タイトル: | 公開特許公報(A)_加水分解物中の発酵阻害物の除去方法 |
出願番号: | 2004091706 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C12P7/08,B01J3/00,B01J20/20 |
坂 志朗 宮藤 久士 JP 2005270056 公開特許公報(A) 20051006 2004091706 20040326 加水分解物中の発酵阻害物の除去方法 日立造船株式会社 000005119 坂 志朗 599006203 日比 紀彦 100083149 岸本 瑛之助 100060874 渡邊 彰 100079038 清末 康子 100069338 坂 志朗 宮藤 久士 7C12P7/08B01J3/00B01J20/20 JPC12P7/08B01J3/00 AB01J20/20 B 6 1 OL 13 特許法第30条第1項適用申請有り 4B064 4G066 4B064AC03 4B064CA06 4B064CC30 4B064CD21 4B064CE08 4B064CE09 4B064CE20 4B064DA10 4B064DA16 4G066AA04B 4G066AA14D 4G066AC01A 4G066CA52 4G066CA56 4G066DA10 4G066FA18 4G066FA33 4G066FA34 本発明は、地球上に大量に存在する多糖類系バイオマスをエタノール発酵に適する状態に処理した後エタノール発酵に供する際に、糖類の収率を損なうことなく発酵阻害物あるいは発酵を阻害するであろう物質を発酵に影響を与えない濃度まで選択的に除去し高効率の発酵を可能ならしめる、加水分解物中の発酵阻害物の除去方法に関する。 化石資源の枯渇や地球温暖化によるエネルギー・環境問題は21世紀における最も重大な問題である。これらの問題を解決するためには、環境負荷を最小限にし且つ石油のように豊富な資源を見つけることが重要である。その中で最も期待されているものの一つにバイオマス資源がある。バイオマス資源を構成し地球上で最大量を誇る構成成分はセルロースであり、セルロースの大部分はリグノセルロース(木質系資源)の構成物として存在する。しかしながら、その大部分は未利用の状態として存在し、リグノセルロースに対してこれまで以上に大きな期待が寄せられている。すなわち、リグノセルロースの化学工業原料としての利用に加えて、エネルギー資源としての利用を目的とした様々な技術開発が注目されている。近年未利用のリグノセルロース構成物、すなわちセルロースおよびヘミセルロースから単糖もしくはオリゴ糖を製造し、エタノール発酵や乳酸への発酵、さらにポリ乳酸などの生分解性高分子への変換が注目されている。しかし、自然界に存在するリグノセルロースはセルロース、ヘミセルロース、リグニンが複雑に構成されたものであり、その構成比率は原料によって様々であるため、有用な成分を得ることは容易でない。 近年、この未利用リグノセルロースの利用法として、リグノセルロース構成物、すなわちセルロースおよびヘミセルロースから単糖もしくはオリゴ糖を製造し、これをさらには発酵に供することによりエタノールを製造する方法が注目されている。単糖もしくはオリゴ糖の製造方法としては、基本的には、酸加水分解法、酵素糖化法、および亜臨界もしくは超臨界水による加水分解法の三つの方法が知られている。中でも亜臨界水もしくは超臨界水による加水分解法は、秒単位あるいは分単位と処理に係る時間が短く、硫酸などの強酸を外部から添加する必要がないため石膏などの副産物が発生しないことから注目を浴びている。しかしながら、その反応性の高さから糖の過分解物であるフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール等のフラン化合物およびグアヤコール、バリニン等のリグニン由来の種々のフェノール性化合物等の種々の発酵阻害物も同時に発生するため、加水分解物をそのまま発酵に供することができない。この問題に対して活性炭による発酵阻害物の除去法等の検討が試みられているが、活性炭による除去に顕著な選択性を確認できず、発酵阻害物だけではなく同時に糖類の吸着が起きると報告されており、結果的にエタノールの収率が低下してしまう(非特許文献1)。[Biotechnology Letters Vol.5, No.3, 175-178 (1983)] 本発明は、こうした状況のもとになされたものであって、多糖類系バイオマスを加水分解し、得られた加水分解物をエタノール発酵に供するに当たり、糖類の収率を損なうことなく処理物に含まれる発酵阻害物または発酵を阻害するであろう物質を発酵に影響を与えない濃度まで除去する方法を提供することを目的とする。 本発明は上記目的を達成すべくなされたもので、多糖類系バイオマスを加水分解し、得られた加水分解物をエタノール発酵に供するに当たり、加水分解物を木質系炭化物で処理し、加水分解物に含まれる発酵阻害物または発酵を阻害するであろう物質を発酵に影響を与えない濃度まで除去することを特徴とする、加水分解物中の発酵阻害物の除去方法である。ここで木質系炭化物とはリグノセルロース資源の炭化処理で得られる炭化物を示しており、木質資源のみならず草本類などのリグノセルロース資源をも含むものである。 本発明方法の対象となる多糖類系バイオマスは、セルロースおよび/またはヘミセルロースからなる多糖類がリグニンにより木化したものであり、針葉樹、広葉樹、ササ、タケ、稲わら、もみ殻、麦わら、その他農林産物資源およびそれらの廃棄物、これらに由来する木材繊維、木材チップ、単板くず、パルプ類、古紙類等であり、さらにはさとうきび、てんさいなどの糖質資源、ばれいしょ、かんしょ、さといもなどのでんぷん資源などリグニン含量が少ないもしくは含まないバイオマスであってもよく、キチン・キトサン等の多糖類を含むバイオマスおよびそれらの廃棄物をも含む。これらのバイオマス資源は2以上の組み合わせであってもよい。 好ましい多糖類系バイオマスはリグノセルロース、例えばスギ木粉である。 代表的な発酵阻害物は、糖の過分解物、リグニン由来の種々のフェノール性化合物である。例えばスギ木粉を加水分解して得られた加水分解物にはフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール等のフラン化合物およびグアヤコール、バリニン等のリグニン由来の種々のフェノール性化合物等の種々の発酵阻害物が存在し、加水分解物を10時間の発酵に供したが発酵は進行しなかった。発酵を阻害するであろう針葉樹からのリグニン由来物質は、メチルグアヤコール、エチルグアヤコール、ビニルグアヤコール、オイゲノール、プロピルグアヤコール、イソオイゲノール、アセトグアイアコン、プロピオグアイアコン、グアイアシルアセトン、ジヒドロコニフェリルアルコールなどである。広葉樹を用いる場合には、これら以外に広葉樹リグニンを構成するシナピルアルコール類に由来する種々のフェノール性化合物(シナピルアルコール、エチルシリンゴール、ビニルシリンゴール、プロピルシリンゴール、アリルシリンゴール、プロペニルシリンゴール)などが含まれる。 多糖類系バイオマスの加水分解は、亜臨界状態の水による加水分解処理、超臨界状態の水による加水分解処理、酸による加水分解処理、および酵素糖化法のうちの1つであってもよいし、これらの2以上の組み合わせであってもよい。 本発明の加水分解物中の発酵阻害物の除去方法に用いる木質系炭化物は、針葉樹、広葉樹、ササ、タケ、稲わら、もみ殻、麦わら、その他農林産物資源およびそれらの廃棄物並びにこれらに由来する木材繊維、木材チップや単板くず、パルプ類、古紙類などのリグノセルロース資源、さらにはキチン・キトサンなどの資源を所定条件下に熱処理して得られた炭化物であるが、好ましくは木材などの木質バイオマス資源由来炭化物である。 木質系炭化物製造時の処理条件については、Ar、He、N2などの不活性雰囲気下、好ましくはN2雰囲気下にて、処理温度は好ましくは500〜1,300℃、より好ましくは700〜900℃の範囲であり、製造時の処理時間は好ましくは30分〜10時間、より好ましくは1時間〜3時間の範囲である。 加水分解物を木質系炭化物で処理するには、通常、加水分解物を含む水溶液に木質系炭化物を添加し、全体を攪拌し、発酵阻害物が木質系炭化物に吸着されるようにする。 本発明によると、例えばスギ木粉の加水分解物を木質系炭化物で処理することにより、処理前後で糖類の濃度変化をほぼゼロに保ったまま、発酵阻害物の濃度を検出限界レベルまで除去可能である。木質系炭化物処理を施したスギ木粉加水分解物は発酵阻害を受けない。 本発明のエタノール発酵阻害物の除去方法によれば、多糖類系バイオマスを加水分解し、その加水分解物をエタノール発酵に供するに当たり、適切な条件にて調製を行った木質系炭化物で処理を行うことにより、加水分解で得られた糖類の収率を損なうことなく処理物中に含まれる発酵阻害物あるいは発酵を阻害するであろう物質を発酵に影響を与えない濃度まで選択的に除去し、発酵を効率よく行うことができる。木質系炭化物の処理で糖の濃度変化がほとんど無いため、バイオマスからエタノールを効率よく製造することができる。 本発明において、多糖類系バイオマスを加水分解し、単糖もしくはオリゴ糖、場合によっては多糖類を生成するに当たり、その方法および装置は特に制限は無く、公知の方法や装置が適応できる。多糖類系バイオマスの加水分解法には、酸加水分解法、酵素糖化法、亜臨界水による加水分解法、および超臨界水による加水分解法が適用でき、これらの1つであってもよいし、これらの2以上の組み合わせであってもよい。加水分解装置は、バッチ式、固定床反応式、連続式などであってよい。 図1は本発明を実施するに当たっての実験フローである。バッチ型反応管内にスギ木粉および水を充填し、所定の温度まで加熱した後急冷し、水可溶部と水不溶部に分離する。エタノール発酵に必要な単糖およびオリゴ糖、場合によっては多糖類は水可溶部に含まれるため、この部分を発酵試験に供する。また、超臨界水による加水分解後、木質系炭化物による処理後の液、および発酵試験後の液については高速液体クロマトグラフー(HPLC)によって生成物を同定し定量分析する。これによって各生成物の収率を求める。 図2はスギ木粉を超臨界水で処理した加水分解物の組成の一部を示すクロマトグラムである。一般的にリグノセルロースを加水分解するとフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール等のフラン化合物およびグアヤコール、バリニン等のリグニン由来の種々のフェノール性化合物等の種々の化合物が生成する。リグノセルロースからエタノール発酵を行う際は、リグノセルロースから単糖もしくはオリゴ糖、場合によっては多糖類を製造し、さらにエタノール発酵を行う手順をとるが、上記化合物の存在下では単糖もしくはオリゴ糖、多糖類の発酵が阻害され、エタノール発酵が進行しない(図3参照)。 本発明において、リグノセルロース加水分解物を木質系炭化物で処理することにより単糖およびオリゴ糖の収率を低下させること無く発酵阻害物および発酵を阻害するであろう物質を発酵に影響を与えない濃度まで除去できる。具体的には、リグノセルロース加水分解物に含まれる化合物として、まずセルロース由来物質としてエリトロース、レボグルコサン、グリコールアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、メチルグリオキザール、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、リグニン由来物質としてバリニン、グアヤコール、フェルラ酸、コニフェリルアルデヒド、ホモバニリン酸、イソオイゲノールのそれぞれのエタノール発酵阻害性を調査した(図4参照)。これら以外に、発酵を阻害するであろう針葉樹からのリグニン由来物質には、メチルグアヤコール、エチルグアヤコール、ビニルグアヤコール、オイゲノール、プロピルグアヤコール、イソオイゲノール、アセトグアイアコン、プロピオグアイアコン、グアイアシルアセトン、ジヒドロコニフェリルアルコールなどがある。広葉樹を用いる場合には、これら以外に広葉樹リグニンを構成するシナピルアルコール類に由来する種々のフェノール性化合物として、シナピルアルコール、エチルシリンゴール、ビニルシリンゴール、プロピルシリンゴール、アリルシリンゴール、プロペニルシリンゴールなどがある。本発明により、木質系炭化物処理を行うことにより、例えばスギ木粉加水分解物に含まれるフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、バリニン、アセトバリニン、グアヤコール、コニフェリルアルデヒド等の発酵阻害物、および、発酵を阻害するであろう上記化合物全てに対して、発酵に影響を与えない濃度までこれらを除去可能である。木質系炭化物の処理の前後で単糖およびオリゴ糖の量は変化しない。 スギ木粉はリグノセルロースを含む代表的な材料であるが、本発明はスギ木粉に限定されるものではなくリグノセルロースに代表されるバイオマス資源全般に応用できる。すなわち、本発明で対象となる多糖類系バイオマス資源とはセルロースおよびヘミセルロースからなる多糖類がリグニンにより木化した資源である、針葉樹、広葉樹、ササ、タケ、稲わら、もみ殻、麦わら、その他農林産物資源およびそれらの廃棄物、さらにはこれらから由来する木材繊維、木材チップや単板くず、パルプ類、古紙類などである。さとうきびやてんさいなどの糖質資源、ばれいしょ、かんしょ、さといもなどのでんぷん資源などリグニン含量が少ないもしくは含まないバイオマス資源も含まれ、キチン・キトサン等の多糖類を含むバイオマス資源およびそれらの廃棄物も含まれる。これらのバイオマス資源は2以上の組み合わせであっても構わない。 木質系炭化物は、リグノセルロース加水分解物中に含まれる糖類の濃度をほとんど変化させること無く、発酵阻害物および発酵を阻害するであろう物質の除去を可能とするものである。木質系炭化物を製造するには、木質材料を不活性雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下にて、好ましくは500〜1,300℃、より好ましくは700〜900℃程度で熱処理する。製造時の処理時間は好ましくは30分〜5時間、より好ましくは1時間〜3時間の範囲である。 次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。実施例1 図1の実験フローに基づき、試料としてスギ木粉を用い、バッチ型超臨界流体バイオマス変換装置により亜臨界および超臨界水処理を行った。処理後、残渣を分離し、水可溶部を得た。 スギ木粉を窒素雰囲気下で400〜900℃の温度にて1時間熱処理することで調製した木質系炭化物を水可溶部に添加し、10分攪拌を行い、発酵阻害物の吸着・除去を試みた。木質系炭化物による処理後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフー質量分析計(GC−MS)により分析をし、発酵阻害物の定性・定量を行った。 図5は上記調製法により調製した木質系炭化物で処理した水可溶部の高速液体クロマトグラムを木質系炭化物調製温度別に示している。このクロマトグラムからは5−ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、バニリン、コニフェリルアルデヒドが同定でき、これら化合物は図4に示す通り発酵阻害物であることが確認できた。 さらに、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、バニリン、アセトバニロン、グアヤコールおよびコニフェリルアルデヒドについて、様々な調製温度で上記調製法により調製した木質系炭化物で処理を施した水可溶部中の濃度を表1にまとめた。同表から、木質系炭化物処理によりこれらの発酵阻害物を除去することが可能であることが確認でき、木質系炭化物の調製温度が高くなるほどその除去効果が高いことが分かる。 加えて上記調製法により調製した木質系炭化物で処理した水可溶部中の糖類濃度を表2にまとめた。同表から木質系炭化物の調製温度に関係なく糖類は木質系炭化物によって除去されないことが確認できた。 次に水可溶部に木質系炭化物を添加し、10分攪拌を行い、発酵阻害物を除去した液について発酵試験を行った。栄養液として、ペプトン、イースト抽出物およびモルト抽出物の混合液を使用し、発酵温度は28℃とした。発酵試験開始後1時間ごとにサンプリングを行った。図6〜図11に木質系炭化物の調製温度別に発酵試験の結果をまとめた。これらの図によると、600℃以下の温度で調製した木質系炭化物で処理を行ったものについては発酵阻害が認められたが、700℃以上で調製した木質系炭化物で処理を行ったものについては発酵が滞りなく進行していることが認められた。調製温度700℃〜900℃ではエタノール発酵速度に差は見られず、700℃で調製した木質系炭化物で十分にエタノール発酵阻害物の除去が可能であることがわかる。比較例1 木質系炭化物による処理を行わない以外は実施例1と全く同じ条件で発酵試験を行った。図3に発酵試験の結果を示した。同図から木質系炭化物による処理を行わない場合は発酵が進行せず発酵阻害を受けていることが確認できた。この結果は、上述の400℃〜600℃で調製した木質系炭化物で処理を施した液の発酵試験結果と同等の物であった。本発明を示す実験フローである。スギ木粉を超臨界水で処理した加水分解物の組成の一部を示すクロマトグラムである。単糖類およびエタノールの濃度変化を示すグラフである。各化合物の発酵阻害濃度領域の比較である。水可溶部のクロマトグラムである。単糖類およびエタノールの濃度変化を示すグラフである。単糖類およびエタノールの濃度変化を示すグラフである。単糖類およびエタノールの濃度変化を示すグラフである。単糖類およびエタノールの濃度変化を示すグラフである。単糖類およびエタノールの濃度変化を示すグラフである。単糖類およびエタノールの濃度変化を示すグラフである。多糖類系バイオマスを加水分解し、得られた加水分解物をエタノール発酵に供するに当たり、加水分解物を木質系炭化物で処理し、加水分解物に含まれる発酵阻害物または発酵を阻害するであろう物質を発酵に影響を与えない濃度まで除去することを特徴とする、加水分解物中の発酵阻害物の除去方法。多糖類系バイオマスがリグノセルロースである、請求項1に記載の加水分解物中の発酵阻害物の除去方法。発酵阻害物が、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール等のフラン化合物、グアヤコール、バリニン等のリグニン由来のフェノール性化合物である、請求項1に記載の加水分解物中の発酵阻害物の除去方法。バイオマスの加水分解が、亜臨界状態の水による処理、超臨界状態の水による処理、酸による処理、および酵素糖化法のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の加水分解物中の発酵阻害物の除去方法。木質系炭化物が木質バイオマス由来の炭化物である、請求項1に記載の加水分解物中の発酵阻害物の除去方法。木質系炭化物が、木質バイオマスを不活性雰囲気下または高温水蒸気雰囲気下にて500〜1,300℃で30分〜10時間、熱処理して製造したものである、請求項1に記載の加水分解物中の発酵阻害物の除去方法。 【課題】多糖類系バイオマスを加水分解し、得られた加水分解物をエタノール発酵に供するに当たり、糖類の収率を損なうことなく処理物に含まれる発酵阻害物を除去する方法を提供する。【解決手段】多糖類系バイオマスを加水分解し、得られた加水分解物をエタノール発酵に供する。加水分解物を木質系炭化物で処理する。これにより加水分解物に含まれる発酵阻害物または発酵を阻害するであろう物質を発酵に影響を与えない濃度まで除去する。好ましい多糖類系バイオマスはリグノセルロース、例えばスギ木粉である。【選択図】 図1