タイトル: | 特許公報(B2)_可溶性の高度に分岐したグルコースポリマー |
出願番号: | 2004367217 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C12P 19/22,C08B 30/12,A23L 1/30,A61K 47/36,A61P 3/00,A61P 3/10 |
パトリック フュエルト ジャン−ミッシェル ロチュリエ キャロル プティジャン JP 4851709 特許公報(B2) 20111028 2004367217 20041220 可溶性の高度に分岐したグルコースポリマー ロケット・フルーレ 592097428 伊藤 克博 100106297 小野 暁子 100129610 パトリック フュエルト ジャン−ミッシェル ロチュリエ キャロル プティジャン FR 0315085 20031219 20120111 C12P 19/22 20060101AFI20111215BHJP C08B 30/12 20060101ALI20111215BHJP A23L 1/30 20060101ALI20111215BHJP A61K 47/36 20060101ALI20111215BHJP A61P 3/00 20060101ALI20111215BHJP A61P 3/10 20060101ALI20111215BHJP JPC12P19/22C08B30/12A23L1/30 BA61K47/36A61P3/00A61P3/10 C12P 1/00−41/00 C08B 30/00−37/00 CA/BIOSIS/MEDLINE(STN) JSTPlus(JDreamII) 欧州特許出願公開第01369432(EP,A1) 特表2002−543248(JP,A) 12 2005213496 20050811 19 20071122 松原 寛子 本発明は、還元糖の含有量が低く、α−1,6グルコシド結合の含有量が著しく高く、高分子の分子量分布が狭く、非常に特殊な分岐鎖長の分布形状を有する可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーに関する。 本発明は、また、固有粘度が低い可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーに関する。 本発明は、これらの可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを、より特に食品用途に、とりわけ医療用途に適用することを予定している。 「分岐鎖長の分布形状」という表現は、本発明のためには、α−1,6分岐点によって別の直鎖状のα−1,4グルコシド鎖に結合した直鎖状のα−1,4グルコシド鎖の、重合度(つまりDP)で表されるサイズの分布を意味すると解される。 本発明は、また、前記可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを製造する方法に関する。 産業上利用可能なグルコースポリマーは、従来、天然のデンプンまたはハイブリッドデンプン、およびそれらの誘導体の加水分解によって調製されている。 標準的なデンプンの加水分解物は、例えば、穀物または芋類からのデンプンの酸加水分解または酵素加水分解によって製造される。それらは、実際は、非常に様々な分子量のグルコースおよびグルコースポリマーの混合物である。 産業界で(ある平均のDPで)製造される、これらのデンプンの加水分解物(デキストリン、マルトデキストリンなど)は、直鎖構造および分岐構造の両方を含む、広範な分布の糖類から成る。 デンプンの加水分解物、特にマルトデキストリンは、より特に、輸送体または充填剤、テクスチャ剤、噴霧乾燥支持体、塗膜形成剤、凍結調整剤、または結晶化防止剤として使用される。 それらは、また、人工脂肪として、あるいは栄養補給のために使用することができる。 腸のレベルでは、デンプンの加水分解物は、α−1,4で結合した直鎖状の炭素鎖に直接作用する膵臓のα−アミラーゼによってこのように消化される。 このターゲットとされる酵素による消化は前記デンプンの加水分解物のサイズを限界デキストリンまで減少させ、その後、腸の粘膜に結合した多くの酵素(マルターゼ、スクラーゼおよびα−デキストリナーゼ)が直鎖状の糖類および残りの分岐状の糖類のグルコース単位への加水分解を続ける。 そして、これらの様々な酵素による消化速度は、デンプンの加水分解物の構造に直接依存する。 例えば、膵臓のα−アミラーゼは、直鎖オリゴ糖に富んでいるか、または長鎖分岐構造を持つデンプンの加水分解物により容易に作用するが、主に短鎖を持つ密な分岐構造に作用するのは非常に困難であるか、全く作用しない。 最先端の技術では、これらの2種類の構造は、一般に、意図した適用分野によって、違った風に使用されている。 デンプン(特にDPが短いオリゴ糖のそれ)に由来する第1のタイプの構造は、特に3つの適用分野において、身体によって直接吸収することができるグルコース源として使用されている。 第1の適用分野は、スポーツをする人々のための高エネルギーの基質の分野である。 確かに、スポーツ分野において、多くの労力を要する身体活動の間に消費される飲料は、直ちに、エネルギー、および発汗作用による液体の損失を補うのに必要な水分の両方を供給するであろう。 このことは、そのような結果を得るためには、炭水化物に関してバランスのとれた組成物が不可欠であるということに帰着する。 最適飲料のために従来提案されている解決策は、より密な分岐グルコシド構造を持つ、DPが3〜6の短い直鎖オリゴ糖を調製することである。なぜなら、これらの短いオリゴ糖が最も速い速度で吸収され、同時に、浸透圧重量モル濃度を適度なレベルに保持し、それにより、液体の損失および下痢や痙攣のような副次的な影響を防ぐからである。 第2の適用分野は、栄養液を静脈経路によって供給することで、患者を健康な状態に保ち、患者の通常の消化器系を経て栄養分を供給することができない場合に栄養分を患者に供給するようにする非経口栄養補給の分野である。 ここでも、DPが2〜5の直鎖オリゴ糖を投与することが選択される。なぜなら、これらの糖類は、腎臓中のマルターゼによって加水分解され、それによりグルコースが放出され、その後、このグルコースが再吸収されるからである。従って、短い直鎖オリゴ糖を使用することにより、患者を水分過剰にすることなく、等張液中の十分なエネルギーを供給することが可能になる。 第3の適用分野は、経口摂取されるか、胃または小腸内にチューブによって投与される飲料を提供することが必要な経腸栄養法の分野である。 しかしながら、これらの経腸液体について、大きな問題は、過度に高い浸透圧重量モル濃度による下痢である。 デンプンに由来する第2のタイプの構造、すなわち短鎖を持つ密な分岐構造を持つデンプンの加水分解物の誘導体またはデンプンの誘導体は、特に3つの適用分野において、吸収可能なグルコースの放出を遅らせるために、および/または一定の浸透圧重量モル濃度を与えるために使用されている。 第1の適用分野は、持続的携帯型腹膜透析の分野である。 特許文献1は、透析で使用するには、無色透明な10%の水溶液を生成する、分子量(Mw)が5×103〜106ダルトンで、多分散指数、つまりVpが低い、分岐構造を含むデンプンの加水分解物の方が、DPが短い直鎖オリゴ糖よりも好ましいことを教示している。 これは、5×103ダルトン〜5×105ダルトンの間の高分子量のグルコースポリマーを主に含み、DPが3以下のグルコースまたはオリゴ糖を含まないか、ごく僅かしか含まず、Mwが106ダルトンを超えるグルコースポリマーを含まないか、ごく僅かしか含まない組成物に帰着する。 腹膜透析のこの適用のためには、DPが短い、低分子量のオリゴ糖は急速に腹膜壁を通過し、したがって浸透圧勾配をつくることが長くはできず、また、浸透力を持たない、非常に高分子量のポリマーは、劣化の後、沈殿が生じた場合に潜在的に危険であるので、避けるべきであり、禁止するべきでさえあることは確かに容易に理解できる。 特許文献2において、出願人は、ワックス状のデンプンから、水に完全に可溶であり、2.8未満の低い多分散指数および5×103ダルトン〜1×106ダルトンの間のMwを有するデンプンの加水分解物を製造する方法を提案した。 この方法は、もっぱらアミロペクチンから成るスターチミルクを酸の経路によって加水分解し、その後、この酸加水分解を細菌α−アミラーゼを用いた酵素加水分解で補い、得られた加水分解物をアルカリまたはアルカリ土類金属の形のマクロ孔質強カチオン樹脂のクロマトグラフィーにかける。 その時に、前記方法の原料として、アミロースを無視できない割合で含むデンプンは適しておらず、ほぼ全くアミロペクチンのみから成り、一般にワックス状のデンプンと呼ばれるデンプンだけを使用することを出願人が推奨したことは注目されるべきである。 第2の適用分野は、糖尿病患者の消化または食事を調整する分野である。 特許文献3あるいは特許文献4において、α−1,6結合がα−1,4結合よりも分解するのが困難であるから、ゆっくりと吸収される炭水化物源として、高密度のα−1,6結合を有する領域だけを抽出することが確かに提案されている。 したがって、2つの系統の生成物が開発されている。第1の系統は、α−1,4結合を有する領域をα−アミラーゼのみで分解することによって調製される限界デキストリンを含み、第2の系統は、α−1,4結合を有する領域をα−アミラーゼとβ−アミラーゼとの同時作用で分解することによって調製されるデキストリンに関する。 そして、得られた限界デキストリンは、人間の消化酵素に特に耐性がある。 しかしながら、これらの化合物は、非常に低い分子量(10000ダルトン〜55000ダルトン)を有しているという不利な点があり、それは、これらの化合物の他の適用分野での利用を制限している。 第3の適用分野は、代用血漿の分野である。 特許文献5は、哺乳類の外科治療あるいは治療上の処置において、または診断法において使用するために、アミロペクチンのみから高分岐化合物を生成させることを確かに推奨している。 この特許出願の教示することによれば、そして、より特に代用血漿の分野において、これらの高分岐アミロペクチンは、製造された最初の代用血漿−これらはヒドロキシエチルデンプン、すなわちHESである−の主な不利な点、つまり身体中のそれらの不完全な代謝を解決することを可能にするために必要とされるものとして示されている。 この特許出願では、前記高分岐アミロペクチンの相対的な安定性が、その高いα−1,6結合の含有量に関連して言及されている。 それで、この高いα−1,6結合の含有量が、α−アミラーゼによるアミロペクチンの分解を十分かなり減らし、分解可能であるが、なお理想的な代用血漿の特性、すなわちその薬物動態学的特性および体積効果を持つ多糖類を製造することを可能にすると思われる。 さらに、この特許文献5では、高分岐アミロペクチンの分解速度を所望の方向に制御するために、分岐点の分布を変える可能性も考えられている。 しかしながら、これらの高分岐アミロペクチンの調製は、なお重大な欠点を持っている。 実際に、過度に高度な分岐(α−1,6結合が25%まで)、過度に短い分岐点間の距離のため、これらの高分岐アミロペクチンに対するα−アミラーゼの作用がかなり遅くなり、またはもはや全く起こることができないので、得られる結果は望ましいものと全く反対である。 分岐点の密度が高い分子の領域では、立体障害により、α−アミラーゼに接近することがもはやできない。 このような状態の下では、これらの高分岐アミロペクチンの酵素消化性の欠如は、代用血漿のような構成の使用(分解しない生成物の蓄積)に特に有利ではない。欧州特許出願公開第207,676号明細書欧州特許出願公開第667,356号明細書米国特許第4,840,807号明細書特開2001−11101号公報(特願平11−187,708号)国際公開第03/18639号 したがって、上記のことから、分岐鎖長の分布および固有粘度の点から注目すべき構造特性を示し、それによって、それらを含む生成物により高い貯蔵安定性能および制御された消化性を与える高度に分岐したグルコースポリマーを持つ必要性が満たされずにあることは明白である。 そして、これらの特性は、身体活動中の高エネルギーの基質の供給といった多様な適用分野において、また腹膜透析、経腸栄養法あるいは非経口的栄養法、代用血漿、消化の調整および糖尿病患者の食事といった分野において、これらの高度に分岐したグルコースポリマーを使用することを可能にするであろう。 出願人は、多くの調査研究を行って、分岐鎖長の分布および固有粘度に関してはかなり特殊な、新規な可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを発明し、製造することにより、今まで調和させることが困難であると考えられていた、これらの目的をすべて調和させるという功績を得た。 本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、還元糖の含有量が1%未満であり、α−1,6グルコシド結合の含有量が13〜17%であり、Mwが0.9×105ダルトン〜1.5×105ダルトンの間の値であり、その分岐鎖長の分布形状が、DPが15未満のものが70〜85%、DPが15〜25のものが10〜16%、およびDPが25を超えるものが8〜13%から成ることを特徴とするグルコースポリマーである。 本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、好ましくは、0.1以下のマーク・ホウィンク・サクラダ方程式(MARK,HOUWINK and SAKURADA equation)による固有粘度係数「a」を有している。 出願人は、EP1,369,432において、還元糖の含有量が1%未満であり、α−1,6結合の含有量が12〜30%であり、Mwが0.35ダルトン〜2×105ダルトンの間の値である可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーについて既に記載している。 しかしながら、以下に例証するように、前記特許出願に記載され、例示されたグルコースポリマーのいずれも、本発明の高度に分岐したグルコースポリマーの分岐鎖長の分布形状および固有粘度を持っていない。 本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの還元力、α−1,6グルコシド結合の含有量、および分子量の測定は、EP1,369,432に記載されているのと同じ条件下で行われる。 そして、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、還元糖の含有量が1%未満であり、α−1,6グルコシド結合の含有量が13〜17%であり、Mwが0.9×105ダルトン〜1.5×105ダルトンの間の値である。 出願人によるEP1,369,432の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーと比較して、本発明の新規なグルコースポリマーはα−1,6グルコシド結合の含有量および分子量の範囲がより狭い。 しかしながら、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、その鎖長の分布形状によって特に特徴づけられる。 本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの分岐鎖の長さの決定は、2段階で行なわれる。 第1段階は、細菌イソアミラーゼを用いて前記生成物を脱分岐(デブランチング)する(α−1,6結合に特定の加水分解)ことであり、その後に、立体排除クロマトグラフィー(HPSEC)によって、既知のサイズのプルランと比較して、放出されたオリゴ糖の重合度を識別する第2段階が続く。 この方法は、分析する生成物を50mg量りとり、それに水3.75mlを加える。この混合物を撹拌した後、ジメチルスルホキシド(DMSO)0.5mlを加え、30分間、撹拌しながら、混合物を沸騰温度で加熱する。その後、温度を45℃まで下げ、1Mの酢酸ナトリウム緩衝液(前もって酢酸でpH3.5にされたもの)0.25mlを加える。 次に、ハヤシバラ社によって市販されたシュードモナス アミロデラソマ(Pseudomonasamyloderasoma)から抽出されたイソアミラーゼ10μlを加え(59000U/mgの量で)、45℃で1時間作用させる。この酵素処理は連続して2回行われ、その後、3分間沸騰させることにより反応を止める。 n−ブタノールを0.5ml加え、撹拌し、室温で1時間撹拌せずに置いておいた後に、反応媒体は2600rpmで20分間遠心分離され、上澄みは、それぞれフルカ社およびシグマ社によって市販されたアンバーライト200樹脂およびアンバーライトIRA−67樹脂を用いて、脱塩される。 HPSECカラムに注入する前に、最後の撹拌、および0.45μmの孔のナイロン・フィルタによるろ過を行う。 HPSECクロマトグラフィーのためのパラメーターは、以下の通りである(TSKによって市販されたPWXL オリゴ カラム、およびSHODEXによって市販されたSB 802、803、804、805 カラムを用いる): − 注入量:200μl − 流量:0.5ml/min − カラム温度:40℃ − 溶離剤:0.2Mの硝酸ナトリウム+0.02%のアジ化ナトリウム − 溶出時間:180分。 放出されたオリゴ糖のサイズは、既知のサイズのプルランの溶出時間に対しての、それらの溶出時間で決定される。 そして、本発明の高度に分岐したグルコースポリマーは、 − DPが15未満のもの70〜85%、 − DPが15〜25のもの10〜16%、 − DPが25を超えるもの8〜13%から成る分岐鎖長の分布形状を有する。 この分岐鎖長の分布形状は、短い分岐鎖の高い含有量(DPが15未満のものが70〜85%)、および中くらいから長い分岐鎖のなお比較的高い含有量(DPが15を超えるものが15〜30%)に関して注目すべき構造になっている。 その結果、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、主に短いDPの炭素鎖に富み(DPが15未満のもの70%以上)、それは主に短い炭素鎖を含む、密な分岐構造を得ることを可能にし、しかも、それにも関わらず、なお、中くらいから長い炭素鎖を十分に含み(30%まで)、それは、身体が吸収することができるグルコースを放出するために、膵臓のα−アミラーゼが容易に消化することができる。 本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーはまた、マーク・ホウィンク・サクラダ方程式による固有粘度係数「a」の値によって特徴づけられる。 マーク・ホウィンク・サクラダ方程式による固有粘度係数「a」の測定は、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの緊密さの程度を明らかにするために、出願人によって使用されている。 粘度平均分子量(すなわちMv)にポリマーの固有粘度(η)を関連づけるマーク・ホウィンク・サクラダの経験式が、次の方程式で与えられることは当業者に知られている: η=K×(Mv)a ここで、「K」および「a」は調べるポリマーの性質、溶媒の性質、および温度に依存する定数である。 本発明の分析条件下では、出願人によって使用される溶媒は0.2Mの硝酸塩水溶液である。 定数「a」は、検討する溶媒中のポリマーが占める平均流体力学的体積とより特に関係がある。 溶液中のポリマーについて、分子が自身により多く折り重なっていくほど、「a」の値が低くなることは最先端の技術において確立されている。逆に言えば、「かなり開いた」分子については、「a」の値がより高い。 マーク・ホウィンク・サクラダの式による係数「a」の測定は、次の方程式を用いて計算によって決められる: Logη=LogK+aLog(Mv)。 Logηの曲線は、原点におけるy軸がLogKを与え、線の傾きが係数「a」であるLog(Mv)の関数としてプロットされる。 本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの粘度および粘度平均分子量は、SHODEX SB 802、803、805 カラムで分離した後、R410屈折計につながれたVISCOTEX毛細管粘度計(モデル 250)で測定される。 クロマトグラフィーの操作条件は以下の通りである: − 注入:100μl − 流量:0.5ml/min − カラム温度:35℃ − 溶離剤:0.2Mの硝酸ナトリウムおよび0.02%のアジ化ナトリウム − 分析時間:180分。 屈折率測定検出のための操作条件は以下の通りである: − R410の感度:16 X − 粘度計の温度:35℃。 流量マーカーは、溶離剤中の5%のグリセリン溶液である。 検出器の検量線の作成は、分子量、濃度および固有粘度が分かっている、ビスコテックス社によって市販されたポリエチレンオキシドを用いて行なわれる。 この基準の再処理は、粘度計の「質量定数」および「粘度定数」を算定することを可能にする。 流量マーカーのための溶出ピークの再処理は、基準時間および検出器間の体積を算定することを可能にする。 そして、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、0.1未満のマーク・ホウィンク・サクラダの式によって計算される係数「a」を有しており、それはアミロペクチン(標準的なアミロペクチンは、実際に、同じ測定条件の下で0.33の係数「a」値を有している)よりもはるかに高い、高密な状態を示している。 したがって、このようにして得られる高度に分岐したグルコースポリマーは、例えば腹膜透析または糖尿病患者の食事など、密で高濃度の構造を持っていることが必要な適用分野における使用に特によく適している。 また、食物炭水化物の消化に必要な酵素に対する本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの耐性の決定は、スポーツをする人々が使用するための配合物の組成物に入れる、または例えば経腸栄養法あるいは非経口的栄養法のために意図した食品成分を選択する際に不可欠な基準である。 出願人は、EP1,369,432に記載された可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーのそのパーセンテージ、すなわち酵素消化によるグルコースの放出を50〜70%の値と評価した。 加水分解に対するこの耐性は、従来のマルトデキストリンより相当に高く、グリコーゲンと同等である。 下記に例証されるように、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、最後には前記EP1,369,432に記載されているものに似た割合でグルコースを放出し、それはこれらをスポーツをする人々による使用に、または経腸栄養法および非経口的栄養法になお適したものにするが、このグルコースの放出は時間をかけて非常によりゆっくり起こり、それはこれらを糖尿病患者の食事のような血糖の調整を必要とする適用分野のために有利にする。 本発明がターゲットとする適用分野すべてにおいて使用することを可能にするような、このようなその分岐鎖長分布を持つ可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、出願人の知っている限りでは、存在しない。 本発明の高度に分岐したグルコースポリマーは、3つのサブファミリーに分類することが有利であろう。 これらの3つのサブファミリーは、DPが15〜25の中くらいの炭素鎖の含有量に関して異なる分岐鎖長の分布形状を有している。 第1のサブファミリーは、DPが15〜25のものが少なくとも14%、多くとも16%である高度に分岐したポリマーを包含する。 第2のサブファミリーは、DPが15〜25のものが少なくとも12%、多くとも14%である高度に分岐したポリマーを包含する。 第3のサブファミリーは、DPが15〜25のものが少なくとも10%、多くとも12%である高度に分岐したポリマーを包含する。 中くらいのサイズの炭素鎖の分布におけるこのばらつきは、使用する可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの消化性を変えることが必要である食品または医療への応用において、これらのサブファミリーの使用を有利にする。 実際に、これらの3つのサブファミリーはすべて、主にサイズが短い炭素鎖から成る分岐構造を持っているが、その中で、中くらいの炭素鎖の割合を変えられることは、下記に例証されるように、その緊密さの程度を調整することを可能にするだけでなく、グルコースの放出を制御することも可能にする。 本発明の可溶性の分岐したグルコースポリマーを調製するためには、次にある以下の工程が連続的に行なわれる: 1)アミロースの含有量が少なくとも30重量%、好ましくは35〜80重量%であるデンプン水溶液を調製すること、 2) この溶液を分枝酵素で処理し、その後、引き続いてβ−アミラーゼで処理すること、 3) 高分子量分画を回収するために分取を行なうこと、 4) このようにして得られた、高度に分岐したグルコースポリマーを集めること。 本発明の高度に分岐したグルコースポリマーの調製は、出願人によってEP1,269,432に既に記載された操作条件を部分的に変更することによって行なわれる。 まず第1に、EP1,269,432に記載されたものとは異なり、特別のデンプンの品質を選択することが非常に重要である。 実際に、アミロースの含有量が30%以上のデンプンのみが本発明の方法の原料として使用できることを出願人は見出した。 マルトデキストリン、標準的なデンプン(それらはアミロースを30%以上含まない)またはワックスタイプのデンプンは、その植物の源に関係なく、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの製造に絶対に適しているとは限らない。 さらに、賞賛されるべきことに、安定で、密な、また制御された消化性を持つ分岐構造を得るためには、アミロペクチンに富むデンプンを原料にすることが必要である(WO03/018639が教示するように)という技術的な先入観を出願人は克服した。 下記に例証されるように、これに反して、出発基質として使用される、アミロースに富むデンプンを選択することにより、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを得ることが可能であることを出願人は見出した。 また、出発基質として使用されるデンプンのアミロース含有量を選択することにより、上記に定義された3つのサブファミリーを得ることが可能である。 本発明の方法の第2の工程は、前記デンプン溶液を分枝酵素で処理することにある。 EP1,369,432では、25〜95℃の温度で、好ましくは70〜95℃の温度で、18〜24時間、乾量基準で100gのデンプンまたはデンプンの誘導体につき50000〜500000Uの精製された分枝酵素を使用することを出願人は推奨した。 分枝酵素という表現は、グリコーゲン分枝酵素、スターチ分枝酵素、およびこれらの酵素の混合物すべてからなる群より選ばれる分枝酵素を意味すると解される。 本発明の新規な高度に分岐したグルコースポリマーの製造については、好ましくは、25〜80℃の温度で、7〜24時間、好ましくは18〜24時間、100gのデンプンにつき40000〜150000Uの分枝酵素でアミロースに富むデンプンの溶液を処理することを出願人は推奨する。 本発明の方法の第3の工程は、このように処理したデンプン溶液にβ−アミラーゼを作用させることにある。 この酵素が作用するための条件(温度およびpH)は、100gのデンプンにつき、ジェネンカーのスペザイム BBAタイプのβ−アミラーゼ(1500DP°/ml)0.05〜0.5mlをpH4.9〜5、60℃の温度で、1〜3時間、好ましくは2時間作用させる。 DP°単位は、「ジアスターゼ力の程度」、すなわち試料を20℃で1時間100mlの基質とともに培養させた場合に、フェーリング液5mlを還元するのに十分な量の還元糖を製造する酵素製剤5%を含む溶液0.1mlに含まれる酵素の量を意味する。 したがって、EP1,369,432に記載されているものに反して、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、アミログルコシダーゼおよびα−トランスグルコシダーゼからなる群より選ばれる任意の酵素は使用されず、実は好ましくはβ−アミラーゼを使用する。 実際に、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを容易に得ることが可能なのは、他ならぬこの酵素の選択によるものであったことを出願人は見出した。 この追加の処理の終わりに、主にグルコースとマルトースとから成る、酵素分解の生成物を含む混合物として、可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーが得られる。 本方法の第4の工程は、出願人によってEP1,369,432に記載されたように、高分子量分画および低分子量分画を分取するために、膜分離およびクロマトグラフィーを含む群より選ばれる手法を用いて分留を行なうことにある。 使用する方法に関係なく、得られる分布は、主にグルコースとマルトースとから成る低分子量のオリゴ糖の分画から、本発明の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーに対応する高分子量の多糖類の分画を分離させる。 本発明の方法の最終工程は、その結果、高度に分岐したグルコースポリマーに対応する高分子量分画を集めることにある。 高分子量の生成物は、当業者に知られている任意の手法によって、そのものとして集められるか、エタノールで沈殿させ、精製し、24時間真空下で乾燥させるか、または、噴霧乾燥される。 下記に例証されるように、本発明の可溶性の分岐したグルコースポリマーの中くらいの分岐鎖(DPが15〜25のもの)の含有量を変えるためには、デンプンのアミロース含有量を変えることが必要であることを出願人はついに見出した。 実際に、出発物質として使用するデンプンのアミロース含有量が高くなると、得られる生成物のDPが15〜25の分岐鎖の含有量が低くなる。 DPが15〜25のものが少なくとも14%、多くとも16%である本発明の第1のファミリーのポリマーを得るためには、アミロース含有量が少なくとも30%、多くとも40%の間にあるデンプンが好ましくは選ばれるであろう。標準的なエンドウ豆のデンプンは、この第1のファミリーの製造に特に適している。 DPが15〜25のものが少なくとも12%、多くとも14%である本発明の第2のファミリーのポリマーを得るためには、アミロース含有量が少なくとも40%、多くとも60%の間にあるデンプンが好ましくは選ばれるであろう。 DPが15〜25のものが少なくとも10%、多くとも12%である本発明の第2のファミリーのポリマーを得るためには、アミロース含有量が少なくとも60%、多くとも80%の間にあるデンプンが最終的には選ばれるであろう。 本発明のポリマーは、その独特の物理化学的特性により、食品用途および医療用途に、さらに特に身体活動中の高エネルギーの基質の源として、腹膜透析、経腸栄養法あるいは非経口的栄養法、代用血漿、消化の調整および糖尿病患者の食事といった分野で有利である。 本発明の他の特徴および利点は、本発明を制限しない下記の実施例を読むと明らかになるであろう。 実施例1 10%の乾燥固形分含有量のデンプン溶液を、デンプンリッチネスが95%以上、アミロース含有量が36.7%のエンドウ豆デンプンから調製する。 そのために、乾量重量で100gのエンドウ豆デンプンを、室温で、撹拌しながら水1リットル中に再分散させる。 調理具の中で、145℃で3〜4分間でデンプンを完全に可溶化し、その後、70℃に冷却する。ステアロサーモフィルス菌(Bacillus stearothermophilus)を精製したグリコーゲン分枝酵素を、乾量基準で100gの基質あたり、50000U/mlの酵素溶液の1mlの量を連続的に加える。 酵素反応は70℃、pH6.8で21時間実行され、次に、90℃で加熱することにより止められる。 乾量基準でデンプン100gあたり、0.15mlのβ−アミラーゼ(ジェネンカーのスペザイム BBA (1500 DP°/ml))による追加の処理を、温度60℃およびpH4.9〜5にされた前の反応媒体中で実行する。 その培養を2時間行い、90℃で1時間加熱することにより反応が止められる。 その後、反応媒体を、カットオフ値9000のダルトンを有するろ過膜(PCIからのES209メンブレン)で超ろ過され、超ろ過されたろ液をスプレードライする。 下の表1に、本発明に従ってこのようにして得られた可溶性分岐グルコース・ポリマーの物理化学的な特性(α−1,6結合の含有量、Mwおよび還元糖含有量)の結果を示す。 還元糖のパーセンテージは、N.ネルソンにより「グルコース測定用のためのSOMOGOYI方法の測光の適応」(1944, J. Biol. Chem., 153, pp.375-380)に記載されたSOMOGOYIの方法によって決定される。 その後、分岐鎖長の分布プロフィールは、上に示したように決定される。 下の表2は得られた結果を示す。 得られた可溶性分岐グルコース・ポリマーは、70%をわずかに超える短鎖(DP15より小さい)と、30%未満の中から長鎖(15を越えるDP)という特筆すべき分枝鎖の鎖長分布を有している。 上述の方法論によって決定されたマーク・ホウィンク・サクラダパラメーター「a」の値は、0.1である。 したがって、本発明に従う可溶性分岐グルコース・ポリマーは、それ自体の上で折り重ねられているコンパクトな構造を有しながら、酵素の攻撃に利用可能な鎖をいまだ有している。 実施例2 種々のアミロース含有量を含む基質に対しての、分枝酵素とアミラーゼによる反応生成物の分岐鎖長の分布プロファイルの比較研究を行った。 ワックス状トウモロコシデンプン(デンプンA)、標準トウモロコシデンプン(デンプンB)、それぞれアミロースがデンプンの50%および70%を含むアミロースに富むデンプン2種類(デンプンDおよびE)を実施例1と同様に処理する。また、実施例1中で得られたエンドウ豆デンプン(デンプンC)に得られた結果も、この表で示される。 下の表3に、異なる種類のデンプンの処理のために使用された分枝酵素(18〜21時間の培養)とアミラーゼ(2時間の処理)の量を示す。 表4に、このように合成された高度に分岐したグルコースポリマーの、α−1,6分岐の含有量、分子量および還元糖含有量について得られた結果を示す。 デンプンA、B、C、DおよびEからそれぞれ得られた化合物を、生成物F、G、H、IおよびJとする。生成物Fの特性は実施例1中で再現される。 アミロースに富む3つの基質(それぞれ37.5%、50%および70%のアミロース含有量)に酵素処理をすることにより、分子量が0.9から1.5×105ダルトンの間のもので、α−1,6分岐の含有量が13〜15%の狭い範囲の可溶性分岐グルコース・ポリマーの製造が可能になった。 ワックス状トウモロコシデンプンおよび標準トウモロコシデンプンの処理(特許出願EP 1,369,432号にさらに記述されている)により、α−1,6分岐の含有量が11〜13%の範囲で、分子量が0.7から0.9×105ダルトンの範囲の分岐グルコース・ポリマーが製造された。 したがって、アミロースに富むデンプンを出発物質として使用することにより、特筆すべきことに、α−1,6グルコシド結合の含有量および分子量がアミロペクチンにより富む基質(それ自身特筆される)から得られるものより高い可溶性の分岐グルコース・ポリマーを得ることが可能になった。 下記の表5に、得られた異なる生成物の異なる鎖長分布プロフィールを集めた。マーク・ホウィンク・サクラダによる固有粘度係数の値「a」もそこに示した。 アミロースに富むデンプンから得られた可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、70〜85%の短鎖と10〜16%の中鎖と8〜13%の長鎖を有することが観察された。 アミロペクチンに富むデンプンから得られた可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、72%未満の短鎖と、16%を超える中程度の鎖と、11〜15%の長鎖を含んでいる。 また、処理されるデンプンのアミロース含有量が高いほど、得られた可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、中程度の鎖の含有量が低い成分を有することが多いことも観察された。 したがって、本発明に従う可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーは、中程度の鎖を、特に16%未満、好ましくは10〜16%の間で有する(それらは標準トウモロコシデンプンおよびワックスデンプンから調製された可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーには該当しないものである)。 マーク・ホウィンク・サクラダによる固有粘度係数「a」の測定もまた、得られた可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの緊密さの程度の差を反映している。 アミロースに富むデンプンを用いたときのみ、0.1以下の固有粘度係数値を有する可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを得ることが可能であることが観察された。 さらに、酵素反応のために基質として使用されたデンプンのアミロース含有量を変えることにより、本発明に従う可溶性の分岐グルコース・ポリマーの緊密さの程度を変えることが可能であることが観察された。 従って、最も密な構造は、実際のところ、最もアミロースに富むデンプンから得られる。 実施例3 グルコース放出の程度を決定するために、本発明に従う可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの水溶液を調製し、膵臓起源のアミラーゼおよび腸のアミログルコシダーゼ(腸のアセトン粉末)と接触させる。 加水分解は、反応媒体に時間とともに現われるグルコースを測定することにより、時間の関数としてモニターされる。 この試験により、食物炭水化物の消化に関連する酵素による加水分解に対するポリマーの耐性を評価することができる。 本発明に従う2つのポリマー(実施例2のうちの生成物HおよびI)を、標準デンプン(実施例2の生成物G)から得られたグルコース・ポリマーと比較しながら、出願人会社による特許出願EP1,369,432によりグリコーゲンと比較して分析してテストした。 酵素消化の操作条件は以下のとおりである: テストされる生成物0.6gを正確に量る。 150mlのマレイン酸ナトリウム緩衝液(0.1mol/l、pH7)を加え、生成物が溶けるまで、媒体を撹拌する。 得られた溶液を15分間水浴に置き、溶液の温度を37℃とする。 1.5mlの溶液を除去し、0.15gのブタ・パンクレアチンを加え、30間培養する。 酵素反応を、100℃で10分間、試料を浴上に置いて乾燥させることで停止する。 0.75gのブタ・パンクレアチンを加え、温調された浴上で媒体を撹拌しながら、37℃で3時間30分培養する。 酵素加水分解中に試料を定期的に集める。 そして試料中のグルコースを、対象の生成物の加水分解の率を計算するために分析する。 この分析を、HITACHI 704自動測定器(ROCHE)を使用した比色法により、実行する。使用される試薬は、酵素グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ(GOD/PAP)を含んでいる試薬である。使用される試薬の体積は500μl、試料体積は5μl、および反応温度は30℃である。 結果を、下の表6に示す。 反応の30分から60分の間では、標準のエンドウ豆デンプンと50%のアミロースを含有するデンプンからそれぞれ調製された本発明に従う可溶性の高度に分岐したグルコースポリマー(生成物HおよびI)は、標準トウモロコシデンプンから調製されたグルコース・ポリマー(生成物G)ほど急速にグルコースを放出しないことが観察された。 しかしながら、この現象は、60から120分の間では、逆転し、生成物Hの方が生成物Gより多くのグルコースを放出する。 本発明に従うアミロースに富むデンプンから調製された2つの可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーHおよびIは、スポーツ人のための栄養(生成物Hは2時間の消化の後に63%のグルコースを放出し遅延効果を備えている)に加えて、血糖を調整することが必要な用途(生成物Iは、全時間に渡り他の生成物よりグルコース放出量が小さい)の両方に使用されてもよいことが明白である。 出発デンプンのアミロース含有量の選択により、本発明に従う可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの十分に規定される応用分野での使用が決定されることが観察される。 還元糖の含有量が1%未満であり、 α−1,6グルコシド結合の含有量が13〜17%であり、 分子量が0.9×105ダルトン〜1.5×105ダルトンの間の値であり、 その分岐鎖長の分布が、DPが15未満のものが70〜85%、DPが15〜25のものが10〜16%、およびDPが25を超えるものが8〜13%から成り、ただし、それらの合計が100%である、可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーであって、 1)アミロースの含有量が少なくとも30重量%であるデンプン水溶液を調製する工程と、 2)この溶液を分枝酵素で処理し、その後、引き続いてβ−アミラーゼで処理する工程と、 3)前記可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーに対応する高分子量の分画を分離するために分取を行なう工程と、 4)このようにして得られた高度に分岐したグルコースポリマーを集める工程とを有する方法により得られることを特徴とする可溶性の高度に分岐したグルコースポリマー。 0.1以下のマーク・ホウィンク・サクラダ式による固有粘度係数「a」を有する請求項1記載のポリマー。 DPが15〜25のものを、少なくとも14%から最大16%の間で有する請求項1または2記載のポリマー。 DPが15〜25のものを、少なくとも12%から最大14%の間で有する請求項1または2記載のポリマー。 DPが15〜25のものを、少なくとも10%から最大12%の間で有する請求項1または2記載のポリマー。 請求項1〜5のいずれかに記載の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの製造方法であって、 1)アミロースの含有量が少なくとも30重量%であるデンプン水溶液を調製する工程と、 2)この溶液を分枝酵素で処理し、その後、引き続いてβ−アミラーゼで処理する工程と、 3)前記可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーに対応する高分子量の分画を分離するために分取を行なう工程と、 4)このようにして得られた高度に分岐したグルコースポリマーを集める工程とを有することを特徴とする方法。 前記デンプン水溶液を、 デンプン100gあたり、40000〜150000Uの分枝酵素で、25〜80℃の温度で、7〜24時間処理し、 デンプン100gあたり、β−アミラーゼ0.05〜0.5%mlで、温度60℃、pH4.9〜5にて、1〜3時間処理することを特徴とする請求項6記載の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーの製造方法。 前記デンプン溶液が少なくとも30重量%から多くても40重量%の間でアミロースを含有し、請求項3記載の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを製造できる請求項6または7記載の方法。 前記デンプン溶液が少なくとも40重量%から多くても60重量%の間でアミロースを含有し、請求項4記載の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを製造できる請求項6または7記載の方法。 前記デンプン溶液が少なくとも60重量%から多くても80重量%の間でアミロースを含有し、請求項5記載の可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを製造できる請求項6または7記載の方法。 請求項1〜5のいずれかの、または請求項6〜10のいずれかの方法で得られる、可溶性の高度に分岐したグルコースポリマーを含有する、食物用途、または医療用途に使用される組成物。 身体活動中の高エネルギーの基質の源として、および腹膜透析、経腸栄養法あるいは非経口的栄養法、代用血漿、消化の調整および糖尿病患者の食事の分野において使用が意図される請求項11記載の組成物。