タイトル: | 公開特許公報(A)_比色法による定量分析方法 |
出願番号: | 2004081484 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,G01N21/78,G01N31/00 |
田尻 友絵 俣野 依子 内村 幸治 JP 2005265728 公開特許公報(A) 20050929 2004081484 20040319 比色法による定量分析方法 株式会社 堀場アドバンスドテクノ 592187534 株式会社堀場製作所 000155023 藤本 英夫 100074273 田尻 友絵 俣野 依子 内村 幸治 7G01N21/78G01N31/00 JPG01N21/78 ZG01N31/00 A 3 1 OL 11 2G042 2G054 2G042AA01 2G042CA02 2G042CB03 2G042DA03 2G042DA08 2G042FA01 2G042FA05 2G042FA06 2G042FA11 2G042FA20 2G042FB02 2G042GA01 2G042HA07 2G054AA02 2G054CA10 2G054EA04 2G054GB05 本発明は、溶液中に存在する、例えば二酸化ケイ素{通称シリカで、以下、シリカ(SiO2 )と称する}等の成分の量を求める化学分析の一つで、シリカ等の測定対象成分を含有する試料液に発色用試薬を注入し混合して発色反応させた状態で、その混合溶液の光透過度または吸光度を測定することにより、試料液中の測定対象成分を定量するモリブデンブルー吸光光度法もしくはモリブデンイエロー吸光光度法等の比色法による定量分析方法に関する。 シリカ等の定量分析方法としては、低濃度まで正確に測定できること、測定操作が比較的簡便であること、等の理由から一般的に比色法、なかでもモリブデンブルー吸光光度法が多く採用されている。 図1はモリブデンブルー吸光光度法(「JIS K 0101:工業用水試験方法」に規定されている)による定量分析方法の原理を示す模式図であって、シリカ(SiO2 )を含有する試料液(以下、サンプルSと称する)に、硫酸+モリブデン酸アンモニウムからなる発色剤を主成分とする試薬Aを注入し混合してケイモリブデン酸を生成させイエローに呈色させる。次に、それにシュウ酸からなる隠蔽剤及び発色の再現性をよくするための発色安定剤を主成分とする試薬Bを注入し混合して発色反応を妨害する成分であるリンモリブデン酸を分解する。さらに続いて、アスコルビン酸からなる還元剤を主成分とする試薬Cを注入し混合してSiO2 がモリブデン酸アンモニウムと反応して生成するヘテロポリ化合物を還元することにより、モリブデンブルーに呈色させる。このモリブデンブルーに呈色した溶液をセルに移して、波長815nm付近の吸光度を測定することにより、サンプルS中のSiO2 を定量する方法である。 上記したようなモリブデンブルー吸光光度法等の比色法による定量分析においては、サンプルSに注入される発色用試薬A中に微量ではあるが測定対象成分であるシリカが存在しており、この発色用試薬A中に存在するシリカが発色の妨害成分となり、それが測定値に大きく影響して測定誤差の要因となる。そこで、そのような発色妨害成分による測定値への影響度を検出し、その検出した影響度に基づいて、実測定時に得られる測定値を補正するといった空試験の実施が必要である。 ところで、上記のごとき実測定値に対する補正を行なうための発色妨害成分による影響度を検出するために、従来では、発色妨害成分(測定対象成分)が共存する発色用試薬を通常測定の2倍量使用して測定した場合の測定値と同一の発色用試薬を使用して通常測定した場合の測定値との差を算出する空試験を実施し、この空試験により算出した前記差値が発色妨害成分による影響度と考えて、その差値を補正値(試薬ブランク値)とし、実際の分析時の測定値を前記試薬ブランク値で補正演算することによりサンプル中のシリカ等の測定対象成分を定量する方法が採られていた。 空試験による試薬ブランク値の演算処理方法について、従来から周知のシリカモニターを例にとって説明する。 まず、上述したモリブデンブルー吸光光度法等の比色法による定量分析方法で使用する各試薬A〜C毎の影響度を確認したところ図2に示すような結果が得られた。この結果から、試薬中にシリカが存在しそれが測定値に影響する試薬は試薬Aのみであると考えてなんら問題がない。これは従来のシリカモニター及びJISに記載の結果と一致していることからも明らかである。 この結果を踏まえて、従来のシリカモニターでは、通常の測定で得られた測定値Dと通常の2倍量の試薬Aを用いて測定したときに得られる測定値D’との差ΔD(D’−D)を求め、その差の値ΔDを実際の測定時における測定値の補正に用いられる試薬ブランク値としていた。 しかしながら、上述したような空試験で求められた試薬ブランク値を用いて実測定値を補正して測定対象成分を定量する従来の比色法による定量分析方法では、(a)実際の分析時において試薬の使用量を変化させた場合、サンプルのpHが通常量の試薬を用いて通常測定する時のpHと異なるために、通常測定時とは全く違った検量線となってしまう。また、(b)実際の分析時には発色用試薬の他にも、既述したように、発色反応の妨害成分を隠蔽したり、発色の再現性を安定化するための別の試薬(図1のB、C)が併用されることが多く、それら別の試薬と発色用試薬との量的なバランスが通常測定の場合と試薬使用量を変化させた場合とで異なり、隠蔽効果や発色の安定性の均衡が崩れることになるため、上記したような単純な減算のみによる影響度を試薬ブランク値とすると、実際の分析時に得られる測定値に対する影響度が空試験時の影響度よりも大きくなったり、小さくなったりすることがあり、その結果、実測定値の誤差が許容範囲を越えるほどに大きくなるという問題がある。 また、このような問題を解消する改良方法も知られている。この改良方法をシリカモニターを例にして説明すると、(a)の問題は、従来のシリカモニターで使用している発色用試薬Aが硫酸とモリブデン酸アンモニウムとの混合溶液であることに起因するものであり、そのような混合溶液を使用する代わりに、JISに示されているように、硫酸とモリブデン酸アンモニウムを別々の溶液とし、試薬ブランク値の測定時(空試験時)にはモリブデン酸アンモニウム溶液のみを2倍量注入し、その注入量の変化に合わせて他の試薬B,Cの注入量も変化させる方法である。 しかし、この改良方法の場合は、pHの変化に伴う測定値の誤差を解消できるものの、硫酸溶液とは別のモリブデン酸アンモニウム溶液が短時間のうちに溶液内に再結晶物を生成し、また、試薬Bの試薬Aに対する隠蔽効果が試料液中のシリカの濃度で異なるために、定常的に測定を続ける場合、その測定対象成分濃度の変化に対応して試薬Bの注入量も調整変化させる必要がある、など数多くの問題があり、それゆえに、従来一般には、前者の方法、すなわち、通常の測定で得られた測定値と通常の2倍量の試薬(混合溶液)Aを用いて測定したときに得られる測定値との差の値を試薬ブランク値とするといった空試験が実施され、その結果、上述のような問題を発生していた。 本発明は上記のような諸実情に鑑みてなされたもので、その目的は、実測定時に試薬の使用量を変化させた場合や使用試薬の交換に伴い発色妨害成分の量が変化した場合のいずれにおいても、発色妨害成分による影響度を適正に補正して、測定対象の系を一定に維持したままで迅速に、かつ、精度の高い測定値を得ることができる比色法による定量分析方法を提案することにある。 上記目的を達成するために、本発明に係る比色法による定量分析方法は、測定対象成分を含有する試料液に発色用試薬を注入し混合して発色反応させた状態で、その混合溶液の光透過度または吸光度を測定することにより、試料液中の測定対象成分を定量する比色法による定量分析方法であって、 実際の分析前に、発色に影響を及ぼす測定対象成分が存在する発色用試薬を通常測定の数倍量使用しての測定により得られる測定値に対する前記測定対象成分もしくは測定対象成分及び発色妨害成分による影響度と、同じ発色用試薬を使用しての通常の測定で得られる測定値に対する前記測定対象成分もしくは測定対象成分及び発色妨害成分による影響度とを各別に算出するとともに、それら両影響度を基に、両測定値を変数に持つ関数を算出する空試験を実施し、 この空試験で算出した関数を用いて、実際の分析時に得られる測定値から測定対象成分もしくは測定対象成分及び発色妨害成分による影響度を差し引くことにより試料液中の測定対象成分を定量することを特徴としている。 ここで、本発明方法における前記比色法としては、モリブデン青吸光光度法もしくはモリブデン黄吸光光度法のいずれを採用してもよい。 また、試料液に注入し混合する試薬として、前記発色用試薬の他に、この発色用試薬と試料中の測定対象成分との発色反応を妨害する成分の隠蔽および発色反応の安定性をよくするための試薬を注入し混合してもよい。 上記のような特徴を有する本発明の比色法による定量分析方法によれば、実際の分析前に実施される空試験によって、通常測定の数倍量の発色用試薬を使用した測定時及び通常測定時に得られた両測定値に対する測定対象成分及び発色妨害成分による影響度を基に、両測定値を変数に持つ関数を算出する。たとえば、2倍量の試薬を使用する場合、2倍量の試薬使用時の測定値をD’、通常測定時の測定値をD、測定対象成分による影響度をβ、その一次の係数がαであるとき、 f(x)=α(D’−D)−βなる関数で表すことのできる測定値への影響度を算出する。そして、実際の分析時には空試験により算出した関数を用いて、実際の分析時に得られる測定値から測定対象成分もしくは測定対象成分及び発色妨害成分による影響度を差し引くことにより、実際の分析時に試薬の使用量や使用試薬の交換に伴う発色妨害成分の量がどのように変化したとしても、他の試薬の注入量を調整変化させるなどの面倒な制御操作を要することなく、測定対象の系を一定に維持したままで精度のよい測定値を迅速に得ることができる。したがって、実際の測定の度に標準液を用いて補正するなどの手間を要することなく、分析効率を高めることができるとともに、繰り返し分析精度の向上を図ることができるという効果を奏する。 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。 図3は本発明に係る比色法による定量分析方法の実施に用いられるモリブデンブルー吸光光度法を採用したシリカモニターの機能ブロック図であり、このシリカモニターは、シリカ(SiO2 )を含有するサンプルSを抽出するサンプリング部1と、抽出されたサンプルSを試薬との発色反応が促進されるように加熱するサンプル(試料)加熱部2と、この加熱部2で加熱されたサンプルSに、図1に示したような試薬A(硫酸+モリブデン酸アンモニウムからなる発色剤を主成分とする)、試薬B(シュウ酸からなる隠蔽剤及び発色安定剤を主成分とする)及び試薬C(アスコルビン酸からなる還元剤を主成分とする)を試薬ポンプ3を介して注入して発色反応させる反応部4と、発色反応によりモリブデンブルーに呈色された溶液をセルに移して波長815nm付近の吸光度を測定する温度調節装置(図示省略する)付の測定部5と、測定後の溶液を排出する廃液・排水口6とを備えている。なお、前記反応部4には、サンプルS及び各試薬A〜Bを計量し余剰分をオーバーフローさせる計量部7が付設されている。 上記のごとき機能構成を有するシリカモニターを用いて、実際にサンプルS中に含有されているシリカ濃度を測定してシリカを定量する所定の分析を行なう時は、サンプリング部1で抽出したサンプルSを加熱部2で加熱した後、その加熱サンプルSを反応部4へ導入するとともに、その反応部4に試薬ポンプ3を介して前記の各試薬A〜Cを供給して両者を混合させ、この混合に伴って、ケイモリブデン酸の生成(イエローに呈色)→発色反応を妨害する成分であるリンモリブデン酸の分解→シリカとモリブデン酸アンモニウムとの反応で生成されるヘテロポリ化合物の還元作用を経てモリブデンブルーに呈色される。そして、このモリブデンブルーに呈色した溶液は測定部5に導かれ、ここでセルに移されて波長815nm付近の吸光度測定によってサンプルS中のシリカの定量が行われる。 このような所定の分析を行なう前に、各試薬A〜C毎の発色影響度を確認し、その結果(図2参照)で、発色に影響を及ばすシリカが微量に存在していると確認された試薬Aに関して、そのシリカによる影響度合いを検出する空試験が行われる。この空試験は、試薬Aのみを試薬ポンプ3を介して反応部3に供給し、モリブデンブルーに呈色した試薬溶液を測定部5に導いてその吸光度測定を行い、上述した実際の分析時に補正するための試薬ブランク値の算出を行なう。 上記試薬ブランク値は、通常の測定における測定値と試薬Aを2倍量使用して測定した場合の測定値との相関関係から算出されるものであり、以下、その相関関係等を算出するための演算処理フローについて説明する。 1.まず、通常の測定を行なう時、試薬A中に既知濃度のシリカを添加し、このシリカの濃度を変化させて試薬A中に存在するシリカによる測定値への影響度を複数点確認する(調べる)。 2.また、通常の測定の2倍量の試薬Aを用いて測定する時、試薬A中に添加したシリカの濃度を変化させて試薬A中に存在するシリカによる測定値への影響度を複数点確認する(調べる)。 上記1.及び2.で確認された影響度を、通常測定時をa、2倍量測定時を2aとして表記すると、下記の表1のとおりであり、また、図1に示すようなシリカモニターで実際に確認可能な値は、該モニターの指示値であって、それは図4に示すとおりである。 この結果から通常測定時及び2倍量測定時における試薬の影響度と測定値を示す相関関数の1次の係数は、 通常測定時a:0.9052、 2倍量測定時2a:2.2725となり、通常測定時の測定値への推定影響度の式は、 y=0.9052x+0.6461 …(1)となる。 3.上記(1)式は、0次の係数に未知の定数が含まれているが、それ以外の高次の係数については、試薬A中のシリカによる測定値への影響度を正しく示しており、2倍量測定時にpH変化の影響や隠蔽効果の変動による影響がないと仮定すると、2倍量測定時における上記1次の係数は注入される試薬Aの量の違いだけであるから、 0.9052×2=1.8104となる。これを2倍量測定時での影響度との比で表すと、 1.8104/2.2725=0.796656となる。 4.そこで、上記した相関関数の係数を用いて3.の仮定の場合の2倍量測定時に得られる測定値2aから推定される測定値(以下、これを2a’と記載する)と、通常測定時に得られる測定値aとの差を求めると、下記の表2のとおりとなる。 5.以上の1.〜4.までに得られたaの値と2a’の値は、試薬A中に存在するシリカの影響度を確認するために、試薬A中に意図的に添加したシリカを加算したシリカ濃度による影響であり、したがって、試薬A中に存在するシリカ濃度の変化に起因する通常測定時の測定値への影響度は、(2a’−a)と(a)との差に等しいものとなる。それを表記すると、下記の表3に示すとおりであり、その平均値mean=0.13002となり、その平均値が試薬ブランク影響値を算出する関数の0次の係数となる。 6.そして、実際のシリカモニターで得られる値としての(2a−a)と試薬A中のシリカ濃度に起因する影響度とを考慮した試薬ブランク値は、下記の表4及び図5に示すとおりであり、したがって、試薬ブランク値は、 試薬ブランク値=0.6641×(2a−a)−0.4025 …(2)となる。 以上のような空試験の実施によって得られた試薬ブランク値を用いて実際の分析時に得られる測定値を補正することにより、試薬A中に共存するシリカによる影響度を差し引くことが可能となり、実際の分析時に試薬Aの使用量がどのように変化しても、また、使用試薬A〜Cの交換に伴い発色妨害成分の量がどのように変化しても、シリカモニターにおける測定対象の系を一定に維持したまま最小の誤差にとどめて精度のよい測定値を得ることができる。したがって、実際の測定の度に標準液を用いて補正するなどの手間を要することなく、分析効率を高めることができるとともに、繰り返し分析精度の向上を図ることができる。 なお、試薬A中のシリカなどの測定対象成分による影響度が1次以外の高次の相関を有するものである場合も、上述したと同様な演算処理フローで1次以上の高次の係数と0次の係数を算出することが可能である。 また、上記実施の形態では、モリブデンブルー吸光光度法を採用したシリカモニターに適用して説明したが、モリブデンイエロー吸光光度法を採用したシリカモニターに適用してもよく、また、シリカ以外の測定対象成分を同様な比色法により定量分析する方法にも適用可能である。 さらに、上記実施の形態では、空試験時における試薬ブランク値の算出に際して、通常測定の2倍量の試薬を用いて測定した場合の測定値と通常測定した場合の測定値との相関関係から試薬ブランク値を算出するものについて説明したが、通常測定の3倍量や4倍量等の試薬を用いて測定した場合の測定値と通常測定した場合の測定値との相関関係から試薬ブランク値を算出してもよいこともちろんである。本発明に係る比色法による定量分析方法の一つで、モリブデンブルー吸光光度法による定量分析方法の原理を示す模式図である。同上モリブデンブルー吸光光度法等の比色法による定量分析方法で使用する各試薬毎の影響度確認結果を示すグラフである。本発明に係る比色法による定量分析方法の実施に用いられるモリブデンブルー吸光光度法を採用したシリカモニターの機能ブロック図である。発色に影響を及ぼすシリカが共存する試薬に関する空試験において、通常測定の2倍量使用して測定した時の測定値と通常測定した時の測定値へのシリカによる影響度を、シリカモニターの指示値として示すグラフである。通常測定の2倍量使用して測定した時の測定値と通常測定した時の測定値との差とブランク影響値との相関関係を示すグラフである。符号の説明 A 発色用試薬 B 隠蔽及び発色安定用試薬 C 還元用試薬 S サンプル(試料液) 測定対象成分を含有する試料液に発色用試薬を注入し混合して発色反応させた状態で、その混合溶液の光透過度または吸光度を測定することにより、試料液中の測定対象成分を定量する比色法による定量分析方法であって、 実際の分析前に、発色に影響を及ぼす測定対象成分が存在する発色用試薬を通常測定の数倍量使用しての測定により得られる測定値に対する前記測定対象成分もしくは測定対象成分及び発色妨害成分による影響度と、同じ発色用試薬を使用しての通常の測定で得られる測定値に対する前記測定対象成分もしくは測定対象成分及び発色妨害成分による影響度とを各別に算出するとともに、それら両影響度を基に、両測定値を変数に持つ関数を算出する空試験を実施し、 この空試験で算出した関数を用いて、実際の分析時に得られる測定値から測定対象成分もしくは測定対象成分及び発色妨害成分による影響度を差し引くことにより試料液中の測定対象成分を定量することを特徴とする比色法による定量分析方法。 前記比色法として、モリブデン青吸光光度法もしくはモリブデン黄吸光光度法を用いる請求項1に記載の比色法による定量分析方法。 前記発色用試薬の他に、この発色用試薬と試料中の測定対象成分との発色反応を妨害する成分の隠蔽および発色反応の安定性をよくするための試薬が注入し混合される請求項1または2に記載の比色法による定量分析方法。 【課題】 実測定時の試薬使用量や使用試薬の交換に伴う発色妨害シリカの量が変化しても、そのシリカによる影響度を補正して測定対象の系を一定に維持したままで迅速かつ高精度な測定が行えるようにする。 【解決手段】 実際の比色分析前の空試験として、発色に影響を及ぼすシリカが共存する発色用試薬Aを通常測定の数倍量使用した時に得られる測定値に対する共存シリカによる影響度と、同じ発色用試薬Aを使用した通常測定時に得られる測定値に対する共存シリカによる影響度とを各別に算出し、それら両影響度を基に両測定値を変数に持つ関数を算出し、この空試験で算出した関数を用いて、実際の分析時に得られる測定値から共存シリカによる影響度を差し引いてサンプル中のシリカの量を定量する。 【選択図】 図1