タイトル: | 公開特許公報(A)_電気泳動法 |
出願番号: | 2004047306 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,G01N27/447,G01N37/00 |
田渕 眞理 馬場 嘉信 藤本 正之 JP 2005241255 公開特許公報(A) 20050908 2004047306 20040224 電気泳動法 田渕 眞理 504016721 馬場 嘉信 501341945 藤本 正之 504016732 田渕 眞理 馬場 嘉信 藤本 正之 7G01N27/447G01N37/00 JPG01N27/26 321ZG01N37/00 101G01N27/26 315K 7 OL 19 本発明は、高分子化合物の泳動に適し、迅速で高感度にかつ簡便に、さらに分離度の低下なしに解析することができ、遺伝子解析、プロテオーム解析、グライコーム解析などへの応用が可能な、電気泳動法および高分子化合物の解析方法に関する。さらに詳しくは、電気泳動において、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、糖鎖、多糖類、核酸(例えば、DNA、RNA)などの高分子化合物を、迅速で高感度に分離することができる、電気泳動法ならびに該高分子化合物の解析方法に関する。 ヒトゲノム解析に伴い、ゲノム解析の臨床への応用、発症のメカニズム解析、さらにはゲノムの機能解析の解明の重要性が増してきている。ゲノムの解析のみならず、トランスクリプトーム解析、プロテオーム解析、メタボローム解析、グライコーム解析等などにより、塩基配列情報に基づく転写産物の発現や、遺伝子産物(タンパク質)、生体内代謝物、糖鎖などの機能を解明し、それにより、疾患発症機構を解明されることにより、疾病メカ二ズムを総合的に解明するシステムテクノロジーズの分野も台頭してきた。このためには、これらの情報をより正確に、多サンプルに渡って解析する必要があり、いわゆるハイスループットな解析システムが期待されている。さらに、疾病初期における代謝物等による疾病マーカーと呼ばれるものは、極微量であると考えられる。ゲノムやプロテオーム解析技術としては、古典的な電気泳動法、キャピラリー電気泳動法がある。近年は、より高速は、マイクロチップ型電気泳動法が出現してきた。これは、手のひらサイズのマイクロチップにマイクロチャネル(溝)を堀り、その中で、高分子化合物の電気泳動を行うものである。マイクロチップ電気泳動装置としては、日立電子のSV1100、SV1200や、島津製作所のMCE−2010、アジレントテクノロジーの2100 Bioanalyzer等がある。前記従来法では、通常、クロスチャネルのマイクロチップを用い、そのクロスチャネルは、分離チャネルに対し直角もしくは交差したチャネルをもつ。分離を行うに当たってはまず導入チャネルに電圧をかけて被検試料をクロス部に移行させ、引き続いて、電圧をかけるチャネルを切り替えて、分離チャネルに電圧をかけて電気泳動を行う。この場合、通常、被検試料をクロス部に導入するための時間として60秒を要する。これに対し、PCT/JP01/04510の方法では、試料導入に電圧ではなく外力をかけることで、試料導入時間の短縮と高感度化を図った。しかしながら、その方法を導入するには、既存の装置に新たなオプションをつける必要があるという欠点を有している。そのため、より簡便な試料導入法が望まれている。さらに試料導入時間が、既存のスタンダードな方法より短いこと、高感度であることが望まれる。PCT/JP01/04510本発明は、試料導入時間を短時間で電場を切り替える操作を複数回行った後に泳動分離を行うことで、より短時間の試料導入時間で、高感度に被検物質の分離と分析が簡易に行える電気泳動法を提供することを目的とする。即ち、本発明の容姿は、〔1〕試料導入時間を60秒未満で電場を切り替えながら複数回行う試料導入手段の後に、電気泳動分離に供することを特徴とする電気泳動法。〔2〕試料導入手段が、試料導入時間として10秒間を電場を切り替えながら3回行う試料導入法からなることを特徴とする電気泳動法。〔3〕電気泳動の形態が、キャピラリー電気泳動法、マイクロチップ型電気泳動法およびナノチャネル型電気泳動法からなる群より選択されたものである上記〔1〕〜〔2〕に示す電気泳動法。〔4〕前記、電気泳動の形態がマイクロチップ型電気泳動であって、試料導入チャネルに電圧を短時間かけたあと、その十分の一以下の時間で、分離チャネルに分離電圧をかけたあと、このサイクルを複数回繰り返す試料導入手段の後に電気泳動分離に供することを特徴とする電気泳動法。〔5〕前記試料導入法が、試料導入チャネルに電圧を10秒間かけたあと、電場を分離チャネルに切り替えた後、1秒間分離チャネルに分離電圧をかけたあと、このサイクルを合計3回繰り返す試料導入手段からなることを特徴とする電気泳動法。〔6〕電気泳動の形態がナノチャネル型電気泳動であって、前記〔4〕〜〔5〕いずれか記載の電気泳動法。〔7〕前記マイクロチップ型電気泳動におけるマイクロチップが光ディスクまたはディスク状チップであることを特徴とする前記〔4〕〜〔6〕記載の電気泳動法。本発明によれば、通常法の半分の試料導入時間で、より高感度な高分子化合物の電気泳動の解析ができ、より簡便な電気泳動法が提供される。 本発明のタンパク質の電気泳動法は、試料導入時間を既存の方法より短い時間で、電場を試料導入チャネルと分離チャネルを交互に切り替えながら複数回繰り返したのち、電気泳動に供することを1つの大きな特徴とする。本発明の電気泳動法は、試料導入時間10秒を試料導入チャネルと分離チャネルを交互に電場を切り替えながら3回繰り返し行うことにより、試料導入時間を従来より短縮することができ、さらに導入量が加算され、ピーク強度が増加し高感度検出が可能となり、さらに操作が簡便であるという長所を有する。 本明細書においては、高分子化合物としては、核酸(例えばDNA、RNAであり、DNAは一本鎖であっても二本鎖であってもよい)、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、糖鎖、多糖類などが挙げられる。 本明細書において、タンパク質とは複数のアミノ酸がペプチド結合により連結された化合物をいい、天然由来物、合成物、および短鎖のペプチドを含むことを意味する。 本明細書において、「被検試料」とは、試料中に含まれる測定対象の物質、すなわち、高分子化合物を意味する。また単に「試料」と表記した場合、高分子化合物を含有した混合物などを意味する。 本発明の電気泳動法に適用される試料としは、高分子化合物を含有した試料が挙げられ、具体的には、核酸(例えば、DNAやRNAなど)、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、糖鎖、多糖類などを含有した試料が挙げられる。かかる試料は特に限定されないが、生物由来の試料が挙げられる。 本発明の電気泳動法が使用されうる好ましい形態としては、キャピラリー電気泳動、マイクロチップ型電気泳動、およびナノチャネル型電気泳動が挙げられる。キャピラリー電気泳動は、通常、内径が100μm以下のキャピラリー内に泳動用緩衝液を充填し、一端側に試料を導入した後、両端間に高電圧を印加して被検タンパク質をキャピラリー内で展開させるものである。キャピラリーとしては、フューヌドシリカキャピラリーが通常用いられ、その内壁がコーティングされていないもの、内壁がコーティングされているもの(50%フェニルメチルポリシロキサン、ポリエチレングリコール、ポリアミン等)が用いられる。また、コーティングなしのものにPEO(ポリエチレンオキサイド)等で処理したものも用いられる。試料をキャピラリーにインジェクトする工程は、より具体的には、電圧法、加圧法、落差法により行われるが、装置の種類や、キャピラリーの太さ(内径)や長さ等により、電圧や加える圧力の大きさおよびそれらに供する時間が適宜決められる。本発明の方法は試料導入時間を短時間で電場を切り替えながら複数回行ったのちに電気泳動分離に供する。より好ましくは、試料導入時間を10秒を電場を切り替えながら3回行ったのちに電気泳動に供することを特徴とする電気泳動法である。キャピラリー電気泳動に使用されるキャピラリーにおいて、内径、外径、全長、有効長は、特に限定されるものではなく、通常使用されるサイズのものが使用されうる。有効長に関して、高速での解析を可能にする観点から、短い有効長のキャピラリーを用いることができる。ここで、キャピラリーの有効長とは、試料注入口から検出部までの距離をいう。キャピラリー電気泳動における泳動電場は、良好な分離能を得、移動時間を短縮する観点から、好ましくは、20V/cm〜10kV/cmであり、より好ましくは、50V/cm〜5kV/cmであり、特に好ましくは100V/cm〜1kV/cmであることが望ましい。マイクロチップ型電気泳動においては、ローディングチャネルと、該ローディングチャネルに交差する分離用チャネルとを備え、かつ該ローディングチャネルの一端に試料リザーバーが配置され、該ローディングチャネルの他端にアウトレットが配置されたマイクロチップが用いられる。試料リザーバーに試料を供する工程は、より具体的には、ローディングチャネルの一端の試料リザーバーと他端のアウトレットに電圧をかけることにより達成される。電圧の強さ、時間は装置により異なるが、SV1100(日立電子社製)の場合、50〜800V、通常300Vの電圧が60秒間かけられる。これにより試料がローディングチャネルと分離用チャネルの交差部に供される。本発明の方法は、電気泳動の形態がマイクロチップ型電気泳動法の場合、試料導入時間を短時間をローディングチャネルと分離用チャネルを交互に電場を切り替えながら複数回行ったのちに電気泳動に供する、好ましくは、試料導入時間を10秒を電場をローディングチャネルと分離用チャネルを交互に切り替えながら3回行ったのちに電気泳動に供する。より好ましくは、ローディングチャネルに電圧を10秒間かけたあと、電場を切り替え、1秒間分離チャネルに分離電圧をかけたあと、このサイクル合計3回繰り返したのちに電気泳動に供する電気泳動法である。ローディングチャネルと分離用チャネルの交差部に供された試料を分離用チャネルに導入する工程は、より具体的には、ローディングチャネルの一端の試料リザーバーとその他端のアウトレットにスクイージング(戻し)電圧をかけ、余分な試料を試料リザーバーとその他端のアウトレット側に排出する工程および分離用チャネルのアウトレット側と、その反対側に分離電圧をかける工程が同時に達成される。電圧の強さは装置により適宜選択されるが、SV1100(日立電子社製)の場合、前者は130V前後、後者は700〜900Vで達成される。マイクロチップの材質としては、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ジメチルシロキサンなどが挙げられる。なかでも、試料の吸着が少なく、チップ加工が容易である観点から、ガラス、またはポリメチルメタクリレートが望ましい。また、キャピラリーと同様に内壁を加工処理したものも用いられる。マイクロチップ型電気泳動においては、マイクロチップの大きさは、例えば、縦10〜120ミリメートル、横10〜120ミリメートル、厚さ500〜5000マイクロメートルである。このマイクロチップの形状は正方形、長方形に限らず、円盤状でも可能であり、特に限定されるものではない。円盤状のサイズは、たとえば直径2センチメートルから直径20センチメートルで、厚さ500マイクロメートルから3000マイクロメートルである。円盤状のものには、ディスク状光記録媒体処理したもの含む。ディスク状光記録媒体とは、ISO/IEC (the International Organization for Standardization and International Electrotechnical Commission) 10149に準拠したCD-ROM、IEC 908に準拠した音楽CD、JIS (Japan Industrial Standard; 日本工業規格)S8605/IEC908に準拠したCD-R、JIS X 6241, JIS X 6242に準拠したDVD-ROM、JIS X 6245に準拠したDVD-R、ブルーレイディスクフォーマットバージョン1.0に準拠したブルーレイディスク等の規格化が終了された所謂光ディスク全てを指す。マイクロチップにおけるローディングチャネルおよび分離用チャネルのそれぞれの形状は特に限定されるものではない。なお、前記チャネルが一枚のチップ上に3〜128本設置された、同時に多チャネルを解析することができるチップを使用することもできる。多チャネルの並べ方は、並行、放射線状、円形状等があるが、その形状は特に限定されるものではない。前記チャネルの幅は、マイクロチップの大きさ、使用目的などにより適宜設定されうる。具体的には、チャネルの幅は、十分な解析感度を得る観点から、0.1マイクロメートル以上、好ましくは10マイクロメートル以上であり、十分な解析精度を得る観点から、100マイクロメートル以下、好ましくは50マイクロメートル以下であることが望ましい。また、前記チャネルの深さは、マイクロチップの大きさ、使用目的などにより適宜設定されうる。具体的には、十分な解析感度を得る観点から、0.1マイクロメートル以上、好ましくは10マイクロメートル以上であり、十分な解析精度を得る観点から、100マイクロメートル以下、好ましくは50マイクロメートル以下であることが望ましい。さらに、前記分離用チャネルの長さは、マイクロチップの大きさ、解析対象の化合物に応じて適宜選択することができるが、有効長を、より長くすることが望ましい。有効長は、チャネル交差部から、高分子化合物の検出点(分離用チャネル上に配置)までの距離をいう。十分な分離能を得る観点から、0.1ミリメートル以上、好ましくは10ミリメートル以上であり、高速分離の観点から、100ミリメートル以下、好ましくは50ミリメートル以下であることが望ましい。また、前記リザーバーの大きさは、試料の容量に応じて適宜設定することができる。具体的には、試料導入のハンドリングおよび電極の太さの観点から、直径0.05ミリメートル以上、好ましくは3ミリメートル以下であることが望ましい。マイクロチップ型電気泳動における泳動電場は、良好な分離能を得、移動時間を短縮する観点から、20V/cm〜50kV/cmであり、好ましくは、50V/cm〜20kV/cmであり、より好ましくは100V/cm〜10kV/cmであることが望ましい。ナノチャネル型電気泳動とは、ナノメーターサイズ、1ナノメートル〜1マイクロメートル、好ましくは10〜500ナノメートル、より好ましくは50〜100ナノメートルのチャネル幅からなる流路が形成されたチップを用いて行なわれる電気泳動をいう。これには上記記載のナノサイズの構造体がマイクロメーターサイズのチャネルに形成されているものを含む。ナノサイズの構造体の形状は、特に限定されることなく、例えば、四角、丸、三角等のものが使用され得、構造体の設置間隔も特に限定されない。これらが形成されたナノチャネルチップが用いられる。キャピラリー電気泳動の場合と同様に同時に多チャネル解析可能なチップも含まれる。ナノチャネル型電気泳動におけるチャネルは、サイズがナノメーターという特徴をもつチャネルの形状が曲率を曲げたもの、蛇行状、ジグザグ状またはそれらの組み合わせ等、様々な設計が可能である。このことにより、微小スケール内に多くのチャネルを形成できる。また、このことにより一度に多数のサンプルを処理することができ、ハイスループット化が可能である。またナノサイズの構造体がマイクロメーターサイズのチャネルに形成される場合、その形状を自在に変えることができ、その設置間隔も自在に変えられるという利点をもつ。同時に多チャネルの測定が可能である。ナノチャネル型電気泳動においてもマイクロチップ型電気泳動と同様にローディングチャネル、該ローディングチャネルに交差する分離用チャネル、該ローディングチャネルの一端に試料リザーバー、該ローディングチャネルの他端にアウトレットが配置されたものを含むが、形状は特に限定されるものではない本発明の方法は、電気泳動の形態がナノチャネルの電気泳動法の場合、試料導入時間を短時間で電場を切り替えながら複数回行ったのちに電気泳動に供する、好ましくは、試料導入時間を10秒を電場を切り替えながら3回行ったのちに電気泳動に供する電気泳動法である。ナノチャネル型電気泳動に用いられるナノチャネルチップの材質としては、マイクロチップと同様のものが用いられる。例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ジメチルシロキサンなどが挙げられる。ナノチャネル型電気泳動におけるナノチャネルチップの大きさはマイクロチップと同様のものが適用される。例えば縦10〜120ミリメートル、横10〜120ミリメートル、厚さ500〜5000マイクロメートルである。ナノチャネルチップのチャネルの深さ、チャネルの長さ、リザーバーの大きさ等はマイクロチップに準ずる。このマイクロチップの形状は正方形、長方形に限らず、円盤状でも可能であり、特に限定されるものではない。円盤状のものには、ディスク状光記録媒体処理したもの含む。ディスクの材質は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートやポリオレフィンなどの有機高分子材料やガラス等の無機材料でもよく、特に限定されない。ディスク状光記録媒体とは、ISO/IEC (the International Organization for Standardization and International Electrotechnical Commission) 10149に準拠したCD-ROM、IEC 908に準拠した音楽CD、JIS (Japan Industrial Standard; 日本工業規格)S8605/IEC908に準拠したCD-R、JIS X 6241, JIS X 6242に準拠したDVD-ROM、JIS X 6245に準拠したDVD-R、ブルーレイディスクフォーマットバージョン1.0に準拠したブルーレイディスク等の規格化が終了された所謂光ディスク全てを指す。本発明の電気泳動法に使用する分離用担体としては、特に限定されるものではなく、通常のキャピラリーゲル電気泳動またはマイクロチップ型ゲル電気泳動等において使用される、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドゲルや、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、β−シクロデキストリン、α−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等の分離用担体が挙げられ、また、PCT/JP01/04510記載のβ−1,3グルカン構造を含むカードラン、ラミナランや海藻抽出物等にも適用可能である。分離用担体の添加剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、Triton X−100、ε−アミノカプロン酸、3−〔(3−コラミドプロピル)−ジメチルアミノ〕−1−プロパン、CHAPS、6〜8M尿素、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド(HTAB)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB)等が挙げられる。また特願2002−72412記載の電気泳動用バッファーであってもよい。尚、その製法は特に限定されることはない。泳動用緩衝液としては、例えば、トリス−グリシンバッファー、トリス−ホウ酸バッファー、トリス−塩酸バッファー、トリス−トリシンバッファー、トリス−リン酸二水素ナトリウムバッファー等や、一般にタンパク質の電気泳動用緩衝液として使用される緩衝液が挙げられ、市販のタンパク質電気泳動用キット中に提供されている緩衝液等も使用することができる。前記泳動用緩衝液は、一般に核酸やタンパク質の電気泳動用緩衝液として使用される濃度で使用することができる。泳動用緩衝液の調整には水が用いられる。水としては、超純水、脱イオン水、MilliQ水等、タンパク質の電気泳動に通常使用される水が使用されうるが、MilliQ水が特に好ましい。泳動用緩衝液は、前記分離用担体を含有していてもよい。分離用担体を泳動用緩衝液に添加して用いることにより、操作を簡便にすることができ、解析をより高速で行うことができる。泳動用緩衝液のpHは、好適な電気泳動および適切な電気浸透流と正常なピーク分離の観点から、タンパク質の好適な電気泳動の観点から、2.0〜9.0が好ましく、6.8〜9.6がより好ましい。被検高分子化合物がペプチドの場合、2〜11が好ましく、2.5〜3.1がより好ましい。被検高分子が核酸の場合、好適な電気泳動と正常なピークの観点から、6.8〜9.2が好ましく、7.5〜8.5がより好ましい。試料調製用溶液としては、水が用いられるが、タンパク質の分析の場合にはSDS溶液、またはSDS−トリスホウ酸溶液等に2−メルカプトエタノールまたはジチオスレイトールを添加したもの等を使用することができる。ピーク強度の向上、ピーク分離度の向上、検出限界の向上、測定精度の向上の観点から、水が特に好ましい。試料としてタンパク質を用いた場合、溶液中のタンパク質の濃度としては、測定精度の観点から、0.05〜2000ナノグラム/マイクロリッターが好ましく、0.1〜2000ナノグラム/マイクロリッターがより好ましく、0.5〜200ナノグラム/マイクロリッターが特に好ましい。電気泳動に供した試料の検出法としては、例えば、UV波長光による吸収、蛍光、レーザー、ランプ、LEDなどによる検出、電気化学的検出、生物化学発光検出などが挙げられる。蛍光検出としては具体的には光源としてレーザーを用い、半導体レーザーや発光ダイオード(LED)等の発光素子により発光させ、フォトダイオードやフォトトランジスター、冷却CCD、フォトマル等の受光素子により蛍光検出するものを含む。本発明に使用される発光形態には、蛍光発光、化学発光、生物発光等を含む。具体的には、タンパク質またはペプチドの場合、200〜280nmにおける吸収を測定すること;SYPRO Orangeとタンパク質またはペプチドとを反応させ、460〜550nmで励起させ、550〜650nmで蛍光を測定すること、あるいはタンパク質と蛍光マーカー(AgilentTechnologies No.5065−4430)と反応させ、630〜650nmで励起させ、670〜700nmで蛍光を測定すること、および電気化学的測定、生物、化学発光測定などにより、タンパク質またはペプチドを検出することができる。核酸の検出法としては、エチジュウムブロマイド〔510/595(励起/蛍光波長、以下同様)〕、エチジウムホモダイマー−1(Ethdium homodimer-1)〔528/617〕、アクリジンオレンジ(Acridine Orange)〔502/526〕、チアゾールオレンジ(TO:Thiazole orange)〔509/525〕、YO−PRO−1〔491/509〕、YO-PRO−3〔621/631〕、TO−PRO−1〔515/531〕、TO−PRO−3〔642/661〕、YO-YO−1〔491/509〕、TO−TO−1〔514/533〕、YO−YO−3〔612/631〕、TO−TO−3〔642/660〕、サイバーグリーンI(SYBR Green I)〔494/521〕、SYBR サイバーグリーン〔254/520〕、SYBR Gold〔300、495/537〕、オリグリーン(Oli Green)(ssDNA用)〔500/520〕、リボグリーン(Ribo Green) (RNA用)〔500/525〕、FITC〔494/519〕、6−FAM〔488/535〕、HEX〔515/559〕Cy5〔649/670〕、Cy3〔550/570〕等特に限定されるものではない。キャピラリー電気泳動においては、例えば、キャピラリーのアウトレットに、UV波長光を発しうる装置と該UV波長光の検出器とを設置してもよく、あるいは蛍光波長を発しうる装置と該蛍光波長を検出可能な検出器とを設置してもよい。マイクロチップ型電気泳動においては、例えば、分離用チャネル上に配置された検出点にUV波長光の検出器を設置してもよく、あるいは、蛍光波長を発しうる装置と該蛍光波長を検出可能な検出器とを設置してもよい。また同時に多チャネルを検出可能である。ナノチャネル型電気泳動においては、マイクロチップ型電気泳動の場合と同じ検出器、検出方法が適用される。さらにナノチャネル型電気泳動においては、同時多チャネル検出の際、マイクロチップ型電気泳動の場合よりも多数のサンプルを同時に検出可能である。検出の際、タンパク質、ペプチド、アミノ酸などの同定を行う場合には、UV吸収、分子量マーカー、標品との移動時間の比較、マススペクトルの解析などにより行うことができる以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。実施例中、被検試料の電気泳動はすべて日立化成のマイクロチップ電気泳動装置コスモアイ(SV1100 日立電子)およびマイクロチップとしてi-chip3(日立化成)、および日立SV−1100用試薬キット(i-チップDNA IC−1000N)を用いた。この泳動用緩衝液中には、蛍光試薬エチジウムブロマイドを含むポリマー溶液を含んでいる。被検試料として、100bpDNALadder(タカラバイオ株式会社)を用いた。前記マイクロチップはポリメチルメタクリレー(PMMA)材質であり、幅100マイクロメートル、深さ50マイクロメートル、長さ8ミリメートルのローディングチャネルと、幅100マイクロメートル、深さ30マイクロメートル、長さ30ミリメートルの分離用チャネルとリザーバーを有する〔第22図参照のこと〕(比較例)試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、60秒、分離泳動電圧は戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vとして180秒間、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図1に示す。それぞれのピークはそれぞれ、移動時間の速いほうから100bp、200bp、300bp、400bpであり、500bpのピークはそれらのおよそ5倍の濃度にあらかじめ調整されている。最後から2番目のピークは1000bp、最後のピークは1500bpである。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、50秒、分離泳動電圧は戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vとして180秒間、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図2に示す。それぞれのピークはそれぞれ、移動時間の速いほうから100bp、200bp、300bp、400bpであり、500bpのピークはそれらのおよそ5倍の濃度にあらかじめ調整されている。最後から2番目のピークは1000bp、最後のピークは1500bpである。実施例1と比較して蛍光強度が低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、40秒、分離泳動電圧は戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vとして180秒間、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図3に示す。それぞれのピークはそれぞれ、移動時間の速いほうから100bp、200bp、300bp、400bpであり、500bpのピークはそれらのおよそ5倍の濃度にあらかじめ調整されている。最後から2番目のピークは1000bp、最後のピークは1500bpである。実施例1および2と比較して蛍光強度が低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、30秒、分離泳動電圧は戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vとして180秒間、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図4に示す。それぞれのピークはそれぞれ、移動時間の速いほうから100bp、200bp、300bp、400bpであり、500bpのピークはそれらのおよそ5倍の濃度にあらかじめ調整されている。最後から2番目のピークは1000bp、最後のピークは1500bpである。実施例1〜3と比較して、蛍光強度が低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、20秒、分離泳動電圧は戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vとして180秒間、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図5に示す。それぞれのピークはそれぞれ、移動時間の速いほうから100bp、200bp、300bp、400bpであり、500bpのピークはそれらのおよそ5倍の濃度にあらかじめ調整されている。最後から2番目のピークは1000bp、最後のピークは1500bpである。実施例1〜4と比較して、蛍光強度が低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒、分離泳動電圧は戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vとして180秒間、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図6に示す。所定のピーク数が減少し、2本のピークのみの検出であった。感度も極端に低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図7に示す。所定のピーク数が出現した。しかしながら、実施例1より低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、10秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図8に示す。所定のピーク数が出現し、検出感度は実施例1〜7を上回り、実施例1のおよそ30%増加した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、60秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、60秒かけたのち、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。実施例1より低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、60秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、60秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、60秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図10に示す。蛍光強度が実施例1の試料導入電圧として300V、60秒と分離電圧1秒のサイクルが1回のものおよび実施例9の試料導入電圧として300V60秒をと分離電圧が1秒間のサイクルが2回のものと比較して、低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、20秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、20秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、20秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図11に示す。蛍光強度が実施例8の試料導入電圧として300V、10秒と分離電圧1秒のサイクルが3回のものと比較して低下したが、実施例5の試料導入電圧として300V、20秒のサイクルが1回のものと比較して、増加した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、20秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図12に示す。蛍光強度が実施例8の試料導入電圧として300V、60秒と分離電圧1秒のサイクルが3回のものと比較して低下したが、実施例5の試料導入電圧として300V、20秒のサイクルが1回のものと比較して、増加した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、30秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図13に示す。蛍光強度が実施例8の試料導入電圧として300V、60秒と分離電圧1秒のサイクルが3回のものと比較して低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、40秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図14に示す。蛍光強度が実施例8の試料導入電圧として300V、60秒と分離電圧1秒のサイクルが3回のものと比較して低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、50秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図15に示す。蛍光強度が実施例8の試料導入電圧として300V、60秒と分離電圧1秒のサイクルが3回のものと比較して低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、60秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果を図16に示す。蛍光強度が実施例8の試料導入電圧として300V、60秒と分離電圧1秒のサイクルが3回のものと比較して低下した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを1秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、10秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果のうち100bp、200bp、300bp、400bpに帰属されるピークを図17に示す。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを2秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、2秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、10秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果のうち100bp、200bp、300bp、400bpに帰属されるピークを図18に示す。蛍光強度が実施例17と比較して低下し、それぞれのピークは重複していた。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを0秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、1秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、10秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果のうち100bp、200bp、300bp、400bpに帰属されるピークを図19に示す。蛍光強度が実施例17および18と比較して低下し、100bpと200bpのピークの前に小さなピークが出現した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを0秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、3秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、10秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果のうち100bp、200bp、300bp、400bpに帰属されるピークを図20に示す。蛍光強度が実施例17比較して低下し、それぞれのピークは2本ずつ出現した。試料導入・泳動条件は、試料導入電圧として300V、10秒をかけたのち、電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として750Vを3秒間かけたのち、さらに電場を試料導入電圧に切り替え、300V、10秒かけたのち、再び電場を切り替え、戻し泳動電圧として130V、分離電圧として300V、3秒間かけたのち、3回目の試料導入電圧として300V、10秒間かけたのち、電場を切り替え、戻し電圧130V、泳動電圧300V、180秒間で、泳動分離を行った。被検試料は100bp dsDNA Ladderである。その結果のうち100bp、200bp、300bp、400bpに帰属されるピークを図21に示す。蛍光強度が実施例17と比較して低下した、おのおののピークが3本ずつ出現した。一般のゲノム解析、ゲノム創薬、ゲノム診断のみならず、プロテオーム解析等の高感度解析に用いられる。図1は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入電圧として300V、60秒、分離泳動電圧は、戻し電圧として130V、分離電圧として750Vとして180秒間で泳動分離を行った。この条件はメーカーの推奨条件である。図2は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は試料導入電圧300V、50秒間としたものである。図3は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は試料導入電圧300V、40秒間としたものである。図4は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は試料導入電圧300V、30秒間としたものである。図5は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は試料導入電圧300V、20秒間としたものである。図6は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は試料導入電圧300V、10秒間としたものである。図7は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は、試料導入電圧として300V、10秒間として、そののち分離チャネルに電場を切り替え、再度ローディングチャネルに導入電圧をかける回数を調べたものである。図8は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は、試料導入電圧として300V、10秒間として、そののち電場を切り替え、再度導入電圧をかける回数を調べたものであり2回の結果を調べたものである。図9は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は、試料導入10秒間として、その3回の繰り返し回数の結果を調べたものである。図10は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は、試料導入60秒間として、その2回の繰り返し回数の結果を調べたものである。図11は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は、試料導入60秒間として、その3回の繰り返し回による結果を調べたものである。図12は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件は、試料導入条件として、試料導入電圧300Vを10秒間かけたあと、電場を分離チャネルに切り替えて分離電圧を1秒間かけるサイクルを2回行ったあと、試料導入電圧を300V、20秒間かけたのち、所定の電気泳動に供したものである。図13は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧300Vを10秒間かけたあと、電場を切り替えて分離チャネルに分離電圧を1秒間かけるサイクルを2回行ったあと、試料導入電圧を300V、30秒間かけたのち、所定の電気泳動に供したものである。図14は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧300Vを10秒間かけたあと、電場を切り替えて分離チャネルに分離電圧を1秒間かけるサイクルを2回行ったあと、試料導入電圧を300V、40秒間かけたのち、所定の電気泳動に供したものである。図15は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧300Vを10秒間かけたあと、電場を切り替えて分離チャネルに分離電圧を1秒間かけるサイクルを2回行ったあと、ローディングチャネルに試料導入電圧を300V、50秒間かけたのち、所定の電気泳動に供したものである。図16は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧300Vを10秒間かけたあと、電場を切り替えて分離電圧を1秒間かけるサイクルを2回行ったあと、試料導入電圧を300V、60秒間かけたのち、所定の電気泳動に供したものである。図17は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧300Vを10秒間かけたあと、試料導入条件として、試料導入電圧後にかける分離電圧の時間を検討したものである。図18は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧後にかける分離電圧の時間を検討したものである。図19は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧後にかける分離電圧の時間を検討したものである。図20は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧後にかける分離電圧の時間を検討したものである。図21は、マイクロチップ型電気泳動において、試料導入条件を検討した結果の電気泳動パターンを示す図である。試料導入条件として、試料導入電圧後にかける分離電圧の時間を検討したものである。図22は、マイクロチップ型電気泳動に用いたマイクロチップの一例を示す図である。符号の説明1:マイクロチップ基盤、2:試料リザーバー、3:アウトレット、4:ローディングチャネル、5:分離用チャネル、6:検出ポイント。試料導入時間を60秒未満で電場を切り替えながら複数回行う試料導入手段の後に、電気泳動分離に供することを特徴とする電気泳動法。前記試料導入手段が、試料導入時間として10秒間で電場を切り替えながら3回行う試料導入法からなることを特徴とする請求項1記載の電気泳動法。電気泳動の形態が、キャピラリー電気泳動法、マイクロチップ型電気泳動法およびナノチャネル型電気泳動法からなる群より選択されたものである請求項1〜2いずれか記載の電気泳動法。前記、電気泳動の形態がマイクロチップ型電気泳動であって、試料導入用ローディングチャネルに電圧を30秒以下をかけたあと、その十分の一以下の時間で、電場を切り替えて分離チャネルに分離電圧をかけたあと、このサイクルを複数回交互に繰り返す試料導入手段の後に電気泳動分離に供することを特徴とする電気泳動法。前記試料導入手段が、試料導入用ローディングチャネルに電圧を10秒間かけたあと、電場を分離チャネルに切り替えた後、1秒間分離チャネルに分離電圧をかけたあと、このサイクルを合計3回繰り返す試料導入手段からなることを特徴とする請求項4記載の電気泳動法。電気泳動の形態がナノチャネル型電気泳動であって、請求項4〜5いずれか記載の電気泳動法。前記マイクロチップ型電気泳動におけるマイクロチップが方形、ディスク状または光ディスクであることを特徴とする請求項4〜6記載の電気泳動法。 【課題】 本発明は、より短時間の試料導入時間で、高感度に被検物質の分離と分析が簡便に行える電気泳動法を提供すること。【解決手段】試料導入時間10秒間を電場を切り替えながら複数回行ったのちに泳動分離を行うことで、より短時間の試料導入時間で、高感度に被検物質の分離と分析が簡便に行える電気泳動法に供することを特徴とする電気泳動法。【選択図】 なし