タイトル: | 公開特許公報(A)_含水油性化粧料 |
出願番号: | 2004071503 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K7/00,A61K7/025,A61K7/027,A61K7/032 |
萩原 宏行 JP 2005255639 公開特許公報(A) 20050922 2004071503 20040312 含水油性化粧料 株式会社コーセー 000145862 萩原 宏行 7A61K7/00A61K7/025A61K7/027A61K7/032 JPA61K7/00 LA61K7/025A61K7/027A61K7/032 4 OL 11 4C083 4C083AA122 4C083AB051 4C083AB052 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB372 4C083AB432 4C083AC011 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC342 4C083AC422 4C083AC482 4C083AC542 4C083AD022 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD351 4C083AD352 4C083AD492 4C083AD642 4C083BB12 4C083BB36 4C083CC13 4C083CC14 4C083DD01 4C083DD11 4C083DD22 4C083EE06 4C083EE07本発明は、油中に水を分散させた非乳化タイプの含水油性化粧料に関するものである。また、ペースト状油を含有する油中に水溶性高分子と水とを分散させた含水油性化粧料に関するものであり、より詳細には、透明性が高く、塗布時の滑らかさが良好で、塗布部位の閉塞性と抱水性に優れる化粧膜を形成することにより潤い感の持続性に優れ、しかも高温での経時変化が無い含水油性化粧料に関するものである。 油性化粧料は、肌や口唇等の塗布部位の閉塞性に優れる剤型として、ワセリンやポリブテン等のペースト状油を配合した口紅やリップクリーム等に汎用されている化粧料剤型である。しかし、乾いて荒れた人の肌や口唇には水分を供給する必要があるので、油性化粧料に水を配合する様々な技術が提案されている。例えば、ペースト状油と液状油中に水を非乳化状態で分散させる技術(例えば、特許文献1参照。)、ポリオキシアルキレン基を導入した部分架橋型オルガノポリシロキサンを配合した油中に水を分散させる技術(例えば、特許文献2参照。)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンや粘土鉱物を用いて水を油中に乳化させる技術(例えば、特許文献3参照。)等が挙げられる。特公平4−40324号公報(第1頁−第5頁)特許第3208164号公報(第1頁−第10頁)特開2003−137734号公報(第1頁−第10頁)しかし、前記特許文献1記載の技術では、約50℃の高温で経時的に分離を生ずる場合があった。また、前記特許文献2記載の技術では、得られる化粧料に濁りがあり、クリアーで透明性の高い化粧料は得られ難かった。そして、前記特許文献3記載の技術では、配合する乳化剤によって、配合できる油が限定され、しかもペースト状油を多量に配合した場合には、乳化するのが困難であった。更に、粘土鉱物を用いた技術では、化粧料に濁りがあり、クリアーで透明性の高い化粧料は得られ難かった。 このため、透明性が高く、塗布時の滑らかさが良好で、塗布部位の閉塞性と抱水性に優れる化粧膜を形成することにより潤い感の持続性に優れ、しかも高温での経時変化が無い含水油性化粧料の開発が望まれていた。 本発明者は、上記実状において鋭意検討を重ねた結果、ペースト状油を多量に配合した油中に、水を水溶性高分子の溶液又は膨潤液として分散させると、上記課題が解消できる含水油性化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は次の成分(a)〜(c);(a)ペースト状油 40〜90質量%(b)水 0.1〜50質量%(c)水溶性高分子 0.01〜2質量%を配合することを特徴とする含水油性化粧料を提供するものである。 また、前記成分(a)がワセリンであることを特徴とする含水油性化粧料を提供するものである。 そして、前記成分(c)がキサンタンガムであることを特徴とする含水油性化粧料を提供するものである。 更に、成分(d)として、融点が50〜120℃のワックスを配合することを特徴とする前記何れかの含水油性化粧料を提供するものである。本発明の含水油性化粧料は、透明性が高く、塗布時の滑らかさが良好で、塗布部位の閉塞性と抱水性に優れる化粧膜を形成することにより潤い感の持続性に優れ、しかも高温での経時変化に優れる。以下、本発明の構成について詳細に説明する。 本発明において、含水油性化粧料とは、非乳化状態で油中に水が分散している化粧料である。また、本発明の含水油性化粧料は、油中水型乳化化粧料のように、白濁しているものとは異なり、透明性の高い化粧料である。 本発明に用いられる成分(a)のペースト状油は、成分(b)及び(c)を分散する分散媒となる成分であり、人の肌や口唇をその油膜によって閉塞する効果に優れる油であり、20℃で流動しない油剤である。このようなペースト状油は、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(フィトステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、アルコシキ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。 成分(a)として、ワセリンを選択することにより、肌や口唇の閉塞性により優れるため、潤い感の持続性に特に優れる含水油性化粧料を得ることができる。 本発明の含水油性化粧料における成分(a)の配合量は、40〜90質量%(以下、単に「%」と略す。)であり、50〜80%が好ましい。成分(a)の配合量が40%未満では、肌や口唇の閉塞性が不十分であり、90%を超えて配合しても効果の向上は望めず、塗布時の滑らかさが減少するため好ましくない。 本発明に用いられる成分(b)の水は、肌や口唇に潤いを与える成分であり、通常の化粧料に用いられる水、精製水、脱イオン水、植物水、深層水等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。 本発明の含水油性化粧料における成分(b)の配合量は、0.1〜50%であり、1〜30%が好ましい。成分(b)の配合量が0.1%未満では、肌や口唇への潤い感を与えられず、50%を超えて配合すると、高温で経時変化を生じる場合があり好ましくない。 本発明に用いられる成分(c)の水溶性高分子は、成分(b)に溶解又は膨潤する高分子であり、成分(b)をゲル化又は増粘することにより、高温での経時変化を防止する成分である。このような水溶性高分子は、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシルビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー〔商品名:CARBOPOL1342、PEMULEM TR−1,2(グッドリッチケミカル社製)等〕の合成高分子類、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ゼラチン、ペクチン〔商品名:GENU GUM TYPE RL−200J(コペンハーゲン ペクチンファクトリー社製)等〕、ローカストビーンガム〔商品名:メイプロLBGフレールM−175(三晶社製)等〕、グアーガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビノガラクタン、クインスシードガム、ジェランガム等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。 本発明の含水油性化粧料における成分(c)の配合量は、0.01〜2%であり、0.1〜1%が好ましい。成分(c)の配合量が0.01%未満では、高温での経時変化を抑制できず、2%を超えて配合しても効果の向上は望めず、好ましくない。 本発明には上記成分に加えて、更に、成分(d)として、融点が50〜120℃のワックスを配合することにより、高温での経時変化をより抑制することができる。このような融点が50〜120℃のワックスは、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレン共重合体、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライトワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプスワックス等の炭化水素類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、硬化ヒマシ油等の硬化油類が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。 本発明の含水油性化粧料における成分(d)の配合量は、0.1〜20%が好ましく、1〜10%が特に好ましい。成分(d)の配合量がこの範囲内であると、より高温で経時変化が抑制された含水油性化粧料を得ることができる。 本発明の含水油性化粧料には、上記成分の他に、通常、化粧料に使用される成分として、例えば、成分(a)及び(d)以外の油、粉体、界面活性剤、繊維、被膜形成剤、紫外線吸収剤、アルカリ剤、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、α−トコフェロール、アスコルビン酸等の酸化防止剤、多価アルコール、低級アルコール、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、消炎剤、生薬等の美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。 本発明に配合可能な成分(a)及び(d)以外の油としては、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、ポリイソブチレン、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動イソパラフィン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、トリフルオロプロピルメチルシクロテトラシロキサン、トリフルオロプロピルメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類硬化油類等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。 本発明に配合可能な粉体としては、粉体成分としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられ感触調整や着色等の目的で用いられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、珪ソウ土、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等を用いて表面処理して用いることもできる。 本発明に配合可能な界面活性剤としては、乳化剤としてではなく、粉体の分散剤、湿潤剤等に用いられるものである。具体的には、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等のノニオン界面活性剤類、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸の無機塩及び有機塩、アルキルベンゼンスルホン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、o−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、N−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等の両性界面活性剤類等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。 本発明に配合可能な繊維としては、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。尚、これら繊維は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等を用いて表面処理して用いることもできる。 本発明に配合可能な被膜形成剤としては、アクリル−シリコーン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸等の被膜形成性樹脂類、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、シリコーン系ポリマーエマルション等のポリマーエマルション類等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。 本発明に配合可能な紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4‘−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン類等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。 本発明の含水油性化粧料の製造方法は、特に限定さないが、例えば、成分(b)に成分(c)を添加し、溶解又は膨潤し、これを成分(a)に添加して、分散させる方法等が挙げられる。 本発明の含水油性化粧料の形態としては、固形状、半固形状(ゲル)、液状等の何れでもよいが、半固形状(ゲル状)であると、より塗布時の滑らかさが良好である。 本発明の含水油性化粧料は、口紅、リップクリーム、リップグロス、ファンデーション、コンシーラー、アイシャドウ、下地料、アイライナー、マスカラ等のメーキャップ化粧料、美容液、マッサージ等の基礎化粧料、頭髪化粧料等が挙げられるが、これらの中でも口紅、リップクリーム、リップグロス等の口唇用化粧料であると、本発明の効果がより顕著である。次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。 実施例1〜12及び比較例1〜4:半固形状(ゲル状)リップクリーム 下記表1〜3に示す組成のリップクリームを下記製造方法により調製し、「塗布時の滑らかさ」、「潤い感の持続性」、「高温での経時安定性」の各項目について、以下に示す評価方法により評価し、結果を併せて表1〜3に示した。 (製造方法)A:成分7〜12を均一混合する。B:成分1〜8を加熱し、均一混合する。C:〔B〕に〔A〕を添加し、均一分散する。D:〔C〕を加熱し、脱泡後、チューブ容器に充填して半固形状(ゲル状)リップクリームを得た。 [評価項目1:「塗布時の滑らかさ」、「潤い感の持続性」] 化粧歴10年以上の女性パネル20名に、前記実施例及び比較例のリップクリームを使用してもらい、各試料について、「塗布時の滑らかさ」、「潤い感の持続性」の各評価項目を下記(イ)5段階絶対評価基準により評点を付してもらった。その後、各資料の評点の平均値を下記(ロ)4段階判定基準を用いて判定した。 (イ)5段階絶対評価基準 (評点) (評 価) 5点 : 非常に良好 4点 : 良好 3点 : 普通 2点 : 不良 1点 : 非常に不良 (ロ)4段階判定基準 (評点の平均値) (判 定) 平均点4.5以上 : ◎ 平均点3.5以上4.5未満: ○ 平均点2.5以上3.5未満: △ 平均点2.5未満 : × [評価項目2:「高温での経時安定性」] 前記実施例及び比較例のリップクリームを50℃の恒温槽に2週間保管し、2週間後の状態を目視にて確認し、排液(離水)の程度を以下の(ハ)4段階判定基準を用いて判定した。 (ハ)4段階判定基準: (状態観察結果) (判 定) 何ら変化無し : ◎ チューブ内部に極僅かな水滴が 見られるが、排液無し : ○ バルク上部に僅かな排液が有る: △ バルク上部に分離が有る : × 上記表1〜3の結果から明らかなように、本発明品の実施例1〜12の半固形状(ゲル状)リップクリームは、何れも「塗布時の滑らかさ」、「潤い感の持続性」、「高温での経時安定性」の全ての項目に優れた含水油性化粧料であった。尚、実施例1〜12の半固形状(ゲル状)リップクリームは、濁りのない透明性の高い含水油性化粧料であった。一方、成分(b)を配合していない比較例1は、潤い感の持続性に劣っていた。また、成分(c)を配合していない比較例2は、高温で排液や分離を生じ、高温での経時安定性が劣っていた。そして、成分(a)の配合量が40%未満である比較例3は、口唇を十分に閉塞することができないため、潤い感の持続性が劣っていた。更に、油中水型乳化タイプとなってしまう比較例4は、透明性が悪く、高温での経時安定性が劣っていた。 実施例13:スティック状口紅 (成分) (%) 1.エチレン・プロピレン共重合体(m.p.95℃) 7 2.ポリエチレンワックス(m.p.105℃) 1 3.パラフィンワックス(m.p.60℃) 2 4.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ ベヘニル・2−オクチルドデシル)(注4) 40 5.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量 6.カラギーナン 0.1 7.ローカストビーンガム 0.3 8.1,3−ブチレングリコール 5 9.パラオキシ安息香酸メチル 0.210.精製水 1511.ベンガラ 3.512.黄酸化鉄 213.黒酸化鉄 0.314.雲母チタン 515.酸化チタン 116.香料 0.1※注4:エルデュウPS−304(味の素社製) (製造方法)A:成分6〜10を均一混合する。B:成分1〜5を加熱溶解し、成分11〜15を加えて、均一分散する。C:〔B〕に〔A〕及び成分16を添加し、均一分散する。D:〔C〕を90℃に加熱し、脱泡後、スティック容器に充填してスティック状口紅を得た。 実施例13のスティック状口紅は、「塗布時の滑らかさ」、「潤い感の持続性」、「高温での経時安定性」の全ての項目に優れた含水油性化粧料であった。尚、実施例13のスティック状口紅は、濁りのない含水油性化粧料であった。 実施例14:半固形状(ゲル状)アイシャドウ (成分) (%) 1.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(注5) 50 2.オクタン酸セチル 残量 3.メチルフェニルポリシロキサン 12 4.カルボキシビニルポリマー(注6) 0.2 5.フェノキシエタノール 0.2 6.精製水 10 7.トリエタノールアミン 0.01 8.グリセリン 5 9.シリコーン処理ベンガラ(注7) 0.110.シリコーン処理黄酸化鉄(注7) 1.511.シリコーン処理黒酸化鉄(注7) 0.112.合成金雲母(注8) 513.酸化チタン被覆ガラスフレーク(注9) 814.ポリエチレンテレフタレート ・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末(注10) 1※注5:コスモール168AR(日清オイリオ社製)※注6:CARBOPOL940(グッドリッチケミカル社製)※注7:メチルハイドロジェンポリシロキサンを1.5%処理※注8:PDM−40L(トピー工業社製)※注9:メタシャイン1080RC−R(日本板硝子社製)※注10:オーロラフレーク ブルー(角八魚鱗箔社製) (製造方法)A:成分4〜8を均一混合する。B:成分1〜3を加熱溶解し、成分9〜14を加えて、均一分散する。C:〔B〕に〔A〕を添加し、均一分散する。D:〔C〕をチューブ容器に充填して半固形状(ゲル状)アイシャドウを得た。 実施例14の半固形状(ゲル状)アイシャドウは、「塗布時の滑らかさ」、「潤い感の持続性」、「高温での経時安定性」の全ての項目に優れた含水油性化粧料であった。尚、実施例14の半固形状(ゲル状)アイシャドウは、濁りのない含水油性化粧料であった。 以上 次の成分(a)〜(c);(a)ペースト状油 40〜90質量%(b)水 0.1〜50質量%(c)水溶性高分子 0.01〜2質量%を配合することを特徴とする含水油性化粧料。 前記成分(a)がワセリンであることを特徴とする請求項1記載の含水油性化粧料。 前記成分(c)がキサンタンガムであることを特徴とする請求項1又は2記載の含水油性化粧料。 更に、成分(d)として、融点が50〜120℃のワックスを配合することを特徴とする請求項1〜3の何れかの項記載の含水油性化粧料。 【課題】透明性が高く、塗布時の滑らかさが良好で、塗布部位の閉塞性と抱水性に優れる化粧膜を形成することにより潤い感の持続性に優れ、しかも高温での経時変化が無い含水油性化粧料を提供する。【解決手段】 次の成分(a)〜(c);(a)ペースト状油 40〜90質量%(b)水 0.1〜50質量%(c)水溶性高分子 0.01〜2質量%を配合することを特徴とする含水油性化粧料。【選択図】 なし