タイトル: | 特許公報(B2)_ブロック化ポリイソシアネート |
出願番号: | 2004340329 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C08G 18/80,C07D 231/12 |
リチャード・アール・ローズラー パトリシア・ビー・ジェイコブズ ディネシュ・ペティヤゴダ タビサ・エイチ・リッジョ マリアン・エム・サレック エメリー・ユハス JP 4671668 特許公報(B2) 20110128 2004340329 20041125 ブロック化ポリイソシアネート バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 503349707 Bayer MaterialScience LLC 青山 葆 100062144 柴田 康夫 100083356 森住 憲一 100104592 リチャード・アール・ローズラー パトリシア・ビー・ジェイコブズ ディネシュ・ペティヤゴダ タビサ・エイチ・リッジョ マリアン・エム・サレック エメリー・ユハス US 10/723489 20031126 20110420 C08G 18/80 20060101AFI20110331BHJP C07D 231/12 20060101ALN20110331BHJP JPC08G18/80C07D231/12 Z C08G 18/00−18/87 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開2005−154778(JP,A) 特開2000−044649(JP,A) 特開昭57−200419(JP,A) 特開2000−026570(JP,A) 特開2000−178505(JP,A) 特表2004−515571(JP,A) 特開昭50−010891(JP,A) 特開平11−005943(JP,A) 特開平10−087782(JP,A) 特開昭57−198723(JP,A) 1 2005154777 20050616 6 20071120 久保田 英樹 本発明は、溶媒型塗料組成物において有用なブロック化ポリイソシアネートに関する。 ノナントリイソシアネート(NTIまたは4-イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート)は既知の物質である。NTIの種々の用途が示唆されている(例えば、特許文献1〜13を参照)。 市場は、高官能価、高NCO含量、低い脱ブロック温度のポリウレタン架橋剤を必要としている。ピラゾールでブロックされたイソシアネートは、比較的低い温度で脱ブロックする(例えば、特許文献14〜17を参照)。ノナントリイソシアネートとピラゾールの完全にブロックされた反応生成物は、官能価、NCO含量および脱ブロック温度に関する限り市場の必要性を満たすが、市販品で使用されている塗料溶媒に可溶性ではない(本出願人により本願と同日に出願された関連の米国特許出願を参照)。その結果として、該反応生成物は、塗料分野における有用性が制限されている。米国特許第4,314,048号明細書米国特許第5,714,564号明細書米国特許第5,854,301号明細書米国特許第6,084,051号明細書米国特許第6,090,939号明細書米国特許第6,100,326号明細書米国特許第6,291,578号明細書米国特許第6,399,691号明細書米国特許第6,432,485号明細書米国特許第6,433,072号明細書米国特許第6,531,535号明細書米国特許第6,566,444号明細書米国特許第6,605,669号明細書米国特許第4,976,837号明細書米国特許第5,246,557号明細書米国特許第5,521,272号明細書米国特許第5,986,033号明細書 本発明は、ノナントリイソシアネートに基づくブロック化ポリイソシアネートであって、上記のような欠点のないブロック化ポリイソシアネートを提供するものである。 上記課題は、以下の成分の反応生成物を含んでなるブロック化ポリイソシアネートにより解決された: (a)ノナントリイソシアネート; (b)ピラゾールブロック剤;および (c)数平均分子量が約62〜約600、好ましくは約62〜約200のジオールまたはポリオール; ここで、(i)成分(a)と成分(c)とのイソシアネートとヒドロキシとの当量比は1:0.15〜1:0.6であり、(ii)イソシアネート基とブロック基との当量比は1:0.4〜1:0.85である。 本発明は、一般的に使用されるウレタングレード溶媒において有用な組成物を与える。 ピラゾールブロック剤は既知であり、例えば、米国特許第4,976,837号、第5,246,557号、第5,421,272号および第5,986,033号に開示されている(これら文献の開示は本明細書の一部を構成する)。好ましいピラゾールブロック剤は、3,5-ジメチルピラゾール、4-ニトロ-3,5-ジメチルピラゾール、4-ベンジル-3,5-ジメチルピラゾール、メチル-5-メチルピラゾール-3-カルボキシレート、ピラゾール、3-メチル-5-フェニルピラゾール、3-メチルピラゾール、4-ブロモ-3,5-ジメチルピラゾールおよび3,5-ジメチルピラゾール-4-カルボキシアニリドからなる群から選択され、3,5-ジメチルピラゾールが最も好ましい。 本明細書において、「NTI」は、ノナントリイソシアネートを意味する。当分野において明らかなように、ノナントリイソシアネート(米国特許第6,084,051号)と称される他に、ノナントリイソシアネートは、(i)4-イソシアネートメチル-1,8-オクタメチレン ジイソシアネート(米国特許第4,314,048号)、(ii)4-イソシアナトメチル-1,8-オクタメチレン ジイソシアネート(米国特許第5,714,564号)、(iii)4-イソシアナトメチル-1,8-オクタン ジイソシアネート(米国特許第6,090,939号)、(iv)トリイソシアナトノナンおよびTIN(米国特許第6,090,939号)、および(v)4-イソシアナトメチルオクタン-1,8-ジイソシアネート(米国特許第6,100,326号)とも称されている。 本発明において有用なジオールおよびポリオールは、約62〜約600、好ましくは約62〜約200の数平均分子量を有する。特に有用なジオールおよびポリオールには、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ヘキサントリオール、マンニトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、ならびに、約600までの数平均分子量を有する上記ヒドロキシ官能物質のいずれかのプロポキシル化および/またはエトキシル化付加物が含まれる。 3つの成分をあらゆる順序で反応させることができる。例えば、現在のところ好ましい方法においては、NTIとジオールまたはポリオールを初めに反応させ、得られた生成物とピラゾールを反応させる。別法によれば、ピラゾールを初めにNTIと反応させ、得られた生成物とジオールまたはピラゾールを反応させることもできる。好ましさが低い態様において、成分の全てを一度に反応させることもできる。選択する方法にかかわらず、反応物質の量は、次のようである:即ち、(i)成分(a)(NTI)と成分(c)(ジオールまたはポリオール)とのイソシアネートとヒドロキシとの当量比は、1:0.15〜1:0.6、好ましくは1:0.15〜1:0.25であり、(ii)イソシアネート基とブロック基との当量比は、1:0.4〜1:0.85、好ましくは1:0.75〜1:0.85である。 反応時間は、反応温度および反応中の固形物%に依存するであろうが、通常は1〜8時間である。反応温度は50〜120℃であってよく、低着色で妥当な反応時間を得るためには、60〜80℃の温度が好ましい。固形物含量は、通常は50〜90%である。より高い固形物が好ましいが、粘度が実使用のためには高すぎることもある。通常の非ヒドロキシルのウレタングレード溶媒を使用することができ、これには、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素およびこれら溶媒の混合物が含まれる。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。これら実施例において、全ての部数およびパーセント数は、他に示すことがなければ重量に基づく。 実施例において使用したNTIは、NCO末端基滴定によって測定したときに87のイソシアネート当量(理論的には純NTIは84の当量を有する)を有する市販のNTIであった。 実施例1 撹拌機、窒素入口、コンデンサーおよび熱電対を装着した500ml丸底フラスコに、NTI(86.53g;1.0当量)および1,3-ブタンジオール(9.18g;0.2当量)を入れた。反応混合物を、撹拌しながら85℃に加熱し、2時間維持した。この時点において、NCO含量は35.20重量%(理論値 35.11%)であった。反応混合物を室温まで冷却し、メチルプロピルケトン(31.85g)および3,5-ジメチルピラゾール(77.04g;0.8当量)を加えた。この反応混合物は強く発熱し、氷浴を用いて温度が65℃より高くならないように維持した。発熱が完了したときに、熱を加えて反応温度を60℃に維持した。この60℃の反応温度を4時間維持したときに、IRスペクトルはイソシアネートが残存していないことを示した。固形物含量は85%であり、粘度は25℃において>100,000cpsであった。この溶液のイソシアネート含量は256g/当量であった。比較例1の純DMPブロック化NTIを種として加えた後であっても、1ヶ月後に結晶は生成しなかった。 実施例2 NTI(87.37g;1.0当量)、1,3-ブタンジオール(14.97g;0.33当量)、メチルプロピルケトン(30.21g)および3,5-ジメチルピラゾール(64.57g;0.67当量)を使用したことを除いて、実施例1の操作を行った。付加物のイソシアネート含量は27.8重量%(理論値 27.5%)であった。最終生成物の固形物含量は85%であり、粘度は25℃において>100,000cpsであった。この溶液のイソシアネート含量は294g/当量であった。比較例1の純DMPブロック化NTIを種として加えた後であっても、1ヶ月後に結晶は生成しなかった。 比較例1 撹拌機、窒素入口、コンデンサーおよび熱電対を装着した1L丸底フラスコに、NTI(203.9g;2.361当量)およびメチルプロピルケトン(75.0g)を入れた。反応混合物を、撹拌しながら50℃に加熱し、3,5-ジメチルピラゾール(231.2g;2.409当量)を徐々に加えた。この反応混合物は強く発熱し、氷浴を用いて温度が55℃より高くならないように維持した。発熱が完了したときに、熱を加えて反応温度を50℃に維持した。この50℃の反応温度を2時間維持したときに、IRスペクトルはイソシアネートが残存していないことを示した。固形物含量は85%であり、粘度は25℃において3,500cpsであった。この溶液のイソシアネート含量は216g/当量であった。1週間未満に結晶が自然に生成した。 比較例2 NTI(86.60g;1.0当量)、1,3-ブタンジオール(4.66g;0.1当量)、メチルプロピルケトン(31.32g)および3,5-ジメチルピラゾール(87.4g;0.9当量)を使用したことを除いて、実施例1の操作を行った。付加物のイソシアネート含量は40.85%(理論値 41.59%)であった。最終生成物の固形物含量は85%であり、粘度は25℃において2,300cpsであった。この溶液のイソシアネート含量は210g/当量であった。1週間後に結晶が自然に生成した。 実施例3 ペイント配合物を、実施例1のブロック化イソシアネート(39g)、デスモフェンA870BA(100g)、Byk306(0.2g)、Byk358(0.2g)およびn-ブタノール:プロピルメチルエーテルアセテート:3-エトキシプロパン酸エチルエステル(4:5:6重量比)の混合物(34.7g)から調製した。NTIのDMP付加物2を使用したときには、配合物のNCO含量を調整した。 ここで、デスモフェン(Desmophen)A870BAは、酢酸ブチル中70%固形物含量のアクリル系ポリオールであり、OH価97および23℃での粘度3500cpsを有する(Bayer Polymers LLCから入手可能)。Byk306はシリコーン界面活性剤である(Byk Chemieから入手可能)。Byk358はアクリル系レベリング添加剤である(Byk Chemieから入手可能)。 この透明塗料を、e-コートした鋼製パネル上に3ミル引寄せ棒(draw down bar)を用いて引寄せ、285℃で30分間硬化させた。 結果を以下の表に示す。 「MEK往復擦り」は、次のようにして行った。 1.2ポンドのボール頭ハンマーのボールを、数層の布(2回折り畳んだ8"×8"の布)でしっかりと包み、ゴムバンドを用いて確保する。 2.布にメチルエチルケトン(MEK)をしみ込ませる。 3.濡れたボール頭を塗料表面に置き、ボール頭が表面に対して90度の角度になるようにする。下方に圧力をかけることなく、ハンマーを、塗料の約4"長さ領域にわたって前後に押す。1回の前後運動を1回の往復擦りと数える。 4.25回の往復擦りの後に、その都度、布にMEKを再度しみ込ませる。 接着は、「テープにより接着を測定するためのASTM D3359-95標準試験方法」を用いて測定した。 本発明を、説明の目的で上に詳細に記述したが、このような詳細が該目的のためだけのものであり、特許請求の範囲により限定されることを除いて、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、当業者により改変を行いうることを理解すべきである。 本願発明の対象およびその態様は、以下の通りである: 1.以下の成分の反応生成物を含んでなるブロック化ポリイソシアネート: (a)ノナントリイソシアネート; (b)ピラゾールブロック剤;および (c)数平均分子量が約62〜約600のジオールまたはポリオール; ここで、(i)成分(a)と成分(c)とのイソシアネートとヒドロキシとの当量比は1:0.15〜1:0.6であり、(ii)イソシアネート基とブロック基との当量比は1:0.4〜1:0.85である。 2.成分(c)の数平均分子量が約62〜約200である上記1に記載のブロック化ポリイソシアネート。 3.(i)成分(a)と成分(c)とのイソシアネートとヒドロキシとの当量比が1:0.15〜1:0.25であり、(ii)イソシアネート基とブロック基との当量比が1:0.75〜1:0.85である、上記1に記載のブロック化ポリイソシアネート。 4.ピラゾールブロック剤が、3,5-ジメチルピラゾール、4-ニトロ-3,5-ジメチルピラゾール、4-ベンジル-3,5-ジメチルピラゾール、メチル-5-メチルピラゾール-3-カルボキシレート、ピラゾール、3-メチル-5-フェニルピラゾール、3-メチルピラゾール、4-ブロモ-3,5-ジメチルピラゾールおよび3,5-ジメチルピラゾール-4-カルボキシアニリドからなる群から選択される上記1に記載のブロック化ポリイソシアネート。 5.ピラゾールブロック剤が3,5-ジメチルピラゾールである上記1に記載のブロック化ポリイソシアネート。 以下の成分の反応生成物を含んでなるブロック化ポリイソシアネート: (a)ノナントリイソシアネート; (b)ピラゾールブロック剤;および (c)数平均分子量が62〜600のジオールまたはポリオール; ここで、(i)成分(a)と成分(c)とのイソシアネートとヒドロキシとの当量比は1:0.15〜1:0.6であり、(ii)イソシアネート基とブロック基との当量比は1:0.4〜1:0.85であり、および(iii)成分(a)のイソシアネート基と成分(b)および(c)のブロック基およびヒドロキシ基との当量比は1:1である。