タイトル: | 公開特許公報(A)_洗顔料 |
出願番号: | 2004205334 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C11D 9/26,A61K 8/00,A61Q 19/10 |
佐藤 範雄 JP 2006028229 公開特許公報(A) 20060202 2004205334 20040713 洗顔料 ポーラ化成工業株式会社 000113470 佐藤 範雄 C11D 9/26 20060101AFI20060106BHJP A61K 8/00 20060101ALI20060106BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20060106BHJP JPC11D9/26A61K7/50 9 OL 8 4C083 4H003 4C083AB032 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC241 4C083AC242 4C083AC421 4C083AC422 4C083AD041 4C083AD042 4C083CC23 4C083DD31 4C083EE01 4C083EE03 4C083EE07 4C083EE10 4H003AB04 4H003AC03 4H003DA02 4H003EB04 4H003EB05 4H003EB06 4H003FA01 本発明は化粧料に関し、更に詳細には、洗顔料に好適な化粧料に関する。 化粧料の内の洗顔料としては、脂肪酸のカリウム石鹸を主洗浄剤に用いたクリーム状の洗顔料が広く使用されている。これは、この様な剤形は起泡性に優れ、女性のように洗顔に於いて、直接化粧料を塗布するのではなく、泡立てた泡を用いて洗顔を行うのに好適であるからである。この様な剤形の必須構成要素としては、脂肪酸カリウム石鹸と、カリウム石鹸の板状の構造の間の親和性を高める、ポリオキシエチレン付加型或いはポリオキシプロピレン付加型の界面活性剤とが挙げられている。これらの界面活性剤が存在することにより、低温域でも石鹸の結晶化を防ぎ、高温域でも石鹸からの離水を防ぐことが出来る。しかしながら、近年になって、アルデヒドの種々の毒性が問いただされるにいたって、強アルカリの条件下に於けるポリオキシアルキレンの加水分解によるアルデヒドの発生可能性が示唆され、ポリアルキレンオキサイドフリーの洗顔料の開発が望まれている。 一方、ポリグリセリンの脂肪酸エステルを洗顔料に配合する技術としては、ポリグリセリンの脂肪酸エステルのみを界面活性剤(起泡剤)として、これを水性担体とともに刷毛で泡立ててエステティックの洗顔で用いる技術(例えば、特許文献1を参照)、脂肪酸石鹸とともに補助洗浄剤として配合する技術(例えば、特許文献2、特許文献3を参照)が存する。又、脂肪酸石鹸を含有する洗顔料に於いて、ポリグリセリンの脂肪酸エステルを増粘剤として含有させる技術も存する。(例えば、特許文献4を参照)しかしながら、1)脂肪酸石鹸と2)ポリグリセリンの脂肪酸エステルと3)ジグリセリンとを含有することを特徴とする、洗浄料は全く知られていないし、この様な構成を取ることにより、ポリオキシエチレン或いはポリオキシプロピレンなどのポリオキシアルキレンフリーで安定な洗顔料を提供することが出来ることは全く知られていなかった。特開2002−241263号公報特開2002−226359号公報特開2001−226228号公報特開2002−69486号公報 本発明は、この様な状況下為されたものであり、ポリオキシエチレン或いはポリオキシプロピレン付加物フリーの製剤であって、安定性に優れる、脂肪酸石鹸を含有するクリーム状の洗顔料を提供することを課題とする。 この様な状況に鑑みて、本発明者らは、ポリオキシエチレン或いはポリオキシプロピレン付加物フリーの製剤であって、安定性に優れる、脂肪酸石鹸を含有するクリーム状の洗顔料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)脂肪酸石鹸と2)ポリグリセリンの脂肪酸エステルと3)ジグリセリンとを含有する洗浄料がその様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。(1)1)脂肪酸石鹸と2)ポリグリセリンの脂肪酸エステルと3)ジグリセリンとを含有することを特徴とする、洗浄料。(2)前記脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸の含有量が、洗浄料全量に対して30〜60質量%であることを特徴とする、(1)に記載の洗浄料。(3)前記脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸に於いて、パルミチン酸の含有量が脂肪酸全量に対して10〜20質量%であり、ミリスチン酸の含有量が脂肪酸全量に対して5〜10質量%であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の洗浄料。(4)前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルとしてデカグリセリンの脂肪酸エステルを含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の洗浄料。(5)前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルとしてデカグリセリンの脂肪酸エステルがデカグリセリンモノラウレート及び/又はデカグリセリンモノオレートであることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の洗浄料。(6)前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルとして、少なくとも2種のポリグリセリンの脂肪酸エステルを1〜5質量%含有することを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の洗浄料。(7)前記ジグリセリンの含有量が、1〜5質量%であることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の洗浄料。(8)クリーム状の洗顔料であることを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の洗浄料。(9)ポリエチレンオキシド付加物フリーであることを特徴とする、(1)〜(8)何れか1項に記載の洗浄料。 本発明によれば、ポリオキシエチレン或いはポリオキシプロピレン付加物フリーの製剤であって、安定性に優れる、脂肪酸石鹸を含有するクリーム状の洗顔料を提供することができる。(1)本発明の洗浄料の必須成分である脂肪酸石鹸 本発明の洗浄料は脂肪酸石鹸を含有することを特徴とする。本発明の洗浄料に於ける脂肪酸石鹸としては、通常化粧料で使用されるものであれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸などのアルカリ塩が好ましく例示できる。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。特に好ましい塩はアルカリ金属塩であり、特にカリウム塩が好ましい。又、脂肪酸としては、パルミチン酸の含有量が脂肪酸全量に対して10〜20質量%であり、ミリスチン酸の含有量が脂肪酸全量に対して5〜10質量%であることが好ましく、脂肪酸の平均分子量が240〜250になるように脂肪酸組成を調整することが好ましい。又、その脂肪酸の中和率は65〜75%が特に好ましい。この様な条件に設定することにより、脂肪酸石鹸と後記ポリグリセリンの脂肪酸エステルの親和性が適当となり、40℃程度の高温保存下でも、5℃程度の低温保存下でも安定なクリーム状態が維持できる。本発明の洗浄料に於いては、かかる脂肪酸石鹸は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の洗浄料に於けるかかる脂肪酸石鹸の好ましい含有量は、総量で洗浄剤全量に対して、30〜50質量%であり、より好ましくは35〜45質量%である。この範囲内に於いて、洗浄性の良さと、安定性の良さをともに充足する製剤が得られる。(2)本発明の洗浄料の必須成分であるポリグルセリンの脂肪酸エステル 本発明の洗浄料は、必須成分としてポリグリセリンの脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。本発明の洗浄料で使用できるポリグリセリンの脂肪酸エステルとしては、洗浄料で使用されているものであれば特段の限定無く使用することが出来るが、これを構成するポリグリセリン部分としては、グリセリンの重合度が5〜15のものが好ましく、7〜12のものが特に好ましい。これは、親水性界面活性剤としての役割をポリグリセリンの脂肪酸が担うことが好ましいため、親水性界面活性剤として作用するだけの親水基部分が存することが好ましいためである。又、脂肪酸残基としては、通常知られているものであれば、特段の限定無く使用することが出来、例えば、炭素数10〜30の直鎖脂肪酸残基、分岐鎖を有する脂肪酸残基、環状構造を有する脂肪酸残基、不飽和結合を有する脂肪酸残基などが好ましく例示でき、具体的には、例えば、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基、イソステアリン酸残基、オクチルドデカン酸残基、オレイン酸残基、リノール酸残基、リノレイン酸残基などが好ましく例示できる。より好ましいものとしては、ラウリン酸残基或いはオレイン酸残基などが例示できる。又、1分子あたりの平均の脂肪酸残基の存在数は、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。本発明の洗浄料では、かかるポリグリセリンの脂肪酸エステルは、唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。より好ましい形態は、前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルを少なくとも2種含有させる形態であり、かかる二種以上には脂肪酸残基の異なるものを共存させることが好ましい。特に好ましい形態は、デカグリセリンモノオレートとデカグリセリンモノラウレートを等量含有する形態である。この様なポリグリセリンの脂肪酸エステルは、ポリグリセリンをアルカリ存在下酸クロリドなどを用いてアシル化することにより製造することが出来る。又、既に化粧料原料として市販されているものを購入して利用することも出来る。この様な市販品としては、ジグリセリンモノオレートであるニッコールDGMO(日光ケミカルズ株式会社製)、ジグリセリンテトラオレートである、SYグリスター024P(坂本製薬株式会社製)、ヘキサグリセリンモノオレートである、SYグリスターMO−500(坂本製薬株式会社製)、デカグリセリンモノオレートである、ニッコールデカグリO−1(日光ケミカルズ株式会社製)、デカグリセリンジオレートであるSYグリスターSO−750(坂本製薬株式会社製)、デカグリセリンモノラウレートである、SYグリスターML750(坂本製薬株式会社製)等が存する。本発明の洗浄料に於ける、前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルの好ましい含有量は、総量で、洗浄料全量に対して、0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。これは、少なすぎると、安定性を損なう場合が存し、多すぎると石鹸の起泡性を損なう場合が存するためである。(3)本発明の洗浄料の必須成分であるジグリセリン 本発明の洗浄料はジグリセリンを含有することを特徴とする。本発明の洗浄料に於いて、ジグリセリンは、前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルと脂肪酸石鹸との親和性を高める作用を有する。これにより、低温下で洗浄料が固化したり、脂肪酸石鹸が結晶を形成したりするのを防ぐ作用を有する。本発明の洗浄料に於ける、かかるジグリセリンの好ましい含有量は、洗浄料全量に対して、1〜10質量%であり、より好ましくは2〜8質量%である。(4)本発明の洗浄料 本発明の洗浄料は、前記必須成分を含有することを特徴とする。洗浄料としては、化粧両分野で既に知られているものであれば特段の限定無く適用することが出来、例えば、洗顔料、ボディークレンジング、ハンドウォッシュなどが例示できるが、その使用形態から洗顔料に適用することが特に好ましい。本発明の洗浄料に於いては、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。特に好ましいものは、グリセリンであり、このものは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%含有することが好適である。又、ポリオキシエチレン付加物やポリオキシプロピレン付加物などを含有しても本発明の洗浄剤の安定性や、起泡性は損なわれないので、かかる成分を含有することも出来るが、これらの成分のマイナス面を回避できる意味で、この様な成分を含まない、ポリオキシエチレン付加物フリー或いはポリオキシプロピレン付加物フリーの形態であることが、本発明の洗浄料は好ましい。これらの任意成分と、前記必須成分とを常法に従って処理することにより、本発明の洗浄料は製造することが出来る。 以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。 以下に示す処方に従って、本発明の洗浄剤である洗顔料を製造した。即ち、イ、ロの成分を80℃に加熱し、可溶化し、攪拌下イにロを加え、減圧下で攪拌、冷却して洗顔料1を得た。(このものの中和率は71.4%)イ)ステアリン酸 20 質量%パルミチン酸 7 質量%ミリスチン酸 4 質量%ラウリン酸 13 質量%ベヘニルアルコール 1 質量%デカグリセリンモノラウレート 1 質量%(SYグリスターML750;坂本製薬株式会社製)デカグリセリンモノオレート 1 質量%(ニッコールデカグリO−1:日光ケミカルズ株式会社製)グリセリン 13 質量%ジグリセリン 7 質量%ロ)水酸化カリウム 8.3質量%1,3−ブタンジオール 5 質量%水 20 質量%<試験例1> 洗顔料1、洗顔料1のデカグリセリンモノラウレートとデカグリセリンモノオレートとをポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーに置換した比較例1、ジグリセリンをグリセリンに置換した比較例2を作成し、40℃、5℃で1ヶ月間の保存試験を行った。結果は、洗顔料1と比較例1はともに、性状に変化がなく、比較例2は40℃に於いて離水と5℃においてブツの析出が観察された。洗顔料1はポリオキシアルキレンオキシド付加物を含有しなくとも、含有しているものと同程度の安定性を有することが判る。<試験例2> 試験例1の洗顔料1、比較例1及び比較例2を用いて起泡性試験を行った。即ち、洗浄料1gに水99gを加え、ミキサーで30秒混合し、その10分後に泡の容積を測定した。結果は、洗顔料1が481ml、比較例1が428ml、比較例2が354mlであった。本発明の洗浄料が起泡性に優れることが判る。 実施例1と同様に下記の処方に従って、本発明の洗浄料である、洗顔料2を製造した。このものの安定性は40℃、1ヶ月、5℃、1ヶ月でも安定であり、良好であった。又、起泡性試験結果は443mlで2種のポリグリセリンの脂肪酸エステルを含有することが好ましいことが判った。イ)ステアリン酸 20 質量%パルミチン酸 7 質量%ミリスチン酸 4 質量%ラウリン酸 13 質量%ベヘニルアルコール 1 質量%デカグリセリンモノラウレート 2 質量%(SYグリスターML750;坂本製薬株式会社製)グリセリン 13 質量%ジグリセリン 7 質量%ロ)水酸化カリウム 8.3質量%1,3−ブタンジオール 5 質量%水 20 質量%(中和率71.4%) 実施例1と同様に下記の処方に従って、本発明の洗浄料である、洗顔料3を製造した。このものの安定性は40℃、1ヶ月、5℃、1ヶ月でも安定であり、良好であった。又、起泡性試験結果は467mlであった。イ)ステアリン酸 20 質量%パルミチン酸 7 質量%ミリスチン酸 4 質量%ラウリン酸 13 質量%ベヘニルアルコール 1 質量%デカグリセリンモノラウレート 1 質量%(SYグリスターML750;坂本製薬株式会社製)デカグリセリンジオレート 1 質量%(SYグリスターSO−750:坂本製薬株式会社製)グリセリン 13 質量%ジグリセリン 7 質量%ロ)水酸化カリウム 8.3質量%1,3−ブタンジオール 5 質量%水 20 質量%(中和率71.4%) 本発明は、洗顔料に応用できる。1)脂肪酸石鹸と2)ポリグリセリンの脂肪酸エステルと3)ジグリセリンとを含有することを特徴とする、洗浄料。前記脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸の含有量が、洗浄料全量に対して30〜60質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄料。前記脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸に於いて、パルミチン酸の含有量が脂肪酸全量に対して10〜20質量%であり、ミリスチン酸の含有量が脂肪酸全量に対して5〜10質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄料。前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルとしてデカグリセリンの脂肪酸エステルを含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の洗浄料。前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルとしてデカグリセリンの脂肪酸エステルがデカグリセリンモノラウレート及び/又はデカグリセリンモノオレートであることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の洗浄料。前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルとして、少なくとも2種のポリグリセリンの脂肪酸エステルを1〜5質量%含有することを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の洗浄料。前記ジグリセリンの含有量が、1〜5質量%であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の洗浄料。クリーム状の洗顔料であることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の洗浄料。ポリエチレンオキシド付加物フリーであることを特徴とする、請求項1〜8何れか1項に記載の洗浄料。 【課題】 ポリオキシエチレン或いはポリオキシプロピレン付加物フリーの製剤であって、安定性に優れる、脂肪酸石鹸を含有するクリーム状の洗顔料を提供する。 【解決手段】 1)脂肪酸石鹸と2)ポリグリセリンの脂肪酸エステルと3)ジグリセリンとを、洗浄料に含有させる。前記脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸の含有量は、洗浄料全量に対して30〜60質量%であることが好ましく、前記脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸に於いて、パルミチン酸の含有量が脂肪酸全量に対して10〜20質量%であり、ミリスチン酸の含有量が脂肪酸全量に対して5〜10質量%であることが好ましく、前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルとしてデカグリセリンの脂肪酸エステルを含有することが好ましい。 【選択図】 なし