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タイトル:特許公報(B2)_含窒素有機化合物、化学増幅型レジスト材料及びパターン形成方法
出願番号:2004128478
年次:2010
IPC分類:C07D 493/08,G03F 7/004,G03F 7/039,H01L 21/027


特許情報キャッシュ

渡辺 武 長谷川 幸士 竹村 勝也 野田 和美 JP 4502115 特許公報(B2) 20100430 2004128478 20040423 含窒素有機化合物、化学増幅型レジスト材料及びパターン形成方法 信越化学工業株式会社 000002060 小島 隆司 100079304 重松 沙織 100114513 小林 克成 100120721 石川 武史 100124590 渡辺 武 長谷川 幸士 竹村 勝也 野田 和美 20100714 C07D 493/08 20060101AFI20100624BHJP G03F 7/004 20060101ALI20100624BHJP G03F 7/039 20060101ALI20100624BHJP H01L 21/027 20060101ALI20100624BHJP JPC07D493/08 AC07D493/08G03F7/004 501G03F7/039 601H01L21/30 502R C07D493/00−497/22 G03F 7/004 G03F 7/039 H01L 21/027 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開平07−134419(JP,A) 特開平07−062026(JP,A) 特開平05−232706(JP,A) 特開2001−089539(JP,A) 特開2004−083532(JP,A) 特開2002−371114(JP,A) 特開平10−207058(JP,A) 4 2005306812 20051104 38 20060419 渕野 留香 本発明は、新規な含窒素有機化合物、これを用いた微細加工技術に適した新規な化学増幅型レジスト材料、及びこれを用いたパターン形成方法に関する。 LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、微細加工技術として遠紫外線リソグラフィーが有望視され、すでに適用が始まっている。遠紫外線リソグラフィーは、0.2μm以下の加工も可能であり、光吸収の低いレジスト材料を用いた場合、基板に対して垂直に近い側壁を有したパターン形成が可能となる。また、近年、遠紫外線の光源として高輝度なKrF及びArFエキシマレーザーを利用する技術が注目されており、これが量産技術として用いられるためには、光吸収が低く、高感度なレジスト材料が要望される。 このような観点から開発された酸を触媒とした化学増幅ポジ型レジスト材料(特許文献1,2:特公平2−27660号、特開昭63−27829号公報等に記載)は、感度、解像度、ドライエッチング耐性が高く、優れた特徴を有するもので、遠紫外線リソグラフィーに特に有望なレジスト材料である。 しかしながら、化学増幅型レジスト材料の欠点として、露光からPEB(Post Exposure Bake)までの放置時間が長くなると、パターン形成した際にラインパターンがT−トップ形状になる、即ちパターン上部が太くなるという問題〔PED(Post Exposure Delay)と呼ぶ〕、又は塩基性の基板、特に窒化珪素、窒化チタン基板上での基板付近のパターンが太くなるいわゆる裾引き現象という問題がある。T−トップ現象は、レジスト膜表面の溶解性が低下するためと考えられ、基板面での裾引きは、基板付近で溶解性が低下するためと考えられる。また、露光からPEBまでの間に酸不安定基の脱離の暗反応が進行して、ラインの残し寸法が小さくなるという問題も生じている。これらのことは、化学増幅型レジストの実用に供する場合の大きな欠点となっている。この欠点のため、従来の化学増幅ポジ型レジスト材料は、リソグラフィー工程での寸法制御を難しくし、ドライエッチングを用いた基板加工に際しても寸法制御を損ねるという問題があった〔非特許文献1,2:W.Hinsberg,et.al.,J.Photopolym.Sci.Technol.,6(4),535−546(1993).,T.Kumada,et.al.,J.Photopolym.Sci.Technol.,6(4),571−574(1993).参照〕。 化学増幅ポジ型レジスト材料において、PEDあるいは基板面の裾引き問題の原因は、空気中あるいは基板表面の塩基性化合物が大きく関与していると考えられている。露光により発生したレジスト膜表面の酸は空気中の塩基性化合物と反応、失活し、PEBまでの放置時間が長くなればそれだけ失活する酸の量が増加するため、酸不安定基の分解が起こり難くなる。そのため、表面に難溶化層が形成され、パターンがT−トップ形状となるものである。 ここで、窒素含有化合物を添加することにより、空気中の塩基性化合物の影響を抑えることができるため、PEDにも効果があることはよく知られている(特許文献3,4:特開平5−232706号公報、特開平7−134419号公報等記載)。特に添加効果の高い窒素含有化合物として、アミン化合物もしくはアミド化合物が挙げられる。具体的には、ピリジン、ポリビニルピリジン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,4−ルチジン、キノリン、イソキノリン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、イミダゾール、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2−キノリンカルボン酸、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−(p−クロロフェニル)−4,6−トリクロロメチル−s−トリアジンなどが挙げられる。 しかし、これらの窒素含有化合物は、弱塩基で、T−トップ問題を緩和できるが、高反応性の酸不安定基を用いた場合の反応の制御、即ち酸拡散の制御が十分でない。弱塩基の添加は、特にPEDにおける暗反応が未露光部分においても進行し、PEDにおけるライン寸法の縮小(スリミング)、ライン表面の膜減りを引き起こす。前記問題を解決するには、強塩基を添加するのがよい。しかし塩基性度が高いほどよいわけではなく、超強塩基といわれるDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)又はDBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)、あるいはプロトンスポンジ(1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン)又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなど4級アンモニウム水酸化物の添加においても十分な効果を得ることができない。 一方で高解像性を達成するための高コントラスト化のためには、発生した酸の速度論的捕捉効果に優れる含窒素化合物を添加することが効果的である。水中における酸と塩基の解離定数はpKaで説明できるが、レジスト膜中における酸の速度論的捕捉能と含窒素化合物のpKaとは直接関係がない。これらは畠山らによって非特許文献3:J.Photopolym.Sci.Technol.,13(4),519−524(2000)において述べられている。この他、使用する含窒素有機化合物の種類が、パターンの形状にも大きく影響することが知られている。特公平2−27660号公報特開昭63−27829号公報特開平5−232706号公報特開平7−134419号公報W.Hinsberg,et.al.,J.Photopolym.Sci.Technol.,6(4),535−546(1993).T.Kumada,et.al.,J.Photopolym.Sci.Technol.,6(4),571−574(1993).J.Photopolym.Sci.Technol.,13(4),519−524(2000). 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、微細加工のためのフォトリソグラフィー、特にKrFレーザー、ArFレーザー、F2レーザー、極短紫外線、電子線、X線などを露光源として用いたリソグラフィーにおいて、高解像性と共に、良好なパターン形状を与える化学増幅型レジスト材料、及びこれを用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。更に、本発明はかかる化学増幅型レジスト材料に好適に用いられる含窒素有機化合物を提供することを目的とする。 本発明は、上記目的を解決するため、下記一般式(1)で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物を提供する(請求項1)。(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R2及びR3はそれぞれ独立に、エーテル(−O−)、カルボニル(−CO−)、エステル(−COO−)、アルコール(−OH)、スルフィド(−S−)、ニトリル(−C≡N))から選択される極性官能基又は下記式(i)で表されるアミン構造、下記式(ii)で表されるイミン構造、下記式(iii)で表されるアミド構造から選択される構造を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。(上式中、破線は結合手である。)R2とR3は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。) 上記一般式(1)で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物は、後述の方法により高収率かつ簡便に得られ、かつレジスト材料に適正量添加した場合に、高い解像性と良好なパターン形状を与えるものである。更に、用途に応じてR1、R2及びR3として最適なものを選択することにより、例えばパターン形状などのレジスト性能を最適に調整することができるものである。 更に、本発明は、上記一般式(1)で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物の1種又は2種以上を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト材料を提供する(請求項2)。 7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物の1種又は2種以上を含有することを特徴とする本発明の化学増幅型レジスト材料は高い解像性と良好なパターン形状を与えるものである。 更に、本発明は、(A)上記一般式(1)で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物、(B)有機溶剤、(C)酸不安定基で保護された酸性官能基を有するアルカリ不溶性又は難溶性の樹脂であって、該酸不安定基が脱離したときにアルカリ可溶性となるベース樹脂、(D)酸発生剤を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト材料を提供する(請求項3)。 本発明の含窒素有機化合物の1種又は2種以上、有機溶剤、ポジ型化学増幅レジストベース樹脂、酸発生剤を含有することを特徴とする本発明の化学増幅型レジスト材料は高い解像性と良好なパターン形状を与えるものである。 更に、本発明は、(1)上記化学増幅型レジスト材料を基板上に塗布する工程と、(2)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、(3)加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法を提供する(請求項4)。 本発明の化学増幅型レジスト材料を用いた上記パターン形成方法により、解像性と形状に優れたレジストパターンを形成することができるものである。 本発明の含窒素有機化合物を配合して調製したレジスト材料は、高い解像性と良好なパターン形状を与えるものであり、電子線や遠紫外線を用いた微細加工に有用である。KrFレジスト、ArFレジスト、F2レジスト、EUVレジスト、EBレジスト、X線レジストにおいて高い配合効果を与え、超LSI製造用の微細パターン形成材料として好適である。また、通常の露光法の他、液浸露光にも適用可能である。 以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 本発明者らは、化学増幅型レジスト材料への配合により、高い解像性と良好なパターン形状を与える未知の化合物について鋭意検討を重ねた。その結果、下記一般式(1)で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が高収率かつ簡便に製造可能であり、これを配合して用いれば、高い解像性と良好なパターン形状を与える化学増幅型フォトレジスト材料が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。特に、露光前の加熱処理(プリベーク)温度を概ね120℃以上の高温にした場合、従来のレジスト材料では、膜減りが顕著になりパターン形状不良となることがあるが、本発明のレジスト材料を用いればこれを防止でき、改善効果が非常に高いものである。 ここで、化学増幅型レジスト材料に配合される含窒素化合物として、上述したように、下記一般式(1)で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物を使用する。 一般式(1)中、R1は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、具体的には水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等を例示できるが、これらに限定されない。 R2及びR3はそれぞれ独立に、エーテル(−O−)、カルボニル(−CO−)、エステル(−COO−)、アルコール(−OH)、スルフィド(−S−)、ニトリル(−C≡N)、アミン、イミン又はアミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20、特に1〜10のアルキル基、炭素数6〜20、特に6〜10のアリール基、又は炭素数7〜20、特に7〜11のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R2とR3は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。 上記のエーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン又はアミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ヘキサデシル基、イコシル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−(メトキシメトキシ)エチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、4−メトキシブチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−オキソプロピル基、4−オキソシクロヘキシル基、2−アセトキシエチル基、10−アセトキシデシル基、2,3−ジアセトキシプロピル基、メトキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、2−(メチルチオ)エチル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、2−ジメチルアミノエチル基、アセチル基、2−カルバモイルエチル基等を例示できるが、これらに限定されない。上記のエーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン又はアミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数6〜20のアリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、トルイル基、キシリル基、ビフェニル基、デシルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アセトキシフェニル基、メチルチオフェニル基、シアノフェニル基、ジメトキシフェニル基、ジアセトキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基等を例示できるが、これらに限定されない。上記のエーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン又はアミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数7〜20のアラルキル基として具体的には、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、14−フェニルテトラデシル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基、フェナントリルメチル基、ピレニルメチル基、ナフタセニルメチル基、フルオレニルメチル基、トルイルメチル基、キシリルメチル基、デシルフェニルメチル基、メトキシフェニルメチル基、ヒドロキシフェニルメチル基、アセチルフェニルメチル基、メトキシカルボニルフェニルメチル基、アセトキシフェニルメチル基、メチルチオフェニルメチル基、シアノフェニルメチル基、ジメトキシフェニルメチル基、ジアセトキシフェニルメチル基、ジヒドロキシフェニルメチル基等を例示できるが、これらに限定されない。R2とR3が互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成する場合、R2とR3が互いに結合して形成するヘテロ環又はヘテロ芳香環として具体的には、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、4−ヒドロキシピペリジン、アザ−12−クラウン−4、アザ−15−クラウン−5、ピロリジノン、ピペリジノン、ε−カプロラクタム、ジヒドロインドール、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、インドール、ベンズピラゾール、ベンズイミダゾール、フェノキサジン、カルバゾール、プリン及びこれらの置換体を例示できるが、これらに限定されない。 一般式(1)で示される含窒素有機化合物を以下に具体的に例示するが、これらに限定されない。式中Meはメチル基、Acはアセチル基、Etはエチル基をそれぞれ表す。 本発明によれば、これらの分子内に7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物において、7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル基は酸との親和性が高く、これを窒素原子近傍の適切な位置に配置することにより光酸発生剤からの発生酸の速やかな捕捉を実現せしめ、一方でこの7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造が本含窒素有機化合物のレジスト膜中での分布に影響を及ぼしていると予想され、これらの結果として本発明の含窒素有機化合物を添加したフォトレジストにおける高解像性と優れたパターン形状を達成可能にするものと考えられる。また、本発明の7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物の可能な構造の中から適切なものを選ぶことにより、本発明の含窒素有機化合物の揮発性、塩基性度、酸の捕捉速度、レジスト中での拡散速度などを、用いるレジストポリマー及び酸発生剤の組み合わせに応じて適当に調節することができ、ひいてはパターン形状などのレジスト材料の性質を最適に調整することができる。 上記式(1)で示される含窒素有機化合物は、新規化合物であり、これら含窒素有機化合物は、化合物の構造に応じた最適な方法を選択して製造される。例として、−NH基を有する化合物のエポキシド等価体への付加反応によるアルコール化合物合成、それに続くアルコール化合物のエステル化反応を用いる2段階での製造法、を例示できるが、これに限定されない。以下、詳しく説明する。 上記の製造法の第1段階は、下記に示すように、−NH基含有化合物(3)のエポキシド等価体(下記式中の(2)など)への付加反応によるアルコール化合物(4)の合成である。(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R2及びR3はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン又はアミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R2とR3は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。) 本反応はアミン化合物のエポキシドへの付加反応などの常法にしたがい、必要に応じて溶媒あるいは酸又は塩基触媒を加え、反応を行うことができる。エポキシド等価体としてはエポキシド化合物の他に、α−ハロヒドリン化合物、環状カーボネート化合物を用いることができる場合もある。 上記の製造法の第2段階は、下記に示すようにアルコール化合物のエステル化反応である。(式中、R1、R2、R3は上記の通りであり、Xはハロゲン原子、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールオキシ基などの脱離基、水酸基、又はアルコキシ基を表す。) 上記式中、Xがハロゲン原子、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールオキシ基などの脱離基の場合は、本反応はアシル化剤を用いたアルコールのアシル化反応であり、塩基触媒を用いるアシル化法などの常法に従って反応を行うことができる。上記式中、X=−OHである場合は、本反応はアルコールとカルボン酸を用いたエステル化反応であり、酸触媒エステル化などの常法に従って反応を行うことができる。上記式中、X=−OR(Rはアルキル基を示す。)である場合は、本反応はアルコールとカルボン酸エステルを用いたエステル交換反応であり、塩基触媒又はルイス酸触媒によるエステル交換反応などの常法に従って反応を行うことができる。反応後は、反応混合物から通常の水系後処理(aqueous work−up)により目的化合物である本発明の含窒素有機化合物を得る。必要があれば目的化合物は蒸留、クロマトグラフィー、再結晶などの常法により精製することができる。あるいは水系後処理(aqueous work−up)を行わず、反応液を直接精製にかけることが可能な場合もある。 本発明の含窒素有機化合物は、上述したように化学増幅型レジスト材料に配合されて用いられるが、典型的には下記の組成の化学増幅型レジスト材料とすることが好ましい。(A)上記式(1)の含窒素有機化合物、(B)有機溶剤、(C)酸不安定基で保護された酸性官能基を有するアルカリ不溶性又は難溶性の樹脂であって、該酸不安定基が脱離したときにアルカリ可溶性となるベース樹脂、(D)酸発生剤を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト材料。 この場合、(A)成分の配合量は、(C)成分のベース樹脂100質量部に対し0.01〜2質量部、特に0.01〜1質量部であることが好ましい。少なすぎると、配合効果がなく、多すぎると、感度が低下しすぎる場合がある。 本発明で使用される(B)成分の有機溶剤としては、(A)成分の含窒素有機化合物、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。 有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100質量部に対して200〜1,000質量部、特に400〜800質量部が好適である。 本発明で使用される(C)成分のベースポリマーは、KrFエキシマレーザー用レジストとしては、ポリヒドロキシスチレン(PHS)、及びヒドロキシスチレンとスチレン、(メタ)アクリル酸エステル、その他の重合性オレフィン化合物などとの共重合体、ArFエキシマレーザー用レジストとしては、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマー、シクロオレフィンと無水マレイン酸との交互共重合系ポリマー及び更にこの交互共重合系ポリマーにビニルエーテル類又は(メタ)アクリル酸エステルを共重合した共重合系ポリマー、ポリノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン開環メタセシス重合系、F2レーザー用として上記KrF、ArF用ポリマーのフッ素置換体のほか、フッ素化ジエンを用いた閉環重合系ポリマーなど、2層レジスト用としては上記ポリマーの珪素置換体及びポリシルセスキオキサンポリマーなどが挙げられるが、これらの重合系ポリマーに限定されることはない。ベースポリマーは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。ポジ型レジストの場合、フェノールあるいはカルボキシル基あるいはフッ素化アルキルアルコールの水酸基を酸不安定基で置換することによって、未露光部の溶解速度を下げる場合が一般的である。 ベースポリマーの酸不安定基は、種々選定されるが、特に下記式(C1)、(C2)で示される炭素数2〜30のアセタール基、炭素数4〜30の3級アルキル基等であることが好ましい。 式(C1)、(C2)においてR1、R2は水素原子又は炭素数1〜20、特に1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよく、R3、R4、R5、R6は炭素数1〜20、特に1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよい。またR1とR2、R1とR3、R2とR3、R4とR5、R4とR6、R5とR6はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に炭素数3〜20、特に3〜12の環を形成してもよい。 式(C1)で示されるアセタール基として具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキメチル基、t−ブトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メトキシブチル基、1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−エトキシブチル基、1−プロポキシエチル基、1−プロポキシプロピル基、1−プロポキシブチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、2−メトキシイソプロピル基、2−エトキシイソプロピル基、1−フェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−フェノキシプロピル基、1−ベンジルオキシプロピル基、1−アダマンチルオキシエチル基、1−アダマンチルオキシプロピル基、2−テトラヒドロフリル基、2−テトラヒドロ−2H−ピラニル基、1−(2−シクロヘキサンカルボニルオキシエトキシ)エチル基、1−(2−シクロヘキサンカルボニルオキシエトキシ)プロピル基、1−[2−(1−アダマンチルカルボニルオキシ)エトキシ]エチル基、1−[2−(1−アダマンチルカルボニルオキシ)エトキシ]プロピル基を例示できるがこれらに限定されない。 式(C2)で示される3級アルキル基として具体的には、t−ブチル基、t−ペンチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−アダマンチル−1−メチルエチル基、1−メチル−1−(2−ノルボルニル)エチル基、1−メチル−1−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(7−オキサナルボルナン−2−イル)エチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−プロピルシクロペンチル基、1−シクロペンチルシクロペンチル基、1−シクロヘキシルシクロペンチル基、1−(2−テトラヒドロフリル)シクロペンチル基、1−(7−オキサナルボルナン−2−イル)シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−シクロペンチルシクロヘキシル基、1−シクロヘキシルシクロヘキシル基、2−メチル−2−ノルボニル基、2−エチル−2−ノルボニル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、3−メチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5,17,10]ドデシル基、3−エチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5,17,10]ドデシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−3−オキソ−1−シクロヘキシル基、1−メチル−1−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基、5−ヒドロキシ−2−メチル−2−アダマンチル基、5−ヒドロキシ−2−エチル−2−アダマンチル基を例示できるが、これらに限定されない。 また、ベース樹脂の水酸基の一部が一般式(C3a)あるいは(C3b)で表される酸不安定基によって分子間あるいは分子内架橋されていてもよい。 式中、R7、R8は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R7とR8は互いに結合して環を形成してもよく、環を形成する場合にはR7、R8は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状ののアルキレン基を示す。R9は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、bは0又は1〜10の整数である。Aは、a+1価の炭素数1〜50の鎖状もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在してもよく、又は水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、カルボニル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。aは1〜7の整数である。 一般式(C3a)、(C3b)に示される架橋型アセタールとして、具体的には下記(C3)−1〜(C3)−8が挙げられるが、これらに限定されない。 ベースポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による測定法でポリスチレン換算2,000〜100,000とすることが好ましく、2,000に満たないと成膜性、解像性に劣る場合があり、100,000を超えると解像性に劣るかあるいはパターン形成時に異物が発生する場合がある。 (D)成分の酸発生剤として、光酸発生剤を添加する場合は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもかまわない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド型酸発生剤等がある。以下に詳述するが、これらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。 スルホニウム塩はスルホニウムカチオンとスルホネートの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。 ヨードニウム塩はヨードニウムカチオンとスルホネートの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンとスルホネートとしてトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。 スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メタンスルホニルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tertブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニル−カルボニルジアゾメタンが挙げられる。 N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。 ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレートベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。 ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基のすべてをトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。 ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。 スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。 グリオキシム誘導体型の光酸発生剤は、特許第2906999号公報や特開平9−301948号公報に記載の化合物を挙げることができ、具体的にはビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(2、2、2−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(2、2、2−トリフルオロエタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−ニオキシム等が挙げられる。 また、米国特許第6004724号明細書記載のオキシムスルホネート、特に(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられる。 米国特許第6261738号明細書、特開2000−314956号公報記載のオキシムスルホネート、特に、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(メチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルチオフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−フェニル−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−10−カンホリルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メチルフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−クロロフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート;2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−(フェニル)−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(フェニル−1,4−ジオキサ−ブト−1−イル)フェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;1,3−ビス[1−(4−フェノキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンオキシム−O−スルホニル]フェニル;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルカルボニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[6H,7H−5,8−ジオキソナフト−2−イル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メトキシカルボニルメトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(メトキシカルボニル)−(4−アミノ−1−オキサ−ペンタ−1−イル)−フェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[3,5−ジメチル−4−エトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[2−チオフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;及び2,2,2−トリフルオロ−1−[1−ジオキサ−チオフェン−2−イル)]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナートである。 特開平9−95479号公報、特開平9−230588号公報、あるいは明細書中の従来技術として記載のオキシムスルホネート、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2−チエニルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−[(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−3−チエニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル等が挙げられる。 また、ビスオキシムスルホネートとして特開平9−208554号公報記載の化合物、特に、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル等が挙げられる。 中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、グリオキシム誘導体である。より好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミドである。具体的にはトリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、カンファースルホネート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N−カンファースルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−p−トルエンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド等が挙げられる。 本発明の化学増幅型レジスト材料における光酸発生剤の添加量は特に制限されないが、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。光酸発生剤の割合が多すぎる場合には解像性の劣化や、現像/レジスト剥離時の異物の問題が起きる可能性がある。上記光酸発生剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。更に、露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。 また、本発明のレジスト材料に、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43−44,45−46(1995)、J.Photopolym.Sci.and Tech.,9.29−30(1996)において記載されている。 酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル2−メチル2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル2−(2−トシロキシエチル)1,3−ジオキソラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は、酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。 本発明のレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対し2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。添加量が多すぎる場合は拡散の制御が難しく、解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こる。 また、本発明の含窒素有機化合物以外に、従来から用いられている含窒素有機化合物を1種あるいは2種以上併用することもできる。 本発明のレジスト材料には、必要に応じて、この他に既知の溶解制御剤、界面活性剤、酸性化合物、色素、熱架橋剤、酸架橋剤、安定剤などを加えてもよい。 本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えば、シリコンウエハー等の基板上にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.05〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜150℃、0.1〜10分間、好ましくは80〜140℃、0.5〜5分間プリベークする。次いで、目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線又は電子線を露光量1〜200mJ/cm2、好ましくは10〜100mJ/cm2となるように照射する。露光は通常の露光法の他、必要に応じてマスクとレジストの間を液浸するImmersion法を用いることも可能である。次いで、ホットプレート上で60〜150℃、0.1〜5分間、好ましくは80〜140℃、0.5〜3分間ポストエクスポウジャーベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは、2〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像して、基板上に目的のパターンが形成される。また必要に応じて現像後に更に加熱処理を行ってパターンサイズの調整を行うこと(thermal flow)も可能である。なお、本発明のレジスト材料は、特に高エネルギー線の中でも250〜120nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、極短紫外線、X線及び電子線による微細パターニングに最適である。 以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。 なお、下記式中Meはメチル基、Acはアセチル基をそれぞれ表す。 [合成例] 本発明の含窒素有機化合物を以下に示す方法で合成した。 [合成例1]ニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)(amine 1)の合成 トリエタノールアミン149g、トリエチルアミン405g、塩化メチレン1,500gの混合物に、5〜10℃で、7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸クロリド506gを2時間かけて滴下後、25℃で10時間撹拌した。水を加えて反応を停止し、続いて通常の水系後処理の後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、ニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)469gを得た(収率90%)。 [合成例2]ニトリロトリプロパン−1,2−ジイル トリス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)(amine 2)の合成 トリエタノールアミンの替りに同モルのトリイソプロパノールアミンを用いた以外は、[合成例1]と同様の方法によりニトリロトリプロパン−1,2−ジイル トリス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)を合成した(収率87%)。 [合成例3]ニトリロトリプロパン−1,2−ジイル トリス(7N−メチルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)(amine 3)の合成 メチルジエタノールアミン119g、7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸メチル344g、ナトリウムメトキシド1.0g、トルエン400gの混合物を反応により生じるメタノールを留去しながら10時間加熱還流した。反応液を濃縮後、減圧蒸留により精製を行い、ニトリロトリプロパン−1,2−ジイル トリス(7N−メチルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)276gを得た(沸点:187℃/11Pa、収率75%)。IR(KBr):ν=2981,2956,2877,2848,2796,1733,1467,1454,1392,1346,1307,1272,1180,1062,1039,1027,1002,929cm-1主要異性体の1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=1.40−1.80(10H,m),2.10(2H,m),2.32(3H,s),2.60(2H,m),2.68(4H,m),4.17(4H,m),4.63(2H,br.t,J=5.0Hz),4.78(2H,br.d,J=5.1Hz). [合成例4]N−ブチルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)N−ブチルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)(amine 4)の合成 メチルジエタノールアミンの替りに等モルのブチルジエタノールアミンを用いた以外は[合成例3]と同様の方法によりN−ブチルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)N−ブチルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)を合成した(沸点:204℃/15Pa、収率73%)。IR(KBr):ν=2956,2873,2823,1735,1467,1456,1376,1346,1307,1270,1180,1062,1025,1002,929cm-1主要異性体の1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=0.89(3H,t,J=7.4Hz),1.28(2H,tq,J=7.5,7.4Hz),1.35−1.80(12H,m),2.11(2H,m),2.50(2H,t,J=7.6Hz),2.59(2H,dd,J=9.3,4.8Hz),2.75(4H,t,J=6.2Hz),4.12(4H,t,J=6.2Hz),4.64(2H,m),4.80(2H,br.d,J=4.8Hz). [合成例5]N−フェニルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)N−フェニルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)(amine 5)の合成 メチルジエタノールアミンの替りに等モルのフェニルジエタノールアミンを用い、カラムクロマトグラフィーにより精製を行った以外は[合成例3]と同様の方法によりN−フェニルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)N−フェニルニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)を合成した(収率83%)。 [合成例6]N−(2−メトキシエチル)ニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)(amine 6)の合成 2−メトキシエチルアミン75.1g、水150gの混合物に氷冷・撹拌下、エチレンオキシド96.9gを加えた。徐々に室温まで昇温し、20時間撹拌した。濃縮後、減圧蒸留を行った。得られたN−(2−メトキシエチル)ジエタノールアミンを、メチルジエタノールアミンの替りに用いて[合成例3]と同様の操作を行い、N−(2−メトキシエチル)ニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)288gを得た(沸点:212℃/23Pa、収率70%)。IR(KBr):ν=2981,2956,2875,2829,1733,1454,1346,1307,1270,1182,1120,1062,1002,929cm-1主要異性体の1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=1.40−1.60(10H,m),2.10(2H,m),2.59(2H,dd,J=8.9,4.8Hz),2.76(2H,d,J=5.8Hz),2.83(4H,t,J=6.2Hz),3.32(3H,s),3.42(2H,t,J=5.8Hz),4.13(4H,t,J=6.2Hz),4.63(2H,m),4.79(2H,br.d,J=4.5Hz). [合成例7]N−(2−メトキシエチル)ニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)N−(2−シアノエチル)ニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)(amine 7)の合成 トリエタノールアミンの替りにN−(2−シアノエチル)ニトリロジエタノールを用いた以外は[合成例1]と同様の方法によりN−(2−メトキシエチル)ニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)N−(2−シアノエチル)ニトリロジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)を合成した(収率85%)。 [合成例8]N,N−ビス(2−アセトキシエチル)ニトリロエタン−2,1−ジイル 7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレートN,N−ビス(2−アセトキシエチル)ニトリロエタン−2,1−ジイル 7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート(amine 8)の合成 トリエタノールアミンの替りにN−(2−ヒドロキシエチル)ニトリロジエタン−2,1−ジイル ジアセテートを用いた以外は[合成例1]と同様の方法によりN,N−ビス(2−アセトキシエチル)ニトリロエタン−2,1−ジイル 7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレートN,N−ビス(2−アセトキシエチル)ニトリロエタン−2,1−ジイル 7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレートを合成した(沸点:166℃/12Pa、収率93%)。IR(KBr):ν=2958,2879,2836,1737,1454,1371,1307,1236,1182,1041,1002,929cm-1主要異性体の1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=1.40−1.80(5H,m),2.03(6H,s),2.10(1H,m),2.59(1H,dd,J=8.9,4.8Hz),2.75−2.90(6H,m),4.09(4H,t,J=6.0Hz),4.12(2H,t,J=6.0Hz),4.63(1H,br.t,J=5.2Hz),4.78(1H,br.d,J=5.2Hz). [合成例9]N,N−ビス(2−メトキシエチル)ニトリロエタン−2,1−ジイル 7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレートN,N−ビス(2−メトキシエチル)ニトリロエタン−2,1−ジイル 7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート(amine 9)の合成 2−メトキシエチルアミンの替りにビス(2−メトキシエチル)アミンを用いた以外は[合成例6]と同様の方法によりN,N−ビス(2−メトキシエチル)ニトリロエタン−2,1−ジイル 7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレートN,N−ビス(2−メトキシエチル)ニトリロエタン−2,1−ジイル 7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレートを合成した(沸点:131℃/11Pa、収率75%)。IR(KBr):ν=2979,2954,2875,2817,1735,1454,1346,1307,1270,1184,1120,1074,1064,1002,929cm-1主要異性体の1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=1.40−1.75(5H,m),2.08(1H,m),2.56(1H,dd,J=9.3,4.8Hz),2.74(4H,t,J=5.8Hz),2.81(2H,m),3.29(6H,s),3.41(4H,t,J=5.8Hz),4.13(2H,t,J=6.0Hz),4.61(1H,br.t,J=5.2Hz),4.77(1H,br.d,J=4.8Hz). [合成例10]7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−ピペリジノエチル(amine 10)の合成 メチルジエタノールアミンの替わりに2−ピペリジノエタノールを用いた以外は[合成例3]と同様の方法により7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−ピペリジノエチルを合成した(収率86%)。 [合成例11]7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−モルホリノエチル(amine 11)の合成 メチルジエタノールアミンの替わりに2−モルホリノエタノールを用いた以外は[合成例3]と同様の方法により7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−モルホリノエチルを合成した(沸点:119℃/8Pa、収率84%)。IR(KBr):ν=2956,2892,2854,2805,2692,1735,1454,1407,1371,1346,1305,1272,1187,1160,1118,1062,1035,1024,1002,981,943,927,916,860cm-1主要異性体の1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=1.40−1.55(2H,m),1.60−1.75{1.67(1H,dd,J=12.0,8.9Hz)を含む3H,m},2.09(1H,m),2.46(4H,m),2.55−2.60(3H,m),3.65(4H,m),4.10−4.25(2H,m),4.62(1H,br.t,J=5.2Hz),4.77(1H,br.d,J=5.2Hz). [合成例12]7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル(amine 12)の合成 トリエタノールアミンの替わりに2−(1H−イミダゾール−1−イル)エタノールを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチルを合成した(収率74%)。 [合成例13]7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)エチル(amine 13)の合成 トリエタノールアミンの替わりに2−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)エタノールを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)エチルを合成した(収率80%)。 [合成例14]7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−(2−オキソ−1−ピロジニル)エチル(amine 14)の合成 トリエタノールアミンの替りに2−(2−オキソ−1−ピロジニル)エタノールを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸2−(2−オキソ−1−ピロジニル)エチルを合成した(収率81%)。 [合成例15]ピペラジン−1,4−ジイルジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)(amine 15)の合成 メチルジエタノールアミンの替りに1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンを用い、カラムクロマトグラフィーにより精製を行った以外は[合成例3]と同様の方法によりピペラジン−1,4−ジイルジエタン−2,1−ジイル ビス(7−オキサノルボルナン−2−カルボキシレート)を合成した(収率68%)。 [実施例] 本発明の含窒素有機化合物を配合した本発明のレジスト材料を調製し、次いで本発明のパターン形成方法を実施し、その解像性及びパターン形状の評価を行った。 なお、下記例で使用したベースポリマー、酸発生剤、溶解制御剤、架橋剤の構造式を以下に示す。下記例でMw、Mnはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の値である。 [実施例1] 合成例1で得られた含窒素有機化合物(amine 1)を用いて、以下に示す組成で混合した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過し、レジスト材料を調製した。(A)ベースポリマー(Polymer 3)100質量部(B)酸発生剤(PAG 5)2.0質量部(C)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280質量部及び乳酸エチル120質量部(D)含窒素有機化合物(amine 1)0.1質量部 このレジスト材料を、反射防止膜(日産化学社製DUV30、55nm)を塗布したシリコンウエハー上へ回転塗布し、120℃で90秒間の熱処理を施して、厚さ550nmのレジスト膜を形成した。これをエキシマレーザーステッパー(ニコン社、NSR−S203B、NA−0.68、σ0.75、2/3輪帯照明)を用いて露光し、露光後110℃で90秒間熱処理を施した後、23℃まで冷却し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、23℃で60秒間パドル現像を行い、1:1のライン・アンド・スペース・パターンを形成した。現像済ウエハーを上空SEMで観察し、0.18μmのライン・アンド・スペース・パターンを1:1で解像する露光量(最適露光量)において、0.15μmのライン・アンド・スペース・パターンを剥がれなく、分離・解像していた。また、パターン断面を観察したところ、パターン形状は矩形かつ基板に対して垂直であった。 [実施例2〜24及び比較例1〜14] 実施例1に準じて、合成例2〜15により合成した含窒素有機化合物(amine 2〜15)及び比較となる含窒素有機化合物について、これらを配合したレジスト材料を調製し(該実施例及び比較例のアミンについて、amine 1の0.1質量部を基準にモル数で算出し、調製した)、解像性、及びパターン形状の評価を行った。 上記評価結果をもとに0.15μmのライン・アンド・スペース・パターンの解像の可否、及びパターン形状の観察結果を、下記表1及び表2にまとめた。 [実施例25] 合成例1で得られた含窒素有機化合物を用いて、以下に示す組成で混合した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過し、レジスト材料を調製した。(A)ベースポリマー(Polymer 11)80質量部(B)酸発生剤(PAG 1)2.0質量部(C)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート640質量部(D)含窒素有機化合物(amine 1)0.25質量部 このレジスト材料を、反射防止膜(日産化学社製ARC29A,78nm)を塗布したシリコンウエハー上へ回転塗布し、130℃で60秒間の熱処理を施して、厚さ300nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー(ニコン社製、NA=0.68)を用いて露光し、115℃で60秒間の熱処理を施した後、23℃まで冷却し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、23℃で60秒間パドル現像を行い、1:1のライン・アンド・スペース・パターンを形成した。現像済ウエハーを上空SEMで観察し、0.15μmのライン・アンド・スペース・パターンを1:1で解像する露光量(最適露光量)において、0.13μmのライン・アンド・スペース・パターンを剥がれなく、分離・解像していた。また、パターン断面を観察したところ、パターン形状は矩形かつ基板に対して垂直であった。 [実施例26〜44及び比較例15〜24] 実施例25に準じて、合成例2〜15により合成した含窒素有機化合物(amine 2〜15)及び比較となる含窒素有機化合物について、これらを配合したレジスト材料を調製し(該実施例及び比較例のアミンについて、amine 1の0.25質量部を基準にモル数で算出し、調製した)、解像性及びパターン形状の評価を行った。 上記評価結果をもとに0.13μmのライン・アンド・スペース・パターンの解像の可否、及びパターン形状の観察結果を、下記表3及び表4にまとめた。 上記の結果より、本発明のレジスト材料は解像性の向上、及びパターン形状の改善に効果を有することが確認された。 下記一般式(1)で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物。(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R2及びR3はそれぞれ独立に、エーテル(−O−)、カルボニル(−CO−)、エステル(−COO−)、アルコール(−OH)、スルフィド(−S−)、ニトリル(−C≡N))から選択される極性官能基又は下記式(i)で表されるアミン構造、下記式(ii)で表されるイミン構造、下記式(iii)で表されるアミド構造から選択される構造を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。(上式中、破線は結合手である。)R2とR3は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。) 下記一般式(1)で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物の1種又は2種以上を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト材料。(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R2及びR3はそれぞれ独立に、エーテル(−O−)、カルボニル(−CO−)、エステル(−COO−)、アルコール(−OH)、スルフィド(−S−)、ニトリル(−C≡N))から選択される極性官能基又は下記式(i)で表されるアミン構造、下記式(ii)で表されるイミン構造、下記式(iii)で表されるアミド構造から選択される構造を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。(上式中、破線は結合手である。)R2とR3は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。) (A)請求項1記載の含窒素有機化合物、(B)有機溶剤、(C)酸不安定基で保護された酸性官能基を有するアルカリ不溶性又は難溶性の樹脂であって、該酸不安定基が脱離したときにアルカリ可溶性となるベース樹脂、(D)酸発生剤を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト材料。 (1)請求項2又は3記載の化学増幅型レジスト材料を基板上に塗布する工程と、(2)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、(3)加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。


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