タイトル: | 公開特許公報(A)_アルキル基置換フェノール類の異性化方法 |
出願番号: | 2004102306 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C07C37/00,B01J29/70,C07C39/06,C07C39/07,C07C39/08,C07B61/00 |
内山 直行 加藤 元 JP 2005281281 公開特許公報(A) 20051013 2004102306 20040331 アルキル基置換フェノール類の異性化方法 東レ株式会社 000003159 内山 直行 加藤 元 7C07C37/00B01J29/70C07C39/06C07C39/07C07C39/08C07B61/00 JPC07C37/00B01J29/70 ZC07C39/06C07C39/07C07C39/08C07B61/00 300 7 OL 9 4G069 4G169 4H006 4H039 4G069AA02 4G069AA03 4G069AA08 4G069BA07A 4G069BA07B 4G069BC21A 4G069BC22A 4G069BC23A 4G069BC25A 4G069BC32A 4G069BC64A 4G069BC69A 4G069CB41 4G069FA01 4G069ZA32A 4G069ZA32B 4G169AA02 4G169AA03 4G169AA08 4G169BA07A 4G169BA07B 4G169BC21A 4G169BC22A 4G169BC23A 4G169BC25A 4G169BC32A 4G169BC64A 4G169BC69A 4G169CB41 4G169FA01 4G169ZA32A 4G169ZA32B 4H006AA02 4H006AC27 4H006BA05 4H006BA11 4H006BA13 4H006BA16 4H006BA22 4H006BA71 4H006BE20 4H006DA15 4H006FC52 4H006FE13 4H039CA11 4H039CA12 4H039CA19 4H039CJ10 本発明は、マザイト型ゼオライトを含む触媒を用いて、アルキル基置換フェノール類を異性化する方法に関するものである。 個々のアルキル基置換フェノール異性体は幅広い分野で使用されている。例えば、アルキル基置換1価フェノール類では、キシレノールは合成樹脂、接着剤、殺虫剤抗酸化剤、除草剤などに有用である。また、クレゾール類は、消毒剤、合成樹脂、選鉱剤、薬品原料、農薬などに有用である。パラクレゾールは殺菌剤やクレソチン酸や染料などの組成物の合成において有用である。オルトクレゾールは殺菌剤やクマリンおよびその他の中間物の調整に応用がある。また、メタクレゾールは塗料や合成樹脂、殺菌剤などに有用である。アルキル基置換2価フェノール類は医薬、農薬、樹脂用配合剤の中間体として有用な化合物である。 アルキル基置換1価フェノール類の製造方法としては特許文献1や特許文献2記載の異性化方法が開示されているが、ペンタシル型ゼオライトを含む触媒を用いるために、2つ以上アルキル基置換されたの分子径の大きなアルキル置換フェノール類を得るには十分ではなく、活性もやや低いものである。。また、アルキル基置換2価フェノール類の製造方法としては特許文献3、特許文献4、特許文献5に硫酸、リン酸、フッ化水素、塩酸などの酸性触媒存在下に2価フェノール類とオレフィンとを液層で反応させる方法が開示されているが、これらの方法で使用される触媒は腐食性の強い触媒であり、工業的に使用するには好ましいものとは言えない。また、特許文献6には、ゼオライトを触媒として用い不均化反応でのアルキル基置換2価フェノール類製造方法が開示されているが、不均化反応であり、生成するアルキル基置換2価フェノール類は、2価フェノール骨格へのアルキル基置換の数が1〜4以上などと広い生成分布となり、所望のアルキル基置換2価フェノールを効率的には得られない。。特許文献7にはY型ゼオライトまたはベータ型ゼオライトを用いるアルキル置換フェノール類の異性化方法が開示されているが、不均化反応が多く異性化触媒としては十分ではない。特開平5−97738号公報米国特許第4,283,571号公報米国特許第2,051,473号公報米国特許第2,544,818号公報米国特許第2,831,817号公報特開平10−7609号公報特開2000−226351号公報 このように、従来公知の方法においても未だ、分子径の大きなアルキル基置換フェノール類などを効率的に得ることは充分ではない。 したがって、活性が高く、異性化選択性の高い触媒により、所望のアルキル基置換フェノール類を効率的に得る方法が強く望まれていた。 本発明者らは、課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、所望のアルキル基置換フェノールの異性体を異性化するに当たり、マザイト型ゼオライトを含む触媒を使用することによって、高異性選択性で得られたアルキル基置換フェノール類のうち、所望のアルキル基置換フェノールを除いた、不要のアルキル基置換フェノール類を更にマザイト型ゼオライトを含む触媒と接触させ異性化し、再び所望のアルキル基置換フェノールを合成することにより、不要のアルキル基置換フェノール類を有効に利用できることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明はアルキル基置換フェノール類をマザイト型ゼオライトを含む触媒と接触させて異性化する方法に関するものである。 本発明により、アルキル基置換フェノール類を高い異性化選択性で異性化することが出来る。 以下に本発明を詳細に記述する。本発明のアルキル基置換フェノール類の異性化方法は、所望のアルキル基置換フェノールの異性体を異性化するに当たり、触媒として、マザイト型ゼオライトを含む触媒を使用することを特徴とする。 本発明方法では、マザイト型ゼオライトを含む触媒を使用する。本発明においてゼオライトとは、結晶性マイクロポーラス物質のことで、分子サイズの均一な細孔径を有する結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェート、結晶性シリコアルミノフォスフェートのことである。ここでいうメタロシリケート、メタロアルミノシリケートとは、アルミノシリケートのアルミニウムの一部又は全部がガリウム、鉄、チタン、ボロン、コバルト、クロム等のアルミニウム以外の金属で置換されたものである。メタロアルミノフォスフェートも同様にアルミノフォスフェートのアルミニウム又はリンに対してその一部がそれ以外の金属で置換されたものをいう。 本発明でマザイト型ゼオライトとは、アトラス オブ ゼオライト ストラクチャー タイプス(Atlas of Zeolite Structure types)(ダブリュー.エム.マイヤー,デイー.エイチ.オルソン、シーエイチ.ベロチャー,ゼオライツ(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlocher, Zeolites,) 17(1/2), 1996)(文献1)に掲載されているMAZ構造のゼオライトである。マザイト型ゼオライトの組成は特に限定されない。しかし、好ましくはシリカ/アルミナ・モル比7以上、特に好ましくは9以上である。また、マザイト型ゼオライトは陽イオンとして、種々のカチオンを含有するが、カチオンの種類は特に限定されない。しかし、そのカチオンの一部又は全部が水素イオンであることが、異性化反応を促進させる上で好ましい。 マザイト型ゼオライト中の陽イオンを水素イオンに交換するには、通常、ゼオライトを酸水溶液でイオン交換するか、陽イオンをアンモニウムイオンでイオン交換し、ついで焼成する方法が行われる。また、ゼオライトがあらかじめ有機窒素含有含有カチオンを含有する場合は、焼成により該有機窒素含有含有カチオンを分解させ、水素イオンに転化することもできる。もちろん必要に応じ、上述したイオン交換法により、前記ゼオライト生成時に該ゼオライト中に存在するナトリウムなどの金属イオンをイオン交換することも可能である。マザイト型ゼオライトを利用したときに、異性化選択性が高くなる理由は、現時点では明らかでない。異性化選択性とは、下記の式1で定義されるのもである。 異性化選択性=(a−b)/c・・・(式1) a:反応後に存在する異性体量(モル) b:反応前に原料に含まれる異性体量(モル) c:原料の全転化量(異性化、不均化、脱アルキル化など全て含む)(モル) 異性化選択性が高いとは、所望のアルキル基置換フェノールの異性体以外の生成物(不均化等で生成する化合物)が少ないことである。異性化選択性が高いほど、得られたアルキル基置換フェノール類のうち、所望のアルキル基置換フェノールを除いた、不要のアルキル基置換フェノール類を更にマザイト型ゼオライトを含む触媒と接触させ異性化し、再び所望のアルキル基置換フェノールを合成する上で、不要のアルキル基置換フェノール類を、より有効に利用することが出来る。 本発明の触媒は、マザイト型ゼオライトおよび無機酸化物結合材を含有することが好ましい。マザイト型ゼオライトが粉末状体である場合には、触媒として工業的に使用するには成型することが好ましく、成型法には圧縮成型法、混練法、オイル・ドロップ法など種々の方法があるが、混練法が好ましく用いられる。無機酸化物結合材としては、アルミ、チタン、ケイ素、ジルコニウムなどの酸化物やカオリン、ベントナイト、モンモリロナイトなどの粘土が好ましい。本発明により好ましく用いられる無機酸化物結合材としてアルミナゾル、アルミナゲルを挙げることができる。無機酸化物結合材の割合は特に限定されないが、ゼオライト100重量部に対して絶乾基準で5から30重量部、好ましくは10から20重量部である。成形性が悪い時には、混練り時に塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を添加したり、ポリビニールアルコール、スパン、レオドール等の界面活性剤を添加すると効果がある。 さらに本発明の触媒は、レニウム、銀、プラチナ属金属、鉛、錫、ゲルマニウムおよびビスマスから選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの金属を含むことで、異性化反応の際、水素を共存させた場合、活性の向上や触媒寿命が長くなる効果がある。金属としては、レニウム、銀、プラチナ属金属、鉛、錫がさらに好ましく、特に好ましくは、レニウム、銀である。 本発明の触媒にこれらの金属を含有させる方法としては、特に限定されないが、銀イオンを含有させるには、例えば硝酸銀水溶液でマザイト型ゼオライトを含む触媒をイオン交換すれば容易に達成できる。銀イオンの含有量は好ましくは触媒組成物に対して金属換算で0.5から10重量%より好ましくは1から7重量%である。銀イオンを含む触媒組成物はアルキル基置換フェノール類の異性化反応において副反応の抑制に効果がある。マザイト型ゼオライトに含有された銀イオンは反応中に金属になったり、他の銀化合物になることがあるが、触媒性能を低下させることはない。 また、レニウムを含有させるには、例えば、種々のレニウム化合物の水溶液にマザイト型ゼオライトを含む触媒を接触させる含浸法や浸漬法などの担持方法が良い。特に、アルキル基置換フェノール類を液相状態で水素共存下、異性化反応させる時には触媒にレニウムを担持させると、レニウムは水素化活性成分として機能し、触媒活性点に被覆し触媒性能を被毒する高沸点化合物を除去することにより触媒活性を維持する効果がある。レニウムとして使用できるものは、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム、塩化レニウム等を挙げることができる。レニウムの担持量は触媒組成物に対して金属換算で0.05から2重量%。より好ましくは0.05から1重量%である。 本発明に用いられるアルキル基置換フェノール類とは、芳香環に1つ以上の側鎖がついたフェノール類であり、アルキル基置換1価フェノール類またはアルキル基置換2価フェノール類が好ましい。側鎖のアルキル基はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などで炭素数が1〜12までのものが好ましく、芳香環に2つ以上アルキル基がつく場合は、それらのアルキル基は同一種でも異種のアルキル基でもよい。例えば、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、エチルフェノール、プソイドクレモル、メシトル、メチルエチルフェノール、プロピルフェノール、メチルハイドロキノン類、メチルレゾルシノール類、メチルカテコール類、そしてより分子量の高いアルキル基置換フェノール類などを異性化する際に本発明は有効である。 本方法での供給原料は1種類以上のアルキル基置換フェノールを含んでいてもよく、この異性化反応に相当程度干渉しない他の構成物質を含んでいてもよい。 本発明の反応は、流通式でもバッチ式でも行うことが出来る。生産性の観点から、触媒を固定床として、アルキル基置換フェノール類を床中通過させる固定床流通式反応が好ましい。反応は加熱下に実施されるが、反応温度は通常100℃〜500℃、好ましくは200℃〜400℃である。反応圧力は、特に限定されず、常圧から任意の圧力に設定することが出来る。反応の際の触媒重量あたりの原料の供給速度である重量空間速度(WHSV)は、特に限定されないが通常0.01〜50hr-1、好ましくは0.1〜10hr-1である。 本発明の反応は、活性向上と触媒寿命の点から水素を共存させることが好ましい。水素の共存量は任意でよい。異性化で得られるアルキル基置換フェノール類は、どの様な生成物回収方式が用いられるかは本発明にとって重要な要素とは思われない。従来の技術で知られているどの様な回収方式を用いても良い。例えば、蒸留や相当の溶媒からの晶析やゼオライトを用いて選択的吸着などである。好ましくはゼオライトを用いた選択的吸着分離である。 以下に、本発明を実施例をもって説明する。 (実施例1)マザイト型ゼオライト合成 シリカ源として含水ケイ酸(SiO2含量91.6wt%,Al2O3含量0.33wt%、NaOH含量0.27wt%、H2O含量7.8wt%、ニップシールVN−3、日本シリカ)、アルミニウム源として硝酸アルミニウム・9水和物(和光純薬工業)、ナトリウム源として水酸化ナトリウム(NaOH含量、シグマアルドリッチジャパン)、ゼオライト構造規定剤としてテトラメチルアンモニムヒドロキシド(テトラメチルアンモニムヒドロキシド25wt%水溶液、シグマアルドリッチ)を用い、次の組成の混合物を調製した。 7.2Na2O:Al2O3:20SiO2:3.6R+OH-:315H2O(モル比) (R+OH-:テトラメチルアンモニムヒドロキシド) 具体的には、25.63gの蒸留水に3.43gの水酸化ナトリウムを溶解させたのち、7.88gのテトラメチルアンモニムヒドロキシド25wt%水溶液および硝酸アルミニウム・9水和物4.41gを加え30分攪拌し均一な溶液とした。この混合液に、含水ケイ酸7.87gを攪拌しながら徐々に加え、さらに2時間攪拌し、均一なスラリー状水性反応混合物を調製した。反応混合物は、100ml容テフロン(登録商標)製オートクレーブ(HIRO社製)に入れ密閉し、その後恒温漕(HIRO社製)にて20rpmで攪拌しながら100℃で4日間反応させた。 反応終了後、蒸留水で3回水洗、濾過を繰り返し、約120℃で一晩乾燥した。得られた生成物はマザイト型ゼオライトであった。このゼオライトのSiO2/Al2O3組成比(モル)は9.6であった。 (実施例2)触媒調製 上述のように得られたマザイト型ゼオライトを500℃で2時間焼成した後、10wt%塩化アンモニウム水溶液を用いて、塩化アンモニウム水溶液/ゼオライト=10の重量比で30分間75℃でイオン交換を3回行った。その後、水洗処理を蒸留水/ゼオライト=10の重量比で30分間75℃で3回行い、液切り後、約120℃で一晩乾燥し、540℃で3時間焼成することによりマザイト型ゼオライト触媒を調製した。 (参考例1)触媒調製 Y型ゼオライト(東ソー社製HSZ−320NAA、SiO2/Al2O3=5.5)を10wt%塩化アンモニウム水溶液を用いて、塩化アンモニウム水溶液/ゼオライト=10の重量比で30分間75℃でイオン交換を3回行った。その後、水洗処理を蒸留水/ゼオライト=10の重量比で30分間75℃で3回行い、液切り後、約120℃で一晩乾燥し、540℃で3時間焼成することによりY型ゼオライト触媒を調製した。 (参考例2)触媒調製 ベータ型ゼオライト(PQコーポレーション社製CP806B−25、SiO2/Al2O3=25)を500℃で2時間焼成した後、10wt%塩化アンモニウム水溶液をを用いて、塩化アンモニウム水溶液/ゼオライト=10の重量比で30分間75℃でイオン交換を3回行った。その後、水洗処理を蒸留水/ゼオライト=10の重量比で30分間75℃で3回行い、液切り後、約120℃で一晩乾燥し、540℃で3時間焼成することによりベータ型ゼオライト触媒を調製した。 (参考例3)触媒調製 モルデナイト型ゼオライト(東ソー社製HSZ−620HOA、SiO2/Al2O3=15)は水素イオン型のため、使用前に500℃で1時間焼成し水分を除くのみとし、モルデナイト型ゼオライト触媒を調製した。 (参考例4)ゼオライト合成・触媒調製(ペンタシル型ゼオライト)固形カセイソーダ(NaOH含量96.0wt%、H2 O含量4.0wt%、片山化学)7.3グラム、酒石酸粉末(酒石酸含量99.7wt%、H2 0含量0.3wt%,片山化学)10.2グラム、を水583.8グラムに溶解した。この溶液にアルミン酸ソーダ溶液(Al2 O3 含量18.5wt%、NaOH含量26.1wt%、H2 0含量55.4wt%、住友化学)35.4グラムを加えて均一な溶液とした。この混合液にケイ酸粉末(SiO2 含量91.6wt%、Al2 O3 含量0.33wt%、NaOH含量0.27wt%、ニップシールVN−3、日本シリカ)111.5グラムを撹拌しながら徐々に加え、均一なスラリー状水性反応混合物を調製した。この反応混合物の組成比(モル比)は次のとおりであった。 SiO2 /Al2 O3 25 H2 O/SiO2 20 OH- /SiO2 0.164 A/Al2 O3 1.0 A:酒石酸塩 反応混合物は、1000ml容のオートクレーブに入れ密閉し、その後250rpmで撹拌しながら160℃で72時間反応させた。反応終了後、蒸留水で5回水洗、濾過を繰り返し、約120℃で一晩乾燥した。得られた生成物は表1に示すX線回折パターンを有するペンタシル型ゼオライトであった。このゼオライトのシリカ/アルミナモル比は組成分析の結果、21.9であった。 上述のように得られたペンタシル型ゼオライトを500℃で2時間焼成した後、10wt%塩化アンモニウム水溶液をを用いて、塩化アンモニウム水溶液/ゼオライト=10の重量比で30分間75℃でイオン交換を3回行った。その後、水洗処理を蒸留水/ゼオライト=10の重量比で30分間75℃で3回行い、液切り後、約120℃で一晩乾燥し、540℃で3時間焼成することによりペンタシル型ゼオライト触媒を調製した。 (実施例3)異性化反応 実施例2で得られたマザイト型ゼオライト触媒をデシケーター中で冷まし、該触媒0.3gと2,4−キシレノール(東京化成 1級)1.5mlをステンレス製オートクレーブに入れ、250℃で4時間反応させた。反応終了後、反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表1に示した。 (比較例1)異性化反応 参考例1で得られた触媒を使用した以外は実施例3と同様にして行った。結果を表1に示した。 (比較例2)異性化反応 参考例2で得られた触媒を使用した以外は実施例3と同様にして行った。結果を表1に示した。 (比較例3)異性化反応 参考例3で得られた触媒を使用した以外は実施例3と同様にして行った。結果を表1に示した。 (比較例4)異性化反応 参考例4で得られた触媒を使用した以外は実施例3と同様にして行った。結果を表1に示した。 (比較例5)異性化反応 225℃で反応させた以外は比較例1と同様にして行った。結果を表2に示した。 (比較例6)異性化反応 225℃で反応させた以外は比較例2と同様にして行った。結果を表2に示した。 表1から明らかなようにモルデナイト型ゼオライトとペンタシル型ゼオライトは活性が低く、しかも異性化選択性もマザイト型ゼオライトに劣る結果であった。また、表2から明らかなようにほぼ同様の転化率で比較した際、マザイト型ゼオライトが最も異性化選択性が高かった。この様にアルキル基置換フェノール類の異性化反応において、マザイト型ゼオライトを含む触媒が有用であることがわかった。 本発明によれば、医薬、農薬、樹脂用配合剤の中間体などとして有用なアルキル置換フェノール類を異性化することができるので、所望の異性体を得ることができる。アルキル基置換フェノール類をマザイト型ゼオライトを含む触媒と接触させて、異性化することを特徴とするアルキル基置換フェノール類の異性化方法。水素を共存させることを特徴とする請求項1記載のアルキル基置換フェノール類の異性化方法。マザイト型ゼオライトを含む触媒がマザイト型ゼオライト及び無機酸化物結合剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載のアルキル基置換フェノール類の異性化方法。マザイト型ゼオライトを含む触媒がレニウム、銀、プラチナ族金属、鉛、錫、ゲルマニウムおよびビスマスから選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のアルキル基置換フェノール類の異性化方法。アルキル基置換フェノール類がアルキル基置換1価フェノール類またはアルキル基置換2価フェノール類あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のアルキル基置換フェノール類の異性化方法。アルキル基置換フェノール類のアルキル基の炭素数が1〜12である請求項1〜5のいずれか1項記載のアルキル基置換フェノール類の異性化方法。アルキル基置換フェノール類がクレゾール、キシレノール、トリメチルフェノールまたはアルキル置換ハイドロキノンである請求項5または6記載のアルキル基置換フェノール類の異性化方法。 【課題】分子径の大きな、所望のアルキル基置換フェノール類を効率的に製造する手法を得る。【解決手段】アルキル基置換フェノール類を触媒と接触させ異性化するに当たり、マザイト型ゼオライトを含む触媒を使用する。異性化反応は、水素共存下で行うことが好ましくい。本発明は、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、アルキル置換ハイドロキノンなどの異性化に有用であり、触媒は、マザイト型ゼオライトの他に、無機酸化物結合材、レニウム、銀プラチナ属金属、鉛、錫ゲルマニウムおよびビスマスから選ばれる金属を含むことが好ましい。【選択図】なし