| タイトル: | 公開特許公報(A)_アレルギー性結膜炎モデル動物 |
| 出願番号: | 2004098438 |
| 年次: | 2005 |
| IPC分類: | 7,A01K67/027,A61K45/00,A61P27/14 |
大内 順子 河野 茂勝 JP 2005278533 公開特許公報(A) 20051013 2004098438 20040330 アレルギー性結膜炎モデル動物 大正製薬株式会社 000002819 佐鳥 宗一 100115406 北川 富造 100074114 大内 順子 河野 茂勝 7A01K67/027A61K45/00A61P27/14 JPA01K67/027A61K45/00A61P27/14 13 OL 7 4C084 4C084AA16 4C084AA19 4C084MA16 4C084MA58 4C084NA14 4C084ZA331 4C084ZB131 本発明は、抗原を投与することにより感作し、次に液体に混和した抗原を眼に投与することにより抗原誘発したアレルギー性結膜炎モデル動物、該モデル動物の作製方法、該モデル動物を用いた薬物の評価法並びにその評価法を用いて選択された点眼薬に関する。 アレルギー性結膜炎用医薬品の開発において、薬物の効力を評価するための動物モデルとして、感作動物を用いる手法は広く用いられている。例えば河野らのモルモットアレルギー性結膜炎モデルがある(非特許文献1)。この動物モデルを用いた薬物の評価は全身作用を目的としており、薬物を経口投与して評価した例が報告されている。 点眼薬の薬効評価を確認する方法として、動物モデルを利用することは広く行われている。糖尿病ラット角膜損傷モデルに薬剤を点眼し治癒効果を評価する方法(特許文献1)や、ウサギ充血モデルに薬剤を点眼し充血除去効果を評価する方法(特許文献2、3)などがある。 また、モルモットアレルギー性結膜炎モデルも報告されている(非特許文献2)。しかし、この方法は、スギ花粉を粉末の状態で噴霧して症状を誘発させるため、均一な症状の誘発には多量のスギ花粉が必要であり、得られるモルモットのアレルギー性結膜炎の症状が強すぎるために、アレルギー性結膜炎用点眼薬の評価を正しく行うことができない。 アレルギー性結膜炎用点眼薬の薬効評価を正しく行うことができる動物モデルについて、今までに報告された例はない。Inflamm.res. Vol.48,325−336,1999アレルギー,Vol.35,NO.12,1149−1157,1986WO9943347特開平11−189533特開2002−308764 点眼薬開発の目的には眼粘膜刺激性等の安全性も懸念されるため、静脈注射あるいは経口投与とはまったく異なる独自評価方法が求められる。本発明は、新規のアレルギー性結膜炎モデル動物、該モデル動物の作製方法、該モデル動物を用いた薬物の評価法並びにその評価法を用いて選択された点眼薬を提供することを目的とする。 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、抗原を投与することにより感作し、次に液体に混和した抗原を眼に投与することにより抗原誘発したアレルギー性結膜炎モデル動物を見出した。 本発明により、個体差の生じにくい一律なアレルギー性結膜炎モデル動物が得られることが明らかとなった。その作製方法は非常に簡便である。また、点眼薬の薬理効果を直接かつ簡便に、正しく評価する方法であり、該モデルを使用すれば、通常ヒトに適用する薬物濃度と同濃度の薬物濃度で評価を行うことができる。さらに、その評価法を用いて選択された点眼薬を提供することが可能になった。 アレルギー性結膜炎モデル動物に使用できる動物としては、ラット、マウス、モルモット、ハムスター、ウサギ、ツパイ等のサルなど通常の実験動物が使用できるが、モルモット、ウサギが好ましく、モルモットがより好ましい。 本発明のアレルギー性結膜炎モデル動物は、抗原で能動感作あるいは受動感作終了後に、抗原誘発を反復することにより得ることができる。感作に利用する抗原としては、卵白アルブミンやスギ花粉など当該分野で通常使用されている抗原を用いることができるが、この中でもスギ花粉が最も良い。 抗原を投与して感作する方法としては、局所的な方法と全身的な方法が挙げられる。局所的に行う場合は、抗原懸濁液を点眼するか、抗原を含ませたろ紙やスポンジを直接結膜に貼付する方法で行う。全身的に行う場合は、抗原を腹腔内や静脈などに注入して投与する。この中でも、簡便かつ確実に感作が行えるという理由から、腹腔内投与が好ましい。腹腔内投与により能動感作する場合は、卵白アルブミンなど当該分野で通常使用されている抗原を、必要に応じてアジュバンドと共に1週間程度の適当な投与間隔で、数回腹腔内投与することで成立させることができる。また、スギ花粉の抽出エキスをアジュバンドと共に1週間に一回まで、合計2回、モルモットの腹腔内に注射する方法で行う。その後、モルモットの場合1眼あたり2mg以上のスギ花粉を2〜3回点眼投与することで感作は終了する。 抗原で受動感作する場合は、抗原に対する抗血清を作製し、これを動物に腹腔内投与し、モルモットの場合1眼あたり2mg以上のスギ花粉を2〜3回点眼投与することで感作は終了する。抗血清の作製方法、抗血清による動物の能動感作方法はアレルギー分野で通常行われている一般的な方法で行うことができる。 本発明のアレルギー性結膜炎モデル動物は、上記の感作の終了した動物に対して、液体に混和した抗原を前眼部に滴下して抗原誘発を行って得ることができる。抗原を液体に混和すると、抗原は液体中で溶解または懸濁した状態になる。この状態の抗原を眼に投与することで、少ない量の抗原であっても確実に抗原誘発を起こすことができるようになる。抗原を混和する液体は、抗原と眼に影響を与えない液体であればよい。例えば生理食塩水、リン酸緩衝液などの緩衝液、人工涙液などが挙げられるが、この中でも生理食塩水が好ましい。 抗原誘発を行うタイミングは、点眼薬を評価する際に、アレルギー性結膜炎の症状が惹起するタイミングで行えばよい。点眼薬を投与する前であっても後であってもどちらでも構わないが、点眼薬を投与する15分前から15分後の間に行うのがよい。 抗原誘発に使用する抗原は評価の目的に応じて選択することができるが、スギ花粉が最もよい。 抗原誘発に使用する抗原量としては、スギ花粉の場合はモルモット1眼あたり0.2〜0.5mgである。濃度が低すぎるとアレルギー症状を惹起せず、濃度が高すぎると誘発する症状が強すぎるため薬物の評価が正しく行えない。 結膜炎症状の評価は充血,浮腫,目のかゆみの程度を肉眼観察により評価することができる。充血、浮腫のスコアーは全ての症状を総合的に判定するかまたは各々について判定した後演算する方法でもよい。 目のかゆみは症状惹起後比較的早い時期に反応が観察される。かゆみは後肢による眼引っかき行動を指標として計測することができる。これらの観察は肉眼及びビデオなどの記録装置や行動を計測できる装置を用いて計測する。 点眼薬の投与方法は、モデルの前眼部に的確に薬液が投与されるような方法であればどのような方法でも構わない。例えば、点眼瓶,マイクロピペットなどがあげられるが,一定容量を正確に投与できるためマイクロピペットが好ましい。 点眼薬の投与量は、動物の結膜嚢容量を考慮して設定する必要がある。モルモットの場合は10〜30μLが好ましく、ウサギの場合は10〜100μLが好ましい。これを越える投与量とすると、瞬きにより薬液が漏出するなどの影響が出るので好ましくなく、10μLより少なくすると薬物が前眼部表面に行き渡らないからである。 本発明のアレルギー性結膜炎モデル動物を用いて、アレルギー性結膜炎症状に対する点眼薬の薬理効果の測定および結膜炎症状を予防または治療するための点眼薬の評価を行うことができる。評価において、結膜炎症状の軽減した点眼薬は結膜炎症状の予防または治療薬の候補となりうる。 本発明の点眼薬の薬効評価方法は、静脈注射あるいは経口投与とは異なる、点眼薬独自の評価方法である。本発明により、結膜炎症状の予防または治療のための点眼薬の開発が飛躍的に進歩する。本発明を具体的に説明する。<試験例1>(実験的アレルギーモデルの作製とスギ花粉投与量の影響)Hartley系モルモット(日本エスエルシー,静岡)1群6匹に7日間間隔で2回、1mLあたりスギ花粉抽出物10μgおよび水酸化アルミニウム20mgを含有する水溶液を腹腔内投与した。腹腔内投与終了1週間後から1週間に1回の割合で3回、スギ花粉2mg生食懸濁液10μLを前眼部に点眼して感作は終了し、アレルギー性結膜炎モルモットを得た。次に、スギ花粉量をそれぞれ0.02mg、0.2mg、0.5mg、2mg点眼したときの結膜炎症状のスコアーの変化を図1に示す。モデルの結膜炎症状は以下のスコアーにより肉眼観察して判定した。0 : 変化なし1 : わずかに充血が認められる2 : 結膜の充血または結膜の一部に浮腫が認められる3 : 結膜の充血及び結膜の半分以上に浮腫が認められる4 : 結膜の著しい充血及び結膜全体に浮腫が認められる惹起花粉量が多いほど症状のスコアーが高く、結膜炎症状の程度は強かった。0.02mgでは結膜炎症状が十分でなく、点眼薬の評価に利用できないことが分かった。 <試験例2> 結膜炎症状の評価 試験例1で作成したアレルギー性結膜炎モルモットは、スギ花粉懸濁液点眼後30分後をピークに結膜炎症状によるスコアーの変化が見られた。このモルモットに、スギ花粉投与後1分後に薬物としてマレイン酸クロルフェニラミン0.03%生食溶液を片眼10μL両眼に投与した。この薬物濃度は通常ヒトに適用する薬物濃度である。比較対照群には薬物非点眼または生理食塩水を同様に投与した。スギ花粉投与から30分後から6時間後までの結膜炎症状をスコアー判定した。実験の結果は表1に示す。薬物投与群は結膜炎症状が抑制されているのに対し、対照群の結膜炎症状は回復するのに時間を要した。2mg投与したモルモットは、結膜炎の著しい症状が見られ、ヒトに投与する量の薬物濃度の点眼薬を投与しても効果が見られず、薬効評価には利用できなかった。表1本評価方法は点眼薬の結膜炎症状改善効果を測定できる優れた評価方法であることがわかった。 <試験例3>かゆみの評価 試験例1で作成したアレルギー性結膜炎モルモットを用い、スギ花粉懸濁液点眼後30分間の後肢での眼引っかき行動を観察し、かゆみの指標とした。実験の結果は図2に示す。薬物投与群は対照群に比べてスギ花粉点眼後30分間の眼引っかき回数が少なく、かゆみが抑制された。試験例に示したように、点眼薬の薬物濃度は体重換算する必要はなく、ヒトが使用する薬物濃度と同じ濃度で評価できることがわかる。本評価方法は点眼薬のかゆみ改善効果を測定できる、優れた評価方法である。 本発明のアレルギー性結膜炎動物モデル作製方法は非常に簡便であり、得られるアレルギー性結膜炎動物モデルを使用すれば、点眼薬の薬効評価に適用できる。アレルギー性結膜炎モルモットにスギ花粉を投与したときの結膜炎症状の変化を示した図である。(試験例1)アレルギー性結膜炎モルモットの結膜炎症状誘発時の薬物による目のかゆみの抑制効果を示した図である。(試験例3)抗原を投与することにより感作し、次に液体に混和した抗原を眼に投与することにより抗原誘発したアレルギー性結膜炎モデル動物。スギ花粉を抗原として投与することにより感作し、次に液体に混和したスギ花粉を眼に投与することにより抗原誘発したアレルギー性結膜炎モデル動物。抗原誘発に使用するスギ花粉が1眼あたり0.2〜0.5mgであることを特徴とする請求項2記載のアレルギー性結膜炎モデル動物。アレルギー性結膜炎モデル動物がモルモットであることを特徴とする請求項1記載のアレルギー性結膜炎モデル動物。点眼薬の結膜炎症状の薬効評価のための請求項1〜4いずれかに記載のアレルギー性結膜炎モデル動物。抗原を投与することにより感作し、次に液体に混和した抗原を眼に投与することにより抗原誘発を行うことを特徴とする、アレルギー性結膜炎モデル動物の作製方法。スギ花粉を抗原として投与することにより感作し、次に液体に混和したスギ花粉を眼に投与することにより抗原誘発を行うことを特徴とするアレルギー性結膜炎モデル動物の作製方法。抗原誘発に使用するスギ花粉が1眼あたり0.2〜0.5mgであることを特徴とする請求項7記載のアレルギー性結膜炎モデル動物の作製方法。アレルギー性結膜炎モデル動物がモルモットであることを特徴とする請求項6記載のアレルギー性結膜炎モデル動物の作製方法。請求項6〜9のいずれかに記載の方法により作製されるアレルギー性結膜炎モデル動物を用いる点眼薬の評価方法。アレルギー性結膜炎モデル動物に薬物を点眼投与し、該動物の結膜炎症状の変化を測定することを特徴とする請求項9記載の点眼薬の薬効評価方法。結膜炎症状が充血、浮腫、目のかゆみであることを特徴とする請求項10または11に記載の点眼薬の薬効評価方法。請求項10〜12記載のいずれかの方法を用いて選択される点眼薬。 【課題】 新規のアレルギー性結膜炎モデル動物、該モデル動物の作製方法、該モデル動物を用いた薬物の評価法並びにその評価法を用いて選択された点眼薬を提供することを目的とする。【解決手段】 抗原を投与することにより抗原感作し、次に液体に混和した抗原を眼に投与することにより抗原誘発した、アレルギー性結膜炎症状を惹起したモデル動物、及びその作製方法、そのモデル動物を用い、結膜炎症状である充血、浮腫、かゆみに対する効果を評価することを特徴とする点眼薬の薬効評価方法、および、評価法を用いて選択された点眼薬。