生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アセチレンカルボン酸化合物の製造方法
出願番号:2004067349
年次:2005
IPC分類:7,C25B3/02,C07C67/08,C07C67/11,C07C69/606,C07B61/00


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西口 郁三 日置 裕二郎 和田 潤 JP 2005256048 公開特許公報(A) 20050922 2004067349 20040310 アセチレンカルボン酸化合物の製造方法 日本化成株式会社 000230652 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 渡邊 隆 100089037 青山 正和 100101465 鈴木 三義 100094400 西 和哉 100107836 村山 靖彦 100108453 西口 郁三 日置 裕二郎 和田 潤 7C25B3/02C07C67/08C07C67/11C07C69/606C07B61/00 JPC25B3/02C07C67/08C07C67/11C07C69/606C07B61/00 300 2 OL 7 4H006 4H039 4K021 4H006AA02 4H006AC46 4H006AC48 4H006AD16 4H006BA02 4H006BA06 4H006BA51 4H006BB16 4H006BD70 4H006KA05 4H006KA06 4H039CA66 4H039CD10 4H039CD20 4H039CD30 4K021AC09 4K021BA07 4K021BB01 4K021BB03 4K021BB05 4K021BC07 4K021DB22 本発明は、アセチレン重合体のモノマーなどに利用されるアセチレンカルボン酸化合物を製造する方法に関する。 プロピオール酸などのアセチレンカルボン酸化合物は、アセチレン重合体のモノマーとしては使用されたり、Diels−Alder反応のジエノフィル成分や複素環化合物合成の出発原料として使用されたりする有用な化合物である。 アセチレンカルボン酸化合物の合成としては、例えば、アセチレンをアセチリドにした後、炭酸ガスを反応させる方法が考えられるが、この合成方法では、効率が低い上に、安全性に問題があった。 そこで、特許文献1では、アセチレンアルコール類を硫酸水溶液中で電解酸化してアセチレンカルボン酸を生成する方法が提案されている。この方法では、硫酸水溶液中のアセチレンカルボン酸を抽出溶媒で抽出した後、抽出溶媒を留去してアセチレンカルボン酸を分離するとしている。特公昭55−43510号公報 しかしながら、アセチレンカルボン酸は安定性が低く、抽出溶媒を留去する際に分解しやすい上に、アセチレンカルボン酸と抽出溶媒とは共沸しやすいため後処理が困難であった。そのため、アセチレンカルボン酸を溶媒から分離することが難しく、アセチレンカルボン酸を高収率で得ることができなかった。特に、特許文献1に記載の方法では、アセチレンカルボン酸は高い酸性度を有するカルボン酸であるため、硫酸から分離することを極めて困難であった。その結果、アセチレンカルボン酸の誘導体も高収率で得ることができなかった。 本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、アセチレンアルコールからアセチレンカルボン酸またはその誘導体であるアセチレンカルボン酸化合物を高収率で得ることができるアセチレンカルボン酸化合物の製造方法を提供することを目的とする。 本発明のアセチレンカルボン酸化合物の製造方法は、酸性水溶液中でアセチレンアルコールを電解酸化してアセチレンカルボン酸を生成させる電解酸化工程と、 酸性水溶液中からアセチレンカルボン酸を抽出する抽出工程と、 抽出工程にて抽出したアセチレンカルボン酸をエステル化するエステル化工程とを有することを特徴とする。 本発明のアセチレンカルボン酸化合物の製造方法におけるエステル化工程では、塩基を含んだ反応溶媒中で有機ハライド化合物をアセチレンカルボン酸に反応させることができる。 本発明により得られるアセチレンカルボン酸エステルは溶媒から容易に分離できるので、本発明によればアセチレンアルコールからアセチレンカルボン酸化合物を高収率で得ることができる。 本発明のアセチレンカルボン酸化合物の製造方法の一例について説明する。 この製造方法の例では、まず、電解酸化工程において、硫酸水溶液が満たされた電解セル中でアセチレンアルコールを電解酸化する。この電解酸化では、アセチレンアルコールを酸化して硫酸水溶液中にアセチレンカルボン酸を生成させる。 ここで、電解セルは、例えば、過酸化鉛からなる陽極と陰極とが隔膜で隔離されたものである。陽極側のセル内部を陽極室、陰極側のセル内部を陰極室といい、アセチレンアルコールは陽極室に添加される。 アセチレンアルコールは、R1−C≡C−CH2OHで表される化合物のことである。前記化学式中のR1は、水素、アルキル基、フェニル基などであるが、反応性や得られる化合物の有用性を考慮すると、水素、メチル基、エチル基、n−ブチル基、フェニル基が好ましい。 また、アセチレンカルボン酸は、R1−C≡C−COOHで表される化合物のことである。 陽極室におけるアセチレンアルコールの濃度は、通常0.1〜0.5モル/リットル、好ましくは0.25〜0.35モル/リットルである。 陽極室および陰極室の硫酸濃度は、通常5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%である。硫酸濃度を前記範囲に保つためには、随時硫酸を補給することが好ましい。 電解酸化において、陽極−陰極間の電圧は2.0〜5.0Vとすることが好ましく、電流密度は1.0〜3.0A/dm3とすることが好ましい。これらの範囲にすることでアセチレンカルボン酸をより高収率で得ることができる。 陽極酸化における硫酸水溶液温度は、収率がより高くなることから、−5〜10℃とすることが好ましく、0〜5℃とすることが好ましい。その温度が−5℃未満では反応の進行が遅くなる傾向にあり、10℃を超えると副反応が生じるので、収率が低下する傾向にある。通常、陽極酸化工程ではジュール熱が発生するため、温度を前記範囲に保つためには硫酸水溶液を冷却する。 電解酸化により得られたアセチレンカルボン酸は硫酸水溶液中に含まれており、これらを分離可能にするために次の抽出工程とエステル化工程を行う。 抽出工程では、電解酸化工程にて生成したアセチレンカルボン酸を硫酸水溶液から抽出溶媒により抽出する。抽出溶媒としては、例えば、エーテル類やエステル類を用いることができるが、中でも、ジエチルエーテル、酢酸ブチルが好ましい。 抽出工程後、アセチレンカルボン酸と抽出溶媒とを含む有機相を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で乾燥することができる。 また、次のエステル化工程の効率を考慮すると、有機相から抽出溶媒の一部をエバポレータ等により留去して、アセチレンカルボン酸を濃縮することが好ましい。なお、アセチレンカルボン酸と抽出溶媒とは共沸しやすいため、抽出溶媒の留去のみでアセチレンカルボン酸を単離することはできない。 次に、エステル化工程にて、抽出溶媒中のアセチレンカルボン酸と反応溶媒とを混合し、さらに塩基および有機ハライド化合物を添加し、加熱してアセチレンカルボン酸をエステル化する。このようなエステル反応により、アセチレンカルボン酸エステル(R1−C≡C−COOR2)を生成させる。 反応溶媒としては極性溶媒が使用され、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジブチルエーテル、モノグライム、ジグライム、シクロペンチルメチルエーテルなどが挙げられる。中でも、留去しやすいという点から、アセトン、アセトニトリルが好ましい。 塩基としては無機塩を使用でき、中でも、収率がより高くなることから、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどの無機カリウム塩が好ましい。塩基の添加量は、アセチレンアルコールに対して1.0〜5.0当量であることが好ましい。 また、有機ハライド化合物としては、反応性の点から、臭化ベンジル、エピブロモヒドリン、臭化アリル、臭化クロチル、臭化フェナシル、臭化アセトンなどの活性な臭化物、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等のヨウ化アルキル類などのヨウ化物が好ましい。有機ハライド化合物の添加量は、アセチレンアルコールに対して1.5〜3.0当量であることが好ましい。 エステル化反応の温度としては、反応溶媒の沸点近傍温度とすることが好ましい。 次に、単離工程にて、飽和食塩水で洗浄し、乾燥剤で乾燥後、反応溶媒を留去するなどしてアセチレンカルボン酸エステルを単離する。単離されたアセチレンカルボン酸エステルはエステル交換反応などによりアセチレンカルボン酸やその他の化合物としてもよい。なお、アセチレンカルボン酸エステルのエステル交換反応は収率の高い反応である。 以上説明したアセチレンカルボン酸化合物の製造方法では、電解酸化により生成したアセチレンカルボン酸を抽出後にエステル化してアセチレンカルボン酸エステルを得る。このアセチレンカルボン酸エステルは安定性が高く、また、溶媒と共沸しにくいので後処理が容易であり、溶媒から容易に分離できる。よって、アセチレンカルボン酸エステルを高収率で得ることができる。また、アセチレンカルボン酸エステルのエステル交換反応等を行うことで、アセチレンカルボン酸や、アセチレンカルボン酸エステル以外のアセチレンカルボン酸の誘導体を高収率で得ることができる。 したがって、アセチレンアルコールから、アセチレンカルボン酸またはその誘導体であるアセチレンカルボン酸化合物を高収率で得ることができる。 なお、本発明は上述した例に限定されない。例えば、電極として過酸化鉛電極を用いたが他の電極であってもよい。ただし、過酸化鉛電極は水素の発生を抑制できる上に、腐食しにくいので耐久性に優れ、また、硫酸水溶液が汚染されない。しかも、消耗が少ないので、長期にわたって使用できる。 また、酸性水溶液として硫酸水溶液以外のものを使用しても構わない。(実施例1) まず、電解酸化工程にて、陽極および陰極が過酸化鉛電極である隔膜付ビーカー型電解セルを15質量%硫酸水溶液100mlで満たし、陽極室にプロパギルアルコール2.2g(40ミリモル)を添加した。次いで、温度を5〜7℃の範囲に保ちながら、電極間電圧5〜20V、電流0.1A、電流密度10A/dm3の条件下、6F/モル通電して陽極酸化反応を行ってプロピオール酸を生成させた。なお、陽極酸化の途中で陰極室に硫酸水溶液10mlを2度追加した。 電解酸化終了後、抽出工程にて、硫酸水溶液中のプロピオール酸を酢酸ブチル150mlで3回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水50mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、有機相中の酢酸ブチルの一部をエバポレータで留去してプロピオール酸を濃縮した。 次いで、エステル化工程にて、濃縮したプロピオール酸をアセトニトリル60ml中に溶解し、攪拌しながら炭酸カリウム14g(0.1モル)を添加した。さらに、ヨウ化メチル(MeI)12ml(0.2モル)を添加した後、82℃で9時間加熱還流してプロピオール酸をエステル化した。 エステル化工程にて得られた反応液を室温まで冷却した後、水60mlを加え、ジエチルエーテル100mlで3回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水50mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、有機相中のジエチルエーテルを留去してプロピオール酸メチルを単離した。生成物がプロピオール酸メチルであることは、1H−NMR、13C−NMR、マススペクトル、赤外線吸収スペクトルにより確認した。収率を表1に示す。(実施例2) ヨウ化メチルの代わりにヨウ化エチル(EtI)16ml(0.2モル)を添加したこと以外は実施例1と同様にしてプロピオール酸エチルを得た。生成物がプロピオール酸エチルであることは、1H−NMR、13C−NMR、マススペクトル、赤外線吸収スペクトルにより確認した。収率を表1に示す。(実施例3) 電解酸化工程および抽出工程は実施例1と同様にし、その後、エステル化工程にて、濃縮されたプロピオール酸をアセトン60ml中に溶解し、攪拌しながら炭酸水素カリウム21g(0.2モル)を添加した。さらに、臭化ベンジル(BeBr)10g(60ミリモル)を添加した後、56℃で6.5時間加熱還流してプロピオール酸をエステル化した。 エステル化工程にて得られた反応液を室温まで冷却した後、水60mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水50mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、有機相中の酢酸エチルを留去し、カラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO2、移動相;酢酸エチル:ヘキサン=1:30)で精製してプロピオール酸ベンジルを単離した。生成物がプロピオール酸ベンジルであることは、1H−NMR、13C−NMR、マススペクトル、赤外線吸収スペクトルにより確認した。収率を表1に示す。(実施例4) 電解酸化工程および抽出工程は実施例1と同様にし、その後、エステル化工程にて、濃縮されたプロピオール酸をアセトニトリル60ml中に溶解し、攪拌しながら炭酸カリウム2.7g(20ミリモル)を添加した。さらに、エピブロモヒドリン(EBH)2.1g(15ミリモル)を添加した後、82℃で6時間加熱還流してプロピオール酸をエステル化した。 エステル化工程にて得られた反応液を室温まで冷却した後、水60mlを加え、酢酸エチル30mlで3回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水50mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、有機相中の酢酸エチルを留去し、カラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO2、移動相;酢酸エチル:ヘキサン=1:30)で精製してプロピオール酸2,3−エポキシプロピルを単離した。生成物がプロピオール酸2,3−エポキシプロピルであることは、1H−NMR、13C−NMR、マススペクトル、赤外線吸収スペクトルにより確認した。収率を表1に示す。(実施例5) プロパギルアルコールの代わりに2−ブチン−1−オール(CH3−C≡C−CH2OH、R1−C≡C−CH2OHのR1がメチル基)2.1g(30ミリモル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして2−ブチン酸ベンジルを得た。生成物が2−ブチン酸ベンジルであることは、1H−NMR、13C−NMR、マススペクトル、赤外線吸収スペクトルにより確認した。収率を表2に示す。(実施例6) プロパギルアルコールの代わりに2−ペンチン−1−オール(CH3CH2−C≡C−CH2OH、R1−C≡C−CH2OHのR1がエチル基)2.1g(25ミリモル)を用いたこと以外は実施例2と同様にして2−ペンチン酸ベンジルを得た。生成物が2−ペンチン酸ベンジルであることは、1H−NMR、13C−NMR、マススペクトル、赤外線吸収スペクトルにより確認した。収率を表2に示す。 実施例1〜6では、電解酸化により生成したアセチレンカルボン酸をエステル化しており、そのアセチレンカルボン酸エステルは溶媒から容易に分離できた。したがって、アセチレンアルコールからアセチレンカルボン酸エステルを高収率で得ることができた。 酸性水溶液中でアセチレンアルコールを電解酸化してアセチレンカルボン酸を生成させる電解酸化工程と、 酸性水溶液中からアセチレンカルボン酸を抽出する抽出工程と、 抽出工程にて抽出したアセチレンカルボン酸をエステル化するエステル化工程とを有することを特徴とするアセチレンカルボン酸化合物の製造方法。 エステル化工程では、塩基を含んだ反応溶媒中で有機ハライド化合物をアセチレンカルボン酸に反応させることを特徴とする請求項1に記載のアセチレンカルボン酸化合物の製造方法。 【課題】 アセチレンアルコールからアセチレンカルボン酸またはその誘導体であるアセチレンカルボン酸化合物を高収率で得ることができるアセチレンカルボン酸化合物の製造方法を提供する。【解決手段】 本発明のアセチレンカルボン酸化合物の製造方法は、酸性水溶液中でアセチレンアルコールを電解酸化してアセチレンカルボン酸を生成させる電解酸化工程と、酸性水溶液中からアセチレンカルボン酸を抽出する抽出工程と、抽出工程にて抽出したアセチレンカルボン酸をエステル化するエステル化工程とを有する。【選択図】 なし


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