生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_フェルラ酸エステルの新規製法
出願番号:2004036122
年次:2005
IPC分類:7,C12P7/62,A23L1/30,A61K7/42,C09K3/00,C09K15/06


特許情報キャッシュ

阪本 龍司 村田 修市 土山 守安 JP 2005224177 公開特許公報(A) 20050825 2004036122 20040213 フェルラ酸エステルの新規製法 奥本製粉株式会社 591018534 岩谷 龍 100077012 阪本 龍司 村田 修市 土山 守安 7C12P7/62A23L1/30A61K7/42C09K3/00C09K15/06 JPC12P7/62A23L1/30A61K7/42C09K3/00 104ZC09K15/06 13 OL 9 4B018 4B064 4C083 4H025 4B018MD27 4B018MD94 4B018ME06 4B064AD70 4B064CA21 4B064CB24 4B064CD06 4B064CD07 4B064CD09 4B064DA01 4B064DA10 4C083BB46 4C083CC19 4C083EE17 4C083FF01 4H025AA17 4H025AA51 4H025AC06 4H025AC07 本発明は、フェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルの新規製法に関する。また、本発明は、フェルラ酸とフラクトースおよびトレハロースから選ばれる糖類とのエステルに関する。 フェルラ酸は植物細胞壁中に広く存在するフェノール化合物であり、抗酸化作用、紫外線吸収作用、種子の発芽抑制作用、抗菌作用、抗癌作用など多枝にわたる作用を有することが明らかにされており、化粧品、健康食品、医薬品などの産業利用が期待されている物質である。しかしながら、フェルラ酸は水に対する溶解度が低く、室温でフェルラ酸の結晶が析出するため、化粧品や食品の水相に含有させることが困難であるという問題がある。また、フェルラ酸は皮膚へ浸透させることが困難であるとか、熱安定性が充分でないなどの問題がある これら問題を解決するために、例えばフェルラ酸に有機酸を配合する方法(特許文献1)、フェルラ酸に不揮発性ポリオールを添加する方法(特許文献2)、フェルラ酸またはそのエステルにジメチルイソソルバイドを配合する方法(特許文献3)、フェルラ酸を2−エチルヘキシルエステルとする方法(特許文献4)などが提案されている。 しかしながら、これらの方法はフェルラ酸以外の成分を添加しなければならなかったり、水溶性が充分でなかったり、抗酸化作用や紫外線吸収作用が弱かったりして必ずしも満足のいくものではなかった。 一方、非特許文献1には、フェルラ酸とグリセロールとのエステル、すなわち1−モノフェルロイルグリセロール(フェルラ酸1−グリセリルエステル)が記載されており、フェルラ酸とグリセロールとをジメチルアミノピリジンの存在下に反応させることにより製造することができることが開示されている。 しかしながら、この合成方法は、溶媒としてジクロロメタンを使用しており、環境に悪影響を及ぼすという点で難点がある。特開昭64−13016号公報特表2003−505408号公報特表2002−507970号公報特開平9−40613号公報J.Agric.Food Chem.,Vol.48,No.11(2000),pp5476−5483 本発明は、水溶性の良好なフェルラ酸エステル、すなわち、フェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルの新規製法を提供するものである。また、本発明は、新規化合物であるフェルラ酸とフラクトースおよびトレハロースから選ばれる糖類とのエステルを提供するものである。 本発明者等は、フェルラ酸の水溶性を高めるため種々研究を重ねた結果、フェルラ酸をグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルとすれば、水溶性が高まると共に、これらのエステルはフェルラ酸低級アルキルエステルに、グリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類の存在下に、フェルラ酸エステラーゼを作用させることにより好適に製造できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、(1)フェルラ酸低級アルキルエステルに、グリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類の存在下に、フェルラ酸エステラーゼを作用させてエステル交換反応させることを特徴とするフェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルの製造方法、(2)フェルラ酸エステラーゼが、ペニシリニウム属に属する微生物由来のフェルラ酸エステラーゼである前記(1)記載の製造方法、(3)フェルラ酸エステラーゼが、ペニシリニウム・クリソゲナム31B由来のフェルラ酸エステラーゼである前記(1)記載の製造方法、(4)多価アルコール類または糖類がグリセロールである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法、(5)多価アルコール類または糖類がフラクトースである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法、(6)多価アルコール類または糖類がトレハロースである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法、(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法で得られるフェルラ酸エステル、(8)フェルラ酸とフラクトースとのエステル、および(9)フェルラ酸とトレハロースとのエステル、である。 また、本発明は、(10)フェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルを有効成分とする紫外線吸収剤、(11)フェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルを有効成分とする抗酸化剤、(12)前記(10)記載の紫外線吸収剤を含有する化粧品、および(13)前記(11)記載の抗酸化剤を含有する飲食品である。 本発明は、フェルラ酸低級アルキルエステルからフェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルを、工業的有利に製造することができる。また、本発明の製造方法で得られるフェルラ酸エステルは水に可溶性であるため、紫外線吸収剤としてあるいは抗酸化剤として、化粧品や食品に広く適用できる。 本発明において基質として使用されるフェルラ酸低級アルキルエステルとしては、たとえば、フェルラ酸メチルエステル、フェルラ酸エチルエステル、フェルラ酸プロピルエステル、フェルラ酸ブチルエステルなどが挙げられる。これらは、特開平9−40613号公報に記載されている方法により製造することができ、例えば、フェルラ酸とC1−4低級アルカノールとを適当な溶媒中、酸触媒(例えば、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸など)あるいは塩基(たとえば、トリスイソプロパノールアミンなど)の存在下に反応させることにより容易に製造することができる。 酵素源であるフェルラ酸エステラーゼは、フェルラ酸低級アルキルエステルとグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類との間でエステル交換反応を生じさせるものであれば特に限定されない。このような酵素は、アスペルギルス(Aspergillu)属、ペニシリウム(Penicillium)属、バチルス(Bacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ネオカリマスチクス(Neocallimastix)属、ニューロスポラ(Neurospora)属に属する微生物に由来するものが挙げられるが、特にペニシリニウム属に属する微生物、例えばペニシリニウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)31Bに由来するフェルラ酸エステラーゼが好適である。ペニシリニウム・クリソゲナム(Pecicillium chrysogenum)31Bは、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、受託番号FERM P−19163として寄託されている。 上記微生物由来のフェルラ酸エステラーゼは、微生物の培養液であってもよく、該培養液の上清、該上清から精製した酵素、培養液から採取した生菌体の処理物(例えば、超音波処理物など)、あるいは該処理物から精製した酵素のいずれであってもよい。また、酵素を固定化したものでもよい。 本明細書中では、フェルラ酸エステラーゼがある微生物に「由来する」とは、その微生物から直接単離したことのみを意味するのではなく、その微生物を遺伝子組換えや紫外線等の照射線や変異原性物質による突然変異誘発によるなどの慣用技術を利用することによりフェルラ酸エステラーゼが得られることをいう。例えば、ペニシリニウム・クリソゲナム31Bのフェルラ酸エステラーゼ遺伝子をクローニングし、クローン化された該遺伝子を他の宿主微生物(例えば、大腸菌)に導入し、得られた形質転換体からフェルラ酸エステラーゼを単離する場合も、そのフェルラ酸エステラーゼはペニシリニウム・クリソゲナム31Bに「由来する」という。ペニシリニウム・クリソゲナム31Bからのフェルラ酸エステラーゼ遺伝子のクローン化、クローン化されたフェルラ酸エステラーゼ遺伝子での宿主微生物の遺伝子組み換えは、当業者に周知の方法に従って行われ得る。 微生物の培養は、常法に従って、炭素源、窒素源を含む培地中で好気的に培養することにより容易に実施することができる。炭素源としては、例えば、グルコース、キシロース、フラクトース、イノシトール、水アメ、でんぷん、糖蜜、ビート糖(シュガービートパルプ)、フスマ、グリセリンなどが挙げられる。また、窒素源としては、たとえば、肉エキス、ペプトン、グルテン、カゼイン、酵母エキス、アミノ酸などが挙げられる。これらの他に、適宜、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素カリウム、塩化カリウム、食塩、硫酸鉄、マンガン、モリブデンなどの無機質、さらには各種ビタミン類などが添加される。培養は、pH4〜6、好ましくはpH4.5〜5.5、温度25〜35℃、好ましくは温度28〜32℃で好適に実施される。かくして得られる培養液はそのまま酵素源として使用することもできるが、培養液より遠心分離により上澄を集め、必要により更にイオン交換樹脂などで処理して得られる精製された酵素も使用することができる。 本発明の酵素反応は、基質であるフェルラ酸低級アルキルエステルとグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とを適当な緩衝液(たとえば、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液など)、あるいは有機溶媒(例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなど)と前記緩衝液との混合物に溶解もしくは懸濁させ、これに酵素(フェルラ酸エステラーゼ)を加えて静置、あるいは攪拌することにより実施することができる。 フェルラ酸低級アルキルエステルの添加量は、反応液全体に対して0.01〜50重量%が好ましく、0.01〜10重量%がより好ましい。 グリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類の添加量は、反応液全体に対して1〜99重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましい。 酵素反応の温度は、30〜55℃が好ましく、40〜50℃がとくに好ましい。また、酵素反応のpHは、4〜7.5が好ましく、5〜7がより好ましい。反応時間はとくに制限されないが、通常0.5時間〜24時間が好ましい。 反応液中にフェルラ酸と多価アルコール類または糖類とのエステルが所望量に達したのち、加熱によって反応を停止し、反応液を適当な樹脂を用いて精製処理することにより、目的とするフェルラ酸エステルを採取することができる。 エステル交換反応により得られた本発明にかかるフェルラ酸エステルは、紫外線吸収剤として使用することができ、たとえば、サンオイル、サンケアクリーム、サンスクリーンローション、ヘアスプレー、リキッドファンデーション、アンチリンクルエッセンス、オーデコロン、アフターシェービングローションなどの化粧品に使用することができる。本発明に係るフェルラ酸エステルの化粧品基材への添加量は、化粧品の種類によっても異なるが、通常、化粧品全体に対して0.01〜2重量%であるのが好ましい。 又、本発明に係るフェルラ酸エステルは、抗酸化作用を有しているので、抗酸化剤として飲食品(たとえば、ジュースなどの飲料、ロースハム、シフォンケーキ、ラード、ビスケットなどの食品など)に添加することもできる。フェルラ酸エステルの食品原料への添加量は、食品の種類によっても異なるが、通常、食品全体に対して0.001〜2重量%であるのが好ましい。[フェルラ酸メチルエステルの合成] アセトン10mlにフェルラ酸(シグマ社製)5.9gと硫酸ジメチル3.834gとトリスイソプロパノールアミン6.992gを混合し、油浴中で65℃に加熱しながら、1時間反応させた。反応が終了したことをTLC(展開溶媒、ベンゼン:酢酸エチル=20:1)で確認した後、トルエンで抽出し、抽出液をエバポレーターにより濃縮乾固することにより,フェルラ酸メチルエステル5.64g(収率:89%)を得た。[フェルラ酸エステラーゼの調製] ペニシリウム・クリソゲナム31B(FERM P−19163)を、シュガービートパルプを唯一の炭素源とした培地(NH4NO3 0.2%、K2HPO4 0.1%、MgSO4・7H2O 0.05%、KCl 0.05%、FeSO4 0.001%、ペプトン 0.1%、シュガービートパルプ 2.0%)(pH5.0)に接種し、30℃で10日間振とう培養し、その培養上清を粗酵素液とした。 上記の粗酵素液を限外ろ過、硫安分画、陽イオン交換カラムクロマトグラフィー(Resorse S)、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー(Resorse Q)、再度陽イオン交換カラムクロマトグラフィー(Mono S)、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー(Mono Q)、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー(Superdex 75)(すべてFPLCシステム、ファルマシア社製)により、精製した。得られた酵素の比活性は3.2U/mgであった。[酵素活性測定法] 0.1%フェルラ酸メチルエステル溶液100μl(フェルラ酸メチルエステル50mgをジメチルスルホキシド500μlに溶解させ、1M酢酸緩衝液(pH5)を2.5ml加えた後、水で全量50mlに調整することにより調製)に20mM酢酸緩衝液(pH5)95μl、酵素液5μlを加え混合させた後、37℃で60分間反応させた。反応は加熱によって終了させ、生成したフェルラ酸をHPLC(カラム:Mightysil RP−18GP250−4.6(5μm)(関東化学社製);溶媒:メタノール/0.2%酢酸溶液=5/5;流速:0.7ml/分)により定量した。フェルラ酸エステラーゼの酵素活性は、1分間に1μmolのフェルラ酸を遊離する酵素量を1Uとした。[エステル交換反応] フェルラ酸メチルエステル100mgをジメチルスルホキシド1mlに溶解し、これに1Mリン酸緩衝液(pH6)2.5mlを加えたのち、水で全量50mlに調整して基質溶液(0.2%フェルラ酸メチルエステル溶液)とした。この基質溶液25mlに、フェルラ酸エステラーゼ0.2U、1Mリン酸緩衝液(pH6)1ml、およびグリセリン15mlを加え、水で全量を50mlとした。この反応液を40℃で3時間静置して酵素反応を行った。 酵素反応を加熱によって停止後、反応液を逆相カラム(YMC Dispo SPE(YMC社製))に供し、フェノール性化合物を吸着させた。吸着物質の溶出は10−100%アセトニトリルをステップワイズにカラムに流すことにより行った。フェルラ酸1−グリセリルエステルを含む画分(10%および20%アセトニトリル溶出画分)を濃縮乾固し、HPLC(溶媒:メタノール/0.2%酢酸溶液=5/5;流速:3.5ml/分)を用いた分取用逆相カラム(Cosmosil 5C18−AR−II、25×250mm:ナカライテスク社製)により精製し、フェルラ酸1−グリセリルエステル10.5mgを得た。本品の核磁気共鳴スペクトルは下記の通りである。また、本品10.5mgを水10μlに室温で解けることから、本品は水に対する溶解度が良いことがわかる。なお、上記画分(10%および20%アセトニトリル溶出画分)には、主生成物であるフェルラ酸1−グリセリルエステル以外に、フェルラ酸2−グリセリルエステルが含有されていることをHPLCチャートで確認した。核磁気共鳴スペクトル(H NMR(重メタノール):δ7.19(1H、d、Ar−H(C2))、7.07(1H、dd、Ar−H(C5))、6.80(1H、d、Ar−H(C6))、3.89(3H、s、−OCH3)、7.65(1H、d、=CH−CO)、6.39(1H、d、Ar−CH=)、4.16、4.26(2H、dd、−O−CH2CH(OH)−)、3.92〜3.85(1H、m、−CH(OH)CH2OH)、3.59、3.61(2H、dd、−CH2OH)(試験例1) フェルラ酸および実施例1で得られたフェルラ酸1−グリセリルエステルの紫外線吸収スペクトルは図1の通りである。この図1から、フェルラ酸とフェルラ酸1−グリセリルエステルとの紫外線吸収スペクトルはほぼ同じであることがわかる。このことから、フェルラ酸1−グリセリルエステルはフェルラ酸と同様に機能、すなわち紫外線吸収作用があることがわかる。 フェルラ酸メチルエステル100mgをジメチルスルホキシド1mlに溶解し、これに1Mリン酸緩衝液(pH6)2.5mlを加えたのち、水で全量50mlに調整して基質溶液(0.2%フェルラ酸メチルエステル溶液)とした。この基質溶液200μlにフラクトース200mgを溶解し、これにフェルラ酸エステラーゼ1mUを加えて混合した。この溶液を40℃で30分間静置して酵素反応を行った。加熱によって反応を終了させ、反応終了液をHPLC(カラム:Mightysil RP−18GP250−4.6(5μm)(関東化学社製);溶媒:メタノール/0.2%酢酸溶液=5/5;流速:0.7ml/分)に付し、320nmでの吸収を測定した。その結果は、図2の通りであり、aにフェルラ酸とフラクトースとのエステルのピークが、bにフェルラ酸のピークが、cにフェルラ酸メチルエステルのピークが現れた。このチャートからフェルラ酸とフラクトースとのエステルの生成量を算出したところ、0.22mg/mlであった。 上記で得られたエステルは、フェルラ酸とフラクトースとが等モルで結合したモノエステルである。 実施例2において、フラクトースの代わりにトレハロースを用いる以外は、実施例2と同様に酵素反応を行った。反応液を実施例2と同様にHPLCに付し、320nmでの吸収を測定した。その結果は、図3の通りであり、aにフェルラ酸とトレハロースとのエステルのピークが、bにフェルラ酸のピークが、cにフェルラ酸メチルエステルのピークが現れた。このチャートからフェルラ酸とトレハロースとのエステルの生成量を算出したところ、0.19mg/mlであった。 上記で得られたエステルは、フェルラ酸とトレハロースとが等モルで結合したモノエステルである。 本発明によれば、水に可溶性のフェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルを効率よく製造することができ、得られたフェルラ酸エステルは抗酸化剤あるいは紫外線吸収剤として食品あるいは化粧品に適用することができる。フェルラ酸とフェルラ酸1−グリセリルエステルの紫外線吸収スペクトルである。実施例2で得られた酵素反応液のHPLCスペクトルである。実施例3で得られた酵素反応液のHPLCスペクトルである。 フェルラ酸低級アルキルエステルに、グリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類の存在下に、フェルラ酸エステラーゼを作用させてエステル交換反応させることを特徴とするフェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルの製造方法。 フェルラ酸エステラーゼが、ペニシリニウム属に属する微生物由来のフェルラ酸エステラーゼである請求項1記載の製造方法。 フェルラ酸エステラーゼが、ペニシリニウム・クリソゲナム31B由来のフェルラ酸エステラーゼである請求項1記載の製造方法。 多価アルコール類または糖類がグリセロールである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 多価アルコール類または糖類がフラクトースである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 多価アルコール類または糖類がトレハロースである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得られるフェルラ酸エステル。 フェルラ酸とフラクトースとのエステル。 フェルラ酸とトレハロースとのエステル。 フェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルを有効成分とする紫外線吸収剤。 フェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルを有効成分とする抗酸化剤。 請求項10記載の紫外線吸収剤を含有する化粧品。 請求項11記載の抗酸化剤を含有する飲食品。 【課 題】 水可溶性のフェルラ酸エステルの新規製造方法の提供。【解決手段】 フェルラ酸低級アルキルエステルに、グリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類の存在下に、フェルラ酸エステラーゼを作用させてエステル交換反応させることを特徴とするフェルラ酸とグリセロール、フラクトースおよびトレハロースから選ばれる多価アルコール類または糖類とのエステルの製造方法。【選択図】 なし。


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