生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ポリビニルアルコールの検出方法
出願番号:2004050047
年次:2005
IPC分類:7,G01N31/00,G01N31/22,G01N33/34


特許情報キャッシュ

竹政 千代美 JP 2005241368 公開特許公報(A) 20050908 2004050047 20040225 ポリビニルアルコールの検出方法 富士写真フイルム株式会社 000005201 中島 淳 100079049 加藤 和詳 100084995 西元 勝一 100085279 福田 浩志 100099025 竹政 千代美 7G01N31/00G01N31/22G01N33/34 JPG01N31/00 VG01N31/22 122G01N33/34 5 OL 8 2G042 2G042AA01 2G042BD04 2G042BD18 2G042BD20 2G042CA10 2G042CB06 2G042DA10 2G042FA20 2G042FB02 2G042HA07 本発明は、ポリビニルアルコールを含有する材料中のポリビニルアルコールを検出する方法に関し、特に、セルロースや澱粉等の水酸基を有する化合物をも含む材料であっても選択的にポリビニルアルコールを検出できる方法に関する。 従来より、紙を情報用紙ベースとして使用する場合、塗工液の原紙内への浸透を防ぐ目的で、原紙表面にポリビニルアルコール(PVA)を塗布する、いわゆるサイズ処理を施している。この原紙表面のサイズ処理状態は、塗工品、加工品の品質に大きく影響するため、サイズ処理状態(ポリビニルアルコールの浸透状態等)を適性に評価することは重要である。また、ポリビニルアルコールは、接着剤、顔料のバインダー、繊維加工剤、フォトレジスト、化粧品、医薬品等種々の分野において使用されており、その使用状態を評価することも重要である。 このうち、サイズ処理状態を評価する方法としては、従来よりヨウ素染色法が使用されているが、原紙には澱粉粒子も存在するため、このヨウ素染色法によってサイズ処理状態を適性に評価することは困難である。また、物質の分布状況を評価する手段として、例えば、飛行時間型二次イオン質量分布装置(TOF−SIMS)法が挙げられるが、特徴的な元素がないポリビニルアルコール(C,H,Oのみ)においては特徴的なシグナル強度が弱いため、TOF−SIMS法によるサイズ処理状態の評価も困難である。 さらに、公報(特許文献1参照)には、材料表面に存在する各種官能基を検出する方法として、材料に含まれない元素を含む化合物を材料表面の官能基と反応させ、前記材料に含まれない元素をX線光電子分光法(ESCA)、二次イオン質量分析法(SIMS)、オージェ電子分光法(AES)、X線マイクロアナリシス法(XMA)等により分析する方法が記載され、その一例として、水酸基を有する化合物としてポリビニルアルコールを用い、これにトリフルオロ無水酢酸を反応させ、X線光電子分光法(ESCA)により分析を行っている方法が示されている。 しかし、前記公報の官能基検出方法は、検出すべき材料が、水酸基、カルボニル基、アミノ基等の特定の官能基を有しているかどうかを検出する方法であり、同じ官能基を有する二種以上の物質(化合物)が混在する材料から、特定の物質を検出する方法ではない。即ち、同じ官能基を有する二種以上の物質が混在する材料において同じ官能基を有する物質中の特定の物質を検出したい場合に、前記公報に記載の官能基検出方法を用いて分析を行ったとしても、その特定の物質を検出することはできない。例えば、前記のようなポリビニルアルコールを含むサイズ剤によりサイズ処理を行った紙(セルロース等含有)のサイズ処理状態の評価を行うために前記公報に記載の検出方法を用いたとしても、セルロース等とポリビニルアルコールとが区別されずに検出される。 そこで、本出願人は、ポリビニルアルコールの水酸基をトリフルオロ無水酢酸を用いてエステル化し、選択的にフッ素原子を導入しこれを検出する方法を見出した(特許文献2参照)。 この方法は、セルロース等を含む材料であっても、ポリビニルアルコールを選択的に検出できる点で優れたものであるが、さらに、選択性の良い方法が求められていた。特開平10−132802号公報特開2003−4729号公報 本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ポリビニルアルコールに選択的にハロゲン原子を導入することにより、より正確にポリビニルアルコールを検出することができるポリビニルアルコール検出方法を提供することを目的とする。 斯かる実情に鑑み、本発明者は鋭意研究を行った結果、ポリビニルアルコールを含有する材料にハロゲン原子含有芳香族アルデヒドを反応させ、アセタール化し、得られたアセタール中のハロゲン原子又はハロゲン原子含有部位を検出すれば、正確にポリビニルアルコールを検出することができることを見出し、本発明を完成した。 即ち、本発明は、次の方法を提供するものである。 <1> ポリビニルアルコールを含有する材料にハロゲン原子含有芳香族アルデヒドを反応させ、アセタール化し、得られたアセタール中のハロゲン原子又はハロゲン原子含有部位を検出することを特徴とするポリビニルアルコールの検出方法。 <2> ハロゲン原子含有芳香族アルデヒドのハロゲン原子がフッ素原子である<1>記載の検出方法。 <3> ポリビニルアルコールを含有する材料が、更に、該ポリビニルアルコールよりハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化反応の速度が遅い水酸基を有する1または2種以上の化合物を含有するものである<1>又は<2>記載の検出方法。 <4> ポリビニルアルコールよりハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化反応の速度が遅い水酸基を有する化合物が、グルコース、澱粉及びセルロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上である<3>記載の検出方法。 <5> <1>〜<4>の何れか1項記載のポリビニルアルコール検出方法により、ポリビニルアルコールを含有するサイズ剤によりサイズ処理された紙のサイズ処理状態を検出することを特徴とするサイズ処理検査方法。 セルロース、澱粉等の水酸基を有する化合物を含有する材料であっても、選択的にポリビニルアルコールを検出することができる。 本発明のポリビニルアルコール検出方法は、ポリビニルアルコールを含有する材料にハロゲン原子含有芳香族アルデヒドを反応させ、アセタール化し、得られたアセタール中のハロゲン原子又はハロゲン原子含有部位を検出することを特徴とする。 ここで、本発明のポリビニルアルコール検出方法におけるポリビニルアルコールの検出とは、ポリビニルアルコールの分布状態(浸透状態)を評価するために必要な検出やポリビニルアルコール含有量を調査するための検出等をいう。ポリビニルアルコールへのハロゲン原子の導入は、下記に示す反応により行われる。 上記ポリビニルアルコールのアセタール化反応の反応速度は、水酸基を有する他の化合物(例えば、セルロース、澱粉等)に比して大きく、ポリビニルアルコール中に短時間でハロゲン原子が導入され、ポリビニルアルコールに選択的にハロゲン原子を導入することが可能となる。 この検出対象となる材料は、特に限定されないが、本発明の効果を実効あらしめるため、ポリビニルアルコールと、該ポリビニルアルコールよりハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化反応の速度が小さい化合物とを含有する材料が好ましい。このような材料としては、例えば、サイズ処理の施された紙、接着剤(紙用、木材用)、顔料バインダー、繊維加工材(スパン用サイジング、フィラメント用サイジング、後加工)、その他フォトレジスト、化粧、医薬品等を挙げることができる。 本発明で用いる含フッ素芳香族アルデヒドは、一つ以上のハロゲン原子を含む官能基で置換されている芳香族アルデヒドであればよく、公知の化合物を用いることができ、揮発性及びアセタール化反応検出の点から、二つ以上のハロゲン原子で置換された芳香族アルデヒドが好ましい。また、ここでハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。 以下に本発明で用いる含フッ素芳香族アルデヒドの具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。 2−フルオロベンズアルデヒド、3−フルオロベンズアルデヒド、4−フルオロベンズアルデヒド、 2,3−ジフルオロベンズアルデヒド、2,4−ジフルオロベンズアルデヒド、 2,5−ジフルオロベンズアルデヒド、 2,6−ジフルオロベンズアルデヒド、3,4−ジフルオロベンズアルデヒド、3,5−ジフルオロベンズアルデヒド、2,3,4―トリフルオロベンズアルデヒド、2,3,5−トリフルオロベンズアルデヒド、2,3,6−トリフルオロベンズアルデヒド、2,4,5−トリフルオロベンズアルデヒド、2,4,6−トリフルオロベンズアルデヒド、3,4,5−トリフルオロベンズアルデヒド、ベンタフルオロベンズアルデヒド、2−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、 3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアリレデヒド、3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2,3−ジフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2−(トリフルオロメトキン)ベンズアルデヒド、3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド、4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド、2−(トリフルオロメチルチオ)ベンズアルデヒド、 3−(トリフルオロメチルチオ)ベンズアルデヒド、4−(トリフルオロメチルチオ)ベンズアルデヒド、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)ベンズアルデヒド 本発明におけるアセタール化反応は、気相又は液相で行うことができるが、材料中の素材の拡散、膨潤を抑制する点から気相で行うことが好ましい。本発明に用いるハロゲン元素含有芳香族アルデヒドの揮発性が低い場合には、アセタール化反応を減圧下や高温で行うことで気相での反応を促進させることができる。このときの減圧度としては、大気圧より低い圧力であればよく、例えば0.01〜0.9気圧で行うことができる。温度は0〜200℃の範囲で行うことができ、材料中の素材の拡散を抑制する点から、5〜100℃で行うことが好ましい。 ここで、アセタール化反応の反応時間(25℃)は、1分〜24時間程度でよい。 反応後、物理吸着したハロゲン元素含有芳香族アルデヒド(未反応ハロゲン元素含有芳香族アルデヒド)を除去する。これは、ドラフト内にて2〜24時間放置する方法等により行うことができる。その際、ハロゲン元素含有芳香族アルデヒドの揮発性が低く、物理吸着したハロゲン元素含有芳香族アルデヒドの除去ができない場合には、アセタール化反応の場合と同様に減圧下や高温下で行うことができる。 また、ハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化反応の速度が小さい水酸基を有する化合物としては、前記ポリビニルアルコールのアセタール化反応率が、50%以上であるとき、ポリビニルアルコールより反応速度の遅い水酸基を有する化合物のアセタール化反応率が25%以下、好ましくは15%以下である化合物が好適であり、例えば、グルコース、澱粉及びセルロース等が挙げられる。これらの化合物は、ハロゲン原子の導入速度(アセタール化反応の速度)が非常に小さいため、ポリビニルアルコールの検出に際して障害となりにくい。また、これらは、紙に含有されており、本発明は、ポリビニルアルコールを含有するサイズ剤によりサイズ処理された紙のサイズ処理評価に特に有用である。更に、ポリビニルアルコールを含有する繊維のポリビニルアルコールの分布状態を検出するのにも有用である。 本発明のポリビニルアルコール検出方法においては、上記のようにハロゲン原子が導入されたポリビニルアルコール中のハロゲン原子又はハロゲン原子を含む部位を検出することによりポリビニルアルコールを選択的に検出することができる。具体的には、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて検出する場合には、ハロゲン原子を検出してポリビニルアルコールの検出を行う。その他の検出方法としては、例えば、X線光電子分光法(ESCA)、X線マイクロアナリシス(XMA)、オージェ電子分光法(AES)、エネルギー分散形X線分析法(EDX)等が挙げられる。 もし、アセタール化で導入するハロゲン元素と同じ元素を含む化合物が存在し、ポリビニルアルコールの検出が明確にならない場合は、導入したアセタール基のハロゲン含有ベンゼン環をTOF−SIMSによって検出することで、ポリビニルアルコールの検出が可能である。例えば、ハロゲン含有ベンズアルデヒドとして、ペンタフルオロベンズアルデヒドを用いた場合、C6F5−イオン(167amu)での検出が可能である。 特に好ましい分析手段は、検出した元素のイメージングが可能なものである。これは元素分析により得た情報を例えばCRTなどの出力装置上にマッピングして視覚化するものであり、例えばTOF−SIMSで得た元素の存在比率情報を処理してマッピングすることにより分布を視覚表示するといった種々のイメージング処理が考えられる。また、EDXを走査形電子顕微鏡(SEM)に組み込んで使用する手段(SEM−EDX)も有用である。 以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 ポリビニルアルコールを含むサイズ剤によりサイズ処理を行った紙(澱粉粒子を含む)のサイズ処理状態を評価した。[反応速度の検討] まず、ポリビニルアルコール及び紙(セルロース/澱粉)それぞれについてのハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化反応の反応時間に対するアセタール化反応を観た。まず、ポリエチレンテレフタレート上にポリビニルアルコール(97%鹸化)の5質量%水溶液をポリビニルアルコール固形分が0.5g/m2となるように塗布、乾燥したものに対し、ハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化処理(反応時間 2時間)を行い、ESCA法(X線光電子分光法)によって反応率を求めた。また、富士写真フイルム株式会社製の160μm厚原紙(セルロース/澱粉)に対しても、上記同様、ハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化処理(反応時間120分)を行い、ESCA法(X線光電子分光法)によって反応率を求めた。 なお、アセタール化処理は、25℃、1気圧の環境下、試料とハロゲン原子含有芳香族アルデヒド(ペンタフルオロベンズアルデヒド)1mlをガラス製秤量瓶(容積100ml)内に2時間並置し、その後、物理吸着したハロゲン原子含有芳香族アルデヒド(未反応ハロゲン原子含有芳香族アルデヒド)を除去するため、ドラフト内にて12時間放置した。 その結果を表1に示す。 表1に示すように、ポリビニルアルコールの水酸基はアセタール化反応が進み、フッ素元素が検出されているのに対し、原紙(セルロース/澱粉)は反応がほとんど起こらず、フッ素元素検出量に差が見られる。このような差は、反応時間が30分から5時間の間で同様な結果が得られた。 なお、ここで行っているフッ素の検出はX線光電子分光法(ESCA)を用い、フッ素の検出量(mol%)と炭素の検出量(mol%)の比で表している。 なお、本実施例におけるESCA法に用いた装置は以下の装置である。(ESCA)AXIS―HSi(クレイトス社製)X線:単色化されたAl―Kα線、 15kV、150W、Pass Energy :40eV、測定10分実施例1[TOF−SIMS法によるポリビニルアルコール分布観察] 富士写真フイルム社製の160μm厚原紙(澱粉を含むWP紙用)にポリビニルアルコール(鹸化度97%)の5質量%水溶液を表面/裏面にそれぞれポリビニルアルコールの固形分が0.7/0.5g/m2になるように塗布、乾燥して原紙を作成した。次に、ロータリー型ミクロトーム(LEICA社製ウルトラミクロトーム)により、断面試料を作成した。そのときの断面の平均厚さは170〜200μm程度であった。 なお、アセタール化処理は、25℃、1気圧の環境下、試料とハロゲン原子含有芳香族アルデヒド(ペンタフルオロベンズアルデヒド)1mlをガラス製秤量瓶(容積100ml)内に2時間並置し、その後、物理吸着したハロゲン原子含有芳香族アルデヒド(未反応ハロゲン原子含有芳香族アルデヒド)を除去するため、ドラフト内にて、12時間放置した。 上記断面試料の観察をTOF−SIMSにより行った。また、検出はフッ素原子で行った。その結果を図1に示す。図1のように、セルロース、および澱粉を含む紙においても、ポリビニルアルコールを選択的に検出することにによりポリビニルアルコールの分布が明らかになり、サイズ処理状態の評価を適正に行うことができた。なお、本実施例におけるTOF−SIMS法に用いた装置は以下の装置である。(TOF−SIMS)TRIFT II(Physical Electronics社製)1次イオン:15kV−Ga+、一次イオン電流値:600pA、中和銃による帯電補正あり、分析面積:300μmφ、測定時間:5分(ESCA)比較例1 実施例1においてペンタフルオロベンズアルデヒドによるアセタール化の代わりにトリフルオロ無水酢酸によるエステル化を用いた結果を図1に示す。エステル化反応は、室温(25℃)環境下、試料とトリフルオロ無水酢酸(関東化学社製)1mlをガラス製秤量瓶(容積100ml)内に5分間並置し、その後、物理吸着したトリフルオロ無水酢酸(未反応トリフルオロ無水酢酸)を除去するため、ドラフト内にて12時間放置して行った。また、検出はフッ素原子で行った。 原紙中のセルロースや澱粉の水酸基もエステル反応が起きるために、ポリビニルアルコールによるサイズ処理状態の評価が困難であった。実施例2、比較例2 材料にアセタール化で導入するハロゲン元素と同じ元素を含む化合物が存在し、ポリビニルアルコールの検出が明確にならない場合は、導入したアセタール基のハロゲン含有ベンゼン環をTOF−SIMSによって検出することで、ポリビニルアルコールの検出が可能である。そこで、ハロゲン含有ベンズアルデヒドとして、ペンタフルオロベンズアルデヒドを用い、C6F5−イオン(167amu)での検出を試みた。これ以外は実施例1と同様に行った。また、比較例2では、CF3COO−イオン(113amu)での検出を行う以外は比較例1と同様にして実験を行った。 結果を図2に示す。 図2から、本実施例でも、セルロース、および澱粉を含む紙においても、ポリビニルアルコールを選択的に検出することによりポリビニルアルコールの分布が明らかになり、サイズ処理状態の評価を適正に行うことができることが判る。一方、比較例ではサイズ処理状態の評価を適正に行うことが困難であった。 本発明によれば、セルロース、澱粉等の水酸基を有する化合物を含有する材料であっても、選択的にポリビニルアルコールを検出することができる。従って、紙、接着剤、顔料のバインダー、繊維加工剤、フォトレジスト、化粧品、医薬品等種々の分野においてポリビニルアルコールの使用状態を評価することができる。実施例1と比較例1のフッ素元素での検出を示す図である。C6F5−イオン(167amu)とCF3COO−イオン(113amu)での検出結果を示す図である。 ポリビニルアルコールを含有する材料にハロゲン原子含有芳香族アルデヒドを反応させ、アセタール化し、得られたアセタール中のハロゲン原子又はハロゲン原子含有部位を検出することを特徴とするポリビニルアルコールの検出方法。 ハロゲン原子含有芳香族アルデヒドのハロゲン原子がフッ素原子である請求項1記載の検出方法。 ポリビニルアルコールを含有する材料が、更に、該ポリビニルアルコールよりハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化反応の速度が遅い水酸基を有する1または2種以上の化合物を含有するものである請求項1又は2記載の検出方法。 ポリビニルアルコールよりハロゲン原子含有芳香族アルデヒドによるアセタール化反応の速度が遅い水酸基を有する化合物が、グルコース、澱粉及びセルロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項3記載の検出方法。 請求項1〜4の何れか1項記載のポリビニルアルコール検出方法により、ポリビニルアルコールを含有するサイズ剤によりサイズ処理された紙のサイズ処理状態を検出することを特徴とするサイズ処理検査方法。 【課題】 セルロース、澱粉等の水酸基を有する化合物を含有する材料であっても、選択的にポリビニルアルコールを検出することができる方法の提供。【解決手段】 ポリビニルアルコールを含有する材料にハロゲン原子含有芳香族アルデヒドを反応させ、アセタール化し、得られたアセタール中のハロゲン原子又はハロゲン原子含有部位を検出することを特徴とするポリビニルアルコールの検出方法。【選択図】 なし


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