生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_チタン合金製インプラント用の表面処理プロセス
出願番号:2004146557
年次:2011
IPC分類:A61C 8/00,A61C 13/02,A61K 6/04


特許情報キャッシュ

ティー・テイト・ロブ ブルース・ベックマンズ,ザ・サード ロス・ダブリュー・トーセ ロバート・エル・メイフィールド JP 4781639 特許公報(B2) 20110715 2004146557 20040517 チタン合金製インプラント用の表面処理プロセス バイオメット・3アイ・エルエルシー 598041980 社本 一夫 100089705 増井 忠弐 100076691 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 戸水 辰男 100077506 ティー・テイト・ロブ ブルース・ベックマンズ,ザ・サード ロス・ダブリュー・トーセ ロバート・エル・メイフィールド US 60/471463 20030516 20110928 A61C 8/00 20060101AFI20110908BHJP A61C 13/02 20060101ALI20110908BHJP A61K 6/04 20060101ALI20110908BHJP JPA61C8/00 ZA61C13/02A61K6/04 A61C 8/00 A61C 13/02 A61K 6/04 米国特許第05876453(US,A) 特表平11−511662(JP,A) 特開昭62−034558(JP,A) 特開昭62−034559(JP,A) 特開昭63−147455(JP,A) 特開平03−047264(JP,A) 特開平03−146679(JP,A) 米国特許第05863201(US,A) 米国特許第06069295(US,A) 国際公開第02/007792(WO,A2) 15 2004337616 20041202 12 20070515 川島 徹発明の分野 本発明は、金属インプラント、たとえば人体に設置するようなものの表面に関する。発明の背景 本発明は、主にチタン合金歯科インプラントの表面に関するが、チタン合金製の他のタイプのインプラントへの用途もある。より具体的には、本発明は、骨とインプラントとの表面の一体化(osseointegration)を改善し、それによってこのインプラントの初期装入と義歯の取り付けとの間の期間を短縮するために歯科インプラントに施した粗面に関する。 インプラントを粗面化するための種々の方法が提案されており、それぞれ独特の表面を製造する。一つのアプローチとしては、インプラントの表面に材料、たとえばヒドロキシアパタイト、骨へのインプラントの結合を促進すると考えられている材料を適用することがある。このヒドロキシアパタイトは化学的に骨と結びつくためである。関連するアプローチでは、チタン粒子をチタンインプラント上に噴霧して、その表面を粗面化させている。表面に酸化チタンを加えるためのアノード化も提案されている。表面の一部を取り去ることによっても粗面化することができる。くぼみを作り出し、表面を幾らか削り落とすために、微細粒子でグリット・ブラスティング(grit blasting)することが提案されている。もう一つの方法は、粗面を作るために酸エッチング化を利用することである。歯科インプラントの少なくとも一供給業者はグリット・ブラスティングで粗面を作り出し、その後、酸エッチングをして重畳微細粗面形成(superimposed fine roughening)することを提案している。 酸によるチタン表面のエッチングは、歯科インプラントを製造するために提案された多くのプロセスに含まれている。多くの場合には、鉱酸のリストから選択することが述べられているが、別の場合には特定の酸が使用される。たとえばToho Titanium Co.は、日本特許出願公開第JP3146679A1号で、フッ化水素酸水溶液を使用して表面をエッチングし、続いてフッ化水素酸と過酸化水素との溶液で第二の処理を行う、二段階処理について開示する。もう一つの例は、米国特許出願第2003/0135282A1号に知見され、インプラントを一連の三種類の酸、フッ化水素酸、硫酸及び塩酸で処理している。このエッチング化表面を使用前にプラズマコーティングして、骨との一体化を改善している。 Implant Innovations Inc.に譲渡された一連の米国特許、たとえば米国特許第5,603,338号、同第5,876,453号、同第5,863,201号、及び同第6,652,765号では、特徴的な二段階酸処理が開示されており、この処理を歯科インプラントで用いてOsseotite(登録商標)表面を作っている。第一の酸処理ではフッ化水素酸水溶液を使用して「自然酸化膜(native oxide)」、すなわちチタン金属表面に知見される酸化チタンを除去する。自然酸化膜を除去すると、この金属表面は他の酸によるエッチングがより利用し易くなり、チタン表面を確実に均一にエッチングできる。自然酸化膜を除去する別の方法、たとえばプラズマ処理も使用できようが、フッ化水素酸水溶液を用いる初期処置が好ましい。第二の酸処理では塩酸と硫酸との混合物を使用して、露出したチタン表面をエッチングするのが好ましい。10μm未満の山から谷までの高さ(peak-to-valley height)をもつ比較的微細エッチングができた。通常、この山から山までの距離(peak-to-peak distance)は約1〜3μmである。このOsseotite(登録商標)表面は商業的成功を収め、チタンインプラントと骨との一体化に必要な時間を短縮した。 先に記載の米国特許は、走査電子顕微鏡(SEM)によって得られたチタン表面を示している。この表面を描写するもう一つの方法は、表面マッピング顕微鏡法(surface mapping microscopy:SMM)であり、これによって調査している領域のコンピューターで作成した三次元写真と、その表面の粗度の幾つか計算された尺度(several calculated measures)が得られる。当業者には、その酸処理によって、裸眼には非常に均一に見えるが、顕微鏡写真などのように、大きく拡大したときにのみ明らかになるばらつきがある表面ができることが理解されよう。どの領域も他の領域と全く同じではないものの、ばらつきは小さく、上記の一般的な範囲内である。この処理プロセスを注意深く制御することによって、どのインプラントも実質的に同一表面をもつ。 近年、市販の純粋なチタンでは二段階酸処理に対し一貫した応答が得られるが、同じ処理プロセスによってチタン合金では不均一な結果がもたらされることが知見された。チタン合金は市販の純粋なチタンよりも利点があるので、Osseotite(登録商標)の表面のトポグラフィーがチタン合金表面上で再現されるならば望ましい。この目標を達成するために、本発明者らは、市販の純粋なチタンで使用するプロセスは、チタン合金上で所望の表面を得るために予想外の見直しが必要であることを知見した。この新規プロセスを以下詳細に記載する。発明の概要 Osseotite(登録商標)表面と同様の所望の表面トポグラフィーをチタン合金上に作るプロセスでは、チタン合金上の自然酸化膜を除去し、その後、チタン合金が著しく再酸化する前に、この表面をフッ化水素酸と塩酸との水溶液でエッチングして所望の表面を作る。この自然酸化膜は、約7.9〜9.0重量%のフッ化水素酸を含有するフッ化水素酸の水溶液中に、約40〜60秒間浸漬することによって除去することができる。好ましい態様では、この表面を約0.053〜約0.105重量%のフッ化水素酸(HF)と約19〜約21重量%の塩酸(HCl)とを含む酸の混合物中、室温で約19〜21分間エッチングする。いずれの酸処理の条件も、チタン金属の損失を最小化しつつ、所望の表面トポグラフィーが得られるように選択する。 具体的な態様では、この自然酸化膜は、8.45重量%のHF溶液中に周囲温度で45秒間、インプラントを浸漬することによって除去する。残存する酸を濯いで除去した後、このインプラントを、0.0845重量%HFを含有する20重量%HCl溶液中、周囲温度で19.5分間浸漬する。 いずれの酸処理条件も、チタン金属の損失を最小化しつつ、所望の表面トポグラフィーが得られるように選択する。 一側面において、本発明は、上記プロセスに従って歯科インプラントを処理して、このインプラントの所定の領域に所望の表面トポグラフィーを得ることである。 好ましい態様の詳細な説明 チタン及びチタン合金 他の金属及びセラミックが歯科インプラントで使用するために提案されてきたが、通常、チタンが使用されている。痕跡量の炭素、鉄、酸素、水素及び窒素を含有する、市販の純粋なチタンが使用される。チタン合金は、市販の純粋グレードのチタンよりも強いので、これらも使用されてきている。通常使用されるチタン合金の一つ、Ti/6A1/4Vは、6重量%のアルミニウムと4重量%のバナジウムとを含み、これを以後、Ti6/4と称することとする。 チタンとその合金の特徴は、その表面上に頑強な酸化チタンフィルムが迅速に形成することであり、この特徴はチタンの耐腐食性に寄与する。この酸化膜フィルムは、TiO、TiO2、Ti2O3及びTi3O4などの種々のチタンの酸化物の組み合わせであると考えられる。これは「自然酸化膜」フィルムといわれている。オージェ分光計によるこの自然酸化膜フィルムの測定から、これが、通常、70〜150オングストロームの深度をもつことが判明している。 既に記載の如く、均一な粗面を酸エッチングによって製造するのであれば、この自然酸化膜の除去は重要である。均一な粗度を作るために、経験からほとんどの酸が自然酸化膜を十分に除去できないことが判明した。チタン表面は、フッ化水素酸と硝酸との混合物中に浸漬して表面を清浄化することが多い。硝酸などの酸化性の酸を添加しないフッ化水素酸だけの水溶液は、チタンとその自然酸化膜フィルムに対して非常に侵襲的である。フッ化水素酸の希薄溶液への比較的短時間の暴露では、自然酸化膜を除去するだろう。この自然酸化膜を除去した後、フッ化水素酸はなお金属を浸食し始めて望ましくない結果をもたらすので、チタンインプラントを酸から取り出して、濯いで、さらなる侵襲を停止させる。しかしながら、公知の如く、チタンの金属表面は急速に酸化し始める。従って、露出した金属表面は、チタンインプラントを酸の浴に浸漬して表面を均一にエッチングして、所望の表面トポグラフィーを得るまで、酸素への露出から保護すべきである。この自然酸化膜を除去する他の方法、たとえばプラズマ処理を使用することができようが、フッ化水素酸を使用するのが好ましい。 チタンをエッチングする速度は、フッ化水素酸の濃度に依存する。49重量%のフッ化水素酸を約15容積%含有するフッ化水素酸溶液は、約1/2分以内で自然酸化膜を完全に除去できるが、ごくわずかに金属を浸食することが知見された。このことは、機械加工した[ねじ山や溝などのマクロ的な形態(macrofeature)を作った]後、次いでフッ化水素酸に暴露して自然酸化膜を除去した後に、市販の純粋なチタン金属の歯科インプラントの表面を2000倍に拡大したものを示す図1A及び1Bに示されている。自然酸化膜を除去し、粒子境界材料(grain boundary material)が幾らか除去された後では、この機械加工の跡は消え去り、フッ化水素酸はチタン粒子を露出したままである。 図1Cでは、市販の純粋なチタン(自然酸化膜を除去した後)の表面を、19.55重量%の塩酸と72.29重量%の硫酸との溶液により、60〜70℃で約7分間エッチングした。この望ましい表面トポグラフィーは、優れた一体化を実現することが臨床的に示されている。この表面をもつインプラントは、本発明の譲受人によりOsseotite(登録商標)のもとで販売されている。この望ましい表面は、通常、山から谷までの最大高さが10μm以下の一連の均一な鋭いピークをもつ。山から山までの平均距離は約1〜3μmである。Osseotite(登録商標)表面の表面マッピング顕微鏡法による典型的な測定結果を図1Dに示す。 図1A〜1Dは、市販の純粋なチタン歯科インプラントでのプロセス及び得られた結果を示す。インプラントの一体化の改善におけるOsseotite(登録商標)表面の臨床的に成功していることは確認されており、市場に十分に受け入れられている。従って、本発明者らは、同じ処理を用いてチタン合金Ti6/4に同じ表面トポグラフィーを作り出そうと考えた。しかしながら、本出願人らは、市販の純粋なチタンに均一な結果をもたらすプロセスは、Ti6/4合金に適用したときに、特徴的な表面トポグラフィーを製造できないことを知見した。 他のエッチング液も試験した。Osseotite(登録商標)表面に似た表面が得られることもあったが、別の場合には、酸エッチングは効果的ではないこともあった。Ti6/4合金での効果はバッチ毎に変動したので、その安定性を測定するのにバッチ毎に試験しなければならなかったことも知見された。この問題についてさらに調査した結果、本発明者らは、特定の酸エッチング溶液が、Ti6/4合金に所望の表面を常時作り得ることを知見した。 Ti6/4合金の酸エッチング 図1E、及び2C〜E、3A〜E、4A、B及び5A〜Dは、ASTM B348グレード23またはASTM F136によって定義された、Ti6/4 E.L.I.合金で試験した数種の酸の結果を示す。それぞれの場合において、インプラントには、その表面上の自然酸化膜を除去するためにフッ化水素酸溶液での同一処理を施した。特に、このインプラントは、室温で8.45重量%のフッ化水素酸に浸漬した。図1E、及び2C〜E、3A〜E、4A、B及び5A〜Dに示したエッチングプロセスの結果は、図1Cの、19.55重量%の塩酸と72.29重量%の硫酸との初期混合物で、60〜70℃で7分間の酸処理により市販の純粋なチタン金属に製造したOsseotite(登録商標)表面と比較することができる。 一連の酸の組成について実験を実施し、その結果を以下の表に示す。以下の表には酸の組成と処理条件をまとめる。 上記表は一般に、Ti6/4合金に所望の表面トポグラフィーを製造するために必要な酸エッチングを決定するために実施した実験の進捗状況を追従する。図1Cの表面を作るために、市販の純粋なチタン上の自然酸化膜を、8.45重量%のHF溶液に、周囲温度で1分間暴露することによって除去した。重曹を含む脱イオン水で濯ぎ、残存する酸を中和して、さらに脱イオン水で濯いだ後、このチタンを19.55重量%のHClと77.29重量%のH2SO4との水溶液に60〜70℃で7分間浸漬して、均一な粗面、すなわちOsseotite(登録商標)表面をつくった。 図1Eは、Ti6/4合金で同一手順を実施した際の意外な結果を示す。写真から解るように、特徴的なOsseotite表面はTi6/4合金では得られなかった。機械加工の跡がまだ見えていた。Osseotite(登録商標)表面をTi6/4合金上に作るのであれば、Ti6/4合金で使用するためには別のエッチングプロセスが必要なことが結論づけられた。 図2A〜Eは、二種類の公知のエッチング酸混合物を使用した際に得られた結果を示す。一つは、HF、HNO3とHClとを含むケラー溶液(Keller's solution)であり、もう一つはHFとNCO3とを含むクロール溶液(Kroll's solution)であった。使用した組成を、上記表1に示す。図2Aと2Bは、ケラー溶液単独ではOsseotite表面を作らず、数個のくぼみが見られることを示している。自然酸化膜を除去するためにHF溶液での前処理を実施していないため、この自然酸化膜がケラー溶液を使用するエッチングを邪魔したものと推測される。 図2C〜2Eは、HF溶液を用いる前処理により自然酸化膜を除去し、その後このチタン表面を順に二種の酸溶液に暴露した際に得られた結果を示す。図2C及び2Dでは、ケラー溶液を使用し、続いて化学的に純粋なチタンをエッチングする際にうまくいくことが公知のHClとH2SO4との混合物を使用した。図2Eでは、ケラー溶液を最初に使用し、続いてクロール溶液中にTi6/4合金を浸漬させた。これらの試験ではどれも、Ti6/4合金に関して図1Cに示されたような表面トポグラフィーを製造できなかった。図3A〜3Eは、自然酸化膜をHF溶液で除去し、次いでケラー溶液を、先に使用した61℃でではなく周囲温度でエッチングに使用した際に得られた結果を示す。このプロセスは、Ti6/4合金のいくつかのサンプルに図1Cと似た表面を提供し得るが、その他のものでは提供できないことが知見された(図3Dと図3Eとを比較されたい)。このサンプルの差は、機械加工または合金熱処理(alloy heat)(すなわち、チタン合金の特定のバッチに関連する条件)に関連しているようであった。従って、追加の実験を実施した。しかし、Ti6/4合金の品質を制御できるならば、ケラー溶液を使用するエッチングも有用であろうことが結論づけられた。 図4A及びBは、自然酸化膜を通常方法により除去し、次いでその表面をHClでエッチングした際に得られた表面について報告する。幾つかくぼみができたが、HCl単独では図1Cの様な表面を得るのには不十分であることが明白であった。 図5A〜Dは、少量のHFを20重量%HClエッチング溶液に添加した際に得られた改良結果を示す。所望の表面トポグラフィーを得ようとするならば、少量のHFを使用しなければならないことが結論づけられた。図5Cと5Dのサンプルには異なる機械加工及び熱処理を施したにもかかわらず、図5C及び5Dの表面は同じ処理をして、実質的に同じ表面が得られた。従って、このプロセスは、Ti6/4合金に広く適用可能であることが結論つけられた。 現在好ましいプロセスにおいて、Ti6/4合金は、かなりの量の金属を除去せずに、自然酸化膜を除去するのに必要な長さの時間、フッ化水素酸の水溶液に浸漬させる。商業用途に適した好ましい溶液は、約7.9〜9.0重量%のHFを含有する。しかしながら、自然酸化膜を除去して、所望の表面トポグラフィーを作るのに必要な次のエッチング用表面を製造できる条件では、暴露時間を適当に調節して、多少高濃度の溶液を使用できよう。 このエッチング段階では、自然酸化膜が除去されたTi6/4合金を、約0.053〜0.105重量%のHFと19〜21重量%のHClとを含有する水溶液に室温で浸漬する。そのような溶液は、約20分以内で、周囲温度を使用するだけでTi6/4合金に所望の表面トポグラフィーを製造できることが知見された。酸濃度、温度及び暴露時間を多少調節することが可能であると考えられ、それでも所望の表面を得ることができる。0.005〜1.0重量%HFと10〜30重量%HClの広範囲で同等の結果を得ることができるものと考えられる。 歯科インプラント 本発明のエッチングプロセスは、種々の歯科インプラントの表面を製造するのに使用することができる。典型例を図6に示す。インプラント10を患者の骨に予め開けた穴に設置して、不足している歯根を置き換える。このねじ部分12は骨とかみ合い、上部14の少なくともいくらかは組織と接触する。多くの場合、このエッチングプロセスをインプラント10のこのねじ部分12に適用し、義歯部分とネック部分18とをかみ合わせるためのヘッド部分16を含めるための図6に示されている上部14は、比較的平滑なままにする。時には、粗面領域をネック及びヘッド領域の上方、またはインプラント10の上部にさえも伸張させることができる。別の場合には、ねじ部分だけを粗面化させて骨と金属との一体化を改善し、ねじ部分領域の上部は比較的平滑なままにする。図1Aは、市販の純粋なチタンの機械加工済み表面を示す。 図1Bは、HFで処理した後の図1Aの表面を示す。 図1Cは、純粋なチタンにOsseotite(登録商標)表面を作るためにHClとH2SO4とでエッチングした後の図1Bの表面を示す。 図1Dは、図1CのOsseotite(登録商標)表面の表面マップである。 図1Eは、Ti6/4合金における図1A〜Cの処理の効果を示す。図2A〜Eは、Ti6/4合金における数種のエッチングプロセスを示す。図3A〜Eは、ケラー試薬とクロール試薬とを用いるエッチング効果を示す。図4A〜Bは、HCl単独でのエッチング効果を示す。図5A〜Dは、HClにHFを加えたエッチング効果を示す。生体の骨と接触させるためにTi6/4合金上に均一に粗面を製造する方法であって、(a)前記Ti6/4合金から自然酸化膜を除去して金属を露出させ;(b)露出させた前記金属と、約0.005〜1.0重量%フッ化水素酸と約10〜30重量%塩酸との第1水溶液とを好適な時間、接触させて、所望の表面トポグラフィーを作り出すことを含み、当該所望の表面トポグラフィーが10μm未満の山から谷までの高さの不規則性を持つ粗面である、前記方法。粗面が約1〜3μmの山から山までの距離をもつ、請求項1に記載の方法。前記自然酸化膜は、前記Ti6/4合金とフッ化水素酸の第2水溶液とを、好適な時間、接触させることにより除去する、請求項1または2に記載の方法。前記第2水溶液が約7.9〜9.0重量%のフッ化水素酸を含む、請求項3に記載の方法。前記第1水溶液が約0.0845重量%のフッ化水素酸と、約20重量%の塩酸とを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。生体の骨と接触させるためにTi6/4合金上に均一に粗面を製造する方法であって、(a)前記Ti合金とフッ化水素酸の水溶液とを好適な時間、接触させることにより、前記Ti合金から自然酸化膜を除去して金属を露出させ;(b)(a)で前記自然酸化膜を除去した後に、この合金を濯ぎ;(c)露出させた前記金属を約0.005〜1.0重量%フッ化水素酸と約10〜30重量%塩酸との水溶液に室温で好適な時間、接触させて、所望の表面トポグラフィーを作り出し、当該所望の表面トポグラフィーが10μm未満の山から谷までの高さの不規則性を持つ粗面である;(d)段階(c)で製造した表面を濯いで、残存する(c)の水溶液を除去することを含む、前記方法。段階(a)の前記水溶液が約7.9〜9.0重量%のフッ化水素酸を含む、請求項6に記載の方法。段階(a)の前記水溶液が約8.45重量%のフッ化水素酸を含む、請求項7に記載の方法。段階(c)の前記水溶液が約0.053〜0.105重量%のフッ化水素酸と約19〜21重量%の塩酸とを含む、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。段階(c)の前記水溶液が約0.0845重量%のフッ化水素酸と約20重量%の塩酸とを含む、請求項9に記載の方法。生体の骨と接触させるためのTi6/4合金の歯科インプラントであって、a.義歯部分を埋め込むためのヘッド部分と;b.前記生体の骨とかみ合わせるためのねじ部分と;c.前記ヘッド部分と前記ねじ部分との間に配置されたネック部分とを含み、ここで前記ねじ部分の少なくとも一部は、約0.005〜1.0重量%フッ化水素酸と約10〜30重量%塩酸との第1水溶液で前記ねじ部分をエッチングすることにより作り出した10μm未満の山から谷までの高さの不規則性を持つ所望の粗面トポグラフィーをもち、フッ化水素酸を含有する第2水溶液を用いて前記エッチングをする前に前記ねじ部分から自然酸化膜を除去する、前記歯科インプラント。第2水溶液がフッ化水素酸と塩酸とを含有する、請求項11に記載の歯科インプラント。前記第2水溶液が約7.9〜9.0重量%のフッ化水素酸を含む、請求項11または12に記載の歯科インプラント。前記第1水溶液が約0.0845重量%のフッ化水素酸と、約20重量%の塩酸とを含む、請求項11〜13のいずれかに記載の歯科インプラント。生体の骨に接触させるためにTi6/4合金の均一な粗面を製造する方法であって、a.前記Ti6/4合金から自然酸化膜を除去して露出金属表面をつくり;次いでb.露出した前記金属表面をケラー液でエッチングして、所望の表面トポグラフィーを作り出すことを含み、当該所望の表面トポグラフィーが10μm未満の山から谷までの高さの不規則性を持つ粗面である前記方法。


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