タイトル: | 公開特許公報(A)_ピロメリット酸の製造方法 |
出願番号: | 2004052370 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C07C51/265,C07C63/313,C07B61/00 |
山内 孝介 岩井 圭介 岸田 徹 米谷 徹 橋本 圭司 杉 義弘 窪田 好浩 JP 2005239643 公開特許公報(A) 20050908 2004052370 20040226 ピロメリット酸の製造方法 株式会社日生化学工業所 591100297 岐阜大学長 391012257 財団法人岐阜県研究開発財団 597112472 池浦 敏明 100074505 山内 孝介 岩井 圭介 岸田 徹 米谷 徹 橋本 圭司 杉 義弘 窪田 好浩 7C07C51/265C07C63/313C07B61/00 JPC07C51/265C07C63/313C07B61/00 300 9 OL 14 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC46 4H006BA02 4H006BA05 4H006BA06 4H006BA07 4H006BA08 4H006BA10 4H006BA12 4H006BA13 4H006BA14 4H006BA16 4H006BA19 4H006BA20 4H006BA21 4H006BA23 4H006BA24 4H006BA25 4H006BA26 4H006BA30 4H006BA32 4H006BA34 4H006BA35 4H006BA37 4H006BB17 4H006BB31 4H006BE30 4H006BJ50 4H006BS30 4H039CA65 4H039CC30 4H039CC90 本発明は、芳香族アルキルベンゼン誘導体を酸素酸化することによるピロメリット酸の製造方法に関する。 ピロメリット酸は1,2,4,5−位にカルボキシル基を有するベンゼンテトラカルボン酸であり、各種縮合性高分子の基本要素として工業的に重要な化合物である。 従来のピロメリット酸製造方法の主なものとしては、(1)テトラアルキルベンゼンの接触気相酸化法による特許文献1、特許文献2等に開示されたものがあり、また(2)テトラアルキルベンゼンの液相酸化法による特許文献3に開示されたものがあり、(3)トリメチルベンズアルデヒドの液相酸化法による特許文献4、特許文献5、特許文献6等に開示されたもの等がある。(4)また、プソイドクメンを濃塩酸とホルムアルデヒドを用いてクロロメチル化し、アルカリ塩溶液で処理し、5−メチロ−ルプソイドクメンを合成し、ついで硝酸酸化による特許文献7に開示された方法がある。これらの方法によれば、ピロメリット酸を工業的に製造することはできる。 しかしながら、上記方法は、原料の入手が困難であり、反応中用いる触媒が危険であるなど、ピロメリット酸を工業的に高収率で、安全に製造するという点で未だ不十分なものであった。 例えば、上記(1)の方法では、原料として用いるデュレンは、石油中に微量含まれるものであり、また、製造方法が確立されていない問題があり、かつ、気相で反応を行うために、原料の完全酸化が不可避であり、選択率が低く、収率が低いという問題を有する。 上記(2)の方法は、上記(1)の方法を液相で行うものであるが、触媒活性が低く、収率が低い欠点を有し、また、活性を向上させるために酸素加圧下に行うことが不可欠であるという問題を有する。 上記(3)や(4)の方法は、原料であるプソイドクメンの入手が困難であり、また、毒性が高く、取扱いが困難なHF−BF3や硝酸を触媒や反応資材として用いなければならず、廃液中に存在するホウ素化合物の処理が困難であるという問題を有するとともに硝酸のように強い酸化剤を高温で使用しなければならない等工業的に多くの課題を有している。特公平04−15020号公報特開平08−41067号公報特開昭61−27942号公報特開昭57−38745号公報特開平08−41067号公報特公平07−116097号公報特公昭54−14097号公報 本発明は、石油化学製品として安価に得られるトルエンやキシレン等から安全かつ高収率でピロメリット酸を工業的に製造することができる方法を提供することを目的とする。 本発明によれば以下に示すピロメリット酸の製造方法が提供される。〔1〕 1,2,4,5置換アルキルベンゼン誘導体を酸素酸化するピロメリット酸の製造方法において、置換基の1〜3個がハロメチル基であるアルキルベンゼン誘導体を用いることを特徴とするピロメリット酸の製造方法。〔2〕 重金属の化合物から構成される酸化触媒を用いて酸素酸化することを特徴とする前記〔1〕に記載のピロメリット酸の製造方法。〔3〕 前記重金属の化合物が遷移金属の化合物又は/及びランタノイド金属の化合物又は/及び周期律表のVB族に属する金属の化合物であることを特徴とする前記〔2〕に記載のピロメリット酸の製造方法。〔4〕 前記遷移金属の化合物が、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、鉄、ルテニウム、モリブデン、タングステン、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛の群から選ばれた少なくとも1種の化合物であり、ランタノイド金属の化合物がスカンジウム、ランタン、セリウムの群から選ばれた少なくとも1種の化合物であり、周期律表のVB族に属する金属の化合物がアンチモン、ビスマス、砒素の群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする前記〔3〕に記載のピロメリット酸の製造方法。〔5〕 前記酸化触媒が、アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物から構成される触媒を含むことを特徴とする前記〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。〔6〕 前記アルカリ金属の化合物が、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムの群から選ばれた少なくとも1種の化合物であり、アルカリ土類金属の化合物が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする前記〔5〕に記載のピロメリット酸の製造方法。〔7〕 共酸化剤を共存させることを特徴とする前記〔2〕〜〔6〕のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。〔8〕 有機溶媒の存在下で行うことを特徴とする前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。〔9〕 前記有機溶媒が、C2〜C6有機カルボン酸又は含水有機溶媒であることを特徴とする前記〔8〕に記載のピロメリット酸の製造方法。 本発明によれば、安全かつ高収率でピロメリット酸を工業的に製造することができる。 以下、本発明のピロメリット酸の製造方法について詳しく説明する。 本発明においては、安価で大量に入手できるキシレンなどのハロメチル化により容易に合成出来る1,2,4,5置換ベンゼン誘導体(アルキル基:x個、ハロメチル基:y個、x+y=4)のメチル基及びハロメチル基をカルボキシル基に酸化することにより、ピロメリット酸を製造する。かかる方法によれば、従来法のデュレンまたはプソイドクメン等を用いる方法に比べ、安価、高収率でピロメリット酸を製造することができる。しかも、毒性があり取扱いの難しいHF−BF3等の触媒を用いることなくピロメリット酸を製造することができる。 但し、ハロメチル基を有する1,2,4,5置換アルキルベンゼン誘導体のアルキル基はメチル基、エチル基、イソプロピル基であり、これらのアルキル基はハロゲン、ヒドロキシル基で置換されていてもよい。又、本発明のピロメリット酸には無水ピロメリット酸が含まれる。 また、上記ハロメチル化ベンゼン誘導体としては、1,5−ビス(クロロメチル)−2,4−ジメチルべンゼン、1,4−ビス(クロロメチル)−2,5−ジメチルベンゼン、1,2−ビス(クロロメチル)−4,5−ジメチルべンゼン、1,5−ビス(ブロモメチル)−2,4−ジメチルべンゼン、1,4−ビス(ブロモメチル)−2,5−ジメチルベンゼン、1,2−ビス(ブロモメチル)−4,5−ジメチルべンゼン、1,4−ビス(ブロモメチル)−2,5−ジエチルベンゼン、等の中から選択されるものを用いることが好ましい。かかるベンゼン置換体は、それぞれo−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、p−ジエチルベンゼンやトルエンをハロメチル化することにより、容易に製造することができる。但し、本発明はこれらのハロメチル化ベンゼン誘導体に限定されるものではない。例えば、トルエンやエチルベンゼンから得られるハロメチル化ベンゼンの誘導体も好ましく用いることができる。 本発明で用いるハロメチル基を有するアルキルベンゼン誘導体は、たとえば、トリフルオルスルホン酸の金属塩触媒の存在下でキシレン誘導体をクロロメチル化することによって容易に得ることができる。具体的には、スカンジウム、イッテルビウム、サマリウムなどのトリフラート塩触媒の存在下で、塩酸とホルムアルデヒド重合物を用いるクロロメチル化反応を水−有機2相系で行うことにより得ることができる。この製造方法については、特願2003−064024号に詳細に説明されている。但し、本発明はこの製造方法に限定されるものではない。 次に本発明において、アルキル基及びハロメチル基をカルボキシル基に酸化する際に好ましく用いられる酸化反応について説明する。 該酸化反応は、反応熱の発生を抑制でき効率よく反応させることができることから、液相で触媒を用い、溶媒の存在下で行うことが好ましい。 用いる触媒としては、重金属の化合物から構成される触媒を用いることが好ましい。該重金属の化合物から構成される触媒としては、遷移金属の化合物又は/及びランタノイド金属の化合物又は/及び周期律表のVB族に属する金属の化合物を含む触媒を使用することがより好ましい。遷移金属としては、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、鉄、ルテニウム、モリブデン、タングステン、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛の群から選ばれた少なくとも1種であることが更に好ましく、ランタノイド金属としてはスカンジウム、ランタン、セリウムの群から選ばれた少なくとも1種であり、周期律表のVB族に属する金属がアンチモン、ビスマス、砒素の群から選ばれた少なくとも1種であることが更に好ましい。これらの触媒は複数の金属の協奏効果により活性を増大させることが出来るので、高効率で酸化反応を行なわせることができる。 これらの重金属の化合物は、例えば、有機酸塩(酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等)、硝酸塩、硫酸塩、りん酸塩、酸化物、塩化物、臭化物、沃化物、水和物、炭酸塩等であっても良い。 本発明方法においては、遷移金属の化合物又はランタノイド金属の化合物から選ばれた少なくとも1種を触媒として使用することが好ましいが、複合触媒として用いた方がより反応活性に優れるので特に好ましい。ここで、遷移金属の化合物又は/及びランタノイド金属の化合物から選ばれる2種類以上の金属の複合触媒における、一の遷移金属に対するその他の遷移金属又は/及びランタノイド金属の重金属組成比(金属当りのモル比)は、好ましくは0.01〜1.0、より好ましくは0.05〜0.5、更に好ましくは0.02〜0.5である。該モル比が0.01未満の場合は、反応増大効果が小さく、1.0を超える場合は、反応速度の増大は期待できるが、副反応が増大し好ましくない。 また、原料(アルキルベンゼン誘導体)に対する遷移金属の金属当りのモル比は、好ましくは0.001〜1.0、より好ましくは0.01〜0.5である。該金属当りのモル比が0.01未満の場合は、反応増大効果が小さく、1.0を超える場合は、反応速度は速くなるが触媒コストがかかるようになるので好ましくない。 これらの遷移金属、ランタノイド金属、又は周期律表のVB族に属する金属の化合物は、例えば、有機酸塩(酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等)、硝酸塩、硫酸塩、りん酸塩、酸化物、塩化物、臭化物、沃化物、水和物、炭酸塩等であっても良い。 更に前記触媒に、活性を高めるために、別にアルカリ金属の化合物やアルカリ土類金属の化合物から構成される触媒を添加しても良い。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの群から選ばれた少なくとも1種あるいはそれ以上の金属種が好ましい。 アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物の原料(アルキルベンゼン誘導体)に対する金属当りのモル比は0.005〜0.5が適切であるが、より好ましくは0.1〜0.4である。該金属当りのモル比が0.005未満の場合は、選択率に与える効果が小さい。4.0を超える場合は、反応速度が低下する虞がある。 アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物は、例えば、有機酸塩(酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等)、硝酸塩、硫酸塩、りん酸塩、酸化物、塩化物、臭化物、沃化物、水和物、炭酸塩等であっても良い。 本発明で使用する触媒の使用量は、特に限定されるものではなく、触媒の種類によって大きく異なるが、通常原料に対し、0.01〜20重量%である。より好ましくは0.1〜10重量%である。触媒の使用量が0.01重量%未満の場合は、反応速度の改善効果が小さく、20重量%を超える場合は、反応速度は速くなるが触媒コストがかかるようになるので好ましくない。 本発明における酸化反応は、有機溶媒の存在下で行われることが好ましい。用いることの出来る溶媒としては、C2〜C6のカルボン酸が挙げられる。これらの内、好ましいものは、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の比較的炭素数の少ないカルボン酸である。原料(アルキルベンゼン誘導体)/溶媒は、重量比で好ましくは1〜100、より好ましくは5〜80である。該重量比が1未満の場合は、副生成物の生成が著しく、100を超える場合は、コスト面から好ましくない。 また、本発明における酸化反応は含水有機溶媒の存在下で行われることも好ましい。使用する溶媒の水含有量は5〜80重量%が好ましく、より好ましくは10〜60%である。水分濃度が高いと反応速度が遅く、反応圧力が高くなりすぎる。また、水分濃度が低いと反応生成物と触媒の分離が煩雑になる等の問題点が出てくる。 本発明においては、過酸化物を容易に生成する共酸化剤を共存させることが好ましい。これらの添加物としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。これらの化合物の添加量としては、原料に対して、モル比で0.01〜2.0、より好ましくは0.1〜1.0の範囲内から選定される。該モル比が0.01未満の場合は、促進効果が小さく、5.0を超える場合は、コスト面から好ましくない。 本発明は、反応速度を改善するために、酸素加圧下で行うことが好ましい。酸素圧としては1〜200気圧が好ましく、より好ましくは20〜100気圧である。酸素圧が1気圧未満の場合は、反応速度を改善する効果が期待できない。酸素圧が200気圧を超える場合は、安全性の確保が課題であり、反応速度の制御が困難になる虞がある。 反応温度は、使用するハロメチル基が置換された芳香族アルキルベンゼン誘導体の種類、溶媒の種類や触媒の種類、量により異なるが、通常高温下で行う必要がある。具体的には、反応温度は100〜350℃、より好ましくは、180〜280℃である。 以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明する。但し、本発明は実施例および比較例に限定されるものではない。〔実施例1〕 120ml撹拌式オートクレーブに100mlのガラス製内筒を入れ、ガラス製内筒に1,4−ビス(クロロメチル)−2,5−ジメチルベンゼン894mg(4.40mmol)、臭化コバルト(II)273mg(1.25mmol)、臭化マンガン(II)27mg(0.13mmol)、酢酸40mlを加え、220℃、酸素加圧下(1.0〜1.5MPa)でかきまぜながら20時間反応させた。反応後は室温まで冷却し、常圧に戻したあと、反応液中の不溶物をろ別し、HPLCで分析した。 実施例1の結果を表1に示す。ピロメリット酸の収率は73%であった。 〔実施例2〕 反応時間を24時間、酢酸の使用量を32mlに変更したほかは、実施例1と同様に反応させた。ピロメリット酸の収率は79%であった。 実施例2の結果を表1に示す。 〔実施例3〕臭化コバルト(II)の使用量を420mg(1.92mmol)、臭化マンガン(II)の使用量を42mg(0.20mmol)に変更したほかは、実施例1と同様に反応させた。ピロメリット酸の収率は76%であった。 実施例3の結果を表1に示す。〔実施例4〕 120ml撹拌式オートクレーブに100mlのガラス製内筒を入れ、ガラス製内筒に1,3−ビス(クロロメチル)−4,6−ジメチルベンゼン894mg(4.40mmol)、臭化コバルト(II)273mg(1.25mmol)、臭化マンガン(II)27mg(0.13mmol)、酢酸40mlを加え、220℃、酸素加圧下(1.0〜1.5MPa)でかきまぜながら20時間反応させた。反応後は室温まで冷却し、常圧に戻したあと、反応液中の不溶物をろ別し、HPLCで分析した。 実施例4の結果を表2に示す。ピロメリット酸の収率は70%であった。〔実施例5〕 実施例1において反応時間を24時間、酢酸の使用量を32mlに変更したほかは、実施例1と同様に反応させた。 実施例5の結果を表2に示す。ピロメリット酸の収率は76%であった。〔実施例6〕臭化コバルト(II)の使用量を420mg(1.92mmol)、臭化マンガン(II)の使用量を42mg(0.20mmol)に変更したほかは、実施例1と同様にして行った。 実施例6の結果を表2に示す。ピロメリット酸の収率は74%であった。〔実施例7〕 120ml撹拌式オートクレーブに100mlのガラス製内筒を入れ、ガラス製内筒に1,5−ビス(ブロモメチル)−2,4−ジメチルベンゼン1.285g(4.40mmol)、臭化コバルト(II)273mg(1.25mmol)、塩化バナジウム(III)32mg(0.20mmol)、酢酸40mlを加え、220℃、酸素加圧下(1.0〜1.5MPa)でかきまぜながら20時間反応した。反応後は室温まで冷却し、常圧に戻したあと、反応液中の不溶物をろ別し、HPLCで分析した。ピロメリット酸の収率は73%であった。実施例7の結果を表3に示す。〔実施例8〕 実施例7の塩化バナジウムを塩化タングステン(IV)41mg(0.13mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は65%であった。実施例8の結果を表3に示す。〔実施例9〕 実施例7の塩化バナジウムを酢酸パラジウム(II)22mg(0.10mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は62%であった。実施例9の結果を表3に示す。〔実施例10〕 実施例7の塩化バナジウムをオキシ塩化ジルコニウム(II)・8水和物92mg(0.29mmol)と塩化鉄(III)5mg(0.03mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は72%であった。実施例10の結果を表3に示す。〔実施例11〕 実施例7の触媒を酢酸マンガン(II)・4水和物387mg(1.58mmol)と酢酸パラジウム(II)133mg(0.59mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は67%であった。実施例11の結果を表3に示す。〔実施例12〕 実施例7の触媒を塩化タングステン(IV)478mg(1.47mmol)と酸化チタン(IV)454mg(0.59mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は58%であった。実施例12の結果を表3に示す。〔実施例13〕 実施例7の触媒を酢酸マンガン(II)・4水和物387mg(1.58mmol)と塩化バナジウム(III)83mg(0.59mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は67%であった。実施例13の結果を表3に示す。〔実施例14〕 実施例7の触媒を酢酸マンガン(II)・4水和物387mg(1.58mmol)と酢酸パラジウム(II)133mg(0.59mmol)に変更し、酢酸40ml溶媒に水2mlを追加、反応時間を30hにしたほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は69%であった。実施例14の結果を表3に示す。〔実施例15〕 実施例7の触媒を塩化コバルト(II)205mg(1.58mmol)とオキシ塩化ジルコニウム(II)・8水和物92mg(0.29mmol)と水酸化マグネシウム(II)2mg(0.03mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は73%であった。実施例15の結果を表3に示す。〔実施例16〕 実施例7の触媒を臭化コバルト(II)273mgと塩化モリブデン(III)27mg(0.13mmol)と塩化ニオブ(V)8mg(0.03mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は74%であった。実施例16の結果を表4に示す。〔実施例17〕 実施例7の触媒を臭化コバルト(II)273mgと塩化銅(II)17mg(0.13mmol)、塩化スカンジウム(III)8mg(0.03mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は69%であった。実施例17の結果を表4に示す。 〔実施例18〕 実施例7の触媒を塩化コバルト(II)205mg(1.58mmol)とオキシ塩化ジルコニウム(II)・8水和物92mg(0.29mmol)と水酸化カルシウム(II)2mg(0.03mmol)に変更し、アセトン255mg(4.40mmol)を追加したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は73%であった。実施例18の結果を表4に示す。〔実施例19〕 実施例7において臭化コバルトと塩化バナジウムを臭化コバルト317mg(1.45mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は63%であった。実施例19の結果を表4に示す。〔実施例20〕 実施例7において臭化コバルトと塩化バナジウムを酢酸マンガン・4水和物498mg(2.03mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は56%であった。実施例20の結果を表4に示す。 〔実施例21〕 実施例7の触媒を塩化コバルト(II)205mg(1.58mmol)とオキシ塩化ジルコニウム(II)・8水和物92mg(0.29mmol)と臭化リチウム3mg(0.03mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は72%であった。実施例21の結果を表4に示す。〔実施例22〕 実施例7の触媒を塩化コバルト(II)205mg(1.58mmol)とオキシ塩化ジルコニウム(II)・8水和物92mg(0.29mmol)と臭化ナトリウム3mg(0.03mmol)に変更したほかは、実施例7と同様にして行った。ピロメリット酸の収率は74%であった。実施例21の結果を表4に示す。[比較例1] 1,4−ビス(クロロメチル)−2,5−ジメチルベンゼンの代わりにデュレン(1,2,4,5−トリメチルベンゼン)591mg(4.0mmol)を使用した以外は実施例11と同様の操作により酸化反応を行った。反応液中の不溶物をろ別し、HPLCで分析した。生成物組成は、原料98%、ピロメリット酸0.2%であった。[比較例2] 1,4−ビス(クロロメチル)−2,5−ジメチルベンゼンの代わりに2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド652mg(4.40mmol)を使用した以外は実施例11と同様の操作により酸化反応を行った。反応液中の不溶物をろ別し、HPLCで分析した。生成物組成は、原料78%、ピロメリット酸12%であった。 本発明によって製造されるピロメリット酸は、耐熱性ポリイミドの前駆体としての利用が期待される。 1,2,4,5置換アルキルベンゼン誘導体を酸素酸化するピロメリット酸の製造方法において、置換基の1〜3個がハロメチル基であるアルキルベンゼン誘導体を用いることを特徴とするピロメリット酸の製造方法。 重金属の化合物から構成される酸化触媒を用いて酸素酸化することを特徴とする請求項1に記載のピロメリット酸の製造方法。 前記重金属の化合物が遷移金属の化合物又は/及びランタノイド金属の化合物又は/及び周期律表のVB族に属する金属の化合物であることを特徴とする請求項2に記載のピロメリット酸の製造方法。 前記遷移金属の化合物が、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、鉄、ルテニウム、モリブデン、タングステン、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅,亜鉛の群から選ばれた少なくとも1種の化合物であり、ランタノイド金属の化合物がスカンジウム、ランタン、セリウムの群から選ばれた少なくとも1種の化合物であり、周期律表のVB族に属する金属の化合物がアンチモン、ビスマス、砒素の群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項3に記載のピロメリット酸の製造方法。 前記酸化触媒が、アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物から構成される触媒を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。 前記アルカリ金属の化合物が、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムの群から選ばれた少なくとも1種の化合物であり、アルカリ土類金属の化合物が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項5に記載のピロメリット酸の製造方法。 共酸化剤を共存させることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。 有機溶媒の存在下で行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。 前記有機溶媒が、C2〜C6有機カルボン酸又は含水有機溶媒であることを特徴とする請求項8に記載のピロメリット酸の製造方法。 【課題】石油化学製品として安価に得られるトルエンやキシレン等から安全かつ高収率でピロメリット酸を工業的に製造することができる方法を提供する。【解決手段】1,2,4,5置換アルキルベンゼン誘導体を酸素酸化するピロメリット酸の製造方法において、置換基の1〜3個がハロメチル基であるアルキルベンゼン誘導体を、重金属の化合物から構成される酸化触媒を用い、有機溶媒存在下に酸素酸化する。【選択図】なし