生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_エンドトキシン吸着除去剤及び製造方法
出願番号:2004233602
年次:2006
IPC分類:B01J 20/16,C01B 33/26,A61K 9/08


特許情報キャッシュ

玉川 和彦 JP 2006051422 公開特許公報(A) 20060223 2004233602 20040810 エンドトキシン吸着除去剤及び製造方法 富田製薬株式会社 000237972 鈴江 武彦 100058479 河野 哲 100091351 中村 誠 100088683 蔵田 昌俊 100108855 峰 隆司 100075672 福原 淑弘 100109830 村松 貞男 100084618 橋本 良郎 100092196 玉川 和彦 B01J 20/16 20060101AFI20060127BHJP C01B 33/26 20060101ALI20060127BHJP A61K 9/08 20060101ALN20060127BHJP JPB01J20/16C01B33/26A61K9/08 3 OL 9 4C076 4G066 4G073 4C076AA12 4C076BB11 4C076BB17 4C076BB18 4C076CC14 4C076FF11 4C076FF67 4C076GG43 4G066AA30B 4G066BA36 4G066BA38 4G066CA56 4G066DA07 4G066DA11 4G066DA12 4G066FA03 4G066FA21 4G073BA57 4G073BA63 4G073BD06 4G073CE01 4G073FB01 4G073FB02 4G073FC05 4G073UA06 本発明は生体内に混入された場合、発熱を誘発する物質、即ち発熱性物質(パイロジェン)の除去に有効な吸着除去剤に関する。 特に、水、注射液、輸液、透析液、血液等の液体に混入しているエンドトキシンを吸着除去することに適したエンドトキシン吸着除去剤に関するものである。 また、本発明は、上記エンドトキシン吸着除去剤の製造方法にも関する。 エンドトキシンは、グラム陰性菌の細胞壁の表皮に相当する外膜構成成分の1種であり、溶菌するときや機械的に破壊されたとき、あるいは菌が分裂するときに溶液中に遊離される。 このようなエンドトキシンは、動物の血液中に混入すると発熱や炎症、さらにはショック死などの毒作用を引き起こすため、種々の操作により、これらエンドトキシンを除去する工夫がなされている。 例えば、エンドトキシンを除去あるいは失活させる方法として従来より、熱、酸、アルカリ等の処理というものがあるが、これらの方法は手間がかかり、エンドトキシンのみを除去する方法でないため、共存する有効成分なども除去あるいは失活させる可能性が高い。 従って、近年では、限外ろ過膜などによる分子量レベルでの除去や素材の吸着特性を生かした吸着剤などの開発が盛んとなっている。例えば、多孔質シリカゲルにアミノ基と疎水性基を有するシランカップリング剤を反応させて得られるアミノ基と疎水基を有する多孔質シリカゲル(例えば特許文献1参照。)、無機物表面にシリコンオイル、シリコンポリマー又はパラフィンを付着させた複合材(例えば特許文献2又は3参照。)、炭酸カルシウムをはじめとする水不溶性のカルシウム塩(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト)を吸着剤としたエンドトキシン吸着除去剤(例えば特許文献4参照。)、チタニアやジルコニアなどの酸化物セラミックスを吸着剤としたエンドトキシン吸着除去剤(例えば特許文献5参照。)等が開示されている。 しかし、これら吸着剤除去剤においては、エンドトキシンを吸着するために試料添加量が多く必要であり、高濃度エンドトキシン溶液や大量の溶液を処理するためには非常に多くの吸着除去剤又は大型の装置を用いなければならないなどの問題がある。特開平4−256434号公報(特許請求の範囲)特開平7−136506号公報(特許請求の範囲)特開平7−136507号公報(特許請求の範囲)特開平7−265691号公報(特許請求の範囲)特開平10−235188号公報(特許請求の範囲) 本発明の目的は、上記問題点を解決し、エンドトキシンに対する優れた吸着除去性を有する吸着除去剤、及びそのような吸着除去剤の製造方法を提供することである。 本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定のケイ酸アルミニウムを有効成分とする無機化合物がエンドトキシンを極めて有効に除去することを見出し、安価でエンドトキシン除去効率に優れた吸着除去剤を完成するに至った。また、本発明者は、ケイ素源としてコロイダルシリカを用いることにより、エンドトキシンを極めて有効に除去することができるケイ酸アルミニウムを製造できることを見出した。すなわち、本発明は、下記のエンドトキシン吸着除去剤及びその製造方法に係るものである。 項1.ケイ酸アルミニウムを有効成分として含有することを特徴とするエンドトキシン吸着除去剤。 項2.前記ケイ酸アルミニウムを水溶媒に分散させたときの界面動電位(ゼータ電位)が正電荷である項1に記載のエンドトキシン吸着除去剤。 項3.アルミニウム塩及びケイ素源としてコロイダルシルカを用いて、ケイ酸アルミニウム共沈物を得る工程を含む項1又は2のエンドトキシン吸着除去剤の製造方法。 本発明のエンドトキシン吸着除去剤は、エンドトキシンの吸着性能に優れ、エンドトキシンによる毒作用を効率よく軽減させることができる。 このような本発明のエンドトキシン吸着除去剤は、その活性成分が安価であることに加えて、少量でもエンドトキシン吸着除去作用を奏することができる。さらに、大型の装置等を用いることなく簡単な操作でエンドトキシンを吸着除去することができる。したがって、本発明の吸着除去剤を用いることにより、エンドトキシンフリーの水、注射液、輸液、透析液、血液等を安価に効率よく提供することができる。 また、本発明の製造方法によれば、エンドトキシンの吸着性能に優れ、エンドトキシンによる毒作用を効率よく軽減することのできるエンドトキシン吸着除去剤を製造することができる。 まず、本発明のエンドトキシン吸着除去剤が有効成分として含有するケイ酸アルミニウムについて詳細に説明する。 本発明のエンドトキシン吸着除去剤の有効成分であるケイ酸アルミニウムは、一般的にxAl2O3・SiO2・yH2Oの組成式で表されるケイ酸アルミニウムである。このケイ酸アルミニウムは、シリカ・アルミナの化合物であり、明確な結晶構造を示さないアモルファス状である。本発明で用いるケイ酸アルミニウムにおいて、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)との比(以下、「Al/Si比」ともいう)は、ケイ素とアルミニウムとの両者が存在し、かつ、エンドトキシンを吸着除去することができれば特に制限はない。具体的には、Al/Si比は、0を超える値から、50程度のものまで使用することができるが、一般的には、Al/Si比は、0.2程度から25付近までのものを使用することができる。なお、Al/Si比は、後述の実施例1に記載する二酸化珪素(SiO2)定量法及び酸化アルミニウム(Al2O3)定量法によりそれぞれ求めた二酸化珪素の重量と酸化アルミニウムの重量から求めたAlとSiとのモル比をいう。 本発明で用いるケイ酸アルミニウムは、これを精製水に分散させたときの界面動電位(ゼータ電位)(以下、単に「ゼータ電位」ともいう。)が正電荷であることが、特に、エンドトキシンの吸着除去性能を高める観点からは好ましい。本発明で用いるケイ酸アルミニウムが、そのゼータ電位が正電荷である場合にエンドトキシンとの吸着除去性能が高まる作用機序は必ずしも明らかではない。しかし、ゼータ電位が粒子表面付近の電位であることや、エンドトキシンの構造(O抗原部位、コア多糖部位及びリピドA部位から構成され、そのリピドA部位には長鎖脂肪酸がある)等から考えて、粒子表面付近の正電荷とエンドトキシンの脂肪酸残基の負イオンとの吸引力が作用機序の1つとして関っていると考えられる。この作用機序に基づけば、ケイ酸アルミニウムのゼータ電位は正の値が大きいほうが、吸着性能を高める上で好ましいことが予測される。また、本発明で用いるケイ酸アルミニウムは、COOH基を有する細菌由来物質(タイコ酸)などのものも吸着できることが予測される。 本発明において、ゼータ電位を精製水に分散させたときのものとしたのは、ゼータ電位は、分散媒中のイオン(水素イオンをはじめとする共存イオンの種類と量等)によって変化するからである。さらに、ゼータ電位は、水温、粘度等によっても変化し得る。したがって、本発明では、ゼータ電位の測定は、後述の実施例1に記載の条件下で測定するものとする。 なお、上述したとおり、粒子のゼータ電位は、それが分散される環境(水素イオンをはじめとする共存イオンの種類と量等)に依存して変化する。本発明で用いることのできるケイ酸アルミニウムとpHとの関係について述べると、ゼータ電位は、酸性側のpH値では正電荷の絶対値が大きく、pH値が酸性側からアルカリ性側になるにつれて、絶対値が小さくなり、0を経由し、その後、pH値が更にアルカリ性側へと移行するにしたがい、ゼータ電位は、負電荷となり、その絶対値が大きくなる。本発明のエンドトキシン吸着除去剤は、これを精製水に分散した場合のみならず、これを使用する環境(例えば、注射液、輸液、透析液等やこれらを調製するための水中)においても、正電荷を有することが、エンドトキシン吸着除去性能を発揮するために好ましい。 本発明で用いるケイ酸アルミニウムは、次の方法により製造することができるが、この製造方法により製造されるものに限定されるものではない。 本発明で用いるケイ酸アルミニウムの製造方法の一例として、アルミニウム源なる物質とケイ酸源となる物質とを室温で逐次滴下又は同時滴下して反応させる方法を挙げることができる。アルミニウム源としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムのようなアルミニウム塩やアルミン酸塩を使用することができる。一方、ケイ酸源としては、コロイダルシリカ、シリカのゾル、湿ったシリカゲル等、ケイ酸ナトリウム液(別名水ガラス)等を用いることができる。 上述したケイ酸源のうち、特に、コロイダルシリカを使用することにより、エンドトキシンの吸着除去性能がより高いケイ酸アルミニウムを製造することができる。その理由は、必ずしも明らかではないが、コロイド状のシリカに溶液状のアルミニウム塩を加えることにより、アルミニウム及びシリカ比が均一な組成となり、このような反応系で合成されたケイ酸アルミニウムは、その構造中にアルミニウム及びシリカが単独に存在することのない組成の均一なものが得られるからであると考えられる。一方、アルミニウム及びシリカが単独で存在しているような化合物では、シリカ等のゼータ電位が負であることから、総合的にゼータ電位が負となる可能性があり、その結果、エンドトキシン吸着能が低下すると推測される。 アルミニウム源とケイ酸源との反応時のpHは、3〜7が好ましく、特に4〜6付近が好ましい。極端な酸性又はアルカリ性ではAl及びSiの溶出が大きいからである。pHの調整には、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、炭酸ガスなどの酸又はアルカリとして消費されたときに残留イオンとケイ酸又はアルミニウムと反応しにくく、また、水洗などで容易に除去できるものがよい。 上述した工程を経て、本発明で使用するケイ酸アルミニウムが沈殿物として得られる。この沈殿物は、ろ過等により固液分離し、必要に応じて洗浄(例えば、水洗)及び乾燥をすることにより、乾燥状態にあるケイ酸アルミニウムが得られる。乾燥は、常法により行うことができるが、一例を挙げると、200℃以下、好ましくは40〜100℃で行うのがよい。 本発明の吸着除去剤は、有効成分であるケイ酸アルミニウムを粉末状態でそのまま、エンドトキシンを含有し得る液体(例えば、水、注射液、輸液、透析液、血液等)に添加して使用することができる(いわゆるバッチ法)。このバッチ法は、特に、高濃度のエンドトキシンを処理する場合に適切である。なお、法令の定め、その他の理由により、エンドトキシンを吸着した本発明の吸着除去剤を物理的に液体から除去することが必要な場合には、ろ過等により分離除去することが可能である。 一方、大量に連続的にエンドトキシンを除去する場合は、カラム法が適切であり、吸着除去剤をカラムに充填し、対象とする溶液等を本カラムを通過させればよい。 また、本発明の吸着除去剤は、必要に応じてセルロース系やアルギン酸系等の賦形剤を用いて造粒物のような吸着除去剤組成物とすることもできる。 さらに、本発明の吸着除去剤は、必要に応じて水やアルコールのような溶媒に分散し、これを不織布や紙などに漉いて、本剤を担持させて使用することもできる。 以下本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下に記載する実施例において、別段の断りがない限り、「%」は、重量%である。 (実施例1) 硫酸アルミニウム液(Al2O3として、約8%)400mLとコロイダルシリカ(SiO2として約20%、日産化学工業(株)製スノーテックス20(製品名)、以下の実施例においても同じ)37gを攪拌混合し、混合液を調製した。水200mLに上記混合液全量と水酸化ナトリウム(約48%)154gを約pH5となるように同時滴下した。 生成した沈殿物をろ過し、水で十分洗浄したのち取り出し、常法により乾燥して乾燥物を得た。 得られた乾燥物中の酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)及び二酸化ケイ素含有量(SiO2として)を以下の手順で分析しそれぞれ値を求めた。また、ゼータ電位測定装置(Nano-zs MALVERN社製)を用いて、本品0.1gを100mLの精製水に懸濁させた懸濁液(0.1%)の上澄み中のゼータ電位を測定した。なお、ゼータ電位の計算は、ヘンリーの式を用いた。結果、Al2O3として39.42%、SiO2として7.07%となり、モル比(Al/Si)=6.55であった。また、ゼータ電位は13.41mVであった。 <二酸化硅素(SiO2)定量法> 本品1.0gを正確に量り、希塩酸20mLを加えて、水浴上で蒸発乾固する。残留物を塩酸で潤し、再び蒸発乾固する。残留物に希塩酸5mLを加えてかき混ぜ、さらに熱湯20mLを加えてかき混ぜろ過する。ろ紙上の沈殿を熱湯でよく洗い、ろ紙と共に重量既知のるつぼに移し、加熱灰化し800℃で1時間強熱し、放冷した後重量を量りSiO2の量とする。 また、ろ液及び洗液を合わせ、水を加えて正確に250mLとした液を酸化アルミニウム定量用試料液とする。 <酸化アルミニウム(Al2O3)定量法> 前記試料液5mLを正確に量り、0.01M エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液30mLを正確に加え、pH4.8酢酸・酢酸アンモニウム緩衝液20mLを加えた後、5分間煮沸し、冷後、エタノール50mLを加え、0.01M酢酸亜鉛液で滴定する(指示薬:ジチゾン試液2mL)。ただし、滴定の終点は液の色が淡暗緑色から淡赤色に変わるときとする。同様の方法で空試験を行う。 0.01M エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液1mL=0.5098mg Al2O3 (実施例2) 硫酸アルミニウム液(Al2O3として、約8%)400mLとコロイダルシリカ(SiO2として約20%)12.5gを撹拌混合し、混合液を調製した。水200mLに上記混合液全量と水酸化ナトリウム(約48%)164gを約pH5となるように同時滴下した。 生成した沈殿物をろ過し、水で十分洗浄したのち取り出し、常法により乾燥して乾燥物を得た。 得られた乾燥物中の酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)、二酸化ケイ素含有量(SiO2として)及びゼータ電位を実施例1と同様の手順で分析しそれぞれ値を求めた。結果、Al2O3として41.19%、SiO2として2.31%となり、モル比(Al/Si)=21.79であった。また、ゼータ電位は14.81mVであった。 (実施利3) 硫酸アルミニウム液(Al2O3として、約8%)200mLとコロイダルシリカ(SiO2として約20%)500gを攪拌混合し、混合液を調製した。水200mLに上記混合液全量と水酸化ナトリウム(約48%)80gを約pH5となるように同時滴下した。 生成した沈殿物をろ過し、水で十分洗浄したのち取り出し、常法により乾燥して乾燥物を得た。 得られた乾燥物中の酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)、二酸化ケイ素含有量(SiO2として)及びゼータ電位を実施例1と同様の手順で分析しそれぞれ値を求めた。結果、Al2O3として13.16%、SiO2として66.83%となり、モル比(Al/Si)=0.23であった。また、ゼータ電位は12.00mVであった。 (実施例4) 塩化アルミニウム液(Al2O3として、約10%)423mLとコロイダルシリカ(SiO2として約20%)37gを攪拌混合し、混合液を調製した。水200mLに上記混合液全量と水酸化ナトリウム(約48%)182gを約pH5となるように同時滴下した。 生成した沈殿物をろ過し、水で十分洗浄したのち取り出し、常法により乾燥して乾燥物を得た。 得られた乾燥物中の酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)、二酸化ケイ素含有量(SiO2として)及びゼータ電位を実施例1と同様の手順で分析しそれぞれ値を求めた。結果、Al2O3として47.70%、SiO2として8.13%となり、モル比(Al/Si)=6.93であった。また、ゼータ電位は47.52mVであった。 (試験例1) 実施例1〜4品及び比較例として局方ケイ酸アルミニウム(実施例1と同様に酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)及び二酸化ケイ素含有量(SiO2として)及びゼータ電位をもとめたところ、Al2O3として12.64%、SiO2として63.08%となり、モル比(Al/Si)=0.24であった。一方、ゼータ電位は-33.84mVであった)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及びヒドロキシアパタイトを用いてエンドトキシン吸着能を検討した。 <エンドトキシン吸着試験法> LPS(和光純薬工業(株)製 生化学用 リポポリサッカリド)5mgを精密に量り、注射用蒸留水を加えて溶かし、1000mLとする。この液200mLをメスシリンダーで量りとり、注射用蒸留水を加えて1000mLとし、エンドトキシン溶液とする。 200mLビーカーにエンドトキシン溶液100mLを加え、撹拌下各粉末試料を0.1g又は0.05g添加し、10分間撹拌する。10分後、0.2μmメンブランフィルターにてろ過し、ろ液を回収する。ろ液を注射用蒸留水を用いて正確に500倍又は5000倍希釈して試料液とする。 各試料液につき、日局、一般試験法、エンドトキシン試験法、光学的測定法のカイネティック−比色法により操作(装置:ウエルリーダSK601(生化学工業(株)製)波長:405nm)し、試料液中のエンドトキシン濃度を定量する。同様の方法で空試験を行い、初期のエンドトキシン濃度を求める。 以下の表1に試験結果を示す。 (試験例2) 実施例1〜4品について、試料添加量を変化させてエンドトキシン吸着能を検討した。なお、エンドトキシン吸着試験法は試験例1と同様の操作を行った。 以下の表2に試験結果を示す。 (結果) 試験例1及び2の結果からも明らかなように、本発明実施例1〜4におけるエンドトキシン吸着能は他の粉末(吸着剤)よりも非常に優れたものであり、0.05%という非常に極微量の吸着剤量で高濃度(630,000EU/L)のエンドトキシンを吸着し、容易にエンドトキシンを除去できるものであった。注射剤のエンドトキシン濃度は、250EU/L以下が要求されているところ、検出感度以下にまでエンドトキシン濃度を低下させることのできる本発明のエンドトキシン吸着除去剤は、この要求を十分に満足するものである。 ケイ酸アルミニウムを有効成分として含有することを特徴とするエンドトキシン吸着除去剤。 前記ケイ酸アルミニウムを水溶媒に分散させたときの界面動電位(ゼータ電位)が正電荷である請求項1に記載のエンドトキシン吸着除去剤。 アルミニウム塩及びケイ素源としてコロイダルシルカを用いて、ケイ酸アルミニウム共沈物を得る工程を含む請求項1又は2のエンドトキシン吸着除去剤の製造方法。 【課題】 エンドトキシンに対する優れた吸着除去剤及びその製造方法を提供すること。【解決手段】 ケイ酸アルミニウムを有効成分として含有することを特徴とするエンドトキシン吸着除去剤及びその製造方法。【選択図】 なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_エンドトキシン吸着除去剤及び製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_エンドトキシン吸着除去剤及び製造方法
出願番号:2004233602
年次:2010
IPC分類:B01J 20/16,C01B 33/26,A61K 9/18


特許情報キャッシュ

玉川 和彦 JP 4534087 特許公報(B2) 20100625 2004233602 20040810 エンドトキシン吸着除去剤及び製造方法 富田製薬株式会社 000237972 鈴江 武彦 100058479 河野 哲 100091351 中村 誠 100088683 蔵田 昌俊 100108855 峰 隆司 100075672 福原 淑弘 100109830 村松 貞男 100084618 橋本 良郎 100092196 玉川 和彦 20100901 B01J 20/16 20060101AFI20100812BHJP C01B 33/26 20060101ALI20100812BHJP A61K 9/18 20060101ALN20100812BHJP JPB01J20/16C01B33/26A61K9/18 B01J 20/00〜20/34 A61K 9/00〜9/72,47/00〜47/48 C01B 33/20〜39/54 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平07−284660(JP,A) 特表2003−516857(JP,A) 特開昭55−063652(JP,A) 特公昭49−030919(JP,B1) 2 2006051422 20060223 9 20070801 馳平 裕美 本発明は生体内に混入された場合、発熱を誘発する物質、即ち発熱性物質(パイロジェン)の除去に有効な吸着除去剤に関する。 特に、水、注射液、輸液、透析液、血液等の液体に混入しているエンドトキシンを吸着除去することに適したエンドトキシン吸着除去剤に関するものである。 また、本発明は、上記エンドトキシン吸着除去剤の製造方法にも関する。 エンドトキシンは、グラム陰性菌の細胞壁の表皮に相当する外膜構成成分の1種であり、溶菌するときや機械的に破壊されたとき、あるいは菌が分裂するときに溶液中に遊離される。 このようなエンドトキシンは、動物の血液中に混入すると発熱や炎症、さらにはショック死などの毒作用を引き起こすため、種々の操作により、これらエンドトキシンを除去する工夫がなされている。 例えば、エンドトキシンを除去あるいは失活させる方法として従来より、熱、酸、アルカリ等の処理というものがあるが、これらの方法は手間がかかり、エンドトキシンのみを除去する方法でないため、共存する有効成分なども除去あるいは失活させる可能性が高い。 従って、近年では、限外ろ過膜などによる分子量レベルでの除去や素材の吸着特性を生かした吸着剤などの開発が盛んとなっている。例えば、多孔質シリカゲルにアミノ基と疎水性基を有するシランカップリング剤を反応させて得られるアミノ基と疎水基を有する多孔質シリカゲル(例えば特許文献1参照。)、無機物表面にシリコンオイル、シリコンポリマー又はパラフィンを付着させた複合材(例えば特許文献2又は3参照。)、炭酸カルシウムをはじめとする水不溶性のカルシウム塩(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト)を吸着剤としたエンドトキシン吸着除去剤(例えば特許文献4参照。)、チタニアやジルコニアなどの酸化物セラミックスを吸着剤としたエンドトキシン吸着除去剤(例えば特許文献5参照。)等が開示されている。 しかし、これら吸着剤除去剤においては、エンドトキシンを吸着するために試料添加量が多く必要であり、高濃度エンドトキシン溶液や大量の溶液を処理するためには非常に多くの吸着除去剤又は大型の装置を用いなければならないなどの問題がある。特開平4−256434号公報(特許請求の範囲)特開平7−136506号公報(特許請求の範囲)特開平7−136507号公報(特許請求の範囲)特開平7−265691号公報(特許請求の範囲)特開平10−235188号公報(特許請求の範囲) 本発明の目的は、上記問題点を解決し、エンドトキシンに対する優れた吸着除去性を有する吸着除去剤、及びそのような吸着除去剤の製造方法を提供することである。 本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定のケイ酸アルミニウムを有効成分とする無機化合物がエンドトキシンを極めて有効に除去することを見出し、安価でエンドトキシン除去効率に優れた吸着除去剤を完成するに至った。また、本発明者は、ケイ素源としてコロイダルシリカを用いることにより、エンドトキシンを極めて有効に除去することができるケイ酸アルミニウムを製造できることを見出した。すなわち、本発明は、下記のエンドトキシン吸着除去剤及びその製造方法に係るものである。 項1.ケイ酸アルミニウムを有効成分として含有し、前記ケイ酸アルミニウムが水溶媒に分散させたときの界面動電位(ゼータ電位)が正電荷であることを特徴とするエンドトキシン吸着除去剤。 項2.アルミニウム塩及びケイ素源としてコロイダルシルカを用いて、ケイ酸アルミニウム共沈物を得る工程を含む項1のエンドトキシン吸着除去剤の製造方法。 本発明のエンドトキシン吸着除去剤は、エンドトキシンの吸着性能に優れ、エンドトキシンによる毒作用を効率よく軽減させることができる。 このような本発明のエンドトキシン吸着除去剤は、その活性成分が安価であることに加えて、少量でもエンドトキシン吸着除去作用を奏することができる。さらに、大型の装置等を用いることなく簡単な操作でエンドトキシンを吸着除去することができる。したがって、本発明の吸着除去剤を用いることにより、エンドトキシンフリーの水、注射液、輸液、透析液、血液等を安価に効率よく提供することができる。 また、本発明の製造方法によれば、エンドトキシンの吸着性能に優れ、エンドトキシンによる毒作用を効率よく軽減することのできるエンドトキシン吸着除去剤を製造することができる。 まず、本発明のエンドトキシン吸着除去剤が有効成分として含有するケイ酸アルミニウムについて詳細に説明する。 本発明のエンドトキシン吸着除去剤の有効成分であるケイ酸アルミニウムは、一般的にxAl2O3・SiO2・yH2Oの組成式で表されるケイ酸アルミニウムである。このケイ酸アルミニウムは、シリカ・アルミナの化合物であり、明確な結晶構造を示さないアモルファス状である。本発明で用いるケイ酸アルミニウムにおいて、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)との比(以下、「Al/Si比」ともいう)は、ケイ素とアルミニウムとの両者が存在し、かつ、エンドトキシンを吸着除去することができれば特に制限はない。具体的には、Al/Si比は、0を超える値から、50程度のものまで使用することができるが、一般的には、Al/Si比は、0.2程度から25付近までのものを使用することができる。なお、Al/Si比は、後述の実施例1に記載する二酸化珪素(SiO2)定量法及び酸化アルミニウム(Al2O3)定量法によりそれぞれ求めた二酸化珪素の重量と酸化アルミニウムの重量から求めたAlとSiとのモル比をいう。 本発明で用いるケイ酸アルミニウムは、これを精製水に分散させたときの界面動電位(ゼータ電位)(以下、単に「ゼータ電位」ともいう。)が正電荷であることが、特に、エンドトキシンの吸着除去性能を高める観点からは好ましい。本発明で用いるケイ酸アルミニウムが、そのゼータ電位が正電荷である場合にエンドトキシンとの吸着除去性能が高まる作用機序は必ずしも明らかではない。しかし、ゼータ電位が粒子表面付近の電位であることや、エンドトキシンの構造(O抗原部位、コア多糖部位及びリピドA部位から構成され、そのリピドA部位には長鎖脂肪酸がある)等から考えて、粒子表面付近の正電荷とエンドトキシンの脂肪酸残基の負イオンとの吸引力が作用機序の1つとして関っていると考えられる。この作用機序に基づけば、ケイ酸アルミニウムのゼータ電位は正の値が大きいほうが、吸着性能を高める上で好ましいことが予測される。また、本発明で用いるケイ酸アルミニウムは、COOH基を有する細菌由来物質(タイコ酸)などのものも吸着できることが予測される。 本発明において、ゼータ電位を精製水に分散させたときのものとしたのは、ゼータ電位は、分散媒中のイオン(水素イオンをはじめとする共存イオンの種類と量等)によって変化するからである。さらに、ゼータ電位は、水温、粘度等によっても変化し得る。したがって、本発明では、ゼータ電位の測定は、後述の実施例1に記載の条件下で測定するものとする。 なお、上述したとおり、粒子のゼータ電位は、それが分散される環境(水素イオンをはじめとする共存イオンの種類と量等)に依存して変化する。本発明で用いることのできるケイ酸アルミニウムとpHとの関係について述べると、ゼータ電位は、酸性側のpH値では正電荷の絶対値が大きく、pH値が酸性側からアルカリ性側になるにつれて、絶対値が小さくなり、0を経由し、その後、pH値が更にアルカリ性側へと移行するにしたがい、ゼータ電位は、負電荷となり、その絶対値が大きくなる。本発明のエンドトキシン吸着除去剤は、これを精製水に分散した場合のみならず、これを使用する環境(例えば、注射液、輸液、透析液等やこれらを調製するための水中)においても、正電荷を有することが、エンドトキシン吸着除去性能を発揮するために好ましい。 本発明で用いるケイ酸アルミニウムは、次の方法により製造することができるが、この製造方法により製造されるものに限定されるものではない。 本発明で用いるケイ酸アルミニウムの製造方法の一例として、アルミニウム源なる物質とケイ酸源となる物質とを室温で逐次滴下又は同時滴下して反応させる方法を挙げることができる。アルミニウム源としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムのようなアルミニウム塩やアルミン酸塩を使用することができる。一方、ケイ酸源としては、コロイダルシリカ、シリカのゾル、湿ったシリカゲル等、ケイ酸ナトリウム液(別名水ガラス)等を用いることができる。 上述したケイ酸源のうち、特に、コロイダルシリカを使用することにより、エンドトキシンの吸着除去性能がより高いケイ酸アルミニウムを製造することができる。その理由は、必ずしも明らかではないが、コロイド状のシリカに溶液状のアルミニウム塩を加えることにより、アルミニウム及びシリカ比が均一な組成となり、このような反応系で合成されたケイ酸アルミニウムは、その構造中にアルミニウム及びシリカが単独に存在することのない組成の均一なものが得られるからであると考えられる。一方、アルミニウム及びシリカが単独で存在しているような化合物では、シリカ等のゼータ電位が負であることから、総合的にゼータ電位が負となる可能性があり、その結果、エンドトキシン吸着能が低下すると推測される。 アルミニウム源とケイ酸源との反応時のpHは、3〜7が好ましく、特に4〜6付近が好ましい。極端な酸性又はアルカリ性ではAl及びSiの溶出が大きいからである。pHの調整には、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、炭酸ガスなどの酸又はアルカリとして消費されたときに残留イオンとケイ酸又はアルミニウムと反応しにくく、また、水洗などで容易に除去できるものがよい。 上述した工程を経て、本発明で使用するケイ酸アルミニウムが沈殿物として得られる。この沈殿物は、ろ過等により固液分離し、必要に応じて洗浄(例えば、水洗)及び乾燥をすることにより、乾燥状態にあるケイ酸アルミニウムが得られる。乾燥は、常法により行うことができるが、一例を挙げると、200℃以下、好ましくは40〜100℃で行うのがよい。 本発明の吸着除去剤は、有効成分であるケイ酸アルミニウムを粉末状態でそのまま、エンドトキシンを含有し得る液体(例えば、水、注射液、輸液、透析液、血液等)に添加して使用することができる(いわゆるバッチ法)。このバッチ法は、特に、高濃度のエンドトキシンを処理する場合に適切である。なお、法令の定め、その他の理由により、エンドトキシンを吸着した本発明の吸着除去剤を物理的に液体から除去することが必要な場合には、ろ過等により分離除去することが可能である。 一方、大量に連続的にエンドトキシンを除去する場合は、カラム法が適切であり、吸着除去剤をカラムに充填し、対象とする溶液等を本カラムを通過させればよい。 また、本発明の吸着除去剤は、必要に応じてセルロース系やアルギン酸系等の賦形剤を用いて造粒物のような吸着除去剤組成物とすることもできる。 さらに、本発明の吸着除去剤は、必要に応じて水やアルコールのような溶媒に分散し、これを不織布や紙などに漉いて、本剤を担持させて使用することもできる。 以下本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下に記載する実施例において、別段の断りがない限り、「%」は、重量%である。 (実施例1) 硫酸アルミニウム液(Al2O3として、約8%)400mLとコロイダルシリカ(SiO2として約20%、日産化学工業(株)製スノーテックス20(製品名)、以下の実施例においても同じ)37gを攪拌混合し、混合液を調製した。水200mLに上記混合液全量と水酸化ナトリウム(約48%)154gを約pH5となるように同時滴下した。 生成した沈殿物をろ過し、水で十分洗浄したのち取り出し、常法により乾燥して乾燥物を得た。 得られた乾燥物中の酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)及び二酸化ケイ素含有量(SiO2として)を以下の手順で分析しそれぞれ値を求めた。また、ゼータ電位測定装置(Nano-zs MALVERN社製)を用いて、本品0.1gを100mLの精製水に懸濁させた懸濁液(0.1%)の上澄み中のゼータ電位を測定した。なお、ゼータ電位の計算は、ヘンリーの式を用いた。結果、Al2O3として39.42%、SiO2として7.07%となり、モル比(Al/Si)=6.55であった。また、ゼータ電位は13.41mVであった。 <二酸化硅素(SiO2)定量法> 本品1.0gを正確に量り、希塩酸20mLを加えて、水浴上で蒸発乾固する。残留物を塩酸で潤し、再び蒸発乾固する。残留物に希塩酸5mLを加えてかき混ぜ、さらに熱湯20mLを加えてかき混ぜろ過する。ろ紙上の沈殿を熱湯でよく洗い、ろ紙と共に重量既知のるつぼに移し、加熱灰化し800℃で1時間強熱し、放冷した後重量を量りSiO2の量とする。 また、ろ液及び洗液を合わせ、水を加えて正確に250mLとした液を酸化アルミニウム定量用試料液とする。 <酸化アルミニウム(Al2O3)定量法> 前記試料液5mLを正確に量り、0.01M エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液30mLを正確に加え、pH4.8酢酸・酢酸アンモニウム緩衝液20mLを加えた後、5分間煮沸し、冷後、エタノール50mLを加え、0.01M酢酸亜鉛液で滴定する(指示薬:ジチゾン試液2mL)。ただし、滴定の終点は液の色が淡暗緑色から淡赤色に変わるときとする。同様の方法で空試験を行う。 0.01M エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液1mL=0.5098mg Al2O3 (実施例2) 硫酸アルミニウム液(Al2O3として、約8%)400mLとコロイダルシリカ(SiO2として約20%)12.5gを撹拌混合し、混合液を調製した。水200mLに上記混合液全量と水酸化ナトリウム(約48%)164gを約pH5となるように同時滴下した。 生成した沈殿物をろ過し、水で十分洗浄したのち取り出し、常法により乾燥して乾燥物を得た。 得られた乾燥物中の酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)、二酸化ケイ素含有量(SiO2として)及びゼータ電位を実施例1と同様の手順で分析しそれぞれ値を求めた。結果、Al2O3として41.19%、SiO2として2.31%となり、モル比(Al/Si)=21.79であった。また、ゼータ電位は14.81mVであった。 (実施利3) 硫酸アルミニウム液(Al2O3として、約8%)200mLとコロイダルシリカ(SiO2として約20%)500gを攪拌混合し、混合液を調製した。水200mLに上記混合液全量と水酸化ナトリウム(約48%)80gを約pH5となるように同時滴下した。 生成した沈殿物をろ過し、水で十分洗浄したのち取り出し、常法により乾燥して乾燥物を得た。 得られた乾燥物中の酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)、二酸化ケイ素含有量(SiO2として)及びゼータ電位を実施例1と同様の手順で分析しそれぞれ値を求めた。結果、Al2O3として13.16%、SiO2として66.83%となり、モル比(Al/Si)=0.23であった。また、ゼータ電位は12.00mVであった。 (実施例4) 塩化アルミニウム液(Al2O3として、約10%)423mLとコロイダルシリカ(SiO2として約20%)37gを攪拌混合し、混合液を調製した。水200mLに上記混合液全量と水酸化ナトリウム(約48%)182gを約pH5となるように同時滴下した。 生成した沈殿物をろ過し、水で十分洗浄したのち取り出し、常法により乾燥して乾燥物を得た。 得られた乾燥物中の酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)、二酸化ケイ素含有量(SiO2として)及びゼータ電位を実施例1と同様の手順で分析しそれぞれ値を求めた。結果、Al2O3として47.70%、SiO2として8.13%となり、モル比(Al/Si)=6.93であった。また、ゼータ電位は47.52mVであった。 (試験例1) 実施例1〜4品及び比較例として局方ケイ酸アルミニウム(実施例1と同様に酸化アルミニウム含有量(Al2O3として)及び二酸化ケイ素含有量(SiO2として)及びゼータ電位をもとめたところ、Al2O3として12.64%、SiO2として63.08%となり、モル比(Al/Si)=0.24であった。一方、ゼータ電位は-33.84mVであった)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及びヒドロキシアパタイトを用いてエンドトキシン吸着能を検討した。 <エンドトキシン吸着試験法> LPS(和光純薬工業(株)製 生化学用 リポポリサッカリド)5mgを精密に量り、注射用蒸留水を加えて溶かし、1000mLとする。この液200mLをメスシリンダーで量りとり、注射用蒸留水を加えて1000mLとし、エンドトキシン溶液とする。 200mLビーカーにエンドトキシン溶液100mLを加え、撹拌下各粉末試料を0.1g又は0.05g添加し、10分間撹拌する。10分後、0.2μmメンブランフィルターにてろ過し、ろ液を回収する。ろ液を注射用蒸留水を用いて正確に500倍又は5000倍希釈して試料液とする。 各試料液につき、日局、一般試験法、エンドトキシン試験法、光学的測定法のカイネティック−比色法により操作(装置:ウエルリーダSK601(生化学工業(株)製)波長:405nm)し、試料液中のエンドトキシン濃度を定量する。同様の方法で空試験を行い、初期のエンドトキシン濃度を求める。 以下の表1に試験結果を示す。 (試験例2) 実施例1〜4品について、試料添加量を変化させてエンドトキシン吸着能を検討した。なお、エンドトキシン吸着試験法は試験例1と同様の操作を行った。 以下の表2に試験結果を示す。 (結果) 試験例1及び2の結果からも明らかなように、本発明実施例1〜4におけるエンドトキシン吸着能は他の粉末(吸着剤)よりも非常に優れたものであり、0.05%という非常に極微量の吸着剤量で高濃度(630,000EU/L)のエンドトキシンを吸着し、容易にエンドトキシンを除去できるものであった。注射剤のエンドトキシン濃度は、250EU/L以下が要求されているところ、検出感度以下にまでエンドトキシン濃度を低下させることのできる本発明のエンドトキシン吸着除去剤は、この要求を十分に満足するものである。 ケイ酸アルミニウムを有効成分として含有し、前記ケイ酸アルミニウムが水溶媒に分散させたときの界面動電位(ゼータ電位)が正電荷であることを特徴とするエンドトキシン吸着除去剤。 アルミニウム塩及びケイ素源としてコロイダルシルカを用いて、ケイ酸アルミニウム共沈物を得る工程を含む請求項1のエンドトキシン吸着除去剤の製造方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る