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タイトル:特許公報(B2)_硫酸式アルキレーション装置の運転方法
出願番号:2004088995
年次:2010
IPC分類:C10G 50/00,C07C 2/62


特許情報キャッシュ

山本 博城 JP 4503325 特許公報(B2) 20100430 2004088995 20040325 硫酸式アルキレーション装置の運転方法 コスモ石油株式会社 000105567 小栗 昌平 100105647 本多 弘徳 100105474 市川 利光 100108589 山本 博城 20100714 C10G 50/00 20060101AFI20100624BHJP C07C 2/62 20060101ALI20100624BHJP JPC10G50/00C07C2/62 C10G 1/00−99/00 C07C 1/00−15/62 特公昭49−028722(JP,B1) 特開昭48−026702(JP,A) 1 2005272684 20051006 8 20060801 澤村 茂実 本発明は、炭化水素原料に硫酸を触媒として反応させてアルキレートを製造する硫酸式アルキレーション装置の運転方法に関するものである。 硫酸式アルキレーション装置(以下、アルキレーション装置という)は、炭化水素(流動接触分解装置の不飽和ブタンを含むブタン(ノルマルブテン、イソブテン、ノルマルブタン、イソブタン等)と、常圧蒸留装置からの飽和ブタン(ノルマルブタン、イソブタン))を原料にして、硫酸を触媒としてノルマルブテンとイソブタンを反応させてアルキレートを製造する装置である。 従来より、炭化水素原料に硫酸を触媒として反応させてアルキレートを生成するアルキレーション装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。 このアルキレーション装置は、冷凍系から脱プロパン系へ供給される冷媒中および反応系から蒸留系へ供給される留出油中に同伴される微量の硫酸および硫酸エステルなどの酸性成分を、苛性ソーダ溶液を使用して中和している。そして、苛性ソーダ溶液を先ず冷凍系から脱プロパン塔へ供給される冷媒中の酸性成分の中和用に連続的に送液し、使用した後、反応系から脱イソブタン塔へ供給される留出油中の酸性成分の中和に連続的に送液、使用することにより、苛性ソーダ溶液の使用量を減少させ、かつ装置の運転に変動を与えないようにしたアルキレーション装置を提供している。 また、従来のアルキレーション装置の例として図3を参照して説明する。図3において、10は廃硫酸再生装置、12は第1反応器、14は第2反応器、16は第3反応器、18は第1硫酸分離槽、20は第2硫酸分離槽、22は第3硫酸分離槽、24は廃硫酸分離槽、26は留出油分離槽、28は冷凍系(冷凍圧縮機)、30は脱プロパン塔、32は脱イソブタン塔、34は脱ブタン塔であり、反応器は通常、2基以上の複数基設置されている。特開平7−144930号公報 上述の従来のアルキレーション装置の反応器の構成を模式図で示すと図4のようになり、このアルキレーション装置においては、反応器に供給される硫酸は直列に供給されている。詳細に説明すると、硫酸再生装置(図示せず)より濃度約98%の高濃度硫酸が第1反応器12に送られ、硫酸を触媒としてイソブタンとノルマルブテンが反応してアルキレートを生成し、その後、第1反応器12で使用された硫酸が濃度約95%になって第2反応器14に入り込む。第2反応器14で使用された硫酸は濃度が約93%まで下がり第3反応器16に送られた後、濃度が約90%となって廃硫酸再生装置に送られている。 アルキレーション装置においては、触媒である硫酸濃度が93%前後の濃度で反応させた場合、オクタン価の高いアルキレートが生成されることが一般的に知られており、従来のように直列で硫酸を供給した場合では、反応器に応じて硫酸濃度が順次低下していくため、オクタン価を高めるための最適な硫酸濃度を保つことが難しい場合があった。又、従来のように直列に硫酸が供給される反応器においては、一部の反応器のみを運転中に休止させることが難しく、アルキレート生産量に応じて、反応器の運転基数を変更することが可能となれば、エネルギー効率の高い運転が可能となり、その方法が望まれていた。更に、運転中に一部の反応器を休止させることが可能ならば運転中でも反応器のメンテナンスを行うことができ、フレキシビリティーのある運転が可能となる。 そこで、発明者は、アルキレーション装置における反応器への硫酸の供給方法を見直し、アルキレーション装置における最適な運転方法を鋭意検討した。 本発明は、上述した要望にこたえるべくなされたものであり、アルキレーション装置の反応器の運転方法を変更してオクタン価の高いアルキレートを効率良く生産できるとともにアルキレート生産量に見合った最適なエネルギー効率が得られるアルキレーション装置の運転方法を提供するものである。 本発明にかかるアルキレーション装置の運転方法は、炭化水素原料に硫酸を触媒として反応させてアルキレートを生成する反応器を備えたアルキレーション装置の運転方法であって、該反応器を少なくとも3つ有し、該炭化水素原料を該反応器のそれぞれに供給し、少なくとも2つ以上の反応器を管路で並列に接続し、前記管路にて新鮮な濃硫酸を直接導入して反応させ、各反応器で独立に生成したアルキレートを含むエマルジョンを硫酸分離槽にて硫酸を相分離し、得られたアルキレートを含む炭化水素にてアルキレートを生成した同一の反応器を冷却し、続いて該アルキレートを含む炭化水素からアルキレートを分離すると共に、前記相分離した硫酸を前記同一の反応器に戻すと共にその硫酸の一部を該同一の反応器とは別な、濃硫酸が供給されない反応器に供給することを特徴とするアルキレーション装置の運転方法である。 本発明にかかるアルキレーション装置の運転方法によれば、オクタン価の高いアルキレートを効率良く生産でき、また、アルキレーション装置の運転中に複数の反応器のうち、一部の反応器を休止させることができるため、需給バランスに応じてエネルギー効率の高い運転が可能となる。また、アルキレーション装置の運転中に、一部の反応器を休止させることができるため、アルキレートを生産しながら、一部の反応器の保守・点検ができることから、フレキシビリティーのあるアルキレーション装置の運転が可能となる。 以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。 図1は本発明にかかるアルキレーション装置の要部の説明図である。この装置は、硫酸を供給する廃硫酸再生装置10、第1反応器12、第2反応器14、第3反応器16、第1硫酸分離槽18、第2硫酸分離槽20、第3硫酸分離槽22、廃硫酸分離槽24、留出油分離槽26、冷凍圧縮機28、脱プロパン塔30、脱イソブタン塔32、脱ブタン塔34を主な構成としている。 ノルマルブテンを供給する管路A1は、その上流側において、流動接触分解装置(図示せず)と接続されており、この流動接触分解装置で生成されたノルマルブテンが管路A1に供給されている。また、イソブタンを供給する管路A2は、その上流側において、常圧蒸留装置(図示せず)と接続されており、この常圧蒸留装置で生成されたプロパン、ブタン等の液化石油ガス(以下、LPGという)は、脱イソブタン塔32でイソブタンを分離し、管路A2に供給されている。イソブタンが供給されている管路A2は下流側で、管路A1と接続されており、ノルマルブテンとイソブタンが混合して管路A3に供給され、この混合した炭化水素原料は更に下流側で、第1反応器12、第2反応器14、第3反応器16のそれぞれに管路A4、A5、A6を経由して供給されている。 一方、触媒となる硫酸は、廃硫酸再生装置14により高濃度、例えば硫酸濃度が凡そ98%まで高められた濃硫酸が管路B1に供給され、更に下流側で管路B2、B3に分岐して第1反応器12、第2反応器14にそれぞれ供給される。尚、このアルキレーション装置では、いずれの管路においても、図示はしないがバルブやポンプ等が設けられており、これらのバルブやポンプにより、流路や流量が制御可能な構成となっている。 第1、第2、第3反応器12、14、16はいずれも横型圧力容器で、詳細は省略するが、シェル、チューブバンドル、混合インペラ、循環チューブ等が設けられている。 ここで第1反応器12、第2反応器14についてアルキレート生成までを説明する。 炭化水素原料であるノルマルブテンとイソブタンは触媒である硫酸とともに第1反応器12及び第2反応器14の混合インペラの吸引側に供給され、この混合インペラにより硫酸とイソブタンとノルマルブテンが急速に分散しエマルジョンを形成する。このエマルジョンは第1反応器12、第2反応器14内を高速で循環することで反応が促進され、アルキレートが生成される。硫酸及び生成したアルキレートと未反応のLPGは、第1、第2反応器12、14の上方にある第1硫酸分離槽18、第2硫酸分離槽20に管路C1、C2を経由してそれぞれ送られる。 第1、第2硫酸分離槽18、20では硫酸が相分離されて、この相分離された硫酸の一部は管路D1、D2を経由して第1、第2反応器12、14にそれぞれ戻される。また、第1硫酸分離槽18で相分離された硫酸の残りは管路E1を経由して管路D2に接続されており、この管路D2は第2硫酸分離槽20から第2反応器14にむかう管路となっている。さらに、管路E1は、途中で分岐して管路E3に接続されており、この管路E3は管路D3と接続されており、この管路D3は第3硫酸分離槽22から第3反応器16にむかう管路となっている。また、第2硫酸分離槽20では、この相分離された硫酸の残りは管路E2を経由して管路E3に接続されている。 一方、生成されたアルキレートと未反応のLPGは第1、第2硫酸分離槽18、20から第1、第2反応器12、14のチューブ側に管路F1、F2を経由してそれぞれ供給される。これらの管路F1、F2の途中には、減圧弁がそれぞれ設けられ(図示せず)、これらの減圧弁によりLPG中の軽質留分が気化し、アルキレート等の流体は約−1℃程度まで冷却される。気液二相流となった流体は、第1、第2反応器12、14のチューブ側でアルキレーション反応の生成熱を除去し、軽質留分は更に気化される。生成熱を除去したアルキレートとLPGは、反応器12、14のチューブ出口から管路G1、G2を経由して送り出され、これらの管路G1、G2は留出油分離槽26に向かう管路G4と接続されている。アルキレートとLPGは、これらの管路G1、G2、G4を経由して留出油分離槽26に送られる。留出油分離槽26では、冷凍系を通じてプロパンを分離し、アルキレート及びブタンは脱イソブタン塔32、脱ブタン塔34を経由して製品アルキレートが生成される。 次に第3反応器16についてアルキレート生成を説明する。 炭化水素原料であるノルマルブテンとイソブタンとの混合物が管路A6を経由して第3反応器16に供給される。また、第1硫酸分離槽18と第2硫酸分離槽20から送り出された硫酸が管路D3を経由して第3反応器16に供給される。第3反応器16内でノルマルブテンとイソブタンが硫酸を触媒として反応し、アルキレートが生成される。生成されたアルキレートと未反応のLPGは硫酸とともに第3硫酸分離槽22に管路C3を経由して供給され、硫酸が相分離される。相分離された硫酸は一部は管路D3を経由して第3反応器16にもどされるとともに、残りの硫酸は管路E4を経由して廃硫酸分離槽24に送れられる。 廃硫酸分離槽24では、硫酸に含有しているLPGと硫酸との分離が行われ、分離された硫酸は管路B4を経由して廃硫酸再生装置10に供給される。一方、廃硫酸分離槽24で分離されたLPGは管路H1を経由して第3硫酸分離槽22に還流される。第3硫酸分離槽22で分離されたアルキレートとLPGは管路F3を経由して、この管路F3の途中に設けられた減圧弁(図示せず)により気化・冷却されて第3反応器16のチューブ側に供給される。生成熱を除去したアルキレートとLPGは管路G4を経由して留出油分離槽26に送られ、冷凍系を通じてプロパンを分離し、アルキレート及びブタンは脱イソブタン塔32、脱ブタン塔34を経由して製品アルキレートが生成される。 次に本実施形態のアルキレーション装置の運転方法における硫酸濃度について説明する。図2は本実施形態の第1、第2、第3反応器への炭化水素原料と硫酸の供給経路を示す模式図である。この図において、各管路の符号は、図1に示す管路と同様であり、ここではその説明は省略する。第1、第2反応器12、14はそれぞれ約98%の濃度を有する硫酸が供給され、この硫酸を触媒としてイソブタンとノルマルブテンが反応し、オクタン価の高い製品アルキレートを生成する。 第1、第2反応器12、14で利用した硫酸の濃度は約93%になり、第3反応器16に供給され、イソブタン、ノルマルブテンと反応して製品アルキレートを生成し、第3反応器16で利用された硫酸は濃度が約90%となって、廃硫酸再生装置10に送られる。 一般に、アルキレーション装置においては、触媒である硫酸濃度が93%前後の濃度で反応させた場合、オクタン価の高いアルキレートが生成される。本実施形態では、第1、第2反応器12、14では、濃度が約98%〜93%の硫酸を使用できるため、オクタン価の高いアルキレートを効率良く生産できるのである。また、第1、第2反応器12、14のそれぞれには、高い濃度の硫酸を独立して送り込むことができるため、例えば、第1反応器12を休止させてながら、第2反応器14を稼動させてアルキレートを生成できるので、アルキレートの生産量の調整を行うことができる。更に、上述の例の場合、第1反応器12を休止させて、第1反応器12の保守、点検を行いながら、第2反応器14でアルキレートを生成することもできる。 図5には本発明に係る別な実施形態が示しており、4つの反応器を使用したアルキレーション装置が示されている。この例の場合、第1反応器12と第3反応器16が直列に接続され、第2反応器14と第4反応器17が直列に接続されている。濃度約98%の硫酸は第1、第2反応器12、14にそれぞれ送られ、炭化水素原料であるイソブタンとノルマルブテンと反応してアルキレートを生成し、その後、濃度約93%の硫酸が第3、第4反応器16、17にそれぞれ供給され、反応した後、廃硫酸再生装置に送られる。この実施形態では、硫酸の流路(管路)を基準にすると、第1、第2反応器12、14が並列に配列され、かつ、第1と第3反応器12、16及び第2と第4反応器14、17が直列に配列した4つの反応器が設けられているが、本発明の構成を備える限りにおいては、反応器の数や、反応器の配列形態には上記実施形態に限定されない。図1は、本発明にかかるアルキレーション装置の要部の説明図である。図2は、本実施形態の反応器への炭化水素原料と硫酸の供給経路を示す模式図である。図3は、従来のアルキレーション装置の説明図である。図4は、従来の反応器への炭化水素原料と硫酸の供給経路を示す模式図である。図5は、本発明に係る別な実施形態を示す模式図である。符号の説明 10 廃硫酸再生装置 12 第1反応器 14 第2反応器 16 第3反応器 18 第1硫酸分離槽 20 第2硫酸分離槽 22 第3硫酸分離槽 24 廃硫酸分離槽 26 留出油分離槽 B1、B2、B3 濃硫酸管路 炭化水素原料に硫酸を触媒として反応させてアルキレートを生成する反応器を備えたアルキレーション装置の運転方法であって、該反応器を少なくとも3つ有し、該炭化水素原料を該反応器のそれぞれに供給し、少なくとも2つ以上の反応器を管路で並列に接続し、前記管路にて新鮮な濃硫酸を直接導入して反応させ、各反応器で独立に生成したアルキレートを含むエマルジョンを硫酸分離槽にて硫酸を相分離し、得られたアルキレートを含む炭化水素にてアルキレートを生成した同一の反応器を冷却し、続いて該アルキレートを含む炭化水素からアルキレートを分離すると共に、前記相分離した硫酸を前記同一の反応器に戻すと共にその硫酸の一部を該同一の反応器とは別な、濃硫酸が供給されない反応器に供給することを特徴とするアルキレーション装置の運転方法。


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