわの深さの減少(p<0.05)がみられた。しわの深さの減少値は、平均値である(初期値に関連して%で記載)。毒性 0.8%の水性ヒドロキシメチルセルロースゲル中に懸濁するスポロポレニン含有藻類抽出物Caelico〔登録商標〕(ドイツ国ノルドゼールRTC GmbHより入手可能)を例にあげて、本発明に係るスポロポレニン含有組成物の経口毒性試験は、CD〔登録商標〕ラットにおいて、OECDガイドライン423並びにECガイドラインL238:B1 tris(ATC法)に従って実施された(米国食品医薬品局、連邦規則のGood Laboratory Practice規則21項、58部に対応し、日本の厚生労働省、薬品の非臨床試験のための日本のガイドライン、マニュアル1995年、薬品毒性試験のためのガイドラインに対応)。そこでは経口摂取においてプラセボレベルもLD50レベルも体重Kg当たり2g以上であった。ガレノス例5(固体スポロポレニン含有飼料) 製造例1によるスポロポレニン0.1g及び適当な担体(ラクトース又はとうもろこしデンプン)9.9g(ないし4.95g)が、乳鉢内で混ぜられ、等質な混合物ができるまですりつぶされる。スポロポレニンの含有量は1%(ないし2%)である。実施例6(溶解スポロポレニン含有飲料)材料 量 g水 920グルコースシロップDE70 90オレンジ果汁濃縮物65oBx 4.15クエン酸(無水) 3.5製造例1によるスポロポレニン 2改質デンプン 1.37グレープフルース果汁濃縮物60oBx 1.25ひまわり油 1.1レモン果汁濃縮物65oBx 0.55カルボキシメチルセルロース 0.74ベータカロチン 0.5安息香酸ナトリウム20%H2O 0.5ビタミンC 0.5キサンタン 0.46カリウムソルベート(ソルビン酸カリウム) 0.1Acesulfam K 0.1アスパルテーム 0.1合計 1リットル 飲み物の製造は、水、グルコースシロップ、安息香酸ナトリウム、その後に果汁濃縮物及び油を計量し、その後にベータカロチンを除いて粉末成分を計量して混合するようにしてなされる。この粉末混合物は、約5000rpmで撹拌されながら液相に加えられ、220barで5回均質化され、上記飲み物にベータカロチンが加えられ、90℃で10分間低温殺菌がなされた後、最後に+4℃で貯蔵される。 果汁濃縮物、クエン酸及びベータカロチンの量は、味覚の好みに応じて変えられる。またスポロポレニンの量も変えられ得る。甘味料及びベータカロチンは必ずしも必要ではなく、対応してより多くのグルコースシロップが使用されるべきである。重金属結合ないし除去 以下のAAS測定は、ドイツ国クレーフェSPECTRO ANALYTICAL INSTRUMENTS GmbHによって作られたSPECTROFLAME-ICP P、タイプFLAMEFV04-38/043の分光計、S/N:0213/90、電圧:220V/50Hz、性能:5500VAで行われた。適用例3 酢酸鉛-三水化物(Merck、No.107372)11mg、硝酸カドミウム-四水化物(Riedel de Haen、No.11714)11mg、酸化ヒ素(V)-水化物(Fluka、11304)11mg及び蒸留水30mlからなる溶液に、製造例1(実験1)に従って製造されたスポロポレニン15mgが与えられる。溶液は2時間撹拌され、スポロポロニンが濾別される。この濾過された溶液から、1mlが原子吸光法(atom absorption spectrometer measurement)で使われる。測定前に溶液は蒸留水で1:20に希釈される。適用例4 酢酸鉛-三水化物11mg、硝酸カドミウム-四水化物11mg、酸化ヒ素(V)-水化物11mg及び蒸留水30mlからなる溶液に、製造例1(実験2)に従って製造されたスポロポレニン15mgが与えられる。溶液は2時間撹拌され、スポロポロニンが濾別される。この濾過された溶液から、1mlが原子吸光法で使われる。測定前に溶液は蒸留水で1:20に希釈される。測定方法: 試料が希釈され(実験説明参照)、測定はICP-OES(Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectrometry)を用いて同時に行われた。濃度範囲mg/l~μg/lの溶液中の微量元素の分析のために、誘導性連結プラズマ(ICP-OES)を用いた光学発光スペクトル分析がなされた。この方法は、原則的に、酸性水溶液から、約10g/lの溶解物質の総含有量までのすべての金属並びにいくつかの非金属(60元素まで)を同時に定量することができる。ICP-OESでは、液体試料を霧状にして、誘導性連結プラズマ(温度10000Kまで)を用いて原子を光放射するように励起する。放射された光は格子を用いて分散させられる。検波器として供される電子増倍器は、光を電子信号に変える。同時に測定する分光計は、非常に多くの輝線を同時に捉えることができる。 測定値は、既に希釈に対応して換算された。 As(ヒ素)は83%までスポロポレニンにより除去/分解され、Cd(カドミウム)は62%から65%までスポロポレニンにより除去/分解され、Pb(鉛)は99%まで除去/分解された。 スポロポレニン含有組成物にして、当該組成物が溶液として存在し並びに−スポロポレニンを0.01〜12重量パーセント含む他に、−少なくとも一種類の乳化剤を0.01〜17重量パーセント、並びに−少なくとも一種類の親水性溶剤を71.00〜99.98重量パーセント含み、親水性溶媒は、水及び/又は22個までの炭素原子を有するアルコール及び/又は2〜33個の炭素原子を有するエステルであり、前記乳化剤は、一種類の多価アルコールのエステル化合物であることを特徴とする組成物。 前記一種類の多価アルコールのエステル化合物が、脂肪酸のポリオキシエチレン-ソルビタンエステルであることを特徴とする請求項1に係る組成物。 前記乳化剤は親水性の非イオン性乳化剤であり、該親水性の非イオン性乳化剤がHLB値10〜17を有することを特徴とする請求項1に係る組成物。