タイトル: | 公開特許公報(A)_ラインセンサカメラのキャリブレーション方法および外観検査装置 |
出願番号: | 2004086429 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,G01N21/93,H04N5/232 |
松本 賢二 JP 2005274272 公開特許公報(A) 20051006 2004086429 20040324 ラインセンサカメラのキャリブレーション方法および外観検査装置 日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社 000233480 梶山 佶是 100079555 山本 富士男 100079957 松本 賢二 7G01N21/93H04N5/232 JPG01N21/93H04N5/232 Z 7 1 OL 11 2G051 5C122 2G051AA73 2G051AB02 2G051AB03 2G051CA03 2G051CD04 2G051DA08 2G051ED12 5C122DA12 5C122DA13 5C122FA12 5C122HA38 5C122HB01 この発明は、ラインセンサカメラのキャリブレーション(較正)方法および外観検査装置に関し、詳細しくは、表示パネル等の検査対象の画像情報を視覚センサ部(カメラ)で電気信号に変換して検査対象の欠陥を検査する自動外観検査装置において、視覚センサ部に複数個設けられるラインセンサカメラ(一次元イメージセンサ)の視野に垂直な軸の回転方向の較正と視野の高さ方向の較正が容易にでき、高分解能の外観検査を行う検査ステージに適したラインセンサカメラのキャリブレーション方法に関する。 表示パネルを検査対象とする自動外観検査装置においては、近年、表示パネルの1つである液晶パネルでは、その画素数と画素密度が向上し、例えば、1ピクセルが13μm程度か、これ以下となってきており、その検査ステージでは、1ピクセルに対して1/10程度の高精度な位置決め移動が要求されている。 検査ステージの上部には、通常、視覚センサ部(カメラ)が設けられるが、この視覚センサ部には高分解能が要求される一次元イメージセンサが設けられたラインセンサカメラが複数個配置されている。この複数のカメラにより、表示パネルを動作させた状態で表示画面でのピクセルの欠けや異常発光、発光落ちなどの検査が表示パネルを移動させながら視覚センサ部からの検出信号でその位置とともに検出される(非特許文献1)。 この種の検査装置で用いられるラインセンサカメラは、1×m画素(カラーの場合にはR,G,Bそれぞれに1ラインで3×m)のものであり、mの値が1000以上と大きく、場合によっては数千画素となり、検査対象に対して相対的に移動させて使用される。高分解能で高精度な検査を行う場合には、ラインセンサカメラは、被検査物(移動テーブル)に対してXYZの各軸が正確に一致していることが好ましい。そのため、XYZθの各軸に対してラインセンサカメラのキャリブレーションが必要になる。 なお、キャリブレーション基準となるマークプレートの矩形画像を3点で採取によるラインセンサカメラのXY軸およびY−Zの傾きをキャリブレーションする方法がすでに公知である(特許文献1)。非特許文献 書籍「外観検査の自動化」(電気学会発行)特開2001ー124700号公報 最近の表示装置では、画面が大型化しているので検査対象の画素数が大きくなって、視覚センサ部では、検査方向の1ラインに対して複数個のラインセンサカメラを配列しなければならならない。そのため、複数のラインセンサからの検出信号を後に検査方向1ラインの検出信号に合成する画像処理が行われる。このとき、各ラインセンサカメラの検出感度以前に各ラインセンサカメラの相互の関係が検出ラインを連続した1本のものとして合成できる関係になってなければ検査精度が低下する。 このとき問題となるのが、各カメラの視野の位置ずれである。検出感度は、一次元イメージセンサの電圧調整とか、データ処理により一定の比率をかけて調整すれば可能である。しかし、各ラインセンサカメラの検出ラインが連続する1本のものとして合成できるようにするためには、各ラインセンサカメラに内蔵された一次元イメージセンの撮像対象に対する視野の軸が一致している必要がある。 その結果、検査方向の1ラインに対しての視野のXYZθの調整ばかりでなく、X−Xθ−Y−Yθ−Z−Zθの6軸のキャリブレーションが要求されている。 特許文献1に示されるようなキャリブレーション基準となるマークプレートの矩形画像を3点で採取する方法では、複数個のラインセンサカメラを配置した場合に、カメラ相互間の視野の位置ずれについて高精度な較正ができないのが現状である。しかも、6軸調整をこのような3点マークで行うとなると、高精度な較正をするには非常に手間がかかる。 この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、ラインセンサカメラの視野に垂直な軸の回転方向と視野の高さ方向の較正が容易にでき、高分解能の外観検査を行う検査ステージに適したラインセンサカメラのキャリブレーション方法を提供することにある。 この発明の他の目的は、前記のキャリブレーション方法でキャリブレーションされたラインセンサカメラを複数個用いて高分解能の外観検査装置を提供することにある。 このような目的を達成するために、この第1の発明のラインセンサカメラのキャリブレーション方法および外観検査装置の構成は、マークプレートの中心とラインセンサカメラの視野の中心とが一致するような位置関係で所定間隔を置いてこれらを対峙させて支持する検査ステージ上でマークプレートを撮像してその検出信号からラインセンサカメラの撮像対象に対する直交軸を正規の状態に調整するキャリブレーション方法において、 マークプレートに設けられこれの中心線に対して対称な位置に相互に反対方向で実質的に平行に傾斜する線からなる第1の図形パターンと、マークプレートに設けられ中心線に対して対称な位置に相互に対称に傾斜する線からなる第2の図形パターンとを有し、 マークプレートの中心にラインセンサカメラの視野の中心を位置合わせして、ラインセンサカメラでマークプレートの第1の図形パターンを撮像して第1の図形パターンの線により形成される領域についての前記検出信号において中心線に対して両側での検出幅が等しくなるようにラインセンサカメラの視野をこの視野に垂直な軸を回転させて調整し、マークプレートの第2図形パターンを撮像して第2の図形パターンの線により形成される領域についての前記検出信号において中心線に対して両側での検出幅が等しくなるようにラインセンサカメラの視野の高さを調整するものである。 さらに、第2の発明は、第1の発明の図形パターンに加えて、さらに中心線に対して対称な位置に垂直な線からなる第3の図形パターンを有し、さらに第3の図形パターンを撮像して第3の図形パターンの線により形成される領域の中心線に対して両側での検出幅が等しくなるようにラインセンサカメラの視野の高さ方向の軸を回転させて視野を調整するものである。 このように、この発明にあっては、XYZのいずれかの視野に垂直となる1軸、例えば、Y軸を基準にしてこのY軸に対してマークプレートの中心にラインセンサカメラの視野の中心を位置合わせすることで、まず、ラインセンサカメラの視野についてXθの補正ができる。なお、X軸は、ラインセンサカメラの一次元センサの受光画素の配列方向に対応している。 これは、検査ステージがマークプレートの中心とラインセンサカメラの視野の中心とが一致するような位置関係で所定間隔を置いて対峙させる関係にあるので、中心の位置ずれは、Xθのずれが主体となって現れるからである。 次に、第1の図形パターンに従ってY軸を回転させてその回転量を調整することでラインセンサカメラの視野についてYθの補正をすることができる。 次に、第2の図形パターンに従ってZ軸を上下移動させてY軸の高さを調整することでラインセンサカメラの視野についてマークプレートの中心に対するY軸の位置をZ方向の原点位置に一致させる調整をすることができる。 これにより視野についてZ軸の方向の高さ補正ができる。 さらに、第3の図形パターンに従ってZ軸を回転させてX軸をマークプレートに平行にすることで、ラインセンサカメラの視野についてZθの調整ができる。 ここで、Y軸がZ軸の高さ調整で各軸の原点に一致してXθ−Yθ−Zθの調整がなされているので、6軸の調整が完了する。 ところで、ラインセンサカメラとしては、視野に垂直なY軸を被写体に垂直にしたときには、長手方向のラインの両端の画素位置のずれは、YθとZ軸の方向の高さ方向のずれが大きく影響する。そのため、YθとZ軸の補正が重要になる。 したがって、この発明は、6軸すべてはなく、第1の発明の構成で示すように、第1および第2の図形パターンを撮像して、YθとZ軸の方向の位置補正するだけのものであってもよい その結果、高分解能の検査を行うためのラインセンサカメラの較正が高精度でかつ容易にでき、特に、複数のラインセンサカメラ(一次元イメージセンサ)を配置する検査ステージにおいて、高分解能の検査を行うためのラインセンサカメラの較正に適したキャリブレーションが簡単にできる。 図1は、この発明のラインセンサカメラのキャリブレーション方法を適用した一実施例のキャリブレーションの調整原理の説明図、図2は、キャリブレーションステージの説明図、図3,図4は、キャリブレーションのためのマークプレートと検出信号との関係の説明図、図5は、検査ステージにおけるキャリブレーション処理手順の説明図、そして図6は、検査ステージの全体的な説明図である。 図6(a),(b)に示す1は、外観検査装置の検査ステージであって、その移動テーブル2には、液晶パネル3が検査対象として搭載され、視覚センサ部として設けられた一次元イメージセンサのラインセンサカメラ4a〜4f(以下カメラ4a〜4f)がその上部に配置されている。カメラ4a〜4fは、図6(a)の平面図にみるように、2列で千鳥配置となっていて、全体で液晶パネル3の縦の1ライン分を6分割して6個の一次元イメージセンサでカバーし、各カメラ4a〜4fの受光面が連続して1本の検出ラインになるようにX軸に平行に配列されている。 移動テーブル2は、カメラ4a〜4fのイメージセンサ10の配列方向をX軸に一致させ、視野に垂直な軸をY軸としたときに、Z方向(カメラの視野の高さ方向)の一軸方向に沿って所定間隔離れて設けられたレール2a,2b上を移動し、これらのレール2a,2bの間にボール・スクリュ5が設けられている。ボール・スクリュ5は、ステッピングモータ6にカップリング7を介して結合され、これにより駆動される。なお、レール2a,2bと移動テーブルとの間にはボール軸受2cが設けられている。 図6(b)に示すように、8は、移動テーブル2の背面に設けられた数本のバックライトであり、移動テーブル2にはこのバックライト8の光を透過させる2dが多数開けられていて、検査対象となる液晶パネル3が駆動されたときに同時にバックライト8が点灯される。 9は、液晶パネル3を駆動する駆動回路であり、コネクタとフレキシブルケーブル等の接続ライン9aにより液晶パネル3に接続され、バックライト8にも接続されている。 カメラ4a〜4fに内蔵固定された各一次元のイメージセンサ10(図1(a)参照)は、カメラ4a〜4fにより得られる検出信号がX軸上にある連続した1本の検出ラインのものとして合成されるために、X−Xθ−Y−Yθ−Z−Zθの6軸が高い精度で一致していることが好ましい。 図1(a),(b)は、このカメラ4a〜4fのキャリブレーション(較正)の原理の説明図である。 図1(a)は、そのキャリブレーションステージ12(図2参照)におけるキャリブレーションのためのマークプレート13とカメラ4(各カメラ4a〜4fを代表するものとして)との関係の説明図である。 図1(a)において、点線で示すカメラ4は、内部に一次元イメージセンサ10(以下イメージセンサ10)を有していて、イメージセンサ10が固定されたカメラ4(あるいはイメージセンサ10自体)が6軸調整機構11に支持されている。これにより、イメージセンサ10の視野を6軸調整できるようになっている。 図1(a)に示すように、イメージセンサ10の視野に垂直となるY軸がマークプレート13の面に垂直になるように設定され、図2に示すキャリブレーションステージ12に取付けられる。 このキャリブレーションステージ12において、マークプレート13(図3参照)およびマークプレート14(図4参照,後述)は、ブラケット12aによりキャリブレーションステージ12のベース12bに側面から固定ボルト12cにより取り付けられる。一方、6軸調整機構11は、ベース12bに表面の所定の位置に取り付けられる。 図2において、11a〜11eが6軸をそれぞれ調整する調整済みである。 これにより、キャリブレーションステージ12は、マークプレート13およびマークプレート14の中心とカメラ4(イメージセンサ10)の視野の中心とが一致するような位置関係で所定間隔を置いて対峙させて支持する検査ステージとなる。このときの所定間隔は、カメラ4と図6の液晶パネル3との間隔に実質的に一致していることが好ましいが、所定間隔は、必ずしも一致させなくてもよい。 このキャリブレーションステージ12において、マークプレート13およびマークプレート14をカメラ4で撮影して、図1(b)に示すように、カメラの視野に垂直なY軸について、マークプレート13およびマークプレート14の中心に対してXθ補正(1)をし、次にXθ補正をしたY軸(視野)を基準にして、Yθ補正(2)、すなわち視野に平行な平面内での視野の回転の補正をし、次にY軸のZ補正(3)、すなわち視野の高さ補正をし、そしてY軸のZθ補正(4)、すなわち視野に垂直な横方向の平面内での視野の回転の補正をする。このことで6軸のキャリブレーションをするものである。 6軸調整機構11は、図1(b)に示すように、カメラ4の筐体等を介して、X−Xθ−Y−Yθ−Z−Zθの6軸がマニュアルにて調整可能なものである。 図2に示されるように、マークプレート13,14をカメラ4で撮像して得られる検出信号は、二値化回路19を介してオシロスコープ20へと入力される。その結果、マークプレート13,14に形成された図形の白黒映像は、オシロスコープ20の画面上で、HIGHレベル“H”とLOWレベル“L”のパルス波形となる(図3(a),(b),図4(a),(b)参照)。 図1(a)に示されるように、マークプレート13は、横長の長方形のガラス板にクロムを蒸着することで形成された直角三角形の三角定規に一方に対応した三角パターン15が中心線Oの両側に対称に描かれている。三角パターン15は、それぞれ短辺と長辺とからなる不等辺直角三角形であり、相互に間隔D隔てて短辺側が隣接する形で中心線Oに対して対称に配置され、斜辺の傾斜角αが30度以下の細長い三角形である。この三角パターン15は、図3に示すように、縦線15aと斜線15bとの位置が検出される。 ここで、地となるガラス板の反射率は、大きく、これに対して三角パターン15の反射率は低いか、実質的に無反射のものである。 マークプレート13の2個の三角パターン15は、イメージセンサ10の視野に垂直となるY軸のθ回転のキャリブレーションをするためのものである。そのために斜線15bは、相互に反対方向で実質的に平行に傾斜する線になっている。また、縦線15aは、中心線Oの位置を決定するためのものである。 まず、図5のキャリブレーション処理手順に従って、以下、キャリブレーションについて説明する。 キャリブレーションステージ12上において、図1(a)に示すように、最初にX軸を回転調整して視野の中心をマークプレート13の中心Oo(図3参照)とを一致させる(ステップ101)。これにより図1(b)に示すイメージセンサ10の視野のXθの較正ができる。これは、キャリブレーションステージ12上においては、イメージセンサ10の中心の高さがマークプレート13の中心Ooの高さと等しい関係でX軸上の原点とマークプレート13の中心Ooとが一致する関係にあるからである。 なお、前記したように、X軸は、イメージセンサ10の配列方向に一致している。 次に、図4(a)に示すように、オシロスコープ20の画像により検出波形Aを得て、6軸調整機構11においてY軸を回転させてその回転量を調整することでイメージセンサ10の視野のYθの補正をする。 このとき、Yθが正規の位置よりθ回転しているとすると、オシロスコープ20の画面上で検出波形Aにおける中心波形Cが中央に一致していても、中心波形Cを基準とした三角パターン15により形成される領域についての“L”の左右の幅が相違してくる。そこで、図4(b)に示すように、これらの幅dL1とdR1とに差が発生して、それがY軸の回転量θのずれとして現れてくる。そのため6軸調整機構11のYθ軸を回転調整して、図4(c)に示すように、オシロスコープ20の画面上で目視等によりdL1=dR1になるように調整してYθの較正をする(図5のステップ102)。 なお、このときには、三角パターン15の傾斜角αが30度以下に設定された細長い三角形であるので、Z軸のθ回転のZθの影響は、Yθの傾きの影響より小さく、無視できる程度のものである。また、Xθについてはすでに補正されているが、たとえXθの影響があっても、傾斜角αが30度以下に設定されているので、それは小さく、無視できるものである。そこで、Yθが較正できる。 その結果、イメージセンサ10の視野のYθ軸を補正して視野のX軸とZ軸を正規の方向に設定できる。 次にマークプレート13を、図4に示すマークプレート14に交換する(ステップ103)。これは、マークプレート13の奥にマークプレート14を併設して、キャリブレーションステージ12において移動機構によりカメラ4の視野の中心をマークプレート14の中心Ooに一致させる位置まで移動させてもよいし、固定ボルト12cを外して、ブラケット12aをベース12bから取り外してマークプレート13をブラケット12aに取付けられたマークプレート14をベース12bに固定ボルト12cにより取り付けることで取り換えてもよい。 なお、マークプレート13の中心Ooとマークプレート14の中心Ooとは取り付け状態でその位置が一致している。 マークプレート14は、同様に横長の長方形のガラス板にクロムを蒸着することで形成された直角三角形の三角定規に一方に対応した三角パターン16が中心線Oの両側に中心Ooに対して180度回転した関係で描かれている。三角パターン16は、それぞれ短辺と長辺とからなる不等辺直角三角形であり、相互に間隔D1隔てて短辺側が隣接する形でマークプレート14の中心Ooに点対称に配置され、傾斜角αが30度以上の三角形である。三角パターン16は、縦線16aと斜線16bとの位置が検出される。 マークプレート14の2個の三角パターン16は、イメージセンサ10の視野に高さ方向と高さ方向(Z方向)のキャリブレーションをするためのものである。 また、このマークプレート14には、三角パターン16に隣接して対称に垂直な2本の線17a,17bを有する正方形パターン17が設けられている。この正方形パターン17は、イメージセンサ10の視野に高さ方向の軸のθ回転(Zθ)のキャリブレーションをするためのものである。 さらに、このマークプレート14には、正方形パターン17に隣接してフォーカス調整をするために5本程度の縦線パターン18が設けられている。これらパターンは、すべてガラス板にクロムを蒸着することで形成されたものである。 このとき、Y軸がZ軸方向(視野の高さ方向)にずれていると、図4(a)に示すように、例えば、視野のラインが中心Ooに対して高さ方向にΔZのずれが生じる。 そこで、オシロスコープ20の画面上で中心波形Cが中央に一致していても、中心波形Cの波形に対して中央に三角パターン16により形成される領域についての“L”の左右の幅が相違してくる。そこで、6軸調整機構11のZ軸方向のイメージセンサ10の位置がこれらの幅dL2とdR2との差となって、Z方向、すなわち視野の高さのずれとして現れてくる。そこで、6軸調整機構11によりZ軸を調整してZ方向にイメージセンサ10を移動させて、図4(b)に示すように、目視等によりdL2=dR2になるように調整する(図5のステップ104)。これによりZ軸の方向の高さ補正、すなわち視野の高さ較正をすることができる。 なお、このときには、傾斜角αが30度以上に設定された小さい三角形であるので、Z軸のθ回転の影響は、Z方向の上下の位置ずれの影響より小さくなり、無視できる。Xθは補正済みであるので、これも無視できる。また、たとえXθの影響があっても、傾斜角αが30度以上に設定されているので、それは小さく、無視できるものである。 その結果、実質的にZ方向(高さ方向)の較正がこれにより可能になる。このとき、Y軸の位置は、Z軸の原点に一致させることができる。 次に、6軸調整機構11のZ軸を回転させて調整して正方形パターン17により形成される領域についての“L”の左右の幅が相違してくる。そこで、図4(b)に示すように、その“L”の左右の幅dL3とdR3とを目視等によりdL3=dR3となるように合わせる。このことによりY軸をマークプレート14に垂直して、イメージセンサ10の視野がマークプレート14に平行になるように調整する(ステップ105)。言い換えれば、X軸がマークプレート14に平行になるようにその位置を調整をする。 その結果、これによりイメージセンサ10の視野のZθの較正ができる。 なお、マークプレート14の正方形パターン17の位置は、中心線Oより離れた位置に配置され、かつ、垂直線となっているので、たとえXθの影響があっても、それは小さく、無視できるものである。 最後に、左右にある5本の縦線パターン18に対応する信号線がシャープになるように、カメラ4のレンズの位置を調整する。これより、カメラ4のフォーカス調整ができる(ステップ106) 以上により、マークプレート13およびマークプレート14の中心に対してXθ補正(1)をし、次にY軸(視野)を基準にして、Yθ補正(2)、次にZ補正(3)、そしてZθ補正(4)をすることで、マークプレート13およびマークプレート14の中心あるいは中心線とY軸とを基準として6軸のキャリブレーションをすることができる。 ところで、マークプレートの中心線Oに隣接する縦線15a,16aは、それぞれ検出信号の中心波形Cを形成してオシロスコープ20の画面上で中心線Oの両側の左右の長さを目視等により測定するためのものであるので、これの幅は狭くてもよく、1本の線となっていてもよい。極端な場合には、2つの図形パターンがマークプレートの中心線Oを挟んでつながっていて1つであっても、マークプレート13およびマークプレート14の両端から中央位置が分かるので、それで中央の両端の“L”の関係で検出波形のバランスを見て調整することも可能である。したがって、マークプレートの三角パターンあるいは正方形パターンは必ずしもそれぞれを2つの波形に分ける必要はない。 さらに、この場合、二値化せずに、直接カメラ4の信号をオシロスコープ20に入力してその画面上で調整することも可能である。 また、マークプレートに形成した図形は、XYZの相互のθ回転の影響は少ないので、キャリブレーションの順序は、XYZの1軸に対して視野のθ回転の調整、視野の高さ調整、そして視野の平行調整のいずれか1つを順次選択的に行えばよく、実施例の順序に限定されるものではない。 実施例では、2枚のマークプレートを使用しているが、1枚のマークプレートあるいは3枚のマークプレートを設けてぞれぞれの図形パターンを割り振ってもよいことはもちろんである。 以上説明してきたが、実施例のマークプレート13,14の形状は三角形あるいは正方形としているが、マークプレートの中心線に対して相互に反対方向に実質的に平行に傾斜する線を有するパターンと相互に対称に傾斜する線を有するパターン、そして、垂直な線を有するパターンとの図形が形成され、中心からのバランスが分かる図形パターンであればどのようなパターンであってもよい。 また、マークプレートの図形パターンは、実施例とは逆に白黒反転した反射率のパターンであってもよい。 実施例では、説明の都合上、1次元のイメージセンサ10の視野で説明しているが、カメラにイメージセンサ10が固定されている限り、カメラの視野もイメージセンサ10の視野も実質的に同じものである。カラーの場合には、3個の一次元センサとなる。この意味から、ここでのイメージセンサの視野は、カメラの視野一般であってよい。 ところで、実施例では、液晶パネルの例を挙げているが、この発明は、液晶パネルのほか、有機ELパネル、プラズマディスプレイ、フィールドエミッシンディスプレイ等の平面パネル、その他の各種の検査物に適用できることはもちろんである。図1は、この発明のラインセンサカメラのキャリブレーション方法を適用した一実施例のキャリブレーションの調整原理の説明図である。図2は、キャリブレーションステージの説明図である。図3は、キャリブレーションのためのマークプレートと検出信号との関係の説明図である。図4は、キャリブレーションのための他のマークプレートと検出信号との関係の説明図である。図5は、検査ステージにおけるキャリブレーション処理手順の説明図である。図6は、検査ステージの全体的な説明図である。符号の説明 1…検査ステージ、2…移動テーブル、3…液晶パネル、 4,4a〜4f…カメラ、 5…ボール・スクリュ、6…ステッピングモータ、 7…カップリング、8…バックライト、 9…駆動回路、10…イメージセンサ、 11…6軸調整機構、 12…キャリブレーションステージ、 13,14…マークプレート、 15,16…三角形パターン、 17…正方形パターン、 18…縦線パターン、19…二値化回路、 20…オシロスコープ。 マークプレートの中心とラインセンサカメラの視野の中心とが一致するような位置関係で所定間隔を置いてこれらを対峙させて支持する検査ステージ上で前記マークプレートを撮像してその検出信号から前記ラインセンサカメラの撮像対象に対する直交軸を正規の状態に調整するキャリブレーション方法において、 前記マークプレートに設けられこれの中心線に対して対称な位置に相互に反対方向で実質的に平行に傾斜する線からなる第1の図形パターンと、 前記マークプレートに設けられ前記中心線に対して対称な位置に相互に対称に傾斜する線からなる第2の図形パターンとを有し、 前記マークプレートの中心に前記ラインセンサカメラの視野の中心を位置合わせして、前記ラインセンサカメラで前記マークプレートの前記第1の図形パターンを撮像して前記第1の図形パターンの前記線により形成される領域についての前記検出信号において前記中心線に対して両側での検出幅が等しくなるように前記ラインセンサカメラの視野をこの視野に垂直な軸を回転させて調整し、前記マークプレートの前記第2図形パターンを撮像して前記第2の図形パターンの前記線により形成される領域についての前記検出信号において前記中心線に対して両側での検出幅が等しくなるように前記ラインセンサカメラの視野の高さを調整するキャリブレーション方法。 マークプレートの中心とラインセンサカメラの視野の中心とが一致するような位置関係で所定間隔を置いてこれらを対峙させて支持する検査ステージ上で前記マークプレートを撮像してその検出信号から前記ラインセンサカメラの撮像対象に対する直交軸を正規の状態に調整するキャリブレーション方法において、 前記マークプレートに設けられこれの中心線に対して対称な位置に相互に反対方向で実質的に平行に傾斜する線からなる第1の図形パターンと、 前記マークプレートに設けられ前記中心線に対して対称な位置に相互に対称に傾斜する線からなる第2の図形パターンと、 前記中心線に対して対称な位置に垂直な線からなる第3の図形パターンとを有し、 前記マークプレートの中心に前記ラインセンサカメラの視野の中心を位置合わせして、前記ラインセンサカメラで前記マークプレートの前記第1の図形パターンを撮像して前記第1の図形パターンの前記線により形成される領域についての前記検出信号において前記中心線に対して両側での検出幅が等しくなるように前記ラインセンサカメラの視野をこの視野に垂直な軸を回転させて調整し、前記マークプレートの前記第2図形パターンを撮像して前記第2の図形パターンの前記線により形成される領域について前記検出信号においての前記中心線に対して両側での検出幅が等しくなるように前記ラインセンサカメラの視野の高さを調整し、さらに前記第3の図形パターンを撮像して前記第3の図形パターンの前記線により形成される領域について前記検出信号においての前記中心線に対して両側での検出幅が等しくなるように前記ラインセンサカメラの視野の高さ方向の軸を回転させて前記視野を調整するキャリブレーション方法。 前記所定間隔は、前記ラインセンサカメラが検査する対象の距離と実質的に等しいものであり、前記マークプレートは、複数設けられ、複数の前記マークプレートに前記第1,第2および第3の図形パターンのいずれかの図形パターンがそれぞれ形成されている請求項1または2記載のキャリブレーション方法。 前記第1の図形パターンは、前記中心線に対して所定間隔空けて対称に配置された不等辺三角形であり、傾斜線の角度が30゜以下に設定され、前記第2の図形パターンは、前記中心線に対して所定間隔空けて前記中心線の中心に対して点対称に配置された不等辺三角形であり、傾斜線の角度が30゜以上に設定され、前記第3の図形パターンは、前記中心線に対して所定間隔空けて対称に配置された矩形である請求項3記載のキャリブレーション方法。 前記第1,第2および第3の図形パターンは、ガラスに形成された反射率の低いパターンかあるいは実質的に無反射のパターンである請求項4記載のキャリブレーション方法。 前記ラインセンサカメラの検出信号がオシロスコープに入力されて前記検出信号が波形として表示される請求項5記載のキャリブレーション方法。 請求項1乃至6のうちのいずれか1項記載のキャリブレーション方法で前記ラインセンサカメラの少なくとも視野に垂直な軸と視野の高さ方向の軸とが調整されたラインセンサカメラを視覚センサ部に複数個備える外観検査装置。 【課題】外観検査を行う検査ステージに適したラインセンサカメラのキャリブレーション方法を提供する。【解決手段】マークプレートに設けられ中心線に対して対称な位置に相互に反対方向で平行に傾斜する線からなる第1の図形パターンと、マークプレートに設けられ中心線に対して対称な位置に相互に対称に傾斜する線からなる第2の図形パターンとを有しラインセンサカメラの視野の中心を位置合わせしてラインセンサカメラでマークプレートの第1の図形パターンを撮像してその線により形成される領域についての検出信号において中心線に対して両側での検出幅が等しくなるようにラインセンサカメラの視野を垂直な軸を回転させて調整しマークプレートの第2図形パターンを撮像してその線により形成される領域についての検出信号において中心線に対して両側での検出幅が等しくなるようにラインセンサカメラの視野の高さを調整する。【選択図】図1