生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド粗モノマーの製法
出願番号:2004133370
年次:2008
IPC分類:C07C 231/12,C07C 231/24,C07C 233/20


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青木 一茂 中嶋 康二 沖高 勲 JP 4091567 特許公報(B2) 20080307 2004133370 20040428 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド粗モノマーの製法 株式会社興人 000142252 青木 一茂 中嶋 康二 沖高 勲 20080528 C07C 231/12 20060101AFI20080501BHJP C07C 231/24 20060101ALI20080501BHJP C07C 233/20 20060101ALI20080501BHJP JPC07C231/12C07C231/24C07C233/20 C07C 231/12 C07C 231/24 C07C 233/20 特開2002−053537(JP,A) 特開平06−199752(JP,A) 特開平02−124856(JP,A) 特開平10−007641(JP,A) 特開昭54−046718(JP,A) 特開平01−254648(JP,A) 特開昭59−020311(JP,A) 特開2005−263714(JP,A) 1 2005314279 20051110 6 20040809 山田 泰之 本発明は、高純度のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの製造に用いられる、シクロペンタジエン(以下、CDPと略称する。)の含有量の少ない粗ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの工業的に有利な製法に関する。 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドは沸点が極めて高く、末端に反応性の水酸基を有するために、蒸留などの精製工程で重合し易い化合物である。従来、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの精製法に関しては、例えば、特許文献1には、少量のビーカースケールでの蒸留が報告されているが、フラスコ内での長時間の加熱は重合を招き、工業的規模への応用は困難であり、また、非特許文献1にはクロマトグラフィーで分離できることが開示されているが、コスト的に不利を招く。 一方、ノルボルネン誘導体の気相熱分解に関しては特許文献2に開示されており、例えば、ノルボルネン誘導体を薄膜蒸発機、流下膜蒸発器、又は単なる蒸発缶などで蒸発させ、加熱したラシヒリングなどの充填物を詰めた熱分解管に通して熱分解し、水冷した凝縮器により凝縮させアクリルアミド誘導体の粗モノマーを得、これを蒸留することにより精製してアクリルアミド誘導体を得ている。 しかし、これら従来法によりヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドを得るべく、ノルボルネン誘導体を気相熱分解し、水冷した凝縮器で凝縮し粗モノマーを得、これを重合を避けるために短時間の蒸留で精製すると、粗モノマー中に存在する副生した高沸点化合物は除去が難しく、高純度のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドを高収率で得ることは困難であった。USP2,773,063号公報特開平1−254648号公報、特公昭54−9170号公報、同55−11655号公報、同56−20309号公報、同57−52329号公報Aust.J.Chem.1998 51 31 本発明は、かかる従来技術に鑑み検討されたもので、重合しやすいヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドを、重合することなく高収率かつ高純度で得られる、粗ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの工業的に有利な製法を提供することである。 本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、副生する高沸点化合物がノルボルネン誘導体であること、該ノルボルネン誘導体は熱分解で生じた粗モノマーとCPDとが再反応して生じること、粗モノマーからCPDを除去して蒸留することにより高純度のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドが高収率で得られること、を見いだし、本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、一般式[1](式中R1は水素原子又はメチル基を、nは1又は2の整数を、R2はn=1のときは水素原子又はメチル基を、n=2のときは水素原子を表す。)で表されるノルボルネン誘導体を気相熱分解した後、熱分解物を蒸留して一般式[2](式中、R1、R2、nは前記と同じ。)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドを製造する方法において、気相熱分解ガスを凝縮して得られた凝縮液を、蒸留前にシクロペンタジエンを再蒸発し該凝縮液中のシクロペンタジエンを除去することを特徴とする、一般式[1]で表されるノルボルネン誘導体の含有量が1%未満である、一般式[2]で表される粗ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの製法、である。 本発明の粗モノマーは蒸留で除去できない副生物が少なく高純度であるため、高純度のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドを、重合を伴うことなく高収率で得ることができる。 本発明で用いられる一般式[1]で表されるノルボルネン誘導体としては、ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−5−N−ヒドロキシエチルカルボン酸アミド−2、ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−5−メチル−N−ヒドロキシエチルカルボン酸アミド−2、ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−5−N−ヒドロキシプロピルカルボン酸アミド−2、ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−5−メチル−N−ヒドロキシプロピルカルボン酸アミド−2、ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−5−N−ヒドロキシプロピルカルボン酸アミド−3、ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−5−メチル−N−ヒドロキシプロピルカルボン酸アミド−3等が例示される。 また、該ノルボルネン誘導体を気相熱分解して得られる、一般式[2]で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド等が例示される。 本発明のノルボルネン誘導体の気相熱分解は、従来公知の方法を用いることが出来る。 例えば、加熱したラシヒリングなどの充填物を詰めた熱分解管に、気化したノルボルネン誘導体を通して熱分解させる。熱分解条件としては、圧力は0.1〜63.3hPa、望ましくは40〜53.3hPa、温度は350〜500℃、望ましくは400〜450℃の範囲が望ましい。反応時間は、熱分解塔内のノルボルネン誘導体ガスの滞留時間が2.5秒以上、望ましくは3秒以上である。時間が短いと未反応物が残るため、粗モノマーの純度が低下する。 気相熱分解後、熱分解ガスは、一旦凝縮させられる。 凝縮方法は、一般的な熱交換器を用いることができる。凝縮温度は、熱分解時の圧力等の熱分解条件にもよるが、0〜50℃の範囲が好ましい。 これより低温であると、凝縮液の粘度が高くなり凝縮器内の液滞留時間が長くCPDの濃度が高まり、一方、これより高温であるとCPDの再結合速度が速くなり、いずれも粗モノマーにおけるノルボルネン誘導体の濃度を十分に低下させることができない。 本発明においては、凝縮させた熱分解生成物を、蒸留前に再蒸発させて凝縮液中のシクロペンタジエンを除去する。 再蒸発は、一般的な熱交換器を用いることが出来る。再蒸発条件としては、温度90〜170℃、好ましくは100〜150℃の範囲である。これより低温ではCPDが再蒸発せず、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとの再結合を促進させ、一方、高温では重合の危険性がある。 CPDの除去率は、凝縮液中の50%以上が望ましく、凝縮液中の濃度としては、0.4重量%以下、望ましくは0.2重量%以下が好ましい。 再蒸発時に窒素ガス等の不活性ガスを用いることが望ましく、再蒸発温度をさげ、発生したCPDガスを速やかにパージするには有効である。不活性ガスの流量は、気相熱分解に供給されるノルボルネン誘導体の重量に対して、0.0001〜0.005重量倍程度で十分である。 本発明により得られる粗ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドは、上記一般式[1]で表されるノルボルネン誘導体の含有量が1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下のものである。 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドは、一般に重合性モノマーとして用いられるため、その純度としては、99.0重量%以上、望ましくは99.5重量%以上である。粗モノマー中のノルボルネン誘導体の含有量が1重量%以上であれば、精製物の純度を99重量%以上とすることはできない。 凝縮液中のCPDは、熱分解で生成したヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドと容易に再結合してノルボルネン誘導体を与え、粗モノマーの純度を低下させるので、本発明の方法による再蒸発、つまり凝縮液中のCPDを除去することにより、容易に粗モノマー中のノルボルネン誘導体の濃度を1.0重量%、好ましくは0.5重量%以下に抑えることが出来る。 得られた粗モノマーは、蒸留で容易に純度99.0重量%以上のヒドロキアルキル(メタ)アクリルアミドを得ることができる。 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。実施例1 ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−5−N−ヒドロキシエチルカルボン酸アミド−2(685.8g)を53.3hPaの減圧下、260℃の薄膜蒸発機によって蒸発気化し、440℃に加熱した熱分解管に連続的に流して、41時間気相熱分解を行った。熱分解ガスは30℃の凝縮器で凝縮させた後、130℃の再蒸発搭で窒素ガスを連続的に流しながら、CPDを83.4重量%再蒸発させ、粗N−ヒドロキシエチルアクリルアミド351.7g(収率80.7%、純度99.23重量%、ノルボルネン誘導体含有率0.29重量%)を得た。 得られた粗N−ヒドロキシエチルアクリルアミド351.7gを0.1hPa減圧下蒸留し、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド295.9g(回収率84.1%、純度99.42重量%、ノルボルネン誘導体含有率0.26重量%)を得た。実施例2〜4、比較例1〜6 表1に記載の熱分解圧力、凝縮器の温度、及び再蒸発搭の温度の条件を用いて、実施例1と同様に実施し、得られた粗モノマーの純度、ノルボルネン誘導体の濃度、及び再蒸発搭におけるCPDの除去率を示した。実施例5 ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−5−メチル−N−ヒドロキシエチルカルボン酸アミド−2(133.8g)を46.7hPaの減圧下、260℃の薄膜蒸発機によって蒸発気化し、440℃に加熱した熱分解管に連続的に流して、8時間気相熱分解を行った。熱分解ガスは30℃の凝縮器で凝縮させた後、130℃の再蒸発搭で窒素ガスを連続的に流しながらCPDを再蒸発させ、粗N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド61.4g(収率72.3%、純度99.03重量%、ノルボルネン誘導体含有率0.58重量%)を得た。 得られた粗N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド61.4gを0.1hPaの減圧下蒸留し、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド51.8g(回収率85.1%、純度99.12重量%、ノルボルネン誘導体含有率0.45重量%)を得た。 本発明によれば、高純度のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドが、高収率で工業的に有利に製造できるので、産業排水、生活排水の処理に用いる高分子凝集剤、高分子改質剤、粘着剤、接着剤、コンタクトレンズなどの合成原料、あるいはUV硬化樹脂用反応性希釈剤として好適に用いることができる。一般式[1](式中R1は水素原子又はメチル基を、nは1又は2の整数を、R2はn=1のときは水素原子又はメチル基を、n=2のときは水素原子を表す。)で表されるノルボルネン誘導体を気相熱分解した後、熱分解物を蒸留して一般式[2](式中、R1、R2、nは前記と同じ。)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドを製造する方法において、気相熱分解ガスを0〜30℃で凝縮して得られた凝縮液を、蒸留前にシクロペンタジエンを100〜150℃で再蒸発し該凝縮液中のシクロペンタジエンを除去することを特徴とする、一般式[1]で表されるノルボルネン誘導体の含有量が1%未満である、一般式[2]で表される粗ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの製法。


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