タイトル: | 特許公報(B2)_5−アミノレブリン酸の製造法 |
出願番号: | 2004158744 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C12N 1/21,C12P 13/00,C12N 15/09,C12R 1/15 |
丸山 明彦 米谷 良之 田中 徹 西川 誠司 JP 4520219 特許公報(B2) 20100528 2004158744 20040528 5−アミノレブリン酸の製造法 協和発酵バイオ株式会社 308032666 コスモ石油株式会社 000105567 特許業務法人特許事務所サイクス 110000109 丸山 明彦 米谷 良之 田中 徹 西川 誠司 20100804 C12N 1/21 20060101AFI20100715BHJP C12P 13/00 20060101ALI20100715BHJP C12N 15/09 20060101ALN20100715BHJP C12R 1/15 20060101ALN20100715BHJP JPC12N1/21C12P13/00C12N15/00 AC12P13/00C12R1:15 C12N 1/21 C12P 13/00 C12N 15/09 C12R 1/15 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq PubMed CiNii 特開平09−173071(JP,A) 特開2003−135066(JP,A) 特開2003−204783(JP,A) 特開2003−250553(JP,A) 国際公開第03/074721(WO,A1) 特開2003−284579(JP,A) 国際公開第03/095660(WO,A1) 特開2004−000092(JP,A) 19 2005333907 20051208 15 20060703 太田 雄三 本発明は、5-アミノレブリン酸の製造法に関する。 5-アミノレブリン酸はテトラピロール化合物の前駆体として、動植物を問わず広く生体内に存在し、除草剤、成長促進剤、耐塩性向上剤への利用が可能で、しかも人畜に対して毒性を示さない等の優れた特性を有する化合物である。 5-アミノレブリン酸の製造法としては、化学合成法、微生物を用いる方法等が知られている。 微生物を用いる方法においては、例えば、3リットル容の発酵槽を用いて光合成細菌の変異株を培養し、さらにグリシンを添加し、50時間目に60mmol/lの5−アミノレブリン酸が蓄積されたことが知られている(特許文献1参照)。また、2.5リットル容の発酵槽を用いて光合成細菌に由来する5-アミノレブリン酸合成遺伝子を大腸菌に導入して得られる形質転換体を培養し、12時間目に39mmol/lの5−アミノレブリン酸が蓄積されたことが報告されている(非特許文献1参照)。その他、光合成細菌に由来する5-アミノレブリン酸合成遺伝子を光合成細菌に導入して得られる形質転換体を用いる発酵法(特許文献2参照)等が知られているが、いずれの方法も製造コストが高く、5-アミノレブリン酸を安価に供給するためには、さらに生産性を向上させる必要がある。 コリネバクテリウム属に属する微生物を用いた5-アミノレブリン酸の製造法は知られていない。特開平11−42083号公報特開平9−173071号公報Applied Microbiology & Biotechnology, 2003年,第63巻, p.267-273 本発明の目的は、5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAを有する形質転換体、および該形質転換体を用いる5-アミノレブリン酸の製造法を提供することにある。 本発明は、以下の(1)〜(21)に関する。(1) 光合成細菌に由来するDNAであって、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム(Corynebacterium)属に属する微生物に導入して得られる形質転換体。(2) 光合成細菌が、ロドバクター(Rhodobacter)属に属する微生物である、上記(1)の形質転換体。(3) 光合成細菌が、ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)に属する微生物である、上記(1)の形質転換体。(4) 配列番号1、5、7または9で表される塩基配列を有するDNAをコリネバクテリウム属に属する微生物に導入して得られる形質転換体。(5) 配列番号1、5、7または9で表される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム属に属する微生物に導入して得られる形質転換体。(6) 配列番号1、5、7または9で表される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、光合成細菌に由来するDNAである、上記(5)の形質転換体。(7) 配列番号1、5、7または9で表される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、ロドバクター属に属する微生物に由来するDNAである、上記(5)の形質転換体。(8) 配列番号1、5、7または9で表される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、ロドバクター・スフェロイデスに属する微生物に由来するDNAである、上記(5)の形質転換体。(9) 配列番号2、6、8または10で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム属に属する微生物に導入して得られる形質転換体。(10) 配列番号2、6、8または10で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム属に属する微生物に導入して得られる形質転換体。(11) DNAが、光合成細菌に由来するDNAである、上記(9)または(10)の形質転換体。(12) DNAが、ロドバクター属に属する微生物に由来するDNAである、上記(9)または(10)の形質転換体。(13) DNAが、ロドバクター・スフェロイデスに属する微生物に由来するDNAである、上記(9)または(10)の形質転換体。(14) コリネバクテリウム属に属する微生物が、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に属する微生物である、上記(1)〜(13)のいずれか1つの形質転換体。(15) コリネバクテリウム属に属する微生物が、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株である、上記(1)〜(13)のいずれか1つの形質転換体。(16) コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032/pAM7株。(17) 上記(1)〜(16)のいずれか1つの形質転換体を培地に培養し、培養物中に5-アミノレブリン酸を生成蓄積させ、該培養物から5-アミノレブリン酸を採取することを特徴とする5-アミノレブリン酸の製造法。(18) 培地にグリシンを添加することを特徴とする、上記(17)の製造法。(19) 上記(1)〜(16)のいずれか1つの形質転換体の培養物または該培養物の処理物およびグリシンを水性媒体中に存在せしめ、該媒体中に5-アミノレブリン酸を生成、蓄積させ、該媒体から5-アミノレブリン酸を採取することを特徴とする5-アミノレブリン酸の製造法。(20) 水性媒体中にグルコースを存在せしめることを特徴とする、上記(19)の製造法。(21) 培養物の処理物が、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物または該菌体の固定化物であることを特徴とする、上記(19)の製造法。 本発明により、工業的に有利な、5-アミノレブリン酸の製造法を提供することができる。 本発明において、5-アミノレブリン酸合成酵素は、光合成細菌に由来し、グリシンおよびスクシニル-CoAから5-アミノレブリン酸を生成する酵素活性、すなわち5-アミノレブリン酸合成酵素(EC 2.3.1.37)活性を有するポリペプチドであれば、いずれのポリペプチドも用いることができる。以下、5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドを、5-ALA合成ポリペプチドと略す。 光合成細菌としては、光エネルギーを用いて光合成無機栄養または光合成有機栄養によって生育する細菌であれば、いずれの細菌であってもよい。例えば、ロドバクター(Rhodobacter)属、ロドスピリルム(Rhodospirillum)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、クロマティウム(Chromatium)属、エクトチオロドスピラ(Ectothiorhodospira)属、クロロビウム(Chlorobium)属、プロステコクロリス(Prosthecochloris)属、クロロフレクサス(Chloroflexus)属、クロロネマ(Chloronema)属、およびヘリコバクテリウム(Helicobacterium)属に属する微生物があげられるが、好ましくは、ロドバクター属に属する微生物があげられる。 ロドバクター属に属する微生物としては、ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)、ロドバクター・カプスラタス(Rhodobacter capsulatus)、ロドバクター・スルフィドフィラス(Rhodobcter sulfidophillus)、ロドバクター・アドリアティカス(Rhodobacter adriaticus)、ロドバクター・ベルドカンピー(Rhodobacter veldkampii)等に属する微生物があげられるが、ロドバクター・スフェロイデスに属する微生物が、好ましくあげられる。 上記微生物から得られる5-ALA合成ポリペプチドとしては、例えば、ロドバクター・スフェロイデスの有する配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド(特開平9−173071)および配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、ロドバクター・カプスラタスに属する微生物の有する配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)に属する微生物の有する配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド等をあげることができる。 5-ALA合成ポリペプチドとしては、5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有していれば、5-ALA合成ポリペプチドの有するアミノ酸配列に1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであってもよく、例えば、配列番号2、6、8または10で表されるアミノ酸配列に、1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドをあげることができる。 5-ALA合成ポリペプチドの有するアミノ酸配列に1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドは、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)(以下、モレキュラー・クローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons (1987-1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)、Nucleic Acids Research, 10, 6487 (1982)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 79, 6409(1982)、Gene, 34, 315 (1985)、Nucleic Acids Research, 13, 4431 (1985)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 488 (1985)等に記載の部位特異的変異導入法を用いて、5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAに部位特異的変異を導入することにより、取得することができる。 欠失、置換または付加されるアミノ酸の数は特に限定されないが、上記の部位特異的変異法等の周知の方法により欠失、置換または付加できる程度の数であり、1個から数十個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。 5-ALA合成ポリペプチドの有するアミノ酸配列において1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたとは、同一配列中の任意かつ1または複数のアミノ酸配列中の位置において、1または複数のアミノ酸の欠失、置換または付加があることを意味し、欠失、置換または付加が同時に生じてもよい。 置換または付加されるアミノ酸は天然型と非天然型とを問わない。 天然型アミノ酸としては、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−アルギニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、L−システインなどがあげられる。 以下に、相互に置換可能なアミノ酸の例を示す。同一群に含まれるアミノ酸は相互に置換可能である。 A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2-アミノブタン酸、メチオニン、O-メチルセリン、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2-アミノアジピン酸、2-アミノスベリン酸 C群:アスパラギン、グルタミン D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4-ジアミノブタン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸 E群:プロリン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン F群:セリン、スレオニン、ホモセリン G群:フェニルアラニン、チロシン また、5-ALA合成ポリペプチドに1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を有するポリペプチドが、5-アミノレブリン酸合成酵素を有するためには、欠失、置換若しくは付加前のポリペプチドと、少なくとも60%以上、通常は80%以上、特に95%以上の相同性を有していることが好ましい。 アミノ酸配列や塩基配列の相同性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST〔Pro. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 5873(1993)〕 やFASTA〔Methods Enzymol., 183, 63 (1990)〕を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTNやBLASTXとよばれるプログラムが開発されている 〔J. Mol. Biol., 215, 403(1990)。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメータは例えばScore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメータは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。 5-ALA合成ポリペプチドの5-アミノレブリン酸合成酵素活性は、例えば、特開平9-173071記載の方法に準じて、グリシン、スクシニルCoA等を含有する溶液中に該ポリペプチドを添加し、生成する5-アミノレブリン酸の生成量を定量することにより測定することができる。 5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAとしては、光合成細菌に由来するDNAであって、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAであれば、いずれのDNAであってもよく、例えば、ロドバクター・スフェロイデス由来の、配列番号2で表されるアミノ酸配列をコードする配列番号1で表される塩基配列を有するDNA(特開平9-173071)、配列番号6で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする配列番号5で表される塩基配列を有するDNA、ロドバクター・カプスラタスに属する微生物に由来する、配列番号8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする配列番号7で表される塩基配列を有するDNA、ロドシュードモナス・パルストリスに属する微生物に由来する、配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする配列番号9で表される塩基配列を有するDNA等があげられる。 また、5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAも、5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAとしてあげることができる。 5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとは、例えば、5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAの一部、または全部をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0 mol/lの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150 mmol/l塩化ナトリウム、15 mmol/lクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAをあげることができる。 ハイブリダイゼーションは、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1: Core Techniques, A Practical Approach, Second Edition, Oxford University (1995)等に記載されている方法に準じて行うことができる。 5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、上記BLASTやFASTA等を用いて計算したときに、塩基配列が、該5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と75%以上の相同性を有するDNA、好ましくは80 %以上の相同性を有するDNA、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するDNAをあげることができる。 5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAは、上記の光合成細菌に由来するものが好ましく用いられる。 光合成細菌は、いずれの光合成細菌であってもよいが、好ましくはロドバクター属に属する微生物があげられ、さらに好ましくはロドバクター・スフェロイデスに属する微生物があげられる。 上記微生物を公知の方法〔例えば、Mol. Microbiol., 20, 833 (1996)に記載の方法〕により培養し、培養後、公知の方法(例えば、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーに記載の方法)により、該微生物の染色体DNAを単離精製する。 単離精製した染色体DNAを用いて、モレキュラー・クローニング第2版やカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1: Core Techniques, A Practical Approach, Second Edition, Oxford University Press (1995)等に記載された方法に準じてDNAライブラリーを作製する。 DNAライブラリーを作製するためのクローニングベクターとしては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12株中で自立複製できるものであれば、ファージベクター、プラスミドベクター等いずれでも使用できる。具体的には、ZAP Express〔ストラタジーン社製、Strategies, 5, 58 (1992)〕、λzap II(ストラタジーン社製)、λgt10、λgt11〔DNA Cloning, A Practical Approach, 1, 49 (1985)〕、λ TriplEx(クローンテック社製)、λExCell(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)、 pBluescript II KS(-)、pBluescript II SK(+)〔ストラタジーン社製、Nucleic Acids Research, 17, 9494 (1989)〕、 pUC18〔Gene, 33, 103 (1985)〕等をあげることができる。 DNAを組み込んだベクターをエシェリヒア・コリに属する微生物に導入する。 エシェリヒア・コリに属する微生物としては、エシェリヒア・コリに属する微生物であればいずれでも用いることができる。具体的には、エシェリヒア・コリXL1-Blue MRF' 〔ストラタジーン社製、Strategies, 5, 81 (1992)〕、エシェリヒア・コリ C600 〔Genetics、39, 440 (1954)〕、エシェリヒア・コリ Y1088 〔Science, 222, 778 (1983)〕、エシェリヒア・コリ Y1090 〔Science, 222, 778 (1983)〕、エシェリヒア・コリ NM522 〔J. Mol. Biol., 166, 1 (1983)〕、エシェリヒア・コリ K802 〔J. Mol. Biol., 16, 118 (1966)〕、エシェリヒア・コリ JM109 〔Gene, 38, 275 (1985)〕 、エシェリヒア・コリ DH5α〔J. Mol. Biol., 166, 557 (1983)〕等をあげることができる。モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1: Core Techniques, A Practical Approach, Second Edition, Oxford University (1995)等の実験書に記載されているコロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンハイブリダイゼーション法等により、得られたDNAライブラリーから目的とするクローンを取得することができる。 ハイブリダイゼーションに用いるDNAプローブとしては、5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAまたはその一部、該DNAの塩基配列をもとに合成したDNA等を利用して設計したDNAプライマーを用いてPCRなどにより取得したDNA断片などをあげることができる。例えば、配列番号1で表される塩基配列をもとに設計した配列番号3および4でそれぞれ表される塩基配列を有するDNAを、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成し、該合成DNAをプライマーとして、ロドバクター・スフェロイデスに属する微生物から取得したDNA断片などを例示することができる。 取得したDNAをそのまま、あるいは適当な制限酵素などで切断後、常法によりベクターに組み込み、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばABI377DNAシークエンサー(パーキン・エルマー社製)等を用いたジデオキシ法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463 (1977)〕により、該DNAの塩基配列を決定する。 さらに、決定された塩基配列に基づいたプライマーを調製し、染色体DNAを鋳型として、PCR法〔PCR Protocols, Academic Press (1990)〕により、目的とするDNAを取得することができる。 また、決定されたDNAの塩基配列に基づいて、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成することにより目的とするDNAを調製することもできる。 上記のようにして取得される5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAとして、例えば、配列番号1で表される塩基配列を有するDNAをあげることができる。 得られた5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム属に属する微生物に導入することにより、本発明の5-アミノレブリン酸の製造法に用いられる形質転換体を作製することができる。 5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム属に属する微生物に導入する方法としては、該DNAを適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入して組換え体DNAを作製し、該組換え体DNAをコリネバクテリウム属に属する微生物に導入する方法をあげることができる。 コリネバクテリウム属に属する微生物としては、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum) ATCC13032、コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13869等のコリネバクテリウム・グルタミカム、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes) ATCC6872、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス ATCC21170等のコリネバクテリウム・アンモニアゲネス、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum) ATCC13870等のコリネバクテリウム・アセトアシドフィラムに属する微生物等をあげることができるが、コリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物が好ましく用いられる。コリネバクテリウム属に属する微生物への組換え体DNAの導入方法としては、該微生物へDNAを導入できる方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69, 2110 (1972)〕、プロトプラスト法(特開昭63-248394)、電気穿孔(エレクトロポレーション)法〔Nucleic Acids Res., 16, 6127 (1988)〕等をあげることができる。 発現ベクターとしては、コリネバクテリウム属に属する微生物中で自立複製でき、5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNAを転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。 発現ベクターとしては、ファージベクター、プラスミドベクター等、いずれのベクターも用いることができ、例えば、pCG1(特開昭57−134500)、pCG2(特開昭58−35197)、pCG4(特開昭57−183799)、pCG11(特開昭57−134500)、pRlyjiB(再表2000−44886)等をあげることができる。 プロモーターとしては、コリネバクテリウム属に属する微生物中で機能するものであればいかなるものでもよい。例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロモーター(Plac)、PLプロモーター、PRプロモーター、PSEプロモーター等の、エシェリヒア・コリに属する微生物やファージ等に由来するプロモーター、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター、p54-6プロモーター等をあげることができるが、p54-6プロモーターが好ましく用いられる。またPtrpを2つ直列させたプロモーター、tacプロモーター、lacT7プロモーター、let Iプロモーターのように人為的に設計改変されたプロモーター等も用いることができる。 組換え体DNAはコリネバクテリウム属に属する微生物中で自立複製可能であると同時に、上記プロモーター、リボソーム結合配列、5-ALA合成ポリペプチドをコードするDNA、転写終結配列より構成された組換え体DNAであることが好ましい。プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。 リボソーム結合配列であるシャイン−ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列と開始コドンとの間は、適当な距離(例えば6〜18塩基)を有していることが好ましい。 転写終結配列は必ずしも必要ではないが、構造遺伝子の直下に転写終結配列を配置することが好ましい。 このような組換え体DNAとしては、例えば、実施例に示すプラスミドpAM7をあげることができる。 上記方法によって得られる形質転換体(以下、本発明の形質転換体と称す)としては、例えば実施例に示すコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032/pAM7株をあげることができる。 本発明の形質転換体は、そのまま5−アミノレブリン酸の製造に用いてもよいが、例えば、N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)による突然変異処理(微生物実験マニュアル、1986年、131頁、講談社サイエンティフィック社)等の突然変異処理等を行ない、5−アミノレブリン酸合成酵素活性の向上した形質転換体を用いてもよい。 本発明の形質転換体を培地に培養し、培養物中に5−アミノレブリン酸を生成、蓄積させ、該培養物から5−アミノレブリン酸を採取することにより、5−アミノレブリン酸を製造することができる。 培地としては、本発明の形質転換体が資化することのできる炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、該形質転換体が生育でき、かつ目的とする5−アミノレブリン酸の生産が効率的に行なえる培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。 炭素源としては、例えばグルコース、フラクトース、シュークロース、糖蜜、澱粉、澱粉加水分解物等の炭水化物、グルコン酸、ピルビン酸、乳酸、酢酸等の有機酸、グリシン、グルタミン酸、アラニン、アスパラギン酸等のアミノ酸など、該形質転換体が資化可能なものであればいずれでも用いられる。濃度は0.5〜40重量%が好ましい。 窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の各種無機および有機アンモニウム塩、尿素、ペプトン、NZアミン、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、フィッシュミールまたはその消化物等の窒素含有有機物、グリシン、グルタミン酸等の各種アミノ酸等、種々のものが用いられる。濃度は通常0. 1〜10重量%である。 無機物としてはリン酸二水素カリウム、リン酸一水素カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、炭酸カルシウムなどが用いられる。 必要に応じて、さらにアミノ酸、核酸、ビタミン等を添加してもよい。 培地中にグリシンを添加すると、5−アミノレブリン酸の生産性が向上することから好ましい。グリシンの添加量は、培地中の濃度が0.5〜20重量%となるように添加することが好ましい。グリシンの添加は、培養開始時、培養途中のいずれの時期であってもよく、必要量を一度に添加してもよいし、分割して添加してもよい。 また、上記製造法においては、微生物を用いる5-アミノレブリン酸の製造法において一般的に培地等に添加されるレブリン酸を特に添加する必要はないが、必要に応じて添加してもよい。 培養は、振盪培養または通気攪拌培養などの好気的条件下で行われる。培養温度は20〜40℃が好ましく、培養期間は通常、12〜96時間である。培地のpHはアンモニア水、尿素液、水酸化ナトリウム溶液等を用いて、pH 7付近に保つことが好ましい。 プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた組換え体DNAを用いてDNAを導入した形質転換体を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた組換え体DNAを用いてDNAを導入した形質転換体を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた組換え体DNAを用いてDNAを導入した形質転換体を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。 生成した5-アミノレブリン酸は、例えばエーリッヒ試薬を用いた比色定量法〔Journal of Biological Chemistry, 219, 435 (1956)〕により定量することができる。 培養終了後の培養液からの5-アミノレブリン酸の採取は、必要に応じて遠心分離等により該培養液から菌体等の不溶成分を除いた後、例えば、活性炭を用いる方法、イオン交換樹脂を用いる方法、結晶化法、沈殿法等の方法を単独でまたは組み合わせることによって行うことができる。 5-アミノレブリン酸の製造法としては、上記方法の他に、本発明の形質転換体の培養物または該培養物の処理物およびグリシンを水性媒体中に存在せしめ、該媒体中に5-アミノレブリン酸を生成、蓄積させ、該媒体から5-アミノレブリン酸を採取する方法もあげることができる。 培養物としては、上記の培養法により得られる本発明の形質転換体の培養物があげられる。 培養物の処理物としては、該形質転換体の培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、該培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の固定化物等をあげることができる。 形質転換体の培養物の濃縮、該培養物の乾燥、該培養物の遠心分離、培養物を遠心分離して得られる菌体の乾燥、該菌体の凍結乾燥、該菌体の界面活性剤処理、該菌体の超音波処理、該菌体の機械的摩砕処理、該菌体の溶媒処理、該菌体の酵素処理、該菌体の固定化等の処理は公知の方法に準じて行なうことができる。 水性媒体としては、5-アミノレブリン酸の生成反応を阻害しない限り、いかなる成分、組成の水性媒体であってもよく、例えば、水、りん酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ほう酸塩、クエン酸塩、トリスなどの緩衝液などをあげることができる。また、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトンなどのケトン類、アセトアミドなどのアミド類を含有していてもよい。 水性媒体としては、本発明の形質転換体を培養するための上記培地、該形質転換体を該培地に培養して得られる培養液も用いることができる。 また、必要に応じて、スクシニル-CoAの供給源として、スクシニル-CoAまたは形質転換体が代謝してスクシニル-CoAを生産し得る化合物、例えばグルコースのような糖類、エタノールのようなアルコール類、酢酸のような有機酸類などを水性媒体中に加えてもよい。 さらに必要に応じて、水性媒体中に界面活性剤あるいは有機溶媒を添加してもよい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・オクタデシルアミン(例えばナイミーンS-215、日本油脂社製)などの非イオン界面活性剤、セチルトリメチルアンモニウム・ブロマイドやアルキルジメチル・ベンジルアンモニウムクロライド(例えばカチオンF2-40E、日本油脂社製)などのカチオン系界面活性剤、ラウロイル・ザルコシネートなどのアニオン系界面活性剤、アルキルジメチルアミン(例えば三級アミンFB、日本油脂社製)などの三級アミン類など、5-アミノレブリン酸の生成を促進するものであればいずれでもよく、1種または数種を混合して使用することもできる。界面活性剤は、通常0. 1〜50 g/lの濃度で用いられる。有機溶剤としては、キシレン、トルエン、脂肪族アルコール、アセトン、酢酸エチルなどがあげられ、通常0.1〜50 ml/lの濃度で用いられる。 レブリン酸を水性媒体に添加する必要はないが、必要に応じて添加してもよい。 該水性媒体中のグリシンの量は、特に限定されないが、0.5〜20重量%が好ましい。 該水性媒体中の培養物または該培養物の処理物の量は、当該酵素源の比活性等により異なるが、例えば、グリシン1 mgあたり湿菌体重量として1〜100 mg、好ましくは2〜50 mg添加する。 5-アミノレブリン酸の生成反応は水性媒体中、pH 5〜8、好ましくはpH 6〜7、20〜65℃、好ましくは25〜55℃、より好ましくは25〜30℃の条件で通常1分間〜150時間、好ましくは3分間〜120時間、より好ましくは30分間〜100時間行う。 5-アミノレブリン酸生成反応終了後の反応液からの5-アミノレブリン酸の採取は、必要に応じて遠心分離等により該反応液から菌体等の不溶成分を除いた後、例えば、活性炭を用いる方法、イオン交換樹脂を用いる方法、結晶化法、沈殿法等の方法を単独でまたは組み合わせることによって行うことができる。 以下に本願発明の実施例を示す。 ロドバクター・スフェロイデスCR-002株(FERM P-15312)を用いて調製された、配列番号1で表される塩基配列を有するDNA(5-アミノレブリン酸合成酵素をコードするDNA)を有するプラスミドpHG773(特開平9−173071)を鋳型として用い、配列番号1で表される塩基配列に基づき合成して得られた配列番号3および4で表される塩基配列をプライマーとして用いてPCR反応を行った。 PCRは、LA Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)を用い、反応条件等は添付の説明書の記載に準じた。PCRで得られたDNA断片を、ゼロブラントPCRクローニングキット(インビトロジェン社製)を用い、添付の説明書に従ってpCR-Bluntベクターに組込み、得られたプラスミドを用いて、エシェリヒア・コリTOP10株を形質転換した。 得られた菌株を、20μg/mlのカナマイシンを含むLB寒天培地〔バクトトリプトン(ディフコ社製)10 g、酵母エキス(ディフコ社製)5 g、塩化ナトリウム10 gおよびバクトアガー(ディフコ社製)20 gを水1Lに含み、pH 7.2に調整された培地〕上で培養し、形質転換体を選択した。該形質転換体を20μg/mlのカナマイシンを含むLB培地に植菌して終夜培養し、得られた培養液からアルカリSDS法(モレキュラー・クローニング第2版)の記載に準じてプラスミドを調製し、これをpBAM7 と命名した。 pBAM7をSalI(宝酒造社製)およびEcoRV(宝酒造社製)で切断した後、アガロースゲル電気泳動により分画した。該アガロースゲルより5-アミノレブリン酸合成酵素をコードするDNAを含むと推定される約1.3 kbのDNA断片をDNAprep(旭硝子社製)を用いて抽出精製した。 大腸菌とコリネ型細菌とのシャトルベクターであるpRIyjiB (特表2000−44886)をSalIおよびEcoRVで切断した後、アガロースゲル電気泳動により分画し、約6.2kbのDNA断片をDNAprepを用いて抽出精製した。 上記で取得された5-アミノレブリン酸合成酵素をコードするDNAを含むと推定される約1.3 kbのDNA断片とpRIyjiB由来の約6.2 kbのDNA断片を混合した後、ライゲーションキットver.I(宝酒造社製)を用い、連結反応を行った。連結反応により得られたDNAを用いて、常法に従ってエシェリヒア・コリDH5α株を形質転換した。得られた菌株を20μg/mlのカナマイシンを含むLB寒天培地上で培養し、形質転換体を選択した。 該形質転換体を20μg/mlのカナマイシンを含むLB培地に植菌して終夜培養し、得られた培養液からアルカリSDS法にてプラスミドを調製した。該プラスミドをBamHI(宝酒造社製)で切断し、予想される約6.6kbと0.9kbの断片が生じることを確認し、これをpAM7と命名した。 コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株にプラスミドpAM7を、電気穿孔法〔FEMS Microbiology Letters, 65, 299 (1989)〕により導入し、20μg/mlのカナマイシンを含むLB寒天培地上で培養し、形質転換体を選択し、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032/pAM7株と命名した。 実施例1で得られたコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032/pAM7株を種培地1〔普通ブイヨン(極東製薬工業社製)20 g、イーストエキス(日本製薬社製)5 g、グルコース20 g、炭酸カルシウム10 gおよびカナマイシン20 mgを水1L に含み、pH7.2の培地〕8 mlの入った大型試験管に一白金耳接種し、30℃で24時間振盪培養した。 培養終了後、得られた培養液1 mlを250 mlの種培地1が入った2 L容枝付き三角フラスコに接種し、30℃で24時間回転振盪培養した。培養終了後、培養液全量を種培地2〔イーストエキス2 g、ポリペプトン(日本製薬社製)2 g、エルリッヒカツオエキス(極東製薬工業社製)2 g、グルコース100 g、尿素1 g、リン酸二水素一カリウム1 g、リン酸一水素二カリウム1 g、硫酸マグネシウム1 g、塩化カルシウム2水和物100 mg、硫酸第一鉄7水和物40 mg、硫酸亜鉛7水和物10 mg、硫酸マンガン5水和物20 mg、硫酸銅5水和物10 mg、L-システイン塩酸塩1水和物20 mg、β‐アラニン15 mg、チアミン塩酸塩5 mgおよびビオチン0.1 mgを水0.9 Lに含み、pH 7.2に調整された培地〕2.25 Lの入った5 L容発酵槽に接種し、28℃、通気量2.5 L/分、600 rpmで19時間通気攪拌培養した。 培養液のpHは濃アンモニア水によりpH 7.2に調節した。培養液中のグルコースが完全に消費され、pHが上昇しはじめた時点で培養液250 mlを無菌的に抜き取り、生産培地〔イーストエキス2 g、グルコース180 g、リン酸二水素一カリウム1.5 g、リン酸一水素二カリウム4.5 g、硫酸マグネシウム5 g、尿素1 g、塩化アンモニウム1 g、硫酸第一鉄7水和物5.5 mg、硫酸マンガン5水和物20 mg、チアミン塩酸塩1 mgおよびビオチン0.5 mgを水0.9 Lに含み、pH 7.2に調整された培地〕2.25 Lの入った5 L容発酵槽に接種し、28℃、通気量2.5 L/分、600 rpmで通気攪拌培養した。 培養開始後7時間目に、培地中のグリシン濃度が30 g/L(400 mmol/l)となるように、グリシンの粉末75 gを添加した。グリシン添加後、4時間目にグルコースの粉末125 gを添加した。培養液のpHは濃アンモニア水により、培養開始後7時間目(グリシン添加0時間目)まではpH 7.0、グリシン添加0時間目から4時間目まではpH 6.8、グリシン添加4時間目から24時間目まではpH 6.3に調節した。グリシン添加24時間目の培養液中の5-アミノレブリン酸をエーリッヒ試薬を用いた比色定量法により定量したところ、242 mmol/l(40.6 g/L)であった。添加したグリシンからの転換率は約60 %であった。産業上の利用の可能性本願発明によれば、5-アミノレブリン酸を効率よく製造することができる。配列番号3−人工配列の説明:合成DNA配列番号4−人工配列の説明:合成DNA配列番号1で表される塩基配列を有するDNAをコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に属する微生物に導入して得られる形質転換体を培地に培養し、培養物中に5-アミノレブリン酸を生成蓄積させ、該培養物から5-アミノレブリン酸を採取することを特徴とする5-アミノレブリン酸の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAと95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に属する微生物に導入して得られる形質転換体を培地に培養し、培養物中に5-アミノレブリン酸を生成蓄積させ、該培養物から5-アミノレブリン酸を採取することを特徴とする5-アミノレブリン酸の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAと95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、光合成細菌に由来するDNAである、請求項2記載の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAと95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、ロドバクター属に属する微生物に由来するDNAである、請求項2記載の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAと95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、ロドバクター・スフェロイデスに属する微生物に由来するDNAである、請求項2記載の製造法。配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に属する微生物に導入して得られる形質転換体を培地に培養し、培養物中に5-アミノレブリン酸を生成蓄積させ、該培養物から5-アミノレブリン酸を採取することを特徴とする5-アミノレブリン酸の製造法。配列番号2で表されるアミノ酸配列と95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に属する微生物に導入して得られる形質転換体を培地に培養し、培養物中に5-アミノレブリン酸を生成蓄積させ、該培養物から5-アミノレブリン酸を採取することを特徴とする5-アミノレブリン酸の製造法。DNAが、光合成細菌に由来するDNAである、請求項6または7記載の製造法。DNAが、ロドバクター属に属する微生物に由来するDNAである、請求項6または7記載の製造法。DNAが、ロドバクター・スフェロイデスに属する微生物に由来するDNAである、請求項6または7記載の製造法。コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に属する微生物が、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造法。培地にグリシンを添加することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAをコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に属する微生物に導入して得られる形質転換体の培養物または該培養物の処理物およびグリシンを水性媒体中に存在せしめ、該媒体中に5-アミノレブリン酸を生成、蓄積させ、該媒体から5-アミノレブリン酸を採取することを特徴とする5-アミノレブリン酸の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAと95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に属する微生物に導入して得られる形質転換体の培養物または該培養物の処理物およびグリシンを水性媒体中に存在せしめ、該媒体中に5-アミノレブリン酸を生成、蓄積させ、該媒体から5-アミノレブリン酸を採取することを特徴とする5-アミノレブリン酸の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAと95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、光合成細菌に由来するDNAである、請求項14記載の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAと95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、ロドバクター属に属する微生物に由来するDNAである、請求項14記載の製造法。配列番号1で表される塩基配列を有するDNAと95%以上の相同性を有し、かつ5-アミノレブリン酸合成酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAが、ロドバクター・スフェロイデスに属する微生物に由来するDNAである、請求項14記載の製造法。水性媒体中にグルコースを存在せしめることを特徴とする、請求項13〜17のいずれか一項に記載の製造法。培養物の処理物が、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物または該菌体の固定化物であることを特徴とする、請求項13〜18のいずれか一項に記載の製造法。配列表