タイトル: | 公開特許公報(A)_ノルボルネン誘導体及び該誘導体を重合してなる(共)重合体 |
出願番号: | 2004098618 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C07D209/76,C08F8/04,C08F232/08,C08G61/08,G02B1/04 |
高井 広和 村上 俊秀 JP 2005281219 公開特許公報(A) 20051013 2004098618 20040330 ノルボルネン誘導体及び該誘導体を重合してなる(共)重合体 日本ゼオン株式会社 000229117 高井 広和 村上 俊秀 7C07D209/76C08F8/04C08F232/08C08G61/08G02B1/04 JPC07D209/76C08F8/04C08F232/08C08G61/08G02B1/04 8 OL 20 4C204 4J032 4J100 4C204BB03 4C204BB04 4C204CB23 4C204DB30 4C204EB03 4C204FB07 4C204GB01 4J032CA34 4J032CA38 4J032CA45 4J032CB03 4J032CC03 4J032CD02 4J032CE03 4J032CG07 4J032CG08 4J100AA02R 4J100AA03R 4J100AA04R 4J100AA07R 4J100AA15R 4J100AA19R 4J100AA21R 4J100AR09Q 4J100AR11P 4J100AR22Q 4J100BC66P 4J100CA04 4J100CA05 4J100CA31 4J100DA01 4J100DA25 4J100DA37 4J100DA62 4J100HA03 4J100HB02 4J100HE14 4J100JA33 4J100JA36 本発明は新規なノルボルネン誘導体及び該誘導体を重合してなる重合体に関し、詳しくは、複屈折性が低くて透明性及び非吸水性に優れる重合体を与えることのできる新規なノルボルネン誘導体、並びに、これを用いてなる(共)重合体に関する。 ノルボルネンやテトラシクロドデセンなどの重合体である脂環構造含有重合体は透明性、非吸水性、電気絶縁性、耐薬品性等に優れるので、レンズ、プリズム、光ディスク(CD、LD、DVD等)、導光板、光学フィルム等に好適に使用されているが、惜しむらくは従来公知の脂環構造含有重合体は複屈折性を有している。近年、光学用素子には更に精度の高い性能が要求されるようになり、音や映像のデータに当てたレーザ反射光を読み取るのに用いられるピックアップレンズや、偏光を利用する液晶素子などの用途で、複屈折がほとんど生じない透明樹脂が求められるようになった。 特許文献1は、成形加工時の溶融流れによって生ずる重合体分子中の脂環構造の配向を防止する目的で、脂環構造に4−ビフェニルカルボニルオキシ基、2−ナフタレンカルボニルオキシ基、9−フルオレンカルボニルオキシ基等の芳香族系置換基を有するノルボルネン誘導体を重合することを提案している。しかし、該誘導体の芳香族系の置換基はフレキシブルなカルボニルオキシ基を介して脂環構造に結合しているため溶融流れに流されやすい構造であり、小割合の使用では配向阻止効果が小さい。一方、これを50重量%以上の大割合で用いると、得られる重合体は非吸水性に劣る上、ガラス転移点が低下して耐熱性にも難が生じる。特開2003−238494号公報 本発明の目的は、透明性及び非吸水性に優れる上に、顕著な低複屈折性と高い耐熱性とを有する重合体を実現することのできる新規な脂環構造含有単量体を提供することにある。 本発明者らは上記課題に対し、従来の脂環構造含有重合体の有する複屈折性が成形加工時に生じる正の配向複屈折性であることに着目し、異方性を有する原子団を、溶融流れに流されない剛直な連結基で支えてなる負の配向複屈折性ノルボルネン誘導体を共重合させることによって相殺することを企図した。本発明者らは鋭意研究した結果、液晶分子が液晶性を発揮する原因となっている中間相原子団(メソゲン)を異方性を有する原子団として採用し、また、ジカルボンイミド基を剛直な連結基として採用することにより上記の企図が叶えられること、さらに、メソゲン基の選択によっては複屈折性のない単独重合体も可能となることを見出した。本発明はこの知見に基づいて完成されたものである。 かくして、本発明によれば下記1〜7が提供される。1.下記一般式(1):(ここで、Xはメソゲン基であり、mは0、1又は2である。)で表わされるノルボルネン誘導体。2. 前記メソゲン基が二つ以上の芳香環(複素芳香環含む)又は脂環を有する基である上記1記載のノルボルネン誘導体。3. 前記メソゲン基が2−フルオレニル基、4−ビフェニル基又は2−ビフェニル基である上記1のノルボルネン誘導体。4. 前記メソゲン基が4−ジフェニルエーテル基又は4−ベンゾフェノン基である上記1のノルボルネン誘導体。5. 上記1〜4のいずれかに記載のノルボルネン誘導体1〜100重量%、並びに、メソゲン基を有しない脂環構造含有単量体又は/及びα−オレフィン99〜0重量%を(共)重合してなる(共)重合体。6. 下記一般式(2): (ここで、Xはメソゲン基であり、mは0、1又は2である。)で表わされる繰り返し単位1〜100重量%及びメソゲン基を有しない脂環構造含有単量体由来の繰り返し単位99〜0重量%からなる(共)重合体。7. 上記5又は6の(共)重合体を水素化してなる(共)重合体水素化物。8. 上記5もしくは6の(共)重合体又は上記7の(共)重合体水素化物を成形してなる光学用素子。 本発明の新規な脂環構造含有単量体により、透明性及び非吸水性に優れる上に、顕著な低複屈折性と高い耐熱性とを有する重合体を実現することができる。 本発明のノルボルネン誘導体は、前記一般式(1)で表わされる化合物である。式中、Xはメソゲン基であり、mは0、1又は2である。 本発明のノルボルネン誘導体においてメソゲン基は、液晶分子における、液晶性を発揮する剛直な棒状中間相(液晶相)形成原子団を意味する。メソゲン基は、好ましくは、2つ以上の芳香環(複素芳香環含む)又は脂環を有し、これらを結合する連結基を有してもよく、芳香環又は脂環の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていても良い。 本発明のノルボルネン誘導体において、メソゲン基を構成する芳香環又は脂環が、炭素原子及び水素原子のみで構成される場合は、6員環であることが好ましく、ベンゼン環又はシクロヘキサン環であることが特に好ましい。芳香環が複素芳香環である場合は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましい。複素芳香環のヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。複素芳香環としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、1,3,5−トリアジン環などが挙げられる。 メソゲン基を構成する芳香環又は脂環の数は、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8が特に好ましく、2〜6が最も好ましい。 メソゲン基中の任意の二つの環の結合関係には、(a)縮合環基を形成する場合、(b)複数の環を単結合で直結した基を形成する場合及び(c)複数の環を連結基で結合した基を形成する場合があり、(a)〜(c)のいずれでもよい。 (a)の基の要素となる縮合環の例としては、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環、チアントレン環などが挙げられる。 (b)の基の環の結合は、炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの環を結合して、二つの環の間に脂環または非芳香族性複素環を形成してもよい。この型の基としては、ビフェニル基、ビフェニレン基、ターフェニル基などが挙げられる。 (c)の基の連結基も、炭素原子間を結合するものであることが好ましい。連結基は柔軟性の少ない基が好ましく、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アゾ基、アゾキシ基、−CO−、−O−、−NH−、−CH=N−、−S−又はそれらの組み合わせであることがより好ましい。この型の基としては、2,2−ビスフェニルプロピル基、ジフェニルエーテル基、ベンゾフェノン基、スチルベン基、などが挙げられる。 メソゲン基における芳香環、脂環及び連結基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、スルホ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基など及び非芳香族性複素環基を代表例として挙げることができる。 一般にメソゲン基を構成する環数が多いほど、該メソゲン基を有するノルボルネン誘導体の単独重合体は負の配向複屈折性が大きくなる。環数が同じ場合は、上記(a)の縮合環基を形成する場合が負の配向複屈折性がより大きく、上記(b)の複数の環を単結合で直結した基を形成する場合がこれに次ぎ、上記(c)の複数の環を連結基で結合した基を形成する場合が負の複屈折性がより小さい。 また、メソゲン基の環を構成する炭素のどれがジカルボンイミド基の窒素原子に結合するかによっても負の複屈折性の度合いが異なる。メソゲン基が縮合環基を形成する場合は、メソゲン基の結合炭素からの長さが最大となる部位となる炭素が、イミド基の窒素原子に結合するとき負の複屈折性が最大になる。メソゲン基が単結合で直結された複数の環からなる場合は、単結合の隣の部位または単結合から最も遠い部位の炭素がイミド基の窒素原子に結合するとき負の複屈折性が最大になる。 単独重合体が負の複屈折性が大となるノルボルネン誘導体のメソゲン基の例としては、2−フルオレニル基、4−ビフェニル基、2−ビフェニル基、2−ナフタレン基などが挙げられ、2−フルオレニル基、4−ビフェニル基及び2−ビフェニル基が好ましい。なお、これらのメソゲン基を有するノルボルネン誘導体の重合体は非吸水性が大きい。 また、単独重合体がほとんど複屈折性を呈さないノルボルネン誘導体のメソゲン基の例としては、4−ジフェニルエーテル基、4−ベンゾフェノン基、4−ベンジルフェニル基、4−フェノキシカルボニルフェニル基などが挙げられ、4−ジフェニルエーテル基及び4−ベンゾフェノン基が好ましい。 また、前記一般式(1)における脂環構造の繰り返し数mとしては、m=0のノルボルネン及びm=1のテトラシクロドデセンが好ましく、ノルボルネンがより好ましい。 本発明のノルボルネン誘導体の製造法は限定されないが、例えば、下記式(3)に示すように、無水マレイン酸とメソゲン基含有第一級アミンとを、通常、70〜250℃、好ましくは80〜200℃にて、通常、0.5〜48時間、好ましくは1〜20時間反応させることによりN−メソゲン基置換マレイミドを得た後、これをシクロペンタジエンとディールスアルダー反応させて生成することができる。ディールスアルダー反応に特に限定はなく、通常、窒素などの不活性ガス雰囲気下で、好ましくは120〜250℃、より好ましくは130〜230℃で、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.2〜15MPaの圧力下で、好ましくは0.1〜4時間、より好ましくは0.5〜3時間反応させる。 (ここで、Xはメソゲン基であり、mは0、1又は2である。) また、本発明のノルボルネン誘導体の別の製造法として、下記式(4)に示すように、無水マレイン酸とシクロペンタジエンとのディールスアルダー反応により酸無水物基を有する脂環構造含有単量体とした後、これにメソゲン基含有第一級アミンを反応させて酸無水物基をN−メソゲン基置換ジカルボンイミド化させて得ることもできる。ディールスアルダー反応及びイミド化反応の条件は前記と同様である。 (ここで、Xはメソゲン基であり、mは0、1又は2である。) 従来の脂環構造含有重合体の成形品に複屈折性が見られる原因は、射出成形、押出成形などの溶融成形の際に、溶融流れや延伸の方向に沿って重合体の主鎖が配向するためとされている。単量体由来の繰り返し単位における分極率楕円体の長軸が重合体の主鎖方向に平行であるため正の配向複屈折性を示すのである。本発明のノルボルネン誘導体は、異方性(主鎖方向に垂直な方向性)の大きいメソゲン基が、溶融流れに流されにくい剛直な構造のジカルボンイミド基を介して脂環構造に固定されていることにより、負の配向複屈折性の繰り返し単位となり得るのである。そのため、本発明のノルボルネン誘導体と従来のメソゲン基を有しない脂環構造含有単量体とを共重合することにより、ほとんど複屈折性のない共重合体を実現することができる。また、メソゲン基の選択によって該メソゲン基を有するノルボルネン誘導体の単独重合体が有する配向複屈折性の負の度合いを大小調整することができるので、ほとんど複屈折性を呈さないメソゲン基を持つ本発明のノルボルネン誘導体を用いることにより、単独重合体で目的を達成することも可能である。 なお、上記のような共重合体及び単独重合体の語を同時に記載する場合に、「(共)重合体」と略記すことにする。また、重合及び共重合の語を同時に記載するに場合に、「(共)重合」と略記すことにする。 本発明の(共)重合体の第一の形態は、本発明のノルボルネン誘導体1〜100重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは1〜25重量%、並びに、メソゲン基を有しない脂環構造含有単量体又は/及びα−オレフィン99〜0重量%、好ましくは99〜50重量%、より好ましく99〜75重量%を(共)重合してなるものである。 本発明の第一の形態の(共)重合体を得る重合形式としては、開環(共)重合、付加(共)重合が挙げられる。なお、メソゲン基を有しない脂環構造含有単量体は開環共重合及び付加共重合に用いられるが、α−オレフィンは付加共重合にのみ用いることができる。 メソゲン基を有しない脂環構造含有単量体の脂環構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられ、単環、多環(縮合多環、橋架け環、これらの組み合わせ環など)いずれでもよい。脂環構造を構成する炭素数に特に制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。 このようなメソゲン基を有しない脂環構造含有単量体の例としては、ノルボルネン系単量体、単環の環状オレフィン、環状共役ジエン、ビニル脂環式炭化水素などが挙げられる。中でもノルボルネン系単量体が好ましい。 ノルボルネン系単量体としては、例えば、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3,8−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、およびこれらの化合物の誘導体(環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。また、これらの置換基は、同一または相異なって複数個が環に結合していてもよい。具体的には、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エンなどが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上併せて用いることができる。 α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの末端に二重結合を有する炭素数2〜20の炭化水素化合物及びこれらの置換誘導体などが挙げられる。これらの単量体は1種単独で、又は2種以上を併せて用いることができる。これらの中でもエチレンがより好ましい。 開環(共)重合は、単量体を開環重合触媒の存在下、無溶媒又は溶媒中で、通常、−50℃〜100℃の温度で、0.01〜5MPaの圧力下で行うことができる。 開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硫酸塩またはアセチルアセトン化合物、および還元剤とからなる触媒;あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒;などが挙げられる。 重合反応用溶媒としては生成する重合体を溶解し、かつ重合反応を阻害しない溶媒が限定なく使用される。例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの含窒素系炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸メチル、プロピオン酸エチル、安息香酸メチルなどのエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;などが挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素、エーテル類、ケトン類又はエステル類の使用が好ましい。溶媒中の単量体の濃度は、通常、1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%、より好ましくは5〜40重量%である。 付加(共)重合を行う場合は、単量体を付加重合触媒の存在下に溶媒中で−50℃〜100℃の温度で、0.01〜5MPaの圧力下で行うことができる。 付加重合触媒としては、例えば、チタン、ジルコニウム、バナジウムなどの金属の化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒などを用いることができる。付加重合反応用溶媒は、上記の開環重合と同様の溶媒が使用される。 本発明の(共)重合体は、開環(共)重合によってなる場合、上記一般式(2)で示される繰り返し単位を1〜100重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは1〜25重量%、及び、メソゲン基を有しない脂環構造含有単量体由来の繰り返し単位を99〜0重量%、好ましくは99〜50重量%、より好ましく99〜75重量%有する。かかる構造であれば、次の形態のものも本発明の(共)重合体である。 本発明の(共)重合体の第二の形態は、第一の形態における本発明のノルボルネン誘導体に代えて前記式(4)における中間体である酸無水物基を有する脂環構造含有単量体を用いる他は第一の形態と同様の量比で、メソゲン基を有しない脂環構造含有重合体又は/及びα−オレフィンと開環もしくは付加(共)重合し、次いで、例えば開環(共)重合の場合の下記式(5)に示されるように、(共)重合体分子中の酸無水物基を有する脂環構造含有単量体由来の繰り返し単位の酸無水物基に対し、メソゲン基含有第一級アミンを反応させてN−メソゲン基置換ジカルボンイミド化してなるものである。 (ここで、Xはメソゲン基であり、mは0、1又は2である。) 前記第二の形態の(共)重合体の製造におけるイミド化反応は、(共)重合体の溶液にメソゲン基含有第一級アミンを添加して、通常、70〜250℃、好ましくは80〜200℃にて、通常、0.5〜48時間、好ましくは1〜20時間反応させる。 本発明の(共)重合体の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、上記二つの形態のいずれであっても、展開溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常、5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000である。 また、本発明の(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は,通常、100℃以上、好ましくは120〜250℃、より好ましくは140〜200℃である。このように本発明の(共)重合体は高いTgを有することから、耐熱性に優れた成形品を与えることができる。 本発明の(共)重合体水素化物は、本発明の(共)重合体を水素化してなる。(共)重合体の水素化反応は、(共)重合体の有機溶媒溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、通常、−10〜+250℃、好ましくは0〜200℃の反応系に水素を、通常、0.01〜10MPa、好ましくは0.05〜8MPaの圧力で導入して、通常、0.1〜50時間反応させる。水素化率は、主鎖の炭素−炭素不飽和結合については90%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。メソゲン基に芳香環を有する場合は、該芳香環については90%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。 こうして得られる本発明の(共)重合体水素化物は、上記(共)重合体と同様の低複屈折性及び高耐熱性に加えて優れた耐熱老化性及び機械的強度を有する成形品を与えることができる。 本発明の(共)重合体又は(共)重合体水素化物を用いて樹脂成形品を製造するには、通常、先ず必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、帯電防止剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔料などの着色剤、滑剤、可塑剤、アンチブロッキング剤、蛍光増白剤、防臭剤、充填剤、架橋剤、加硫剤、他の合成樹脂やゴム室重合体などの配合剤を適宜選択して配合し、成形用樹脂組成物を調製する。各配合剤の配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。 成形用樹脂組成物の調製方法としては、通常、ニーダ、バンバリーミキサ、ヘンシェルミキサ、押出機、ロールなどの公知の混合機により混合し、通常、次いでこれを160〜350℃で溶融混練してペレット等の粒状の成形用樹脂組成物とする方法が採られる。 上記成形用樹脂組成物から樹脂成形品を製造するには、通常、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、回転成形、プレス成形、ロール成形などの溶融成形法が採られる。溶融成形時の樹脂温度は、通常、220〜330℃、好ましくは230〜320℃、より好ましくは240〜310℃である。 本発明の(共)重合体又は(共)重合体水素化物の成形品は、従来の脂環構造含有重合体の有する優れた透明性、非吸水性、電気絶縁性および耐薬品性に加えて顕著な低複屈折性をも有し、しかも耐熱性が高い。さらに、本発明の(共)重合体の透明性は、高温高湿状態に置かれてもほとんど低下しない特徴を有する。さらに、本発明のノルボルネン誘導体の少量使用で脂環構造含有重合体の複屈折性を顕著に低減できるので、コスト増を最小限に抑えることができる。そのため、一般レンズ、ピックアップレンズ、プリズム、光ディスク、導光板、光学フィルム、液晶素子等の幅広い光学用素子に好適に利用することができる。 以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。ただし本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下において、〔部〕及び〔%〕は、特に断わりのない限り重量基準である。 試験法は下記によった。(1)合成単量体の同定 精製した合成反応生成物を 1H−NMRスペクトル分析及び赤外線吸収スペクトル分析により解析して行った。(2)重量平均分子量(Mw) 開環(共)重合体のMwは、シクロヘキサンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定して、ポリスチレン換算で求めた。(3)繰り返し単位組成比及び水素化率 開環共重合体の組成比及び開環(共)重合体水素化物の水素化率(%)は、1H−NMRスペクトル分析により求めた。(4)重合転化率 重合転化率(%)は、ガスクロマトグラフィーにより求めた。(5)ガラス転移温度(Tg) 開環(共)重合体及び開環(共)重合体水素化物のTgは、示差走査熱量計を用いて、1分間に10℃の割合で昇温して測定した。(6)レターデーション(複屈折性評価) 樹脂ペレットを用いて、射出成形機(DISC−3、住友重機械工業社製)にて、樹脂温度を300℃に、金型温度を130℃、圧力5MPaに設定して、厚さ1.2mm、直径85mmの光ディスク基板を成形し、該基板の中心から半径25mm位置の複屈折値を偏光顕微鏡(546nmセナルモンコンペンセータ、ニコン社製)を用いて測定した。値が小さいほど低複屈折性である。(7)飽和吸水率 樹脂ペレットを用いて作製した試験片を用いてJIS K 7209に準拠して飽和吸水率を測定した。(8)透明性 樹脂ペレット作製前の樹脂組成物を用いて温度200℃にてプレス成形して得た縦130mm、横120mm、厚さ3mmの試験片を、80℃、相対湿度90%の高温高湿状態に48時間置いた後、23℃、相対湿度60%の恒温恒湿室に移した。高温高湿状態に置く前の波長600nmにおける分光光線透過率、及び、該透過率から恒温恒湿室に移した直後の同波長の分光光線透過率の差(ΔT)を測定した。前者は高いほど透明性が高いことを、また、後者は小さいほど高温高湿状態での透明度が高いことを意味する。(合成例1) N−2−ビフェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)の合成 攪拌機付きガラス反応器に、トルエン700部、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物16部及び2−アミノビフェニル17部を仕込んで窒素置換後、180℃で10時間還流を行い、室温まで冷却した。溶媒を減圧除去後、析出物をシクロヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶させて白色結晶25部を得、高速液体クロマトグラフィーで99重量%以上の純度を確認した。得られた結晶の 1H−NMRスペクトルを図1に、赤外線吸収(IR)スペクトルを図2に示す。 図1のNMRスペクトルにおいて、5.3ppm、6.3ppmにそれぞれノルボルネン構造の5位、6位の炭素に結合したプロトンが、3.1〜3.4ppmにノルボルネン構造の1〜4位の炭素に結合したプロトンが、また、7.0〜7.5ppmにフェニル環に結合したプロトンが観測され、また、図2のIRスペクトルにて、2990cm−1付近にベンゼン環のCH伸縮振動吸収が、1720cm−1付近にカルボニル基に基づくCO伸縮振動吸収が観測された。これらの結果から、この結晶が下記式(6)に示される反応によって生成したN−2−ビフェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)と同定された。(合成例2) N−2−フルオレニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)の合成 合成例1において、2−アミノビフェニル17部を2−アミノフルオレン18部に変えた他は合成例1と同様に行い、淡黄色結晶28部を得、高速液体クロマトグラフィーで99重量%以上の純度を確認した。得られた結晶の1H−NMRスペクトルを図3に、IRスペクトルを図4に示す。 図3のNMRスペクトルにおいて、6.3ppmにノルボルネン構造の5位、6位の炭素に結合したプロトンが、3.46ppm、3.53ppmにノルボルネン構造の1〜4位の炭素に結合したプロトンが、また、3.9ppm及び7.1〜7.8ppmにフルオレン環に結合したプロトンが観測され、また、図4のIRスペクトルにて、2980cm−1付近にベンゼン環のCH伸縮振動吸収が、1710cm−1付近にカルボニル基に基づくCO伸縮振動吸収が観測された。これらの結果から、この結晶が下記式(7)で示される反応によって生成したN−2−フルオレニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)と同定された。(合成例3) 5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成の合成 前記特許文献1に記載の実施例5の方法にのっとり、下記式(8)で示される反応による5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを合成した。滴下ロートを取り付けた500mlフラスコにノルボルネンアルコールを28g(253.9mmоl)仕込み、系内を窒素置換した。これにピリジン41ml(507.8mmоl)を滴下し、スターラーにて攪拌して溶解させた。次に、反応系の温度を氷冷バスで4±2℃に保ち、予め9−フルオレノイルクロリド52.8gを脱水テトラヒドロフラン200mlに溶解させた溶液を十分に攪拌しながら徐々に滴下した。滴下終了後、氷冷バス中で1時間攪拌を継続した後、室温にして1時間攪拌し、更に、125℃に加熱して30分還流を行った。室温に冷却後、減圧、加温して溶媒を除去し、得られた結晶をn−ヘキサン/塩化メチレン混合溶媒で再結晶を繰り返し、黄色固体状物63gを得た。高速液体クロマトグラフィーで確認したところ、純度は99重量%以上であった。(実施例1) 窒素置換したガラス反応器内にテトラヒドロフラン300部、合成例1で得たN−(2−ビフェニル)−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)11部、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(以下ETDと略記)19部及び連鎖移動剤として1−ヘキセン0.7部を加えた後、80℃に加熱した。これに、重合触媒であるベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドのテトラヒドロフラン溶液(0.162%溶液)4.5部を加え、撹拌下で80℃にて3時間重合した。重合体溶液の一部を採取して分析したところ、重合転化率は99%以上、Mwは47,000であった。また、1H−NMR測定により、この重合体が式(2)の構造を有する開環重合体であることを確認した。 続いて、撹拌機付きオートクレーブに、得られた重合体溶液を全量加え、オートクレーブ内を窒素置換し、これにビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド1.38部及びエチルビニルエーテル1.3部をトルエン13部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、160℃で水素圧4.5MPaにて4時間水素化を行った。次いで、水素化反応液を多量のメタノールに注いで固形分を完全に析出させた。固形分をろ取し、洗浄後、70℃で12時間減圧乾燥し、開環重合体水素化物を得た。このもののMwは48,000であり、1H−NMRより側鎖の芳香環は実質的に水素化されていないこと、主鎖の水素化率が99%以上であること、また共重合体のETD由来の繰り返し単位は69%であることを確認した。またこの開環重合体水素化物のTgは148℃であった。 得られた開環共重合体水素化物100部に対し、老化防止剤(イルガノックス1010、チバスペシャリティケミカルズ社製)0.05部を混合して樹脂組成物を調製し、該樹脂組成物を2軸押出機(TEM−35B、東芝機械社製、スクリュー径37mm、L/D32,スクリュー回転数250rpm、樹脂温度240℃、フィードレート10kg/h)で押し出して樹脂ペレットを作製した。前記試験方法により開環重合体水素化物のTg、レターデーション(複屈折性)、飽和吸水率及び高温高湿での透明性の試験を行った結果を表1に記す。(実施例2) 実施例1において、N−(2−ビフェニル)−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)11部を合成例2で得たN−2−フルオレニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)7部に、また、ETD19部を同23部にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様に開環重合及び水素化反応を行い、開環重合体水素化物を得た。重合転化率は99%以上であった。開環重合体水素化物のMwは22,000、Tgは150℃であった。また、1H−NMR測定により、共重合体のETD由来の繰り返し単位は78重量%であり、主鎖の炭素−炭素二重結合に対する水素化率が99%以上であり、また、側鎖の芳香環は実質的に水素化されていないことが確認された。実施例1と同様の試験を行った結果を表1に記す。(比較例1) 実施例1において、N−(2−ビフェニル)−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)6部を使用せず、ETD24部を同30部に変更した他は実施例1と同様に開環重合及び水素化反応を行い、開環重合体水素化物を得た。重合転化率は99%以上であった。開環重合体水素化物のMwは33,000、Tgは138℃であった。また、1H−NMR測定により水素化率が99%以上であることが確認された。実施例1と同様の試験を行った結果を表1に記す。(比較例2) 実施例1において、N−(2−ビフェニル)−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)6部に代えて、合成例3で得た5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン6部を用いた他は実施例1と同様に開環重合及び水素化反応を行い、開環重合体水素化物を得た。重合転化率は99%以上であった。開環重合体水素化物のMwは43,000、Tgは127℃であった。また、1H−NMR測定により、共重合体のETD由来の繰り返し単位は79重量%であり、水素化率が99%以上であり、また、側鎖の芳香環は実質的に水素化されていないことが確認された。実施例1と同様の試験を行った結果を表1に記す。(比較例3) 比較例2において、5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを18部、ETDを12部にそれぞれ変更した他は比較例2と同様に開環重合及び水素化反応を行い、開環重合体水素化物を得た。重合転化率は99%以上であった。開環重合体水素化物のMwは35,000、Tgは108℃であった。また、 1H−NMR測定により、共重合体のETD由来の繰り返し単位は38重量%であり、水素化率が99%以上であり、また、側鎖の芳香環は実質的に水素化されていないことが確認された。実施例1と同様の試験を行った結果を表1に記す。 表1が示すように、ETD単独の開環重合体水素化物(比較例1)に比して、実施例1及び実施例2における、ETDに本発明のN−メソゲン基置換ジカルボンイミド基含有ノルボルネン誘導体(メソゲン基は2−ビフェニル基又は2−フルオレン基)を約20重量%共重合させて得られた開環共重合体の水素化物は、優れた非吸水性及び透明性を有している上に顕著に低いレターデーション(複屈折性)を示した。これらは共に、負の大きな複屈折性の単独重合体を与えるメソゲン基を有する単量体であるため、ETDに対して小割合共重合させただけでほとんど複屈折性のない共重合体が生成したことを意味する。これらの共重合体は、高温高湿状態でも透明性はほとんど低下しなかった。また、本発明の開環共重合体水素化物のTgはいずれも高く、高耐熱性であった。 一方、カルボニルオキシ基を介してメソゲン基(9−フルオレン基)を有するノルボルネン誘導体を、ETD79重量%に対して21重量%共重合させた共重合体の水素化物の場合は、レターデーションが大きくて複屈折性はほとんど低下せず、また、Tgが低下して耐熱性が下がった(比較例2)。そこで、ETD38重量%に対して同誘導体62重量%と、同誘導体の割合を多くしたところ、得られた共重合体の水素化物はレターデーションは十分に低下したものの、吸水性が大きく増大し、また、高温高湿下での透明性が著しく低下し、Tgで見る耐熱性も大幅に低下した(比較例3)。図1は合成例1で得られたN−2−ビフェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)の 1H−NMRスペクトルを示す図である。図2は合成例1で得られたN−2−ビフェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)のIRスペクトルを示す図である。図3は合成例2で得られたN−2−フルオレニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)の 1H−NMRスペクトルを示す図である。図4は合成例2で得られたN−2−フルオレニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボンイミド)のIRスペクトルを示す図である。下記一般式(1):(ここで、Xはメソゲン基であり、mは0、1又は2である。)で表わされるノルボルネン誘導体。前記メソゲン基が二つ以上の芳香環(複素芳香環含む)又は脂環を有する基である請求項1記載のノルボルネン誘導体。前記メソゲン基が2−フルオレニル基、4−ビフェニル基又は2−ビフェニル基である請求項1記載のノルボルネン誘導体。前記メソゲン基が4−ジフェニルエーテル基又は4−ベンゾフェノン基である請求項1記載のノルボルネン誘導体。請求項1〜4のいずれかに記載のノルボルネン誘導体1〜100重量%、並びに、メソゲン基を有しない脂環構造含有単量体又は/及びα−オレフィン99〜0重量%を(共)重合してなる(共)重合体。下記一般式(2): (ここで、Xはメソゲン基であり、mは0、1又は2である。)で表わされる繰り返し単位1〜100重量%及びメソゲン基を有しない脂環構造含有単量体由来の繰り返し単位99〜0重量%からなる(共)重合体。請求項5又は6記載の(共)重合体を水素化してなる(共)重合体水素化物。請求項5もしくは6記載の(共)重合体又は請求項7記載の(共)重合体水素化物を成形してなる光学用素子。 【課題】 透明性及び非吸水性に優れる上に、顕著な低複屈折性と高い耐熱性とを有する重合体を実現することのできる新規な脂環構造含有単量体を提供すること。【解決手段】 N−メソゲン基置換ジカルボンイミド基含有ノルボルネン誘導体が好適である。メソゲン基として二つ以上の芳香環(複素芳香環含む)又は脂環を有する基が好ましい。該誘導体1〜100重量%、及び、メソゲン基を有しない脂環構造含有単量体99〜0重量%を(共)重合してなる(共)重合体が目的の特性を有する。【選択図】 なし