生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_下部尿路疾患の予防又は治療薬
出願番号:2004033161
年次:2005
IPC分類:7,A61K35/78,A61P1/02,A61P11/04,A61P13/00,A61P13/08,A61P13/10,A61P37/08


特許情報キャッシュ

木島 春子 JP 2005225768 公開特許公報(A) 20050825 2004033161 20040210 下部尿路疾患の予防又は治療薬 大正製薬株式会社 000002819 佐鳥 宗一 100115406 北川 富造 100074114 木島 春子 7A61K35/78A61P1/02A61P11/04A61P13/00A61P13/08A61P13/10A61P37/08 JPA61K35/78 WA61P1/02A61P11/04A61P13/00A61P13/08A61P13/10A61P37/08 6 OL 6 4C088 4C088AB14 4C088AB29 4C088AB43 4C088BA08 4C088BA09 4C088CA05 4C088CA08 4C088MA52 4C088NA14 4C088ZA81 本発明は、生薬由来の成分を有効成分とする下部尿路疾患の予防又は治療薬に関する。さらに詳しくは、茵▲チン▼蒿湯により尿路機能を調整することによる排尿困難、頻尿、尿失禁等の下部尿路疾患の予防又は治療薬に関する。 下部尿路疾患は排尿障害、蓄尿障害等に分けられ、それぞれ排尿困難、頻尿、尿失禁等の症状として表れる。これらの障害は加齢により増加し、その背景には、前立腺肥大、過活動膀胱、出産による骨盤底筋の脆弱化等が関連している。男女を問わず、中高齢における有訴者数は多く、有症状者における問題が深刻であるだけでなく、精神的社会的な影響が極めて大きい疾患である(非特許文献1)。 下部尿路機能よりこれらの疾患をみると、前立腺肥大による尿道の機械的な閉塞及び前立腺の収縮による機能的閉塞により、排尿及び蓄尿の異常が生じ、排尿困難、頻尿、尿意切迫感、残尿感、尿失禁、尿閉等の様々な排尿障害が発生する。また、膀胱の過活動性により、頻尿、尿意切迫或いは尿失禁等が引き起こされる。一方、出産などによる骨盤底筋の脆弱化により、膀胱の蓄尿機能が低下し、腹圧がかかるような状況において尿失禁が認められる。したがって、膀胱の蓄尿及び排尿機能を調節する物質は下部尿路疾患の予防又は治療薬として有用であると考えられる。 これらの下部尿路疾患に有効な化合物については多数知られている。また、漢方方剤の中でも、八味地黄丸、牛車腎気丸をはじめ、幾つかのものが下部尿路疾患に有効であり、臨床の場で使用されている(非特許文献2、3)。 本発明の茵▲チン▼蒿湯は、茵▲チン▼蒿、山梔子、大黄を含み、蕁麻疹及び口内炎の効能を持つものであり、主に黄疸に用いられる処方である。しかしながら、茵▲チン▼蒿湯の排尿障害、畜尿障害等の下部尿路疾患に対する改善効果は知られていない。石塚修ら、医学と薬学、45、519−525、2001新島端夫ら、泌尿器科紀要、25、977−982、1979仁藤博ら、漢方医学、7、14−15、1983 本発明は、加齢、前立腺肥大、出産後の骨盤底筋の脆弱化等による排尿困難(遷延性汚排尿、苒延性排尿、尿放出力の低下、尿線の細小等)、尿意切迫感、頻尿、残尿感、尿閉、尿失禁など様々な下部尿路疾患の治療に有効であり、且つ長期間服用しても安全な経口用組成物の提供を目的とする。 本発明者らは課題を解決するために種々検討した結果、茵▲チン▼蒿湯が排尿間隔短縮作用及び膀胱収縮抑制作用を有することから、下部尿路疾患を改善する効果があることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は茵▲チン▼蒿湯を有効成分とする下部尿路疾患の予防又は治療薬である。また、他の本発明は下部尿路疾患が排尿障害又は畜尿障害である前記下部尿路疾患の予防又は治療薬である。また、他の本発明は排尿障害が排尿困難である前記下部尿路疾患の予防又は治療薬である。また、他の本発明は畜尿障害が頻尿である前記下部尿路疾患の予防又は治療薬である。また、他の本発明は畜尿障害が尿失禁である前記下部尿路疾患の予防又は治療薬である。また、他の本発明は茵▲チン▼蒿湯の有効量を投与することを特徴とする下部尿路疾患の予防又は治療方法である。 本発明により、様々な下部尿路疾患の治療に有効であり、且つ長期間服用しても安全な経口用組成物を提供することができる。 本発明において、茵▲チン▼蒿湯とは茵▲チン▼蒿、山梔子及び大黄を(4〜6):(1.4〜3):(0.8〜2)の比率で含む処方であり、また、茵▲チン▼蒿湯の有効投与量は、健康成人1日当たりの総生薬量として構成生薬量として4〜22gである。 本発明の有効成分である茵▲チン▼蒿湯は、水及び含水エタノールにて加熱抽出したエキスを用い、そのままあるいは必要に応じて他の公知の添加剤、例えば、賦形剤、pH調製剤、清涼化剤、懸濁化剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、橋味橋臭剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを混合して常法により、液剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ドライシロップ剤等の経口製剤とすることができる。 以下に実施例及び試験例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。 実施例1 インチンコウエキス 750mg(原生薬換算量 4g) サンシシエキス 560mg(原生薬換算量 3g) ダイオウエキス 190mg(原生薬換算量 1g) 精製水 全100mL 上記の各成分を混合溶解し、水酸化ナトリウムでpH4.5に調節後、80℃30分滅菌して、試験溶液を得た。 実施例2 インチンコウエキス 75g(原生薬換算量 400g) サンシシエキス 56g(原生薬換算量 300g) ダイオウエキス 19g(原生薬換算量 100g) 乳糖 100g 微結晶セルロース 50g タルク 3g 上記の各成分を秤量し均一に混合した後、得られた混合粉末を2号硬カプセルに200mgずつ充填し、カプセル剤を得た。 実施例3 インチンコウエキス 75g(原生薬換算量 400g) サンシシエキス 56g(原生薬換算量 300g) ダイオウエキス 19g(原生薬換算量 100g) 乳糖 200g 低置換度ヒドロキシプロビルセルロース 135g タルク 10g 硬化ヒマシ油 5g 上記の各成分を秤量し均一に混合した後、得られた混合粉末を直打法により1錠重量200mgになるよう打錠し、錠剤を得た。試験例 ラット排尿機能測定 試験動物としてSD系ラット(雄、体重:200g〜500g、チャールスリバー)を用いた。なお、動物は全実験期間を通して、室温25±2℃、湿度55±15%で照明(約200ルックス)が12時間サイクルに設定された実験室で水洗ケージにて飼育した。食餌は市販固形飼料、水は滅菌水を用い、それぞれ、自由摂取とし、実験18時間前に絶食とした。 試験の前日にエーテル麻酔下ラットの下腹部を開腹し、膀胱に生理食塩水を満たしたポリエチレン・カニューレを挿入し、皮下を通して背部より体外に導出した。試験当日には、エーテル麻酔上腹部を下開腹し、生理食塩水を満たした薬物投与用のカニューレを十二指腸に挿入した。閉腹後麻酔より回復させ、ボールマンケージ内にラットを入れ、1時間以上馴化させた。背部より導出したカニューレを圧トランスデューサーに接続し、生理食塩水を4.8 mL/hrの速度で膀胱内に注入しつつ、膀胱内圧を圧トランスデューサー及び歪圧力用アンプを介して経時的に記録した。また、排泄された尿量をFDピックアップ及び歪圧力用アンプを介して記録することにより、排尿間隔を求めた。 十二指腸内に挿入したカニューレより茵▲チン▼蒿湯(1000mg/kg)を投与し、排尿間隔及び膀胱収縮を2時間後まで測定した。対照群においては、生理食塩水を投与して、同様に排尿間隔及び膀胱収縮を測定した。 その結果、茵▲チン▼蒿湯(1000mg/kg)の投与により投与15分後より著明な排尿間隔の短縮(図1−1)及び膀胱収縮の抑制(図1−2)が認められた。 本発明により、排尿促進による排尿困難の治療効果が、また膀胱収縮抑制により頻尿及び尿失禁の改善効果が期待でき、下部尿路疾患治療薬の提供が可能になったので、医薬品、機能性食品、食品、サプリメントなどに利用可能である。試験例における排尿間隔の短縮を示す図である。試験例における膀胱収縮の抑制を示す図である。茵▲チン▼蒿湯を有効成分とする下部尿路疾患の予防又は治療薬。下部尿路疾患が排尿障害又は畜尿障害である請求項1記載の下部尿路疾患の予防又は治療薬。排尿障害が排尿困難である請求項2記載の下部尿路疾患の予防又は治療薬。畜尿障害が頻尿である請求項2記載の下部尿路疾患の予防又は治療薬。畜尿障害が尿失禁である請求項2記載の下部尿路疾患の予防又は治療薬。茵▲チン▼蒿湯の有効量を投与することを特徴とする下部尿路疾患の予防又は治療方法。 【課題】加齢、前立腺肥大、出産後の骨盤底筋の脆弱化等による排尿困難(遷延性汚排尿、苒延性排尿、尿放出力の低下、尿線の細小等)、尿意切迫感、頻尿、残尿感、尿閉、尿失禁など様々な下部尿路疾患の治療に有効であり、且つ長期間服用しても安全な経口用組成物の提供すること。【解決手段】茵▲チン▼蒿湯を有効成分とする下部尿路疾患の予防又は治療薬。茵▲チン▼蒿湯の有効量を投与することを特徴とする下部尿路疾患の予防又は治療方法。【選択図】なし


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