タイトル: | 公開特許公報(A)_動物胚凍結保存液とそれを用いた動物胚凍結保存法 |
出願番号: | 2004120882 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C12N5/06,A01N1/02,A61D19/00 |
音井 威重 鈴木 達行 村上 正夫 JP 2005261413 公開特許公報(A) 20050929 2004120882 20040319 動物胚凍結保存液とそれを用いた動物胚凍結保存法 有限会社山口ティー・エル・オー 800000013 井上 浩 100111132 音井 威重 鈴木 達行 村上 正夫 7C12N5/06A01N1/02A61D19/00 JPC12N5/00 EA01N1/02A61D7/02 B 3 1 書面 10 4B065 4H011 4B065AA90X 4B065BB02 4B065BB03 4B065BB04 4B065BB12 4B065BB15 4B065BB19 4B065BB37 4B065BB40 4B065BC50 4B065BD06 4B065BD09 4B065CA44 4B065CA60 4H011BB03 4H011BB08 4H011BB18 4H011BB19 4H011BC18 4H011CB02 4H011CB08 4H011CD02 4H011DH02 本発明は動物胚を凍結保存するための保存液であって、特に動物由来タンパク質成分を含まず、凍結胚の融解後に胚操作が不要で融解胚を受胚動物に直接移植することができる動物胚凍結保存液とそれを用いた動物胚凍結保存法に関するものである。 従来、哺乳動物を繁殖させるために受精卵を採取して、凍結保存した後に融解して他の受胚動物に移植することは広く一般的に実施されており、その受精卵の凍結方法にもいくつか実績のあるものがある。 例えば、ガラス化保存法があり、これは動物卵子又は胚を瞬時に凍結−融解できるものであり、電顕用グリッド法、オープン・プルド・ストロー法、ナイロン・ループ法、マイクロドロップ法などがある。これらのガラス化保存法では、いずれにおいても凍結−融解した卵子又は胚も高い生存率を示しており、簡易かつ効果的な動物胚の凍結保存法といえる。 このガラス化保存法としては、例えば特許文献1に「卵子または胚のガラス化用具及び方法」として筒状の極細管部と、この極細管部に続く、吸引及び吐出用器具に装填するための連結部とを含み、その極細管部の寸法を限定することで、卵子あるいは胚が垂直方向へ2個並存しえないようなガラス化用具とそれを用いたガラス化方法が開示されている。 また、特許文献2には、「胚のガラス化保存用液体組成物及びそれを用いた胚の超低温保存方法」として(1)10%(v/v)エチレングリコール添加M2液、(2)10%(v/v)エチレングリコール,0.3Mショ糖及び1%(w/v)ポリエチレングリコール添加M2液並びに(3)40%(v/v)エチレングリコール,0.6Mショ糖及び2%(w/v)ポリエチレングリコール添加M2液から構成される豚初期胚盤胞のガラス化保存用液体組成とその組成を用いる超低温保存方法の開示がある。このような高濃度の凍結防護剤を用いて急激に冷却することによって細胞内外ともに氷晶を作らずに、細胞を保存することができる。さらに、エチレングリコールの濃度を変えた液体に順次移すことで、浸透圧ショックを避けることができる。 しかしながら、このようなガラス化保存法では、高濃度に添加したエチレングリコールなどの凍結保護剤あるいは凍結防護剤による細胞毒性を下げるために迅速な胚操作が必要であるという課題があった。すなわち、高濃度の凍結保護剤によって浸透圧が高くなっており、また細胞毒性の高くなっていることから、なるべく胚がこの凍結保護剤に浸漬されている時間を減らす必要がある。 また、特許文献2に開示されている技術であっても、この凍結保護剤による浸透圧ショックを避けるため、胚を高濃度の液に段階的に慣らすためのステップワイズ法による添加−希釈処置が必要という課題があった。 さらに、前述の胚操作が必要なために凍結胚の融解後に、融解胚を受胚動物に直接移植することができないという大きな課題もあった。 そこで、胚の凍結保存に対して、基礎培地にエチレングリコールや血清などを添加して凍結させて、融解後に直接移植する技術も開発されている。 例えば、特許文献3には「豚胚のダイレクト凍結法」として、基礎培地の存在下、エチレングリコール、プロピレングリコール、血清およびテキストランを添加して、豚胚の凍結保存に使用する技術が開示されており、この技術によれば、凍結保存された豚胚は使用時に、融解してそのまま受卵豚に移植することができる。この特許文献3に開示された技術は、いわゆる緩慢凍結法という方法であり、この場合には胚操作が不要であるため前述のとおり胚の融解後には直接動物内に移植することが可能であるのでより実用的な凍結保存法といえる。 特開2001−252293号公報特開2002−212001号公報特開平9−122158号公報 しかしながら、この特許文献3などに示されるような従来の緩慢凍結法であれば、直接移植するために胚の洗浄作用を備えた血清などその動物由来のタンパク質を含ませるが、そのことによって有害なウイルスが胚や受胚牛や受卵豚に感染してしまう危険性があるという課題があった。また、血清添加培地のよるウシ胚の培養により、移植後流産や胎仔の過大化などの発育異常が多発するという課題もあった。 本発明は、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、動物由来タンパク質成分を含まず衛生的で安全性が高く、しかも凍結胚の融解後に胚操作が不要で容易に融解胚を受胚動物に直接移植することができる動物胚凍結保存液とそれを用いた動物胚凍結保存法を提供することを目的とする。 本発明の請求項1に記載された動物胚凍結保存液においては、上述の問題点を解決するため、基礎培地に、1.8Mエチレングリコールと0.05Mのトレハロースと25mMのヘペスと略1.5%(w/v)のポリビニルアルコールを添加するものである。 このような動物胚凍結保存液においては、エチレングリコールとトレハロースは凍結保護剤として作用し、ヘペスは動物胚凍結保存液のpHの変化を抑制する緩衝剤として作用する。略1.5%のポリビニルアルコールは、タンパク質の代替物質として胚細胞の骨格を維持する作用があるが、さらに、略1.5%という濃度によって十分な表面張力を発揮する作用を有する。 また、本発明の請求項2に記載された動物胚凍結保存液においては、含有成分が特許請求の範囲の表1で表される濃度である動物胚凍結保存液とするものである。 上記構成に係る動物胚凍結保存液は、請求項1に記載された動物胚凍結保存液と同様の作用を有する。なお、濃度の範囲として±10%と記載しているのは、特にその数値のみに限定するものではないという意味があるのと同時に、試験などを実施した際には培養液を調製する際に、略±10%程度の液量測定誤差が生じており、そのような範囲にあっても試験結果では略同等の効果を得ていることが根拠となっている。 請求項3に記載された動物胚凍結保存法においては、請求項1又は請求項2に記載された動物胚凍結保存液をストロー内に注入し、ストロー内に空気層を2箇所形成してその2箇所の空気層間の前記動物胚凍結保存液中に動物胚を配置してストローの両端を封止する工程と、ストローを緩慢凍結法にて植氷させストロー内部の動物胚を凍結保存する工程と、凍結保存された動物胚を融解する工程を有する。 このような動物胚凍結保存法においては、請求項1又は請求項2に記載された動物胚凍結保存液を使用するため、基礎培地に含まれるアミノ酸構成成分がエネルギー源となり、解毒作用やpHの調整を促進させる作用を有するとともに、エチレングリコールとトレハロースは凍結保護剤として作用し、ヘペスは溶液のpHの変化を抑制する緩衝剤として作用する。さらに、ポリビニルアルコールがタンパク質の代替物質として胚細胞の骨格を維持するという作用を有する。また、略1.5%という濃度によって十分な表面張力を発揮するため、例えば0.1%などの低濃度の場合よりも空気層の形状がより球形となる。従って、ストローと空気層の接触面積が減少し、空気層による断熱効果が希薄となるため、植氷時にストロー外表面に形成される氷晶が空気層の領域を超えて胚が存在する領域にも到達するという作用がある。 本発明の請求項1及び請求項2に記載された動物胚凍結保存液は、動物由来のタンパク質を含むことなく、アミノ酸構成成分によってエネルギー源としての機能や浄化作用を発揮させることが可能であり、なおかつ、空気層に挟まれるようにして配置されるストロー内の胚に対して、ポリビニルアルコールを略1.5%の濃度に調製することで、ストローを用いる緩慢凍結法にて動物胚を凍結保存させる場合に、空気層に挟まれる胚を含む凍結保存液に対して氷晶の到達を促すことができる。 また、請求項3に記載された動物胚凍結保存法においては、請求項1又は請求項2に記載される動物胚凍結保存液を使用することで、上述の効果を発揮して動物胚を容易かつ衛生的に凍結保存でき、その溶解後に生存率の高い胚を提供することができる。さらに、融解後に胚操作が不要となるためガラス化保存法ではできない融解後の直接移植を行うことができる。 以下、本発明に係る動物胚凍結保存液及びそれを用いた動物胚凍結保存法を実施するための最良の形態について図1を参照しながら説明する。 図1は本実施の形態に係る動物胚凍結保存液を用いてウシ胚を凍結保存するためのストローにウシ胚を封入している状態を示す概念図である。図1において、ストロー1には凍結保存液3が封入されており、両側に約3〜5mm程度の長さの空気層4を設けてその間に胚2が配置されている。また、ストロー1の両端には胚2及び凍結保存液3が漏洩しないようにシール5で封止されている。ストロー1はプラスチック製でその容量は0.25ml程度である。なお、このシール5は、いずれか一方は完全に封止する必要があるものの、もう一方は、完全なシールではなく、綿栓などで緩やかに封止することが望ましい。これは凍結時の動物胚凍結保存液の容積変化を吸収することができるようにするためと同時に融解時に胚を取り出しやすくするためである。従って、本願でいう封止とは、完全に漏洩のないような状態から前述の綿栓のようにある程度緩やかに封止する場合も含む概念である。 このように胚2を封入したストロー1を0℃に設定したプログラムフリーザーのエタノール槽内に浸漬する。その後例えば毎分1℃の速度で冷却して、−7℃に到達後、植氷して同温度で10分程度保持する。その後、毎分−0.3℃程度で−30℃まで冷却し、液体窒素中に浸漬凍結して保管する。植氷とは、種氷をつけることをいうが、このような種氷をつけなければ、氷晶が成長していかないため−7℃などある程度冷却が進んだ際に植氷を行う。 凍結後、使用に際しては、30℃から37℃の温度域の温水中で融解して受胚牛へ直接移植する。 なお、本図1に示されるストロー1は実際にはかなり細いため、本図では径方向に拡大して示しているので、長手方向と径方向の比は必ずしも現実のものとは異なる。 本実施の形態に係る動物胚凍結保存法によれば、凍結保存液を融解時に除去不要であるため直接移植することが可能となっている。 また、本実施の形態に係る動物胚凍結保存液について詳細に説明する。動物胚凍結保存液は、基礎培地として、アラニンとグリシンとタウリンの3種のアミノ酸構成成分を含有するものである。このアミノ酸構成成分は、エネルギー源となると同時に解毒作用やpHの調整を促進させるものである。 もう少し具体的に説明すれば、アラニンは、毒性のあるアンモニウムイオンを中和するキレート効果を備えている。グリシンは卵管あるいは子宮に存在するタンパク質であるが、このグリシンは胚組織の浸透圧を調整する作用や胚の代謝能を向上させる機能も備えている。さらに、タウリンも元々卵胞・卵管に存在するタンパク質であるが、細胞毒を中和するキレート剤として、あるいは抗酸化剤として働くことがわかっており、この作用を利用するものである。 本実施の形態に係る動物胚凍結保存液においては、上述のような基礎培地に、1.8Mエチレングリコールと0.05Mのトレハロースと25mMのヘペスを添加している。このエチレングリコールとトレハロースはいずれも凍結保護剤として添加されるものであり、凍結保存される胚を保護するために添加されるものである。また、ヘペスは緩衝剤であり、本実施の形態に係る動物胚凍結保存液のpHの変化を抑制するものである。 さらに、略1.5%(w/v)の濃度のPVAを添加している。このPVAはタンパク質の代替物質として添加するものであるが、粘性が高く胚細胞の骨格が維持されるという効果がある。しかし、緩慢凍結法では、凍結保護剤あるいは凍結防護剤をいれる必要はあるものの、急速に凍結する必要がなく濃度の薄い成分のみで調製するため、本来ならばこのPVAの濃度も例えば0.1%など低い濃度であることが望ましい。 しかしながら、そのように薄い濃度であると、前述の氷晶が空気層4を超えて胚2が封入されている領域まで成長せず、よって胚2を凍結することができない。従って本実施の形態に係る動物胚凍結保存液では、濃度を上げて1.5%としている。この濃度の適正については試験を実施したので、その結果については後述する。 なお、ゲンタマイシンは抗生物質である。また、ミオ・イノシトールは、血清中にも含まれる成分であり、胚発育を促す成分であり、それ自身及びその代謝物は細胞内物質の伝達や、有糸分裂の促進、受精時の細胞内カルシウムの放出、グリシンと共に浸透圧を調整する作用を有する。また、ソルビトールは、代謝を促進して胚の発育を支持するものであり、さらに、クエン酸は、脂肪酸合成を刺激する他、金属イオンなどをキレート化する作用を有している。この作用によって、細胞間結合を保持して胚のコンパクションや胞胚腔形成を促し、胚発育に関与していると考えられている。 また、アポ・トランスフェリンは抗酸化作用を備えるものである。BME(EAA)は、Basel Medium Eagles(Essential Amino Acids Solution)の略であり、また、MEM(NEAA)は、Modified Eagles Medium(Non−essential Amino Acids Solution)の略であり、それぞれ、BME必須アミノ酸溶液、MEM非必須アミノ酸溶液と呼ばれ、市販されるアミノ酸溶液である。これらのアミノ酸溶液は、培地に加えることで胚の発生を促進させるものである。 また、本実施の形態における動物胚凍結保存法では、このようにプログラムフリーザーを使用しながら、徐々に冷却するため植氷が必要であり、また冷却に時間がかかるなどの煩雑さがあったり、あるいは胚2を長期間低温にさらすなどの短所はあるものの、ステップワイズ法などによる浸透圧ショック回避の必要がなく、また、ストローを用いるので直接作業者が胚2や凍結保存液3に触れることもなく衛生的である。さらに、凍結時に用いられる液体窒素が微生物などに汚染されている可能性もあるため、液体窒素自体が胚や動物胚凍結保存液と接触しないというも衛生面では大きく効果がある。 ここで、本実施の形態に係る動物胚凍結保存液について、そのPVA濃度をパラメータとして、凍結−融解胚を3日間培養する試験を実施した。表2は試験に用いた動物胚凍結保存液である。但し、*1として示したBSAは、対照区として従来使用されている動物由来のタンパク質を含むものとして調製した動物胚凍結保存液であり、*2として示したPVAは、本実施の形態に係る動物胚凍結保存液である。なお、試験では、PVAの濃度として1.5%のみでなく、3%及び6%の濃度についても実施している。また、表1において、左欄から試薬の名称、100ml当りの試薬の重量、mMはミリモル量、FW(Formula Weight〉は各試薬の式量(分子量)を表している。但し、mMの欄においても単位を付して示してある量は、その単位による量となっている。 試験は基礎培地に、1.8Mエチレングリコール、0.05Mトレハロース、25mMヘペス及び、表2に示すように、ゲンタマイシンを加え、さらにBSA又はPVAを添加して試験を行った。 試験方法は、動物胚凍結保存液を使って体外作出したウシ胚盤胞期胚(7−8日目胚)を凍結させて、凍結−融解胚を10%FBS(Fetal Bovine Serum)とMEM NEAAを添加したαMEM液で3日間培養し生存性を比較した。 表2に示された動物胚凍結保存液を用いて行った試験の結果として観測された胚の生存率を表3に示す。 表3において、それぞれ20以上の処置胚数について、胚盤胞数、脱出期と脱出胚盤胞数、脱出胚盤胞数についてまとめた。 対照区として試験に加えられた従来のBSAを含む動物胚凍結保存液による結果に対して、本実施の形態に係る1.5%のPVAを含む動物胚凍結保存液による結果はほぼ同等であることが明確となった。 しかしながら、PVAの濃度を3%、6%と増加させるにつれて、特に脱出期と脱出胚盤胞数において、胚盤胞数からの減少が著しくなり、生存率の低下が極度に悪化する。本試験の結果から、PVAの濃度が3%以上となってしまうと、生存率は従来より悪化してしまうものの、略1.5%の濃度では、動物由来のタンパク質を用いずとも、十分高い生存率を維持することが可能であることが明示された。 なお、本試験前に予備試験を実施したが、その際には、PVAが0.3%〜1.0%添加した動物胚凍結保存液を調製したものの、凍結保存する際の植氷時に氷晶がストロー内の空気層を越えず、よって凍結保存ができないという不具合を生じていた。 以上の結果より、動物胚凍結保存液として、胚操作が必要なガラス化保存法を用いることなく、直接的に融解胚を受胚動物に移植することが可能であると同時に、ウイルス感染などの心配がある動物由来のタンパク質を用いることなく、容易で安全性の高い動物胚凍結保存法を実現するための動物胚凍結保存液として、本実施の形態に係る動物胚凍結保存液が適していることが理解される。 また、この動物胚凍結保存液と胚をストローに封入して、緩慢凍結法を用いて徐々に冷却凍結する方法によれば、凍結−融解胚を直接ストローから受胚動物に移植することができ、作業者の負担が少なく、生存率の高い安全で衛生的な動物胚凍結保存法を実現することができる。 本発明に係る動物胚凍結保存液と動物胚凍結保存法は、家畜の繁殖業などにおいて、胚の保存や胚の移植などに利用できるとともに、クローンの作出など広くバイオテクノロジーの分野において利用が可能である。 本実施の形態に係る動物胚凍結保存液を用いてウシ胚を凍結保存するためのストローにウシ胚を封入している状態を示す概念図である。 符号の説明 1…ストロー 2…胚 3…凍結保存液 4…空気層 5…シール 基礎培地に、1.8Mエチレングリコールと0.05Mのトレハロースと25mMのヘペスと略1.5%(w/v)のポリビニルアルコール(PVA)を添加することを特徴とする動物胚凍結保存液。 含有成分が表1で表される濃度であることを特徴とする動物胚凍結保存液。 請求項1又は請求項2に記載された動物胚凍結保存液をストロー内に注入し、前記ストロー内に空気層を2箇所形成してその2箇所の空気層間の前記動物胚凍結保存液中に動物胚を配置して前記ストローの両端を封止する工程と、前記ストローを緩慢凍結法にて植氷させ前記ストロー内部の動物胚を凍結保存する工程と、前記凍結保存された動物胚を融解する工程とを有することを特徴とする動物胚凍結保存法。 【課題】 本発明は、動物由来タンパク質成分を含まず衛生的で安全性が高く、しかも凍結胚の融解後に胚操作が不要で容易に融解胚を受胚動物に直接移植することができる動物胚凍結保存液とそれを用いた動物胚凍結保存法を提供する。【解決手段】 基礎培地に、略1.5%(w/v)のポリビニルアルコール(PVA)を添加した動物胚冷凍保存液をストロー1内に注入し、ストロー1内に空気層4を2箇所形成してその2箇所の空気層4間の動物胚凍結保存液3中に動物胚2を配置してストローの両端を封止する工程と、ストロー1を緩慢凍結法にて植氷させストロー1内部の動物胚2を凍結保存する工程と、凍結保存された動物胚2を融解する工程を有する。【選択図】 図1