タイトル: | 公開特許公報(A)_鳥類胚の殻なしシステムII培養法 |
出願番号: | 2004128997 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A01K67/02,C12M3/02,C12N5/06 |
川嶋 貴治 熊田 晃児 玉置 禎紀 橋本 光一郎 JP 2005278614 公開特許公報(A) 20051013 2004128997 20040330 鳥類胚の殻なしシステムII培養法 橋本 光一郎 504163922 川嶋 貴治 熊田 晃児 玉置 禎紀 橋本 光一郎 7A01K67/02C12M3/02C12N5/06 JPA01K67/02C12M3/02C12N5/00 E 33 書面 14 4B029 4B065 4B029AA23 4B029BB11 4B029CC01 4B065AA90X 4B065BC50 4B065CA44 発明の詳細な説明 本発明は、放卵された鳥類の胚盤葉期胚を、従来の卵殻に代えて人工培養器で培養し、胚形成に至るまで発生させる、鳥類胚の殻なしシステムII培養法に関する。 ニワトリの胚の寿命は22日である。受精卵から胚盤葉期までの発生は卵管内(1日)で起こり、放卵後から孵化までの発生は卵殻内(21日)で起こる。ニワトリの胚は、いつでも適当な時期に目的の発生段階の胚が容易に入手できるので、長い間、発生研究や遺伝子操作などの開発研究のための、卵殻に代えて人工容器を用いたin vitro培養が実施されてきた。 例えば、Auerbachら(非特許文献1参照、)は、3−4日胚をペトリ皿で10−11日まで培養し、約40%の生存率と、最大ステージ44(18日)まで発生させた。DunnおよびBooneは、3日胚をプラスチック容器中で培養する方法を開発した(非特許文献2参照)。この方法は長期にわたる胚の発育を可能にしたが、生きたヒヨコを孵化させることはできなかった。 Onoら(非特許文献3参照)はウズラにおいて、また、Rowlettら(非特許文献4参照)はニワトリにおいて、孵化したヒナを得るには卵殻が必要であることを報告した。 Perry(非特許文献5および特許文献1参照)は、輸卵管内にある1細胞期のニワトリ卵子を取り出し、培養器を移し変えていくことで、ヒヨコにまで発生させ、孵化させる方法を開発した。その技術は、発生中の胚の要求を充足するようにデザインされた三つの培養システムの使用からなる:1細胞期から胚盤形成までの輸卵管内期間(1日続く)を、培養液の入ったガラス容器で静置培養する(システムI);放卵直後の胚盤葉期から胚形成までの期間(3日続く)を、卵白を満たし密閉したホスト卵殻(気室をもつ)内で転卵しつつ培養する(システムII);そして最後に、胚成長(18日続く)までの期間を、より大きなホスト卵殼(2黄卵)内で上部に空気相をとって培養する(システムIII)。発生中の胚は、一つのシステムから次のシステムへ適切な時期に移される。この一連の分離培養システムを用いることにより、全胚期間、ニワトリ受精卵をin vitro培養することが可能となった。孵化率は7%と低かった。 Kamihiraらは、PerryのシステムIIIにおける代理卵殻に代えて、ガス透過性のテフロン膜を用いた人工培養器を作製し、ウズラの2日胚を、卵殻粉および乳酸カルシウムを添加して培養した。ウズラ胚は正常に発生し43%の胚が孵化した(非特許文献6参照)。 Naito(非特許文献7参照)らは、新鮮卵の胚を、PerryのシステムIIの濃厚卵白を水様性卵白に置き換えるなどしたホスト卵殻培養法で、孵化率を40−50%程度まで高めた。 ここに、鳥類胚について、PerryのシステムIの人工容器による培養およびシステムIIの代理卵殻による培養法に加えて、KamihiraらのシステムIIIにおける人工容器によるin vitro培養法を用いることにより、1細胞期の鳥類胚を培養して孵化にまで至らせる培養法が確立されたといえる。 他方、放卵された胚盤葉期から胚形成に至る鳥類胚の発生の期間(PerryのシステムII)は、胚盤葉キメラ、PGCキメラ等の作製や遺伝子操作といった胚操作が可能な期間である。したがって、この期間、卵殻に代えて人工容器による培養の必要性が高い。また同様に、受精から胚盤葉期までの期間(PerryのシステムII)は、核移植や、sperm injection(精子注入)等の人為的受精操作、雄性前核あるいは雌性前核あるいはそれらの近傍への遺伝子導入操作、単為発生誘起処理等の胚操作が可能な期間である。 また、鳥類の卵の大きさは種によって大きく異なり、とくに、希少鳥類種ともなれば、代理卵殻を用いたシステムII培養のために、対象とする鳥類種に適合する大きさの卵殻を多数入手することは不可能に近い。しかしながら、放卵されて間もない胚盤葉期の鳥類胚を胚形成まで培養する(システムIIに対応する)ための人工培養器は未だ開発されていない。 そこで、1細胞期の鳥類胚を培養して孵化にまで至らせるシステムI、IIおよびIII培養のうち、システムIIについて、代理卵殻を用いることなしに可能な人工培養器の開発が緊急の課題である。 米国特許5,011,780Devel.Biol.,41:391−394,1974Poulty Sci,,57:370−377,1977Poultry Sci.,63:159−166,1984Br.Poultry Sci.,28:91−101,1987Nature,331:70−72,1988Develop Growth Differ,40:449−455,1998 J.Exp.Zool.,25:322−326,1990 発明が解決しようとする課題 本発明は、放卵後の鳥類の胚盤葉期の胚を培養し、胚形成に至るまで発生させることを可能とする、鳥類胚の殻なし培養法(以下、「殻なしシステムII培養法」という)を提供することを目的とする。 また本発明は、上記殻なしシステムII培養法を実施するための人工培養器を提供することを目的とする。 課題を解決するための手段 放卵後間もない胚盤葉期のニワトリ胚を、長軸に対し直角に開口部を設けた、種卵の容量よりやや大きめの卵型の人工容器に移した。濃厚卵白を除く必要のあるときはこの時点で除去する。新鮮な水様性卵白を開口部まで満たした後、疎水性のフッ素樹脂を原料とするプラスチックフィルムで開口部を密封した。38℃、相対湿度60%に設定した孵卵器内で、胚が該フィルムに常時接するように開口部を上に向けて、72時間培養した。培養中、7.5分〜1時間おきに1回30〜90度の角度で転卵した。培養72時間後、半数以上の胚がHamburger & Hamiltonの発生段階表ステージ17−19にまで発生進行した。 すなわち本発明は、(1)下記工程a〜fを含む鳥類胚の殻なしシステムII培養法:a.該鳥類の受精卵とほぼ同一若しくはやや大きめでかつ該受精卵とほぼ同型の人工容器であって、その長軸に対して、中心付近あるいは端部よりに、直角に開口部を設けた人工容器を用意し;b.放卵された鳥類の受精卵から胚盤葉期の胚を取り出し;c.濃厚卵白とともに若しくは濃厚卵白を除いて上記aの人工容器に移し;d.新鮮卵から集めた水様性卵白を該人工容器に注入して開口部まで満たし;e.該開口部を、疎水性フッ素樹脂製フィルムで気泡を排除しながら密封し;そして、f.孵卵器内で該フィルムと胚が接するようにして、間歇的に転卵を行いつつ、胚形成に至るまで培養する、(2) 工程a.の人工容器がプラスチック若しくはガラスである、請求項1記載の培養法、(3) プラスチックがフッ素樹脂製である、(2)の培養法、(4) フッ素樹脂が疎水性である、(3)の培養法、(5) 工程e.の疎水性フッ素樹脂製フィルムがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製である、(1)の培養法、(6) 前項のフィルムがミリラップ(商品名)、テフロン(商品名)若しくフロリナート(商品名)である、(5)の培養法、(7) さらに、前項フィルムの外側(胚に面しない側)にポリ塩化ビニリデン製フィルムを重ね合わせた、(6)の培養法、(8) 前項のフィルムがサランラップ(商品名)である、(7)の培養法、(9) 工程fの転卵が、30度−90度で、1回/7.5分−1回/60分の頻度で行われる、(1)の培養法、(10) 鳥類がニワトリ若しくはウズラである、(1)の培養法、(11) 鳥類が希少鳥類種である、(1)の培養法、(12) 鳥類受精卵とほぼ同一若しくはやや大きめの人工容器でかつ該受精卵とほぼ同型の人工容器であって、その長軸に対して、中心付近あるいは端部よりに、直角に開口部を設けた人工容器と、該開口部を密封するための疎水性のフッ素樹脂製フィルムの組み合わせからなる、鳥類胚の殻なしシステムII人工培養器。(13) 人工容器がプラスチック若しくはガラスである、(12)の人工培養器、(14) プラスチックがフッ素樹脂製である、(13)の人工培養器、(15) フッ素樹脂が疎水性フッ素樹脂である、(14)の人工培養器、(16) 前項のフィルムがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製である、(1)の人工培養器、(17) 前項のフィルムがミリラップ(商品名)、テフロン(商品名)若しくフロリナート(商品名)である、(16)の人工培養器、(18) さらに、前項フィルムの外側(胚に面しない側)にポリ塩化ビニリデン製フィルムを重ね合わせた、(17)の人工培養器、(19) ポリ塩化ビニリデン製フィルムがサランラップ(商品名)である、(18)の人工培養器、(20) 鳥類がニワトリ若しくはウズラである、(12)の人工培養器、(21) 鳥類が希少鳥類種である、(12)の人工培養器、(22) 鳥類が希少鳥類種である、(12)の人工培養器、(23) (12)の鳥類胚の殻なしシステムII人工培養器を作製するための人工容器の使用。(24) 人工容器がプラスチック若しくはガラスである、(23)の使用、(25) プラスチックがフッ素樹脂製である、(24)の使用、(26) フッ素樹脂が疎水性である、(25)の使用、(27) 疎水性フッ素樹脂製フィルムがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルムである、(26)の使用、(28) 前項のフィルムがミリラップ(商品名)、テフロン(商品名)若しくフロリナート(商品名)である、(27)の使用、(29) さらに、上記PTFE製フィルムの外側(胚に面しない側)にポリ塩化ビニリデン製フィルムを重ね合わせた、(28)の使用、(30) ポリ塩化ビニリデン製フィルムがサランラップ(商品名)である、(29)の使用。(31) 鳥類がニワトリ若しくはウズラである、(23)の使用、(32) 鳥類が希少鳥類種である、(23)の使用、(33) 鳥類が希少鳥類種である、(23)の使用、からなる。 <人工培養器> 鳥類の卵は種によってサイズ(鋭端と鈍端を結ぶ長径と、長径と直交する最大距離の短径を計測し、卵型係数を求める。卵型係数としては、短径/長径X100等が使われる)が大きく異なる。そこで、各種鳥類の殻なしシステムII培養を可能とするには、人工培養器を、胚培養対象の鳥類種の卵の容量および形態(形状)に可能な限り近づけることが肝要である。 対象とする鳥類の種卵の形態および容量を有する容器を購入、あるいは作製する。ニワトリを例にとると、種卵の大きさは中等大きさ(55−65g)のものは孵化率がよく、大卵は孵化率が悪く、孵化日数も長くなるとされている。システムII胚培養においては、ニワトリのホスト卵殻(代理卵殻)は種卵より少し大きめの代理卵殻が用いられている。したがって、ニワトリ以外の鳥類種の胚をシステムII培養する場合、容器の大きさも、対象とする鳥類種の種卵の中等大の大きさのものよりやや大きめ(〜20%程度)のもので培養を試み、発生ステージを観察する。 卵型の容器の端部(長軸方向)を丸く切り取って開口部とした人工容器を作製する。ニワトリの場合、システムII培養に用いる代理卵殻の開口部の大きさは直径約3cmである〔実験医学 Vol.10 No.16(10月号)1992〕ので、ニワトリ以外の鳥類種の人工容器の開口部の大きさについてはニワトリを参考にするのも一つの考えである。しかしながら、開口部の大きさは本発明においては厳密なものではなく、容器の中央部分(長軸方向)で二つ割にして開口部としてもよい(図1参照)。 人工容器の材質は、例えば、プラスチック、ガラス、あるいは耐水性の紙器等を候補にあげることができるが、これらは限定的なものではない。プラスチックを用いる場合は、例えば、疎水性のフッ素樹脂を原料とするプラスチックフィルムは候補の一つである。 人工容器の開口部を密封する人工膜(フィルム)は、疎水性のフッ素樹脂を原料とするフィルムが最適である。そこで、フッ素樹脂の一つであるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を中心として、主な特徴を示すと、(1)熱に強い、(2)薬品や溶剤に強い、(3)よくすべる、(4)他のものがくっつきにくい、(5)電気的特性が優れる(無極性)、(6)非吸水性である、(7)耐候性が極めて高い、ことがあげられる。これらの特徴の何れかが、本発明の殻なしシステムII培養を可能にしていることが、後述の実施例から示唆される。 PTFEの他には、例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)*、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFE)*、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)*、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)*、ポリフッ化ビニリデンフルオライド(PVDF)*およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)、などが挙げられるが、これらは限定的なものではない。 これらのフッ素樹脂フィルムのそれぞれについて、後述する実施例にしたがって、各種鳥類種について、放卵後の胚盤葉期の胚を殻なしシステムII培養し、該フィルムの種類が発生ステージの進行に与える影響を実体顕微鏡下で観察する。今日まで国内外で出版されていた鳥類の発生に関するテキストや、図説や、発生段階表などはニワトリ中心にまとめられている。実験発生学的にキメラを作る研究や、ニワトリにはない特徴や構造の発生に関する研究には、ニワトリ以外の種類を用いる必要があるが、その詳細な発生過程はニワトリとの相似性によって類推するほかはない。 ニワトリ胚の発生段階表には、いろいろのものがある。産卵後のものとしては、Hamburger & Hamilton(J.Morph.,88:49−92,1951)のものが基準となる。Hamburger & Hamiltonの発生段階表に基づいて、各種鳥類胚の殻なしシステムII培養における発生ステージを同定する。半数以上の胚がステージ17−19に達しているフッ素樹脂フィルムは、本発明に包含される。ニワトリでHamburger & Hamiltonにより設定された発生ステージであるため、他の鳥類ではHamburger & Hamiltonによるニワトリ発生ステージ表のステージに相当する発生段階の胚とする。 後述の実施例におけるミリラップ(Millipore社製、商品名)、フロリナート(Millipore社製、商品名)、あるいはこれらをサポート材でラミネートしたものは本発明を実施するのに好適である。 さらにまた、貼り合わせフィルム、例えば、疎水性PTFEフィルムと、塩化ビニリデン樹脂製フィルム、例えば、ガス透過性のミリラップとガスバリャー性のサランラップ(旭化成、商品名)とを貼り合わせたフィルムを用いることもできる。この場合、ミリラップが胚に接するようにすることが本発明の実施に必須である。逆にすると発生停止する。後述する実施例で明らかになったように、殼なしシステムII培養ではガス透過性は不要である。殻なしシステムII培養では、胚は酸素を必要としないか、あるいは外から供給される必要はほとんど必要ないと考えられる。 本発明においては、人工容器と人工膜とを一体に組み合わせた培養器を、「人工培養器」と称する。 <培養法>種卵は、ニワトリの場合、人工授精された白色レグホン種の放卵直後のもの(胚盤葉期の胚)を用いる。種卵は、紫外線および70%エタノールで滅菌した後、殻を割ってガラス容器、例えば蒸発皿に一旦移す。卵黄を包んでいる卵白を除去して卵黄部分のみとし、胚盤葉が卵黄の真上となるように卵黄を回転させる。遺伝子操作を行う場合は、この段階で遺伝子の顕微注入などの操作を施す。遺伝子を導入する際に、遺伝子発現マーカーとして、オワンクラゲ由来の緑蛍光タンパク遺伝子(GFP遺伝子)を共に導入すると、培養期間、開口部から、蛍光実体顕微鏡でGFP遺伝子の発現を経時的に観察することにより、胚形成における外来遺伝子の発現状態を把握することができる。 操作し終わった卵黄のついた胚は、50mlビーカーなどに移し、濃厚卵白を除く必要のあるときは、この時点でスパーテルを用いて除去する。濃厚卵白の除去のメリットは、Kamihiraらの文献(非特許文献3)に記載されているが、胚の変性(奇形)や生存率の低下などデメリットもあり、濃厚卵白の要否は今後の検討課題である。したがって、本発明においては、後述する実施例では濃厚卵白が存在した方が、発生に好影響を与える結果となっている。 卵黄のついた胚を、開口部を上にして垂直に固定した人工容器に移す。予め新鮮卵から集めておいた水様性卵白を、注射筒を用いて人工容器の開口部までいっぱいに満たす。スパーテルで慎重に気泡を取り除く。疎水性PTFEフィルムを、空気が入らないようにして開口部にかぶせ人工容器を密封する。卵黄のついた胚は水様性卵白の表面に浮かび上がる。卵黄の上面に位置する胚はフィルム面と接するようになる。人工膜として、重ね合わせフィルム、例えば、疎水性PTFEフィルム(例えばミリラップ)と、塩化ビニリデン樹脂製フィルム(例えば、サランラップ、旭化成、商品名)とを重ね合わせたフィルムを用いる場合、疎水性PTFEフィルムが胚に接するようにすることが必須である。 孵卵器(P−008、昭和フランキ)内では、人工培養器は開口部を上にして直立状態で、胚が人工膜に接するようにして、例えば、ニワトリの場合、温度37〜39℃、好ましくは38℃、相対湿度50−60%、好ましくは60%で72時間培養する。培養中は7.5分〜1時間に1回、30〜90度の角度で転卵する。 培養中、胚盤葉領域は空気を排除するために液状卵白(水様性卵白)に浸漬されていること、これにより胚盤葉表面は卵白の薄い層により覆われていることにより乾燥から防御されているだけでなく、胚盤葉下腔(sub−blastodermalcavity)も卵白で満たされ、胚盤葉下腔の形成が促進される。 胚培養は、一般的には、受精後およそ1日目(例えばニワトリの場合放卵直後)の胚盤葉期に始まり2日若しくは3日まで行いうる。例えば、ニワトリにおいては、次の胚生育期(PerryのシステムII1)に移行するための最も適切な培養時間は、脈管構造の発生が進行中の3日間である。他の鳥類種についてもニワトリ胚の発生に対応した発生ステージによって類推する。 システムII培養から胚生育期のシステムIIIに移行する場合、システムIIの胚の発生ステージは生存能および孵化能にかなり影響する。ニワトリの場合、ステージ18(Hamburger & Hamilton)の胚は生存能および孵化能が最も高い。 本発明の殻なしシステムII培養を絶滅の危機に瀕した鳥類の種に適用する場合、第一に、生存能および孵化能の見地から最もよい結果を得るための殻なしシステムII培養からシステムIIIへ移行する発生ステージを知ることが重要である。本発明の殻なしシステムII培養はこの発生ステージを決定するのに有用である。 以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 〔実施例1〕人工培養器によるニワトリ胚の培養ニワトリ有精卵は、神奈川県畜産研究所で飼育されている白色レグホンの放卵直後のものを実験に供した。人工培養器で放卵直後の胚盤葉期のニワトリ胚を胚形成まで72時間培養(システムII培養)後、人工膜の種類が発生に与える影響を実体顕微鏡下、Hamburger & Hamiltonのニワトリ発生段階表(J.Morph.,88:49−92,1951)に基づき観察した。 (1)人工容器 人工培養器は、卵型のプラスチック容器であって、長軸中央付近で直角方向に二つ割り(直径52mmの開口部となる)した形態(図1および図2A参照、Sawda Platec)の容器を用いた。二つ割の一方のみでもよい(特許文献1のFIG.4参照)。 対照の代理卵殼は、ニワトリ卵殼(胚培養に使用する受精卵より3−4g重い同系統の通常未受精卵を使用する)の鋭端側を直径40mmに丸く切り取ったものを用いた。人工容器および代理卵殻は70%アルコールおよび紫外線照射で殺菌した。 (2)人工膜 疎水性フッ素樹脂製のフィルムとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のミリラップ(Millipore社製、商品名)および高密度ポリエチレン材をラミネートしたPTFE膜であるフロリナート(Millipore社製、商品名)を、親水性フッ素樹脂製のフィルムとしてPTFE製のオムニポア(Millipore社製、商品名)を用いた。 また、ポリ塩化ビニリデン製のサランラップ(旭化成工業製、商品名)、およびミリラップとサランラップとを重ね合わせた膜を使用した。 (3)胚培養 胚の培養は、基本的に内藤らのシステムIIの胚培養法(非特許文献7)にしたがった。 有精卵を割り、濃厚卵白のついた胚あるいは濃厚卵白を除去した胚を、上記プラスチック容器あるいは代理卵殻に移した。予め新鮮卵から集めておいた水様性卵白を、人工容器あるいは代理卵殻に気泡が入らないように注意しながら注入し、開口部の縁まで満たした。 次に、開口部を上記人工膜で気泡が入らないようにして覆い、もう一方の人工容器で人工膜を挟み込んで密封した(図1参照)。このとき一方の容器は空気室を形成している(図1)。代理卵殻の場合は開口部をサランラップで覆い、プラスチックリングと輪ゴムで固定し密封した。 孵卵器(p−008型、昭和フランキ)に移し、人工培養器の場合は胚の部分が密封フィルムに接触するように垂直に置き、代理卵殻の場合は卵殻膜に胚が接触するように横置きにした。温度38℃、相対湿度60%で72時間培養した。培養中、30分に1回90度で転卵した。なお、対照胚として、開口部を設けない無処理の有精卵も同様に培養した。 (4)胚発生ステージ 培養72時間後、人工膜の種類別に、実体顕微鏡下でニワトリ胚の発生ステージを、ハンバーガーとハミルトンの発生段階表(Hamburger & Hamilton:J.Morphol.,88:49−92,1951)に基づき決定した(図2−Aおよび表1参照)。 (5)結果および考察 ミリラップ使用の場合、正常発生は73%(濃厚卵白有、以下、「有」)〜49%(濃厚卵白無、以下、「無」)、発生停止は19%(有)〜40%(無)であったのに対しサランラップ使用の場合、濃厚卵白の有無に関係なく、全ての胚は発生停止した。ミリラップとサランラップを重ね合わせて使用した場合、ミリラップを内側(胚に面する側)にすると、正常発生は79%(有)〜72%(無)、発生停止は16%(有)〜23%(無)であったのに対し、サランラップを内側にした場合全ての胚は発生停止した。対照は、正常発生93%、発生停止は3%であった。 一方、ステージ17〜19の発生分布をみると、ミリラップの場合は62%(有)〜33%(無)であった。ミリラップ(内)+サランラップ(外)の場合は59%(有)〜51%(無)であった。対照は78%であった。 濃厚卵白の存在は、正常発生率の向上、ステージ分布の増大および発生停止率の低下に寄与していることが示唆された。 以上の結果から、人工膜の材質が胚盤葉期から胚形成までの発生に大きな影響を与えていることが明らかとなった。このことについて、本発明者らは以下のように考えている。1)培養期間中、胚は開口部表面に浮上しており、必然的に胚は膜に接した状態にある。2)胚が接する人工膜の種類がガス透過性のミリラップの場合発生は進行し、優れたガスバリャ−性をもつサランラップの場合発生は停止した。 また、ミリラップとサランラップの重ね合わせたものは、サランラップのガスバリャ−性によりガス透過性がないが、ミリラップを内側(胚に面する)にすると発生は進行し、サランラップを内側にすると発生は停止した。このことは、ガス透過性とは別の要因、すなわち胚と接する人工膜の物性が発生の進行に関与していることは確かである。 フッ素樹脂の特性として、耐熱性および耐薬品性が極めて優れている、表面摩擦係数が低い、他のものがくっつきにくい、撥水性である、電気的特性(無極性)が優れている、などがあげられる。これらのうち、表面摩擦係数が低い、他のものがくっつきにくい、撥水性である、といった特性が、発生進行に関連しているのではないかと推測している。とりわけ、PTFEは固体の中で最も低い摩擦係数をもっている。一方、ポリ塩化ビニリデンを原料とするサランラップは酸素や水蒸気のバリャー性、密着性に優れている。 疎水性PTFE製の人工膜が、鳥類胚の胚盤葉期から胚形成までの発生進行を可能とした理由は、現在までのところ不明であるが、以下のように推測している。 胚は孵卵中、浮力により卵殻膜に接近して存在している。8時間以上同じ位置にあると、胚は卵殻膜に固着して胚の発育を中止することがあるので、孵卵中はときどきその位置を変えるために転卵する。代理卵殼を用いるPerryのシステムII培養においても、培養中、胚は常に卵殻膜に接触している状態にある。そこで、培養中、胚が接するのは卵殻膜である点に着目した。 卵殻膜は厚さ約70μmで、内膜と外膜からなり、卵の鈍端部では外膜と内膜が分かれて気室を形成する。外膜は厚さ約50μmで卵殼の乳頭節が入り込み、繊維の会合により、卵殻に固く付着している。構成繊維は太さ約3μmで、卵殻に対して平行に6層に重なって格子状となる。格子の網目は卵殻に近いほど大きく(10μm)、下層に向かって密となり、1μm程度となって内膜に接している。内膜の厚さは約20μmで、太さ約1.5μmの繊維が卵殻に対して平行に、各繊維が直角に交差して3層に重なって格子状となる。両膜の構成繊維の断面は、中心部が髄質となり、その周囲を、多糖類を多く含む外被層が覆っている。繊維の間にはラメラとよばれる物質が存在し、繊維と繊維をつなぎ、繊維間隙を狭くして弾力のある構造を形成している。 一方、疎水性PTFEの電子顕微鏡写真では、卵殻膜に類似した格子状構造が認められる。加えて、上記したように疎水性PTFEは、撥水性および固体の中で最も低い摩擦係数をもっている。このような疎水性PTFEの特性が本発明の人工膜としての有用性の根拠となっていると推測している。 〔実施例2〕人工培養器によるウズラ胚の培養 ウズラについてニワトリ胚と同様に、システムII培養を実施した。ウズラ受精卵は、東海有機(愛知県豊橋市)から放卵後1日以内のものを実験に供した。人工培養器は直径26mmの開口部をもつプラスチック容器を使用した(図2B)。 培養55時間後、人工膜の種類が発生に与える影響を実体顕微鏡下、Hamburger & Hamiltonのニワトリ発生段階表(J.Morph,,88:49−92,1951)に基づき観察した(表2)。 <結果および考察> ミリラップの正常発生は83%(有)〜78%(無)、発生停止は8%(有)〜13%(無)であったのに対し、サランラップの場合、全ての胚は発生停止した。ミリラップ(内)+サランラップ(外)の場合、正常発生は65%(有)〜55%(無)、発生停止は13%(有)〜38%(無)であったのに対し、ミリラップ(内)+サランラップ(外)の場合、全ての胚は発生停止した。 一方、発生ステージ17−18の分布をみると、ミリラップの場合は54%(有)〜12%(無)、ミリラップ(内)+サランラップ(外)の場合は43%(有)〜23%(無)であった。また、対照に比較して奇形が多く認められた。 濃厚卵白の存在は、正常発生、ステージ17〜18の分布数の向上に好影響を及ぼし、発生停止を低下させる傾向が認められた。 以上の結果、ウズラにおいても、人工膜の材質に関しては、ニワトリの場合と同様、疎水性PTFEの有用性が認められた。 〔実施例3〕親水性PTFEがニワトリ胚の発生に与える影響 疎水性PTFE製のミリラップは、胚の発生に有用であることが明らかとなった。そこで、その他の疎水性PTFE膜として、高密度ポリエチレンサポート材をラミネートしたフロリナート、そして親水性のPTFE膜としてオムニポアを用いて、胚盤葉期のニワトリ胚について同様の実験を行った。比較対照にミリラップを用いた。結果を表3に示した。 フロリナートにおける正常発生率79%、発生ステージ17〜19分布62%、発生停止率16%は、ミリラップの正常発生率78%、発生ステージ17〜19分布64%、発生停止率13%とほとんど同一であった。 一方、オムニポア(1.0μm、5.0μm)は、発生ステージ17〜19に達したのはオムニポア1.0μmにおける10%のみであり、明らかな発生遅延を引き起こした。 以上の結果から、親水性PTFEは本発明の人工膜としては使用できないことが明らかとなった。 〔実施例4〕人工培養器のサイズとウズラ胚の発生の関係 鳥類の卵の大きさは種によって大きく異なる。各種鳥類の胚盤葉期の胚を胚形成にまで発生させる人工培養器の開発の可能性を検証するために、ウズラ受精卵を用い、培養容器のサイズを変えてシステムII培養を試みた。人工膜には ミリラップを使用した。濃厚卵白は除かなかった。結果を表4に示した。 人工容器のサイズが直径26mm、42mm、52mmと大きくなるにつれ、正常発生率は86%、60%、50%、ステージ17〜19の分布は42%、28%、13%と低下していった。 ウズラ卵殼と、それより大きいニワトリ卵殻を代理卵殻として用いた場合も、ウズラ卵殻の正常発生率91%、発生ステージ17〜18の分布35%に対して、ニワトリ卵殻の正常発生率82%、発生ステージ17〜18の分布26%は明らかに低下した。 以上の結果、各種鳥類の卵を、人工培養器を用いてシステムII培養する場合、人工培養器を、対象とする鳥類種の卵殻の大きさおよび形態に合わせることが必須であることが明らかとなった。 発明の効果 1.これまで代理卵殼でしか可能でなかった、放卵直後の胚盤葉期の鳥類胚のシステムII培養を、代理卵殻に代えて、人工培養器で培養することが可能な殻なしシステムIIを提供する。これにより、Perryにより開発された、ガラス容器によるシステムI胚培養と上平らにより開発されたテフロン膜によるシステムIII胚培養と、本発明の殻なしシステムII培養とを結合させ、1細胞期の受精卵を一連の人工容器による胚培養システムで培養してヒナにまで孵化させる技術が提供される。2.絶滅の危機に瀕している鳥類種の胚をin vitro培養するために該鳥類種の卵殻が必要となった場合、その入手は非常に困難である。そこで、卵殻に代えて本発明の人工培養器による殻なしシステムII培養法の有用性が期待される。3.家禽における胚操作技術に対しての有用性が期待できる。 例えば、トランスジェニック鳥類を作出するために、放卵直後の胚盤葉期の胚に対し、複製能を欠失したレトロウイルスベクターをマイクロインジェクションする方法が一般的である。該ベクターを導入した胚の培養は、代理卵殻よりも、本発明者らが開発した殻なし培養システムIIを用いるのが最もベストな手段であることが期待される。4.人工容器の開口部は透明なフィルムでシールされているので、連続的な発生ステージを直接モニターすることができる。したがって絶滅の危機に瀕した種についての発生に関する基本的な情報を、貴重な胚を殺すことなく得ることができる。5.本発明の人工培養器を用いることにより、外来遺伝子導入操作、核移植操作、人為的受精操作、単為発生処理、同種異系統間のキメラ鳥類作出、あるいは異種間キメラ鳥類作出等が期待されうる。これらの操作技術は公知である。 放卵直後から胚形成期までのニワトリおよびウズラ受精卵(胚盤葉期胚)の卵殻外(人工胚)培養法の模式図を示す側面図である。 本発明の卵殻外培養法[情報システム部28]により、ニワトリ胚(A)およびウズラ胚(B)の写真である。胚形成期が完了するまでのそれぞれ72時間と55時間孵卵(胚培養)した。 符号の説明 1a 胚盤葉1b 卵黄1c 濃厚卵白2 水様性卵白3 人工培養器(プラスチック製:Sawada Platec)4 人工膜(疎水性PTFE製のミリラップフィルム:Millipore社) 下記工程a〜fを含む鳥類胚の殻なしシステムII培養法:a.該鳥類の受精卵とほぼ同一若しくはやや大きめでかつ該受精卵とほぼ同型の人工容器であって、その長軸に対して、中心付近あるいは端部よりに、直角に開口部を設けた人工容器を用意し;b.放卵された鳥類の受精卵から胚盤葉期の胚を取り出し;c.濃厚卵白とともに若しくは濃厚卵白を除いて上記aの人工容器に移し;d.新鮮卵から集めた水様性卵白を該人工容器に注入して開口部まで満たし;e.該開口部を、疎水性フッ素樹脂製フィルムで気泡を排除しながら密封し;そして、f.孵卵器内で該フィルムと胚が接するようにして、間歇的に転卵を行いつつ、胚形成に至るまで培養する。 工程a.の人工容器がプラスチック若しくはガラスである、請求項1記載の培養法。 プラスチックがフッ素樹脂製である、請求項2記載の培養法。 フッ素樹脂が疎水性である、請求項3記載の培養法。 工程e.の疎水性フッ素樹脂製フィルムがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製である、請求項1記載の培養法。 前項のフィルムがミリラップ(商品名)、テフロン(商品名)若しくフロリナート(商品名)である、請求項5記載の培養法。 さらに、前項フィルムの外側(胚に面しない側)にポリ塩化ビニリデン製フィルムを重ね合わせた、請求項6記載の培養法。 前項のフィルムがサランラップ(商品名)である、請求項7記載の培養法。 工程fの転卵が、30度−90度で、1回/7.5分−1回/60分の頻度で行われる、請求項1記載の培養法。 鳥類がニワトリ若しくはウズラである、請求項1記載の培養法。 鳥類が希少鳥類種である、請求項1項記載の培養法。 鳥類受精卵とほぼ同一若しくはやや大きめの人工容器でかつ該受精卵とほぼ同型の人工容器であって、その長軸に対して、中心付近あるいは端部よりに、直角に開口部を設けた人工容器と、該開口部を密封するための疎水性のフッ素樹脂製フィルムの組み合わせからなる、鳥類胚の殻なしシステムII人工培養器。 人工容器がプラスチック若しくはガラスである、請求項12記載の人工培養器。 プラスチックがフッ素樹脂製である、請求項13記載の人工培養器。 フッ素樹脂が疎水性フッ素樹脂である、請求項14記載の人工培養器。 前項のフィルムがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製である、請求項15記載の人工培養器。 前項のフィルムがミリラップ(商品名)、テフロン(商品名)若しくフロリナート(商品名)である、請求項16記載の人工培養器。 さらに、前項フィルムの外側(胚に面しない側)にポリ塩化ビニリデン製フィルムを重ね合わせた、請求項17記載の人工培養器。 ポリ塩化ビニリデン製フィルムがサランラップ(商品名)である、請求項18記載の人工培養器。 鳥類がニワトリ若しくはウズラである、請求項12記載の人工培養器。 鳥類が希少鳥類種である、請求項12項記載の人工培養器。 鳥類が希少鳥類種である、請求項12項記載の人工培養器。 請求項12記載の鳥類胚の殻なしシステムII人工培養器を作製するための人工容器の使用。 人工容器がプラスチック若しくはガラスである、請求項23記載の使用。 プラスチックがフッ素樹脂製である、請求項24記載の使用。 フッ素樹脂が疎水性である、請求項25記載の使用。 疎水性フッ素樹脂製フィルムがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルムである、請求項26記載の使用。 前項のフィルムがミリラップ(商品名)、テフロン(商品名)若しくフロリナート(商品名)である、請求項27記載の使用。 さらに、上記PTFE製フィルムの外側(胚に面しない側)にポリ塩化ビニリデン製フィルムを重ね合わせた、請求項28記載の使用。 ポリ塩化ビニリデン製フィルムがサランラップ(商品名)である、請求項29記載の使用。 鳥類がニワトリ若しくはウズラである、請求項23記載の使用。 鳥類が希少鳥類種である、請求項23記載の使用。 鳥類が希少鳥類種である、請求項23記載の使用。 【課題】 放卵後の鳥類の胚盤葉期の胚を培養し、胚形成に至るまで発生させることを可能とする、鳥類胚の殻なし培養法を提供することを課題とする。【解決手段】 放卵後間もない胚盤葉期のニワトリ胚を、長軸に対し直角に開口部を設けた、種卵の容量よりやや大きめの卵型の人工容器に移した。新鮮な水様性卵白を開口部まで満たした後、疎水性のフッ素樹脂を原料とするプラスチックフィルムで開口部を密封した。38℃、相対湿度60%に設定した孵卵器内で、胚が該フィルムに常時接するように開口部を上に向けて、72時間培養した。培養中、7.5分〜71時間おきに1回45〜90度の角度で転卵した。培養72時間後、Hamburger & Hamiltonの発生段階表ステージ17−19にまで発生した。【選択図】 なし