生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_米糠から得られる植物ステロールエステルおよびトリテルペンアルコールエステルの使用方法
出願番号:2004369213
年次:2012
IPC分類:A61K 8/63,A61Q 1/00,A61Q 1/04,A61Q 1/06,A61Q 19/10


特許情報キャッシュ

築野 卓夫 加藤 浩司 林 千恵子 狩谷 哲也 JP 5069841 特許公報(B2) 20120824 2004369213 20041221 米糠から得られる植物ステロールエステルおよびトリテルペンアルコールエステルの使用方法 築野ライスファインケミカルズ株式会社 598073604 岩谷 龍 100077012 築野 卓夫 加藤 浩司 林 千恵子 狩谷 哲也 20121107 A61K 8/63 20060101AFI20121018BHJP A61Q 1/00 20060101ALI20121018BHJP A61Q 1/04 20060101ALI20121018BHJP A61Q 1/06 20060101ALI20121018BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20121018BHJP JPA61K8/63A61Q1/00A61Q1/04A61Q1/06A61Q19/10 A61K8/00−8/99 A61Q1/00−90/00 CA/REGISTRY(STN) 特表2002−527367(JP,A) 国際公開第2003/088902(WO,A1) 特開平04−013608(JP,A) 特開平02−006404(JP,A) 特開昭52−079030(JP,A) 特表2004−504291(JP,A) 特開2003−321338(JP,A) 特開2002−238455(JP,A) 特開平07−242531(JP,A) 特開昭55−017365(JP,A) 特開平05−310526(JP,A) 特開昭59−067213(JP,A) 特表2005−529196(JP,A) 築野 卓夫 Takuo Tsuno,フレグランスジャーナル,日本,2003年 5月15日,第31巻 第5号,84〜87頁 6 2006176422 20060706 7 20071221 弘實 謙二 本発明は化粧用メイクアップまたはケア成分であって、全身の皮膚、唇、髪、まつげ、眉毛及び爪のために米糠から得られる植物ステロールエステルおよびトリテルペンアルコールエステルを含む、化粧品用および/または医薬品用として使用される成分に関する。 米糠から得られる植物ステロールおよびトリテルペンアルコールエステルは、化粧品および医薬品並びに食品の重要な原料である。例えば、植物ステロールエステルは、特に皮膚バリア機能に重要な役割を果たしている角質細胞間脂質に類似したリン脂質分子でラメラ液晶を形成し、皮膚の角質バリアを強化し、皮膚をしっとりしなやかにし、柔軟性のある皮膚を保つことで、皮膚の乾燥を防ぐ。そのため、皮膚の肌荒れを防ぎ、老化を防止する。このことは、皮膚用化粧品及び医薬品における植物ステロールエステルのケアおよび保護作用を説明し得るものである。より最近の研究によると、ステロールエステル(好ましくは植物ステロールエステル)は、インターロイキンレベルを低下することによってアラキドン酸カスケードに影響を及ぼす。皮膚における高いインターロイキン濃度には常に炎症反応が伴う(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬およびUV紅斑のような場合)。そこで、ステロールエステル含有製剤を用いることにより炎症抑制効果がもたらされる。また、ヘアケア製品に配合すると、うるおい・しっとり感付与効果、特にダメージケア効果を発揮する。 化粧品における米糠から得られる植物ステロールおよびトリテルペンアルコールエステルの性質については、例えば、ドイツ特許出願DE-19522822A1(Henkel)には、ステロールエステルを化粧用に使用することが提案されている。ステロールおよびステロール誘導体の抗菌性が、例えばヨーロッパ特許出願EP0838155A1(Beiersdorf)により知られている。ドイツ特許出願DE-19522822A1ヨーロッパ特許出願EP0838155A1 米糠から得られる植物ステロールおよびトリテルペンアルコールエステルの効果は、その取り込みまたは吸収率と常に相関する。現在入手可能なステロール物質に関する限り、この点で改善の余地が充分ある。 ステロールは8〜10個の炭素側鎖と水酸基とを結合したステロイド核を含有するアルコールの総称である。動植物界に広く分布し、脂質の成分の一つである。一般 に、動物ステロールとして、コレステロールが、植物ステロールとして、スチグマステロール、シトステロール、カンペステロール等が、また菌類ステロールとして、エルゴステロール等が知られている。 また、米糠には、トリテルペンアルコールという成分が多く含まれている。これは、水分と結合する性質を持ち、皮膚に塗ると良く伸び、肌荒れを防いだり、皮膚の保湿と保護に役立つ。 本発明は、上記フィトステロールは、それらのエステルの状態で使用することが好ましい。エステルの脂肪酸成分は、式(1):R'CO-OH (1)[式中、R'COは炭素数14〜22、二重結合数0および/または1、2もしくは3の、直鎖脂肪酸アシル基である。]で示されるカルボン酸に由来し得る。その例は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸である。 本発明のこれらおよびその他の目的、ならびに利点については、以下の記載によって明らかとなろう。 この成分は、注目すべき化粧品及び医薬品特性をもち、スキンケア、メイクアップ製品に配合すると、高屈折率・光沢向上効果に優れ、皮膚上での伸びも良さ、心地よさ、長時間のまた激しい活動後の色持ち、長時間にわたる光沢の保持、移行の無いこと、色ムラを防止したり、輪郭の明確さ及び/または色の強度からなる特性等を付与し、特に、エモリエント剤としてしっとり感を出すことができる。 本発明の成分は特に、全身の皮膚、唇、髪、まつげ、眉毛及び爪のための、特に非治療処置/または手入れにおける特長をもつスキンケア、メイクアップ製品を構成する。特に、顔料分散性が良好であることから、それは口紅またはリップグロス、ブラッシャーまたはアイメイク、入れ墨製品、マニキュア、ファンデーション、日焼け製品あるいは毛髪の手入れまたは染毛用の製品を構成する。 本発明の課題は、米糠から得られる植物ステロールおよびトリテルペンアルコールエステルを新しい形態で提供することによって、皮膚の状態改善(肌荒れ防止・改善、しみ・しわの予防・防止等)等に応用可能な技術を提供することである。 ステロールは、3位 に水酸基をのみを有し、他の官能基を有さない動物または植物ステロイドである。通常は、遊離状、エステル型、配糖体等の形で、動植物界に幅広く分布しており、生体膜の重要な構成成分でもある。ステロールは通例、炭素数27〜29と1個の5/6位二重結合を有し、場合により二重結合は7/8位、8/9位またはその他の位置にも存在する。そのような不飽和種以外に、水素化により得られる飽和化合物であるスタノールもある。 上記フィトステロールは、それらのエステルの状態で使用することが好ましい。エステルの脂肪酸成分は、式(1):R'CO-OH (1)[式中、R'COは炭素数14〜22、二重結合数0および/または1、2もしくは3の、直鎖脂肪酸アシル基である。]で示されるカルボン酸に由来し得る。その例は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸である。 植物ステロール或いはトリテルペンアルコールと炭素数14〜22の脂肪酸とのエステルを使用することが好ましい。 本発明に従って米糠から得られる植物ステロールおよびトリテルペンアルコールエステルを使用して得られる製剤、例えばヘアシャンプー、ヘアローション、発泡浴剤、クリーム、ローションまたはエモリエントは、更なる助剤および添加剤として、穏やかな油成分、乳化剤、過脂肪剤、可溶化剤、日焼け止め(UV保護)剤、抗酸化剤等を含有し得ることも可能である。 米糠から得られる植物ステロールおよびトリテルペンアルコールエステルを有効成分として含有する皮膚外溶剤を塗布することにより、メイクアップまたはケア製品としての効果が得られる。 本発明の成分は、スティックまたは皿状容器に、固められたか、または形成された、固形成分の形態で、あるいはペーストまたは液体の形態でありうる。 成分は、ペーストの状態で存在しうる。 本発明の成分は、メイクアップまたはケア製品成分として存在しうる。したがって、それを、手または顔などの全身の皮膚、または唇、髪、まつげ、眉毛及び爪のケア(寒さ、暑さ、日光、風等ダメージとなる様々な要因から守る)またはトリートメントのベースとして、あるいはデオドラントとして用いることができる。 本発明の成分はまた、スキンメイクアップ製品、特に、ファンデーション、ブラッシャー、ブラッシャー、アイシャドウなどの顔のメイクアップ製品、半永久的入れ墨製品のようなボディメイクアップ製品、あるいは、可能性としてトリートメントまたはケア製品のある口紅またはリップグロスなどのリップメイクアップ製品、マニキュア、マスカラもしくはアイライナーまたは毛髪もしくは染毛用の製品などの肌以外のメイクアップ製品の形態でありうる。 本発明の成分は、言うまでもなく、化粧品および医薬剤製品として許容されるものでなければならない。これはすなわち、それが無毒で、人の皮膚、唇、髪、まつげ、眉毛及び爪等につけることができる。 化粧品または皮膚科学分野で一般に用いられている既知の方法により、本発明による成分を配合した化粧品および医薬剤製品を製造することができる。 以下に、実施例、試験例をもって、さらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。(実施例1)<口紅>ステロールエステル 33.0%トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 15.0%水添ポリイソブテン 25.5%リンゴ酸ジイソステアリル 11.0%プロピレングリコール 2.5%オクタコサノル 5.0%米糠ワックス 5.0%ヘクトライト 3.0%顔料 適量 全ての油溶成分を加熱溶解。次に、ヘクトライトを油相に練り込む。続いて、顔料をヘクトライトと油相の混合物に練り込む。得られた混合物を、容器に入れ、冷却し、目的とする口紅を得た。(実施例2)<美容液>米糠レシチン 0.50%グリセリン 7.00%ステロールエステル 0.10%天然ビタミンE 0.02%フェルラ酸 0.02%エタノール 5.00%アスコルビン酸Na 3.00%キサンタンガム 0.10%メチルセルロース 0.10%精製水 残余 上記配合成分グリセリン〜エタノールの油相部を混合溶解する。アスコルビン酸Na〜精製水の水相部を加温混合し、冷却する。水相部に油相部を添加混合し、目的とする美容液を得た。(実施例3)<乳液>米油 10.000%米糠レシチン 3,000%ステロールエステル 0.100%セラミド 0.050%スクワラン 2.000%米糠ワックス 2.500%グリセリン 6.000%1,3−ブチレングリコール 3.000%トリメチルグリシン 2.000%イノシトール 0.500%フィチン酸 0.005%クエン酸ナトリウム 0.060%γ―オリザノール 4.000%精製水 残余 すべての油溶成分をγ―オリザノールが溶けるまで混合溶解する。 同時に精製水を60℃前後まで温める。加熱した精製水をγ―オリザノールが溶けた油相部に、数回に分けて、少しずつ加える。 よく混ぜて乳化したら、また少し加えて、さらに乳化するまでまたよく混ぜる、という風に繰り返し行い、すべての量を加える。乳化してトロトロになったら、完全に冷却し、目的とする乳液を得た。(実施例4)<化粧水>米糠レシチン 3,000%ステロールエステル 0.100%セラミド 0.050%グリセリン 6.000%1,3−ブチレングリコール 3.000%トリメチルグリシン 2.000%イノシトール 0.500%エタノール 5.000%フィチン酸 0.005%クエン酸ナトリウム 0.060%精製水 残余 グリセリン以外の成分を混合し、加熱溶解する。冷却してからグリセリンを添加し、混合し、目的とする化粧水を得た。(実施例5)<クリーム>天然ビタミンE 0.500%米糠レシチン 2,000%ステロールエステル 0.100%セラミド 0.100%スクワラン 6.000%米油 6.000%セタノール 2.000%米糠ワックス 2.000%1,3−ブチレングリコール 7.000%トリメチルグリシン 2.000%イノシトール 0.500%精製水 残余 油溶性成分を加熱溶解する。冷える前に容器に移し、冷却し目的とするクリームを得た。(実施例6)<リキッドファンデーション>米油 20.05%エタノール 0.20%酸化チタン 9.00%米糠レシチン 9.00%ステロールエステル 0.10%天然ビタミンE 0.10%酸化鉄 3.20%精製水 残余 油相成分と水相成分をそれぞれ60℃にて加熱溶解する。ホモジナイザー8000rpmで油相成分を攪拌しながら、水相成分を少しずつ加え乳化冷却後、目的とするリキッドファンデーションを得た。(実施例7)<オイル状入浴剤>米油 44.0%スクワラン 10.0%モノオレイン酸ソルビタン 1.0%香料 3.0%天然ビタミンE 0.3%ステロールエステル 0.1%精製水 残余 香料以外の成分を60℃に加温して混合溶解し、冷却後、香料を加えて混合し、目的とするオイル状入浴剤を得た。 本発明により、安定性に優れたメイクアップまたはケア成分が提供された。 米糠から得られる植物ステロールと脂肪酸とのエステルの化粧品製剤の製造のための使用方法であって、前記脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸またはベヘン酸である使用方法。 前記エステルを前記化粧品製剤に対して0.1〜40重量%の量で使用する請求項1に記載の使用方法。 前記化粧品製剤がボディメイクアップ製剤である請求項1または2に記載の使用方法。 前記化粧品製剤が口紅またはリップグロス用製剤である請求項1または2に記載の使用方法。 前記化粧品製剤が入浴用製剤である請求項1または2に記載の使用方法。 前記化粧品製剤がファンデーション用製剤である請求項1または2に記載の使用方法。


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