生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_脳機能改善剤
出願番号:2004088179
年次:2005
IPC分類:7,A61K31/201,A61P25/00,A61P25/28,A61P43/00


特許情報キャッシュ

高畑 京也 築野 卓夫 井上 良計 JP 2005272355 公開特許公報(A) 20051006 2004088179 20040325 脳機能改善剤 築野ライスファインケミカルズ株式会社 598073604 高畑 京也 504116733 高畑 京也 築野 卓夫 井上 良計 7A61K31/201A61P25/00A61P25/28A61P43/00 JPA61K31/201A61P25/00A61P25/28A61P43/00 105 5 OL 9 4C206 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA21 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA01 4C206ZA16 4C206ZB21本発明は脳神経系の賦活剤およびその利用に関する。より詳しくは、神経細胞の分化を促進し、神経細胞への障害に対して保護効果を有する神経細胞賦活剤、該賦活剤を配合してなる医薬用組成物及び食用組成物に関するものである。従来より、脳神経細胞の細胞死をともなう疾病に対し、直接その細胞を賦活することにより前記疾病を予防あるいは治療する試みがなされ、効果のある薬剤の探索が検討されている。しかし、実用的に有効な薬剤はまだ見いだされていない。このため、外傷、代謝性要因、脳虚血、パーキンソン病またはダウン症等によって生じる脳神経細胞障害の治療薬及び予防効果のある機能性食品の開発が期待されている。わが国では人口の高齢化の速度が速くなるにつれて痴呆高齢者が増えており、とりわけアルツハイマー型の老年痴呆においては、大脳基底核神経細胞であるアセチルコリン作動性神経細胞の変性及び脱落が、学習機能や記憶力及び知的活動能力の低下の要因と深く関わっていることが示唆されている。(Science,Vol.215,12,p37(1982))神経成長因子(NGF)は繊維切断によるアセチルコリン作動性神経細胞の変性及び脱落を抑制すること(Neurosience Lett.Vol.66,p175(1986))、また老齢ラットの迷路学習障害を改善するとともにアセチルコリン作動性神経細胞の萎縮を抑制することが報告されている。さらに、NGFは脳虚血砂ネズミの海馬神経細胞の脱落を防ぐことも確かめられており、脳卒中による後遺症の治療薬としても有用であると考えられる。これに関連して、神経突起の伸展作用やβ−アミロイド蛋白により惹起される神経細胞のアポトーシスを阻害する作用を有するものとしてイリドイド化合物、トリテルペノイドサポニン類、ガングリオシドなどが知られている。また、これらの効果が海苔からのスルフォキノボシルジグリセロール(SQDG)に認められ、神経細胞賦活剤として特開2001−322935号公報で提案されている。一方植物中に含まれるフェルラ酸やカフェ酸などのフェニルプロパノイドについては、その人体への生理活性については解明されていない面が多く、報告類も限られているのが実情である。フェルラ酸については、β−アミロイドを給餌している中で記憶能改善をすることがBrit.J.Pharm.Vol.133,p89(2001)に記載されている。この報告では直接的に神経細胞への関与を検討して居らず、一般的に記憶機能の改善を示唆しているに過ぎない。本発明では、ヒトの神経細胞モデルを用いて直接的に神経細胞に作用し神経突起を伸長させることによる神経細胞賦活効果を確認し、本発明を完成させるに至った。特許2095088号公報特開2001−322935号公報Science,Vol.215,12,p37(1982)Neurosience Lett.Vol.66,p175(1986)Brit.J.Pharm.Vol.133,p89(2001)医学の歩み、Vol.174,p614(1995)本発明の目的は、脳神経細胞の細胞死をともなうことなく該細胞の増殖能を抑制し、かつ分化誘導を促進させ得る神経細胞賦活剤、及びこれを利用した医薬用組成物並びに食品用途に使うことも可能な組成物を提供することにある。本発明者らは、前記課題を解決するために、各種動植物中の脂溶性成分、糖脂質や高度不飽和脂肪酸の誘導体についてラット副腎髄質褐色細胞腫由来の神経系樹立細胞であるPC−12やヒト由来神経芽種細胞であるSH−SY5Y細胞の増殖抑制能及び分化誘導促進作用に対する影響を検討したところ、植物中に存在するフェルラ酸やカフェ酸などのフェニルプロパノイドがNGF機能の増強効果さらにはβ−アミロイドに起因する神経細胞死の抑制効果を有することを見いし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明においてはフェニルプロパノイドを有効成分としてなる脳神経細胞賦活剤で前記課題を解決できる。樹木細胞壁の主要成分は、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンであるが、リグニンの構成成分と多くの抽出成分はフェニルプロパノイドと呼ばれ、アミノ酸の一種であるフェニルアラニンを経由して生合成される。基本骨格は桂皮酸を主とする構造を有する。特にフェニルプロパノイドの内でも基本骨格が桂皮酸の構造を中心とするフェルラ酸やそのステロールエステルであるγオリザノール及びカフェ酸やそのキナ酸のエステルであるクロロゲン酸等の構造を有することが好ましい。なお本発明に関わるフェニルプロパノイドは天然物由来でも化学合成したものでもさしつかえないが、フェルラ酸及びγ−オリザノールは米糠から高純度に精製する技術が確立し特許も出願されている。これらは混合物として濃縮したものを用いることも可能である。本発明の脳神経細胞賦活剤においては、脳神経細胞に関する賦活作用が脳神経細胞の外傷性要因による障害、代謝性要因による障害、β−アミロイド蛋白質による障害または脳虚血性要因による障害を予防する作用あるいは治癒する作用であるものを対象とするのがよい。さらに本発明によれば、脳神経細胞賦活剤を有効成分として配合してなる医薬用組成物または食用組成物によって前記課題を解決できる。本発明に用いられるフェニルプロパノイドはリグニンの構成成分であり、樹木細胞壁を構成するセルロース、ヘミセルロース等とともに主要構成成分であるリグニンの基本成分として知られている。リグニンの構成成分と多くの抽出成分はフェニルプロパノイドと呼ばれ、アミノ酸の一種であるフェニルアラニンを経由して生合成される。フェニルプロパノイドとしては様々の植物中に含まれているが米糠から抽出精製されるフェルラ酸やそのステロールエステルであるγ−オリザノール、コーヒー中に多く含まれるカフェ酸やそのキナ酸とのエステルであるクロロゲン酸や桂皮酸、桂皮アルデヒド、ウイキョウからのアネトール、チョウジ油中のオイゲノール、ホオノキ樹皮に含まれる二量体であるマグノロール等があげられる。またシキミ酸カイロから誘導されるチロシン、p−クマル酸、コニフェリルアルコールやショウガ成分であるジンゲロールやジンゲロンなども含まれる。リグニンの加水分解物もその誘導体として含められる。本発明においてはフェノール性の水酸基や末端基としてのカルボン酸が含まれることが好ましい。すなわちフェルラ酸やカフェ酸、p−クマル酸などの化学構造式を持つ化合物がより高い機能を有している。フェルラ酸は、主に米、小麦、野菜類、柑橘類などの植物や種子の細胞壁に、フェルラ酸エステルや配糖体として存在している。化学的にフェルラ酸を合成する方法もあるが、一般的には植物中から抽出・単離・精製する製法が用いられている。高純度のフェルラ酸の製造法として特許2095088号公報がありこれによって高純度品が市場に供給されている。合成によって得られたフェルラ酸はシス型とトランス型が混在しているが、植物から抽出されたフェルラ酸は、植物体内と同じくトランス型がほとんどである。コーヒー中のポリフェノールの主なものは桂皮酸誘導体(カフェ酸、フェルラ酸など)とキナ酸のエステルの総称であるクロロゲン酸で、含量は種類や産地、加工の仕方などにより異なっている。これらの化合物を抽出して精製して得たものを用いても良い。前述のフェニルプロパノイドを有効成分としてなる本発明の神経細胞賦活剤は脳神経細胞を賦活し、細胞死を誘導することなくその増殖を抑制して分化を促進する。すなわち神経細胞賦活因子として代表的なNGFは、PC12細胞やSH−SY5Y細胞を刺激して神経細胞様に分化せしめ、神経突起を伸展させる作用を有するが、本発明のフェニルプロパノイド含有賦活剤はNGFの共存下でPC12細胞やSH−SY5Y細胞を神経細胞様に分化せしめ神経突起を伸展させる作用が顕著である。またフェニルプロパノイドを有効成分としてなる本発明の神経細胞賦活剤は脳神経細胞の外傷性要因、代謝性要因、β−アミロイド蛋白質、脳虚血性要因等の種々の要因による障害に対して予防作用及び治癒作用を有する。この一例として、β−アミロイド蛋白質の活性部位を抜き出したモデルペプチドであるβ25−35が惹起する神経細胞への細胞毒性を濃度依存的に軽減する。なおβ−アミロイド蛋白質は、アルツハイマー病患者の脳に沈着するアミロイドを構成する蛋白質であり、アルツハイマー病の原因の一つであると考えられている(「医学の歩み」、Vol.174,614(1995))。このことから、本発明のフェニルプロパノイド含有製剤はβ−アミロイド蛋白質の毒性に起因する脳神経細胞の障害に対しても保護作用を有することが明らかである。次に本発明の神経細胞賦活剤を配合してなる医薬用組成物及び食用組成物について説明する。フェニルプロパノイドを有効成分としてなる本発明の神経細胞賦活剤はこれをそのまま、あるいは慣用の医薬用製剤担体とともに医薬用組成物となし、動物及びヒトに投与することが出来る。医薬用組成物の剤形としては特に制限されるものではなく、必要に応じて適宜選択すればよい。例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤などの経口剤や、注射剤、坐薬などの非経口剤があげられる。投与量は、通常成人でフェルラ酸の重量で10〜600mgを数回に分けて服用するのが適当である。本発明において錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤などの経口剤は例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類などの賦形剤を用いて常法に従って製造される。これらの製剤中のフェニルプロパノイドの配合量は特に限定されるものでなく適宜設計できる。この種の製剤には本発明の賦活剤の他に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料などを適宜使用できる。ここに、結合剤としてデンプン、デキストリン、アラビアガム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴールなどが例示できる。崩壊剤としてはデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースなどを例としてあげることが出来る。界面活性剤の例としてラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどをあげることが出来る。滑沢剤では、タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコールなどを例示できる。流動性促進剤では軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどを例としてあげることが出来る。また、フェニルプロパノイドはそれらの物性にもよるが粉末、懸濁液、エマルション剤、シロップ剤等の形状で投与することが出来、これらの剤形には矯味矯臭剤、着色剤を含有させても良い。非経口剤としての本発明の所望の効果を発現させるには、患者の年齢、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人でフェニルプロパノイドの重量として一日あたり1〜60mgの静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当である。この非経口投与剤は常法によって製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ごま油、ラッカセイ油、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコールなどを用いることが出来る。さらに必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えても良い。またこの非経口剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥処理により水分を除き、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調整することも出来る。さらに必要に応じて、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤などを加えても良い。これらの製剤中のフェニルプロパノイドの配合量は特に限定されるものではなく任意に設定できる。その他の非経口製剤の例として、外用液剤、軟膏などの塗布剤直腸内投与のための坐薬などがあげられる。これらも常法に従って製造される。本発明の他の組成物の好適な形態は食用組成物である。すなわち、前述のようにして得られるフェニルプロパノイドを有効成分としてなる脳神経細胞賦活剤はこれをそのまま液状、ゲル状、あるいは固形の食品、例えばジュース、清涼飲料、茶、スープ、豆乳、サラダ油、ドレッシング、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、ケーキミックス、粉末状あるいは液状の乳製品、パン、クッキーに添加したり、必要に応じてデキストリン、乳糖、でんぷんなどの賦形剤や香料、色素とともにペレット、錠剤、顆粒などに加工したり、ゼラチン等で被覆してソフトカプセルやハードカプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品として利用できる。これらの食品類あるいは食用組成物における本発明の神経細胞賦活剤の配合量は、当該食品や組成物の種類や状態等により一律に規定しがたいが、約0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%である。配合量が0.01重量%未満では経口摂取による所望の効果が小さく50重量%を超えると食品の種類によっては風味を損なったり当該食品を調製出来なくなる場合がある。なお本発明の神経細胞賦活剤はこれをそのまま食用に供してもさしつかえない。本発明の医薬品組成物及び食用組成物は脳神経細胞の障害を予防あるいは治癒をねらいとして利用するものであれば、それを使用する上で何ら制限を受けることなく適用されるが、とりわけ外傷性脳神経細胞障害、代謝性の要因による脳神経細胞障害、脳虚血性神経細胞障害、パーキンソン病又はダウン症による脳神経細胞障害等の治癒に対して有効である。またこれらの疾患の予防措置の手段としても使用することが出来る。本発明の神経細胞賦活剤は先に述べたように様々のフェニルプロパノイドがあげられるが、とりわけ好ましいものとしてフェルラ酸があげられる。フェルラ酸の製造法としては特許2095088号公報があり、これによって高純度品が市場に供給されており、これをそのまま使用することが可能である。一般的にフェルラ酸自体は抗酸化剤として作用されており、サイクロデキストリンで包接し安定化したものの使用も可能である。以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。神経細胞のモデル細胞であるSH−SY5Yはヒト由来の神経芽種より誘導された細胞株であり神経成長因子(NGF)に応答して神経突起を伸展し神経細胞様に分化する。そこでこのSH−SY5YをT−25培養フラスコ中で静置培養し、フェルラ酸の神経突起伸展作用、すなわち分化誘導能を検討した。培養液は10重量%FBS,50U/mlのペニシリン,50μg/mlのストレプトマイシンを含むDMEM培地を用い37℃、5%二酸化炭素混有空気中でPH7.2〜7.4に保った。フェルラ酸は築野食品工業が供給する高純度フェルラ酸(99.9%)を用い、エタノールに溶解しミリポアフィルター(0.2μm)にて濾過滅菌後、SH−SY5Y細胞培養液に終濃度10μMを添加した。分化誘導の陽性対照にNGF作用のあるレチノイン酸(シグマ社製試薬)をジメチルスルホキシドに溶解し終濃度10μMを添加し、フェルラ酸単独での分化誘導への影響を48時間光学顕微鏡により形態観察を行った。なお分化誘導は細胞体の長径より長い突起を形成したものを陽性と判断した。単独での神経突起伸展細胞の結果を表1に示す。同表中の記号、%は培養48時間後の神経突起形成状態について全神経細胞数中にしめる神経細胞中伸展が認められたものの割合を表示した。またNGFであるレチノイン酸とフェルラ酸の共存下での効果について実施例1と同じ評価系で実施した。結果を表2に示す。表1,2の結果よりフェルラ酸は少量添加でも神経突起伸展の効果が認められ、優れた神経細胞賦活効果を示す賦活剤として期待できる。アルツハイマー病における神経細胞死の原因物質の1つにβ−アミロイド蛋白質(42アミノ酸残基)の関与が明らかになっている。本実施例ではβ−アミロイドペプチドの強毒性フラグメント(β−アミロイドの25残基から35残基の11ペプチド、以下β25−35と略す)を用いて、神経細胞のモデル細胞に対する細胞死誘導とそれに対するフェルラ酸の防衛効果を検討した。ポリオルニチンで細胞接着面に処理を施した96ウェルプレートでSH−SY5Y細胞(実施例1と同じ)を培養しβ25−35(大阪ペプチド研究会より入手)及びフェルラ酸(実施例1と同じ)を各単独及び同時添加した。2日間培養後培養上清中に細胞内から漏出する乳酸脱水素酵素(LDH)活性を測定し細胞死の指標とした。その結果を表3に示す。表3に示したデータからフェルラ酸単独の添加では対照群と比較して有意な差は認められなかったが、β25−35添加群では対照群と比較して著しい細胞死が誘導された。またβ25−35とフェルラ酸の同時添加群では細胞死が防御され、フェルラ酸はβ−アミロイドペプチドの強毒性フラグメントであるβ25−35のSH−SY5Y細胞に対する毒性を軽減させることが判明した。築野食品工業が供給するフェルラ酸1500g、精製大豆油1250g、蜜蝋150g及びビタミンE100gを窒素ガス雰囲気下で約40℃に加熱し十分に混合して均質な分散物とした。これをカプセル充填機に供給し1粒内容量300mgのゼラチン被覆カプセル製剤を試作した。これは医薬用組成物又は食用組成物として利用出来るものである。1Lの精製水にフェルラ酸10gにαサイクロデキストリン100gを加え60℃で加温しながら攪拌溶解する。20kgの無洗米を噴霧造粒機にし込み無洗米を吹き上げながらフェルラ酸水溶液を噴霧し乾燥した。できあがった無洗米は通常の白米と同様に炊飯でき味覚上も外観上も通常の炊飯白米と差がなかった。本発明によれば、脳神経細胞に対して賦活作用及び保護作用を示し、外傷、代謝性の要因、脳虚血、β−アミロイド蛋白質、パーキンソン病及びダウン症等による脳神経細胞障害に対する予防及び治癒にきわめて有用なフェニルプロパノイドを有効成分としてなる神経細胞賦活剤が提供される。該賦活剤は神経成長因子(NGF)と併用することにより、神経細胞の分化誘導を顕著に促進し、相乗的な神経突起誘導能を発現させる機能を有する。また、本発明によれば、前記機能を有する神経細胞賦活剤を配合してなる医薬用組成物及び食用組成物が提供され、これらの組成物は神経細胞の障害に対する予防あるいは治療のための手段として活用されうる。フェニルプロパノイドを有効成分とする脳神経細胞賦活剤。フェルラ酸(4-hydroxy-3-methoxycinnamic acid)を有効成分とする脳神経細胞賦活剤。脳神経細胞に対する賦活作用が脳神経細胞の外傷性障害、代謝性要因による障害、β−アミロイド蛋白質による障害または脳虚血性障害を予防あるいは治癒する作用である請求項1または2のいずれか1項に記載の賦活剤。請求項1〜3項のいずれか1項に記載の脳神経細胞賦活剤を有効成分として配合してなる医薬用組成物。請求項1〜3項のいずれか1項に記載の脳神経細胞賦活剤を有効成分としてなる配合してなる食用組成物。 【課題】神経成長因子(NGF)様作用及びNGFの作用を増強させる効果を有する新規な神経細胞賦活剤を提供し、β−アミロイド蛋白等による脳神経細胞の障害を予防し得る有用な組成物を作る。【解決手段】フェニルプロパノイドを有効成分とする脳神経細胞賦活剤及び該賦活剤を有効成分として配合してなる医薬用組成物又は食用組成物を供給する。フェニルプロパノイドは植物成分として抽出される。【選択図】なし


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